JP4417078B2 - カテーテル - Google Patents

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Description

本発明は、血管を閉塞する血栓等を破砕し除去するカテーテルに関する。
近年、人の血管が閉塞される血栓症の治療を行なう手段として、レーザー光により液体ジェット流を発生させ、物理的に破砕する方法が行なわれている。この治療法は、重篤な副作用がある血栓溶解剤を大量に投与する必要がなく、早期血流再開が可能なことから、血栓症の治療として大いに期待されている。特に、脳組織は、6時間以上虚血状態が続くと、それに伴う神経症状の回復は困難とされているが、発症後数時間で血流再開できると、極めて治療効果の高いものとなる。
下記特許文献1及び非特許文献1では、カテーテル内に挿入した光ファイバーに、レーザー発振器からのレーザーをパルス導光し、当該カテーテル内に充填された生理食塩水を急激に加熱し、液体ジェット流を発生させ、この液体ジェット流の力により血栓を破砕し除去するものが記載されている。
このような方法で使用されるカテーテルは、液体ジェット流に耐える耐圧性、耐久性、剛性を有するものでなければ、所期の目的を達成できないばかりでなく、長期にわたり永続的に使用できない。
しかし、従来のカテーテルは、塩化ビニルやPCB(ポリクロロビフェニル)等を材料として成形された、長尺な細径のチューブであり、曲がりくねった血管に沿って変形し得るように全体的に柔軟であるため、前記方法で使用すると、柔軟なカテーテルにより液体ジェット流の力が低減される虞がある。
また、細径のチューブ(通常0.9mm程度)内に、外径(コア径)が0.4mm程度の光ファイバーを挿入すると、チューブの内面と光ファイバーの外面との間は、極めて小さな間隙が存在するのみとなり、この状態でレーザー光を照射すると、その熱がチューブに伝わり易く、この熱によりチューブが溶融、変形等し、円滑な液体ジェット流の噴射を妨げ、カテーテルの寿命を短くする虞もある。
特開2003−111766号公報(段落番号[0014][0015]、図1参照) 日レ医誌第22巻第3号(2001)(第217頁参照)
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、液体ジェット流の力が低減せず、全体的に柔軟で円滑に操作でき、しかも耐熱性、耐久性に優れ、長時間にわたって使用可能なカテーテルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るカテーテルは、レーザー発振器からのレーザー光が導光される光ファイバーが内部に挿通され、当該光ファイバーの先端部から照射されるレーザー光を吸収する所定の液体が充填されるチューブを有し、前記光ファイバーの先端部から照射されたレーザー光により前記液体に液体ジェット流を生じさせ前記チューブの先端部から噴射するようにしたカテーテルにおいて、少なくとも前記レーザー光の照射位置近傍のチューブの内面に、光ファイバーが発する熱に耐え得る高融点でかつ所定の剛性を有する材料からなる補強部材を設けたことを特徴とする。
本発明のカテーテルでは、少なくともレーザー光の照射位置近傍であって、かつ前記チューブの内面に、レーザー照射に伴う熱に耐え得る高融点であって所定の剛性を有する補強部材を設けたので、レーザーの照射が行なわれても、ここで生じた液体ジェット流の力を補強部材が受け、これを弱めることなくカテーテル先端部から噴射することができ、しかも、レーザー照射に伴う熱のカテーテルへの伝達を補強部材が遮断するので、カテーテルの破損、変形等の熱的影響も防止でき、液体ジェット流がカテーテルの先端から円滑に噴射される。また、補強部材を備えていないカテーテルの他の部分(例えば、カテーテルの先端部)は柔軟性を有しているので、細く曲がりくねった血管であっても容易に挿入でき、治療行為も円滑に行なうことができ、さらに、液体ジェット流の力を補強部材が受けるので、長時間にわたり使用可能なカテーテルとなる。
前記補強部材の内面に光反射層を設けると、光ファイバーからでるレーザー光を反射し、レーザー光の吸収による低減を防止し、利用効率を高め、結果的に液体ジェット流の力を高めることができる。
前記補強部材を、光ファイバーの先端部が当るストッパを有するスリーブにより構成すれば、光ファイバーの挿入状態、レーザー照射位置が容易にわかり、操作性が向上する。
前記補強部材を先細りテーパ状に形成すれば、液体ジェット流の力をさらに高めることができる。
