JP4415185B2 - 冷蔵庫の診断方法およびその診断方法が適用されてなる冷蔵庫 - Google Patents

冷蔵庫の診断方法およびその診断方法が適用されてなる冷蔵庫 Download PDF

Info

Publication number
JP4415185B2
JP4415185B2 JP2004089866A JP2004089866A JP4415185B2 JP 4415185 B2 JP4415185 B2 JP 4415185B2 JP 2004089866 A JP2004089866 A JP 2004089866A JP 2004089866 A JP2004089866 A JP 2004089866A JP 4415185 B2 JP4415185 B2 JP 4415185B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerator
diagnosis
compressor
temperature
abnormality
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004089866A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005274059A (ja
Inventor
知巳 梅田
光隆 静谷
敏郎 川澄
健司 白石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Appliances Inc
Original Assignee
Hitachi Appliances Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Appliances Inc filed Critical Hitachi Appliances Inc
Priority to JP2004089866A priority Critical patent/JP4415185B2/ja
Publication of JP2005274059A publication Critical patent/JP2005274059A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4415185B2 publication Critical patent/JP4415185B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B49/00Arrangement or mounting of control or safety devices
    • F25B49/005Arrangement or mounting of control or safety devices of safety devices

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Devices That Are Associated With Refrigeration Equipment (AREA)

