JP4414948B2 - ウェッジの押し込み装置およびウェッジの押し込み方法 - Google Patents

ウェッジの押し込み装置およびウェッジの押し込み方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4414948B2
JP4414948B2 JP2005226238A JP2005226238A JP4414948B2 JP 4414948 B2 JP4414948 B2 JP 4414948B2 JP 2005226238 A JP2005226238 A JP 2005226238A JP 2005226238 A JP2005226238 A JP 2005226238A JP 4414948 B2 JP4414948 B2 JP 4414948B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wedge
jack
pressure receiving
pushing
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005226238A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007040002A (ja
Inventor
元庸 西野
眞人 山田
喜之 松原
芳昌 勝本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo SEI Steel Wire Corp
Original Assignee
Sumitomo SEI Steel Wire Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo SEI Steel Wire Corp filed Critical Sumitomo SEI Steel Wire Corp
Priority to JP2005226238A priority Critical patent/JP4414948B2/ja
Publication of JP2007040002A publication Critical patent/JP2007040002A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4414948B2 publication Critical patent/JP4414948B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)

Description

本発明は、PC構造物の定着部において、所定の緊張荷重により緊張された緊張材を把持したウェッジの押し込み装置および押し込み方法に関する。特に、ウェッジを緊張荷重以上の力でウェッジ受けの嵌合孔に押し込むための押し込み装置および押し込み方法に関する。
PC鋼材の定着部は、PC鋼材を定着用ウェッジにより把持して、緊張されたPC鋼材の緊張力をPC構造物に伝達するための構成である。PC構造物の定着部を形成する緊張装置として、例えば、特許文献1に記載の装置が挙げられる。図9(A)〜(C)は、PC鋼材の緊張と定着部におけるウェッジの押し込みを一の装置で行なうことが可能な緊張装置を使用したPC鋼材の緊張・定着の工程を示す概略説明図である。図9(A)に示すように、緊張装置(ジャッキ100)は、その内部に緊張側可動部101と定着側可動部102とを有し、緊張側可動部101の端部に設けられた緊張用ディスク103と緊張用ウェッジ104によりPC鋼材200を把持して、PC鋼材200を緊張することができる。
定着部を形成するには、まず初めに、支圧面GにPC鋼材200の緊張力を伝達するための部材である定着用ウェッジ110・ウェッジ受け(アンカーディスク120)・アンカープレート130を配置して、各部材に設けられている挿通孔にPC鋼材200を挿通する。次に、支圧面Gから定着用ウェッジ110の後端部に突出するPC鋼材200の端部をジャッキ100内に挿通させ、ジャッキ100端部の緊張用ディスク103と、このディスク103の嵌合孔103Hに嵌め込まれる緊張用ウェッジ104によりPC鋼材200を把持させる。そして、ジャッキ100の緊張側可動部101をジャッキ100の軸方向(緊張方向)に移動させる。緊張側可動部101の移動が終了した状態を図9(B)に示す。緊張用ディスク103は、緊張側可動部101の移動により、前記可動部101と同一方向に移動する。このとき、緊張用ウェッジ104は、緊張用ディスク103とともに移動しようとするが、PC鋼材200との摩擦により前記緊張方向への移動を緩く規制される。すなわち、緊張側可動部101の緊張方向への移動に伴い、緊張用ウェッジ104は緊張用ディスク103の嵌合孔103Hに嵌まり込んでいき、緊張用ウェッジ104がPC鋼材200を強く把持する。このとき、PC鋼材200の緊張側端部と反対の端部は、支圧面Gの内部側において固定されているので、所定の緊張荷重でPC鋼材200を緊張することができる。
所定の緊張荷重によるPC鋼材200の緊張が終了した後(図9(B))、定着側可動部102をジャッキの軸方向に移動させて(押し込み方向)、定着用ウェッジ110をアンカーディスク120の嵌合孔120Hに押し込む(図9(C))。定着用ウェッジ110の嵌合孔120Hへの押し込みが終了したら、緊張側可動部101を緊張を緩める方向に移動させて、ジャッキ100を取り外し、定着を終了する。
特開2004−162351号公報
しかし、上記のようなジャッキでは、PC鋼材を緊張する際に導入される緊張荷重以上の力でウェッジをウェッジ受けに押し込むことができなかった。
