JP4416215B2 - 半導体製造装置および半導体製造装置における表示方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造技術、特に、半導体製造装置に投入するカセットの種別および個数を自動的に決定する技術に関し、例えば、バッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置に利用して有効なものに関する。
【0002】
半導体製造装置の一例であるバッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置(以下、バッチ式CVD装置という。)においては、例えば、100〜150枚の半導体ウエハ(以下、ウエハという。)がボートに乗せられてプロセスチューブに搬入され一括して処理(バッチ処理)される。一方、露光工程やドライエッチング工程等においては、ウエハは一枚ずつ枚葉処理されることが多い。したがって、製品となるウエハは複数枚がカセットに収容された状態でバッチ式CVD装置に供給されて来て、バッチ処理後にカセットに収容した状態で次の工程に送り出されて行くことになる。
【0003】
ところで、バッチ式CVD装置においては、製品となるウエハ(以下、ワークという。)だけがボートに乗せられるのではなく、サイドダミーウエハ、フィルダミーウエハ、第一モニタウエハ、第一リターンモニタウエハ、第二モニタウエハおよび第二リターンモニタウエハが乗せられるのが、一般的である。これらの各種のウエハは複数枚ずつが種別毎のカセットにそれぞれ収納されている。したがって、バッチ式CVD装置のカセット棚にはワークを収納したワーク収納カセット(以下、第一種カセットという。)の他に、これらのウエハをそれぞれ別々に収納した六種類のカセットすなわちサイドダミーウエハ収納カセット(以下、第二種カセットという。)、フィルダミーウエハ収納カセット(以下、第三種カセットという。)、第一モニタウエハ収納カセット(以下、第四種カセットという。)、第一リターンモニタウエハ収納カセット(以下、第五種カセットという。)、第二モニタウエハ収納カセット(以下、第六種カセットという。)および第二リターンモニタウエハ収納カセット(以下、第七種カセットという。)が保管されることになる。
【0004】
そして、従来のバッチ式CVD装置においては、作業者がバッチ式CVD装置を統括的に制御するメインコントローラに種別毎のカセットの個数をタッチパネルの操作によって入力するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記したバッチ式CVD装置においては、次のような問題点がある。処理条件が変更される度に全てのカセットの種別と各種別のカセットの個数とを入力する必要があるため、作業者の負担が大きくなる。多くの選択肢の中からボタンを選択するため、投入カセットに操作ミスによる誤りが発生する。操作ミスを防止するために、必要以上に操作時間がかかるばかりでなく、作業者の精神的負担がより一層大きくなる。
【0006】
本発明の目的は、カセットの種別と各種別毎のカセットの個数を自動的に決定することができる半導体製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するための手段は、半導体ウエハの種別に応じてカセットを種別毎に分けて使用する半導体製造装置において、
カセットの種別毎にそれぞれ定められた半導体ウエハの枚数と、プロセスレシピで使用する種別毎の半導体ウエハの総枚数とから、種別毎のカセットの必要個数を算出することを特徴とする。
【0008】
前記した手段によれば、カセットの種別毎に定められた半導体ウエハの枚数と指示された種別毎の半導体ウエハの総枚数とから、カセットの種別およびその必要個数が自動的に算出されるため、作業者の負担や人為的な操作ミスを防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0010】
本実施形態において、本発明に係る半導体製造装置は、図1に示されているようにバッチ式CVD装置すなわちバッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置として構成されている。図1に示されているバッチ式CVD装置1は気密室構造に構築されたクリーンベンチ2を備えている。クリーンベンチ2内の一端部(以下、後端部とする。)の上部にはヒータユニット3が垂直方向に据え付けられており、ヒータユニット3の内部にはプロセスチューブ4が同心に配置されている。プロセスチューブ4の下端の炉口はシャッタ5によって開閉されるようになっている。クリーンベンチ2の後端部の下部にはエレベータ6が設置されており、エレベータ6はプロセスチューブ4の真下に配置されたボート7を垂直方向に昇降させるように構成されている。ボート7はワークやサイドダミーウエハ等のウエハを多数枚、中心を揃えて水平に配置した状態で支持してプロセスチューブ4の処理室に対して搬入搬出するように構成されている。図示しないが、プロセスチューブ4には原料ガス供給装置や真空排気装置が流体的に接続されている。
