JP4416466B2 - ベンゼン誘導体の製造法 - Google Patents

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Description

本発明は機能性高分子の原料モノマーとして、また、医薬、農薬の原料、中間体等として有用なベンゼン誘導体の製造方法に関する。
アルキン類の環化三量化(所謂、[2+2+2]環化付加反応)による芳香族化合物の合成は、置換基を導入したアルキン類を用いることにより、置換基を有する種々の芳香族化合物が得られる。このような芳香族化合物は種々の置換基を有することから、石油化学品、機能性材料等の原料、中間体として有用な化合物が多い。このため、従来より置換アルキン類の環化三量化の触媒について様々な報告がなされている。例えば、特許文献1には、タンタル錯体を用いるアルキン類の環化三量化記載されている。また、特許文献2には、シクロペンタジエンとシクロオクタジエンを配位子としたコバルト錯体を用いる方法が記載されている。更に、非特許文献1には(CpRh)を触媒として用いる環化三量化反応が報告されている。
また、上記以外の金属を用いる例としてはニッケル錯体を用いる反応(例えば、非特許文献2や非特許文献3)やパラダシクロペンタジエンを用いる反応(例えば、非特許文献4)等が報告されている。
しかしながら、これらの触媒は、触媒活性が低い、触媒調製が容易ではない、目的生成物の選択性が低い等の問題点を有している場合がある。
特開2002−60354号公報 特表2000−506888号公報 Organometallics,2002,21,5029 Chem.Commun.,2001,181 Tetrahedron Lett.,1999,40,5231 J.Organomet.Chem.,1990,384,243
上記したようにアルキン類からのベンゼン誘導体は、限られた方法でしか合成されていない。そこで、入手容易な原料から少ない工程数で製造することが出来、且つ置換基を位置選択的に合成することが出来れば、ポリマー原料として、また医薬品や農薬の原料、中間体等として用途は拡大するものと期待されることから、そのような製造法を提供することが本発明の課題である。
本発明者らは、アルキン類からのベンゼン誘導体の製造法について鋭意研究を重ねた結果、アルキン類を特定のロジウム化合物の存在下で環化付加させることにより、1工程で置換基の位置選択的なベンゼン誘導体を収率良く製造し得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、下記一般式(1)
[Rh(L)(Y)]X (1)
(式中、LはRP−Q−PRで表されるビスホスフィンを表し、Yは非共役ジエン化合物を表し、XはBF、PF、BPh、ClO、SbF又はCFSOを表す。また、mは1又は2を表し、nは0又は1を表す。但し、m=1のとき、nは0又は1を表し、m=2のときはn=0を表す。R、R、R及びRは、それぞれ独立して置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有してもよいシクロアルキル基を表し、Qは置換基を有していてもよい二価のアリーレン基を表す。)
で表されるロジウム化合物を用いて、アルキン類を環化三量化させることを特徴とするベンゼン誘導体の製造方法に関する。
本発明の方法によれば、アルキン類を特定のロジウム錯体触媒存在下で反応させることにより、1工程で位置選択的にベンゼン誘導体を高収率で製造することができる。
次に本発明について具体的に説明する。
本発明のベンゼン誘導体の製造法は、アルキン類を、一般式(1)で表されるロジウム化合物の存在下、[2+2+2]環化付加させるものである。
ここでいう[2+2+2]環化付加とは、例えばアセチレンを例にすると、以下のように三個の三重結合を六員環になるように環化させ、ベンゼン骨格を形成するものである。
Figure 0004416466
以下、本発明で用いられる下記一般式(1)
[Rh(L)(Y)]X (1)
(式中、LはRP−Q−PRで表されるビスホスフィンを表し、Yは非共役ジエン化合物を表し、XはBF、PF、BPh、ClO、SbF又はCFSOを表す。また、mは1又は2を表し、nは0又は1を表す。但し、m=1のとき、nは0又は1を表し、m=2のときはn=0を表す。R、R、R及びRは、それぞれ独立して置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基を表し、Qは置換基を有していてもよい二価のアリーレン基を表す。)
で表されるロジウム化合物について説明する。
上記式中、Lで表されるRP−Q−PRなるビスホスフィンにおいて、R、R、R及びRで表される置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基等が挙げられる。これらアリール基は置換基を有しいててもよく該置換基としては、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、複素環基等が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でも或いは環状でもよい、例えば炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基及びtert−ブチル基等が挙げられる。