図9に示すように、PC鋼材200を緊張するときに、ジャッキ100(すなわち、緊張側可動部101)によって加えられる緊張荷重の反力は、ジャッキ100の当て止め部100Aを介してアンカーディスク120が受ける。従って、任意の荷重によってPC鋼材200を緊張することができる。一方、定着用ウェッジ110をアンカーディスク120の嵌合孔120Hに押し込む際、定着側可動部102の反力は、緊張側可動部101・緊張用ディスク103・緊張用ウェッジ104を介してPC鋼材200が受けることになる。このとき、定着用ウェッジ110の押し込み時の反力を受けるPC鋼材200は、この反力を受けることによって、さらに緊張される方向に延びるので、定着用ウェッジ110を押し込む力は、緊張荷重よりも小さくなってしまう。従って、定着用ウェッジ110がPC鋼材200を把持することによって支圧面Gに伝達することができるPC鋼材200の緊張荷重は小さくなる。
PC鋼材の定着部は種々の構造物において形成されるが、上記に説明したように緊張荷重が小さい場合、特に橋梁の桁部分における定着部においては、この橋梁の施工作業の方法や地盤の変動などによって緊張済みのPC鋼材に導入されている荷重が変動することがある。このとき、ウェッジを嵌合孔に押しこむ力が小さいためにウェッジがPC鋼材を把持する力が十分でない場合、定着用ウェッジがPC鋼材を把持しておけずに、ウェッジの内周面をPC鋼材が滑ってしまう可能性がある。その結果、PC鋼材の緊張が解けてしまい、所定の緊張力を橋梁の桁部分に伝達することができなくなってしまう。
ところで、橋梁の桁部分などにおけるPC鋼材の定着部では、通常、一のアンカーディスクに複数本のPC鋼材が挿通されており、これら複数本のPC鋼材を一度に緊張することが行なわれている。ここで、図9に示すようにPC鋼材の緊張と定着用ウェッジの押し込みの両方を行なうことが可能なジャッキを使用して複数のPC鋼材を一気に緊張・定着した場合、導入した荷重よりも小さい荷重をさらに定着用ウェッジの数で割った力でしかウェッジを嵌合孔に押し込むことができない。すなわち、PC鋼材一本に付与することができるウェッジを押し込む力が著しく減少してしまうので、定着用ウェッジがPC鋼材を把持しておけなくなる可能性が高くなる。
従って、本発明の主目的は、PC構造物の定着部においてPC鋼材を把持したウェッジを緊張荷重以上の力でウェッジ受けの嵌合孔に押し込むためのウェッジの押し込み装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、PC構造物の施工や供用のときに振動などによってPC鋼材を把持するウェッジが嵌合孔から外れてしまわないように、ウェッジを緊張荷重以上の力でウェッジ受けの嵌合孔に押し込むためのウェッジの押し込み方法を提供することにある。
本発明ウェッジの押し込み装置は、PC鋼材を把持したウェッジを、ウェッジ受けの嵌合孔に押し込むためのウェッジの押し込み装置であって、ウェッジを嵌合孔に押し込み可能なように配置されるジャッキと、ジャッキによるウェッジの押し込み時の反力を受ける圧力支持部材とを備える。そして、前記圧力支持部材は、一端をウェッジ受け側の不動の部材に固定される連結部材と、連結部材の他端に固定されて、前記反力を受ける受圧部材とを有することを特徴とする。
そして、本発明ウェッジの押し込み装置を使用して、PC鋼材を把持したウェッジをウェッジ受けの嵌合孔に押し込むことで、PC鋼材を緊張する際に導入した緊張荷重以上の力でウェッジをウェッジ受けの嵌合孔に押し込むことができる。
以下、本発明ウェッジの押し込み装置を詳しく説明する。
本発明ウェッジの押し込み装置に使用するジャッキは、ウェッジの端部を押圧してウェッジを押し込むことができるものであれば良い。使用するジャッキは、例えば、油圧式ジャッキでも良いし、エアージャッキでも良いし、ネジの螺合により可動部が駆動するジャッキでも良い。
圧力支持部材は、連結部材と受圧部材とからなる。両部材はジャッキの反力を受けても変形したりしないように剛性の高い部材、例えば、金属などで形成する。そして、連結部材は、一端をウェッジ受け側の不動の部材(例えば、アンカー部分の定着部においては、アンカーディスクやアンカープレート、あるいはPC構造物そのもの)に固定し、且つ受圧部材を連結部材の他端に固定して、ジャッキの反力を受けることができるように形成する。特に、連結部材を固定する不動の部材をウェッジが嵌め込まれる嵌合孔を有するウェッジ受けとすると、後述するようにジャッキの押し込み方向と前記嵌合孔の軸方向とを一致させることが容易になるので好ましい。
連結部材は前記受圧部材と不動の部材を連結することができるものであればその形状は問わない。連結部材は、ジャッキの駆動や、ウェッジの位置に合わせてジャッキを移動させるなどの作業の邪魔にならないような形状に形成することが好ましい。例えば、複数の多角柱や円柱により形成することが挙げられる。一方、受圧部材はジャッキの押し込み時の反力を受けることができる、すなわち、ジャッキがウェッジの押し込み方向に対して反対方向に移動することを規制できるものであればその形状は問わない。例えば、板状に形成することが挙げられる。
連結部材と受圧部材とは一体に形成して圧力支持部材としても良いし、別部材として、適宜組み立てて圧力支持部材としても良い。連結部材と受圧部材を一体に形成する場合、例えば、家屋における柱と屋根の関係のように、柱状に形成した複数の連結部材により受圧部材を支える構成とすることや、柱状に形成した連結部材の端部付近に連結部材の軸方向と直交する方向に突出するフランジ部を設けて、このフランジ部を受圧部材とすることなどが挙げられる。連結部材と受圧部材を一体に形成すると、ウェッジの押し込みの現場において一体となした圧力支持部材を配置するだけで受圧部材の位置決めをすることができる。一方、連結部材と受圧部材とを分離可能な別部材に形成する場合、例えば、連結部材を柱状に、受圧部材を連結部材の端部に固定可能な形状に形成することが挙げられる。両者を別部材とすると、圧力支持部材を分離したときに、各部材の占有面積を小さくでき、且つ、一つの部材あたりの重量が減るので、運搬し易くなる。その他、両者を別部材にする利点として、連結部材を固定する不動部材の形状が施工現場毎に変わる場合でも、連結部材のみを交換するだけで良いことなどが挙げられる。いずれの形態を選択するにしても、ジャッキがウェッジの押し込み方向に対して反対に移動することを規制するように形成する。