Description

本発明は、冷蔵室や冷凍室を備えた冷蔵庫の診断に係り、特に冷凍室や冷蔵室の冷えが悪い現象の要因を診断する診断技術に関する。
冷蔵室や冷凍室を備えた冷蔵庫の診断に関し、特許文献1に、冷蔵庫の運転状況を診断分析して、省エネルギなどの観点から、冷蔵庫のドアを開ける回数が多い、あるいは食品の詰め込みすぎ等、使用者に対して的確なアドバイスを行う診断方法が提案されている。例えば、同文献によれば、冷蔵室内温度が設定値より高い運転時間が設定時間以上継続したときには、「ドア連続開放中」であると診断して出力するようにしている。一方、冷蔵室内温度が設定値より高い運転時間が設定時間以上でなくても、周囲温度、周囲湿度、圧縮機の運転時間、冷凍室温度設定値、冷蔵室温度設定値等に基づいて予め求めておいたドア開基準時間と、冷蔵室内温度が設定値より高い運転時間とを比較し、前者よりも後者が大きい場合は、「ドアの開ける回数が多い」と診断して出力するようにしている。
さらに、同文献によれば、冷蔵室内温度が設定値より高い運転時間がドア開基準時間未満の場合は、冷凍サイクルの吐出ガス温度と基準温度とを比較し、吐出ガス温度が基準温度以上の運転時間を計測して設定時間以上であれば、「冷凍サイクルの放熱部にほこり等が付着している」と診断して出力するようにしている。
特開平11−173744号公報、段落番号0020および0023
ところで、冷蔵庫の庫内が全く冷えないという現象は、一般に、冷凍サイクルや電気系あるいは制御系の故障による場合がほとんどであるから、要因の特定が比較的容易である。
しかし、庫内の冷えが悪いという現象は、冷蔵庫本体の原因以外に、冷蔵庫の設置されている環境やユーザの使い方が要因として加わるから、要因の特定は容易でない。
この点、特許文献1に記載された技術によれば、冷凍室または冷蔵室のドア開時間に基づいて冷蔵庫の使用状況を診断することにより、庫内の冷えが悪い要因として、「ドアの開ける回数が多い」、「ドア連続開放中」などを特定している。また、圧縮機の吐出ガス温度および冷却運転の時間を考慮して冷蔵庫の状況を診断することにより、「冷凍サイクルの放熱部にほこり等が付着している」といった要因を特定している。
しかしながら、冷蔵庫内の冷えが悪い要因には、ドアの開ける回数が多いなどの要因の他に、例えば、庫内への「品物の詰め込み過ぎ」、「温度の高い物を入れた」、あるいは「ドアパッキン等の不良による冷気漏れ」、等々の要因が考えられるが、特許文献1はこれらの要因を特定する診断方法については配慮されていない。
特に、冷蔵庫の冷えが悪いとユーザが感じた時点の冷蔵庫の使用状況は、通常、再現できないから、ユーザの依頼等によりサービス員が訪問して対象の冷蔵庫を診断しても、「品物の詰め込み過ぎ」や「温度の高いものを入れた」等の要因を特定するのは困難であるから、適切な診断を行えない場合が多い。しかも、それらの要因は、対象の冷蔵庫を工場等に持ち帰っても、診断を行えない場合が多い。
本発明は、使用状態において冷蔵庫の冷えが悪い要因を探ることができる診断方法を提供することを第1の課題とする。
また、診断結果をユーザ等に報知して、使い勝手を向上し、冷蔵庫の適正使用により省エネルギの向上を図ることを第2の課題とする。
また、冷蔵庫の冷えが悪い要因を、修理や保守が必要な要因と切り分けることにより、修理や保守のサービス員の現地での作業効率を向上させて、サービスコストの低減を図ることを第3の課題とする。
本発明の冷蔵庫の診断方法は、第1の課題を解決するため、診断開始指令に基づいて冷蔵庫の庫内を冷蔵または冷凍する冷凍サイクルを構成する圧縮機の運転条件を切り換え、該切り換えられた前記運転条件に対応させて設定された前記庫内の温度変化に基づいて前記冷蔵庫を診断することを特徴とする。
すなわち、診断に際して能動的に圧縮機の運転条件を切り換えることを特徴とする。例えば、圧縮機を停止すると冷蔵庫の冷熱入力がなくなるから、庫内の温度は、庫内に収納された物の温度や量、庫内の物の収納状態、扉のパッキン等からの冷気漏れなどの入熱量と、冷蔵庫が保有する冷熱量とのバランスで変化(温度上昇)する。また、圧縮機を設定回転数(例えば、100%)で運転すると、つまり冷凍サイクルから供給される冷却能力を固定すると、庫内の温度は、庫内の物の収納状態あるいは冷気漏れによる入熱量と冷却能力とのバランスに応じて変化(温度低下)する。したがって、圧縮機の運転条件を切り換えて、庫内の温度変化を監視することにより、使用状態において冷蔵庫の冷えが悪い要因を探ることができる。
この場合において、冷蔵庫の入熱量および冷凍能力は冷蔵庫の周囲温度の影響を受けることから、その周囲温度を検出して診断に反映させることが望ましい。
また、診断開始指令を周期的に発して診断を行わせることもできるが、無駄な診断を行うことを避けるため、次の4つの条件のいずれか1つが満たされたときに診断開始指令を発するようにすることができる。
(A)冷蔵庫の扉の開から閉までの開時間が設定時間を越えたとき
(B)冷蔵庫の扉を閉じた後の庫内の温度低下率が設定低下率より小さいとき
(C)冷蔵庫の単位時間当たりの扉の開閉回数が設定回数を超えたとき
(D)圧縮機の稼動から停止までの時間が設定時間を越えたとき
これらの診断開始条件に対応させて、それぞれ異なる診断手順(例えば、診断モードA〜D)を設定することができる。
診断モードAは、診断開始指令(A)に基づいて圧縮機を停止して庫内の温度上昇率を計測し、その温度上昇率が第1の設定値を超えているときに異常と判定する第1の工程と、第1の工程後に圧縮機を設定回転数で運転して庫内の温度低下率を計測し、その温度低下率が第2の設定値よりも小さいときに異常と判定する第2の工程と、第2の工程後に圧縮機を停止して庫内の温度上昇率を計測し、その温度上昇率が第3の設定値を超えているときに異常と判定する第3の工程とを有して構成することができる。そして、第1乃至第3の工程の判定結果に基づいて、冷蔵庫の異常の要因を総合的に診断する第4の工程を設けることができる。
この診断モードAによれば、第1の工程の診断による異常は、例えば、「庫内に温度の高い物を収納または一度に多くの物を収納」、「詰め込み過ぎ」、「冷蔵庫からの冷気漏れ」などの冷えが悪い要因が考えられる。また、第2の工程の診断による異常は、例えば、「詰め込み過ぎ」、「冷蔵庫からの冷気漏れ」などの要因が考えられる。さらに、第3の工程の診断による異常は、「冷蔵庫からの冷気漏れ」などの要因が考えられる。したがって、第3の工程まで進んで異常と判断された場合は、冷えが悪い要因を、例えば「冷蔵庫からの冷気漏れ」に特定でき、第2と第3の工程で異常と判断された場合は、例えば「詰め込み過ぎ」に特定でき、第1〜3の工程で異常と判断された場合は、例えば「庫内に温度の高い物を収納または一度に多くの物を収納」に特定できる。また、修理が必要な要因と、ユーザに使用方法をアドバイスする要因とに切り分けることができる。なお、第1〜第3の工程を切り離して、それぞれ単独に実施することもできる。
診断モードBは、診断開始指令(B)に基づいて、圧縮機を停止して庫内の温度上昇率を計測し、その温度上昇率が設定値を超えているときに異常と判定する工程を有して構成できる。これによれば、「庫内に温度の高い物を収納、または一度に多くの物を収納」、「詰め込み過ぎ」、「冷蔵庫からの冷気漏れ」等の要因に特定できる。
診断モードCは、診断開始指令(C)に基づいて、圧縮機を設定回転数で運転して庫内の温度低下率を計測し、その温度低下率が設定値よりも小さいときに異常と判定する工程を有して構成できる。これによれば、「詰め込み過ぎ」という要因に特定することができるから、修理が必要な要因と切り分けることができる。
診断モードDは、診断開始指令(D)に基づいて、診断モードAと同一の第1〜第3の工程の診断を有して構成することができる。したがって、診断モードDによれば、診断モードAと同一の診断結果を得ることができる。
