JP4415733B2 - 液体噴射装置及びその駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体噴射装置及びその駆動方法に関する。
従来から、液体をターゲットに対して噴射させる液体噴射装置として、インクジェット式記録装置が広く用いられていた。詳しくは、このインクジェット式記録装置は、キャリッジと、同キャリッジに搭載された記録ヘッドと、液体としてのインクを貯留するインクカートリッジとを備えていた。そして、キャリッジをターゲットとしての記録媒体に対して相対移動させながら、インクカートリッジから記録ヘッドへとインクを供給し、記録ヘッドに形成されたノズルからインクを吐出することによって、記録媒体に対して印刷が行われるようになっていた。
なお、このようなインクジェット式記録装置の中には、キャリッジへの負荷を低減させたり、装置を小型化、薄型化させたりするために、インクカートリッジをキャリッジに搭載させない構成(いわゆるオフキャリッジ型)とするものがあった。そして、このようなインクカートリッジは、通常、インクを収容するインクパックと、同インクパックを収容するケースとを備えていた。
そして、インクパックとケースとの間の隙間に、加圧ポンプにおいて加圧された空気を供給することで、インクパックを押し潰し、インクパックからキャリッジ上の記録ヘッドへとインクを供給するようになっていた。
なお、このような加圧ポンプとして、例えば、ダイヤフラム式ポンプを使用することが知られていた(例えば、特許文献1参照。)。詳しくは、この特許文献1におけるダイヤフラム式ポンプは、ダイヤフラムを備えたポンプ室と、吸引用一方向弁、吐出用一方向弁とを備えていた。そして、ポンプ室は、ダイヤフラムの変形により、その容積が変化するようになっていた。
吸引用一方向弁は、ポンプ室と外部(大気)との間に設けられており、ポンプ室内の圧力がほぼ大気圧未満となったときにのみ開弁し、ポンプ室内に大気を流入させるための弁となっていた。また、吸引用一方向弁は、ポンプ室内の圧力がほぼ大気圧以上となると閉弁し、ポンプ室内の空気が外部に流出することを阻止するようになっていた。従って、吸引用一方向弁は、外部からポンプ室内に流入する空気のみを許容し、その逆を流れようとする空気を阻止する弁となっていた。
さらに、吐出用一方向弁は、インクパックとケースとの間の隙間と、ポンプ室との間に設けられており、ポンプ室内の圧力が、インクパックとケースとの間の隙間の圧力以上となったときにのみ開弁し、ポンプ室内の空気を、インクパックとケースとの間の隙間に流出させる弁となっていた。そして、吐出用一方向弁は、ポンプ室内の圧力が、インクパックとケースとの間の隙間における圧力未満となったときに閉弁し、インクパックとケースとの間の隙間からポンプ室内に空気が逆流することを阻止するようになっていた。従って、吐出用一方向弁は、ポンプ室からインクパックとケースとの間の隙間へと流出する空気のみを許容し、その逆に流れようとする空気を阻止する弁となっていた。
以上により、このダイヤフラム式ポンプは、ポンプ室の容積の縮小及び拡大を繰り返すことにより、吸引用一方向弁から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を加圧して、インクパックとケースとの間の隙間に送り出すようになっていた。
特開2000−352379号公報
ところで、この特許文献1におけるダイヤフラム式ポンプでは、インクパックとケースとの間の空気は、ポンプ室側へと逆流することができないような構造となっていた。従って、インクパックとケースとの間の空気は、常に加圧された状態となっていた。このため、インクパックとケースとの間の加圧空気により、ケースが膨張し、インクカートリッジをインクジェット式記録装置の本体ケースから取り外すときに、取り外し難くなることがあった。
また、インクパックについても常に加圧された状態となっているため、インクカートリッジをインクジェット式記録装置の本体ケースから取り外すときに、インクパックとインク供給チューブ等との接続部からインクが漏れ出すおそれもあった。
そこで、ダイヤフラム式ポンプとインクカートリッジとの間のいずれかの部分に、インクカートリッジ内の空気の圧力を大気圧にすることのできる、大気開放弁等を設けることが考えられていた。これにより、インクカートリッジをインクジェット式記録装置の本体ケースから取り外すときに、インクカートリッジ内の空気を大気圧とすることができ、上記の問題点を解決するようになっていた。
ところが、このような大気開放弁を設けることにより、装置全体の部品点数が増加し生産効率を低下させたりスペースを増大させたりしてしまう可能性があった。また、大気開放弁を、電磁弁等で構成する場合には、制御を複雑にしてしまうという可能性もあった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、少ない部品点数であるとともに、簡単な制御で、液体カートリッジの液体収容部と加圧室との間における空気の圧力を大気圧とすることのできる、液体噴射装置及びその駆動方法を提供することにある。
本発明は、可撓性部を有し液体を内包可能な液体収容部と同液体収容部の前記可撓性部を加圧する加圧室とを備えた液体カートリッジと、前記液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体収容部内の液体を前記液体噴射ヘッドへと導く液体流路と、加圧空気を形成する加圧ポンプと、前記加圧空気を前記加圧室に導く空気流路とを備えた液体噴射装置において、前記加圧ポンプは、前記空気流路と連通している容積が増減する空気室と、前記空気室に対して当接しながら前記空気室を押圧することにより前記空気室の容積を減少させる押圧手段とを備え、前記空気室は、前記押圧手段による当接及び非当接によって、前記空気室の内部空間と外部空間とを非連通及び連通とさせる連通手段を備え、前記押圧手段は、モータと、前記空気室に対して当接することにより前記空気室の前記連通手段を閉塞するとともに、前記空気室から非当接することにより前記連通手段を開放する当接部と、前記モータの回転運動を、前記当接部が前記空気室に対する当接方向及び非当接方向の往復運動に変換する変換手段とを備え、さらに、前記空気室の容積を検出する容積検出手段と、前記容積検出手段によって検出された前記容積に基づいて、前記空気室の最大限収縮により前記空気室の内部空間の容積が最小限まで小さくなったと判断した場合には、前記空気室の内部空間の容積を増加させるように、前記モータの回転を制御する制御手段とを備えた
本発明によれば、押圧手段によって空気室が押圧されることにより、空気室の容積が減少され、空気室及び空気流路内の空気の圧力が上昇される。そして、この結果、加圧ポンプが加圧状態となり、空気室から空気流路を介して液体カートリッジの加圧室に流入する空気が、液体収容部を押し潰し、液体収容部内の液体が液体噴射ヘッドへと導かれる。また、押圧手段による空気室の押圧が停止され、押圧手段が、空気室から離間し始めると、非当接状態となる。この結果、加圧ポンプが非加圧状態となり、空気室から空気流路を介して液体カートリッジの隙間に流入される空気の流れが停止され、液体噴射ヘッドへと導かれる液体の流れが停止する。
なお、このとき、加圧ポンプが加圧状態となっている場合には、押圧手段によって空気
室の連通手段が非連通状態とされるので、空気室の気密性が保たれた状態となり、空気が効果的に加圧される。一方、加圧ポンプが非加圧状態となり、押圧手段が空気室から離間すると、連通手段が大気に対して連通状態とされて、空気室の内部空間に対して連通手段を介して外部空間から空気が流入する。この結果、空気室及び空気流路の内部が大気圧とほぼ等しくなる。
従って、本発明によれば、加圧ポンプの非加圧時には、空気流路や液体カートリッジ内の隙間における空気が大気圧とされるので、液体カートリッジの変形を防ぐことができ、液体カートリッジを液体噴射装置の本体ケース等に対して着脱することが容易となる。また、液体カートリッジの着脱時に、液体収容部と液体流との接続部から、液体の漏出が生じることを防ぐことができる。
また、本発明においては、押圧手段の位置を変更することで、加圧ポンプにおいて加圧空気を作成したり、空気室及び空気流路の内部の圧力を大気圧にしたりすることが可能であり、空気室及び空気流路の内部を大気圧とほぼ等しくするために、電磁弁等の新たな大気開放弁を設ける必要がない。従って、部品点数が増加や、制御の複雑化を防ぐことができる。
さらに、装置全体をコンパクトにすることができるとともに、制御が容易となる。しかも、空気室が収縮することによって、空気流路内の圧力を所定の圧力に維持することができなくなったことを、容積検出手段において検出された容積によって知ることができる。そして、最大限収縮していると判断された場合には、空気室の容積を増加させるようにモータを回転させてから、再度空気室の容積を減少させるようにモータの回転を制御することにより、引き続き、空気流路内の圧力を所定の圧力に維持することができるようになる。