【0011】
クリーンベンチ2の前面壁にはカセット出し入れ口8が開設されており、カセット出し入れ口8はフロントシャッタ9によって開閉されるようになっている。カセット出し入れ口8にはカセット10の位置合わせを実行するカセットステージ11が設置されており、カセットステージ11にはカセット10のウエハを検知するウエハセンサ12が設置されている。
【0012】
クリーンベンチ2内の前後方向の中央部には上カセット棚13および下カセット棚14が上下に並べられてそれぞれ設置されており、上カセット棚13および下カセット棚14はいずれも左右方向に長い棚板が複数段水平に上下方向に並べられて構築されることにより、多数個のカセット10を保管し得るように構成されている。また、クリーンベンチ2内の前面壁側にはサブカセット棚15が設置されており、サブカセット棚15も左右方向に長い棚板複数段水平に上下方向に並べられて構築されることにより複数個のカセット10を保管し得るように構成されている。
【0013】
クリーンベンチ2内のカセットステージ11と上カセット棚13および下カセット棚14との間にはカセットハンドリング装置16が設置されており、カセットハンドリング装置16はカセットステージ11と上カセット棚13、下カセット棚14およびサブカセット棚15との間およびサブカセット棚15と上カセット棚13および下カセット棚14との間でカセット10を搬送するように構成されている。また、上カセット棚13および下カセット棚14とボート7との間にはウエハ移載装置17が設置されており、ウエハ移載装置17は上カセット棚13および下カセット棚14とボート7との間でウエハを搬送するように構成されている。
【0014】
クリーンベンチ2の外部にはコントロールユニット20が設置されており、コントロールユニット20には図2に示されている制御システム21が設備されている。図2に示されているように、制御システム21はメインコントローラ22を備えており、メインコントローラ22には入力装置と表示装置とを兼用するタッチパネル23が接続されている。また、メインコントローラ22にはカセットハンドリング装置16やウエハ移載装置17および外部のカセット搬送装置(図示せず)を制御するための搬送制御用サブコントローラ24と、ヒータユニット3や原料ガス供給装置および真空排気装置等を制御するためのプロセスチューブ制御用サブコントローラ25とが接続されている。
【0015】
さらに、メインコントローラ22にはハードディスクやフロッピーディスク等によって構成される記憶装置26が接続されるようになっており、記憶装置26にはCAP(cassette assignment parameter)テーブルを記憶するファイル(以下、カセットファイルという。)27と、プロセスを制御するのに使用されるデータを記憶するプロセスレシピファイル(以下、プロセスファイルという。)28と、各プロセスレシピで使用されるカセット種別毎のウエハ総枚数をそれぞれ記録したWAP(wafar arrangment parameter)テーブルを記憶するファイル(以下、ウエハファイルという。)29とが設定されている。
【0016】
図2に示されているように、カセットファイル27にはカセットの種別毎に指定された一個のカセット当たりのウエハの枚数(ウエハ枚数/カセット)がそれぞれ記録されたテーブル27a、27b、27c・・・が記憶される。ちなみに、これらのテーブルは「このカセットには何枚のワークを収納する」というようにバッチ式CVD装置1のユーザによって予め作成される。
【0017】
プロセスファイル28には各プロセスレシピにおいてプロセスを制御するのに使用されるデータすなわち処理条件が、プロセスレシピ番号に対応されてそれぞれ記録されたテーブル28a、28b、28c・・・が記憶される。ちなみに、処理条件としては、ヒータ温度のシーケンスや原料ガス供給のシーケンスおよびプロセスチューブの真空排気のシーケン等々がある。また、プロセスファイル28にはこれら処理条件の他に、次に述べるウエハファイル29のテーブル番号29a、29b、29c・・・が記憶される。