連結部材と受圧部材を別部材とする場合、連結部材には、市販のPC鋼棒を用い、受圧部材は、剛性を有する板状部材とすることが好ましい。連結部材をPC鋼棒とすると、特別に連結部材を設計・製造する手間が省けるので効率的である。また、受圧部材を剛性板とすると、この剛性板とジャッキまたは後述する圧力伝達部材とを平面で当接させることができ、且つ、ジャッキの反力を受けても変形することがないのでジャッキを安定させる、すなわち、ジャッキの押し込み方向を安定させることができる。さらに、受圧部材には、受圧部材とウェッジとの距離を調節可能にするために連結部材を貫通させ、任意の位置で固定させることができるように貫通孔を設けることが好ましい。
また、連結部材と受圧部材を別部材とした場合、一端が不動部材に、他端が受圧部材に当接して、受圧部材を嵌合孔の軸方向に対して垂直に配置させる受圧部材の配置方向規定部材を備えることが好ましい。配置方向規定部材は、一端を不動部材に、他端を受圧部材に当て止めするだけで容易に受圧部材を嵌合孔の軸方向に対して垂直に配置可能なように形成する。配置方向規定部材としては、例えば、パイプなどが挙げられる。前述のように連結部材を複数の柱状部材に形成する場合は、内径が連結部材の外径よりも若干大きいパイプとして、各連結部材の外周を覆うように配置すると、各連結部材の外周に突出することがなく、ジャッキの駆動などの作業を行ない易い。
さらに、本発明押し込み装置は、ジャッキと受圧部材との間に配置されて、ジャッキの押し込み時の反力をジャッキから受圧部材に伝達する圧力伝達部材を備えていても良い。圧力伝達部材を備えることにより、圧力支持部材を不動部材に固定した後、ジャッキとウェッジとの間の距離を変化させなければならない場合(例えば、不動部材とウェッジとの間に導入された荷重を監視するためのロードセルを設ける場合)に、連結部材の長さを変えて受圧部材と定着用ウェッジとの間の距離を調整する手間をなくすることができる。圧力伝達部材は、ジャッキの押し込み時の反力をロスなく受圧部材に伝達することができるものであれば良い。例えば、剛性の円筒台などが挙げられるが、これに限定されない。圧力伝達部材は、ジャッキとウェッジとの距離に応じて複数用意しても良いし、伸縮自在に形成して変化する距離に対応しても良い。圧力伝達部材を伸縮自在に形成する場合、例えば、断面]型の2つの部材を対向して配置し、一方の部材が他方の部材内に収納されるように配置することが挙げられる。そして、この2つの部材に軸方向に並ぶ複数の孔を設け、両部材の孔の位置を軸方向にずらし、棒状部材を両部材の孔に貫通させる。すなわち、前記両部材の重なる部分の長さを変えて、両部材を軸方向にずれないように固定することで、圧力伝達部材の長さを変化させる。
圧力伝達部材と同様に圧力支持部材を不動部材に固定した後であっても圧力支持部材の連結部材の長さを調節することなくジャッキの押圧力をウェッジに伝達するように、ジャッキとウェッジとの間に圧入ラムを設けてもかまわない。圧入ラムは、ジャッキの押圧力をウェッジに伝達することができるものであれば、その形状は問わない。代表的には、圧入ラムを直管状とすることが挙げられる。圧入ラムを直管状に形成すると、その内部にウェッジから突出するPC鋼材の端部を嵌め込むことができるので、ジャッキの押し込み方向と嵌合孔の軸方向を一致させ易い。加えて、ウェッジの後端部を周方向に亘って均一に押圧することもできる。もちろん、圧力伝達部材と圧入ラムを同時に用いてもかまわない。
その他、受圧部材に第1係合部を設け、圧力伝達部材またはジャッキに第2係合部を設けることが好ましい。このようになすことで、前記第1係合部と第2係合部との係合により、ジャッキの押し込み方向とウェッジ受けの嵌合孔の軸方向とが同一方向になるようにジャッキを配置することができる。例えば、第1係合部と第2係合部の一方を突起などの凸状に、他方を窪みなどの凹状に形成すると、これら凹凸の嵌め合わせにより第1・第2係合部を係合することができる。あるいは、ピン(例えば、T型やL型など)を用意し、受圧部材の第1係合部をピン貫通孔とし、圧力伝達部材またはジャッキの第2係合部をピンの先端が差し込まれるピン穴として、前記ピンを前記ピン貫通孔とピン穴とに挿通することで第1・第2係合部を係合しても良い。いずれの形態を選択するにしても、受圧部材に設ける第1係合部は、ウェッジ受けの嵌合孔と対応する位置に設けておくことが好ましい。すなわち、第1係合部と第2係合部とを係合したときに、ジャッキの押し込み方向が嵌合孔の軸方向と一致するだけでなく、同一直線上に載るようにする。このような係合部は、複数でもかまわない。具体的には、受圧部材に第1係合部を、圧力伝達部材の一端に第2係合部を、圧力伝達部材の他端に第3係合部を、ジャッキに第4係合部を設けて、第1係合部と第2係合部を係合させ、且つ、第3係合部と第4係合部を係合させることで、ジャッキの押し込み方向と嵌合孔の軸方向を一致させる。
以上、説明した本発明ウェッジの押し込み装置およびウェッジの押し込み方法によれば、ジャッキの押し込み時の反力を圧力支持部材により受けることができるので、PC鋼材を緊張するときに導入した緊張荷重以上の力でウェッジをウェッジ受けの嵌合孔に押し込むことができる。
また、緊張荷重以上の強い力でウェッジを嵌合孔に押し込むことで、従来よりも強い力でPC鋼材を把持することができる。すなわち、より強い力で緊張されたPC鋼材を把持してPC鋼材の緊張力を維持することができる。さらに、外力により定着部に振動が加えられた場合でも、嵌合孔に対するウェッジの嵌め合いが緩んでPC鋼材の緊張が解けてしまうことを抑制することができる。
以下、本発明ウェッジの押し込み装置およびウェッジの押し込み方法を図に基づいて説明する。以降、説明する実施例・変形例においてPC鋼より線など同一の構成であって複数存在する部材に関しては、一部のみを代表として図示する。また、異なる図において同一符号を付された部材は、同一の部材を示す。
<実施例1>
