JP4417253B2 - 一体的な制動装置を有するベルトテンショナ - Google Patents

Description

本発明は、ベルト駆動システム、特に動力伝達ベルトなどのテンション装置に関する。具体的には、本発明は、テンショナに加わる軸方向力とは独立して作動し、プーリアライメントを改善するともにテンショナ寿命を改善するテンション装置に関する。

自動車工業の場合、パワー・ステアリングポンプ、オイル／エアポンプ、エアコン、オルタネータなどの各種自動車付属品の作動については、エンジンクランクシャフトに接続したプーリによって駆動する単独のエンドレスベルトによって行っている。このようなシステムは、例えば、“Ｓ字状（ｓｅｒｐｅｎｔｉｎｅ）”駆動ベルトシステムと呼ばれている。上記の付属品やその他の付属品の作動効率を最適化するためには、所定の張力を駆動ベルトに対して維持し、これら付属品の性能を効率化するとともに、ベルトの寿命を園長することが必須である。駆動ベルトの長さのため、磨耗や振動によりベルトが伸びる傾向があり、ベルト駆動付属品の作動特性に影響が出てくる。従って、ベルトテンション装置を利用して、ベルトに一定の張力を作用させて上記のような伸び作用によって伸びたベルトの長さを代償する。この点については、ＵＳＰ５，０３０，１７２、同５，４４３，４２４、同５，５４５，０９５、同５，７１８，６４９、同５，８０３，８５０および同６，２０６，７９７が従来例である。なお、これら特許番号に言及することによって各公報を援用するものである。

よく採用されているタイプのベルトテンショナの場合、固定ハウジング、およびベルト係合プーリを備えた角度変位レバーアームで構成している。コイルばねを配設して固定ハウジングおよび角度変位レバーアームを補強し、ベルト振動の性質に応じて調節する張力を利用して、ベルトに向けてこれらハウジングおよびレバーアームを変位させる。ばね力が変化するにもかかわらず、レバーに実質的に一定の力を作用させ、これを維持することができる。

また、ばね部材に発生する過剰な振動を防止するためには、ベルトテンショナに制動手段を設けるのが望ましい。このような手段は、突然の衝撃を吸収するとともに、テンショナおよび駆動ベルトに発生するむち打ち作用を防止するようになっている。この制動手段は、コイルばねを利用してベルト張力を作用させるさいに特に重要である。というのは、ベルトによって変動する逆の力が加わったさいに、自然な振動数が発生するのは、コイルばねの固有な作用であるからである。このようは変動が発生すると、ばねの張力効率が低下するが、駆動ベルトに作用する張力に影響を与えずに、システムが長期間にわたって脈動装置に作用を持続させるためには、制動は必須である。

例えば、Ｗａｌｋｅｒなどを発明者とするＵＳＰ３，９２４，４８３で提案されているベルトテンション装置の場合、所望の張力を実現するために、自動車付属品のひとつをピボット作用により作動させるトーションばねが開示されている。上記タイプの他のテンショナの場合には、一対のトーションばねを利用して、レバーとアイドル・プーリをピボット作用により作動させてベルトテンション係合しているため、経済的でコンパクトなユニットを実現している。具体的には、このタイプのテンショナでは、レバーの各側部にそれぞればねを取り付け、レバーおよびハウジングに係合させて、ベルトテンション方向にベルトにレバーを介入させる。さらに、自動車工業では、自動車ベルトシステムに振動環境があることを認め、そのばね振動への作用を認識している。

ＵＳＰ４，６９６，６６３には、固定ハウジング１２、レバーアーム３０、およびハウジングおよびレバーを補強するとともにレバーをベルトテンション方向にトーションばね２０を偏倚させるトーションばね２０からなるベルトテンショナが記載されている。このベルトテンショナには、ブレーキ６０を設け、トーションばねによって付勢し、これをハウジング壁１３に摩擦係合させる。このトーションばねがレバーへの張力および作用するブレーキ力の両者を発生するため、制動量はベルト張力に比例する。

