JP4416466B2 - ベンゼン誘導体の製造法 - Google Patents
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Description
また、上記以外の金属を用いる例としてはニッケル錯体を用いる反応(例えば、非特許文献2や非特許文献3)やパラダシクロペンタジエンを用いる反応(例えば、非特許文献4)等が報告されている。
しかしながら、これらの触媒は、触媒活性が低い、触媒調製が容易ではない、目的生成物の選択性が低い等の問題点を有している場合がある。
[Rh(L)m(Y)n]X (1)
(式中、LはR1R2P−Q−PR3R4で表されるビスホスフィンを表し、Yは非共役ジエン化合物を表し、XはBF4、PF6、BPh4、ClO4、SbF6又はCF3SO3を表す。また、mは1又は2を表し、nは0又は1を表す。但し、m=1のとき、nは0又は1を表し、m=2のときはn=0を表す。R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有してもよいシクロアルキル基を表し、Qは置換基を有していてもよい二価のアリーレン基を表す。)
で表されるロジウム化合物を用いて、アルキン類を環化三量化させることを特徴とするベンゼン誘導体の製造方法に関する。
本発明のベンゼン誘導体の製造法は、アルキン類を、一般式(1)で表されるロジウム化合物の存在下、[2+2+2]環化付加させるものである。
ここでいう[2+2+2]環化付加とは、例えばアセチレンを例にすると、以下のように三個の三重結合を六員環になるように環化させ、ベンゼン骨格を形成するものである。
[Rh(L)m(Y)n]X (1)
(式中、LはR1R2P−Q−PR3R4で表されるビスホスフィンを表し、Yは非共役ジエン化合物を表し、XはBF4、PF6、BPh4、ClO4、SbF6又はCF3SO3を表す。また、mは1又は2を表し、nは0又は1を表す。但し、m=1のとき、nは0又は1を表し、m=2のときはn=0を表す。R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基を表し、Qは置換基を有していてもよい二価のアリーレン基を表す。)
で表されるロジウム化合物について説明する。
上記式中、Lで表されるR1R2P−Q−PR3R4なるビスホスフィンにおいて、R1、R2、R3及びR4で表される置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基等が挙げられる。これらアリール基は置換基を有しいててもよく該置換基としては、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、複素環基等が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でも或いは環状でもよい、例えば炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基及びtert−ブチル基等が挙げられる。
アルコキシル基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよい、例えば炭素数1〜6のアルコキシル基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基及びtert−ブトキシ基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基等が挙げられる。
複素環基としては脂肪族複素環基及び芳香族複素環基が挙げられ、脂肪族複素環基としては、例えば炭素数2〜14で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環、多環又は縮合環の脂肪族複素環基が挙げられる。脂肪族複素環基の具体例としては、例えば、ピロリジル−2−オン基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチエニル基等が挙げられる。芳香族複素環基としては、例えば炭素数2〜15で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の異種原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環式、多環式又は縮合環式のヘテロアリール基が挙げられ、具体的にはフリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、ピリダジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、フタラジル基、キナゾリル基、ナフチリジル基、シンノリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
Qで表される二価のアリーレン基としては、フェニレン基、ビフェニルジイル基、ビナフタレンジイル基等が挙げられる。フェニレン基としては、o又はm−フェニレン基が挙げられ、該フェニレン基はメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基及びtert−ブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基及びtert−ブトキシ基等のアルコキシル基;水酸基、アミノ基又は置換アミノ基等で置換されていてもよい。ビフェニルジイル基及びビナフタレンジイル基としては、1,1’−ビアリール−2,2’−ジイル型の構造を有するものが好ましく、該ビフェニルジイル基及びビナフタレンジイル基は前記したようなアルキル基、アルコキシル基、例えばメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメチレンジオキシ基等のアルキレンジオキシ基、水酸基、アミノ基、置換アミノ基等で置換されていてもよい。