この液体噴射装置において、前記加圧ポンプは、前記押圧手段と前記空気室の間に、前記押圧手段が前記空気室を押圧する際に、前記空気室が前記押圧手段に向かって当接するように付勢する付勢手段を設けた。
これによれば、空気室が例えばクリープ等によって、空気室が押圧手段に対して非当接状態になる場合がある。このとき、付勢手段によって空気室が押圧手段に向かって当接するように付勢されるため、押圧手段が空気室を押圧する際に、空気室に対して当接しながら空気室を押圧することができる。
この液体噴射装置において、前記加圧ポンプの前記押圧手段は、液体噴射動作中では、前記空気室に対して当接状態にし、液体噴射動作休止中では、前記押圧手段を前記空気室に対して非当接状態にする。
これによれば、加圧ポンプの押圧手段は、液体噴射動作休止中では、押圧手段を空気室に対して非当接状態にして、空気室の内部空間と外部空間とを連通させる。つまり、液体噴射動作休止中は、液体カートリッジの加圧室を外部空間と連通させる。従って、液体カートリッジの加圧室の膨張がなく、液体カートリッジを液体噴射装置から着脱することが容易となる。さらに、液体カートリッジを液体噴射装置から着脱するときに、液体収容部の排出口から液体が漏出するがない。
この液体噴射装置において、前記空気室は、ブロー成形により形成されている。
これによれば、簡易な製造装置を用いて、空気室を容易に製造することができる。コストを低減できる。
この液体噴射装置において、前記空気室は、前記押圧手段との当接部分が弾性部材によって形成されている。
これによれば、空気室と押圧手段との間の密着性が増し、連通手段の閉塞性を高めて、加圧時の気密性を高めることができる。
この液体噴射装置において、前記空気室は、蛇腹形状に形成されている。
これによれば、空気室の容積変化のときの空気室の収縮及び拡張の方向が直線状となり、変換手段をコンパクトとすることができる。また、空気室の押圧に加える負荷が低減さ
れる。
の液体噴射装置において、前記変換手段は、リードスクリューである。
これによれば、リードスクリューは、カム機構に比較してコンパクトであるので、装置全体をコンパクトにすることができる。また、リードスクリューは、前記当接部の変位を線形的に変化させることが可能であり、空気室の容積変化の制御を容易にすることができる。
この液体噴射装置において、前記リードスクリューは、複数設けられている。
これによれば、蛇腹形状等に形成された空気室の座屈を防ぎ、空気室の容積変化を安定的に行うことができる。
この液体噴射装置において、前記容積検出手段は、前記当接部の位置を検出するセンサである。
これによれば、簡単な構成で容積を検出することができる。
本発明は、可撓性部を有し液体を内包可能な液体収容部と同液体収容部の前記可撓性部を加圧する加圧室とを備えた液体カートリッジと、前記液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体収容部内の液体を前記液体噴射ヘッドへと導く液体流路と、加圧空気を形成する加圧ポンプと、前記加圧空気を前記加圧室に導く空気流路とを備えた液体噴射装置の駆動方法において、前記加圧ポンプは、前記空気流路と連通している容積が増減する空気室と、モータと、前記空気室に対して当接することにより前記空気室の内部空間と外部空間とを連通させる連通手段を閉塞するとともに、前記空気室から非当接することにより前記連通手段を開放する当接部と、前記モータの回転運動を、前記当接部が前記空気室に対する当接方向及び非当接する方向に往復運動するように変換する変換手段とを備え、容積検出手段が、前記空気室の容積を検出する段階と、制御手段が、前記容積検出手段によって検出された前記容積が前記空気室の最大限収縮により最小限まで小さくなった場合に、前記液体噴射ヘッドからの前記液体の噴射を停止させるように前記液体噴射ヘッドの駆動を制御する段階とを備えた。
これによれば、容積検出手段によって空気室内の容積が空気室の最大限収縮により最小限まで小さくなったと検出されると、液体噴射ヘッドからの液体の噴射が停止される。この結果、加圧ポンプの空気室が最小限収縮し、これ以上加圧ポンプによる液体カートリッジの隙間における圧力上昇ができず、液体収容部から液体噴射ヘッドへと液体が供給されていない場合に、液体噴射ヘッドからの液体の噴射が停止される。そして、液体噴射ヘッドにおける空打が防止される。
この液体噴射装置の駆動方法において、前記液体噴射ヘッドから噴射される液体が付着するターゲットを移動させるターゲット移動手段を備え、前記制御手段が、前記容積検出手段によって検出された前記容積が前記空気室の最大限収縮により最小限まで小さくなった場合に、前記ターゲット移動手段によるターゲットの移動が行われるように前記ターゲット移動手段の駆動を制御する段階をさらに備えた。
これによれば、容積検出手段によって空気室内の容積が空気室の最大限収縮により最小限まで小さくなったと検出された場合に、液体噴射ヘッドからの液体の噴射が停止されるとともに、ターゲット移動手段によるターゲットの移動が行われる。従って、ターゲットへの液体の噴射が行われていないときに、ターゲットの移動を行うことができ、液体噴射の効率を向上させることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図7に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置11は、本体ケース12、プラテン13、ガイド軸14、キャリッジ15、タイミングベルト16、キャリッジモータ17、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド20を備える。さらに、インクジェット式記録装置11は、バルブユニット21、液体カートリッジとしてのインクカートリッジ23、加圧ポンプ25を備える。本体ケース12は、略直方体形状の箱体であり、図1に示す右側端部にはカートリッジホルダ12aが形成されている。なお、本実施形態においては、本体ケース12の長手方向を主走査方向というものとする。
プラテン13は、本体ケース12内において、主走査方向に沿って架設されており、ターゲット移動手段としての紙送り手段(図示しない)を介して送出されるターゲットとしての記録媒体(図示しない)を支持するための部材となっている。なお、本実施形態においては、記録媒体は、前記主走査方向と直交する方向、すなわち、副走査方向に送出されるものとする。
ガイド軸14は棒状に形成され、前記プラテン13と平行、すなわち、主走査方向に沿って、本体ケース12内に架設されている。キャリッジ15は、前記プラテン13と対向する位置において、前記ガイド軸14に対して相対移動可能に貫挿されており、主走査方向に往復移動可能となっている。
そして、キャリッジ15は、タイミングベルト16を介してキャリッジモータ17に接続されている。キャリッジモータ17は本体ケース12に支持されており、キャリッジモータ17が駆動されることにより、タイミングベルト16を介してキャリッジ15が駆動され、キャリッジ15がガイド軸14に沿って、すなわち、主走査方向に往復移動される。
記録ヘッド20は、キャリッジ15の前記プラテン13と対向する面に設けられており、プラテン13側に向かってインクを噴射させるための複数の図示しないノズルを備えている。バルブユニット21は、キャリッジ15上に搭載されており、一時貯留したインクを、圧力を調整した状態で前記記録ヘッド20へと供給するようになっている。なお、本実施形態においては、バルブユニット21は、インクの色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)に対応して4個具備されている。
インクカートリッジ23は、前記カートリッジホルダ12aに対して着脱可能に収容さ
れており、前記インクの色に対応して4個具備されている。そして、図2には、4個のインクカートリッジ23のうちの1つを示しており、インクカートリッジ23は、加圧室としてのインクケース31と液体収容部としてのインクパック32とを備えている。インクケース31は略直方体状に形成されている。
また、インクパック32は、2枚の可撓性部としてのフィルム材を重ね合わせて形成され、その内部に液体としてのインクが封入されている。
そして、インクパック32は、インク排出口32aを備え、前記インクケース31内に収納されている。なお、このとき、インク排出口32aのみがインクケース31から露出した状態となり、それ以外の部分がインクケース31内に気密状態となるようにして収納される。従って、インクケース31とインクパック32との間には、隙間33が形成されている。