ＵＳＰ４，４７３，３６２には、制動特性は一定ではないが、固定構造体３６に対するピボット構造体４０の位置に応じて変化する独立した制動体１０８が記載されている。固定構造体とピボット構造体との間にコイルばねを設け、ピボット構造体がベルトの方に変位するにつれて大きくなるばね力によって、ピボット構造体をその第１制限位置から第２制御位置に向かって離れる方向に弾性偏倚させる。制動体の内周部はコア部材４８の下部外周部と相対的に強く係合し、そしてその外周部とピボット構造体の内周部との係合は相対的に弱い。第１制限位置と第２制限位置との間でピボット構造体の角度が変化すると、制動体の外周部と接触面の取り付け部分の内周部とがすべり運動し、そしてその角度変化は、ピボット構造体の位置に応じて変化する。また同様に摩擦量も変化するため、摩擦力を上回るために必要なトーション力も変化する。このため、アームがベルト解放方向により大きな制動作用を発揮し、有利である。

Ｑｕｉｎｔｕｓを発明者とするＵＳＰ６，２０６，７９７には、ばねブッシュアームとばねケースとの摩擦およびアームプレートブッシュとアームプレートとアームとの間の摩擦を強くすることによって制動を行うベルトテンショナ構造が開示されている。摩擦を大きくするには、ばねまたは偏向アームプレートを利用して、テンショナ構成成分に加わる軸方向負荷を大きくすればよい。この構成によれば、制動を効率化できるが、プーリアライメントを維持するために必須な臨界的な磨耗領域に加わる負荷を大きくなる。このように、上記問題を解決する構造が求められている。
ＵＳＰ５，０３０，１７２ ＵＳＰ５，４４３，４２４ ＵＳＰ５，５４５，０９５ ＵＳＰ５，７１８，６４９ ＵＳＰ５，８０３，８５０ ＵＳＰ６，２０６，７９７ ＵＳＰ３，９２４，４８３ ＵＳＰ４，６９６，６６３ ＵＳＰ４，４７３，３６２ ＵＳＰ６，２０６，７９７

従って、本発明の一つの目的は、ベルトテンショナにおいて、ベルトテンショナの軸方向力とは独立した制動機能をもつベルトテンショナを提供することである。

本発明の別な目的は、臨界的な磨耗領域に加わる力を小さくした状態で、高レベルの制動機能を備えたベルトテンショナを提供することである。

本発明のさらに別な目的は、プーリアライメントを改良したベルトテンショナを提供することである。

本発明のさらに別な目的は、寿命のより長いベルトテンショナを提供することである。

本発明のさらに別な目的は、アームプレートの正確な位置決めを行うことなく、適正レベルの制動を実現できるベルトテンショナの組み立て方法を提供することである。

以上の目的は、本発明によれば、ベルトテンショナに作用する軸方向力から独立して、一体的な制動装置（ｉｎｔｅｇｒａｌ ｄａｍｐｉｎｇ）をもつベルトテンショナによって実現できる。この制動装置は、アーム、およびカップ状に形成したばね鋼アームプレートで構成する。このカップ状アームプレートの縁部については、ばねとして作用して半径方向に力を発生する“指部”なるように構成する。これら指部とアームとの間に摩擦材料を設け、接触領域を形成する。この接触領域が、アームとアームプレートと間の摩擦を強くし、制動を行う。この摩擦材料としては、本発明の具体的な実施態様では、ポリマー系材料を使用するが、本発明に関する限り、本発明のアームとアームプレートとの間の摩擦を効果的に強くする特性をもつ好適なその他の材料を一種か二種以上組み合わせたものも利用できる。また、本発明によれば、カップ状アームプレートの内周部および外周部のいずれかに摩擦材料を同時成型してもよい。摩擦材料をカップ状アームプレートに同時成型する場合には、汚染物質がベルトテンショナの制動キャビティに侵入しないように、ベルトテンショナをシーリング処理してもよい。

アームプレートについては、ベルトテンショナのピボット手段にキー固定し、アームプレートを回動しないように固定するとともに、摩擦材料とアームとが相対運動できるようにする。制動力がテンショナ装置を保持するために必要な軸方向力から独立しているため、アームをアライメントさせこれを維持するためにテンショナに設けたブッシュの磨耗が少なく、テンショナの寿命が延びる。また、本発明のテンショナの組み立て方法は、適正レベルの制動を実現するためにアームプレートを正確に位置決めする必要がないため、すぐれた方法である。

本発明は、臨界的な磨耗領域に作用する力を抑制した状態で高レベルの一体的な制動作用を実現するもので、プーリアライメントを改善するとともに、テンショナを長寿命化するものである。