【0018】
ウエハファイル29にはボート7に一度に乗せられるカセット種別毎の各ウエハの総枚数が、それぞれ記録されたテーブル29a、29b、29c・・・が記憶されている。
【0019】
メインコントローラ22には図3に示されている投入カセット自動決定システム30がプログラミングされており、投入カセット自動決定システム30はカセット投入および使用プロセスレシピ指示手段31と、ファイル読出およびパラメータ取得手段32と、カセット個数算出手段33と、サブコントローラ通信手段34とを備えている。カセット投入および使用プロセスレシピ指示手段31、ファイル読出およびパラメータ取得手段32、カセット個数算出手段33およびサブコントローラ通信手段34は次に説明する作用を実行することができるように構成されている。
【0020】
次に、前記構成に係るバッチ式CVD装置の作用を図4に示されているフローチャートによって説明する。
【0021】
まず、タッチパネル23に写し出された図5(a)に示されている操作内容メニュー画面において、例えば、「カセット投入」が作業者のタッチ操作によって選択されると、メインコントローラ22におけるカセット投入および使用プロセスレシピ指示手段31によって「カセット投入」が指示された状態になる。
【0022】
次に、タッチパネル23に写し出された図5(b)に示されているプロセスレシピ選択画面において、これから使用としている所望のプロセスレシピとして例えば「第一プロセスレシピ」が作業者のタッチ操作によって選択されると、カセット投入および使用プロセスレシピ指示手段31によって「第一プロセスレシピ」が指示された状態になる。これにより、投入カセット自動決定システム30において図4に示されているフローが開始される。
【0023】
ステップS1において、ファイル読出およびパラメータ取得手段32はカセットファイル27の中からカセット種毎の一カセット当たりのウエハ枚数を取得する。例えば、ボート7にワークの他に第一モニタウエハが載せられる場合には、第一種カセットのワーク枚数データの他に、第四種カセットのウエハ枚数データがカセットファイル27から読み出される。
【0024】
ステップS2において、ファイル読出およびパラメータ取得手段32は先にカセット投入および使用プロセスレシピ指示手段31によって指示された「第一プロセスレシピ」のテーブル28aをプロセスファイル28の中から読み出す。
【0025】
ステップS3において、ファイル読出およびパラメータ取得手段32はプロセスファイル28から読み出した「第一プロセスレシピ」のテーブル28aからこのレシピで使用されるウエハファイルのテーブル番号(例えば、29a、29b、29c・・・)を取得する。
【0026】
ステップS4において、ファイル読出およびパラメータ取得手段32は前記取得したテーブル番号のウエハテーブル(ここでは、第一ウエハテーブル29aとする。)を、ウエハファイル29から読み出す。
【0027】
ステップS5において、ファイル読出およびパラメータ取得手段32は読み出した第一ウエハテーブル29aのデータから第一プロセスレシピによって使用されるカセット種別毎のウエハ総枚数を取得する。ここでは、ワークの総枚数と、第一モニタウエハの総枚数とが読み出される。
【0028】
ステップS6において、カセット個数算出手段33はステップS1にて取得したカセット種別毎の一カセット当たりのウエハ枚数と、ステップS6にて取得したカセット種別毎のウエハ総枚数とにより、第一プロセスレシピにて必要になるカセット種別毎のカセットの個数を算出する。
【0029】
ステップS7において、カセット個数算出手段33は全てのカセット種別についての算出を終了したかを判定する。算出が終了していないと判定された場合にはステップS5に戻ってステップS6、ステップS7が繰り返される。算出が終了したと判定された場合にはフローが終了する。
【0030】
以上のようにして自動的に算出されたカセット個数は図5(c)に示されている「投入カセット確認画面」に、例えば、「ワークカセットは6個」、「第一モニタカセットは1個」というように写し出される。
【0031】
図5(c)に示されている「投入カセット確認画面」において「投入開始」がタッチ操作されると、カセット個数算出手段33は算出したカセット種別毎のカセット個数をサブコントローラ通信手段34を介して搬送制御用サブコントローラ24に送信する。搬送制御用サブコントローラ24は送信された内容に応答して指示された種別のカセット個数を全て投入する。ここでは、6個のワークカセットと、1個の第一モニタカセットが投入されることになる。
【0032】