前記補強部材を、チューブの内面に形成された保護膜層により構成すれば、薄膜状の補強部材を形成でき、カテーテル内面と光ファイバー外面との隙間も大きくなり、前述した液体ジェット流の力の低減やカテーテルに対する熱的影響をより一層確実に防止できる。
この保護膜層の表面を鏡面仕上げすれば、光ファイバーからでるレーザー光を反射し、一層液体ジェット流の力を高めることができる。
前記補強部材を、コイル状部材により構成すれば、液体ジェット流の力を受ける補強部材までも、柔軟性を有することになり、一層操作性が向上する。また、このコイル部材の一部に減径部を設けると、光ファイバーの先端部が当るストッパとして利用できる。
チューブを、光ファイバーが挿入される基端部からレーザー光の照射位置近傍までを比較的剛性を有する基部剛性部とし、レーザー光の照射位置近傍より先端までの柔軟先端部とすると共に、前記基部剛性部のチューブ内にコイル状部材を設ければ、先端が柔軟で手元が剛性のある操作性のよいカテーテルとなる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態全体を示す概略正面図、図2は図1のA部拡大断面図である。
図1に示す第1実施形態は、例えば、人の血管が閉塞される血栓症の治療を行なうカテーテル1である。このカテーテル1は、概して、レーザー発振器2からのレーザー光が導光される光ファイバー3が挿通され、かつ術者が操作する手元操作部4と、この手元操作部4に連結され、かつ内部に前記光ファイバー3が挿通されたチューブ10とを有している。
レーザー発振器2は、公知のものであるため説明は省略するが、手元操作部4は、レーザー発振器2からのレーザー光が導光される前記光ファイバー3が内部に挿通され、該光ファイバー3を位置固定的に保持する保持部材5と、Y字アダプタ6と、ハブ7とから構成され、これらが直列的に連結されている。
前記保持部材5は、手元操作部4の後端部に取付けられ、内部に挿通された光ファイバー3を保持すると共に後述する液体Wが漏れないように手元操作部4を封止している。
Y字アダプタ6は、前記チューブ10内に液体Wをシリンジポンプ(図示せず)などにより注入するロート状の注入部6aと、光ファイバー3が内部を挿通するファイバー通路部6bが交差するように設けられている。
前記液体Wは、レーザー光のエネルギを吸収することにより気化し得る生理食塩水等に少量の血栓溶解剤が加えられたものであり、レーザー光のエネルギを吸収することにより一部が気化する。この気化により液体W中には、図2に示すバブルBが生じ、このバブルBの急激な膨張により液体Wが液体ジェット流となってチューブ10から噴射される。
前記ハブ7は、先端ほど細径とされた筒体であり、このハブ7の先端にチューブ10の基端部が取付けられている。このハブ7内を通った光ファイバー3と液体Wは、先端部に取付けられたチューブ10内に導入される。
このチューブ10は、細く曲がりくねった血管であっても容易に挿入できるように、全体的には細くて柔軟であるが、強度も有するものである。
このような柔軟で強度も有する材料としては、例えば、1層のHDPE(High Density Polyethylene)あるいは2層のLLDPE(Linear Low Density Polyethylene)がある。ただし,これのみでなく、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂等の各種熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種ゴムも使用できる。
本実施形態のチューブ10は、先端部近傍に、光ファイバー3の先端部からレーザー光を照射するレーザー照射部11が設けられているので、ハブ7と連結される基端部からこのレーザー照射部11までは、操作性の面から比較的剛性を有する基部剛性部10aとされ、レーザー照射部11から先端部までは、体内挿入時に血管内面の傷付きを防止するために柔軟に形成された柔軟先端部10bとされている。
このような基部剛性部10aを形成するには、タングステン等の補強線材を入れるなどの手段があるが、弾性の高い金属材料、例えば、ステンレスあるいは超弾性合金(例えば、Ni−Ti合金)等により構成されたコイル状部材(図示せず)を内面に設けることにより形成すると、より好ましい。
前記レーザー照射部11は、チューブ10内であれば、どこにあっても良いが、本実施形態では、図2に示すように、チューブ10の基部剛性部10aの先端部分、つまり、基部剛性部10aと柔軟先端部10bとの間に設けられている。