本発明の特徴、および本発明の作用効果は、添付図面について説明する好適な実施態様および特許請求の範囲から明らかになるはずである。

添付図面の図１は、本発明のベルトテンショナを説明する図である。図示のように、ベルトテンショナ１０は、レバーアーム１２の外周１６から外側に半径方向に突出しレバーアーム１２の回動を制限する複数のストッパ１４を形成したレバーアーム１２、レバーアーム１２を配設するハウジング１８、テンショナアームプレート（制動装置）２０の外周縁部に延設され半径方向にばね力を作用させる複数の指要素２２を有するテンショナアームプレート２０、およびアームプレート２０をハウジング１８に固定するロッキング部材２４を使用して構成する。このレバーアーム１２は、さらに、レバーアーム１２に固定され、かつレバーアーム１２から延設されて、プーリ３０、取り付けボルトまたはピン３２および取り付けボルトまたはピン３２を接続しプーリ３０を支持部材２６に固定する取り付け開口３４を有するプーリ装置２８（図３）を受け取り、これを支持する支持部材２６を有する。

より具体的には、図２および図３に示すように、本発明のベルトテンショナは、
長手軸線にそって延設され、かつ外側軸端４４を形成したピボットシャフト４２、
水平な底部４８、およびこの水平な底部に垂直に延設され、内周壁面５２と外周壁面５４を有する周壁５０を有するハウジング４６であって、ピボットシャフト４２に取り付けられ、かつ回動自在に固定されたハウジング４６、
ピボットシャフト４２に回動できるように取り付けられ、末端５６と管状の近接端５８を有するレバーアーム１２であって、管状の近接端をハウジング４６内に延設しこれと連接したレバーアーム１２、
レバーアーム１２をアライメントさせこれを維持する内周壁面６２および外周壁面６４を有するピボットブッシュ６０であって、上記内周壁面６２がハウジング４６内のピボットシャフト４２を取り囲み、かつ長手軸線にそって延設されたスリーブ６６の外面に隣接するようにピボットシャフト４２の外面に軸方向に配設したピボットブッシュ６０、
ハウジング４６およびレバーアーム１２に連接されて長手軸線を中心にしてレバーアーム１２をベルトテンション方向に回動させる好ましくは鋼コイルばねなどのばね要素６８、
ばね要素６８とレバーアーム１２との間に軸方向に配設されたばねブッシュ７０であって、ハウジング４６の垂直な周側壁５０の外周面に対応する外周面およびレバーアームの管状近接端５８の外周壁７２に対応する内周面を有するばねブッシュ７０、
レバーアーム１２の末端に取り付けられてエンドレス駆動ベルト（図示せず）を受け取り、そしてレバーアームをベルトテンション方向に回動させたさいにエンドレス駆動ベルトに張力を作用させるプーリ装置２８であって、プーリを取り付けた末端を上記ピボットシャフト４２の上端から軸方向に離間させたプーリ装置２８、および
カップ状アームプレート２０を有するアームプレート装置であって、好ましくはばね鋼から形成され、ピボットシャフト４２に固定されて一体的な制動作用を行い、駆動システムのエンドレス駆動ベルトに張力を作用させるアームプレート装置を有し、
上記アームプレート装置が、
（ａ）周縁部７８を有するカップ状キャビティおよびこの周縁部７８に延設した複数の離間指要素２２を有するアームプレート、および
（ｂ）上記指要素２２の間でかつアームプレート２０の表面に配設されてレバーアーム１２とアームプレート２０との間において摩擦の大きい少なくとも一つの接触領域を形成する摩擦材料８０を有する。

所望ならば、従来よく行われているように、テフロンテープなどの適当なポリマー系減摩テープ６９をばね６８のコイル間に配設してもよい。

複数の指要素２２については、全体として上向きにするとともに、一つかそれ以上の角度面３６をもつように構成する。これら指要素２２それぞれはばねとして作用し、半径方向に力をアームプレートブッシュ４０の側壁３８に作用させるものである。アームプレートブッシュ４０には、切欠き部４１を形成し、アームプレートブッシュ４０をレバーアーム１２の制動キャビティに簡単に係合できるようにする。例えば、指要素２２を剛性のある材料で構成すると、指を半径方向上方に曲げたときに、ばねのような作用を発揮させることができる。指要素に一つかそれ以上の表面を形成することが好ましく、ばねのような作用を強化でき、従って圧力をより均一化でき、またより持続化できる。制動時には、アームプレート２０の指要素２２、側壁３８およびアームプレートブッシュ４０が摩擦することになる。