アルコキシル基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよい、例えば炭素数1〜6のアルコキシル基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基及びtert−ブトキシ基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基等が挙げられる。
複素環基としては脂肪族複素環基及び芳香族複素環基が挙げられ、脂肪族複素環基としては、例えば炭素数2〜14で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環、多環又は縮合環の脂肪族複素環基が挙げられる。脂肪族複素環基の具体例としては、例えば、ピロリジル−2−オン基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチエニル基等が挙げられる。芳香族複素環基としては、例えば炭素数2〜15で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の異種原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環式、多環式又は縮合環式のヘテロアリール基が挙げられ、具体的にはフリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、ピリダジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、フタラジル基、キナゾリル基、ナフチリジル基、シンノリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
また、R、R、R及びRで表される置換基を有していてもよいシクロアルキル基としては、5員環又は6員環のシクロアルキル基が挙げられ、環上は前記したアルキル基又はアルコキシル基で、1乃至2以上置換されていてもよい。好ましいシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
Qで表される二価のアリーレン基としては、フェニレン基、ビフェニルジイル基、ビナフタレンジイル基等が挙げられる。フェニレン基としては、o又はm−フェニレン基が挙げられ、該フェニレン基はメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基及びtert−ブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基及びtert−ブトキシ基等のアルコキシル基;水酸基、アミノ基又は置換アミノ基等で置換されていてもよい。ビフェニルジイル基及びビナフタレンジイル基としては、1,1’−ビアリール−2,2’−ジイル型の構造を有するものが好ましく、該ビフェニルジイル基及びビナフタレンジイル基は前記したようなアルキル基、アルコキシル基、例えばメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメチレンジオキシ基等のアルキレンジオキシ基、水酸基、アミノ基、置換アミノ基等で置換されていてもよい。
L、即ちRP−Q−PRで表されるビスホスフィンの具体例としては、例えば自体公知のビスホスフィン類が挙げられ、その内の一つとして下記一般式(12)
Figure 0004416466
(式中、R11及びR12は、それぞれ独立して、アルキル基、アルコキシル基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基を示す)
で表される化合物が挙げられる。
上記R11及びR12における、フェニル基の置換基のアルキル基としては、例えば、メチル基、tert−ブチル基等の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルキル基;アルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、tert−ブトキシ基等の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルコキシル基;ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等が挙げられる。
11及びR12の具体例としては、例えば、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、3,5−キシリル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
また、一般式(12)で表される化合物の基本骨格であるビナフチル環はメチル基、tert−ブチル基等のアルキル基;メトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシル基;トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等のトリアルキルシリル基及びトリフェニルシリル基等のトリアリールシリル基で置換されていてもよい。
また、RP−Q−PRで表されるビスホスフィンの他の具体例としては、下記一般式(13)
Figure 0004416466