本実施例においては、橋梁の桁部分における定着部を例にとり、本発明ウェッジの押し込み装置および方法を説明する。まず初めに、前記定着部の形成方法を図1に基づいて説明し、次に、本発明ウェッジの押し込み装置を用いて、PC鋼材を把持するウェッジをさらにウェッジ受けの嵌合孔に押し込むためのウェッジの押し込み方法を図2〜5に基づいて説明する。
[橋梁桁部分における定着部の形成方法]
橋梁の桁部分における定着部は、緊張されたPC鋼材(以下の実施例・変形例においてはPC鋼より線を使用した)の緊張力を橋梁の桁部分に伝達することで、桁部分本体の耐久力を向上させている。図1は、橋梁桁部分における定着部の形成方法を示す概略図である。本例の定着部は、図1に示すように、緊張されたPC鋼より線1・PC鋼より線1を把持するウェッジ2・PC鋼より線1の緊張力を支圧面Gに伝達する定着部構造体3・定着部の止水を行なう止水部構造体4から構成されている。定着部構造体3は、アンカーディスク3A・支圧リング3B・プレート3D・スペーサ3Cからなる。そして、PC鋼より線1の緊張力は、より線1を把持するウェッジ2・アンカーディスク3A・支圧リング3B・プレート3Dを介して支圧面Gに伝達される。ここで、詳細を図示していない支圧面Gは、橋梁桁部分の本体でないが、前記本体に緊張力を伝達することができる部材である。その他、止水部構造体4は、止水用弾性体4A、弾性体4Aを挟み込む2枚の鋼板4B,4B’および締付ネジS1からなり、前記締付ネジS1を締め付けて、鋼板4B,4B’の間で弾性体4Aを変形させることで、この位置における止水を行なっている。
上記のような定着部は、以下のように形成する。本例においてはPC鋼より線1として、7本の素線を撚り合わせてより線とし、その外周にエポキシ被覆を施したストランドを使用した。そして、このPC鋼より線1を56本使用して一の定着部とした。PC鋼より線1は、図示しない一端を固定した後、他端を支圧面Gから突出するように配置した。各PC鋼より線1は、緊張しやすいように、スペーサ3Cの挿通孔に挿通させることで離間させた。そして、スペーサ3Cを貫通するPC鋼より線1を鋼板4B’・止水用弾性体4A・鋼板4Bの順に各部材4A,4B,4B’の挿通孔に挿通した。また、止水部構造体4の外周に支圧リング3Bを配置した。さらに、鋼板4Bから突出したPC鋼より線1をアンカーディスク3Aの嵌合孔3THに挿通した後、アンカーディスク3Aを支圧リング3Bの端部に配置した。このとき、上記の定着部構造体3と止水部構造体4は、締付ネジS1・係合ネジS2,S3により一体にされている。また、図1においては示していないが、プレート3Dは支圧面Gに係合されている。
次に、PC鋼より線1を把持するようにウェッジ2を配置し、ウェッジ2をアンカーディスク3Aの嵌合孔3THに緩く嵌め込んだ。また、定着部に配置した56本のPC鋼より線1の内の一本において、PC鋼より線1の緊張荷重を監視する緊張荷重監視部5を設けた。緊張荷重監視部5は、具体的には、図1に示すように支圧リング5A・ロードセル5B・メスコーン5C・ウェッジ5Dにより構成され、ロードセル5Bの監視結果を参照することにより、PC鋼より線1が所定の緊張荷重を維持しているかを監視する。
続いて、ジャッキ台6をネジS4によりアンカーディスク3Aに固定した。ジャッキ台6は、筒部6A、ふた部6Bおよびシャフト6CをネジS5,S6により一体に形成し、ジャッキ100がPC鋼より線1を緊張する際の反力がかかっても破壊しない強度にした。
そして、ジャッキ100を使用してPC鋼より線1を緊張した。ジャッキ100は、すでに図9を参照して説明したように、PC鋼材の緊張とウェッジの押し込みの両方を行なえるものである。PC鋼より線1を緊張するときのジャッキ100の反力は、アタッチメント100Aを介してジャッキ台6に伝達されるので、所定の緊張荷重でPC鋼より線1を緊張できた。続いて、ジャッキ100先端に配置した圧入ラム60によりウェッジ2を嵌合孔3THに押し込んだ。ウェッジ2を押し込むときのジャッキ100の反力は、PC鋼より線1が受けるので、緊張荷重よりも小さな荷重でしかウェッジ2を嵌合孔3THに押し込むことができない。最後に、ウェッジ2の端部から所定の長さだけ突出するようにPC鋼より線1を切断した。
上記のようにして構成された定着部に、本発明ウェッジの押し込み装置を設置する。
[ウェッジの押し込み装置]
図2に示すように、本発明ウェッジの押し込み装置は、ジャッキ10と圧力支持部材20により構成した。ここで、前記圧力支持部材20は、PC鋼棒30および受圧板50からなり、前記PC鋼棒30の一端を不動の部材であるアンカーディスク3Aに固定し、PC鋼棒30の他端に受圧板50を固定することにより構成した。そして、ジャッキ10の押し込み時の反力を受圧台70を介して受圧板50が受けるように配置した。その他、本例では、さや管40・圧入ラム60・T型ピンP1を設け、ジャッキ10の押し込み方向をアンカーディスク3の嵌合孔3THの軸方向に一致させる等している。なお、図2においても、PC鋼より線1やPC鋼棒30などの複数存在して、同一の効果を有する部材に関しては、一部のみを代表として示す。
本発明ウェッジの押し込み装置は、次の手順で定着部に設置した。
[1] PC鋼棒30を不動の部材であるアンカーディスク3Aに固定した。
[2] さや管40をPC鋼棒30の外周にはめ込み、さや管40の一端をアンカーディスク3Aに当接させた。
[3] 受圧板50をPC鋼棒30の端部からはめ込み、さや管40の他端に当接させた。そして、PC鋼棒30の端部からナットNを締め込んで、受圧板50をPC鋼棒30に固定した。ここで、受圧板50のはめ込みは、受圧板50に設けられた貫通孔50THにPC鋼棒30を貫通させることにより行なった。
[4] ジャッキ10の先端部12に圧入ラム60の一端をはめ込んで両者を係合し、圧入ラム60の他端をPC鋼より線1の端部にはめ込んだ。
[5] 受圧台70の一端を受圧板50に当接するように配置して、T型ピンP1により両者を係合した。
[6] 受圧台70の他端にジャッキ10の後端部を当接し、受圧台の凸部75とジャッキ10の凹部15とを嵌め合わせて、受圧台70とジャッキ10とを係合した。