なお、先端柔軟部10bの長さは、挿入される生体部位によっても異なるが、例えば、頭蓋内血管(脳血管)内の血栓を破砕する場合は、5〜50cm程度とすることが好ましい。より好ましくは、10〜30cm程度である。
レーザー照射部11は、チューブ10の内面に補強部材12が設けられている。レーザー照射部11は、カテーテル1内に充填された液体Wに吸収されやすい波長のレーザーを、光ファイバー3の先端からパルス的に照射し、液体Wを急激に加熱して、気泡(バブルB)を発生させ、液体ジェット流Jを噴射する部分である。したがって、光ファイバー3の先端近傍に対応するチューブ10の内面は、高温と、バブルBの急激な発生による加圧力が作用することになる。
このため、本実施形態のレーザー照射部11は、チューブ10の内面に補強部材12を設け、高温と加圧力が比較的柔軟なチューブ10に直接作用しないようにしている。
ここに、補強部材12とは、チューブ10の内面に取付けることができるものであればどのようなものであってもよいが、図示実施形態のものでは、金属製スリーブ12aをチューブ10の内面に圧着している。
この金属製スリーブ12aとしては、光ファイバー3の先端から照射されるレーザー光の熱に耐え得る程度の高融点を有する材料、例えば、ステンレス、タングステン、ニッケル、インコネル等を使用することが好ましく、また、これら材料は、バブルBの発生に伴って生じる衝撃的な加圧力にも対抗でき、より好ましいものである。
さらに、この金属製スリーブ12aを、X線等の放射線を実質的に透過しない放射線不透過性材料(例えば金、銀、白金、タングステン、パラジウムまたはそれらの合金等)で構成するかあるいは設ければ、いわゆるマーカーとして機能し、生体内でのレーザー照射部11の血管内挿入位置をX線等の照射により確認でき、利便性が向上する。
この金属製スリーブ12aには、先端に段部13と突部14が形成されている。この段部13は、光ファイバー3をチューブ10内に挿入するときのストッパとして機能するもので、チューブ10内に挿入する光ファイバー3の照射位置を確認でき、実用的効果が高く、術者にとって利便性の高いものである。また、突部14は前記柔軟先端部10bの連結部として使用する。
金属製スリーブ12aには、光ファイバー3から照射されるレーザー光を反射する反射層15を内面に形成することが好ましい。このような反射層15を形成すれば、照射されたレーザー光が金属製スリーブ12aに吸収されることを防止し、レーザー光の利用効率を高め、結果的に液体ジェット流の力を高めることもできる。
この反射層15は、金属製スリーブ12aの内面処理により形成するが、内面処理法としては、例えば、DLC(Diamond Like Carbon)、メッキ等によるコーティング、セラミックコート、金や銀等のコーティング、鏡面処理などが好ましい。
次に、本実施形態の作用を説明する。
まず、術者は、手元操作部4に光ファイバー3を挿通し、チューブ10を通って先端が金属製スリーブ12aの段部13に当接するまで挿入する。一方、手元操作部4のY字アダプタ6の注入部6aから液体Wをシリンジポンプによってチューブ10内に常時供給し充填する。液体Wが満液状態になったか否かは、チューブ10の柔軟先端部10bから排出されたか否かにより分かる。
この状態で、術者は、手元操作部4を持って、カテーテル1を血管内に挿入する。この場合、手元操作部4とチューブ10の基部剛性部10aは、比較的剛性があるので、長尺なカテーテル1であっても操作しやすい。この挿入時には、X線照射を行い、生体内での金属製スリーブ12aの位置をX線不透過性であるマーカーにより確認しつつ行なうことが好ましい。
金属製スリーブ12aが血管内所定位置に到達すると、レーザー照射部11も所定位置に到達したことになるので、レーザー発振器2を動作すると、パルスレーザー光が光ファイバー3を通り、液体Wに照射される。
なお、上記の操作手順に代えて、ガイドワイヤー(図示せず)をカテーテル1内に挿入し、通常のカテーテル操作と同様、ガイドワイヤーを先行させつつ、このガイドワイヤーに沿わせてカテーテル1を血管内に挿入した後、ガイドワイヤーと光ファイバー3を交換し、パルスレーザー光を光ファイバー3から照射してもよい。
このレーザー光の照射は、金属製スリーブ12a内で行なわれる。液体Wは、パルスレーザー光により急激に加熱され、バブルBが間欠的に発生し、これにより補強部材12内の液体Wが急激に金属製スリーブ12aの出口を通って流出し、いわゆる液体ジェット流Jとなって柔軟先端部10bから間欠的に噴射される。