(式中、R13及びR14は、それぞれ独立して、アルキル基、アルコキシル基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基を示す。R15、R16、R17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基又はジアルキルアミノ基を示し、R15、R16及びR17の内の二つで置換基を有していてもよいメチレン鎖又は置換基を有していてもよいモノ又はポリメチレンジオキシ基を形成していてもよく、また、R18、R19及びR20の内の二つで置換基を有していてもよいメチレン鎖又は置換基を有していてもよいモノ又はポリメチレンジオキシ基を形成していてもよい。但し、R17とR20が共に水素原子の場合は除く。)
で表される化合物が挙げられる。
上記R13及びR14における、フェニル基の置換基のアルキル基としては、例えば、メチル基、tert−ブチル基等の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、tert−ブトキシ基等の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子としては例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子等が挙げられ、これら置換基は該フェニル基上に複数置換されていてもよい。
13、R14の具体例としては、例えば、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、3,5−キシリル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−メトキシフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、m−フルオロフェニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、R15〜R20におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、tert−ブチル基等の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルキル基;アルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、tert−ブトキシ基等の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルコキシル基;アシルオキシ基としては例えば、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等の炭素数2〜10のアシルオキシ基;ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等;ハロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜4のハロアルキル基;ジアルキルアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられる。R15、R16及びR17の内の二つでメチレン鎖を形成する場合、及びR18、R19及びR20の内の二つでメチレン鎖を形成する場合のメチレン鎖としては、例えば、炭素数3〜5のメチレン鎖が好ましく、具体的にはトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等が挙げられる。また、置換基を有していてもよいメチレン鎖の置換基としては、アルキル基及びハロゲン原子等が挙げられ、置換基の具体例としては、例えば、炭素数1〜6の前記したようなアルキル基及びフッ素原子等が挙げられる。また、R15、R16及びR17の内の二つで置換基を有していてもよいモノ又はポリメチレンジオキシ基を形成する場合、及びR18、R19及びR20の内の二つで置換基を有していてもよいモノ又はポリメチレンジオキシ基を形成する場合の具体例としては、例えば、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメチレンジオキシ基等が挙げられる。また、該モノ又はポリメチレンジオキシ基に置換する置換基としては、アルキル基及びハロゲン原子等が挙げられ、置換基を有していてもよいモノ又はポリメチレンジオキシ基の置換基の具体例としては、例えば、炭素数1〜6の前記したようなアルキル基及びフッ素原子等が挙げられる。
一般式(1)において、Yで表される非共役ジエン化合物としては、環状でも非環状でもよく、非共役ジエン化合物が環状非共役ジエン化合物である場合には、単環状、多環状、縮環状、架橋環状のいずれであってもよい。また、非共役ジエン化合物は、置換基で置換された非共役ジエン化合物、即ち置換非共役ジエン化合物でもよい。前記置換基は、本発明の製造方法に悪影響を与えない置換基であれば特に限定されない。好ましい非共役ジエン化合物としては、例えば、1,5−シクロオクタジエン、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2,5−ジエン、1,5−ヘキサジエン等が挙げられる。
本発明で用いられる、一般式(1)で表されるロジウム化合物は、例えば、下記スキーム1に示すように、不活性ガス雰囲気下、公知の方法で得られるか、又は市販されているロジウム−オレフィン配位錯体に、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、トルエン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒中で、例えば前記のLで表されるビスホスフィンを反応させた後、MX(Mは一価の金属陽イオンを示し、Xは前記と同じ意味を示す。)でカウンターアニオンの交換反応を行うか(ロジウム化合物(A)又は(B))、これに更に水素ガスを作用させてオレフィン性配位子を脱離させることにより得ることができる(ロジウム化合物(C))。(式中、CODは1,5−シクロオクタジエンを示す。以下同様。)