以下、本発明ウェッジの押し込み装置に使用する各部材の設置方法を詳しく説明するとともに、各部材を上記設置手順に従って説明する。
[1] PC鋼棒の配置
図2に示す本発明ウェッジの押し込み装置を設置するために、第1の手順として、まず初めにアンカーディスク3AにPC鋼棒30を固定した。本例において形成された定着部のアンカーディスク3Aには、その縁部に周方向に均等に配置された6つのネジ穴3Hが設けられている。従って、各ネジ穴3Hに一本ずつ、計6本のPC鋼棒30を配置した。PC鋼棒30が固定されているアンカーディスク3Aは、幾つかの部材を介して橋梁桁部分に強固に固定されているので不動の部材とみなすことができる。
PC鋼棒30は市販のものを使用し、その両端部から所定の領域に亘って雄ネジを切ってある。このPC鋼棒30の一端を前記アンカーディスク3Aのネジ穴3Hに螺合することで、PC鋼棒30をアンカーディスク3Aに固定することができる。一方、PC鋼棒30の他端は、後述するように受圧部材(受圧板50)の貫通孔50THに貫通する。
[2] さや管の配置
第2の手順として、PC鋼棒30の外周にさや管40をはめ込み、さや管40の一端をアンカーディスク3Aに当接させた。このようになすことで、後述する受圧板50をさや管40の他端に当て止めするだけで、容易に受圧板50をアンカーディスク3Aから所定長の位置に配置することができる。それに伴って、後述するように受圧板50をアンカーディスク3Aの嵌合孔3THの軸方向に対して垂直に配置することができるので、ジャッキ10の押し込み方向と嵌合孔3THの軸方向とを一致させ易くなる。
さや管40は、鋼製のパイプで、その内径は、PC鋼棒30の外径よりも大きい。また、各さや管40の長さは、さや管40の一端をアンカーディスク3Aに当接したときに、他端の端面が嵌合孔3THの軸方向に対して垂直な一つの仮想平面上に位置するように調節した。このようになすことで、さや管40の一端にアンカーディスク3Aを、他端に受圧板50を当接させたときに、受圧板50の端面とアンカーディスク3Aの端面とを平行にすることができる。すなわち、受圧板50をアンカーディスク3Aに設けられた嵌合孔3THの軸方向に対して垂直に配置することができる。
[3] 受圧板の配置
第3の手順として、受圧板50を用意し、この受圧板50を前記さや管40の端部に当接させてPC鋼棒30の端部に配置した。そして、PC鋼棒30の端部からナットNを締め込んで受圧板50をPC鋼棒30に固定した。このようになすことで、受圧板50を嵌合孔3THの軸方向に対して垂直になるように配置することができる。また、受圧板50はPC鋼棒30に固定されるので、ジャッキ10の押し込み時の反力を受けてもPC鋼より線1の軸方向に移動することがない。
受圧板50は、図3に示すように、アンカーディスクの外径にほぼ一致する外径を有する鋼製の円板状に形成した。そして、その縁部に、上述の6本のPC鋼棒に対応する位置に貫通孔50THを設けた。受圧板50の貫通孔50THの直径は、PC鋼棒の外径よりも若干大きく、且つ、さや管の内径よりも小さく形成した。このようになすことで、受圧板50をPC鋼棒の端部に配置するときに、受圧板50にPC鋼棒を挿通させることができるとともに、受圧板50をPC鋼棒の外周に配置されるさや管の端部に当て止めすることができる。また、受圧板50にはリブ50Lを設けて、ジャッキの反力を受けても変形しない程度の剛性を維持するとともに軽量化を図った。さらに、受圧板50には、アンカーディスクの嵌合孔に一対一で対応するピン貫通孔50PHを設けた。ピン貫通孔50PHの役割については後述する。
[4] ジャッキと圧入ラムの係合
第4の手順として、図2に示すように、ジャッキ10の先端部12に圧入ラム60の一端をはめ込み、圧入ラム60に設けられたネジ孔60THにネジを締め込んで両者を係合した。そして、圧入ラム60の他端をウェッジ2から突出するPC鋼より線1の端部にはめ込んだ。このようになすことにより、ジャッキ10と圧入ラム60とを真直ぐに配置することができるので、ジャッキ10がウェッジ2をロスなく押圧することができる。
ジャッキ10は、油圧式ジャッキを使用した。図4に示すように、ジャッキ10には、押側注油口13と戻側注油口14が設けられている。押側注油口13から押側注油空間13Aに注油すると、この油の圧力により可動部11が図中の矢印方向に移動する。従って、可動部先端部1270に当接するように部材が存在する場合、その部材を押圧することができる。一方、戻側注油口14から戻側注油空間14Aに注油すると、可動部を設置初期の段階にまで戻すことができる。また、ジャッキ10の後端部に凹部15を設けて、後述する受圧台凸部75(図5を参照)と係合させることにより、受圧台とジャッキ10とを直列に配置させることができる。
また、図2に示す圧入ラム60は、鋼製のパイプである。圧入ラム60の内径は、PC鋼より線1の外径にほぼ一致するように形成した。このようになすことにより、ジャッキ10の可動部11を駆動させたときに、圧入ラム60は、PC鋼より線1の外周を滑るように移動して、ウェッジ2をアンカーディスク3Aの嵌合孔3THに押し込むことができる。加えて、ジャッキ10の可動部先端部12に固定された圧入ラム60の内部にPC鋼より線1が挿入されているので、ジャッキ10の押し込み方向と嵌合孔3THの軸方向を一致させることができる。PC鋼より線1の外径にほぼ一致する圧入ラム60の内径は、ジャッキ10の可動部先端部12の径とも一致しているので、圧入ラム60の端部にジャッキ10の先端部12をはめ込むことができる。そこで、圧入ラム60の一端部における側面にネジ孔60THを設け、圧入ラム60の一端にジャッキ10の可動部先端部12を挿入したときに両者を係合することができるようにした。
[5] 受圧台の配置
第5の手順として、受圧台70の一端を受圧板50に当接するように配置した。そして、受圧台70のピン貫通孔70PHと受圧板50のピン貫通孔50PHとを位置合わせした後、受圧板50のピン貫通孔50PHからT型ピンP1を差し込んで、ピンP1が受圧板50と受圧台70とを貫通して、両者を係合するようにした。受圧台70を設けることにより、受圧板50とウェッジ2との間の適切な位置にジャッキ10を配置することができる。また、T型ピンP1の差し込みにより、受圧板50と受圧台70を位置決めすることができる。これらのことより、受圧台70は、ジャッキ10の押し込み時の反力をロスすることなく受圧板50に伝達することができる。