また、本発明は、第2の課題を解決するため、上記のようにして得られた診断結果は、冷蔵庫の外部に報知するようにすることが好ましい。これにより、ユーザは診断結果を速やかに認識できるから、冷蔵庫の使用を適正化して、省エネルギの向上を図ったり、冷気の漏れなどの冷蔵庫自体の故障の場合は、速やかに修理を依頼することができるから、使い勝手が向上する。
なお、診断中に、冷蔵庫の扉が開けられた場合は、扉が再び閉められたときから当該診断をリセットして開始することが望ましい。また、一の診断開始指令に基づいて一の診断を実施しているときに、他の診断開始指令が発せられたとき、一の診断を中断し、他の診断開始指令に対応する他の診断を開始し、他の診断の終了後に一の診断を再開することができる。つまり、先に発生している故障ないし不具合の要因と、新たに発生した故障ないし不具合の要因との因果関係が不明なため、新しい要因から診断を行うのが好ましいからである。また、先に発生している故障ないし不具合の要因の診断中に、冷蔵庫が使用されている環境が変化している可能性があるため、新しいものから診断するのが好ましいからである。
本発明の冷蔵庫は、冷蔵室と冷凍室の少なくとも一方の庫内に冷気を送る冷凍サイクルと、前記冷凍サイクルを構成する圧縮機の運転を制御する演算制御装置と、前記庫内の温度を検出する温度センサと、前記冷蔵室または前記冷凍室の扉の開閉を検出する扉開閉センサとを備え、前記演算制御装置に本発明の診断方法を実施する診断手段を備えることにより、構成することができる。
つまり、演算制御装置は、温度センサと扉開閉センサの検出出力を取り込み、冷蔵庫の扉の開から閉までの開時間が設定時間を越えたとき、冷蔵庫の扉を閉じた後の庫内の温度低下率が設定低下率より小さいとき、冷蔵庫の単位時間当たりの扉の開閉回数が設定回数を超えたとき、圧縮機の稼動から停止までの時間が設定時間を越えたときの少なくとも1つにより、対応する診断モードA〜Dを実施する。
この場合、冷蔵庫の表面に表示パネルなどの表示手段を設け、その表示手段に診断結果を表示するようにすることが望ましい。また、その表示手段に診断中であることを表示することが好ましい。これにより、ユーザの使い勝手が向上する。
また、診断結果、該診断結果に係る診断手順の種類、該診断時の冷蔵庫の使用状況を含む診断データを記憶するメモリを設けることができる。これによれば、ユーザの依頼を受けて冷蔵庫の診断を行う際に、そのメモリの内容を参考にして有効な診断を行うことができる。
さらに、外部と通信可能な通信手段を設け、その通信手段により診断データを外部に送信するようにすることが好ましい。例えば、診断データを冷蔵庫のサービス会社などに送信するようにすれば、サービス員が現地に赴くことなく、修理が必要か否かを速やかに診断できるから、サービスが向上する。この場合、その通信手段を使って、サービス会社からの遠隔制御により、任意の診断モードを実施させるようにすることもできる。
本発明によれば、使用状態において冷蔵庫の冷えが悪い要因を探ることができる。また、他の本発明によれば、診断結果をユーザ等に報知できるから、使い勝手が向上し、冷蔵庫の適正使用により省エネルギの向上を図ることができる。さらに、他の本発明によれば、冷蔵庫の冷えが悪い要因を、修理や保守が必要な要因と切り分けることができ、修理や保守のサービス員の現地での作業効率を向上させて、サービスコストの低減を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1に本発明の冷蔵庫の診断方法の一実施の形態の手順を示し、図2に本発明の冷蔵庫の一実施の形態の断面構成図を示し、図3に本発明の診断方法を実施する演算制御装置の一実施形態のブロック構成図を示す。
図2に示すように、本発明に係る冷蔵庫は、箱体227とドア202〜205で囲まれた品物(食品等)を入れる庫内空間206〜209を有して形成されている。また、冷凍サイクル222が組み込まれており、この冷凍サイクル222で作り出す冷気をファン223で庫内に送り出すようになっている。冷凍サイクル222は、圧縮機221で冷媒を圧縮して冷凍サイクル内を循環させ、庫内空間206〜209を冷やすとともに、庫内空間206〜209の熱を外部に放熱するようになっている。ダンパ224は、冷気を噴出す庫内空間を選択するものであり、風路220と風路225を通って、選択した庫内空間206〜209に噴出して品物を冷却する。箱体227とドア203〜205との間には、パッキン228〜231が各々取り付けられ、庫内空間の冷気が外部に漏れないようにしている。また、冷蔵庫の箱体227とドア203〜205の内部には、断熱材が挿入され、これにより周囲への熱漏洩を最小限にしている。なお、冷蔵庫には、周囲の温度を測定する周囲温度センサ214、各庫内温度を測定する庫内温度センサ215〜218が取り付けられている。また、各ドアには、開閉状態を検出するドア開閉センサ210〜213が取り付けられている。温度センサーは例えばサーミスタを使用する。開閉センサは、例えば接点式のものを使用し、特に、開の状態と閉の状態を区別して検出できるものが望ましい。
また、冷蔵庫のドア202に、表示パネル226が取り付けられている。表示パネル226としては、例えば液晶パネルを用い、後述する診断結果などが表示される。冷凍サイクルを構成する圧縮機221、ファン223、ダンパ224などを駆動する電力は、冷蔵庫に搭載されている電気回路219から供給されている。
電気回路219には、図3に示す本実施形態の演算制御装置251が組み込まれており、演算制御手段252、タイマー253、記憶(メモリ)254を含んで構成されている。タイマー253には、例えば水晶発振子回路などが用いられる。メモリ254は、RAMおよびROMにより構成される。また、演算制御装置251には、温度検出センサ214〜218、ドア開閉センサ210〜213、冷凍サイクル222、表示パネル226などに接続され、各センサの検出データ、冷凍サイクルの状態量データを取り込むとともに、後述する診断を行って診断データを表示パネルに出力表示する診断手段が含まれている。
図1を参照して、本発明の診断手段の一実施形態について説明する。冷蔵庫の通常運転が行われているときに(ステップ1)、診断開始条件である診断モード移行判定条件A〜Dが割込みにより実行される(ステップ2a〜2d)。この診断モード移行判定条件A〜Dは、冷蔵庫の使用状況あるいは運転状況に異常の可能性があるか否か判定する条件であり、本実施形態では、下記のように設定されている。
判定条件A:ドア開閉センサ210〜213のいずれか1つにより検出されるドア開時間が設定時間を越えたとき
判定条件B:ドアが閉じられた後に、庫内温度センサ215〜218により検出される庫内温度の低下率が設定低下率より小さいとき
判定条件C:ドア開閉センサ210〜213により検出されるドアの開閉回数が、単位時間当たり設定回数を超えたとき
判定条件D:圧縮機の稼動から停止までの時間が設定時間を越えたとき
ステップ2a〜2dの判定条件を満たしていない「OK」の場合は、ステップ12に移行して通常運転に復帰させる。一方、ステップ2a〜2dの判定条件を満たしている場合は、異常の可能性があることから「NG」と判断し、ステップ3に進んで診断処理を実行する。本実施形態の診断処理は、基本的に2つの診断法I、IIを実行するステップ4と、その診断結果を表示パネル226に表示することにより、ユーザへ通知するステップ11を含んで構成される。
ここで、ステップ5の診断法Iは、圧縮機を停止して庫内の温度上昇率を計測し、その温度上昇率が設定値を超えているときに異常と判定する診断工程である(ステップ7、8)。また、ステップ6の診断法IIは、圧縮機を設定回転数で運転して庫内の温度低下率を計測し、その温度低下率が設定値よりも小さいときに異常と判定する診断工程である(ステップ9、10)。