また、前記インクケース31には、前記隙間33に連通する連通孔(図示しない)が設けられており、この連通孔を介して空気を流入させることにより、隙間33における圧力を上昇させ、インクパック32を押し潰すような力を発生させることが可能となっている。そして、インクパック32のインク排出口32aは、図1に示すように、インクの色毎に設けられている液体流路としてのインク供給チューブ35を介して、前記バルブユニット21に対して接続されている。従って、インクケース31内の隙間33に空気を導入することにより、インクパック32内のインクは、インク供給チューブ35を介して、バルブユニット21に対して供給される。
加圧ポンプ25は、本実施形態においては、インクカートリッジ23の上に位置するようにして、本体ケース12に対して固定されている。そして、加圧ポンプ25は、大気を吸引して加圧空気として排出することが可能となっているが、その詳細な構成については後述する。そして、加圧ポンプ25において加圧された空気は、空気流路を構成する加圧チューブ37を介して圧力検出器38に供給される。
圧力検出器38では、加圧ポンプ25から供給された空気の圧力が検出される。そして、本実施形態においては、検出された圧力に基づいて、加圧ポンプ25の駆動が調整されるものとする。従って、加圧ポンプ25から供給された空気は、圧力検出器38によって、所定範囲内の圧力となるように調整される。そして、圧力検出器38は、空気流路を構成する4本の空気供給チューブ39を介して前記インクカートリッジ23の連通孔に対して接続されており、インクカートリッジ23の前記隙間33に所定範囲内の圧力となるように調整された空気が導入されるようになっている。
以上により、各インクカートリッジ23におけるインクパック32は、加圧ポンプ25から供給される加圧空気によって加圧され、インクパック32内のインクが、前記バルブユニット21に対して供給される。そして、バルブユニット21において一時貯留されたインクは、圧力が調整された状態で、記録ヘッド20へと供給される。
このとき、画像データに基づいて、紙送り手段によって記憶媒体を副走査方向に移動させながら、キャリッジ15を主走査方向に移動させ、記録ヘッド20からインクを噴射させることにより、記録媒体上に印刷を行うことが可能となる。
次に、前記加圧ポンプ25について図3及び図4に従って説明する。
図3及び図4に示すように、加圧ポンプ25は、支持体41、押圧手段としての押圧装置43、空気室45及び検出部46を備える。支持体41は、上側板47と下側板48とを備え、上側板47と下側板48とは、互いに平行となるようにして相対するように配置されている。また、支持体41は、上側板47及び下側板48に対して直交するようにし
て設けられている連結板51とを一体に備える。
上側板47は、その中央に大径孔53が設けられているとともに、大径孔53を挟むようにして、左右一対の小径孔54,55(図3参照)を備える。なお、小径孔54,55は、各孔の内径が等しくなっているとともに、前記大径孔53に比較して非常に小さな内径となっている。
下側板48は、その中央部付近にギア貫挿孔57が設けられているとともに、ギア貫挿孔57を挟むようにして、左右一対のリードスクリュー支持部(図示しない)を備える。なお、リードスクリュー支持部は、それぞれ、上側板47の小径孔54,55と相対するような位置に設けられている。また、連結板51は、前記上側板47と下側板48との間の、図3に示す背面側に位置し、上側板47と下側板48とを連結するようにして設けられている。そして、連結板51が、本体ケース12に対して固定されることにより、支持体41は、本体ケース12に対して固定されている。
押圧装置43は、モータとしての加圧ポンプモータ59、変換手段としての2本のリードスクリュー61,62、及び当接部64を備える。加圧ポンプモータ59は、端子67を備え、端子67から供給される電力及び制御信号に基づいて、正逆回転される出力軸68を備える。そして、加圧ポンプモータ59は、その出力軸68を前記下側板48のギア貫挿孔57に対して、図3の下側から貫挿させるようにして、前記本体ケース12に固定されている。また、出力軸68は複数の溝が切られており、ギアとして機能するようになっている。
リードスクリュー61,62は、それぞれ同形状に形成されており、軸部61a,62aと、従動ギア61b,62bとを備える。軸部61a,62aは、その中央部に雄ネジが切られている。なお、各軸部61a,62aの雄ネジの向きは、同方向となっている。そして、軸部61a,62aの上端部と下端部とには、それぞれ雄ネジが切られていないようになっており、上端部は、上側板47の小径孔54,55に対して回転可能に貫挿支持されている。また、軸部61a,62aの下端部は、前記下側板48のリードスクリュー支持部に対して、同じく、回転可能に支持されている。すなわち、リードスクリュー61,62は、それぞれ、上端部と下端部とが、上側板47と下側板48とに支持された状態で、軸心を中心に回動可能となっている。
また、従動ギア61b,62bは、軸部61a,62aのそれぞれの下部に配置され、従動ギア61b,62bと軸部61a,62aとは、それぞれ一体に設けられている。この従動ギア61b,62bは、それぞれの間に位置する2段ギア63に噛合されている。詳しくは、2段ギア63は、図3に示す上側から下側に向かって、上段側ギア部63a,下段側ギア部63bを一体に備える。そして、上段側ギア部63a及び下段側ギア部63bは、その回転中心が一致した状態で、上下方向に重ね合わされており、図示しない支持手段を介して、前記下側板48に対して回転可能に支持されている。
なお、上段側ギア部63aは、下段側ギア部63bよりも大径となるようにして形成されており、前記加圧ポンプモータ59の出力軸68に対して係合されている。また、下段側ギア部63bは、前記リードスクリュー61,62の従動ギア61b,62bに対して係合されている。従って、加圧ポンプモータ59の回転により、出力軸68が回動することにより、2段ギア63を介してリードスクリュー61,62が回動するようになっている。
なお、本実施形態においては、加圧ポンプモータ59が正回転することにより、2段ギア63が逆回転し、従動ギア61b,62bが正回転する。また、加圧ポンプモータ59
が逆回転することにより、2段ギア63が正回転し、従動ギア61b,62bが逆回転する。
当接部64は、板状に形成され、前記上側板47及び下側板48と平行に位置している。そして、当接部64の中央部には、略円筒形状となるように上側に突出する第1の円筒状凸部71が形成されている。第1の円筒状凸部71には、その中央部付近に、上下方向に貫通する貫通孔73が形成されている。
そして、第1の円筒状凸部71には、その上面側に、貫通孔73を環状に囲うようにして環状凸部75が形成されている。さらに、第1の円筒状凸部71の下面側には、貫通孔73を環状に囲うようにして円筒部76が突設されている。なお、この円筒部76は、前記上側板47及び下側板48と平行となる環状の段差76aが設けられており、上部に比較して下部の方が、外径が小さくなっている。そして、この円筒部76には、前記加圧チューブ37の一端がしまり嵌めとなるようにして外嵌され、段差76aによって加圧チューブ37の上方への移動が規制されている。
また、当接部64は、前記第1の円筒状凸部71を挟むようにして左右一対の円筒状係合部77,78を備える。そして、各円筒状係合部77,78には、上下方向に雌ネジ孔77a,78aが貫通形成されている。なお、この雌ネジ孔77a,78aには、それぞれの内周面に、お互いに同方向となる雌ネジが切られている。また、図1に示す右側の円筒状係合部78には、その側面から右側に向かって、レバー押上部79が延設されている。
そして、以上のように構成された当接部64は、各雌ネジ孔77a,78aの雌ネジに、前記リードスクリュー61,62の軸部61a,62aに形成された雄ネジが螺合することにより支持される。また、前記リードスクリュー61,62が正回転することにより、当接部64は、図3に示す上方に向かって移動するようになる。さらに、リードスクリュー61,62が逆回転することにより、当接部64は、図3に示す下方に向かって移動する。すなわち、当接部64は、リードスクリュー61,62の回転運動により、上下方向に直線的に移動するようになっている。
空気室45は、蛇腹部材81,第1のシール部材83,ガイド部材85,第2のシール部材87を備える。蛇腹部材81は、筒形状に形成され、上部が閉塞するとともに、下部に円形の開口部81aが設けられている。そして、側面が複数の折り返され、蛇腹形状となっている。従って、蛇腹部材81は、上方及び下方から挟み込むようにして押圧されることにより、上下方向に伸縮するようになっている。この結果、蛇腹部材81は、その容積が、伸縮に伴って増減するようになっている。なお、この蛇腹部材81は、樹脂等をブロー成形することにより形成されている。