スキーム1
Figure 0004416466
本発明で用いられる、一般式(1)で表されるロジウム化合物は、また、下記スキーム2に示すように、予めカウンターアニオンの交換反応を行ったロジウム−ビスオレフィン錯体にLで表されるビスホスフィンを反応させ、続いて水素ガスでオレフィン性配位子を脱離させることによっても得ることができる。
スキーム2
Figure 0004416466
この時、ロジウム−オレフィン配位錯体の中心金属モル数に対してLで表されるビスホスフィンの添加量はビスホスフィンの一部が酸化を受ける場合があるので1.0〜2.4倍モル、より好ましくは1.05〜2.2倍モル使用することが望ましい。
本発明に係る一般式(1)で表されるロジウム化合物の製造に用いられるロジウム−オレフィン配位錯体としては、オレフィン配位子の選択よって種々の錯体を取り扱うことが可能であるが、入手の容易性より、1,5−シクロオクタジエンのロジウム錯体である[Rh(COD)Cl] やノルボルナジエンのロジウム錯体である[Rh(NBD)Cl] (式中、NBDは2,5−ノルボルナジエンを示す。以下同様。)が特に好ましい。
なお、本発明の触媒活性種は[Rh(L)]Xであるが、その前駆体であるロジウム化合物(A)も本発明の製造法において用いることができる。
カウンターアニオン交換反応においては、例えば銀塩(AgX)と反応させて行うことが、取り扱いの面で好ましい。
前記ロジウム化合物(A)、(B)及び(C)は調製後は、特に精製することなく本発明の製造法に用いることが出来る。
本発明のベンゼン誘導体の製造方法において用いられるアルキン類は、一種または二種以上の何れであっても良い。
本発明のベンゼン誘導体の製造方法において用いられるアルキン類としては、例えば下記一般式(2)
Figure 0004416466
[式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、複素環基、三置換シリル基、ニトロ基、−S(=O)、−N(O)、又は−P(=O)を表す(但し、R、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、それぞれの基は置換基を有していてもよい。また、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基又は複素環基を表し、ぞれぞれの基は置換基を有していてもよい。pは0〜2の整数を表し、q及びkはそれぞれ独立して0又は1を表す。)。]
で表される化合物が挙げられる。
上記一般式(2)において、R及びRで表される炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基等が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。 アルキル基としては炭素数1〜20、好ましくは1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられ、具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜10の二重結合を末端又は内部に少なくとも1つ有する直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基が挙げられ、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、メチルシクロヘキセニル基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜18のアリール基が挙げられ、例えば、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基等が挙げられる。
これら炭化水素基に置換し得る置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。これら置換基のうち、アルキル基及びアリール基としては前記したようなものが挙げられる。
アルコキシル基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよい、例えば炭素数1〜6のアルコキシル基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、3−メチルブトキシ基、2,2−ジメチルプロピルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、5−メチルペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基及びシクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
置換アミノ基としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、アセチルアミノ基等が挙げられる。