すなわち、診断に際して能動的に圧縮機の運転条件を切り換え(診断法I、II)、その切り換えに応動する庫内の温度変化に基づいて診断し、その診断結果を組み合わせて、冷えが悪い要因を切り分ける。例えば、圧縮機を停止すると冷蔵庫の冷熱入力がなくなるから、庫内の温度は、庫内に収納された物の温度や量、庫内の物の収納状態、扉のパッキン等からの冷気漏れなどの入熱量と、冷蔵庫が保有する冷熱量とのバランスで変化(温度上昇)する。また、圧縮機を設定回転数(例えば、100%)で運転すると、つまり冷凍サイクルから供給される冷却能力を固定すると、庫内の温度は、庫内の物の収納状態あるいは冷気漏れによる入熱量と冷却能力とのバランスに応じて変化(温度低下)する。したがって、圧縮機の運転条件を切り換えて、庫内の温度変化を監視することにより、使用状態において冷蔵庫の冷えが悪い要因を探ることができる。この場合において、冷蔵庫の入熱量および冷凍能力は冷蔵庫の周囲温度の影響を受けることから、その周囲温度を検出して診断に反映させることが望ましい。
本実施形態によれば、周期的に診断を実行するのではなく、診断開始の判定条件を設けて異常の可能性がある場合のみに実施するため、本実施形態のように、圧縮機の運転条件を能動的に切り換えるような特殊な運転を行っても、冷蔵庫本来の機能を損なうことはない。
以下、診断法I、IIを組み合わせてなる診断モードA〜Dの具体的な実施例について説明する。
図4に、診断モードAの実施例のフローチャートを示す。本実施例は、ユーザーがドアを長く開けていた場合に割り込み実施する診断モードである。まず、冷蔵庫の通常運転中(ステップ14)に、冷蔵庫の各ドアに取り付けているドア開閉センサの検出信号に基づいてドアが開いているドア開時間Δtを検出する(ステップ15〜19)。ドア開時間Δtが予め設定されている設定時間t0よりも長い場合は、診断モードAに移行する(ステップ20)。一方、ドア開時間Δtが設定時間t0よりも短い場合は、異常なしと判断して通常運転を継続する(ステップ38)。診断モードAに移行した場合は、その旨を表示パネル226に表示する(ステップ21)。この表示は、表示パネルに「診断を開始」と表示する。
ここで、ドアが開いている時間が長い場合、ユーザ使い方として、次のような場合が想定される。第1に庫内にある品物を取り出すのに時間がかかっている。第2に庫内から大量の品物を取り出している。第3に庫内に大量の品物を入れている。第4に庫内に品物が詰まっているため、入れにくくなっている。このような場合は、庫内の品物を冷やすのに時間がかかり、「冷えが悪い」という現象の要因となると考えられる。
このような場合、冷蔵庫のドアを開けている時間が長いため、ドアを閉めたあと庫内の温度が、新たに入れた品物の熱や、またドアを開けているときに庫内から逃げた冷気により、庫内温度が上昇することが考えられる。一方、庫内温度の上昇を招く要因としては、温かいもの、熱いものを庫内に入れた場合にも生じるので、この要因を切り分ける必要がある。
そこで、上記の要因を切り分けるために、本実施例では、まず第1の行程は診断法Iを実施する工程であり、圧縮機を停止し、タイマーを始動させる(ステップ22)。次に、そのときの庫内温度を計測して基準温度T0に設定する(ステップ23)。次に、設定時間Δta1後の庫内温度T1を計測する(ステップ24)。次いで、庫内の温度上昇率(T1−T0)/Δta1を算出し、予め設定されている設定上昇率Jaと比較する(ステップ25)。ここで、Δta1は目安として10分以内程度が望ましい。また、冷蔵庫に複数の庫内空間がある場合は、診断モード移行判定条件に該当した庫内空間のみを行えばよいが、できれば全ての庫内空間を順次判定していくことが望ましい。求めた温度上昇率が設定上昇率よりも高い場合は異常と判断する。異常要因等の判定結果は、表示パネルに表示してユーザに通知するとともに、メモリに記録する(ステップ26)。このメモリに保存された診断データは、例えばサービス員の特殊操作により、後日取り出し、表示パネル等に再表示できるようにすることが望ましい。
この第1の行程で判定される異常の要因としては、温度の高いもの、温かいものを庫内に入れた場合、また新たなまだ冷やされていない多くのものをいれた場合、周囲からの熱侵入ある場合が想定される。
次に、第2の行程は診断法IIを実施する工程であり、圧縮機を規定回転数で稼動させる(ステップ26)。圧縮機を稼動させた場合、冷凍サイクルで冷気が発生する。この冷気をファン223とダンパ224を用い、各庫内空間には風路220と風路225を通って送風する(ステップ28)。このとき、送風する庫内空間は、診断モード移行判定に該当した庫内空間のみを行えばよいが、全ての庫内空間を順次判定していく場合は、各庫内空間に冷風を送風する必要がある。庫内温度T1を計測後、設定時間Δta2の経過後、庫内空間温度T2を計測する(ステップ29)。次いで、庫内の温度低下率(T2−T1)/Δta2を算出し、予め設定されている設定低下率Jbと比較する(ステップ30)。ここで、設定時間Δta2は目安として10分以内程度が望ましい。求めた温度低下率が設定低下率よりも高い場合は、異常の要因ありと判断する。異常要因等の判定結果は、表示パネルに表示してユーザに通知するとともに、メモリに記録する(ステップ31)。
この第2の工程で判定される異常要因としては、庫内空間の冷えが悪いため、品物の詰め込み過ぎや、冷蔵庫周囲への熱漏洩がある場合が想定される。
次に、診断法Iを実施する第3の行程に進み、ここでは、圧縮機を再度停止して(ステップ32)、設定時間Δta3の経過後に庫内温度T3を計測する(ステップ33)。そして、庫内の温度上昇率(T3−T2)/Δta3を算出し、予め設定されている設定上昇率Jcと比較する(ステップ33)。ここで、設定時間Δta3は目安として10分以内程度が望ましい。また、第1、第2の工程と同様、診断モード移行判定に該当した庫内空間のみ、あるいは全ての庫内空間を順次判定していく。求めた温度上昇率が設定上昇率よりも高い場合は、異常の要因ありと判断する。異常要因等の判定結果は、表示パネルに表示してユーザに通知するとともに、メモリに記録する(ステップ35)。
この第3の工程で判定される異常要因としては、冷蔵庫周囲への熱漏洩がある場合、即ちドアのパッキンが痛んでいるなどの場合が想定される。なお、ドアが開いている場合、きちんと閉じられていない場合は、ドアの開閉センサで別途チェックできる。
以上の3つの行程を経て、最終結果を判定し、その総合結果をユーザーに通知すると共に、メモリに記録する(ステップ36)。結果は表示パネルに表示し、例えば、「品物を詰め込み過ぎです。」、「熱いもの、温かいものを入れています。」、「冷気が漏れている可能性があります。修理を依頼してください。」などの表示を行う。その後、通常運転に復帰する(ステップ37)。この時、例えば表示パネルに「故障診断は終了しました。通常運転に復帰します。」と表示する。
ここで、診断モードAによれば、異常要因を切り分けられる理由について説明する。まず、第1の工程の診断による異常は、例えば、「庫内に温度の高い物を収納または一度に多くの物を収納」、「詰め込み過ぎ」、「冷蔵庫からの冷気漏れ」などの冷えが悪い要因が考えられる。また、第2の工程の診断による異常は、例えば、「詰め込み過ぎ」、「冷蔵庫からの冷気漏れ」などの要因が考えられる。さらに、第3の工程の診断による異常は、「冷蔵庫からの冷気漏れ」などの要因が考えられる。したがって、第3の工程まで進んで異常と判断された場合は、冷えが悪い要因を、例えば「冷蔵庫からの冷気漏れ」に特定でき、第2と第3の工程で異常と判断された場合は、例えば「詰め込み過ぎ」に特定でき、第1〜3の工程で異常と判断された場合は、例えば「庫内に温度の高い物を収納または一度に多くの物を収納」に特定できる。また、修理が必要な要因と、ユーザに使用方法をアドバイスする要因とに切り分けることができる。