また、蛇腹部材81は、その上端部における外径が、前記上側板47に設けられている大径孔53の内径よりも大きくなっている。そして、蛇腹部材81の複数の折り返し部のうち、最も上部に設けられている部分を、大径孔53に対して係合させることにより、蛇腹部材81は、その上端部が、上側板47に対して固定される。
第1のシール部材83は、弾性部材、例えば、ゴム等により形成されており、環状に形成されている。そして、第1のシール部材83の外径は、前記蛇腹部材の開口部81aの内径よりも若干大きな大きさとなっており、図3に示すように、開口部81a内にしまり嵌めとなるようにして内嵌されている。
図3及び図4に示すように、ガイド部材85は、板状に形成されており、前記上側板4
7及び下側板48と平行になるように位置している。そして、その中央部には、上方に向かって円筒形状の第2の円筒状凸部89が突設されている。この第2の円筒状凸部89は、下側から順に、大径部91及び小径部93を備え、大径部91は、前記当接部64の第1の円筒状凸部71の外径よりも若干大きな内径を有している。また、大径部91は、前記第1のシール部材83の内径よりも若干大きな外径を有している。
さらに、小径部93は、大径部91よりも小径に形成され、その上面には、上下方向に貫通する貫通孔93aが形成されている。そして、以上のように構成されたガイド部材85は、大径部91が、前記第1のシール部材83に対してしまり嵌めとなるようにして内嵌されることにより、第1のシール部材83に対して固定されている。
第2のシール部材87は、略円筒形状に形成され、弾性部材、例えば、ゴム等によって形成されている。そして、その外径は、前記ガイド部材85の小径部93の内径よりも若干大きな径となっており、第2のシール部材87は、小径部93に対してしまり嵌めとなるようにして内嵌されている。また、第2のシール部材87は、その内径が、下方から上方に向かって大きくなっており、連通手段としてのディフューザ孔87aが形成されている。そして、このディフューザ孔87aは、小径部93に嵌合された状態で、前記小径部93に形成された貫通孔93aと連通している。さらに、第2のシール部材87は、その下面から、前記ディフューザ孔87aを囲うようにして下方に向かって環状に突設された当接部分としての密着部87bを備える。
以上のようにして、空気室45は、蛇腹部材81,第1のシール部材83,ガイド部材85,第2のシール部材87によって、第2のシール部材87のディフューザ孔87aのみを介して外部に対して連通する内部空間Sを形成するようになっている。そして、この内部空間Sは、蛇腹部材81の伸縮に伴って、その容積が増減する。
また、空気室45は、前記ガイド部材85の大径部91に対して、前記当接部64の第1の円筒状凸部71が隙間嵌めとなるようにして内嵌されている。なお、このとき、前記第2のシール部材87のディフューザ孔87aと、当接部64の貫通孔73とは、鉛直方向に重なるような位置関係となっている。そして、ガイド部材85は、前記当接部64に対して上下方向に相対移動可能に支持されている。
従って、当接部64が、ガイド部材85に対して当接しようとする方向、すなわち、上方向に向かってガイド部材85に対して相対移動することにより、当接部64の環状凸部75と前記密着部87bとが密着する。この結果、前記内部空間Sが、貫通孔73等を介して加圧チューブ37に対して気密な状態で連通する。また、当接部64が、ガイド部材85に対して非当接、すなわち、離間しようとする方向(下方向)に向かってガイド部材85に対して相対移動することにより、当接部64の環状凸部75と密着部87bとが離間する。この結果、前記内部空間Sは、ガイド部材85の大径部91と当接部64の第1の円筒状凸部71との間の隙間を介して外部(大気)と連通するようになる。
なお、本実施形態においては、前記当接部64の位置が、図3に示すような位置である場合には、前記蛇腹部材81はこれ以上、上下方向に延びないようになっている。そして、この状態においては、当接部64の環状凸部75と密着部87bとが密着し、内部空間Sと加圧チューブ37との間が気密状態で連通されている。
また、図5に示すように、当接部64の位置が、図3に示す位置よりも、上方に位置している場合にも、蛇腹部材81には、上下方向に拡大しようとする復帰力が発生し、当接部64の環状凸部75と密着部87bとが密着し、内部空間Sと加圧チューブ37との間が気密状態で連通される。一方、図6に示すように、当接部64の位置が、図3に示す位
置よりも、下方に位置している場合には、蛇腹部材81が延びることができないため、当接部64のみが下方に移動し、当接部64がガイド部材85に対して離間する。この結果、当接部64の環状凸部75と密着部87bとが離間し、内部空間Sが、ガイド部材85の大径部91と当接部64の第1の円筒状凸部71との間の隙間を介して外部(大気)と連通する。
図3及び図4に示すように、検出部46は、前記上側板47から下方に向かって延設されている支持板47aに支持されている。そして、図4に示すように、検出部46は、前記リードスクリュー61,62の軸心方向と直交する回動軸95と、同回動軸95を回動中心として回動するレバー97とを備える。そして、レバー97は、前記当接部64に設けられているレバー押上部79と鉛直方向の位置が重なるようになっている。また、このレバー97は、外部から力が加わっていない状態においては、水平方向に位置している。
そして、検出部46は、下方からの力により、レバー97が上方に回動されると、オン信号を出力するようになっている。従って、図5に示すように、当接部64が上方に移動し、検出部46のレバー97(図4参照)にレバー押上部79が当接し、レバー97が上方に回動されることにより、検出部46からオン信号が出力される。また、図3及び図6に示すように、当接部64が下方に位置し、検出部46のレバー97(図4参照)にレバー押上部79が当接していない場合には、検出部46からのオン信号の出力が停止される。そして、本実施形態においては、検出部46とレバー押上部79とによって容積検出手段としてのセンサが構成されている。
すなわち、以上のように形成された加圧ポンプ25は、図3に示す状態から、加圧ポンプモータ59が正回転されると、当接部64の位置がリードスクリュー61,62に沿って上昇し、図5に示すように、当接部64の環状凸部75と空気室45の密着部87bとが密着した状態に維持される。そして、蛇腹部材81は上下方向に縮み、空気室45の内部空間Sの容積が減少する。この結果、空気室45から、加圧チューブ37、前記空気供給チューブ39(図1参照)、インクカートリッジ23の隙間33(図2参照)内が気密状態に保たれたままその容積が減少し、内部の空気の圧力が上昇する。
これにより、インクカートリッジ23の隙間33内における圧力上昇によって、インクパック32(図2参照)が押し潰され、インクパック32から前記バルブユニット21(図1参照)へとインクが供給される。
一方、加圧ポンプ25の当接部64が、図5に示す状態にまで上昇すると、前記当接部64のレバー押上部79が検出部46のレバー97(図4参照)に対して当接し、レバー97が上方に回動される。そして、検出部46からは、オン信号が出力される。
また、加圧ポンプ25は、図5に示す状態から、加圧ポンプモータ59が逆回転され、当接部64の位置がリードスクリュー61,62に従って下降すると、図3に示すように、当接部64の環状凸部75と空気室45の密着部87bとが密着した状態のままで、空気室45の内部空間Sの容積が拡大する。この結果、空気室45から加圧チューブ37、空気供給チューブ39,インクカートリッジ23の隙間33の内部が、気密状態に保たれたままその容積が拡大する。この結果、内部の空気の圧力が減少し、インクパック32に対する加圧力が停止し、インクパック32からバルブユニット21へと供給されるインクの流れが停止される。
さらに、加圧ポンプ25は、図3に示す状態から、加圧ポンプモータ59が逆回転され、当接部64の位置がリードスクリュー61,62に従って下降すると、図6に示すように、当接部64の環状凸部75と空気室45の密着部87bとが離間した状態となる。こ
の結果、環状凸部75と密着部87bとの隙間から、空気室45、加圧チューブ37、空気供給チューブ39、インクカートリッジ23の隙間33へと大気が流入し、これらの内部における圧力が大気圧とされる。
すなわち、加圧ポンプ25は、加圧ポンプモータ59が正逆回転に伴って上記の動作を繰り返すようになる。この結果、前記インクカートリッジ23の隙間33における圧力が、加圧ポンプ25の動作に従って変化し、インクカートリッジ23からバルブユニット21へとインクが供給され、バルブユニット21にて圧力調整されたインクが記録ヘッド20から噴射される。
次に、以上のように構成されたインクジェット式記録装置11の電気的構成について、図7に従って説明する。