この場合、光ファイバー3の先端に対応するチューブ10の内面には、高温と、バブルBの急激な発生による加圧力が作用することになるが、本実施形態では、ここに金属製スリーブ12aが設けられているので、前記高温がチューブ10を直接伝達したり、バブルBの急激な発生による加圧力がチューブ10に直接作用することはない。
この結果、チューブ10内で発生したバブルBは、殆どが液体Wを押し出す力として作用し、液体ジェット流Jが前方の血栓に向かって噴射される。したがって、血管内の血栓は、この強力な液体ジェット流Jの衝突と、血栓溶解剤の補助により破砕され、血液の再還流が開始することになる。
<第2実施形態>
図3は本発明の第2実施形態を示すチューブの断面図である。なお、前記図1,2と共通する部材には同一符号を付し、説明は省略する。
前記実施形態の補強部材12は、金属製スリーブ12aの内面にレーザー光を反射する反射層15を有しているが、レーザー光の性質からすれば、必ずしも反射層15を形成する必要がない場合もある。また、マーカーなどを使用すれば、レーザー照射位置も容易に分かるので、段部13や突部14も形成することなく、直管の金属製スリーブ12aを使用しても良い。
このため、本実施形態では、多少効率は低下するものの、補強部材12を反射層15のない金属製スリーブ12aのみにより形成し、これを直管のチューブ10a内に設けている。
<第3実施形態>
図4は本発明の第3実施形態を示すチューブの断面図である。前記第2実施形態の金属製スリーブ12aは、断面円筒状の直管であるが、これのみでなく、先細りのテーパ状としてもよく、一端部と他端部で径の異なる管であってもよい。
テーパ状にすると、液体ジェット流Jが金属製スリーブ12aにより更に流速が高められ、より強烈に血栓に向かって噴射され、これを破砕し、血液の再還流を開始させることができる。
<第4実施形態>
図5は本発明の第4実施形態を示すチューブの断面図である。前記実施形態の補強部材12は、チューブ10の内面に金属製スリーブ12aを設けたものであるが、この補強部材12は、光ファイバー3が発する熱に耐え得る高融点でかつ所定の剛性を有するものであればよいので、本実施形態では、チューブ10の内面に直接保護膜層12bを形成することにより前記補強部材12としている。
この保護膜層12bとしては、チューブ10の内面に直接処理を施すことにより形成する。この内面処理法としては、前記反射層15と同様、例えば、DLC(Diamond Like Carbon)、メッキによるコーティング、鏡面処理などを使用できる。
<第5実施形態>
図6は本発明の第5実施形態を示すチューブの断面図である。前記実施形態の補強部材12は、チューブ10の内面に薄い肉厚のスリーブ12aあるいは保護膜層12bを設けたものであるが、チューブ10の柔軟性が部分的ではあるが阻害される可能性があるので、本実施形態では、コイル状部材12cにより補強部材12を構成している。
コイル状部材12cの具体例としては、直径あるいは厚さが0.001〜0.5mmのステンレス鋼、ピアノ線等が中空のコイル状に形成されたものである。放射線造影マーカーとして機能するように、放射線不透過性材料またはこのような材料を一部に有するものにより構成してもよい。また、前記光ファイバー3の先端部が当るストッパとして機能するように、コイル部材12cの先端若しくは一部のコイルを減径して減径部16を形成してもよい。
さらに、比較的剛性のあるチューブ10とし、操作性を高めるには、前記基部剛性部10aのチューブ10内に前記コイル状部材12cを設けてもよい。つまり、手元操作部4からレーザー照射部11までのチューブ10全体に前記コイル状部材12cを設け、剛性を高めてもよい。
このように構成したカテーテル1は、治療時に、手元操作部4やチューブ10等に軸直角方向変位や、捩り等が加えられても、手元操作部4からレーザー照射部11までチューブ10内にコイル部材12cが設けられているので、外力に対する強度があり、カテーテル1の折れ曲がりや破損が防止乃至抑制され、チューブ10のキンクや破損等も生じることはない。
<実験例>
更に、実験により検証された結果に基づいて詳述する。前記金属製スリーブ12aは、ステンレスを使用し、光ファイバー3の先端を金属製スリーブ12aに軸方向略中心に位置した状態でレーザー照射を開始することとした。
