JP4479319B2 - 加圧ポンプ装置、液体噴射装置及び加圧ポンプの流路構造 - Google Patents

加圧ポンプ装置、液体噴射装置及び加圧ポンプの流路構造 Download PDF

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Description

本発明は、吸入と吐出を繰り返して加圧流体を排出する加圧ポンプ装置、液体噴射装置及び加圧ポンプの流路構造に関する。
従来、多種多様な印刷装置が開発されているが、例えばオフィス用や業務用向けの機種では印刷頻度の多さに伴い大量のインクを消費することから、大容量のインクカートリッジを搭載する必要がある。しかし、キャリッジ上にインクカートリッジを乗せた機種(オンキャリッジ式)で、単純に大容量のインクカートリッジを乗せると、キャリッジひいては印刷装置が大型化し、キャリッジ自身にも大きな負荷がかかる。従って、キャリッジとインクカートリッジを別々にしたオフキャリッジ式の印刷装置が開発されている。
オフキャリッジ式の印刷装置では、インクカートリッジ内のインクをキャリッジ側(キャリッジ上のサブタンク)に送る必要がある。このため、印刷装置に加圧ポンプを搭載し、加圧ポンプによる加圧空気をインクカートリッジ内の空間に送り出すことでカートリッジ内のインクパックを押し潰し、それによってインクをキャリッジ側へ押し出している。そして、加圧ポンプが加圧空気を送り出す排気と、その排気後に加圧ポンプ内に大気を取り込む吸気とを繰り返して、インク供給を行っている。
この加圧ポンプとしては、例えば特許文献1に示すダイヤフラム式ポンプが知られている。このダイヤフラム式ポンプは、駆動モータの回転運動をダイヤフラムの上下運動に変換し、それに伴ってポンプ室を伸縮させることで加圧空気を送り出すポンプである。このダイヤフラム式ポンプはポンプ室が同一平面上に複数(特許文献1のポンプは3つ)配置され、駆動モータの回転に伴ってそれらが順に伸縮動作を繰り返して加圧空気を順に送り出している。
特開2000−352379号公報(第4〜7頁、第2図)
しかし、特許文献1に示すダイヤフラム式ポンプを用いた場合、このポンプは軸心に直交する平面上に複数のポンプ室が存在するので、ポンプが径方向に大型化することになり、加圧ポンプひいては印刷装置が大型化する問題があった。特に、印刷装置は小型化の要望が高いが、印刷装置のサイズについては加圧ポンプのサイズも大きな比重を占めることから、できる限り加圧ポンプのサイズを小さくしたい要望があった。
本発明は、装置の径方向のサイズを小型化することができる加圧ポンプ装置、液体噴射装置及び加圧ポンプの流路構造を提供することにある。
上記問題点を解決するために、本発明では、ポンプ駆動源となる駆動手段と、前記駆動手段を駆動源にポンプ室の容積を増減させることによって、該ポンプ室から加圧流体を排出するポンプ部とを備えた加圧ポンプ装置において、前記ポンプ部は、外部からポンプ室内へ流体を引き込む吸入口と、加圧動作によってポンプ室内から前記加圧流体を送り出す吐出口と、前記ポンプ室及び前記吸入口を有する圧縮部と、前記圧縮部に対し相対移動可能に支持されるとともに前記吐出口を有する座部と、前記圧縮部及び前記座部の間に生じる吸入通路上に配置されたシール部材とを備え、前記ポンプ部は、前記吸入口と前記吐出口とが対向する位置に配置されるとともに、前記ポンプ室の容積が増大するように稼働したとき、前記圧縮部が前記座部から離間することに伴い前記シール部材が前記圧縮部及び前記座部の一方から離れ、前記吸入口及び吸入通路が連通して吸入状態となり、前記ポンプ室の容積が減少するように稼働したとき、その際のポンプ室内の加圧力によって前記圧縮部が前記座部側に移動して前記シール部材が前記圧縮部及び前記座部に密着し、この動作により前記吸入口が前記吐出口のみと連通して吐出状態となることを要旨とする。
この構成によれば、吸入口と吐出口とが対向する位置に配置されると、その分だけ加圧ポンプ装置の径方向の大きさが小さく抑えられるので、加圧ポンプ装置の径方向のサイズを小型化することが可能となる。
また、この構成によれば、ポンプ室の容積増大に伴い圧縮部が座部から離間すると、シール部材が吸入経路を開放して吸入状態となり、ポンプ室の容積減少に伴い圧縮部が座部側に移動すると、シール部材が吸入経路を閉鎖して吐出状態となる。従って、この構成を用いれば、吸入口と吐出口とを対向する位置に配置したとしても、吸入側逆止弁機構が簡単な構造かつ小型なものとなる。
本発明では、前記吐出口を開閉可能な弁体を有するとともに吐出通路上に配置され、前記ポンプ室の容積が増大して前記ポンプ部が吸入状態となったとき、前記弁体が前記吐出口を閉じて閉弁状態となり、前記ポンプ室の容積が減少して前記ポンプ部が吐出状態となったとき、前記弁体が前記吐出口を開いて開弁状態となる吐出側逆止弁機構を備えたことを要旨とする。
この構成によれば、ポンプ部の吐出経路上に、加圧流体のポンプ室への逆流を防ぐ吐出側逆止弁機構を設けたので、ポンプ部が稼働するに従いポンプ部の加圧力が徐々に上昇していくことになる。従って、ポンプ部を小型化しても充分な加圧力を得ることが可能となり、ポンプ部ひいては加圧ポンプ装置の小型化が図られる。
本発明では、前記座部と前記弁体との間には、前記弁体を閉弁側に付勢する付勢手段が介装されていることを要旨とする。
この構成によれば、吐出側逆止弁機構の弁体が付勢手段によって閉弁側に常時付勢されるので、例えば加圧ポンプ装置に衝撃が加わった場合や、加圧ポンプ装置の姿勢位置が変わった場合でも、弁体が勝手に開いた状態になり難くなる。従って、開弁状態であるはずの吐出側逆止弁機構が開弁状態となっているような不具合が生じ難くなり、弁体の開閉動作の確実性が向上する。
本発明では、前記圧縮部と前記座部との間には、前記ポンプ室の容積が最大となるように前記圧縮部を座部側に付勢する第2付勢手段が介装されていることを要旨とする。
この構成によれば、ポンプ部が例えばダイヤフラムで構成される場合、ダイヤフラムが伸びると流体がポンプ室内に吸入され、ダイヤフラムが縮むとポンプ室から加圧流体が外部に吐出される。このようなダイヤフラム式ポンプの場合、ダイヤフラムが縮んだままで長時間放置されるとダイヤフラムにクリープ変形が生じてポンプ性能が低下する。しかし、ポンプ部に第2付勢手段を設ければ、ダイヤフラムは第2付勢手段によって伸びる側に付勢されるので、縮んだ状態になり難い。従って、ダイヤフラムにクリープ変形が生じ難くなり、ポンプ性能の低下も生じ難くなる。
本発明では、前記駆動手段は、所定方向に回転力を生じる駆動モータであるとともに、前記ポンプ部は、前記ポンプ室を押圧する押圧部材が往復直線運動することで、前記ポンプ室の容積が増減して該ポンプ室から前記加圧流体を排出する構成であって、前記駆動モータの回転運動を往復直線運動に変換して、前記押圧部材を往復直線運動させる変換機構を備えたことを要旨とする。
この構成によれば、駆動モータの回転運動を変換機構によって押圧部材の往復直線運動に変換してポンプ部を稼働させる構成であるので、通常広く使用されている汎用のモータをポンプ駆動源として用いることが可能となり、加圧ポンプ装置の簡素化やコスト低減化に寄与する。
本発明では、前記加圧流体が流れる流体流路管の途中に設置され、前記加圧流体による加圧を解除可能な弁機構と、前記駆動モータを少なくとも一方向に回転させることで、その回転を前記変換機構によって前記押圧部材の往復直線運動に変換して加圧動作を行い、前記駆動モータを他方向に回転させることで、前記弁機構を開弁状態にして加圧解除を行う制御手段とを備えたことを要旨とする。