ちなみに、前工程からのワークカセットの供給が事故等によって遅れている場合や、モニタウエハの代わりにワークを余分に投入したい場合等のようにバッチ処理の構成を一時的に変更した場合には、図5(c)に示されている「投入カセット確認画面」において「変更」がタッチ操作される。
【0033】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0034】
例えば、メインコントローラへの入力装置としては、タッチパネルを使用するに限らず、マウスやキーボードを使用したGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)を使用してもよいし、制御卓(コンソール)を使用してもよい。
【0035】
カセット投入およびプロセスレシピ選択手段、ファイル読出およびパラメータ取得手段、カセット個数算出手段はメインコントローラに組み込むに限らず、搬送制御用サブコントローラ等に組み込んでもよい。
【0036】
前記実施形態においてはバッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置について説明したが、本発明はこれに限らず、バッチ式横形ホットウオール形減圧CVD装置等のバッチ処理される半導体製造装置全般に適用することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、複数種類のカセットを半導体製造装置に投入するに際して種別毎にカセット個数を入力しなくて済むため、作業者の肉体的負担や精神的負担を軽減することができるとともに、操作ミスによる誤りを低減することができ、操作時間の短縮によって半導体製造装置の全体としての効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるバッチ式CVD装置を示す概略斜視図である。
【図2】制御システムを示すブロック図である。
【図3】投入カセット自動決定システムを示すブロック図である。
【図4】そのフローチャートである。
【図5】その各画面図である。
【符号の説明】
1…バッチ式CVD装置(半導体製造装置)、2…クリーンベンチ、3…ヒータユニット、4…プロセスチューブ、5…シャッタ、6…エレベータ、7…ボート、8…カセット出し入れ口、9…フロントシャッタ、10…カセット、11…カセットステージ、12…ウエハセンサ、13…上カセット棚、14…下カセット棚、15…サブカセット棚、16…カセットハンドリング装置、17…ウエハ移載装置、20…コントロールユニット、21…制御システム、22…メインコントローラ、23…タッチパネル、24…搬送制御用サブコントローラ、25…プロセスチューブ制御用サブコントローラ、26…記憶装置、27…カセットファイル、28…プロセスファイル、29…ウエハファイル、30…投入カセット自動決定システム、31…カセット投入および使用プロセスレシピ指示手段、32…ファイル読出およびパラメータ取得手段、33…カセット個数算出手段、34…サブコントローラ通信手段。
Claims (4)
- 使用するプロセスレシピを指示する使用プロセスレシピ指示手段と、 カセットの種別毎の一カセット当たりの半導体ウエハ枚数を取得し、指示された前記プロセスレシピをファイルの中から読み出し指示された前記カセット種別毎の半導体ウエハの総枚数をファイルの中から読み出して取得するファイル読出およびパラメータ取得手段と、
取得した前記一カセット当たりの半導体ウエハの枚数と、取得した前記半導体ウエハの総枚数とから、カセット種別毎のカセットの必要個数をそれぞれ算出するカセット個数算出手段とを備えていることを特徴とする半導体製造装置。 - カセットの種別毎にそれぞれ定められた半導体ウエハの枚数と、プロセスレシピで使用する種別毎の半導体ウエハの総枚数とから、種別毎のカセットの必要個数を算出することを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
- 使用するプロセスレシピを指示することにより、そのプロセスレシピで必要となる種別毎のカセット個数を表示することを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
- 請求項1に記載の半導体製造装置における表示方法であって、
使用するプロセスレシピを指示することにより、そのプロセスレシピで必要となる種別毎のカセット個数を表示することを特徴とする半導体製造装置における表示方法。
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