図7に示すように、インクジェット式記録装置11は、制御手段としてのCPU101、ROM102、RAM103を備える。また、インクジェット式記録装置11は、検出部46、第1のモータ駆動回路105、第2のモータ駆動回路106、第3のモータ駆動回路107、ヘッド駆動回路108を備える。そして、これらは、バス109を介してお互いに接続されている。
CPU101は、前記検出部46からオン信号を入力する。また、CPU101は、第1のモータ駆動回路105を介して、前記紙送り手段を駆動させるための紙送りモータ114と接続され、駆動制御のための駆動制御信号を出力する。
さらに、CPU101は、第2のモータ駆動回路106を介して前記キャリッジモータ17に対して接続され、キャリッジモータ17に対して駆動制御のための駆動制御信号を出力する。
また、CPU101は、第3のモータ駆動回路107を介して、前記加圧ポンプモータ59に接続され、同加圧ポンプモータ59を正逆回転させるための駆動制御信号を出力する。さらにまた、CPU101は、ヘッド駆動回路108を介して、前記記録ヘッド20に接続され、記録ヘッド20に設けられているノズルからインクを吐出させるための図示しないノズル駆動体に対してノズル駆動信号を出力する。
CPU101は、ROM102に記憶された各種プログラムに従って動作し、その演算処理結果等を一時RAM103に記憶するようになっている。詳述すると、ROM102は、空気加圧プログラム及びその他プログラムを備えている。
空気加圧プログラムは、CPU101が、前記検出部46からオン信号を入力すると、前記ヘッド駆動回路108を介して記録ヘッド20へのノズル駆動信号の出力を停止するためのプログラムである。また、空気加圧プログラムは、CPU101が、前記検出部46からオン信号を入力すると、前記第3のモータ駆動回路107を介して加圧ポンプモータ59を逆回転させ、加圧ポンプ25の当接部64を下降させるためのプログラムである。
さらに、空気加圧プログラムは、CPU101が前記加圧ポンプモータ59を逆回転し始めるときに、前記第1のモータ駆動回路105を介して紙送りモータ114を駆動させ、紙送り手段によって記録媒体を紙送りさせるためのプログラムである。さらにまた、空気加圧プログラムは、CPU101が、前記加圧ポンプモータ59を、前記当接部64の環状凸部75と前記密着部87bとが離間する位置まで駆動させると、前記加圧ポンプモータ59に対して、正回転するための駆動信号を出力するためのプログラムである。また、空気加圧プログラムは、加圧ポンプモータ59の正回転にともなって、記録ヘッド20
へとノズル駆動信号の出力を行うためのプログラムでもある。
従って、CPU101は、前記検出部46からオン信号を入力すると、空気加圧プログラムに従って、記録ヘッド20に対するノズル駆動信号の出力を停止させる。また、CPU101は、空気加圧プログラムに従って、加圧ポンプモータ59に駆動信号を出力し、加圧ポンプモータ59を逆回転させる。
そして、CPU101は、加圧ポンプモータ59に対して、加圧ポンプモータ59を逆回転させるための駆動信号を出力すると、空気加圧プログラムに従って、紙送りモータ114を駆動させ、紙送り手段によって記録媒体を紙送りさせる。そして、加圧ポンプモータ59の逆回転により、加圧ポンプ25における環状凸部75と密着部87bとが離間されるまで、当接部64が下降すると、CPU101は、空気加圧プログラムに従って、加圧ポンプモータ59を正回転するように駆動させる。また、CPU101は、空気加圧プログラムに従って、記録ヘッド20へとノズル駆動信号の出力を行う。
すなわち、本実施形態におけるインクジェット式記録装置11は、印刷中においては、CPU101が、第3のモータ駆動回路107を介して加圧ポンプモータ59を正回転するように駆動させることにより、加圧ポンプ25において加圧空気が形成される。この結果、インクカートリッジ23における隙間33における空気が加圧され、インクパック32内のインクがバルブユニット21へと供給される。そして、バルブユニット21において圧力調整されたインクが記録ヘッド20からインク滴として噴射され、記録媒体に対して付着されることにより印刷が行われる。
そして、図5に示すように、加圧ポンプ25における当接部64の上昇が進み、当接部64のレバー押上部79によって、検出部46のレバー97が回動されると、検出部46からCPU101に対してオン信号が出力される。CPU101は、オン信号を入力すると、前記空気加圧プログラムに従って、まず、記録ヘッド20に対するノズル駆動信号の出力を停止させる。この結果、記録ヘッド20からのインクの噴射が停止される。
そして、この状態から、CPU101は、空気加圧プログラムに従って、加圧ポンプモータ59に対して駆動信号を出力し、加圧ポンプモータ59が逆回転される。この結果、加圧ポンプ25における当接部64が下降し、加圧ポンプ25の空気室45内の内部空間Sの容積が増大する。そして、インクカートリッジ23内の隙間33における圧力が低下し、インクパック32からバルブユニット21へと供給されるインクの流れが停止される。
なお、このとき、記録ヘッド20からのインクの噴射が行われている場合には、バルブユニット21内に一時貯留されているインクが全て記録ヘッド20から噴射されることにより、インクの不足による空打が生じるおそれがある。しかし、本実施形態においては、記録ヘッド20からのインクの噴射が停止されているので、このようなことが生じないようになっている。
また、このとき、CPU101は、空気加圧プログラムに従って、紙送りモータ114を駆動させ、紙送り手段によって記録媒体を紙送りさせる。この結果、記録媒体の紙送りが、インクの噴射の停止されているときに行われるようになり、印刷時間の短縮を図られ、印刷の効率を向上させることができる。
そして、加圧ポンプモータ59の逆回転により、図6に示すように、加圧ポンプ25における環状凸部75と密着部87bとが離間されるまで当接部64が下降すると、環状凸部75と密着部87bとの間の隙間から大気が流入する。この結果、空気室45内の内部
空間Sや、インクカートリッジ23内の隙間33における圧力が大気圧となる。
そして、CPU101は、空気室45の内部空間Sやインクカートリッジ23内の隙間33における圧力が大気圧となると、空気加圧プログラムに従って、加圧ポンプモータ59を正回転させるように駆動させる。また、CPU101は、空気加圧プログラムに従って、記録ヘッド20へとノズル駆動信号の出力を行う。この結果、加圧ポンプ25によってインクカートリッジ23の隙間33における空気の圧力が上昇され、インクパック32からバルブユニット21へとインクが供給される。そして、記録ヘッド20の駆動により、バルブユニット21からインクが供給され、記録ヘッド20から記録媒体に対してインクの噴射が行われる。従って、本実施形態におけるインクジェット式記録装置11は、印刷中においては、以上の動作を繰り返すことにより、効率良く印刷を行うことが可能となっている。
なお、本実施形態のインクジェット式記録装置11においては、印刷の行われていない、休止期間中においては、図6に示すように、加圧ポンプ25は、環状凸部75と密着部87bとが離間されるまで当接部64が下降された状態であるものとする。従って、印刷の停止期間中においては、空気室45内の内部空間Sや、インクカートリッジ23内の隙間33における圧力が大気圧に維持されている。
従って、この状態においては、インクカートリッジ23のインクケース31の膨張が防がれ、インクカートリッジ23を前記カートリッジホルダ12aから着脱することが容易となる。さらに、インクカートリッジ23をカートリッジホルダ12aから着脱するときに、インク排出口32a等からインクが漏出することも防がれるようになっている。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、当接部64が上方向に移動することによって、空気室45の蛇腹部材81が縮み、空気室45の内部空間Sの容積が減少される。この結果、空気室45からインクカートリッジ23の隙間33までの間における空気の圧力が上昇され、加圧ポンプ25が加圧状態となる。そして、インクカートリッジ23内のインクパック32が押し潰され、インクパック32内のインクがバルブユニット21を介して記録ヘッド20から噴射される。
また、当接部64が下方向に移動することによって、空気室45の蛇腹部材81が伸び、空気室45の内部空間Sの容積が増加される。この結果、空気室45の内部空間Sからインクカートリッジ23の隙間33の間が減圧され、加圧ポンプ25が非加圧状態とされる。さらに、当接部64の環状凸部75と、密着部87bとが離間することによって、空気室45の内部空間Sやインクカートリッジ23の隙間33へと大気が流入し、空気室45の内部空間Sからインクカートリッジ23の隙間33までの間が大気圧とほぼ等しくなる。