受圧台70として、代表的に小さい受圧台70Aを図5に示す。受圧台70Aは、ステンレス製の円筒状に形成した。受圧台70Aは円筒状に形成することにより、受圧台70Aを受圧板50およびジャッキ10の後端部に面接触させることができるので、受圧板50・受圧台70A・ジャッキ10を安定して整列させることができる(図2を参照)。また、受圧台70Aの一端にはピン貫通孔70PHを設けた。ピン貫通孔70PHは、受圧台70の底面の中心に位置している。さらに、受圧台70Aの他端に、ジャッキ10の凹部15に係合する受圧台凸部75を設けた。
ところで、ウェッジ2の押し込みを行なうジャッキ10の可動部は、所定の範囲内でしか対象を押圧することができない。また、圧力支持部材20は、一旦アンカーディスク3Aに固定してしまうと、ウェッジ2から受圧板50までの距離を変化させることが容易ではない。そこで、受圧台の長さは、ウェッジ2に効果的な押圧力がかかるようにジャッキ10を配置可能な長さに形成した。本例においては、大小2つの受圧台70A,70Bを用意し、小さい受圧台70Aはロードセル5Bを設けたウェッジ5Dの押し込みに使用した。一方、大きい受圧台70Bは、定着部における通常のウェッジ2の押し込みに使用した。
[6] ジャッキ10と受圧台70の係合
第6の手順として、受圧台70の端部にジャッキ10の後端部を当接するように配置した。このとき、受圧台70の凸部75とジャッキ10の凹部15とは、凸凹の嵌め合いにより係合する。図2を参照にしてすでに述べたように、受圧板50と受圧台70とはT型ピンP1の差し込みにより直列に配置されているので、ジャッキ10と受圧台70との係合により、受圧板50・受圧台70・ジャッキ10を直列に配置させることができる。従って、ジャッキ10を駆動したときに、ジャッキ10の押し込み方向がアンカーディスク3Aの嵌合孔3THの軸方向と一致するので、ジャッキ10の押圧力を効率的にウェッジ2に伝達することができる。
[ウェッジの押し込み方法]
以上の設置手順により、本発明ウェッジの押し込み装置の配置が完了する。そして、配置が完了した後に、ジャッキ10の可動部先端部12を押し込み方向に駆動して所定の押圧力によりウェッジ2をアンカーディスク3Aの嵌合孔3THに押し込んだ。このとき、ジャッキ10の押し込み時の反力は、不動の部材に固定される圧力支持部材20が受けるので、定着部を形成した際にウェッジ2に導入した押し込み力を超える力で、ウェッジ2をアンカーディスク3Aの嵌合孔3THに押し込むことができる。
一のウェッジ2の押し込みが終了したら、ジャッキ10を設置初期の段階に戻して受圧台70Bから離し、次いで、T型ピンP1を抜き取って、受圧台70Bを取り外した。そして、一体になったジャッキ10と圧入ラム60をPC鋼より線1から取り外した。他のウェッジ2を押し込む際には、圧力支持部材20を取り外す必要はなく、受圧台70B・ジャッキ10・圧入ラム60を再度設置するだけでウェッジ2を押し込むことができるので、作業性が良い。また、ロードセル5Bを設けた部分のウェッジ5Dの押し込みには、小さい受圧台70Aを用いれば良い。
<変形例1−1>
本変形例においては、橋梁の桁部分の定着部におけるウェッジの押し込み装置およびウェッジの押し込み方法を図6〜7に基づいて説明する。本例においては、受圧板以外の部材の構成は、サイズが異なる以外は実施例1と同様である。
橋梁の桁部分における定着部は、図6に示すように、実施例1と構成が異なるが、PC鋼より線1の緊張力をウェッジ2・アンカーディスク3A・プレート3Dを介して支圧面Gに伝達する点は実施例1と同様である。従って、定着部の詳細な説明や定着部の形成方法に関しては省略し、本発明ウェッジの押し込み装置に関してのみ説明する。
本例においては37本のPC鋼より線を一のアンカーディスクに挿通している。このため、実施例1と比較してアンカーディスクの大きさが小さく、アンカーディスクに本発明ウェッジの押し込み装置のPC鋼棒を固定するスペースがない。従って、本例では、図6に示すようにプレート3Dにネジ穴3Hを設け、このネジ穴3HにPC鋼棒30をねじ込んで固定した。そして、PC鋼棒30の端部に実施例1とは異なる形状の受圧板80を固定した。
変形例1−1におけるウェッジの押し込み装置を定着部に形成する手順は、実施例1と同様である。具体的には、プレート3Dに設けられたネジ穴3HにPC鋼棒30を螺合して固定した後、PC鋼棒30にさや管40をはめ込んだ。このとき、さや管40の一端が、プレート3Dに当接するようにした。次に、受圧板80をPC鋼棒30の端部からはめ込んで、さや管40の他端に当接するように配置し、ナットNで締め付けることにより、受圧板80をPC鋼棒30の端部に固定した。そして、ネジ留めにより一体に形成したジャッキ10と圧入ラム60とをPC鋼より線1の端部に配置するとともに、受圧板80とジャッキ10との間に受圧台70を配置した。このとき、受圧板80と受圧台70とはL型ピンP2により、受圧台70とジャッキ10とは凸部75と凹部15とによりそれぞれ係合させているので、受圧板80・受圧台70・ジャッキ10を直線状に整列させることができる。従って、ジャッキ10の押し込み時の反力を最大限に受圧板80に受けさせることができるとともに、ジャッキ10の押圧力をロスなくウェッジ2に伝達することができる。
上記のようなウェッジの押し込み装置において、受圧板の形状が実施例1と異なる。受圧板80は、図7に示すように、矩形板81と2枚の連結板82からなる。矩形板81と連結板82は、ネジS7により一体に形成した。また、矩形板81にはL型ピンを挿通するピン貫通孔80PHを、連結板82にはPC鋼棒を挿通する貫通孔80THを設けた。ここで、ピン貫通孔80PHはL型ピンを挿通することにより受圧板80と受圧台を係合して両者を位置決めするため、貫通孔80THはPC鋼棒を挿通して受圧板80をPC鋼棒に固定するために使用する点は、実施例1と同様である。
