JP4416985B2 - トイレ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、便器等の上に設けて使用し、用便後の人体局部を温水で洗浄する機能を備えたトイレ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種従来のトイレ装置は、図5、図6に示すような構成を採用している。すなわち、51は底板の基板51aと上から被せるケース51bからなる横長の本体で、内部に用便後の人体局部に温水を噴射して洗浄する局部洗浄装置52、洗浄後の濡れた人体局部に温風を当て乾燥させる乾燥装置53、便器54内に漂う臭いを空気とともに吸気して脱臭し、清浄化した空気のみを排気する脱臭装置55等を内装し、便器54の後端部上に横長に設けて使用するものである。
【0003】
局部洗浄装置53は洗浄水を加熱する温水加熱装置56と洗浄水を人体局部に噴射して
洗浄する洗浄ノズル装置57を有する。また、乾燥装置53は空気を吸引して送る送風ファン58と空気を加熱する加熱手段59を有する。そして、脱臭装置55は吸気ファン60と脱臭剤61を有する。62は温水加熱装置56、洗浄ノズル装置57、乾燥装置53、脱臭装置55等の動作を制御する制御回路を印刷している横長のプリント基板等の制御基板で、横長の基板ケース63に収納し、かつ表面に充填材64を施して本体51内の上方に配置している。
【0004】
基板ケース63は上面を開放した皿状を成し、本体51の略中央部に前端部を下に、後端部を上に傾斜させて並設しているビデ洗浄用と肛門洗浄用の2つの洗浄ノズル装置57の後端部を逃げるため大きな切欠き凹部65を途中に有している。従って、基板ケース63に収納した制御基板62も、基板ケース63と類似して途中に切欠き凹部66を設けている。67は便座で、68は洗浄水を洗浄ノズル57に送るホースである。
【0005】
このようなトイレ装置において、横長の制御基板62および基板ケース63は、共に大きな切欠き凹部65、66を横長の途中に有しているため強度的に弱くなり、組立て等の作業において破損しないよう取扱いに注意が必要である。特に、基板ケース63は制御基板62を収納している関係上から、切欠き凹部65による強度の弱さを考慮した基板51aへの取付け、例えば取付け箇所を多くする等の必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、基板ケース等の強度を確保し、組立て作業のし易いトイレ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のトイレ装置は、本体内に洗浄水を加熱する温水加熱装置と、洗浄水を人体局部に噴射して洗浄する洗浄ノズル装置と、前記温水加熱装置と洗浄ノズル装置の動作を制御する制御基板とを設け、前記制御基板は前記洗浄ノズル装置および温水加熱装置の上方に配置した基板ケースに収納し、前記基板ケースは、その底面に基板ケース内に膨出した下向きの凹部を設け、前記凹部内に洗浄ノズル装置の一部を位置させたもので、洗浄ノズル装置および温水加熱装置等の水回りに水漏れ等の不具合が起きても、上方に位置する基板ケースの底面に当って遮られ、基板ケース内に流入する等の不具合を避けられるとともに、洗浄ノズル装置の一部を、基板ケースの底面の下向き凹部に逃げ込ませられるので、洗浄ノズル装置を傾斜させて設置したとしても、洗浄ノズル装置の奥行きの確保を最大限に行なうことが可能になるとともに、本体の高さ方向に占める割合も小さくすることが可能になるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、本体内に洗浄水を加熱する温水加熱装置と、洗浄水を人体局部に噴射して洗浄する洗浄ノズル装置と、前記温水加熱装置と洗浄ノズル装置の動作を制御する制御基板とを設け、前記制御基板は前記洗浄ノズル装置および温水加熱装置の上方に配置した基板ケースに収納し、前記基板ケースは、その底面に基板ケース内に膨出した下向きの凹部を設け、前記凹部内に洗浄ノズル装置の一部を位置させたことを特徴とするトイレ装置で、洗浄ノズル装置の一部を、基板ケースの底面の下向き凹部に逃げ込ませられるので、洗浄ノズル装置を傾斜させて設置したとしても、洗浄ノズル装置の奥行きの確保を最大限に行なうことが可能になるとともに、本体の高さ方向に占める割合も小さくすることが可能になる。また、洗浄ノズル装置および温水加熱装置等の水回りに水漏れ等の不具合が起きても、上方に位置する基板ケースの底面に当って遮られ、基板ケース内に流入する等の不具合を避けられるものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板ケースにおいて、その内底面に凹部と