図5に、診断モードBの実施例のフローチャートを示す。本実施例は、ドア開時間が設定時間未満であることから診断モードAに移行しない場合でも、冷えが悪い場合があることに鑑みて設けられる診断モードである。すなわち、通常運転(ステップ14)中にドアが開けられた後閉じられたときに図5の処理を開始する(ステップ16)。ステップ14〜20の行程は、図4のステップ14〜20と同一である。本実施例は、ステップ20の判断で、ドアの開時間Δtが設定値t0よりも短かった場合に実施される診断モードである。
まず、ステップ40において、ドアが閉められた状態の庫内温度を計測し、その温度を庫内基準温度T0に設定する。そして、圧縮機を設定回転数で運転して庫内を冷却させる(ステップ41、ステップ42)。そして、設定時間Δt4経過後に、庫内温度T4を計測する(ステップ43)。この庫内温度T4から庫内基準温度T0を引いて、冷却による庫内温度の低下率ΔTを求め、設定低下率ΔTbと比較し(ステップ44)、設定低下率ΔTb以下のときは正常であると判断して、通常運転を継続する(ステップ45)。一方、低下率ΔTが設定低下率ΔTbより大きい場合は、異常と判断して診断モードBに移行し、表示パネルにその旨を表示する(ステップ46)。
診断モードBは、既にステップ44の判定で、冷えが悪いと判定されているので、圧縮機を停止し(ステップ47)、庫内の温度上昇率によって異常の有無を判定する(ステップ48〜ステップ50)。このステップ47〜ステップ50の工程は、図4のステップ22〜25と同様であるから、説明を省略する。次いで、判定結果と診断モードの終了を表示パネルに表示し、通常運転に復帰する(ステップ51〜53)。
この診断モードBの判定結果は、例えば、「品物を詰め込み過ぎです。または熱いもの、温かいものを入れています。」、「冷気が漏れている可能性があります。修理を依頼してください。」などになる。
図6に、診断モードCの実施例のフローチャートを示す。本実施例は、冷蔵庫の単位時間当たりのドアの開閉回数が設定回数を超えたときに実施される診断モードである。すなわち、通常運転中にドアの開閉を検知し、ステップ14からステップ58において、ドアの開時間と、単位時間当たりのドアの開閉回数およびドアを閉めてから再び開けるまでの時間をカウントしている。ステップ54においてタイマーを初期化し、単位時間あたりのドア開閉回数を判定し(ステップ62)、予め与えられている回数N0よりも大きければ異常とし、診断モードCに移行するとともに、表示パネルにその旨を表示する(ステップ63)。ステップ58で単位時間に満たない場合は、図4の診断モードA、図5の診断モードBの診断を実行する。
診断モードCでは、単位時間当たりのドアの開閉回数が多い、すなわち、1回当たりのドアの開閉時間は短いので、比較的庫内空間の手前側に品物が置かれていると想定される。したがって、庫内空間の手前側が詰め込みすぎになっていると思われるので、圧縮機を設定回転数で稼動して庫内空間を冷却し(ステップ64、ステップ65)、庫内温度の低下率を判定する(ステップ66、ステップ67)。なお、ステップ64〜67の診断処理は、診断モードAのステップ27〜30と同様である。
ステップ67の診断の結果、庫内温度の低下率が小さい場合は、異常と判断して表示パネルにその旨を表示するとともに、メモリに診断データを記憶する(ステップ68)。その後、通常運転に復帰し、診断モードの終了を表示する(ステップ69)。この診断モードCによって、例えば、「品物を詰め込み過ぎです。」などの異常要因を特定できる。
図7に、診断モードDの診断手順のフローチャートを示す。診断モードDは、圧縮機の稼動から停止までの時間が設定時間を越えたとき、つまり圧縮機の運転時間が長い場合に割込みをかけて実行する診断モードである。一般に、圧縮機はインバータによる回転数制御が行われ、これにより冷凍サイクルの冷却能力が制御されているが、庫内温度が設定温度以下に低下すると運転が停止される。すなわち、冷蔵庫は、通常運転では、例えば図8に示すように、庫内温度が目標の設定温度(図示例では、温度T3)以下になると圧縮機が停止し、庫内温度が設定温度よりも高い場合は圧縮機が運転される。
図7において、ユーザーがドアを閉め(ステップ70)、庫内温度が設定温度よりも高い場合は、圧縮機が稼動する(ステップ72)。このとき、タイマをリセットし(ステップ73)、次に圧縮機が停止するまでの時間tc2を計測する(ステップ75、76)。この計測により、圧縮機の稼働時間Δtc=(tc2−tc1)が予め設定されている時間Δtc0よりも短いときは通常運転を継続し、長いときは異常とみなして(ステップ77)、診断モードDに移行する。ここで、圧縮機の運転時間Δtc0は、目安として20〜30分程度が望ましい。
この診断モードDでは、ドアが開いている時間が長い場合と同様に、ユーザ使い方として、次のような場合が想定される。第1に庫内にある品物を取り出すのに時間がかかっている。第2に庫内から大量の品物を取り出している。第3に庫内に大量の品物を入れている。第4に庫内に品物が詰まっているため、入れにくくなっている。このような場合は、庫内の品物を冷やすのに時間がかかり、ユーザーからの「冷えが悪い」といった苦情発生の要因となると考えられる。そのため、図4の診断モードAと同じ第1〜第3の診断工程を実施して異常の要因を特定する。
すなわち、庫内温度の上昇率による診断の第1の行程(ステップ80〜ステップ84)、庫内温度の下降率による診断の第2の行程(ステップ85〜ステップ89)、庫内温度の上昇率による診断の第3の行程(ステップ90〜ステップ93)を実施し、最後に総合判定を行って、その診断結果を表示パネルに表示するとともに、メモリに記憶させる(ステップ94)。その後、通常運転に復帰して診断モード終了の表示を行う(ステップ95)。
図8に、圧縮機回転数と庫内温度の時間変化の一例を示す。図において、例えば、停止していた圧縮機が回転数N1で運転を始める(時刻time1)と庫内温度が低下し始める。その後、時刻time2で圧縮機回転数N2に変化し、時刻time3で停止したとする。この場合、本実施の形態の診断モード移行条件の判定に使用する圧縮機の運転時間Δtcは、最初の圧縮機の運転時間である時刻time1から時刻time2までの時間を用いる。これにより、例えば、時刻time2から時刻time3までの行程がない運転状態の場合でも対応が可能となる。なお、この場合、庫内温度、圧縮機回転数の取得データは、最初の基準時t=0のデータと、時刻tのデータ及び時刻t+Δtのデータの3種が必要となる。圧縮機回転数が、時刻tと時刻t+Δtで変化したとき、時刻t=0と時刻tのデータを使用すればよい。
図9に、診断モードの実施中に、ユーザーがドアを開けた場合の処理の一例を示している。図示の例は、診断モードAの実施中に(ステップ96、ステップ97)、ユーザーがドアを開けた場合(ステップ98)、実施中の診断モードAを途中で中止し(ステップ99)、ユーザーがドアを閉めると同時に(ステップ100)、再度、最初から診断モードAを実施するようにしている(ステップ101、ステップ102)。そして、診断モードAの終了後に、通常運転に復帰する(ステップ103)。
図10に、ある診断モード実施中に、さらに他の診断モードの開始判定がなされた場合の処理の例を示す。図示例では、診断モードAを実施中に(ステップ104、ステップ107)、診断モードBの開始判定がされた場合(ステップ108)、実施していた診断モードAを中止する(ステップ109)。そして、診断モードBを実施した後(ステップ109、ステップ110)、診断モードAを再度、最初から実施する(ステップ111〜ステップ116)。
この場合、診断モードBと診断モードAとで、同じ診断ステップがある場合には、重複ステップ乃至工程を後から実施する診断モードで省略することが望ましい。これにより、診断にかかる時間を短縮し、本来の冷蔵庫の機能である庫内の品物の鮮度を維持することができる。但し、診断精度を高める点では、異なる条件で実施するのが望ましいので、重複して実施することができる。