<実施例2>
本例においては、PC鋼より線を把持するウェッジの定着作業と、定着後のウェッジをさらにウェッジ受けの嵌合孔に押し込む作業とを一のジャッキで行なう本発明ウェッジの押し込み装置およびこの装置を使用したウェッジの押し込み方法を説明する。
前記定着作業と押し込み作業とを一のジャッキで行なうためには、ジャッキがウェッジの押し込み方向と反対の方向に移動することを規制する構成とすればよい。ジャッキは、PC鋼より線の緊張とウェッジの押し込みを行うことができる図9に記載のジャッキを使用した。そして、図8に示すように、ジャッキ100を取り囲むように複数の柱状部材90を配置した。柱状部材90の一端には、フランジ部90Fが設けられており、このフランジ部90Fがジャッキの後端100Fに当接する。そして、柱状部材90の他端を支圧面Gに固定することで、ジャッキ100がPC鋼より線1の軸方向に移動することを規制することができる。このようになすことにより、ジャッキ100の定着側可動部102を駆動した時の反力を柱状部材90のフランジ部90Fが受けることになる。従って、このジャッキ100によりPC鋼より線1を緊張したときに導入した緊張荷重を超える力でウェッジ110をアンカーディスク120の嵌合孔120Hに押し込むことができる。
本発明は、PC鋼材を緊張するために導入された緊張荷重以上の荷重で、PC鋼材を把持するウェッジをウェッジ受けに押し込む必要があるPC構造物の定着部に好適に利用できる。特に、橋梁桁部分において、一の定着部に複数のPC鋼材が配置されている定着部に好適に利用できる。
図1は、実施例1に記載の橋梁の桁部分における定着部の形成方法に関する概略説明図である。 図2は、実施例1に記載のウェッジの押し込み装置を使用したウェッジの押し込み方法に関する概略説明図である。 図3は、実施例1に記載のウェッジの押し込み装置に使用する受圧板を示し、(A)は受圧板の正面図、(B)は受圧板の側面図を示す。 図4は、実施例1に記載のウェッジの押し込み装置に使用するジャッキを示す図である。 図5は、実施例1に記載のウェッジの押し込み装置に使用する受圧台を示す図である。 図6は、変形例1−1に記載のウェッジの押し込み方法に関する概略説明図である。 図7は、変形例1−1に記載のウェッジの押し込み装置に使用する受圧板を示し、(A)は受圧板の正面図、(B)は受圧板の側面図を示す。 図8は、実施例2に記載のウェッジの押し込み方法に関する概略説明図である。 図9は、PC鋼材の緊張と定着を一のジャッキにて行なう場合の概略説明図であり、(A)は、PC鋼材を緊張する前の状態、(B)は、PC鋼材を緊張した後の状態、(C)は、定着用ウェッジをアンカープレートの嵌合孔に押し込んだ状態を示す。
符号の説明
1 PC鋼より線 2 ウェッジ
3 定着部構造体
3Aアンカーディスク 3TH 嵌合孔 3H ネジ穴
3B 支圧リング 3C スペーサ 3D プレート
4 止水部構造体
4A 止水用弾性体 4B,4B’ 鋼板
5 緊張荷重監視部
5A 支圧リング 5B ロードセル 5C メスコーン 5D ウェッジ
6 ジャッキ台 6A 筒部 6B ふた部 6C シャフト
S1 締付ネジ S2,S3 係合ネジ S4〜S7 ネジ
10 ジャッキ
11 可動部 12 先端部 13 押側注油口 13A 押側注油空間
14 戻側注油口 14A 戻側注油空間 15 ジャッキ凹部
20 圧力支持部材 30 PC鋼棒 40 さや管
50 受圧板
50TH 貫通孔 50PH ピン貫通孔 50L リブ P1 T型ピン
80 受圧板
81 矩形板 82 連結板 80TH 貫通孔 80PH ピン貫通孔 P2 L型ピン
60 圧入ラム 60TH ネジ孔
70 受圧台 70PH ピン貫通孔 75 受圧台凸部
90 柱状部材 90F フランジ部
100 ジャッキ 100A アタッチメント 100F ジャッキ後端
101 緊張側可動部 103 緊張用ディスク 104 緊張用ウェッジ
102 定着側可動部 120 アンカーディスク 110 定着用ウェッジ
130 アンカープレート G 支圧面
103H,120H 嵌合孔 100A 当て止め部
200 PC鋼材

Claims (7)

  1. PC鋼材を把持したウェッジを、ウェッジ受けの嵌合孔に押し込むためのウェッジの押し込み装置であって、
    前記押し込み装置は、
    ウェッジを嵌合孔に押し込み可能なように配置されるジャッキと、
    ジャッキによるウェッジの押し込み時の反力を受ける部材であって、一端をウェッジ受け側の不動の部材に固定される連結部材、および連結部材の他端に位置して、前記反力を受ける受圧部材とを有する圧力支持部材と、
    前記ジャッキと受圧部材との間に配置されて、前記反力をジャッキから受圧部材に伝達する圧力伝達部材と、を備え、
    前記受圧部材に第1係合部を設け、圧力伝達部材の一端側に第2係合部を、他端側に第3係合部を設け、さらに、ジャッキの後端に第4係合部を設け、第1係合部と第2係合部との係合、および第3係合部と第4係合部との係合により、ジャッキの押し込み方向と前記嵌合孔の軸方向とが同一直線上に載るようにジャッキを配置可能にしたことを特徴とするウェッジの押し込み装置。
  2. 前記連結部材と受圧部材とが分離可能であることを特徴とする請求項1に記載のウェッジの押し込み装置。
  3. 前記連結部材が、PC鋼棒であることを特徴とする請求項2に記載のウェッジの押し込み装置。
  4. 前記受圧部材が、剛性板であることを特徴とする請求項2に記載のウェッジの押し込み装置。
  5. 一端が不動部材に、他端が受圧部材に当接して、受圧部材を嵌合孔の軸方向に対して垂直に配置させる受圧部材の配置方向規定部材を有することを特徴とする請求項2に記載のウェッジの押し込み装置。
  6. ジャッキとウェッジとの間に配置されて、ジャッキの押圧力をウェッジに伝達する圧入ラムを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のウェッジの押し込み装置。