一般式(2)で表されるアルキン類のR及びRで表される複素環基としては、脂肪族又は芳香族複素環基が挙げられ、これらの複素環基は置換基を有してもよい。脂肪族複素環基としては、例えば炭素数2〜14で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環、多環又は縮合環の脂肪族複素環基が挙げられ、具体例としては、例えば、ピロリジル−2−オン基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチエニル基等が挙げられる。
芳香族複素環基としては、例えば炭素数2〜15で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の異種原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環式、多環式又は縮合環式のヘテロアリール基が挙げられ、具体例としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、ピリダジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、フタラジル基、キナゾリル基、ナフチリジル基、シンノリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
これら複素環基に置換し得る置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられ、これらの具体例としてはそれぞれ前記した基と同様のものが挙げられる。
一般式(2)で表されるアルキン類のR及びRで表される三置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリベンジルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基等が挙げられる。
また、R及びRで表される、−S(=O)、−N(O)、−P(=O)における、R、R、R、R及びRで表されるアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシル基及びアリールオキシ基の具体例等は、それぞれ前記した基と同様のものが挙げられる。
本発明のベンゼン誘導体の製造方法において、アルキン類として上記一般式(2)で表される化合物を用いた場合には、下記一般式(3)で表されるベンゼン誘導体又は下記一般式(4)で表されるベンゼン誘導体が得られる。
Figure 0004416466
(式中、R及びRは前記と同じ意味を表す。)
本発明のベンゼン誘導体の製造方法においては、上記一般式(2)で表される化合物を用いる代りに、下記一般式(5)
Figure 0004416466
[式中、R及びRは、何れもが電子吸引基を表すか、又は一方が電子吸引基を表し、他方は置換基を有していてもよい炭化水素基、複素環基、三置換シリル基、ニトロ基、−S(=O)、−N(O)、又は−P(=O)を表す(但し、R、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、それぞれの基は置換基を有していてもよい。また、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基又は複素環基を表し、ぞれぞれの基は置換基を有していてもよい。pは0〜2の整数を表し、q及びkはそれぞれ独立して0又は1を表す。)。]
で表される化合物と上記一般式(2)で表されるアルキン類とを組み合わせて用いても良い。
本発明のベンゼン誘導体の製造方法において、アルキン類として上記一般式(5)で表される化合物と上記一般式(2)で表される化合物を用いた場合には、下記一般式(6)で表されるベンゼン誘導体又は/及び下記一般式(7)で表されるベンゼン誘導体が得られる。
Figure 0004416466
(式中、R、R、R及びRは前記と同じ意味を表す。)
また、本発明のベンゼン誘導体の製造方法においては、上記一般式(2)で表される化合物を用いる代りに、下記一般式(8)
Figure 0004416466
[式中、R及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、複素環基、三置換シリル基、ニトロ基、−S(=O)、−N(O)、又は−P(=O)を表し(但し、R、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、それぞれの基は置換基を有していてもよい。また、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基又は複素環基を表し、ぞれぞれの基は置換基を有していてもよい。pは0〜2の整数を表し、q及びkはそれぞれ0又は1を表す。)、Aは二価の基を表す。]
で表される化合物と上記一般式(5)で表されるアルキン類とを組み合わせて用いても良い。
本発明のベンゼン誘導体の製造方法において、アルキン類として上記一般式(8)で表される化合物と上記一般式(5)で表される化合物を用いた場合には、下記一般式(9)、下記一般式(10)、又は/及び下記一般式(11)
Figure 0004416466
(式中、R、R、R、R10及びAは前記と同じ意味を表す。)
で表されるベンゼン誘導体が得られる。
上記一般式(5)で表されるアルキン類において、R及びRで表される電子吸引基としては、分子内でσ電子やπ電子を引きつける性質を有する基であって、Hammett則においてσ値が正のものが全て挙げられる。