対向して凸部を設け、前記凸部に制御基板の開口を嵌合させたトイレ装置で、凸部は制御基板の位置決めに利用することが可能になり、かつ凹部を利用して形成することも可能になる。また、凸部上を部品等の配置に利用することも可能で、かつ充填材の流し込みも容易に行なえる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の基板ケースの凸部を、基板ケースの外周側面より高くしたトイレ装置で、凸部は基板ケースの外周側面より高くしたことにより、洗浄ノズル装置の一部を逃げ込ませる、基板ケース底面の下向き凹部を最大限に大きくでき、洗浄ノズル装置の奥行きの確保を最大限に行なうことが可能になる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の基板ケースの凹部において、その側面の一部を基板ケースの外周側面において開口させたトイレ装置で、凹部は基板ケースの外周側面に臨む開口を見ながら洗浄ノズル装置との位置合わせが容易に可能になる。
【0012】
【実施例】
以下本発明のトイレ装置につき、図面に従い説明する。
【0013】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1におけるトイレ装置のケースの要部を切り欠いて示す上面図で、図2はトイレ装置のケースの要部を切り欠いて示す概略側断面図で、図3はトイレ装置のケースを除き、制御基板と基板ケース部分の分解を示す斜視図である。
【0014】
1は用便後の人体局部に加熱した洗浄水を噴射して洗うビデ洗浄用と肛門洗浄用の複数の洗浄ノズル装置2および前記洗浄水を加熱する温水加熱装置3を有する局部洗浄装置4と、洗浄後の濡れた人体局部に温風を当て乾燥させる乾燥装置5と、便器6内の臭いを空気とともに吸引し、清浄化した空気を排気する脱臭装置7とを内装した横長の本体で、底板である基板1aと上から着脱可能に被せた山形状のケース1bで構成し、便器6の後端部上に横長に設けている。
【0015】
8は本体1に両端を軸支して上下方向へ回動自在に便器6上に載せた便座である。そして、本体1は局部洗浄装置4の洗浄ノズル装置2を本体1の中央部に、一定距離を流れる間に水を所定温度に加熱する瞬間式の温水加熱装置3と乾燥装置5を集中して一方である本体左側に、脱臭装置7を単独で他方である本体右側にそれぞれ配置している。乾燥装置5は空気を吸引して送る送風ファン9と空気を加熱する加熱手段10を有する。また、脱臭装置7は吸気ファン11と脱臭剤12を有する。
【0016】
13は洗浄ノズル装置2、温水加熱装置3、乾燥装置5、脱臭装置7等の動作を制御する制御回路を印刷している横長のプリント基板等の制御基板、14は上面を開放した略皿状の容器に形成し、内底面に制御基板13を収納した合成樹脂製の基板ケースで、本体1の略中央部に前端部を下に、後端部を上に傾斜させて並設している2つの洗浄ノズル装置2の後端部2aに当るのを避けるため、内底面の途中を上方へ膨出させて凸部15を兼ねた下向きの凹部15aを外底面に設けている。従って、基板ケース14に収納した制御基板13も、基板ケース13の凸部15に嵌合する開口13aを設けている。
【0017】
基板ケース14は、洗浄ノズル装置2、温水加熱装置3等の上方に略水平に配置し、かつ洗浄ノズル装置2の一部である後端部2aを図2に示すように凹部15a内に位置させて本体1内の基板1a等に固定している。16は制御基板13を収納した基板ケース14内に湿気等が入らないように制御基板13上から流し込んだコーティング材である。17は洗浄水を洗浄ノズル装置2に送るホース、18は脱臭装置7の排気口、19は手洗い機能付のロータンクである。
【0018】
上記実施例において、制御基板13は開口13aを基板ケース14の凸部15に位置合わせ嵌合して基板ケース14に収納し、上からコーティング材16を流し込んで形成する。そして、このような基板ケース14は、洗浄ノズル装置2の後端部2aを凹部15a内に位置するように合わせて洗浄ノズル装置2、温水加熱装置3等の上方に略水平に配置して所定箇所に固定する。従って、洗浄ノズル装置2、ホース17、温水加熱装置3等は基板ケース14の底面の下方に位置する。
【0019】