指要素２２とレバーアーム１２との間に耐摩耗性プラスチック材料などの摩擦材料８０を配設する。使用できる耐摩耗性材料を例示すれば、ポリアミド類（ＰＡ）、ポリエーテルイミド類（ＰＥＩ）、ポリスルホン類（ＰＳ）、ポリエーテルスルホン類（ＰＥＳ）、ポリアセタール類などのポリオキシメチレン類（ＰＯＭ）、ポリエーテルエーテルケトン類（ＰＥＥＫ）、ポリフェニレンスルフィド類（ＰＰＳ）、ポリフタルアミド類（ＰＰＡ）やポリフタルイミド類（ＰＰＩ）であり、これらの配合物である。好ましい摩擦材料８０は、ポリアミドであり、具体的にはナイロン６、ナイロン４、ナイロン９、ナイロン１１、ナイロン１２、ナイロン６６、ナイロン６１０、ナイロン６１１やナイロン４６である。本発明の好適な実施態様では、アームプレート２０上にポリアミド摩擦材料８０を同時成型する。この場合、摩擦材料８０は、一連のラビリンスやフランジなどのシーリング手段を使用するか、あるいはアームプレートブッシュ４０の一部をレバーアーム１２に接触させて、汚染物が制動キャビティに侵入しないようにシールを形成する。

ハウジング４６の水平な底部４８に面するピボットブッシュ６０の一端にフレアを形成する。さらに、ピボットブッシュ６０に複数の溝８４を形成し、ピボットブッシュ６０の長手方向に各溝を走らせる。ハウジング４６の底部上のスリーブ６６から外側半径方向に突出するリブ８２のそれぞれの底部内側角部に形成した対応する数の小さなノッチによってハウジング４６の水平な底部４８にピボットブッシュ６０を固定する。

プーリ装置２８は、ボールベアリングなどのベアリング８６および取り付けボルトやピンなどの取り付け手段で構成し、プーリを取り付け、レバーアーム１２の末端にプーリ装置２８を固定する。プーリ３０の外周面に複数の突出部８８および凹部９０を形成し、プーリ３０を中心にして円周方向に配設する。突出部/凹部の形状は、Ｖ字形状でもよく、あるいは切頭Ｖ字状でもよく、その他有効な形状であればよい。

以上、本発明を好適な実施態様について説明してきたが、本発明はこれらに制限されず、当業者によく知られているように、多数の変更変形が可能である。即ち、本発明は以上説明した細部に限定されず、特許請求の範囲および精神に含まれるすべての変更変形を包摂するものである。

本発明による一体的な制動装置を有するベルトテンショナの上面図である。 図１のベルトテンショナを２−２線にそってみた横断面図である。 図１のベルトテンショナ斜視展開図である。

符号の説明

１０：ベルトテンショナ、
１２：レバーアーム、
２０：アームプレート、
２２：指要素、
３０：プーリ、
４２：ピボットシャフト、
４６：ハウジング、
５６：末端、
５８：近接端、
６８：ばね要素、
８０：摩擦材料。

Claims (10)