このような電子吸引基としては、例えば、炭素数2〜8のアルカノイル基、炭素数3〜8のアルケノイル基、炭素数3〜7のシクロアルキルカルボニル基、炭素数3〜7のシクロアルケニルカルボニル基、炭素数6〜10のアリールカルボニル基等のアシル基が挙げられ、具体例としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、シクロプロパンカルボニル、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、クロトノイル、2−シクロヘキセンカルボニル、ベンゾイル、ニコチノイル等のアシル基が挙げられる。
また、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する5員又は6員の芳香族若しくは脂肪族複素環とカルボニル基が結合して形成する複素環カルボニル基;例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル、フェニルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジブチルカルバモイル、ジアリルカルバモイル、N−メチル−N−フェニルカルバモイル、アセチルカルバモイル等の置換カルバモイル基;例えば、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、シクロヘキシルスルファモイル、フェニルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、ジブチルスルファモイル、ジアリルスルファモイル、N−メチル−N−フェニルスルファモイル等の置換スルファモイル基;スルホ基;カルボキシル基;例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル等のアルコキシカルボニル基;例えば、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基等のハロゲン化メチル基;ニトロ基;シアノ基なども本発明に係る電子吸引基として挙げられる。これら電子吸引基の中で、アシル基、置換カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン化メチル基及びシアノ基等が特に好ましい。
一般式(8)で表されるアルキン類において、R及びR10で表される、置換基を有していてもよい炭化水素基、複素環基、三置換シリル基及びその他の基は、前記R及びRで表される、置換基を有してもよい炭化水素基、複素環基、三置換シリル基及びその他の基と同様のものが挙げられる。
また、一般式(8)で表されるアルキン類において、Aで表される二価の基としては、例えば、−[(CH−(Z)−(CH−(但し、Zは、酸素原子、−(C=O)−及び−(C=O)−NH−及び(ヘテロ)アリーレン基を表し、m、n、o及びpは1〜6の整数を表す。)及びアルキレン基等が挙げられる。
Zで表される(ヘテロ)アリーレン基としては、例えば炭素数6〜12の(ヘテロ)アリーレン基が挙げられ、具体例としてはフェニレン基及びピリジンジイル基等が挙げられる。
Aで表される二価の基の内のアルキレン基としては、直鎖状でも分岐状でも又は環状でもよい例えば炭素数1〜6のアルキレン基が挙げられ、具体例としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。
本発明の製造方法は、一般式(1)で示されるロジウム化合物又は該ロジウム化合物を含む溶液と、例えば、一般式(2)で表されるアルキン類、或いは一般式(5)で表されるアルキン類と一般式(2)で表されるアルキン類、若しくは一般式(8)で表されるアルキン類と一般式(5)で表されるアルキン類等とを反応させることにより行われる。
具体的には、まず、反応溶媒に一般式(1)で示されるロジウム化合物又は該ロジウム化合物を含む溶液を加え(或いは、ロジウム化合物又は該ロジウム化合物を含む溶液に、反応溶媒を加え)、これに、例えば、一般式(2)で表されるアルキン類、或いは一般式(5)で表されるアルキン類と一般式(2)で表されるアルキン類、若しくは一般式(8)で表されるアルキン類と一般式(5)で表されるアルキン類等を加えることにより反応が進行する。
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限は無いが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、tert−ブタノール等の非求核性のアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類及びジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。
これら溶媒は夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。また、場合によってはアルキン類そのものを反応溶媒として用いることもできる。
ロジウム化合物の使用量は、反応基質のアルキン類に対し、通常1〜5mol%程度で充分である。
反応温度は、使用する基質により自ずから異なるが、通常−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜30℃の範囲で行うことができる。
反応時間は、使用する基質により自ずから異なるが、通常30分〜30時間、好ましくは1時間〜20時間である。
反応は、窒素又はアルゴン等の不活性ガス中で行うことが好ましい。