従って、空気室45の内部空間Sからインクカートリッジ23の隙間33までの間が大気圧とほぼ等しくなっているときには、インクカートリッジ23のインクケース31が膨張されないようになっている。そして、このとき、インクカートリッジ23をインクジェット式記録装置11のカートリッジホルダ12aに対して着脱するようにすれば、容易にインクカートリッジ23を着脱することができる。さらに、着脱時において、インクパック32のインク排出口32aからインクが漏れ出すことを防ぐことができる。
従って、本実施形態においては、当接部64の上下方向における位置を変更することで、加圧ポンプ25を加圧状態及び非加圧状態としたり、空気室45の内部空間Sからインクカートリッジ23の隙間33までの間を大気圧とほぼ等しくしたりすることができる。
そして、内部空間Sからインクカートリッジ23の隙間33までの間を大気圧とほぼ等しくするために、電磁弁等の新たな大気開放弁を設ける必要がないので、部品点数の増加や、制御の複雑化を防ぐことができる。
(2)本実施形態では、空気室45は、蛇腹部材81の伸縮によりその内部空間Sの容積が変化するようにした。従って、空気室45の伸縮の方向を直線状とすることができ、空気室45の容積を変化させるための押圧装置43の構造を簡素化させることができる。また、蛇腹部材81は、小さな力で伸縮するので、空気室45の容積変化のための負荷を低減することができる。
(3)本実施形態では、空気室45は、ブロー成形により形成された蛇腹部材81を使用するようにした。従って、空気室45をブロー成形用の簡易な製造装置により容易に製造することができ、製造コストを低減することができる。
(4)本実施形態では、当接部64と当接する部分である、空気室45の密着部87bが、弾性部材によって形成されるようにした。従って、加圧ポンプ25が加圧状態にあるときに、空気室45と当接部64との間の密着性が増し、空気室45の内部空間Sの閉塞性を高めて、加圧時の気密性を高めることができる。
(5)本実施形態では、押圧装置43は、加圧ポンプモータ59、リードスクリュー61,62、当接部64によって構成されるようにした。これによれば、加圧ポンプモータ59の回転運動が、リードスクリュー61,62によって直線運動に変換されており、加圧ポンプ25の全体をコンパクトにすることができる。そして、加圧ポンプモータ59の回転方向を制御するのみで、当接部64の位置を直線的に変化させて、加圧ポンプ25を加圧状態としたり非加圧状態としたりすることができ、制御が容易となる。
(6)本実施形態では、変換手段としてリードスクリュー61,62を使用するようにした。これによれば、リードスクリュー61,62は、同じく、変換手段としてのカム機構に比較してコンパクトであるので、変換手段としてカム機構を使用した場合に比較して、加圧ポンプ25をよりコンパクトにすることができる。
(7)本実施形態では、加圧ポンプ25の押圧装置43は、2本のリードスクリュー61,62を備えるようにした。従って、押圧装置43の当接部64は、2本のリードスクリュー61,62に沿って上下方向に移動するようになり、蛇腹部材81を、座屈等を生じさせることなく安定的に伸縮させることができる。
(8)本実施形態では、加圧ポンプ25に検出部46とレバー押上部79とを設け、当接部64が上昇し、レバー押上部79によって検出部46のレバー97が回動されることで、CPU101にオン信号が出力されるようにした。そして、CPU101は、オン信号を入力すると、空気加圧プログラムに従って、加圧ポンプモータ59を逆回転するように制御し、その後、正回転するように制御するようにした。
従って、CPU101は、空気室45が収縮し、空気室45内の内部空間Sの容積が所定値以下になっているか否かを、検出部46からのオン信号に基づいて判別することができる。そして、CPU101は、検出部46からのオン信号に基づいて、加圧ポンプモータ59を逆回転させ、その後、正回転させるので、引き続き、加圧ポンプ25において、加圧空気が作成されるようになる。従って、空気室45が最大限収縮して、空気室45の内部空間Sの容積が最小限まで小さくなることにより、加圧ポンプ25において、もうこれ以上加圧空気を作成することができなくなる、という状態が維持されないようにすることができる。
(9)本実施形態では、加圧ポンプ25の検出部46とレバー押上部79とによって、空気室45の内部空間Sの容積が、所定値以下になっているか否かを判別できるようにした。従って、簡単な構成で加圧ポンプ25の内部空間Sにおける容積の状況が検出することができる。
(10)本実施形態では、検出部46とレバー押上部79とによって空気室45の内部空間Sの容積が所定値以下となると検出されると、CPU101は、空気加圧プログラムに従って、記録ヘッド20の駆動が停止されるように制御するようにした。従って、空気室45の内部空間Sの容積が所定値以下となって、もうこれ以上インクパック32からバルブユニット21へとインクを供給できなくなった場合に、記録ヘッド20における駆動が停止されるようになる。この結果、記録ヘッド20において、バルブユニット21におけるインク不足による空打の発生が防止される。
(11)本実施形態では、CPU101は、検出部46からオン信号を入力すると、記録ヘッド20の駆動を停止するとともに、空気加圧プログラムに従って、紙送りモータ114を駆動制御し、紙送り手段によって記録媒体を紙送りさせるようにした。従って、記録ヘッド20における駆動が停止され、記録媒体に対してインクの噴射が行われていないときに、紙送り手段によって記録媒体が紙送りされるようになり、印刷の効率が向上される。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図8、図9及び図10に従って説明する。本実施形態は、第1実施形態で説明した空気室45と押圧装置43との間に付勢手段を設けた点が相違し、他は第1実施形態と同じ構成である。従って、本実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態と相違する点を詳細に説明し、他は符号を同じにして省略する。図8は、本実施形態の加圧ポンプ25の断面図であって、前記第1実施形態の図3に対応する断面図を示す。図9は、本実施形態の加圧ポンプ25の作用を示す図であって、前記第1実施形態の図5に対応する図を示す。図10は、本実施形態の加圧ポンプ25の作用を示す図であって、前記第1実施形態の図6に対応する図を示す。
図8において、押圧装置43の当接部64に形成した一対の円筒状係合部77,78の側面上部には、係合突起111,112をそれぞれ延出形成している。係合突起111,112は、当接部64の中央部に設けた第1の円筒状凸部71側に延出形成され、その係合突起111,112の下面が空気室45のガイド部材85の上面周縁部85aと相対向するようになっている。
ガイド部材85の上面周縁部85aには、蛇腹部材81の開口部81aの外周を囲むように、付勢手段としてのコイルバネ113が配置されている。コイルバネ113は、下端が上面周縁部85aに係合し、上端が係合突起111,112に係合するようになっている。
ここで、コイルバネ113について詳述する。コイルバネ113は、図8に示すように蛇腹部材81がこれ以上、上下方向に延びない状態の位置に、押圧装置43(当接部64)が位置している時、コイルバネ113は、上下方向に伸張するように配設されていて、上面周縁部85a及び係合突起111,112に弾性力を付与する状態に設定されている。また、コイルバネ113は、押圧装置43(当接部64)が図8から図10に示す位置に下降すると、蛇腹部材81が上下方向にこれ以上延びないことから、反対に縮められるように設定されている。
つまり、コイルバネ113は、押圧装置43(当接部64)が図8に示す位置から上に
あるとき、ガイド部材85を下方に押圧して当接部64の環状凸部75が、空気室45の密着部87bと密着した状態を保持する。従って、図8に示す位置よりも、上方に位置(例えば図9に示す位置)している場合には、蛇腹部材81の上下方向に拡大する復帰力の他に、コイルバネ113の弾性力が密着部87bを介して当接部64の環状凸部75に加わることになる。
そして、当接部64bが図9から図8に示す位置まで下降するまで、当接部64の環状凸部75と空気室45の密着部87bとが、復帰力と弾性力とで密着した状態のままで、空気室45の内部空間Sの容積が拡大する。この結果、空気室45から加圧チューブ37、空気供給チューブ39,インクカートリッジ23の隙間33の内部が、気密状態に保たれたままその容積が拡大する。この結果、内部の空気の圧力が減少し、インクパック32に対する加圧力が停止し、インクパック32からバルブユニット21へと供給されるインクの流れが停止される。