1. 駆動システムのエンドレス駆動ベルトに張力を作用させるさいに使用する一体的な制動装置を有するベルトテンショナにおいて、
   このベルトテンショナ（１０）が、
   長手軸線にそって延設され、かつ外側軸端（４４）を形成したピボットシャフト（４２）を有するハウジング（４６）と、
   前記ピボットシャフト（４２）に回動できるように取り付けられ、末端（５６）と管状の近接端（５８）を有するレバーアーム（１２）であって、前記管状の近接端（５８）を前記ハウジング（４６）内に延設しこれと連接した前記レバーアーム（１２）と、
   前記ハウジング（４６）および前記レバーアーム（１２）に連接されて長手軸線を中心にして前記レバーアーム（１２）をベルトテンション方向に回動させるばね要素（６８）と、
   前記レバーアーム（１２）に設けた制動用キャビティに挿入配置したアームプレートブッシュ（４０）と
   前記ピボットシャフト（４２）に固定されて一体的な制動作用を行い、駆動システムのエンドレス駆動ベルトに張力を作用させるアームプレート装置を有し、
   前記アームプレート装置が、
   （ａ）周縁部（７８）の外周より外側に出るように折り曲げ部を延設してカップ状キャビティの形状に形成したばね用の離間指要素（２２）であって、前記アームプレートブッシュ（４０）の側壁（３８）を押圧するように径方向にばね力の作用をする前記離間指要素（２２）を有するアームプレート（２０）を備えており、
   （ｂ）前記制動用キャビティに係合させるための切り欠き部（４１）を、前記レバーアーム（１２）の前記制動用キャビティと前記アームプレート（２０）との間に摩擦の大きい接触領域を形成する摩擦材料（８０）及び前記アームプレートブッシュ（４０）に有しており、そして
   前記ベルトテンショナ（１０）がさらに、
   前記レバーアーム（１２）の前記末端（５６）に取り付けられてエンドレス駆動ベルトを受け取り、そして前記レバーアーム（１２）をベルトテンション方向に回動させたさいに前記エンドレス駆動ベルトに張力を作用させるプーリ（３０）であって、前記プーリ（３０）を取り付けた前記末端（５６）を前記ピボットシャフト（４２）の前記近接端部（５８）から軸方向に離間させた前記プーリ（３０）を有することを特徴とするベルトテンショナ。
2. 上記ハウジング（４６）が水平な底部（４８）、この水平な底部に隣接して、ピボットシャフト（４２）から外側に半径方向に走る複数のリッジ（８２）および上記水平な底部から垂直に延設され、内周壁面（５２）および外周壁面（５４）を有する周壁（５０）を有し、および／または上記摩擦材料（８０）がばね鋼で構成することができるアームプレート（２０）の少なくとも一面にあり、および／または上記レバーアーム（１２）がアームプレート装置を受け取る制動キャビティを有し、および／または周縁部（７８）から延設した上記複数の離間指要素（２２）を上向きに角度をつけて形成し、これら指要素（２２）が半径方向に力を発生するばねとして作用するように構成するとともに、高度の制動を与えるように構成し、および／または上記摩擦材料（８０）をアームプレート（２０）上に同時成型し、シーリング手段を設けて汚染物質が制動キャビティ内に侵入しないようにし、このシーリング手段として一つ以上のラビリンス、一つ以上のフランジ、あるいはレバーアーム（１２）に接触するアームプレート（４０）の一つ以上の部分を使用する請求項１記載のベルトテンショナ。
3. さらに、レバーアーム（１２）をアライメントさせこれを維持する内周壁面（６２）および外周壁面（６４）を有するピボットブッシュ（６０）であって、上記内周壁面（６２）がハウジング（４６）内のピボットシャフト（４２）を取り囲み、かつ長手軸線にそって延設されたスリーブ（６６）の外面に隣接するようにピボットシャフト（４２）の外面に軸方向に配設したピボットブッシュ（６０）、および／またはばね要素（６８）とレバーアーム（１２）との間に軸方向に配設されたばねブッシュ（７０）であって、ハウジング（４６）の垂直な周側壁（５０）の外周面（５４）の円周に対応する外周面およびレバーアームの管状近接端（５８）の外周壁に対応する内周面を有するばねブッシュ（７０）、および／またはアームプレート（２０）とレバーアーム（１２）との間に設けられ、上記レバーアームをアライメントさせこれを維持するアームプレートブッシュ（４０）であって、切欠き部（４１）を形成して上記アームプレートブッシュを張力により上記制動キャビティに係合させるアームプレートブッシュ（４０）を有する請求項１または２記載のベルトテンショナ。
4. 上記プーリ（３０）が、このプーリ（３０）の上記周面を中心にして円周方向に走る複数のリッジ（８８）および凹部（９０）を交互にもつ外周面を有し、上記プーリ（３０）の軸方向開口を走り、取り付けボルトまたは取り付けピンを形成することができる取り付け手段（３２）を使用して、上記レバーアーム（１２）の上記末端（５６）上のハブに上記プーリ（３０）を連接することができる請求項１〜３のいずれかに記載のベルトテンショナ。
5. 上記ばね要素（６８）が、鋼で構成することができるコイルばねである請求項１〜４のいずれかに記載のベルトテンショナ。