反応終了後は、濾過やシリカゲルカラムクロマトグラフィー等、この種分野で通常行われる後処理操作を行い、結晶化、蒸留、各種クロマトグラフィー等の精製法を単独又は適宜組み合わせることにより目的のベンゼン誘導体を得ることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例中の略語はそれぞれ以下の意味を表す。
Figure 0004416466
トリデシルベンゼンの合成
アルゴン雰囲気下、シュレンク管にTol−BINAP(0.0050mmol)、[Rh(COD)]BF(0.050mmol)及び塩化メチレン1.0mLを加え、5分間撹拌後、シュレンク管中に水素ガスを導入して30分間撹拌した。反応後、反応液を減圧濃縮して溶媒を留去し、得られた残渣に1−ドデシン(166mg、1.0mmol)の塩化メチレン2mL溶液を加え、室温で18時間撹拌した。次いで、溶媒を留去し、薄層クロマトグラフィー(以下、TLCと略す)(ヘキサン)で精製することにより1,2,4−トリデシルベンゼン及び1,3,5−トリデシルベンゼンの混合物を、それぞれ64:36の比率で得た。H−NMRで収率を確認したところ、トリデシルベンゼンの収率としては95%以上であった。
トリデシルベンゼンの合成
アルゴン雰囲気下、シュレンク管にDTBM−SEGPHOS(59.0mg、0.050mmol)、[Rh(COD)]BF(20.3mg、0.050mmol)及び塩化メチレン1.0mLを加え、5分間撹拌後、シュレンク管中に水素ガスを導入して30分間撹拌した。反応後、反応液を減圧濃縮して溶媒を留去し、得られた残渣に1−ドデシン(166mg、1.0mmol)の塩化メチレン2mL溶液を加え、室温で18時間撹拌した。次いで、溶媒を留去し、TLC(ヘキサン)で精製することにより1,2,4−トリデシルベンゼン及び1,3,5−トリデシルベンゼンの混合物152mgを、それぞれ83:17の比率で得た。トリデシルベンゼンの収率としては91%であった。
トリ−1−シクロヘキセニルベンゼンの合成
アルキン類として1−シクロヘキセニルアセチレンを用い、実施例2と同様にして、1,2,4−トリ−1−シクロヘキセニルベンゼン及び1,3,5−トリ−1−シクロヘキセニルベンゼンの混合物をそれぞれ97:3の比率で得た。トリ−1−シクロヘキセニルベンゼンとしての収率は89%であった。
ジデシルフタル酸ジエチルの合成
アルゴン雰囲気下、シュレンク管にH8−BINAP(5.7mg、0.009mmol)、[Rh(COD)]BF(3.7mg、0.009mmol)及び塩化メチレン1.0mLを加え、5分間撹拌後、シュレンク管中に水素ガスを導入して30分間撹拌した。反応後、反応液を減圧濃縮して溶媒を留去し、得られた残渣に1−ドデシン(99.8mg、0.60mmol)及びアセチレンジカルボン酸ジエチル(51.0mg、0.30mmol)の塩化メチレン0.5mL溶液を加え、室温で1時間撹拌した。次いで、溶媒を留去し、TLC(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製することにより3,6−ジデシルフタル酸ジエチル(1a)、3,5−ジデシルフタル酸ジエチル(1b)及び4,5−ジデシルフタル酸ジエチル(1c)の混合物133mgを、1a:1b:1c=92:6:2の比率で得た。ジデシルフタル酸ジエチルの収率としては88%であった。
1−ドデシンの代わりに種々のアルキン類を用いた以外は、実施例4と同様の操作、同様の試薬、並びに同量の試薬使用量で反応を行った。結果を以下の表1に示す。生成物の確認はH−NMR、13C−NMR及びIRで行った。
Figure 0004416466
Figure 0004416466
[6]メタシクロファン−8,9−ジカルボン酸ジエチルの合成
Figure 0004416466
アルゴン雰囲気下、シュレンク管にH8−BINAP(2.5mg、0.00625mmol)、[Rh(COD)]BF(3.9mg、0.00625mmol)及び塩化メチレン1.0mLを加え、5分間撹拌後、シュレンク管中に水素ガスを導入して30分間撹拌した。反応後、反応液を減圧濃縮して溶媒を留去し、得られた残渣に塩化メチレン20mLを加え、これに1,9−デカジイン(16.8mg、0.125mmol)及びアセチレンジカルボン酸ジエチル(21.3mg、0.125mmol)の塩化メチレン2.0mL溶液を加え、室温で1時間撹拌した。次いで、溶媒を留去し、TLC(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製することにより無色油状物の標題化合物19mgを得た。収率は50%であった。
IR(neat):2800,1670,1420,1230,750cm−1
H NMR(CDCl,300MHz)δ 7.50(d,J=1.2Hz,1H),7.45(d,J=1.2Hz,1H),4.29−4.43(m,4H),2.54−2.84(m,4H),1.72−1.91(m,2H),1.16−1.48(m,4H),1.36(t,J=7.2Hz,6H),0.20−0.65(m,2H)。
13C NMR(CDCl,75MHz)δ 168.9,166.7,144.2,141.1,139.3,130.6,129.5,125.6,61.3,61.2,34.3,32.6,32.4,32.3,27.8,27.5,14.13,14.11。
HRMS(FAB):計算値(C1824)304.1753。実測値 304.1779.。
元素分析(C1824):計算値 C,71.03;H,7.95。実測値 C,71.29;H,7.96。
本発明の方法によれば、機能性高分子の原料モノマーとして、また、医薬、農薬の原料、中間体等として有用なベンゼン誘導体を、アルキン類を特定のロジウム錯体触媒存在下で環化三量化反応させることにより、1工程で位置選択的に、且つ高収率で製造することができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)
    [Rh(L)(Y)]X (1)
    (式中、LはRP−Q−PRで表されるビスホスフィンを表し、Yは非共役ジエン化合物を表し、XはBF、PF、BPh、ClO、SbF又はCFSOを表す。また、mは1又は2を表し、nは0又は1を表す。但し、m=1のとき、nは0又は1を表し、m=2のときはn=0を表す。R、R、R及びRは、それぞれ独立して置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有してもよいシクロアルキル基を表し、Qは置換基を有していてもよい二価のアリーレン基を表す。)
    で表されるロジウム化合物を用いて、アルキン類を環化三量化させることを特徴とするベンゼン誘導体の製造方法。
  2. アルキン類が一種又は二種以上のアルキン類である請求項1に記載の製造方法。
  3. アルキン類が下記一般式(2)
    Figure 0004416466
    [式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、複素環基、三置換シリル基、ニトロ基、−S(=O)、−N(O)、又は−P(=O)を表す(但し、R、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、それぞれの基は置換基を有していてもよい。また、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基又は複素環基を表し、ぞれぞれの基は置換基を有していてもよい。pは0〜2の整数を表し、q及びkはそれぞれ独立して0又は1を表す。)。]
    で表される化合物であり、ベンゼン誘導体が下記一般式(3)で表される化合物又は下記一般式(4)で表される化合物である請求項2に記載の製造法。
    Figure 0004416466
    (式中、R及びRは前記と同じ意味を表す。)
  4. アルキン類が下記一般式(5)
    Figure 0004416466
    [式中、R及びRは、何れもが電子吸引基を表すか、又は一方が電子吸引基を表し、他方は置換基を有していてもよい炭化水素基、複素環基、三置換シリル基、ニトロ基、−S(=O)、−N(O)、又は−P(=O)を表す(但し、R、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、それぞれの基は置換基を有していてもよい。また、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基又は複素環基を表し、ぞれぞれの基は置換基を有していてもよい。pは0〜2の整数を表し、q及びkはそれぞれ独立して0又は1を表す。)。]
    で表される化合物及び下記一般式(2)
    Figure 0004416466
    (式中、R及びRは前記と同じ意味を表す。)
    で表される化合物であり、ベンゼン誘導体が下記一般式(6)で表される化合物又は/及び下記一般式(7)で表される化合物である請求項2に記載の製造法。
    Figure 0004416466
    (式中、R、R、R及びRは前記と同じ意味を表す。)
  5. アルキン類が下記一般式(8)
    Figure 0004416466
    [式中、R及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、複素環基、三置換シリル基、ニトロ基、−S(=O)、−N(O)、又は−P(=O)を表し(但し、R、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、それぞれの基は置換基を有していてもよい。また、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基又は複素環基を表し、ぞれぞれの基は置換基を有していてもよい。pは0〜2の整数を表し、q及びkはそれぞれ0又は1を表す。)、Aは二価の基を表す。]
    で表される化合物及び下記一般式(5)
    Figure 0004416466
    [式中、R及びRは、何れもが電子吸引基を表すか、又は一方が電子吸引基を表し、他方は置換基を有していてもよい炭化水素基、複素環基、三置換シリル基、ニトロ基、−S(=O)、−N(O)、又は−P(=O)を表す(但し、R、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、それぞれの基は置換基を有していてもよい。また、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基又は複素環基を表し、ぞれぞれの基は置換基を有していてもよい。pは0〜2の整数を表し、q及びkはそれぞれ独立して0又は1を表す。)。]
    で表される化合物であり、ベンゼン誘導体が下記一般式(9)で表される化合物、下記一般式(10)で表される化合物、又は/及び下記一般式(11)で表される化合物である請求項2に記載の製造法。
    Figure 0004416466
    (式中、R、R、R、R10及びAは前記と同じ意味を表す。)
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