図10と図11に、本発明の冷蔵庫の他の実施形態の構成図を示す。図示のように、本実施形態の冷蔵庫310は、例えばサービス会社と通信ネットワークを介して通信可能にネットワークシステムが構成されている。ネットワークシステムの構成は、少なくともシステム制御装置302と記憶装置303を有するセンターサーバー301と、インターネット304を介して接続される家電機器制御端末306が備えられる。家電機器制御端末306は、利用者の操作インターフェースと家電機器制御器の機能を有し、一体化したもの、または分離した物で構成される。本実施例では、利用者の操作インターフェースとしてパソコン307、家電機器制御器として通信アダプタ308をもうける例を示している。家電機器制御端末306がインターネット304と接続するためにルータ/モデム305が必要となる。通信アダプタ308は、冷蔵庫に取り付けられている通信モジュール309と無線でつながっており、相互に電文授受が可能である。無線の方式としては、例えば特定省電力無線がある。通信アダプタ308へはパソコン307およびセンターサーバー301から冷蔵庫310の設定情報が送信され、通信アダプタ308からは冷蔵庫310からの情報がパソコン307、センターサーバー301に送信される。通信モジュール309は、冷蔵庫310に設けられた演算制御装置と通信ケーブル312を介して接続され相互に通信が可能になっている。なお、図示していないが、通信モジュールへの電力供給は、冷蔵庫310の電気回路から行っている。
例えば、ネットワーク対応の冷蔵庫310が本発明の診断モードに移行すると、その診断結果は、冷蔵庫310から通信モジュール309を介して通信アダプタ308に情報が送られる。通信アダプタ308は、パソコン307に情報を送信するとともに、センターサーバー301に送る。センターサーバー301では、送られてきた診断結果などの診断データに基づき、パソコン307にその診断メールを送信する。利用者は、冷蔵庫310の表示パネル258の表示とともに、パソコン307で異常の要因を知ることが可能となる。なお、診断メールには、要因の解決策も同時に示されているのが好ましい。
図11は、本実施例の演算制御装置251回りの構成図を示している。図示のように、図3に示した演算制御装置251に加えて、通信用演算記憶制御回路259が設けられ、それらは通信ケーブルを介して情報通信を行うようになっている。通信用演算記憶制御回路259は、図10の通信モジュール309内に設けられ、演算制御回路260と通信回路261を備えて構成され、通信回路261はアンテナ262に接続されている。
このように構成される通信用演算記憶制御回路259は、冷蔵庫側の演算制御装置251から情報を通信用に変換して、通信回路261を介して送信し、また通信回路261で受信した情報を冷蔵庫用に変換して演算制御装置251に送信するようになっている。
本実施例の冷蔵庫310の場合、冷蔵庫本体の演算制御装置251の他に、通信モジュール内に通信用演算記憶制御回路259が設けられている。上記各実施例に示した診断手段は、スタンドアロンの冷蔵庫を対象として説明したので、冷蔵庫本体の演算制御装置251で行っている。しかし、本実施例の冷蔵庫310の場合、必ずしも冷蔵庫本体の演算制御装置251で診断を実行する必要はない。例えば、通信モジュール内の通信用演算記憶制御回路259内で診断を実行し、その診断結果のデータを冷蔵庫本体の演算制御装置251に送るようにしてもよい。この場合は、必要なソフトを通信モジュールに持たせる必要がある。この利点は、本実施例の冷蔵庫310は、庫内温度、ドア開閉、圧縮機運転に関して、情報を取り出せるようにしておけばよく、診断ソフトのアップデートや、診断ソフトを搭載していない通信モジュールの場合、冷蔵庫のソフトを変更することなく、通信モジュールのソフト変更で対応が可能とできる。
一方、システム管理をしているセンター(サービス会社など)では、利用者のネットワーク対応の冷蔵庫310での異常の有無を把握することができ、必要に応じ保守サービス者の派遣等、迅速なサービスが可能となる。また、ネットワーク接続の場合は、家電機器制御端末やセンターサーバーがカレンダーを持っているため、故障診断判定結果を日付の入ったデータとして保存しておくことが可能であり、これのデータを分析することで、異常や故障の不具合箇所の調査ができる。
また、本発明に係る診断方法は、時系列のデータを収集しないため、通信モジュール309と通信アダプタ308間で多量のデータのやり取りをする必要もなく、エアコン以外の家電機器がつながっている場合でも、それらの家電機器の制御に影響を及ぼすことがない。また、センターサーバーも大量のデータを収集するための記憶装置の準備も必要なく、本発明に係る診断方法を使用してもシステムへの負荷は小さい。
以上説明したように、本発明の各実施例によれば、圧縮機の運転条件を予め設定した運転条件に固定し、庫内温度の上昇率と下降率を計測することにより、「冷えが悪い」現象の要因の切り分けを行うことができる。
また、診断モードの開始判定は、例えばドアの開時間の長さ、庫内温度の低下温度、単位時間内のドアの開閉回数、圧縮機の運転時間の長さなど複数の判定条件を用意しているので、異常の可能性がある場合のみ、診断モードを実施することが可能である。これにより、冷蔵庫本来の機能を損なうことなく、診断を実施することができる。
また、各実施例の診断方法を用いることで、ユーザーの使用環境に大きく影響を受ける「冷えが悪い」といった現象について、従来の故障診断では検出できず、また冷蔵庫の持ち帰りや後日調査で再現ができなかった現象が、ユーザーの使用環境下でリアルタイムで検出できるようになる。
また、異常要因の診断結果を表示パネルなどに表示させるため、ユーザーがその時に要因を認識でき、ユーザーの使用方法による場合は、ユーザー自身で改善をすることも可能となる。例えば、熱いものは取り出し冷ましてから再度庫内に入れるとか、庫内の品物を整理し詰め込み過ぎを回避するなどの改善の指針をその都度提供することができる。
また、判定結果は、メモリに記憶させるため、後日、サービス員がデータを取り出すことが可能である。これらの結果、ユーザーにとって冷蔵庫が一層使いやすいものとなり、また適正に使用されるため省エネルギも向上する。また、サービス員も異常要因の特定に時間をかけずに済み、保守サービス性が向上しコスト低減にもなり、ユーザー、サービス双方にメリットを得ることができる。
本発明の冷蔵庫の診断方法の一実施の形態の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の診断方法が適用された一実施の形態の冷蔵庫の断面構成図である。 本発明の診断方法を実施する演算制御装置の一実施の形態のブロック構成図である。 本発明の診断方法の一実施例の診断モードAの処理手順を示すフローチャートである。 本発明の診断方法の一実施例の診断モードBの処理手順を示すフローチャートである。 本発明の診断方法の一実施例の診断モードCの処理手順を示すフローチャートである。 本発明の診断方法の一実施例の診断モードDの処理手順を示すフローチャートである。 診断モードDの圧縮機の運転時間と庫内温度との関係を説明する図である。 本発明に係る診断の実施中に冷蔵庫のドアが開かれたときの処理の一実施例を示すフローチャートである。 本発明に係る一の診断モード実施中に、他の診断モードの割り込みがあったときの処理の一実施例を示すフローチャートである。 本発明の他の実施例のネットワークシステム対応型の冷蔵庫のシステム構成図である。 図11実施例の演算制御装置と通信用演算記憶制御回路の一実施例を示すブロック図である。
符号の説明
1 通常運転ステップ
2a〜2d 診断モード移行判定ステップ
3 診断処理ステップ
4 診断実施ステップ
5 診断法Iステップ
6 診断法IIステップ
7 圧縮機能動制御(圧縮機停止)ステップ
8 庫内温度上昇率判定ステップ
9 圧縮機能動制御(圧縮機回転数固定)ステップ
10 庫内温度低下率判定ステップ
11 診断結果の通知ステップ
12 通常運転への復帰ステップ