一方、当接部64が図8に示す位置から図10に示す下方位置まで移動すると、コイルバネ113が縮み当接部64の環状凸部75と空気室45の密着部87bとが離間した状態となる。この結果、環状凸部75と密着部87bとの隙間から、空気室45、加圧チューブ37、空気供給チューブ39、インクカートリッジ23の隙間33へと大気が流入し、これらの内部における圧力が大気圧とされる。
つぎに上記のように構成された、加圧ポンプ25の作用について説明する。
いま、インクジェット式記録装置11において、印刷の行われていない休止期間中においては、図10に示すように、加圧ポンプ25は、環状凸部75と密着部87bとが離間されるまで当接部64が下降された状態に位置制御されている。つまり、第1実施形態と同様に、印刷の停止期間中においては、空気室45内の内部空間Sや、インクカートリッジ23内の隙間33における圧力が大気圧に維持されている。その結果、この状態においては、インクカートリッジ23のインクケース31の膨張がなく、インクカートリッジ23を前記カートリッジホルダ12aから着脱することが容易となる。さらに、インクカートリッジ23をカートリッジホルダ12aから着脱するときに、インク排出口32a等からインクが漏出するがない。
そして、インクジェット式記録装置11において、印刷が開始されると、加圧ポンプモータ59を正回転制御して環状凸部75と密着部87bとを密着させながら当接部64を上昇させる。この結果、インクカートリッジ23の隙間33における空気が加圧され、インクパック32内のインクがバルブユニット21へと供給される。そして、バルブユニット21において圧力調整されたインクが記録ヘッド20からインク滴として噴射され、記録媒体に対して付着されることにより印刷が行われる。
図9に示すように、加圧ポンプ25における当接部64の上昇が進み、当接部64のレバー押上部79によって、検出部46のレバー97が回動される。そして、検出部46からのオン信号に基づいて記録ヘッド20からのインクの噴射が停止される。続いて、加圧ポンプモータ59を逆回転させ、当接部64を下降させる。これによって、加圧ポンプ25の空気室45内の内部空間Sの容積が増大する。そして、インクカートリッジ23内の隙間33における圧力が低下し、インクパック32からバルブユニット21へと供給されるインクの流れが停止する。
そして、加圧ポンプモータ59の逆回転により、当接部64が、図10に示すように、環状凸部75と密着部87bとが離間されるまで下降すると、環状凸部75と密着部87bとの間の隙間から大気が流入する。この結果、空気室45内の内部空間Sや、インクカートリッジ23内の隙間33における圧力が大気圧となる。
そして、空気室45の内部空間Sやインクカートリッジ23内の隙間33における圧力が大気圧となると、加圧ポンプモータ59は正回転するように駆動制御される。従って、前記と同様に、当接部64が環状凸部75と密着部87bとを密着させながら上昇することから、インクカートリッジ23の隙間33における空気が加圧され、インクパック32内のインクがバルブユニット21へと供給される。これと同時に、記録ヘッド20の駆動が開始されてバルブユニット21からインクが記録ヘッド20に供給され、記録ヘッド20から記録媒体に対してインクの噴射が行われる。以後、インクジェット式記録装置11は、印刷中においては、以上の動作を繰り返すことにより、効率良く印刷を行う。
そして、印刷が終了すると、図10に示すように、加圧ポンプ25は、加圧ポンプモータ59は逆回転して、図10に示す環状凸部75と密着部87bとが離間されるまで当接部64を下降させて次の印刷動作を待つ。
次に、コイルバネ113の作用について説明する。
いま、当接部64が図8に示す位置より上方位置、例えば、図9に示す位置にあるときに、インクジェット式記録装置11の電源が切られ、その状態で長時間放置された場合、蛇腹部材81はクリープして図9に示す縮んだ状態になってしまう場合が想定される。蛇腹部材81はこのクリープして縮んだ状態になった場合、印刷を開始する際に、図10から図9に向かって、当接部64を上昇させる。このとき、蛇腹部材81はこのクリープしているため、図9に示す状態に縮もうとする力が発生する。縮もうとする力は、環状凸部75と密着部87bとを離間させる力として作用する。従って、いくら加圧ポンプモータ59を正回転させても、環状凸部75と密着部87bとが密着せず、加圧空気がインクカートリッジ23の隙間33に供給されないことになる。つまり、インクパック32内のインクがバルブユニット21へと供給されず記録ヘッド20において空打が生じるおそれがある。
しかし、本実施形態においては、コイルバネ113を設けたことによって、当接部64が図8に示す位置から上にあるときは、ガイド部材85を下方に押圧して当接部64の環状凸部75と空気室45の密着部87bとが密着する状態を保持する。従って、蛇腹部材81がクリープして縮んだ状態になった場合でも、確実に環状凸部75と密着部87bとを密着させることができる。その結果、インクカートリッジ23に加圧空気が供給されなかったり、供給不足になるといったことを未然に防止することができる。
上記第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(12)円筒状係合部77,78に形成した係合突起111,112とガイド部材85の上面周縁部85aとの間に当接部64の環状凸部75と空気室45の密着部87bとを密着させる方向に弾性力が働くコイルバネ113を配置した。
従って、蛇腹部材81が、長時間同じ状態で放置されて同蛇腹部材81がクリープして環状凸部75と密着部87bが離間する方向の力が発生しても、コイルバネ113の弾性力によって、蛇腹部材81が上下方向の延ばし環状凸部75と密着部87bを確実に密着させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、空気室45の蛇腹部材81は、ブロー成形により形成されるようにしたが、他の成型方法により形成されるようにしてもよい。
・上記実施形態では、空気室45の密着部87bが弾性部材によって形成されるように
した。これを、弾性部材以外の材料にて形成されるようにしてもよい。
・上記実施形態では、空気室45は、蛇腹形状に形成されている蛇腹部材81を使用するようにした。これを、空気室45における内部空間Sの容積を増減可能であるとともに、容積が減少すると、容積が増加する方向に復帰しようとする部材であれば、他の形状の部材を蛇腹部材81の代わりに使用するようにしてもよい。例えば、蛇腹部材81の代わりに、フイゴ形状に形成されている部材や、ゴムボール等を使用するようにしてもよい。
・上記実施形態では、加圧ポンプ25において、変換手段としてリードスクリュー61,62を使用するようにした。これを、加圧ポンプモータ59の回転運動を、直線運動に変換することができるのであれば、その他の変換手段を使用するようにしてもよい。例えば、変換手段として、クランク機構や、カムを使用するようにしてもよい。
・上記実施形態では、加圧ポンプ25において、リードスクリュー61,62は、2本設けるようにした。これを、1本、あるいは、3本以上設けるようにしてもよい。リードスクリューの本数が少なくすれば部品数を少なくすることができる一方、多くすれば蛇腹部材81をより安定的に伸縮させることができる。なお、リードスクリュー61,62の数の変更する場合には、当接部64における円筒状係合部77,78の数も、合わせて変更する。
・上記実施形態では、検出部46を設けたが、検出部を省略して加圧ポンプ25を構成してもよい。
・上記実施形態では、検出部46からのオン信号に基づいて、CPU101は、空気加圧プログラムに従って、加圧ポンプモータ59を逆回転させたり、正回転させたりするようにした。これを、CPU101は、検出部46のオン信号の入力にかかわらず、加圧ポンプモータ59を正逆回転するように制御可能とするようにしてもよい。
・上記実施形態では、容積検出手段として、検出部46とレバー押上部79とを使用するようにした。これを、空気室45の内部空間Sにおける容積が所定値以下であるか否かを検出できるものであれば、その他の容積検出手段を使用するようにしてもよい。例えば、加圧ポンプモータ59における回転数及び回転方向に基づいて、内部空間Sにおける容積を検出する手段を使用するようにしてもよい。
・上記実施形態においては、空気加圧プログラムは、CPU101が、検出部46からオン信号を入力すると、記録ヘッド20へのノズル駆動信号の出力を停止させるためのプログラムであるようにした。これを、CPU101が、検出部46からオン信号を入力しても、記録ヘッド20へのノズル駆動信号の出力を停止させないプログラムであるようにしてもよい。
・上記実施形態においては、空気加圧プログラムは、CPU101が加圧ポンプモータ59を逆回転し始めるときに、紙送りモータ114を駆動させ、紙送り手段によって記録媒体を紙送りさせるためのプログラムであるようにした。これを、CPU101が加圧ポンプモータ59を逆回転し始めるときに、紙送りモータ114を駆動させないようなプログラムとしてもよい。
・上記実施形態においては、液体カートリッジとしてのインクカートリッジ23は、液体収容部としてのインクパック32と、加圧室としてのインクケース31とによって構成されるようにした。これをその他の液体収容部と加圧室とによって構成される液体カートリッジに具体化するようにしてもよい。なお、その他の液体収容部としては、箱体等の内部を可撓部としてのフィルム等で仕切ることによって、液体収容部と加圧室とを形成するようなものに具体化するようにしてもよい。
・上記第2実施形態では、付勢手段としてのコイルバネ113を、円筒状係合部77,78に形成した係合突起111,112とガイド部材85の上面周縁部85aの間であって蛇腹部材81の開口部81aの外周を囲むように配設したが、これに限定されるものではない。要は、空気室45を押圧装置43側に付勢して環状凸部75と空気室45の密着部87bとが密着する状態を保持する構成であればどんな構成でもよい。
・上記実施形態においては、液体噴射装置として、インクを吐出するインクジェット式記録装置11(ファックス、コピア等の印刷装置を含む)を用いて説明した。これを、他の液体を噴射する液体噴射装置に具体化するようにしてもよい。例えば、他の液体を噴射する液体噴射装置として、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。
第1実施形態におけるインクジェット式記録装置の平面図。 同じく、インクカートリッジの断面図。 同じく、加圧ポンプの断面図。 同じく、加圧ポンプの分解斜視図。 同じく、加圧ポンプの作用を説明する図。 同じく、加圧ポンプの作用を説明する図。 同じく、インクジェット式記録装置の電気的構成図。 第2実施形態における加圧ポンプの断面図。 同じく、加圧ポンプの作用を説明する図。 同じく、加圧ポンプの作用を説明する図。
符号の説明
S…内部空間、11…液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置、20…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、23…液体カートリッジとしてのインクカートリッジ、25…加圧ポンプ、31…加圧室としてのインクケース、32…液体収容部としてのインクパック、33…隙間、35…液体流路としてのインク供給チューブ、37…空気流路を構成する加圧チューブ、39…空気流路を構成する空気供給チューブ、43…押圧手段としての押圧装置、45…空気室、46…センサを構成する検出部、59…モータとしての加圧ポンプモータ、61,62…変換手段としてのリードスクリュー、64…当接部、79…センサを構成するレバー押上部、87…弾性部材としての第2のシール部材、87a…連通手段としてのディフューザ孔、87b…当接部分としての密着部、101…制御手段としてのCPU、113…付勢手段としてのコイルバネ。

Claims (11)

  1. 可撓性部を有し液体を内包可能な液体収容部と同液体収容部の前記可撓性部を加圧する加圧室とを備えた液体カートリッジと、前記液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体収容部内の液体を前記液体噴射ヘッドへと導く液体流路と、加圧空気を形成する加圧ポンプと、前記加圧空気を前記加圧室に導く空気流路とを備えた液体噴射装置において、
    前記加圧ポンプは、
    前記空気流路と連通している容積が増減する空気室と、
    前記空気室に対して当接しながら前記空気室を押圧することにより前記空気室の容積を減少させる押圧手段と
    を備え、
    前記空気室は、
    前記押圧手段による当接及び非当接によって、前記空気室の内部空間と外部空間とを非連通及び連通とさせる連通手段
    を備え
    前記押圧手段は、
    モータと、
    前記空気室に対して当接することにより前記空気室の前記連通手段を閉塞するとともに、前記空気室から非当接することにより前記連通手段を開放する当接部と、
    前記モータの回転運動を、前記当接部が前記空気室に対する当接方向及び非当接方向の往復運動に変換する変換手段と
    を備え、
    さらに、
    前記空気室の容積を検出する容積検出手段と、
    前記容積検出手段によって検出された前記容積に基づいて、前記空気室の最大限収縮により前記空気室の内部空間の容積が最小限まで小さくなったと判断した場合には、前記空気室の内部空間の容積を増加させるように、前記モータの回転を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置において、
    前記加圧ポンプは、前記押圧手段と前記空気室の間に、前記押圧手段が前記空気室を押圧する際に、前記空気室が前記押圧手段に向かって当接するように付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする液体噴射装置。
  3. 請求項1又は2に記載の液体噴射装置において、
    前記加圧ポンプの前記押圧手段は、液体噴射動作中では、前記空気室に対して当接状態にし、液体噴射動作休止中では、前記押圧手段を前記空気室に対して非当接状態にすることを特徴とする液体噴射装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の液体噴射装置において、
    前記空気室は、ブロー成形により形成されていることを特徴とする液体噴射装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の液体噴射装置において、
    前記空気室は、
    前記押圧手段との当接部分が弾性部材によって形成されていることを特徴とする液体噴射装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の液体噴射装置において、
    前記空気室は、蛇腹形状に形成されていることを特徴とする液体噴射装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の液体噴射装置において、
    前記変換手段は、リードスクリューであることを特徴とする液体噴射装置。
  8. 請求項7に記載の液体噴射装置において、
    前記リードスクリューは、複数設けられていることを特徴とする液体噴射装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の液体噴射装置において、
    前記容積検出手段は、
    前記当接部の位置を検出するセンサであることを特徴とする液体噴射装置。
  10. 可撓性部を有し液体を内包可能な液体収容部と同液体収容部の前記可撓性部を加圧する加圧室とを備えた液体カートリッジと、前記液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体収容部内の液体を前記液体噴射ヘッドへと導く液体流路と、加圧空気を形成する加圧ポンプと、前記加圧空気を前記加圧室に導く空気流路とを備えた液体噴射装置の駆動方法において、
    前記加圧ポンプは、
    前記空気流路と連通している容積が増減する空気室と、
    モータと、
    前記空気室に対して当接することにより前記空気室の内部空間と外部空間とを連通させる連通手段を閉塞するとともに、前記空気室から非当接することにより前記連通手段を開放する当接部と、
    前記モータの回転運動を、前記当接部が前記空気室に対する当接方向及び非当接する方向に往復運動するように変換する変換手段と
    を備え、
    容積検出手段が、前記空気室の容積を検出する段階と、
    制御手段が、前記容積検出手段によって検出された前記容積が前記空気室の最大限収縮により最小限まで小さくなった場合に、前記液体噴射ヘッドからの前記液体の噴射を停止させるように前記液体噴射ヘッドの駆動を制御する段階と
    を備えたことを特徴とする液体噴射装置の駆動方法。
  11. 請求項10に記載の液体噴射装置の駆動方法において、
    前記液体噴射ヘッドから噴射される液体が付着するターゲットを移動させるターゲット移動手段を備え、
    前記制御手段が、前記容積検出手段によって検出された前記容積が前記空気室の最大限収縮により最小限まで小さくなった場合に、前記ターゲット移動手段によるターゲットの移動が行われるように前記ターゲット移動手段の駆動を制御する段階をさらに備えたことを特徴とする液体噴射装置の駆動方法。
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