この構成によれば、加圧動作を行うときには駆動モータを一方向に回転させることで行い、加圧解除を行うときには駆動モータの回転を他方向への回転に切り換えることで行う。従って、加圧動作と加圧解除との両方で同一の駆動モータが使用可能となり、加圧解除時の開弁機構に例えば部品サイズの大きい電磁バルブ等を使用せずに済むことから、加圧ポンプ装置の小型化が図られる。また、弁機構の開弁状態にするには、駆動モータを他方向に回転させるだけであるので、弁機構の開弁制御が簡単な制御で済む。
本発明では、内部の空間に加圧流体が供給されることで内部の液体収容部が伸縮して液体を排出する液体カートリッジと、前記液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、前記液体カートリッジの液体を前記液体噴射ヘッドに導く液体流路管と、前記液体カートリッジの前記空間に加圧流体を供給する加圧ポンプ装置と、前記加圧流体を前記液体カートリッジの前記空間に導く流体流路管とを備えた液体噴射装置において、前記加圧ポンプ装置は、ポンプ駆動源となる駆動手段と、前記駆動手段を駆動源にポンプ室の容積を増減させること
によって、該ポンプ室から加圧流体を排出するポンプ部とを備え、前記ポンプ部は、外部からポンプ室内へ流体を引き込む吸入口と、加圧動作によってポンプ室内から前記加圧流体を送り出す吐出口と、前記ポンプ室及び前記吸入口を有する圧縮部と、前記圧縮部に対し相対移動可能に支持されるとともに前記吐出口を有する座部と、前記圧縮部及び前記座部の間に生じる吸入通路上に配置されたシール部材とを備え、前記ポンプ部は、前記吸入口と前記吐出口とが対向する位置に配置されるとともに、前記ポンプ室の容積が増大するように稼働したとき、前記圧縮部が前記座部から離間することに伴い前記シール部材が前記圧縮部及び前記座部の一方から離れ、前記吸入口及び吸入通路が連通して吸入状態となり、前記ポンプ室の容積が減少するように稼働したとき、その際のポンプ室内の加圧力によって前記圧縮部が前記座部側に移動して前記シール部材が前記圧縮部及び前記座部に密着し、この動作により前記吸入口が前記吐出口のみと連通して吐出状態となることを要旨とする。
この構成によれば、吸入口と吐出口とが対向する位置に配置されると、その分だけ加圧ポンプ装置の径方向の大きさが小さく抑えられるので、加圧ポンプ装置の径方向のサイズを小型化することが可能となり、ひいては印刷装置の小型化にも寄与する。
また、この構成によれば、ポンプ室の容積増大に伴い圧縮部が座部から離間すると、シール部材が吸入経路を開放して吸入状態となり、ポンプ室の容積減少に伴い圧縮部が座部側に移動すると、シール部材が吸入経路を閉鎖して吐出状態となる。従って、この構成を用いれば、吸入口と吐出口とを対向する位置に配置したとしても、吸入側逆止弁機構が簡単な構造かつ小型なものとなる。
本発明では、ポンプ駆動源となる駆動手段と、前記駆動手段を駆動源にポンプ室の容積を増減させることによって、該ポンプ室から加圧流体を排出するポンプ部とを備えた加圧ポンプ装置に用いられる加圧ポンプの流路構造であって、外部からポンプ室内へ流体を引き込む吸入口と、加圧動作によってポンプ室内から前記加圧流体を送り出す吐出口と、前記ポンプ室及び前記吸入口を有する圧縮部と、前記圧縮部に対し相対移動可能に支持されるとともに前記吐出口を有する座部と、前記圧縮部及び前記座部の間に生じる吸入通路上に配置されたシール部材とを前記ポンプ部に形成し、前記ポンプ部は、前記吸入口と前記吐出口と対向する位置に配置されるとともに、前記ポンプ室の容積が増大するように稼働したとき、前記圧縮部が前記座部から離間することに伴い前記シール部材が前記圧縮部及び前記座部の一方から離れ、前記吸入口及び吸入通路が連通して吸入状態となり、前記ポンプ室の容積が減少するように稼働したとき、その際のポンプ室内の加圧力によって前記圧縮部が前記座部側に移動して前記シール部材が前記圧縮部及び前記座部に密着し、この動作により前記吸入口が前記吐出口のみと連通して吐出状態となることを要旨とする。この発明によれば、請求項1と同様の作用が得られる。
以下、本発明を具体化した加圧ポンプ装置、液体噴射装置及び加圧ポンプの流路構造の一実施形態を図1〜図13に従って説明する。
図1は、印刷装置1のケース内の概略構成を示す平面図である。印刷装置1は本体ケース2の内部にキャリッジ3とインクカートリッジ4とを備え、これらキャリッジ3とインクカートリッジ4とが別体となったオフキャリッジ式である。キャリッジ3は駆動プーリ5と従動プーリ6とにより張設された無端のタイミングベルト7に取り付けられ、このタイミングベルト7がキャリッジモータ8により駆動されることで、ガイド軸9に案内された状態で主走査方向(図1の左右方向)に往復移動する。なお、印刷装置1が液体噴射装置に相当し、インクカートリッジ4が液体カートリッジに相当する。
キャリッジ3の下面には、複数のノズル孔を有する記録ヘッド10が取り付けられている。印刷装置1の下部端側には、印刷用紙を紙送りするときの駆動源となる紙送りモータ(図13参照)が搭載されている。紙送りモータ11の出力軸にはギヤが固定され、このギヤがギヤ列を介して紙送りローラ12及び排紙ローラ13(両者ともに図13参照)に連結されている。紙送りモータ11が回転すると、紙送りローラ12及び排紙ローラ13が回転して、用紙14が紙送り部材15に沿って副走査方向(図1の上下方向)に紙送りされる。なお、記録ヘッド10が液体噴射ヘッドに相当する。
キャリッジ3には、記録ヘッド10にインクを供給するサブタンク(バルブユニットとも言う)16が搭載されている。インクカートリッジ4及びサブタンク16はインク色(例えばブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)の数だけ配設され、サブタンク16は各色毎にインク供給チューブ17を介して各色のインクカートリッジ4に接続されている。各サブタンク16はインクカートリッジ4から取り込んだインクを一時貯留し、その貯留インクを所定圧に圧力調整して記録ヘッド10に供給する。
本体ケース2の端部には、インクカートリッジ4の上面に加圧ユニット18が搭載されている。加圧ユニット18は空気供給チューブ19を介して加圧空気(加圧流体)をインクカートリッジ4に送り出す装置であり、加圧ポンプ20、圧力センサ21及び大気開放弁22を備えている。空気供給チューブ19は大気開放弁22の下流側の分配器23によって複数(本例は4本)に枝分かれし、分岐した各チューブがインクカートリッジ4の各色に接続されている。なお、インク供給チューブ17が液体流路管に、加圧ユニット18が加圧ポンプ装置に、空気供給チューブ19が液体流路管に、圧力センサ21が圧力検出手段に相当する。
インクカートリッジ4は、本体ケース2が有するカートリッジホルダ24に着脱可能に収容される。インクカートリッジ4は、図2に示すようにインクが封入されたインクパック25と、そのインクパック25を収納するインクケース26とからなる。インクパック25はインク排出口25aを有し、このインク排出口25aにインク供給チューブ17が接続される。インクパック25はインク排出口25aのみが外部に露出し、それ以外の部分が気密状態でインクケース26に収納され、これによりインクケース26の内部には気密状態の空間27が形成される。なお、インクパック25が液体収容部に相当する。