で表される化合物が挙げられる。
上記R11及びR12における、フェニル基の置換基のアルキル基としては、例えば、メチル基、tert−ブチル基等の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルキル基;アルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、tert−ブトキシ基等の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルコキシル基;ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等が挙げられる。
R11及びR12の具体例としては、例えば、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、3,5−キシリル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
また、一般式(12)で表される化合物の基本骨格であるビナフチル環はメチル基、tert−ブチル基等のアルキル基;メトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシル基;トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等のトリアルキルシリル基及びトリフェニルシリル基等のトリアリールシリル基で置換されていてもよい。
で表される化合物が挙げられる。
R13、R14の具体例としては、例えば、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、3,5−キシリル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−メトキシフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、m−フルオロフェニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
スキーム1
スキーム2
なお、本発明の触媒活性種は[Rh(L)]Xであるが、その前駆体であるロジウム化合物(A)も本発明の製造法において用いることができる。
カウンターアニオン交換反応においては、例えば銀塩(AgX)と反応させて行うことが、取り扱いの面で好ましい。
前記ロジウム化合物(A)、(B)及び(C)は調製後は、特に精製することなく本発明の製造法に用いることが出来る。
本発明のベンゼン誘導体の製造方法において用いられるアルキン類としては、例えば下記一般式(2)
で表される化合物が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜10の二重結合を末端又は内部に少なくとも1つ有する直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基が挙げられ、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、メチルシクロヘキセニル基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜18のアリール基が挙げられ、例えば、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基等が挙げられる。
これら炭化水素基に置換し得る置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。これら置換基のうち、アルキル基及びアリール基としては前記したようなものが挙げられる。
アルコキシル基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよい、例えば炭素数1〜6のアルコキシル基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、3−メチルブトキシ基、2,2−ジメチルプロピルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、5−メチルペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基及びシクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
置換アミノ基としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、アセチルアミノ基等が挙げられる。
芳香族複素環基としては、例えば炭素数2〜15で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の異種原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環式、多環式又は縮合環式のヘテロアリール基が挙げられ、具体例としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、ピリダジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、フタラジル基、キナゾリル基、ナフチリジル基、シンノリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
これら複素環基に置換し得る置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられ、これらの具体例としてはそれぞれ前記した基と同様のものが挙げられる。