Claims (7)

  1. 診断開始指令に基づいて冷蔵庫の庫内を冷蔵または冷凍する冷凍サイクルを構成する圧縮機の運転条件を切り換え、該切り換えられた前記運転条件に対応させて設定された前記庫内の温度変化に基づいて前記冷蔵庫を診断する冷蔵庫の診断方法であって、
    前記診断は、前記圧縮機を停止して前記庫内の温度上昇率を計測し、該温度上昇率が設定値を超えているときに異常と判定する診断工程を含むことを特徴とする冷蔵庫の診断方法。
  2. 診断開始指令に基づいて冷蔵庫の庫内を冷蔵または冷凍する冷凍サイクルを構成する圧縮機の運転条件を切り換え、該切り換えられた前記運転条件に対応させて設定された前記庫内の温度変化に基づいて前記冷蔵庫を診断する冷蔵庫の診断方法であって、
    前記診断は、前記圧縮機を設定回転数で運転して前記庫内の温度低下率を計測し、該温度低下率が第1の設定値よりも小さいときに異常と判定する第1の工程と、該第1の工程後に前記圧縮機を停止して前記庫内の温度上昇率を計測し、該温度上昇率が第3の設定値を超えているときに異常と判定する第2の工程とを有することを特徴とする冷蔵庫の診断方法。
  3. 診断開始指令に基づいて冷蔵庫の庫内を冷蔵または冷凍する冷凍サイクルを構成する圧縮機の運転条件を切り換え、該切り換えられた前記運転条件に対応させて設定された前記庫内の温度変化に基づいて前記冷蔵庫を診断する冷蔵庫の診断方法であって、
    前記診断開始指令が、前記冷蔵庫の扉の開から閉までの開時間が設定時間を越えたことにより発せられたとき、
    前記診断は、前記診断開始指令に基づいて前記圧縮機を停止して前記庫内の温度上昇率を計測し、該温度上昇率が第1の設定値を超えているときに異常と判定する第1の工程と、該第1の工程後に前記圧縮機を設定回転数で運転して前記庫内の温度低下率を計測し、該温度低下率が第2の設定値よりも小さいときに異常と判定する第2の工程と、該第2の工程後に前記圧縮機を停止して前記庫内の温度上昇率を計測し、該温度上昇率が第3の設定値を超えているときに異常と判定する第3の工程とを有することを特徴とする冷蔵庫の診断方法。
  4. 前記第1乃至第3の工程の判定結果に基づいて、前記冷蔵庫の異常の要因を診断する第4の工程を有することを特徴とする請求項に記載の冷蔵庫の診断方法。
  5. 診断開始指令に基づいて冷蔵庫の庫内を冷蔵または冷凍する冷凍サイクルを構成する圧縮機の運転条件を切り換え、該切り換えられた前記運転条件に対応させて設定された前記庫内の温度変化に基づいて前記冷蔵庫を診断する冷蔵庫の診断方法であって、
    前記診断開始指令が、前記冷蔵庫の扉を閉じた後の庫内の温度低下率が設定低下率より小さいことにより発せられたとき、
    前記診断は、前記診断開始指令に基づいて前記圧縮機を停止して前記庫内の温度上昇率を計測し、該温度上昇率が設定値を超えているときに異常と判定する工程を有してなることを特徴とする冷蔵庫の診断方法。
  6. 診断開始指令に基づいて冷蔵庫の庫内を冷蔵または冷凍する冷凍サイクルを構成する圧縮機の運転条件を切り換え、該切り換えられた前記運転条件に対応させて設定された前記庫内の温度変化に基づいて前記冷蔵庫を診断する冷蔵庫の診断方法であって、
    前記診断開始指令が、前記圧縮機の稼動から停止までの時間が設定時間を越えたことにより発せられたとき、
    前記診断は、前記診断開始指令に基づいて前記圧縮機を停止して前記庫内の温度上昇率を計測し、該温度上昇率が第1の設定値を超えているときに異常と判定する第1の工程と、該第1の工程後に前記圧縮機を設定回転数で運転して前記庫内の温度低下率を計測し、該温度低下率が第2の設定値よりも小さいときに異常と判定する第2の工程と、該第2の工程後に前記圧縮機を停止して前記庫内の温度上昇率を計測し、該温度上昇率が第3の設定値を超えているときに異常と判定する第3の工程とを有することを特徴とする冷蔵庫の診断方法。
  7. 冷蔵室と冷凍室の少なくとも一方の庫内に冷気を送る冷凍サイクルと、前記冷凍サイクルを構成する圧縮機の運転を制御する演算制御装置と、前記庫内の温度を検出する温度センサとを備えてなる冷蔵庫において、
    前記演算制御装置は、診断開始指令に基づいて前記圧縮機の運転条件を切り換え、該切り換えられた前記運転条件に対応させて設定された前記庫内の温度変化に基づいて前記冷蔵庫を診断する診断手段を備えてなり、
    前記診断手段は、前記圧縮機を停止して前記庫内の温度上昇率を計測し、該温度上昇率が設定値を超えているときに異常と判定する診断工程を含むことを特徴とする冷蔵庫。
JP2004089866A 2004-03-25 2004-03-25 冷蔵庫の診断方法およびその診断方法が適用されてなる冷蔵庫 Expired - Fee Related JP4415185B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004089866A JP4415185B2 (ja) 2004-03-25 2004-03-25 冷蔵庫の診断方法およびその診断方法が適用されてなる冷蔵庫