6. 一体的な制動装置を有するベルトテンショナ（１０）の組み立て方法において、
   長手軸線にそって延設され、かつ外側軸端を形成したピボットシャフト（４２）を有するハウジング（４６）を配設し、
   上記ハウジング（４６）の上記ピボットシャフト（４２）に隣接してピボットブッシュ（６０）を配設し、
   上記ピボットシャフト（４２）の周囲にコイルばね要素（６８）を配設し、
   このコイルばね要素（６８）に隣接して軸方向に環状ばねブッシュ（７０）を配設し、
   上記ピボットシャフト（４２）に、末端（５６）と管状の近接端（５８）を有するレバーアーム（１２）であって、管状の近接端をハウジング（４６）内に延設しこれと連接したレバーアーム（１２）を配設し、
   （ａ）カップ状キャビティ周縁部（７８）および複数の離間指要素（２２）を有するアームプレート（２０）であって、この周縁部（７８）から延設した上記複数の離間指要素（２２）を上向きに角度をつけて形成し、これら指要素（２２）が半径方向に力を発生するばねとして作用するように構成するとともに、高度の制動を与えるように構成したアームプレート（２０）、および
   （ｂ）レバーアーム（１２）とアームプレート（２０）との間に設けられ、このレバーアーム（１２）と上記アームプレート（２０）との間において摩擦の大きい少なくとも一つの接触領域を形成する摩擦材料（８０）を有するアームプレート装置を配設し、
   上記レバーアーム（１２）の上記末端（５６）に、エンドレス駆動ベルトを受け取り、そしてレバーアーム（１２）をベルトテンション方向に回動させたさいにエンドレス駆動ベルトに張力を作用させるプーリ（３０）であって、このプーリ（３０）の外周面を中心にして円周方向に走る複数のリッジ（８８）および凹部（９０）を交互にもつ外周面（３０）をもつプーリ（３０）を有するプーリ装置を配設し、そして
   上記ハウジング（４６）、上記ピボットブッシュ（６０）、上記コイルばね（６８）、上記ばねブッシュ（７０）、上記レバーアーム（１２）、上記アームプレート装置および上記プーリ（３０）を一連の工程で組み立てることを特徴とする一体的な制動装置をもつことを特徴とするベルトテンショナ（１０）の組み立て方法。
7. 上記一連の工程が、
   （一）上記ハウジング（４６）の上記ピボットシャフト（４２）に隣接して上記ピボットブッシュ（６０）を配設する工程、
   （二）上記ハウジング（４６）の上記ピボットシャフト（４２）の周囲に上記コイルばね（６８）を位置決めし、上記コイルばねを上記ハウジングに連結する工程、
   （三）上記のように位置決めしたコイルばね（６８）に隣接して上記ばねブッシュ（７０）を位置決めする工程、
   （四）上記管状の末端（５８）が上記ハウジング（４６）内に延設されるように上記ピボットシャフト（４２）に上記レバーアーム（１２）を位置決めする工程、
   （五）上記アームプレートを上記レバーアーム（１２）に連接する工程、および
   （六）上記プーリ装置を上記レバーアーム（１２）の上記末端（５６）に取り付ける工程を有する請求項６記載の組み立て方法。
8. 上記ハウジング（４６）が水平な底部（４８）、および上記水平な底部から垂直に延設され、内周壁面（５２）および外周壁面（５４）を有する周壁（５０）を有し、上記ハウジング（４６）がさらに上記水平な底部（４８）に半径方向に走る複数の内部リッジ（８２）を有し、および／または上記ピボットブッシュ（６０）が、さらに、レバーアーム（１２）をアライメントさせこれを維持する外周壁面（６４）を有し、このピボットブッシュ（６０）を上記ハウジング（４６）のピボットシャフト（４２）の外面に設けるとともに、長手軸線にそって延設した請求項７記載の組み立て方法。
9. 上記コイルばね要素（６８）を上記ハウジング（４６）および上記レバーアーム（１２）に連接し、長手軸線を中心にしてベルトテンション方向に上記レバーアームを回動できるようにした請求項７または８記載の組み立て方法。
10. 上記工程（五）で、上記アームプレート装置を上記ハウジング（４６）内および上記ピボットシャフト（４２）上に位置決めし、このアームプレート装置がカップ状ばね鋼アームプレート（２０）、およびレバーアームをアラインメントさせこれを維持するために上記アームプレート（２０）と上記レバーアーム（１２）との間に設けられた開口を有する摩擦材料（８０）を有し、そしてこのアームプレート装置が、
    （ａ）周縁部（７８）を有するカップ状キャビティおよび複数の離間指要素（２２）を有するアームプレート（２０）であって、この周縁部（７８）から延設した上記複数の離間指要素（２２）を上向きに角度をつけて形成し、これら指要素（２２）が半径方向に力を発生するばねとして作用するように構成するとともに、高度の制動を与えるように構成したアームプレート（２０）、および
    （ｂ）上記複数の離間指要素（２２）と上記レバーアーム（１２）との間に設けられ、このレバーアーム（１２）と上記アームプレート（２０）との間において摩擦の大きい少なくとも一つの接触領域を形成する摩擦材料（８０）を有する請求項７〜９のいずれかに記載の組み立て方法。

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