また、インクケース26には空間27に連通する連通孔(図示省略)が形成され、この連通孔に空気供給チューブ19が接続されることで、連通孔と空気供給チューブ19とが導通した状態となっている。加圧ポンプ20が作動して加圧空気が排出されると、その加圧空気が空気供給チューブ19を伝ってインクカートリッジ4内の空間27に導入され、加圧空気の空気圧によってインクパック25が押し潰される。これにより、インクパック25内のインクがインク供給チューブ17を介してサブタンク16に供給される。
このように、加圧ポンプ20の排気・吸気の繰り返しに伴い加圧空気の圧力が上昇し、インクパック25が押し潰されてインクがサブタンク16に供給される。そのインクはサブタンク16で一時貯留され、圧力調整された状態で記録ヘッド10へと供給される。印刷装置1は、ホストコンピュータやメモリーカードから取り込んだ印刷データに基づきキャリッジモータ8及び紙送りモータ11を駆動し、記録ヘッド10からインクを吐出して印刷処理を実行する。
図3は加圧ユニット18の斜視図であり、図4は加圧ユニット18の平面図である。加圧ポンプ20はダイヤフラム式ポンプであり、ポンプ駆動源であるポンプモータ28と、内部にポンプ室29(図7及び図8参照)を有するポンプ部30とを備えている。加圧ユニット18は加圧ポンプ20、圧力センサ21及び大気開放弁22が金属製の取付板31に取着されることでユニット化されている。従って、加圧ユニット18の本体ケース2への組付けは取付板31を複数のネジ等で本体ケース2に取付けることで行われる。ポンプモータ28の回転は、歯車機構32及びカム機構33を介して往復直線運動に変換されてポンプ部30に伝達される。
歯車機構32及びカム機構33を以下に説明すると、ポンプモータ28は例えば小型のDCモータが用いられ、その出力軸にはモータ歯車34が固着されている。一方、取付板31の端縁には取付板31の底壁に対して垂直に立設した壁部31aが折曲げ形成され、その壁部31aには第1支軸35がポンプモータ28側に延びるように一体形成されている。第1支軸35は根元が大径で先端側が小径となっており、第1支軸35の小径部分には第1歯車36が回転可能な状態で支持されている。第1歯車36は大径歯車36aと小径歯車36bとを有し、大径歯車36aがモータ歯車34と噛合っている。
ポンプ部30は、内部にポンプ室29を有する圧縮部37と、その圧縮部37の端部に取り付けられた座部38とを備えている。圧縮部37はダイヤフラム(蛇腹)37aを有しており、このダイヤフラム37aは例えばブロー成形等によって製造される。ダイヤフラム37aは、ポンプモータ28を駆動源として長手方向(図4に示す矢印A方向)に伸縮可能であり、この伸縮動作に伴ってポンプ室29の容積が増減する。なお、ポンプモータ28が駆動手段(駆動モータ)に相当し、歯車機構32及びカム機構33が変換機構を構成する。
座部38の端面には複数(本例は3つ)の爪部38aが形成されている。一方、座部38の端面と対向する位置において取付板31には、取付板31の底壁に対して垂直に立設した保持壁31bが折曲げ形成されている。保持壁31bの中央部には円形状の係止孔31cが形成されている。ポンプ部30は、爪部38aを係止孔31cに係止することによって、基端側(即ち、座部38側)が取付板31に対して固定されている。ダイヤフラム37aの他端には、ポンプモータ28の回転運動に基づき往復直線運動してダイヤフラム37aを伸縮させる押圧部材39が取り付けられている。
図5は押圧部材39とそれに関係する部品の斜視図であり、図6は図5を反対側から見た斜視図である。この押圧部材39は、平板状をなす基部40と、基部40に一体形成された円柱状のピストン41とを備えている。基部40の裏面には、互いに近づく方向に延出した係合片40aが形成されている。この係合片40aは、係合片40aの内側に生じる収容溝40bが基部40の側面40cで開放した形状をなすように、基部40の側面40cを除いた部位に形成されている。
一方、ダイヤフラム37aの一端には、収容溝40bに合わせた形状で係合部37b(図7及び図8参照)が形成されている。この係合部37bは、ダイヤフラム37aの端部(端面)から突出した状態となっており、押圧部材39の収容溝40bに係止可能となるように外側が内側よりも大径となった階段状に形成されている。従って、ダイヤフラム37aは係合部37bを基部40の側面40cから収容溝40bに嵌め込むことによって押圧部材39に組み付けられる。
図3及び図4に示すように、ピストン41に相対する位置において取付板31には、一対の支持片31d,31dが折曲げ形成されている。これら支持片31d,31dは取付板31の底壁に対し垂直に延びており、各支持片31d,31dには同じ高さ位置に支持孔31e,31e(図4参照)が形成されている。ポンプ部30のピストン41は往復直線運動可能な状態で一対の支持孔31e,31eに挿通され、これによってピストン41が取付板31に支持された状態となる。
図3及び図4に示すように、一対の支持片31d,31dの間には、第1歯車36とともに連れ回り可能な第2歯車42が配設されている。図5及び図6に示すように、第2歯車42は、大径部分の歯部42aと、小径部分の円筒部42bとを備えている。第2歯車42には、歯部42aと円筒部42bとの両方に亘って連通する連通孔42cが形成されている。歯部42aと円筒部42bとは同軸上に位置している。第2歯車42は、連通孔42cにピストン41が挿通されることによって、ピストン41に対して相対回転可能に支持されている。なお、歯車機構32はモータ歯車34、第1歯車36及び第2歯車42で構成される。
ピストン41の外周面には、ポンプモータ28の回転運動をピストン41の往復直線運動に変換可能な形状でカム溝43が形成されている。一方、円筒部42bの側壁には円形状の孔部42dが形成され、円筒部42bの外周面には孔部42dを挟んだ状態で一対の掛止部42e,42eが形成されている。孔部42dには、ピストン41のカム溝43に係止可能な連結片44が、略コ字形状の金属製の固定片45により位置決めされた状態で取り付けられている。なお、カム機構33は押圧部材39、カム溝43、連結片44及び固定片45で構成される。
連結片44の裏面にはカム溝43に係止可能な係止部44aが形成され、連結片44の表面には突部44bが形成されている。また、固定片45の一対の側壁には掛止部42e,42eを掛止可能な掛止孔45a,45aが形成され、側壁を繋ぐ底壁には突部44bを係止可能な凹部45b(図6参照)が形成されている。連結片44は、円筒部42bの孔部42dに位置したとき、自身の突部44bが固定片45の凹部45bに嵌り込み、さらに一対の掛止部42eが固定片45の掛止孔45aに掛止した状態となることで位置決めされた状態に保持される。
連結片44は、自身の係止部44aがカム溝43に係止した状態で固定片45によって位置決め固定されている。ところで、ポンプモータ28が回転すると、それに連れて第1歯車36及び第2歯車42が回転し、第2歯車42が回転すると連結片44もそれと一緒に回転する。このとき、連結片44の係止部44aが係止するカム溝43の形状によって、ポンプモータ28の回転運動がピストン41の往復直線運動に変換され、ポンプモータ28の回転に伴ってピストン41が往復直線運動して、ダイヤフラム37aが伸びたり(図4の実線の状態)、縮んだり(図4の一点鎖線の状態)する。