この場合の光ファイバー3は、外径(コア径)が0.2〜0.4mmのものを使用し、レーザー発振器2から2.1μ波長のホルミニウム・ヤグレーザーであって、300〜350mJ/パルスという強さのパルスレーザー光を、ウロキナーゼを溶解させた生理食塩水に照射することとした。柔軟先端部10bの長さは20cmとした。
内径が0.4〜0.9mmの金属製スリーブ12aの肉厚tは、50μm〜0.3mm程度で、長さLは、10〜50mm程度であれば良好な結果が得られた。つまり、液体ジェット流Jの速度が、5m/secという相当速い噴射速度が得られた。これは、十分血栓を破砕することができるものである。
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、前記カテーテルは、補強部材12をチューブの先端近傍に設けたものであるが、手元操作部近傍に設けても良い。また、血栓の破砕のみに使用するものでのみでなく、他のもの、例えば、レーザーメスなどとしても使用することができる。さらに、前記補強部材12は、断面形状が円環状であるが、これ以外の断面形状、例えば、矩形、楕円形等の管、いわゆる異形管であってもよい。
本発明は、カテーテル内に充填された液体に吸収されやすい波長のレーザーを、光ファイバーの先端からパルス的に照射し、液体を急激に加熱して、バブルを発生させ、これにより生じた液体ジェット流により血栓を破砕する治療器具として利用できる。
本発明の第1実施形態全体を示す概略正面図である。 図1のA部拡大断面図である。 本発明の第2実施形態を示すチューブの断面図である。 本発明の第3実施形態を示すチューブの断面図である。 本発明の第4実施形態を示すチューブの断面図である。 本発明の第5実施形態を示すチューブの断面図である。
符号の説明
1…カテーテル、
2…レーザー発振器、
3…光ファイバー、
10…チューブ、
10a…基部剛性部、
10b…柔軟先端部、
12…補強部材、
12a…金属製スリーブ、
12b…保護膜層、
12c…コイル状部材、
13…段部(ストッパ)、
15…反射層、
16…減径部、
J…液体ジェット流、
W…液体。

Claims (9)

  1. レーザー発振器からのレーザー光が導光される光ファイバーが内部に挿通され、当該光ファイバーの先端部から照射されるレーザー光を吸収する所定の液体が充填されるチューブを有し、前記光ファイバーの先端部から照射されたレーザー光により前記液体に液体ジェット流を生じさせ前記チューブの先端部から噴射するようにしたカテーテルにおいて、
    少なくとも前記レーザー光の照射位置近傍のチューブの内面に、光ファイバーが発する熱に耐え得る高融点でかつ所定の剛性を有する材料からなる補強部材を設けたことを特徴とするカテーテル。
  2. 前記補強部材は、内面に、前記光ファイバーから出力されるレーザー光を反射する反射層を有することを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記補強部材は、前記光ファイバーの先端部が当るストッパを有するスリーブにより構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のカテーテル。
  4. 前記補強部材は、先細りテーパ状に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のカテーテル。
  5. 前記補強部材は、前記チューブの内面に形成された保護膜層により構成したことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  6. 前記保護膜層は、表面が鏡面仕上げされたことを特徴とする請求項5に記載のカテーテル。
  7. 前記補強部材は、コイル状部材により構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のカテーテル。
  8. 前記コイル部材は、前記光ファイバーの先端部が当るように一部を減径した減径部を有することを特徴とする請求項7に記載のカテーテル。
  9. 前記チューブは、前記光ファイバーが挿入される基端部から前記レーザー光の照射位置近傍までの比較的剛性を有する基部剛性部と、前記レーザー光の照射位置近傍より先端までの柔軟先端部とを有し、前記基部剛性部は、当該チューブ内にコイル状部材を設けることにより形成したことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
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