また、R5及びR6で表される、−S(=O)pRa、−N(O)qRbRc、−P(=O)kRdReにおける、Ra、Rb、Rc、Rd及びReで表されるアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシル基及びアリールオキシ基の具体例等は、それぞれ前記した基と同様のものが挙げられる。
で表される化合物と上記一般式(2)で表されるアルキン類とを組み合わせて用いても良い。
本発明のベンゼン誘導体の製造方法において、アルキン類として上記一般式(5)で表される化合物と上記一般式(2)で表される化合物を用いた場合には、下記一般式(6)で表されるベンゼン誘導体又は/及び下記一般式(7)で表されるベンゼン誘導体が得られる。
で表される化合物と上記一般式(5)で表されるアルキン類とを組み合わせて用いても良い。
本発明のベンゼン誘導体の製造方法において、アルキン類として上記一般式(8)で表される化合物と上記一般式(5)で表される化合物を用いた場合には、下記一般式(9)、下記一般式(10)、又は/及び下記一般式(11)
で表されるベンゼン誘導体が得られる。
このような電子吸引基としては、例えば、炭素数2〜8のアルカノイル基、炭素数3〜8のアルケノイル基、炭素数3〜7のシクロアルキルカルボニル基、炭素数3〜7のシクロアルケニルカルボニル基、炭素数6〜10のアリールカルボニル基等のアシル基が挙げられ、具体例としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、シクロプロパンカルボニル、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、クロトノイル、2−シクロヘキセンカルボニル、ベンゾイル、ニコチノイル等のアシル基が挙げられる。
また、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する5員又は6員の芳香族若しくは脂肪族複素環とカルボニル基が結合して形成する複素環カルボニル基;例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル、フェニルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジブチルカルバモイル、ジアリルカルバモイル、N−メチル−N−フェニルカルバモイル、アセチルカルバモイル等の置換カルバモイル基;例えば、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、シクロヘキシルスルファモイル、フェニルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、ジブチルスルファモイル、ジアリルスルファモイル、N−メチル−N−フェニルスルファモイル等の置換スルファモイル基;スルホ基;カルボキシル基;例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル等のアルコキシカルボニル基;例えば、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基等のハロゲン化メチル基;ニトロ基;シアノ基なども本発明に係る電子吸引基として挙げられる。これら電子吸引基の中で、アシル基、置換カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン化メチル基及びシアノ基等が特に好ましい。
また、一般式(8)で表されるアルキン類において、Aで表される二価の基としては、例えば、−[(CH2)m−(Z)n−(CH2)O]P−(但し、Zは、酸素原子、−(C=O)−及び−(C=O)−NH−及び(ヘテロ)アリーレン基を表し、m、n、o及びpは1〜6の整数を表す。)及びアルキレン基等が挙げられる。
Zで表される(ヘテロ)アリーレン基としては、例えば炭素数6〜12の(ヘテロ)アリーレン基が挙げられ、具体例としてはフェニレン基及びピリジンジイル基等が挙げられる。
Aで表される二価の基の内のアルキレン基としては、直鎖状でも分岐状でも又は環状でもよい例えば炭素数1〜6のアルキレン基が挙げられ、具体例としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。
具体的には、まず、反応溶媒に一般式(1)で示されるロジウム化合物又は該ロジウム化合物を含む溶液を加え(或いは、ロジウム化合物又は該ロジウム化合物を含む溶液に、反応溶媒を加え)、これに、例えば、一般式(2)で表されるアルキン類、或いは一般式(5)で表されるアルキン類と一般式(2)で表されるアルキン類、若しくは一般式(8)で表されるアルキン類と一般式(5)で表されるアルキン類等を加えることにより反応が進行する。
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限は無いが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、tert−ブタノール等の非求核性のアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類及びジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。
これら溶媒は夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。また、場合によってはアルキン類そのものを反応溶媒として用いることもできる。
反応温度は、使用する基質により自ずから異なるが、通常−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜30℃の範囲で行うことができる。
反応時間は、使用する基質により自ずから異なるが、通常30分〜30時間、好ましくは1時間〜20時間である。
反応は、窒素又はアルゴン等の不活性ガス中で行うことが好ましい。
反応終了後は、濾過やシリカゲルカラムクロマトグラフィー等、この種分野で通常行われる後処理操作を行い、結晶化、蒸留、各種クロマトグラフィー等の精製法を単独又は適宜組み合わせることにより目的のベンゼン誘導体を得ることができる。
アルゴン雰囲気下、シュレンク管にTol−BINAP(0.0050mmol)、[Rh(COD)2]BF4(0.050mmol)及び塩化メチレン1.0mLを加え、5分間撹拌後、シュレンク管中に水素ガスを導入して30分間撹拌した。反応後、反応液を減圧濃縮して溶媒を留去し、得られた残渣に1−ドデシン(166mg、1.0mmol)の塩化メチレン2mL溶液を加え、室温で18時間撹拌した。次いで、溶媒を留去し、薄層クロマトグラフィー(以下、TLCと略す)(ヘキサン)で精製することにより1,2,4−トリデシルベンゼン及び1,3,5−トリデシルベンゼンの混合物を、それぞれ64:36の比率で得た。1H−NMRで収率を確認したところ、トリデシルベンゼンの収率としては95%以上であった。
アルゴン雰囲気下、シュレンク管にDTBM−SEGPHOS(59.0mg、0.050mmol)、[Rh(COD)2]BF4(20.3mg、0.050mmol)及び塩化メチレン1.0mLを加え、5分間撹拌後、シュレンク管中に水素ガスを導入して30分間撹拌した。反応後、反応液を減圧濃縮して溶媒を留去し、得られた残渣に1−ドデシン(166mg、1.0mmol)の塩化メチレン2mL溶液を加え、室温で18時間撹拌した。次いで、溶媒を留去し、TLC(ヘキサン)で精製することにより1,2,4−トリデシルベンゼン及び1,3,5−トリデシルベンゼンの混合物152mgを、それぞれ83:17の比率で得た。トリデシルベンゼンの収率としては91%であった。
アルキン類として1−シクロヘキセニルアセチレンを用い、実施例2と同様にして、1,2,4−トリ−1−シクロヘキセニルベンゼン及び1,3,5−トリ−1−シクロヘキセニルベンゼンの混合物をそれぞれ97:3の比率で得た。トリ−1−シクロヘキセニルベンゼンとしての収率は89%であった。
アルゴン雰囲気下、シュレンク管にH8−BINAP(5.7mg、0.009mmol)、[Rh(COD)2]BF4(3.7mg、0.009mmol)及び塩化メチレン1.0mLを加え、5分間撹拌後、シュレンク管中に水素ガスを導入して30分間撹拌した。反応後、反応液を減圧濃縮して溶媒を留去し、得られた残渣に1−ドデシン(99.8mg、0.60mmol)及びアセチレンジカルボン酸ジエチル(51.0mg、0.30mmol)の塩化メチレン0.5mL溶液を加え、室温で1時間撹拌した。次いで、溶媒を留去し、TLC(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製することにより3,6−ジデシルフタル酸ジエチル(1a)、3,5−ジデシルフタル酸ジエチル(1b)及び4,5−ジデシルフタル酸ジエチル(1c)の混合物133mgを、1a:1b:1c=92:6:2の比率で得た。ジデシルフタル酸ジエチルの収率としては88%であった。
IR(neat):2800,1670,1420,1230,750cm−1。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ 7.50(d,J=1.2Hz,1H),7.45(d,J=1.2Hz,1H),4.29−4.43(m,4H),2.54−2.84(m,4H),1.72−1.91(m,2H),1.16−1.48(m,4H),1.36(t,J=7.2Hz,6H),0.20−0.65(m,2H)。
13C NMR(CDCl3,75MHz)δ 168.9,166.7,144.2,141.1,139.3,130.6,129.5,125.6,61.3,61.2,34.3,32.6,32.4,32.3,27.8,27.5,14.13,14.11。
HRMS(FAB):計算値(C18H24O4)304.1753。実測値 304.1779.。
元素分析(C18H24O4):計算値 C,71.03;H,7.95。実測値 C,71.29;H,7.96。
Claims (5)
- 下記一般式(1)
[Rh(L)m(Y)n]X (1)
(式中、LはR1R2P−Q−PR3R4で表されるビスホスフィンを表し、Yは非共役ジエン化合物を表し、XはBF4、PF6、BPh4、ClO4、SbF6又はCF3SO3を表す。また、mは1又は2を表し、nは0又は1を表す。但し、m=1のとき、nは0又は1を表し、m=2のときはn=0を表す。R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有してもよいシクロアルキル基を表し、Qは置換基を有していてもよい二価のアリーレン基を表す。)
で表されるロジウム化合物を用いて、アルキン類を環化三量化させることを特徴とするベンゼン誘導体の製造方法。 - アルキン類が一種又は二種以上のアルキン類である請求項1に記載の製造方法。
- アルキン類が下記一般式(2)
で表される化合物であり、ベンゼン誘導体が下記一般式(3)で表される化合物又は下記一般式(4)で表される化合物である請求項2に記載の製造法。
- アルキン類が下記一般式(5)
で表される化合物及び下記一般式(2)
で表される化合物であり、ベンゼン誘導体が下記一般式(6)で表される化合物又は/及び下記一般式(7)で表される化合物である請求項2に記載の製造法。
- アルキン類が下記一般式(8)
で表される化合物及び下記一般式(5)
で表される化合物であり、ベンゼン誘導体が下記一般式(9)で表される化合物、下記一般式(10)で表される化合物、又は/及び下記一般式(11)で表される化合物である請求項2に記載の製造法。
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