図7は吸気状態のときのポンプ部30の側断面図であり、図8は排気状態のときのポンプ部30の側断面図である。ダイヤフラム37aの他端(即ち、係合部37bと反対側の端部)には開口部37cが形成され、開口部37cには第1シール部材46を介して第1蓋体47が取り付けられている。第1蓋体47は、中央に位置する第1突出部47aと、第1突出部47aの周りを囲むように存在する平板部47bとを有した形状をなしている。第1蓋体47は、第1突出部47aがポンプ室29側を向く状態でダイヤフラム37aに取り付けられる。
第1シール部材46はゴム等を材質としており、ダイヤフラム37aの開口部37cの全周をシールするために環状に形成されている。第1シール部材46は第1突出部47aの外面と開口部37cの開口周縁との間で挟持され、これによって第1蓋体47はダイヤフラム37aから抜け落ちない状態となる。また、第1突出部47aの中央には、外部とダイヤフラム37a内とを連通する貫通孔49が貫設されている。
また、第1蓋体47の底面(図7及び図8では下面)には、第1突出部47aを形成することでできる凹部47cに第2シール部材50がしまり嵌めによって取り付けられている。第2シール部材50は例えばゴム等を材質としており、内径が上から下に向かうに連れて小さくなるディフューザ孔51を有している。第2シール部材50は、ディフューザ孔51が貫通孔49と通じる状態で第1蓋体47に取り付けられる。第2シール部材50の下面には、ディフューザ孔51を囲むようにして下方に突出した環状の第1密着部50aが形成されている。なお、第2シール部材50がシール部材に相当する。
以上の構成により、ダイヤフラム37a、第1シール部材46、第1蓋体47及び第2シール部材50で囲まれる空間がポンプ室29となる。また、このポンプ室29はディフューザ孔51のみを介して外部と連通可能となることから、ディフューザ孔51は大気をポンプ室29内に引き込む吸気口52となる。なお、第2シール部材50がシール部材に相当し、圧縮部37はダイヤフラム37a、第1シール部材46及び第1蓋体47で構成される。
座部38は、座部38の本体部分に相当するバルブフレーム53と、バルブフレーム53の開口部分を蓋する第2蓋体54と、バルブフレーム53及び第2蓋体54の間をシールする第3シール部材55とを備えている。バルブフレーム53の径方向端縁には、圧縮部37側に延びる複数(図7及び図8では1つのみ図示)の係止突設片53aが形成されている。圧縮部37は、これら係止突設片53aの内側に収容されることで、軸方向(図7及び図8の上下方向)に相対移動可能な状態で座部38に組み付けられている。圧縮部37と座部38との間には、これらの対向面全域に亘って空間が生じており、この空間が吸気通路56として機能する。なお、吸気口52が吸入口に相当し、吸気通路56が吸入通路に相当する。
ポンプ部30の吸気構造は、以下の通りである。即ち、図7に示すようにポンプモータ28の駆動によりダイヤフラム37aが伸びて吸気動作が行われると、圧縮部37が座部38から離間して第2シール部材50の第1密着部50aが座部38から離れ、吸気口52と吸気通路56とが連通した状態となる。一方、図8に示すようにポンプモータ28の駆動によりダイヤフラム37aが縮んで排気動作が行われると、圧縮部37が座部38に近づき第2シール部材50の第1密着部50aが座部38に密着し、吸気口52と吸気通路56との連通が遮断された状態となる。
平板部47bと係止突設片53aとの間には、ダイヤフラム37aを伸ばす側に付勢するスプリングバネ(以下、復帰バネと記す)57が介装されている。この組付構造によって、圧縮部37は座部38に対し相対移動可能であるが、座部38から抜け出ない状態に保持されている。また、加圧ポンプ20が非作動のときには、復帰バネ57の付勢力によってダイヤフラム37aが最大限伸びきった状態となる。従って、ダイヤフラム37aが縮んだまままで長期間放置されずに済み、ダイヤフラム37aにクリープ変形等が生じ難い。なお、復帰バネ57が第2付勢手段に相当する。
バルブフレーム53の中央部には、圧縮部37の凹部47cに収まる第2突出部53bが形成されている。第2突出部53bの中央には、ポンプ室29内の加圧空気をポンプ室29外へ排出する排気口58が形成されている。排気口58は吸気口52と対向した位置、即ち同軸上に位置した状態となっている。座部38の内部には、排気口58から流れ出た加圧空気の通り道となる排気通路59が貫設されている。第3シール部材55は例えばゴムやパッキン等からなり、排気通路59の密封性を確保する。なお、排気口58が吐出口に相当し、排気通路59が吐出通路に相当する。
排気通路59上には、吸入動作時に閉弁状態となり、吐出動作時に開弁状態となる排気側逆止弁機構60が配設されている。これを説明すると、排気通路59上には、排気口58を開閉可能な弁体(吐出弁)61が介装されている。この弁体61は、本体部分をなす支持体61aと、排気口58の周縁に当接する当接部材61bとを一体に備えている。当接部材61bは例えばゴム等を材質としており、当接部材61bの周縁全域には排気口58側に突出する環状の第2密着部61cが形成されている。なお、排気側逆止弁機構60が吐出側逆止弁機構に相当する。
弁体61と第2蓋体54との間には、弁体61を排気口58側に付勢するスプリングバネ(以下、弁付勢バネと記す)62が介装されている。弁付勢バネ62は、一端が支持体61aに、他端が第2蓋体54のバネ受け54aに係止されることで座部38に取付固定されている。弁付勢バネ62の付勢力は、加圧空気がある一定圧力となると弁体61が開弁するものの、弁体61に衝撃が加わったり、姿勢位置が変わったりしたときなどに弁体61が開弁状態とならないような値に設定されている。なお、弁付勢バネ62が付勢手段に相当する。
続いて、加圧ポンプ20の吸気動作及び排気動作を以下に説明する。まず、ポンプモータ28の回転に基づいて図7に示すようにダイヤフラム37aが伸びると、それに連れて圧縮部37が座部38から離間する側に移動する。すると、第2シール部材50の第1密着部50aが座部38から離れて吸気口52が開口した状態となり、ポンプ部30が吸気状態となって外気が吸気通路56及び吸気口52を介してポンプ室29内に送り込まれる。このとき、弁体61の第2密着部61cがバルブフレーム53に当接することで排気側逆止弁機構60が閉弁状態となり、吸気した外気が排気通路59に漏れ出ない状態となる。
一方、図8に示すようにダイヤフラム37aが縮むと、ポンプ室29内の加圧力によって圧縮部37が座部38に近づくように移動する。すると、第2シール部材50の第1密着部50aが座部38に密着して吸気口52が閉じた状態となり、吸気通路56が遮断された状態となる。このとき、ポンプ室29内の加圧空気によって弁体61が弁付勢バネ62の付勢力に抗して下側に動き、第2密着部61cがバルブフレーム53から離れて排気側逆止弁機構60が開弁状態となる。従って、ポンプ部30が排気状態となり、ポンプ室29内の加圧空気が排気口58から排出される。このような加圧ポンプ20による吸気・排気が繰り返されることで、加圧空気の圧力が上昇する。
図3及び図4に示すように、圧力センサ21は、ポンプ部30が排出する加圧空気の圧力を検出し、その圧力に応じた検出値を出力可能なセンサである。圧力センサ21は、加圧空気の入口となる入力接続管21aと、取り込んだ加圧空気の出口となる出力接続管21bとを備えている。圧力センサ21は、入力接続管21aが第1空気供給チューブ19aを介してポンプ部30の排気接続管30aに接続され、出力接続管21bが第2空気供給チューブ19bを介して大気開放弁22の吸入接続管22aに接続されている。