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004089866A JP4415185B2 (ja) 2004-03-25 2004-03-25 冷蔵庫の診断方法およびその診断方法が適用されてなる冷蔵庫

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005274059A JP2005274059A (ja) 2005-10-06
JP4415185B2 true JP4415185B2 (ja) 2010-02-17

Family

ID=35173928

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004089866A Expired - Fee Related JP4415185B2 (ja) 2004-03-25 2004-03-25 冷蔵庫の診断方法およびその診断方法が適用されてなる冷蔵庫

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4415185B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019182199A1 (ko) * 2018-03-20 2019-09-26 엘지전자 주식회사 이상 상태의 원인을 진단하는 냉장고 및 클라우드 서버

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4759406B2 (ja) * 2006-02-27 2011-08-31 ホシザキ電機株式会社 冷却貯蔵庫
JP2010025532A (ja) * 2008-06-17 2010-02-04 Panasonic Corp 冷蔵庫
KR20120006287A (ko) * 2010-07-12 2012-01-18 엘지전자 주식회사 냉장고 및 냉장고 제어방법
CN101980153B (zh) * 2010-10-22 2015-07-22 中兴通讯股份有限公司 一种识别硬件手势的方法及移动终端
JP5758749B2 (ja) * 2011-09-05 2015-08-05 三菱電機株式会社 冷凍・冷蔵システム
JP2014059090A (ja) * 2012-09-18 2014-04-03 Hoshizaki Electric Co Ltd 冷却機器
US10480846B2 (en) * 2014-11-28 2019-11-19 Daikin Industries, Ltd. Refrigeration apparatus for container
JP6301410B2 (ja) * 2016-08-24 2018-03-28 三菱電機株式会社 冷蔵庫
JPWO2021075493A1 (ja) * 2019-10-18 2021-04-22

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3990884B2 (ja) * 2000-09-11 2007-10-17 株式会社東芝 冷蔵庫の遠隔点検システムおよび冷蔵庫の遠隔点検方法
JP2004069231A (ja) * 2002-08-08 2004-03-04 Sharp Corp 冷蔵庫制御システムおよび冷蔵庫

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019182199A1 (ko) * 2018-03-20 2019-09-26 엘지전자 주식회사 이상 상태의 원인을 진단하는 냉장고 및 클라우드 서버
KR20200123422A (ko) * 2018-03-20 2020-10-29 엘지전자 주식회사 이상 상태의 원인을 진단하는 냉장고 및 클라우드 서버
KR102520672B1 (ko) 2018-03-20 2023-04-10 엘지전자 주식회사 이상 상태의 원인을 진단하는 냉장고 및 클라우드 서버
US11668521B2 (en) 2018-03-20 2023-06-06 Lg Electronics Inc. Refrigerator and cloud server of diagnosing cause of abnormal state

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005274059A (ja) 2005-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100406094B1 (ko) 냉장고의 원격 점검 시스템
JP3990884B2 (ja) 冷蔵庫の遠隔点検システムおよび冷蔵庫の遠隔点検方法
KR101585940B1 (ko) 고장 검출 장치, 전기기기 및 고장 검출 방법
US11009245B2 (en) Method and system for proactively and remotely diagnosing an HVAC system
TWI520624B (zh) 家電機器以及網路系統
US7089088B2 (en) Integrated HVACR control and protection system
KR102520672B1 (ko) 이상 상태의 원인을 진단하는 냉장고 및 클라우드 서버
EP2547965B1 (en) Systems and methods for monitoring, inferring state of health, and optimizing efficiency of refrigeration systems
US10330099B2 (en) HVAC compressor prognostics
WO2004049088A1 (en) Refrigeration monitor
JP4415185B2 (ja) 冷蔵庫の診断方法およびその診断方法が適用されてなる冷蔵庫
JP3418009B2 (ja) 冷凍設備の監視・管理方法及び装置
KR20120006287A (ko) 냉장고 및 냉장고 제어방법
JP2007305145A (ja) 家電機器点検システム
JP4572447B2 (ja) 故障診断方法、故障診断装置、及び記録媒体
KR20170091423A (ko) 냉장고 제어 장치, 냉장고 및 냉장고의 고장 진단 방법
JP2007218469A (ja) 冷却システム
JP2020143861A (ja) 冷凍装置および異常予測システム
JPH06221740A (ja) 冷凍冷蔵設備の管理システム
JP2009236342A (ja) ショーケースの集中管理装置
WO2023171005A1 (ja) 冷熱機器診断システム
KR102583019B1 (ko) 고장 예측 기능을 구비한 인공지능 냉장고
JPH04327774A (ja) 食品保管装置のための監視システム
WO2023100346A1 (ja) 冷蔵庫および冷蔵庫通信システム
TW202305294A (zh) 保冷時間預測系統

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060216

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060911

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090317

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091020

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121204

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131204

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees