JP4416973B2 - トラックあおりの蝶番取付構造 - Google Patents

トラックあおりの蝶番取付構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラックあおりの蝶番取付構造に関し、更に詳しくは、蝶番への取付・保守が容易で、強度ないし剛性に優れ、且つ安全で外観のよい外壁側表面を有するトラックあおりの蝶番取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トラックあおり(以下、「あおり」ともいう。)は、運搬車両の荷台に設けられ、大量の積み荷の輸送とその落下を防止する役割を担っている。あおりは、少なくとも1以上のアルミニウム中空押出材等の形材からなるパネルが運搬車両の荷台を囲むように配置され、ボルトとナットからなる螺合部材で蝶番に装着され、その蝶番により起倒自在に動作する。
【0003】
こうしたあおりには、運搬中の積み荷から受ける負荷および起倒動作時の自重による負荷が掛かるので、蝶番やその蝶番に取り付けられる部位には、大きな強度ないし剛性が要求されている。また、蝶番やその蝶番への取付部材は、トラックの幅方向の最外端部となるので、蝶番やその蝶番への取付部材の頭部は、なるべく丸みをおびさせ、走行中の安全性を図る必要がある。
【0004】
すなわち、トラックあおりの蝶番取付構造においては、(イ)蝶番に取り付けられる部位の構造そのものが強固であること、言い換えれば、あおりの下部レール部材の螺合締結部の構造が剛性を有するものであること、(ロ)下部レール部材を蝶番に取り付ける作業が容易であること、(ハ)所定期間毎の増し締め等の保守、および、あおりの交換作業が容易であること、(ニ)蝶番やその蝶番への取付部材の形状が、安全上および美観上好ましいこと、等の要請がある。図9〜図11は、従来型のトラックあおりの蝶番取付構造の例を示す断面図である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のトラックあおりの蝶番取付構造には、以下のような問題がある。
【0006】
図9に示した蝶番取付構造91は、蝶番95を取り付ける締結部98と、複数の中空部100、100とからなる中空パネル92の一部を構成している。その締結部98の外側壁97は、螺合部材である六角ボルト94aと六角ナット94bによって蝶番95に螺合締結されている。また、締結部98の荷台側開口部96は蓋材93で閉じられており、その蓋材93は取り外し可能に装着され、ねじまたはリベット99によって締結されている。
【0007】
この蝶番取付構造91においては、パネル92と蝶番95との螺合締結がパネル92の外側壁97のみによってなされるので、強度にやや劣るという問題がある。また、蓋材93の装着作業が加わるので、組み立て工数が多く、さらに、所定期間毎の増し締め等の保守が煩雑になるという問題がある。また、蝶番95と外側壁97とを螺合締結する螺合部材として、六角ボルト94aが使用されているので、安全性および美観において劣るという問題がある。
【0008】
図10に示した蝶番取付構造101は、蝶番105を取り付ける締結中空部107と、その他の中空部100とからなる中空パネル102の一部を構成している。締結中空部107と蝶番105とは、荷台側から蝶番ライナー108を介して挿入された角根ボルト104aと、外壁側から蝶番105を介して挿入された六角ナット104bとによって螺合締結されている。
【0009】
この蝶番取付構造101の外壁側には、螺合部材として六角ナット104bが使用されるので、安全性および美観において劣るという問題がある。
【0010】
図11に示した蝶番取付構造111は、蝶番115を取り付ける締結中空部117と、その他の中空部100とからなる中空パネル112の一部を構成している。締結中空部117と蝶番115とは、荷台側から挿入されたフランジナット114bと、外壁側から蝶番105を介して挿入された皿ボルト114aとによって螺合締結されている。
【0011】
この蝶番取付構造111においては、パネル112の締結中空部117を頭部の座面面積が小さいフランジナット114bで螺合締結するので、そのフランジナット114b周辺の荷台側表面が局部的に変形するおそれがあるという問題がある。さらに、皿ボルト114aのテーパー面と蝶番に形成された皿穴テーパー面との間に微細な隙間が発生し易く、皿ボルト114aにゆるみが発生するおそれがあるという問題がある。
【0012】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、蝶番への取付・保守が容易で、強度および剛性に優れ、且つ安全で外観のよい外壁側表面を有するトラックあおりの蝶番取付構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明の実施形態を示す図面中の符号に対応付けて本発明を説明する。但し、下記の請求項に係る本発明は図示の形態に限定されない。なお、符号は、該当する図面に付されたものをカッコして表した。
【0014】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、中空押出材からなるあおりパネルの下部レール部材(2)の蝶番取付箇所に対応した荷台側表面に、蝶番ライナー(10)を挿着する凹部(6)を設け、当該下部レール部材(2)を螺合部材で螺合締結するトラックあおりの蝶番取付構造(1)において、前記下部レール部材(2)の外壁側から蝶番(5)を介して挿入した平滑な頭部(7a)を有し、首下の一部を角根ナット(4b)の胴部(27)外径と略同一径にした段付きボルトである固定ボルト(4a)と、前記下部レール部材(2)の荷台側から前記蝶番ライナー(10)を介して挿入した前記角根ナット(4b)とで螺合締結することに特徴を有するものである。
【0015】
この発明によれば、下部レール部材(2)を、下部レール部材(2)の外壁側から蝶番(5)を介して挿入した平滑な頭部(7a)を有する固定ボルト(4a)と、下部レール部材(2)の荷台側から蝶番ライナー(10)を介して挿入した角根ナット(4b)とで螺合締結するので、組立が容易で工数が少なく、さらに、螺合締結状態を確認する保守点検作業も容易でその作業性も優れたものとなる。さらに、中空押出材からなるあおりパネルの下部レール部材(2)の蝶番取付箇所に対応した荷台側表面に蝶番ライナー(10)を挿着する凹部(6)を設け、その下部レール部材(2)を螺合部材で螺合締結するので、下部レール部材(2)の荷台側表面に変形が起こらず、強度ないし剛性においても優れたものとなる。加えて、あおりパネルの外壁側から取り付けられる固定ボルト(4a)の頭部(7a)が平滑であるので、安全性および外観においても優れている。
【0017】
この発明によれば、固定ボルト(4a)を、首下の一部を角根ナット(4b)の胴部(27)外径と略同一径にした段付きボルトとしたので、その固定ボルト(4a)の段付き部(31)および角根ナット(4b)の胴部(27)を通過させる外側壁(11)の取付穴(30a)と、荷台側壁(12)の取付穴(30b)とを同じ大きさで開けることが可能となる。その結果、外側壁(11)の取付穴(30a)と荷台側壁(12)の取付穴(30b)とを、単一径からなるドリルで開けることができ、あおりパネルへの穴開け工程を極めて簡素化することができる。
【0018】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載のトラックあおりの蝶番取付構造において、前記固定ボルト(4a)と前記角根ナット(4b)とを螺合締結する際に、当該角根ナット(4b)の先端(35)と前記下部レール部材(2)の外壁側の中空内壁面(17)とが微小隙間(s1)を有するように当該角根ナット(4b)の胴部長さ(k)が設定されていることに特徴を有するものである。
【0019】
本発明においては、蝶番(5)および蝶番ライナー(10)を介して、固定ボルト(4a)と角根ナット(4b)とが螺合締結されるので、その締結力に基づく下部レール部材(2)の変形は少ないが、それでも若干の変形のおそれがある。この発明によれば、角根ナット(4b)の先端(35)と下部レール部材(2)の外壁側の中空内壁面(17)との隙間が、上記の締結力に基づく下部レール部材(2)の変形寸法と同程度の微小隙間(s1)となるように、角根ナット(4b)の胴部長さ(k)が設定されているので、固定ボルト(4a)と角根ナット(4b)とを螺合締結した際の締結力に基づく変形により角根ナット(4b)の先端(35)と、下部レール部材(2)の外壁側の中空内壁面(17)とが当接し、2重の締め付け効果が生じる。その結果、螺合締結部(3)のゆるみが極めて生じ難いという格別の効果を奏する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明を説明する。
【0021】
図1は、本発明のトラックあおりの蝶番取付構造を含むトラックあおりの一例を示す断面図であり、図4および図7は、その蝶番取付構造の一例を示す一部断面図である。また、図2は、本発明のトラックあおりの蝶番取付構造の外壁側形状の一例を示す正面図であり、図3は、本発明のトラックあおりの蝶番取付構造の荷台側形状の一例を示す正面図である。
【0022】
トラックあおり50は、1または2以上のあおりパネルで構成されてなるものであり、例えば図1に示すように、3つのあおりパネル2、32、42で構成される場合には、各パネル2、32、42が通しボルト8で連結され、さらに、上方のあおりパネル32の下端部37と下方のパネル2の上端部36とを嵌合させることによって構成されている。従って、各パネルの上端部と下端部は、それぞれの結合方式に基づいた形状に加工されている。
【0023】
本発明に係る蝶番取付構造1は、蝶番5に取り付けられて起倒自在に動作するトラックあおり50の下部構造に関するものであり、図1に示すように、2以上のあおりパネルで通常構成されるトラックあおり50の最下段のパネル2(本願においては、「下部レール部材2」という。)が蝶番5に螺合締結される部位(以下、「螺合締結部3」という。)の構造に係るものである。具体的には、図1、図4及び図7に示すように、中空押出材からなるあおりパネルの下部レール部材2の蝶番取付箇所に対応した荷台側表面に、蝶番ライナー10を挿着する凹部6を設け、その下部レール部材2を図示の螺合部材で螺合締結する蝶番取付構造1である。
【0024】
そして、本発明の特徴とするところは、下部レール部材2の外壁側から蝶番5を介して挿入した平滑な頭部7aを有する固定ボルト4a(4a’も含む。以下同じ。)と、下部レール部材2の荷台側から蝶番ライナー10を介して挿入した角根ナット4b(4b’も含む。以下同じ。)とで螺合締結することにある。
【0025】
以下、本発明の蝶番取付構造の各部について詳細に説明する。
【0026】
下部レール部材2は、アルミニウム合金等の中空押出材からなり、螺合締結部3とその他の中空部20、20とから構成される。それらの各部3、20は、通常、外側壁11と荷台側壁12とを渡す複数のリブ9が所定間隔で設けられることにより仕切られている。
【0027】
螺合締結部3は、外壁側から蝶番5を介して挿入した固定ボルト4aと、荷台側から蝶番ライナー10を介して挿入した角根ナット4bとで螺合締結され、荷台15に装着される。この螺合締結部3には、固定ボルト4aおよび角根ナット4bの胴部27を沿うように補強リブ16が設けられ、中空構造を有する螺合締結部3の強度をより一層向上させている。この補強リブ16の作用により、固定ボルト4aと角根ナット4bとを強く締め付けた場合であっても、螺合締結部3の変形を抑制できる。
【0028】
螺合締結部3の外側壁11と荷台側壁12には、図4および図7に示すように、固定ボルト4aと角根ナット4bを取り付ける取付穴30a(30a’)、30bが、使用する蝶番5に対応する所定の位置に所定の個数設けられている。下部レール部材2に形成される取付穴30a(30a’)、30bは、略三角形に配置された3つの蝶番取付穴と同じ配置で設けられ、通常、図2に例示する一般的な蝶番5の3つの取付穴に対応し、3個の取付穴30a(30a’)、30bが略三角形に配置するように形成される(図4および図7を参照。)。
【0029】
蝶番5は、図2に示すように、螺合締結部3に連結される上蝶番13と、荷台15の側面に連結される下蝶番14とからなるものが用いられる。蝶番5の形式は、平蝶番であっても逆巻蝶番であってもよく特に制限されない。上蝶番13には、固定ボルト4aが通過できるだけの取付穴が、適宜設計された位置に所定の個数で設けられる。取付穴は、固定ボルト4aの挿入のし易さ、および、固定ボルト4aと取付穴とのがたつき等を考慮し、通常、固定ボルト4aの胴径よりも0.5mm程度大きく形成される。図2に示す形態の蝶番5を用いる場合には、蝶番5を介して挿入された固定ボルト4aと、図3および図6に示す蝶番ライナー10を介して挿入された角根ナット4bとにより螺合締結され、下部レール部材2が荷台15に装着される。
【0030】
蝶番ライナー10は、複数の角根ナット4bの受け板または座金として作用するものであり、凹部6内に挿着されてなるものである。こうした蝶番ライナー10は、図3および図6に示すように、比較的大きな面積を有するので、加わった締結力による下部レール部材2の変形が起こり難いという利点がある。
【0031】
蝶番ライナー10には、複数の角根ナット4bに対応する貫通穴19が設けられ、その貫通穴19の形状は、角根ナット4bの角根34と同じ形状、例えば正方形で形成される。蝶番ライナー10の厚さd1と角根34の厚さd4との関係は、蝶番ライナー10の厚さd1が角根34の厚さd4よりもやや厚いことが好ましく、螺合締結時において、蝶番ライナー10の貫通穴19から角根34が脱離して空回りすることなく締結作業を行うことができる。なお、蝶番ライナー10の厚さd1と角根34の厚さd4との関係は、d1≧d4であることが好ましい。蝶番ライナー10の貫通穴19は、図2及び図3に示すように、蝶番5の取付穴の配置と同じ略三角形の配置形状で形成される。蝶番ライナー10の全体形状は、特に限定されるものではなく、蝶番5の取付穴の配置と同じ略三角形の配置形状を含む大きさであればよい。
【0032】
凹部6は、下部レール部材2の蝶番取付箇所に対応した荷台側の表面に、蝶番ライナー10と角根ナット4bとが装着可能な大きさで形成されている。こうした凹部6は、図4に示すように、その高さHが、蝶番ライナー10の高さhよりも大きく、その深さD1が、蝶番ライナー10の厚さd1とその蝶番ライナー10の表面から突出する角根ナット4bの突出高さd2との和(D2=d1+d2)以上となるように形成される。このような大きさで形成された凹部6は、蝶番ライナー10を容易に挿着できると共に、角根ナット4bの頭部7bも荷台側壁12の延長面を超えない。なお、凹部深さD1と、蝶番ライナー10の厚さd1および角根ナット4bの突出高さd2の和(D2)との関係は、D1≧D2である。
【0033】
固定ボルト4aと角根ナット4bとからなる螺合部材4は、螺合締結部3を貫通し、蝶番5と下部レール部材2とを結合させるために用いられる。
【0034】
先ず、角根ナット4bについて説明する。
【0035】
角根ナット4bは、図5(B)および図8(B)に示すように、下部レール部材2の荷台側から蝶番ライナー10を介して取り付けられるものであり、頭部7bの座面下に所定厚さd4の角根34が形成されたものである。本発明においては、その角根34が、蝶番ライナー10に挿入して角根ナット4bの回転を防止している。角根ナット4bのねじ穴は、貫通穴でも袋ねじでもよく、選択自由であるが、貫通穴を有する角根ナット4b(図8を参照。)は製造コストが安いという利点があり、袋ねじからなるねじ穴を有する角根ナット4b(図5を参照。)は荷台側からの外観がよいという利点がある。
【0036】
角根34の平面形状としては、四角形が好ましいが、六角形等の形状でもよい。角根34の大きさは、上述したように、蝶番ライナー10の貫通穴19の大きさよりも僅かに小さく形成されていることが好ましく、蝶番ライナー10の貫通穴19に顕著ながたつき無く容易に挿入することができる。また、上述したように、角根34の厚さd4と蝶番ライナー10の厚さd1との関係はd1≧d4であることが好ましく、螺合締結時において、蝶番ライナー10の貫通穴19から角根34が脱離して空回りすることなく締結作業を行うことができる。
【0037】
角根ナット4bの頭部7bの形状は、図5(B)および図8(B)に示すように、平滑な丸形状であることが好ましい。なお、ここでいう平滑とは、平面を意味するのではなく、丸形状の頭部7bの表面に鋭角な突起や凹部がなく、全体的に滑らかな形態であることを指すものである。その頭部7bの詳細な形状については特に限定されないが、図8(B)に示すように、頭部先端を平坦形状にする丸フランジナットと同様な形状とすることもできる。なお、図8(B)の角根ナット4bは、ナットの下穴が頭部7bを貫通した形態の貫通穴であり、その下穴に形成された有効ネジ長さを長くすることができるので好ましく用いられる。また、頭部7bの大きさは、特に限定されないが、頭部7bの高さd3は、蝶番ライナー10の厚さd1と角根ナット4bの突出高さd2との和(D2)が凹部深さD1を超えない範囲であれば、任意の高さとすることができる。こうすることによって、荷台側壁12の延長面から角根ナット4bの頭部7bが突出しない。なお、本発明においては、角根ナット4bの頭部7bは平滑であり、その結果、荷台15に搭載された積み荷がその頭部7bに当たった場合であっても、積み荷を傷つけることが無い。
【0038】
角根ナット4bの胴部27は、一様の径d5で形成され、その長さkは、固定ボルト4aと十分に螺合締結される長さであって、外側壁11の中空内壁面17と荷台側壁12の中空内壁面18との間に配置される長さであればよく、特に限定されない。角根ナット4bの胴径d5は、適用されるあおり50の大きさに応じて任意に設定される。
【0039】
本発明においては、角根ナット4bの胴部27の長さkが、角根ナット4bと固定ボルト4aとを螺合締結する際に、角根ナット4bの先端35と下部レール部材2の外壁側の中空内壁面17とが微小隙間s1を有するように設定されていることが好ましい(図4を参照。)。この微小隙間s1の大きさは、蝶番ライナー10および蝶番5を介して角根ナット4bと固定ボルト4aとを螺合締結する際の締結力に基づく下部レール部材2の変形寸法と同程度に設定される。微小隙間s1の好ましい大きさは、S1=0.2〜0.5mm程度であるが、必ずしもその範囲に限定されるものではない。その結果、その締結力に基づく変形により角根ナット4bの先端35と下部レール部材2の外壁側の中空内壁面17とが当接し、2重の締め付け効果が生じ、螺合締結部3のゆるみが極めて生じ難いという格別の効果を奏する。
【0040】
次に、固定ボルト4aについて説明する。
【0041】
固定ボルト4aは、下部レール部材2の外壁側から蝶番5を介して取り付けられるものであり、上述した角根ナット4bと螺合して下部レール部材2を荷台に装着するために使用される。固定ボルト4aは、図5(A)および図8(A)に示すように、平滑な丸形状からなる頭部形状を有するもの、例えば、トラスねじ、なべねじ、バインドねじ、丸ねじ、等を挙げることができる。また、ねじ頭部7aの回転手段として、トルクス(図8(A)を参照。)、十字穴、摺り割り付き、等の選択も自由である。これらのうち、ねじ頭部7aの回転手段としてトルクスを採用し、頭部形状としてトラスを採用したねじは、大きなトルクで螺合締結できるので、緩みにくく、平滑性および美観にも優れたものとなる。なお、ここでいう平滑も、角根ナット7bの説明において使用した意味と同じである。固定ボルト4aの頭部7aの詳細な形状については特に限定されないが、図8(A)に示すように、頭部先端がやや平坦なものでもよい。こうした形状からなる固定ボルト4aが下部レール部材2の最外部に位置しても、その頭部7aが平滑であるので、安全上好ましく、外観においても好ましい。なお、本発明においては、皿ねじや丸皿ねじは適用されない。皿ねじや丸皿ねじは、そのテーパー面と蝶番に形成された皿穴テーパー面との間に微細な隙間が発生し易く、ゆるみが発生するおそれがあるからである。
【0042】
本発明においては、図4および図5(A)に示すように、座面の下部28をねじ径と略同一径で形成した固定ボルト4aを使用する場合には、固定ボルト4aを通過させる外側壁11の取付穴30a’と、角根ナット4bの胴部27を通過させる荷台側壁12の取付穴30bとが異なる大きさで形成されるが、本発明においては、図7および図8(A)に示すように、そうした固定ボルト4aとして、首下の一部を角根ナット4bの胴部27の外径d5と略同一径にした段付きボルトを使用することがより好ましい。こうすることにより、固定ボルト4aの段付き部31を通過させる外側壁11の取付穴30aと、角根ナット4bの胴部27を通過させる荷台側壁12の取付穴30bとを同じ大きさで開けることができる。その結果、外側壁11の取付穴30aと荷台側壁12の取付穴30bとを、単一径からなるドリルで開けることができ、下部レール部材2への穴開け工程を極めて簡素化することができる。こうした態様からなる本発明の蝶番取付構造においては、このように単一径からなるドリルで穴開け加工できるので、複数の取付穴30a、30bを同時に穴開け加工でき、さらに、外側壁11と荷台側壁12の取付穴加工を一工程で行うことができる。また、2つの下部レール部材2を重ね合わせた場合には、それらの取付穴加工を、単一径からなるドリルによる一回の加工で行うこともできる。
【0043】
固定ボルト4aの首下の一部を角根ナット4bの胴部27の外径d5と略同一径にした場合(図7を参照。)において、固定ボルト4aの段付き部31の長さt4は、外側壁11の厚さt1と蝶番5の厚さt2との和(t1+t2=T)との関係において、Tよりも僅かに短い長さを最小長さとすることが好ましい。こうすることにより、固定ボルト4aの段付き部31と、取付穴30aとの間のがたつきを無くすことができる。固定ボルト4aの段付き部31の長さt4を、Tと同じかT以上とすることもできるが、その上限は特に限定されず、中空部の大きさとの関係で設定される。
【0044】
なお、上述の2重締め付け効果を、固定ボルト4aの段付き部31の長さt4と、角根ナット4bの胴部27の長さkとを調整して達成させることもできる。この場合には、t4をT以下の長さとし、且つ、角根ナット4bの胴部27の先端35と固定ボルトの段付き部31の端部との差を、上述した微小隙間s1と同じ長さ、すなわち、0.2〜0.5mm程度とすることが好ましい。こうした微小な長さになるように、固定ボルト4aの段付き部31の長さt4と、角根ナット4bの胴部27の長さkとを調整する。例えば、螺合締結力に基づいて上記の微小な長さだけ荷台側壁12が変形して、角根ナット4bの胴部27の先端35が固定ボルト4aの段付き部31の先端に当接する。こうして2重の締め付け効果を生じ、螺合締結部3のゆるみが極めて生じ難いという格別の効果を奏する。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る本発明の蝶番取付構造によれば、外壁側から蝶番を介して挿入した平滑な頭部を有する固定ボルトと、荷台側から蝶番ライナーを介して挿入した角根ナットとで下部レール部材を螺合締結するので、組立が容易で工数が少なく、保守点検作業も容易で、作業性にも優れると共に、下部レール部材の荷台側表面に変形が起こらず、強度ないし剛性においても優れている。また、あおりパネルの外壁側から取り付けられる固定ボルトの頭部が平滑であるので、安全性および外観においても優れている。
【0046】
また、請求項に係る本発明の蝶番取付構造によれば、固定ボルトの段付き部を通過させる外側壁の取付穴と、角根ナットの胴径部分を通過させる荷台側壁の取付穴とを同じ大きさで開けることが可能となるので、それらの取付穴を単一径からなるドリルで開けることができ、あおりパネルへの穴開け工程を極めて簡素化することができる。
【0047】
請求項に係る本発明の蝶番取付構造によれば、固定ボルトと角根ナットとを螺合締結した際の締結力に基づく変形により、角根ナットの先端と下部レール部材の外壁側の中空内壁面とが当接して、2重の締め付け効果が生じるので、螺合締結部のゆるみが極めて生じ難いという格別の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蝶番取付構造を含む運搬車両のあおりの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の蝶番取付構造の外側形状の一例を示す正面図である。
【図3】本発明の蝶番取付構造の内側形状の一例を示す正面図である。
【図4】本発明の蝶番取付構造の一例を示す一部断面図である。
【図5】本発明の蝶番取付構造を構成する固定ボルト(A)の一例および角根ナット(B)の一例を示す構造図である。
【図6】本発明の蝶番取付構造を構成する蝶番ライナーの一例を示す構造図である。
【図7】本発明の蝶番取付構造の他の一例を示す一部断面図である。
【図8】本発明の蝶番取付構造を構成する固定ボルト(A)の他の一例および角根ナット(B)の他の一例を示す構造図である。
【図9】従来型の蝶番取付構造の一例を示す断面図である。
【図10】従来型の蝶番取付構造の他の一例を示す断面図である。
【図11】従来型の蝶番取付構造のさらに他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 蝶番取付構造
2 下部レール部材
3 螺合締結部
4a 固定ボルト
4b 角根ナット
5 蝶番
6 凹部
7、7a、7b 頭部
8 通しボルト
9 リブ
10 蝶番ライナー
11 外側壁
12 荷台側壁
13 上蝶番
14 下蝶番
15 荷台
16 補強リブ
17 外壁側の中空内壁面
18 荷台壁側の中空内壁面
19 蝶番ライナーの貫通穴
20 中空部
27 角根ナットの胴部
28 固定ボルトの座面の下部
29 固定ボルトの段付き部の径
30a、30a’ 固定ボルトの取付穴
30b 角根ナットの取付穴
31 固定ボルトの段付き部
32、42 パネル
34 角根
35 角根ナットの先端
36 パネルの上端部
37 パネルの下端部
50 あおり
D1 凹部深さ
D2 d1とd2の和
d1 蝶番ライナーの厚さ
d2 突出する角根ナットの高さ
d3 頭部の高さ
d4 角根の厚さ
d5 角根ナットの胴部外径
H 凹部高さ
h 蝶番ライナーの高さ
k 胴部長さ
s1 微小隙間
t1 外側壁の厚さ
t2 蝶番の厚さ
t3 微小長さ
t4 段付き部の長さ
T t1とt2の和

Claims (2)

  1. 中空押出材からなるあおりパネルの下部レール部材の蝶番取付箇所に対応した荷台側表面に、蝶番ライナーを挿着する凹部を設け、当該下部レール部材を螺合部材で螺合締結するトラックあおりの蝶番取付構造において、
    前記下部レール部材の外壁側から蝶番を介して挿入した平滑な頭部を有し、首下の一部を角根ナットの胴部外径と略同一径にした段付きボルトである固定ボルトと、前記下部レール部材の荷台側から前記蝶番ライナーを介して挿入した前記角根ナットとで螺合締結することを特徴とするトラックあおりの蝶番取付構造。
  2. 前記固定ボルトと前記角根ナットとを螺合締結する際に、当該角根ナットの先端と前記下部レール部材の外壁側の中空内壁面とが微小隙間を有するように、当該角根ナットの胴部長さが設定されていることを特徴とする請求項1に記載のトラックあおりの蝶番取付構造。
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