図9は、摩擦クラッチ機構の分解状態を示す平面図である。第1歯車36及び大気開放弁22の間には摩擦クラッチ機構63が配設されている。これを説明すると、取付板31の壁部31aには第2支軸64が固着されている。第2支軸64は根元が大径で先端側が小径となっており、第2支軸64の小径部分には第3歯車65が回転可能に取り付けられている。第2支軸64の先端にはワッシャ66aを介して固定ピン66bが固着され、第3歯車65は固定ピン66bによって第2支軸64から抜け落ちない状態に保持されている。なお、大気開放弁22及び摩擦クラッチ機構63が弁機構を構成する。
第3歯車65は、第1歯車36の小径歯車36bと噛合っている。第3歯車65及び壁部31aの間には、摩擦クラッチ機構63によって第3歯車65と連れ回り回転可能な従動部品67が取り付けられている。この従動部品67は中央部に貫挿孔67aを有し、この貫挿孔67aが第2支軸64の大径部分に貫挿されることによって第2支軸64に対し回転可能に支持されている。従動部品67の側面には、従動部品の外径よりも大きく側方に突出した押込部67bが形成されている。押込部67bの突出長さは、大気開放弁22に届く長さに設定されている。
従動部品67と壁部31aとの間には、従動部品67を第3歯車65側に付勢するスプリングバネ(以下、第1バネと記す)68が介装されている。第1バネ68は、一端が壁部31aの側面に当接し、他端が従動部品67の内壁67cに当接した状態となっている。第3歯車65と従動部品67とは第1バネ68の付勢力に応じた押圧力で接触し合った状態となり、第3歯車65は従動部品67と接触する壁面がクラッチ面65aとして機能する。また、第3歯車65及び従動部品67の間の摩擦クラッチによる減速比は、第1歯車36及び第2歯車42の間の減速比よりも大きく設定されている。
ポンプモータ28が回転すると第1歯車36を介して第3歯車65が回転し、この回転動作に伴って摩擦クラッチ機構63が作動して、従動部品67が第3歯車65と同方向に回転する。ちなみに、ポンプモータ28は正転及び逆転が可能であることから、本例はポンプモータ28が正転すると従動部品67が大気開放弁22の反対側(即ち、図3に示す矢印D方向)に回転することとし、ポンプモータ28が逆転すると大気開放弁22側(即ち、図3に示す矢印E方向)に回転することとする。なお、摩擦クラッチ機構63は、第3歯車65、従動部品67及び第1バネ68により構成される。
図10〜図12は、大気開放弁22の動作状態を示す断面図である。大気開放弁22は、大気開放機能とレギュレータ機能との2つの機能を有する弁であり、加圧空気の通路を有する弁本体69と、大気開放弁22の弁開閉を行う弁開放レバー70とを備えている。弁本体69は、加圧ポンプ20から圧力センサ21を介して送られた加圧空気の入口となる流入口69aと、弁内の加圧空気の圧力検出室として機能する弁室69bと、弁内の加圧空気の出口となる排出口69cとを備えている。
弁本体69には弁室69bとその室外(大気)とを連通する弁孔71が形成され、弁孔71の出口周縁には弁座72が形成されている。弁本体69には第2支軸64の軸方向に沿って延びる回転軸73が架設され、弁開放レバー70は回転軸73に揺動可能に支持されている。弁開放レバー70の先端において弁孔71側の面には、弁孔71を開閉可能な弁(バルブ)74が突出形成されている。
一方、弁本体69の上壁と弁開放レバー70との間には、弁開放レバー70の先端を弁孔71側に付勢するスプリングバネ(以下、第2バネと記す)75が介装されている。弁本体69の上壁の下面と、弁開放レバー70の先端において弁孔71の反対側の面とには、第2バネ75を係止するバネ受け69d,70aが各々形成されている。大気開放弁22の排出接続管22bには、分配器23から延びる第3空気供給チューブ19cが接続されている。
通常状態(即ち、ポンプモータ28の正転時)のとき、図10に示すように弁開放レバー70が第2バネ75の付勢力を受けてレバー先端が下方に傾き、弁開放レバー70の弁74が弁孔71を閉じることから、大気開放弁22が閉弁状態となる。このとき、ポンプモータ28の正転によって従動部品67が図10の矢印D方向に回転することになるが、ポンプモータ28が正転を続けても従動部品67は暫くすると第1支軸35に当接して回転が規制されることになり、それ以上回転しない状態となる。
加圧ポンプ20は、圧力センサ21の検出値から求まる圧力値Pに基づき、動作が停止状態及び駆動状態の間で切り換わる。即ち、加圧ポンプ20は、ポンプ駆動を開始してから圧力値Pが設定圧Pa以上になると停止状態になってポンプ駆動を一旦停止し、設定圧Paを下回るとポンプモータ28が正転を開始してポンプ駆動を再開する。そして、この処理が繰り返されることで、インクカートリッジ4に供給される加圧空気が所定範囲の圧力値に維持される。
一方、圧力値Pが過剰に上昇して閾値Pb(>Pa)以上となると、大気開放弁22の大気解放機能が作動する。このとき、まずポンプモータ28が正転に代えて逆転を開始し、これに伴って従動部品67が図10の矢印E方向に回転を開始する。従動部品67が矢印E方向に暫く回転すると、図11に示すように従動部品67の押込部67bが弁開放レバー70の基端に当接し、レバー基端が下方に押し込まれる。すると、第2バネ75の付勢力に抗して弁開放レバー70が揺動し、レバー先端が上方に持ち上がって弁74が弁孔71から離間し、大気開放弁22が開弁状態となる。
また、大気開放弁22はレギュレータ機能も備えているが、これは圧力センサ21や印刷装置1が制御システムが故障(暴走)しても、空気供給チューブ19内の加圧空気が過剰圧力とならないようにするためである。これを以下に説明すると、レギュレータ機能を作動させるべき閾値Pc(>Pb)が、第2バネ75のバネ力(付勢力)に基づき設定されている。従って、加圧空気の圧力値Pが閾値Pc以上となると、図12に示すように弁室69b内の空気圧によってレバー先端が上方に持ち上がり、自ら開弁状態となる。
さらに、印刷装置1の電源がオフとなったときにも、大気開放弁22の大気開放機能が作動する。これは、印刷装置1が電源オフ状態のときに空気供給チューブ19内が加圧状態のままであると、インクカートリッジ4が取り出し難かったり、インクがインク排出口25aの隙間から漏れ出たりするなどの問題が生じるからである。従って、印刷装置1の電源がオフされたとき、遅延回路等を用いて電源回路に電源が供給された状態を所定時間の間で維持し、その間にポンプモータ28を逆転させて大気開放弁22を開弁状態にする。
図4に示すように、押圧部材39の近傍において取付板31には、ダイヤフラム37aの伸縮位置Xを検出するホーム検出器76が取着されている。ホーム検出器76は、ダイヤフラム37aが最大に伸びきった状態となった(即ち、ホームポジション(ホーム位置)X0に位置した)か否かを検出する検出器であり、例えばリミットスイッチや光センサ等が用いられる。ホーム検出器76は検出レバー76aを備え、ダイヤフラム37aがホームポジションX0に位置すると押圧部材39の基部40が検出レバー76aを押し込み、これによりオン状態となって検出信号を出力する。
図13は、印刷装置1の電気構成を示すブロック図である。印刷装置1はCPU77、ROM78、RAM79、I/F80及びASIC81を備え、これらデバイスはバス82を通じて電気接続されている。CPU77は印刷装置1のメイン制御を司り、ROM78に記憶された制御プログラムに基づきRAM79を作業領域として動作する。また、印刷装置1はI/F80を介してホストコンピュータ83に接続され、ホストコンピュータ83から送信された印刷データに基づき印刷処理を行う。なお、CPU77及びASIC81が制御手段を構成する。
ASIC81はCPU77からの指令に基づき動作し、第1モータ駆動回路84を介してキャリッジモータ8を、第2モータ駆動回路85を介して紙送りモータ11を、ヘッド駆動回路86を介して記録ヘッド10を駆動制御する。ASIC81は圧力センサ21に電気接続され、圧力センサ21からの検出値に基づき加圧空気の圧力値Pを算出する。そして、ASIC81は算出した圧力値Pに基づき、第3モータ駆動回路87を介してポンプモータ28を駆動制御する。また、ASIC81はホーム検出器76に電気接続され、ホーム検出器76から検出信号を入力するとダイヤフラム37aがホームポジションX0にあると判断する。
さて、印刷装置1が印刷を開始すると、インクカートリッジ4内のインクをサブタンク16に送り出すために加圧ポンプ20による加圧動作が開始される。ASIC81は圧力センサ21の検出値に基づき加圧空気の圧力値Pを逐次算出しており、ポンプ駆動を開始してから圧力値Pが設定圧Pa以上となるとポンプモータ28を停止し、圧力値Pが設定圧Paを下回ると再びポンプモータ28を回転させる。ASIC81は、加圧ポンプ20の駆動或いは停止を繰り返し行い、加圧空気を所定範囲内の圧力に維持する。
以下に、加圧動作を説明する。通常、加圧ポンプ20はホーム検出器76の検出結果に基づきダイヤフラム37aが最大限伸びきった状態で停止するので、加圧動作開始前は図7に示すようにダイヤフラム37aが最大限伸びきった状態となっている。このとき、ダイヤフラム37aが押圧部材39に引っ張られることにより圧縮部37が座部38から離間し、吸気口52が開放された状態となる。従って、吸気通路56及び吸気口52を伝ってポンプ室29に外気が流れ込み、ポンプ室29内は外気で満たされた状態となる。
続いて、ポンプモータ28が正転を開始してダイヤフラム37aが縮み始めると、図8に示すようにポンプ室29内の加圧力によって圧縮部37が座部38側に移動して、第2シール部材50が座部38に密着した状態となる。これにより吸気口52と吸気通路56とが非連通となり、吸気口52に対向する排気口58がポンプ室29の出口になる。このとき、ポンプ室29の加圧空気によって弁体61が押され、排気側逆止弁機構60が開弁状態となって、ポンプ室29内の加圧空気が排気口58からインクカートリッジ4側に排気される。
ダイヤフラム37aが最大限縮むと、今まで往動していた押圧部材39が復動を開始し、これによってダイヤフラム37aは再度伸び始める。すると、図7に示すようにダイヤフラム37aが押圧部材39によって引っ張られて圧縮部37が座部38から離間し始め、第2シール部材50が座部38から離れて吸気口52が開放状態となる。このとき、排気通路59上の圧力によって弁体61が閉弁側に押され、排気側逆止弁機構60が閉弁状態となる。従って、ポンプ部30が吸気状態となり、外気がポンプ室29内に送り込まれる。この吸気・排気が繰り返されることで、加圧空気が空気供給チューブ19を介してインクカートリッジ4に供給される。
ところで、印刷装置1の動作状態によっては、空気供給チューブ19内の加圧空気が意に反して過剰に圧力上昇する場合も考えられる。圧力の過剰上昇の原因としては、例えば印刷装置1の長時間使用による自身の温度上昇等がある。ASIC81は算出した加圧空気の圧力値Pが閾値Pb以上となると、加圧空気が過剰上昇していると判断する。従って、ASIC81は空気供給チューブ19内の圧力を低くするために加圧解除動作、即ち大気開放弁22を開弁する動作を実行する。
加圧解除を説明すると、ASIC81は加圧空気の圧力値Pが閾値Pbを超えたと判断したとき、ポンプモータ28を逆転させる。従って、ポンプモータ28の逆転に伴い従動部品67が摩擦クラッチ機構63を介して図10に示す状態から同図の矢印E方向に回転を開始する。ここで、従動部品67が正規の通りに回転すれば、図11に示すように従動部品67の押込部67bが弁開放レバー70を倒し、大気開放弁22が開弁状態になる。このため、空気供給チューブ19内の加圧空気が外部に放出され、過剰加圧状態が解消される。
本例では、吸気口52と排気口58がポンプ部30の軸心に沿って対向する位置に配置される。従って、ポンプ部30の軸心と直交する平面上に吸気口と排気口が存在する加圧ポンプに比べ、本例の構成は径方向の大きさが小さく抑えられるので、ポンプ部30ひいては加圧ポンプ20の径方向サイズの小型化が可能となる。また、圧縮部37が座部38に対して動いて第2シール部材50が密着又は非密着となることで、吸気通路56が吸気口52に対して連通又は非連通となるポンプ部30を用いたので、吸気口52と排気口58が対向するポンプ部30の構造自体が簡単なものとなる。
さらに、排気通路59上に排気側逆止弁機構60を設けたので、排気口58から一旦排気された加圧空気がポンプ室29側に逆流しなくなる。従って、ダイヤフラム37aを伸縮運動させるに従いダイヤフラム37aの加圧力が上昇していく構成となるので、ダイヤフラム37aを小型化しても充分な加圧力を得ることができ、加圧ポンプ20ひいては印刷装置1の小型化に一層寄与する。
従って、本実施形態の構成によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)吸気口52と排気口58がポンプ部30の軸心に沿って対向する位置に配置されるので、ポンプ部30ひいては加圧ポンプ20の径方向サイズを小型化することができる。
(2)排気通路59上に排気側逆止弁機構60を設けた。従って、ダイヤフラム37aを伸縮運動させるに従いダイヤフラム37aの加圧力が上昇していく構成となるので、ダイヤフラム37aを小型化しても充分な加圧力を得ることができ、加圧ポンプ20ひいては印刷装置1の小型化に一層寄与する。
(3)排気側逆止弁機構60の弁体61が弁付勢バネ62によって閉弁側に常時付勢されるので、例えば加圧ポンプ20(加圧ユニット18)に衝撃が加わった場合や、加圧ポンプ20(加圧ユニット18)の姿勢位置が変更された場合でも、弁体61が勝手に開いた状態になり難くなる。従って、開弁状態であるはずの排気側逆止弁機構60が閉弁状態となっているような不具合が生じ難くなり、弁体61の開閉動作の確実性を向上することができる。
(4)ダイヤフラム37aを伸びきった状態に付勢する復帰バネ57をポンプ部30に設けた。従って、縮んだ状態のままダイヤフラム37aが長時間放置されなくなるので、ダイヤフラム37aにクリープ変形等が生じ難くなり、加圧ポンプ20が圧力劣化し難くなる。
(5)同一モータの回転方向を切り換えることによって、加圧ポンプ20の加圧動作と加圧解除とを各々行う構成であるので、大気開放弁22の弁開閉に電磁バルブ等を用いずに済み、加圧ユニット18ひいては印刷装置1を小型化することができる。また、大気開放弁22を開弁するときには、ポンプモータ28を逆転させるという簡単な制御で済むので、大気開放弁22の開弁制御が簡単なものとなる。
(6)圧力センサ21からの検出値に基づき加圧空気の圧力値Pを逐次算出し、その圧力値Pが閾値Pb以上となると、ポンプモータ28が逆転して大気開放弁22が開弁状態に制御される。従って、加圧空気が過剰に圧力上昇せずに済み、空気供給チューブ19やインク供給チューブ17が破損するような状況に陥り難くなり、加圧ユニット18ひいては印刷装置1の耐久性を向上することができる。
(7)大気開放弁22の弁開閉構造は、ポンプモータ28の逆転によって押込部67bが弁開放レバー70に当接し、これにより弁開放レバー70が揺動して大気開放弁22が開弁状態となる機械的構造である。従って、大気開放弁22の弁開閉構造が簡単な構造で済む。
(8)大気開放弁22の弁室69bに滞留する加圧空気の圧力値Pが閾値Pc(>Pb)以上となると、第2バネ75の付勢力に抗して弁開放レバー70が揺動を開始し、自動的に大気開放弁22が開弁する。従って、例えば圧力センサ21が故障したり、CPU77の制御システムが故障したりしても、自動的に大気開放弁22が開弁するので、加圧空気が過剰に圧力上昇せずに済み、印刷装置1の信頼性が向上する。
(9)ポンプモータ28の回転を従動部品67へ伝達する機構に摩擦クラッチを用いたので、大気開放弁22を開弁状態にするとき、押込部67bが弁開放レバー70に当接した後にポンプモータ28を回転し続けても支障は生じない。従って、ポンプモータ28の制御が簡単なものとなり、ポンプモータ28の回転位置を見る位置検出器等も不要となる。
(10)ポンプモータ28の回転を従動部品67へ伝達する機構に摩擦クラッチを用いると、ポンプモータ28の正転に基づく加圧ポンプ20の加圧動作時にも従動部品67が連れ回りする。しかし、第3歯車65及び従動部品67の間の摩擦クラッチによる減速比は、第1歯車36及び第2歯車42の間の減速比よりも大きく設定されているので、加圧動作に必要な負荷、即ちポンプ部30を動作させるに必要な負荷以外の負荷を小さくすることができる。
(11)印刷装置1の電源をオフしたときも、ポンプモータ28を逆転させて大気開放弁22を開弁状態にするので、印刷装置1に電源が入っていない状態のとき、空気供給チューブ19やインクカートリッジ4内に加圧空気が充填していない状態となる。従って、印刷装置1に電源が入っていないときには、空気供給チューブ19やインクカートリッジ4内を大気圧とすることができ、インク漏れ等の問題を発生し難くすることができる。
(12)圧力過剰常時の加圧解除や、印刷装置1の電源をオフしたときには、加圧解除を終了する際、ホーム検出器76の検出結果に基づきダイヤフラム37aが伸びきった状態で停止する。従って、縮んだ状態のままダイヤフラム37aが長時間放置されなくなるので、ダイヤフラム37aにクリープ変形等が生じ難くなり、加圧ポンプ20が圧力劣化し難くなる。
なお、実施形態は前記構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
(変形例1)ダイヤフラム37aは蛇腹形状に限らず、例えば図14(a),(b)に示すように椀型としてもよい。
(変形例2)ポンプ部30はダイヤフラム37aを用いた構造に限らず、例えば図15(a),(b)に示すようにシリンダ91を用いてもよい。この構造では、シリンダ91にピストン92が往復動可能に収容され、ピストン92とシリンダ内壁との間にOリング93が介装されている。そして、ピストン92が往復動することでポンプ室29の容積が増減し、加圧空気が排出される。
(変形例3)第2シール部材50は圧縮部37に代えて、座部38に取付けられてもよい。
(変形例4)排気側逆止弁機構60は、弁体61が弁付勢バネ62で付勢される構成に限らず、単なる舌片からなるものでもよい。
(変形例5)ダイヤフラム37aを伸びきった状態に付勢する復帰バネ57は必ずしも存在する必要はなく、省略してもよい。
(変形例6)ポンプモータ28はDCモータに限らず、ACモータを用いてもよい。
(変形例7)ポンプモータ28の回転をカム機構33や摩擦クラッチ機構63に伝達する機構は歯車機構32に限らず、例えばタイミングベルトによってポンプモータ28の回転をカム機構33や摩擦クラッチ機構63に伝達してもよい。
(変形例8)カム機構33は実施形態の円筒カムに限らず、例えばハートカム、正面カム、エンドカム等の各種方法を採用してもよい。
(変形例9)ポンプモータ28の回転を従動部品67に伝達する機構は摩擦クラッチ機構63に限らず、ポンプモータ28が逆転したときに、大気開放弁22が開弁状態になる構造のものであれば特に限定されない。また、この機構にクラッチ機構を用いた場合、クラッチ機構は摩擦クラッチに限らず、噛合いクラッチ等を採用してもよい。
(変形例10)加圧ポンプ20からインクカートリッジ4に供給される流体は空気に限らず、液体等を用いてもよい。
(変形例11)液体噴射装置は印刷装置1に限定されない。例えば、液体噴射装置は液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造装置、有機ELディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極形成装置、バイオチップ製造用の生体有機物を噴射する噴射装置、精密ピペット用の製造装置等でもよい。また、印刷装置1はインクジェット式、熱転写式等の種々の騎手を採用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1)請求項7において、前記流体流路管を流れる加圧流体の圧力を検出する圧力検出手段を備え、前記制御手段は、前記圧力検出手段の検出値に基づき圧力値を算出し、前記圧力値が過剰な圧力値である第1閾値(Pb)以上になったとき、前記駆動モータを他方向に回転させて前記弁機構を開弁状態にして加圧解除を行う。
(2)請求項7又は前記技術的思想(1)において、前記弁機構は、弁本体(69)に対し揺動可能に支持されたレバー部材(70)と、前記レバー部材に一体形成された弁(74)と、前記弁により開閉される弁孔(71)と、前記レバー部材を閉弁方向に付勢する付勢部材(75)とを備え、前記駆動モータが一方向に回転しているとき、前記付勢部材の付勢力により前記レバー部材が弁孔側に付勢されて前記弁が閉弁状態となり、前駆駆動モータが他方向に回転すると前記弁機構が作動して前記レバー部材が揺動し、前記弁が開弁状態となる。
(3)請求項7又は前記技術的思想(1),(2)において、前記弁機構は、自身の弁室に滞留する前記加圧流体の圧力値が、第1閾値よりも大きな値に設定した第2閾値(Pc)以上となると、自動的に前記弁が開弁状態となる。
(4)請求項7又は前記技術的思想(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記弁機構は、前記駆動モータが他方向へ回転したとき、従動部品(67)が摩擦クラッチを介して前記駆動モータと連れ回りし、前記従動部品の押込部(67b)が前記レバー部材に当接して該レバー部材を揺動させる摩擦クラッチ機構(63)を備えた。
(5)前記技術的思想(4)において、前記摩擦クラッチの減速比が、前記駆動モータの回転を前記変換機構に伝達するギヤ機構(36,42)の減速比よりも大きく設定されている。
(6)請求項2〜7のいずれかにおいて、前記シール部材が前記圧縮部に取り付けられ、前記シール部材に貫設された孔(51)が前記吸入口を兼ねている。
一実施形態における印刷装置のケース内の概略構成を示す平面図。 インクカートリッジの構成を示す断面図。 インクカートリッジに加圧空気を送る加圧ユニットの斜視図。 インクカートリッジに加圧空気を送る加圧ユニットの平面図。 伝達部材とそれに関係する部品の斜視図。 図5を反対側から見たときの斜視図。 吸気状態のときのポンプ部の側断面図 排気状態のときのポンプ部の側断面図。 クラッチ機構の分解状態を示す平面図。 閉弁状態のときの大気開放弁の断面図。 開弁状態のときの大気開放弁の断面図。 自ら開弁状態となったときの大気開放弁の断面図。 印刷装置の電気構成を示すブロック図。 別例におけるポンプ部の側断面図であり、(a)は吸気状態のときのポンプ部の側断面図、(b)は排気状態のときのポンプ部の側断面図。 他の別例におけるポンプ部の側断面図であり、(a)は吸気状態のときのポンプ部の側断面図、(b)は排気状態のときのポンプ部の側断面図。
符号の説明
1…液体噴射装置としての印刷装置、4…液体カートリッジとしてのインクカートリッジ、10…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、17…液体流路管としてのインク供給チューブ、18…加圧ポンプ装置としての加圧ユニット、19…流体流路管としての空気供給チューブ、20…加圧ポンプ、21…圧力検出手段としての圧力センサ、22…弁機構を構成する大気開放弁、25…液体収容部としてのインクパック、27…空間、28…駆動手段(駆動モータ)としてのポンプモータ、29…ポンプ室、30…ポンプ部、32…変換機構を構成する歯車機構、33…変換機構を構成するカム機構、37…圧縮部、37a…ダイヤフラム、38…座部、39…押圧部材、50…シール部材としての第2シール部材、52…吸入口としての吸気口、56…吸入通路としての吸気通路、57…第2付勢手段としての復帰バネ、58…吐出口としての排気口、59…吐出通路としての排気通路、60…吐出側逆止弁機構としての排気側逆止弁機構、61…弁体、62…付勢手段としての弁付勢バネ、63…弁機構を構成する摩擦クラッチ機構、77…制御手段を構成するCPU、81…制御手段を構成するASIC。

Claims (8)

  1. ポンプ駆動源となる駆動手段と、
    前記駆動手段を駆動源にポンプ室の容積を増減させることによって、該ポンプ室から加圧流体を排出するポンプ部とを備えた加圧ポンプ装置において、
    前記ポンプ部は、外部からポンプ室内へ流体を引き込む吸入口と、加圧動作によってポンプ室内から前記加圧流体を送り出す吐出口と、前記ポンプ室及び前記吸入口を有する圧縮部と、前記圧縮部に対し相対移動可能に支持されるとともに前記吐出口を有する座部と、前記圧縮部及び前記座部の間に生じる吸入通路上に配置されたシール部材とを備え、
    前記ポンプ部は、前記吸入口と前記吐出口とが対向する位置に配置されるとともに、前記ポンプ室の容積が増大するように稼働したとき、前記圧縮部が前記座部から離間することに伴い前記シール部材が前記圧縮部及び前記座部の一方から離れ、前記吸入口及び吸入通路が連通して吸入状態となり、前記ポンプ室の容積が減少するように稼働したとき、その際のポンプ室内の加圧力によって前記圧縮部が前記座部側に移動して前記シール部材が前記圧縮部及び前記座部に密着し、この動作により前記吸入口が前記吐出口のみと連通して吐出状態となることを特徴とする加圧ポンプ装置。
  2. 前記吐出口を開閉可能な弁体を有するとともに吐出通路上に配置され、前記ポンプ室の容積が増大して前記ポンプ部が吸入状態となったとき、前記弁体が前記吐出口を閉じて閉弁状態となり、前記ポンプ室の容積が減少して前記ポンプ部が吐出状態となったとき、前記弁体が前記吐出口を開いて開弁状態となる吐出側逆止弁機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の加圧ポンプ装置。
  3. 前記座部と前記弁体との間には、前記弁体を閉弁側に付勢する付勢手段が介装されていることを特徴とする請求項に記載の加圧ポンプ装置。
  4. 前記圧縮部と前記座部との間には、前記ポンプ室の容積が最大となるように前記圧縮部を座部側に付勢する第2付勢手段が介装されていることを特徴とする請求項1〜のうちいずれか一項に記載の加圧ポンプ装置。
  5. 前記駆動手段は、所定方向に回転力を生じる駆動モータであるとともに、前記ポンプ部
    は、前記ポンプ室を押圧する押圧部材が往復直線運動することで、前記ポンプ室の容積が増減して該ポンプ室から前記加圧流体を排出する構成であって、
    前記駆動モータの回転運動を往復直線運動に変換して、前記押圧部材を往復直線運動させる変換機構を備えたことを特徴とする請求項1〜のうちいずれか一項に記載の加圧ポンプ装置。
  6. 前記加圧流体が流れる流体流路管の途中に設置され、前記加圧流体による加圧を解除可能な弁機構と、
    前記駆動モータを少なくとも一方向に回転させることで、その回転を前記変換機構によって前記押圧部材の往復直線運動に変換して加圧動作を行い、前記駆動モータを他方向に回転させることで、前記弁機構を開弁状態にして加圧解除を行う制御手段とを備えたことを特徴とする請求項に記載の加圧ポンプ装置。
  7. 内部の空間に加圧流体が供給されることで内部の液体収容部が伸縮して液体を排出する液体カートリッジと、前記液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、前記液体カートリッジの液体を前記液体噴射ヘッドに導く液体流路管と、前記液体カートリッジの前記空間に加圧流体を供給する加圧ポンプ装置と、前記加圧流体を前記液体カートリッジの前記空間に導く流体流路管とを備えた液体噴射装置において、
    前記加圧ポンプ装置は、ポンプ駆動源となる駆動手段と、前記駆動手段を駆動源にポンプ室の容積を増減させることによって、該ポンプ室から加圧流体を排出するポンプ部とを備え、
    前記ポンプ部は、外部からポンプ室内へ流体を引き込む吸入口と、加圧動作によってポンプ室内から前記加圧流体を送り出す吐出口と、前記ポンプ室及び前記吸入口を有する圧縮部と、前記圧縮部に対し相対移動可能に支持されるとともに前記吐出口を有する座部と、前記圧縮部及び前記座部の間に生じる吸入通路上に配置されたシール部材とを備え、
    前記ポンプ部は、前記吸入口と前記吐出口とが対向する位置に配置されるとともに、前記ポンプ室の容積が増大するように稼働したとき、前記圧縮部が前記座部から離間することに伴い前記シール部材が前記圧縮部及び前記座部の一方から離れ、前記吸入口及び吸入通路が連通して吸入状態となり、前記ポンプ室の容積が減少するように稼働したとき、その際のポンプ室内の加圧力によって前記圧縮部が前記座部側に移動して前記シール部材が前記圧縮部及び前記座部に密着し、この動作により前記吸入口が前記吐出口のみと連通して吐出状態となることを特徴とする液体噴射装置。
  8. ポンプ駆動源となる駆動手段と、前記駆動手段を駆動源にポンプ室の容積を増減させることによって、該ポンプ室から加圧流体を排出するポンプ部とを備えた加圧ポンプ装置に用いられる加圧ポンプの流路構造であって、
    外部からポンプ室内へ流体を引き込む吸入口と、加圧動作によってポンプ室内から前記加圧流体を送り出す吐出口と、前記ポンプ室及び前記吸入口を有する圧縮部と、前記圧縮部に対し相対移動可能に支持されるとともに前記吐出口を有する座部と、前記圧縮部及び前記座部の間に生じる吸入通路上に配置されたシール部材とを前記ポンプ部に形成し、
    前記ポンプ部は、前記吸入口と前記吐出口と対向する位置に配置されるとともに、前記ポンプ室の容積が増大するように稼働したとき、前記圧縮部が前記座部から離間することに伴い前記シール部材が前記圧縮部及び前記座部の一方から離れ、前記吸入口及び吸入通路が連通して吸入状態となり、前記ポンプ室の容積が減少するように稼働したとき、その際のポンプ室内の加圧力によって前記圧縮部が前記座部側に移動して前記シール部材が前記圧縮部及び前記座部に密着し、この動作により前記吸入口が前記吐出口のみと連通して吐出状態となることを特徴とする加圧ポンプの流路構造。
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