以上のように本実施例では、制御基板13および基板ケース14には従来例のもののように切欠き凹部が途中にないので、堅牢で取り扱いが容易になり、制御基板13に印刷した制御回路を安全に護り、かつ組立て易くできるとともに、洗浄ノズル装置2、ホース17、温水加熱装置3等の水回りの上方に基板ケース14が位置するので、水回りより水が漏れて上方へ噴出したとしても基板ケース14の底面に当って遮られ、基板ケース14内に流入するのを防止できる。また、基板ケース14は従来例のもののように途中に切欠き凹部がないので、流し込んだコーティング材16が全体へ円滑に流れ、容易にコーティング材16を施すことができる。
【0020】
また本実施例では、制御基板13が洗浄ノズル装置2の左右に延びて大きな面積を確保しているので、制御回路を容易に設けることができる。
【0021】
更に本実施例では、洗浄ノズル装置2の後端部2aを、基板ケース14の凹部15aに逃げ込ませられるので、傾斜させて設置している洗浄ノズル装置2の奥行きの確保を最大限にでき、従って本体1の奥行幅および高さ方向に占める割合を小さくでき、本体1のコンパクト化に貢献できる。
【0022】
また本実施例では、凹部15aを利用して凸部15を基板ケース14の内底面に形成しているので、凸部を簡単に形成できるとともに、制御基板13の位置決めに利用することができ、更には凸部上を部品等の配置に利用することも可能で、かつコーティング材16の流し込みも容易に行なえる。
【0023】
なお、上記実施例では、凸部15を基板ケース14の外周側面の高さと略等しい高さに設定しているが、基板ケース14の外周側面の高さより高くしても良いものであり、この場合には凹部15aを最大限に大きくでき、洗浄ノズル装置の奥行きの確保を最大限に行なうことが可能になる。
【0024】
(実施例2)
図4は本発明の実施例2におけるトイレ装置の制御基板と基板ケースの分解斜視図である。本実施例は、制御基板と基板ケースの形が実施例1の発明と異なるだけで、それ以外の同一構成および作用効果を奏する部分は図1、図2を利用して詳細な説明を省略し、異なる処を中心に説明する。
【0025】
基板ケース44の凹部45aは、その側面の一部45bを基板ケース44の外周側面である前側面44aにおいて開口させたものである。制御基板43は、基板ケース44内に膨出した凹部45aに合わせて凹欠部43aを設けている。
【0026】
従って、実施例1と同じように洗浄ノズル装置2の後端部2aを、凹部45aに逃げ込ませられるので、傾斜させて設置している洗浄ノズル装置2の奥行きの確保を最大限にできることはもちろん、更に基板ケース44の前側面44aに臨む開口45bを見ながら洗浄ノズル装置2との位置合わせが行なえ、基板ケース44の設置を容易にできる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本発明のトイレ装置は、制御回路を安全に護り、そして有利に設けられ、かつ組立て易くできるとともに、効果的に水による不具合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1におけるトイレ装置を示す要部を切り欠いた上面図
【図2】 同実施例1におけるトイレ装置を示す要部を切り欠いた概略側断面図
【図3】 同実施例1におけるトイレ装置の要部分解を示す斜視図
【図4】 本発明の実施例2におけるトイレ装置の要部分解を示す斜視図
【図5】 従来例におけるトイレ装置を示す要部を切り欠いた上面図
【図6】 同トイレ装置を示す要部を切り欠いた概略側断面図
【符号の説明】
1 本体
2 洗浄ノズル装置
3 温水加熱装置
13 制御基板
13a 開口
14、44 基板ケース
15 凸部
15a、45a 凹部
43a 凹欠部
44a 前側面(外周側面)
45b 開口(一部)
Claims (4)
- 本体内に洗浄水を加熱する温水加熱装置と、洗浄水を人体局部に噴射して洗浄する洗浄ノズル装置と、前記温水加熱装置と洗浄ノズル装置の動作を制御する制御基板とを設け、前記制御基板は前記洗浄ノズル装置および温水加熱装置の上方に配置した基板ケースに収納し、前記基板ケースは、その底面に基板ケース内に膨出した下向きの凹部を設け、前記凹部内に洗浄ノズル装置の一部を位置させたことを特徴とするトイレ装置。
- 基板ケースは、その内底面に凹部と対向して凸部を設け、前記凸部に制御基板の開口を嵌合させたことを特徴とする請求項1に記載のトイレ装置。
- 基板ケースの凸部は、基板ケースの外周側面より高くしたことを特徴とする請求項2に記載のトイレ装置。
- 基板ケースの凹部は、その側面の一部を基板ケースの外周側面において開口させたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のトイレ装置。
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