  7. 所定の緊張荷重をかけて緊張したPC鋼材をウェッジにより把持して、このウェッジをウェッジ受けの嵌合孔に押し込むためのウェッジの押し込み方法であって、
    ウェッジを押し込むジャッキと、
    ジャッキによるウェッジの押し込み時の反力を受ける部材であって、一端をウェッジ受け側の不動の部材に固定される連結部材および、連結部材の他端に位置して、ジャッキの反力を受ける受圧部材を有する圧力支持部材と、
    前記ジャッキと受圧部材との間に配置されて、前記反力をジャッキから受圧部材に伝達する圧力伝達部材と、
    を用意し、
    前記受圧部材に形成した第1係合部と、圧力伝達部材の一端側に形成した第2係合部とを係合させると共に、圧力伝達部材の他端側に形成した第3係合部と、ジャッキの後端に形成した第4係合部とを係合させることで、ジャッキの押し込み方向と前記嵌合孔の軸方向が同一直線上に乗るようにジャッキを配置し、ジャッキの押し込み時の反力を圧力支持部材で受けて、前記緊張荷重以上の力でウェッジをウェッジ受けに押し込むことを特徴とするウェッジの押し込み方法。
JP2005226238A 2005-08-04 2005-08-04 ウェッジの押し込み装置およびウェッジの押し込み方法 Active JP4414948B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005226238A JP4414948B2 (ja) 2005-08-04 2005-08-04 ウェッジの押し込み装置およびウェッジの押し込み方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005226238A JP4414948B2 (ja) 2005-08-04 2005-08-04 ウェッジの押し込み装置およびウェッジの押し込み方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007040002A JP2007040002A (ja) 2007-02-15
JP4414948B2 true JP4414948B2 (ja) 2010-02-17

Family

ID=37798245

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005226238A Active JP4414948B2 (ja) 2005-08-04 2005-08-04 ウェッジの押し込み装置およびウェッジの押し込み方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4414948B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5352897B2 (ja) * 2009-01-30 2013-11-27 住友電工スチールワイヤー株式会社 緊張材の緊張方法、及び緊張材の緊張システム
JP5291051B2 (ja) * 2010-06-02 2013-09-18 極東鋼弦コンクリート振興株式会社 ウェッジの押し込み方法および装置
CN109518977B (zh) * 2018-12-26 2024-01-30 中国核工业二四建设有限公司 一种倒u型预应力钢绞线防滑脱装置及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007040002A (ja) 2007-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20180335061A1 (en) Coupler for connecting reinforcing steel bars
WO2011102332A1 (ja) 締結具
US8328491B2 (en) Fasteners and spacer rings therefor
EP1933046A2 (en) Integrated captive fastener system and method of assembling same
EA029465B1 (ru) Комбинация усиливающего соединительного элемента и устройства выравнивания колонн
AU2013201398A1 (en) Wooden member joint structure
US20110194901A1 (en) System for terminating helical piles and tiebacks
JP4414948B2 (ja) ウェッジの押し込み装置およびウェッジの押し込み方法
JP2010043939A (ja) 引張試験用部材、引張試験用部材付きファスナー、ファスナーの引張強度確認方法、ファスナーの施工方法、引張試験機
KR101583347B1 (ko) 앵커볼트 구조체
EP1427945A1 (en) Connectors
AU2010200780B2 (en) Fastening device for placement on a mounting rail
JP2009161938A (ja) ねじ締め機構及びこのねじ締め機構を用いた建築用仮組金具
JP2020001912A (ja) 結合ピン着脱治具及び結合ピン着脱方法
JP3168635U (ja) 仮設足場用手摺フレームの固定金具
JP2007247740A (ja) 結合部材緩み止め具
EP2877751B1 (en) Tensioning system with tensioning ring applicable therein
JP2018179101A (ja) 軸力部材の端部接合構造及びボルト
CN201952156U (zh) 前卡式预应力液压千斤顶
JP7253734B2 (ja) 支柱固定器具
CN109667386B (zh) 具有能够分离的螺栓的锚固楔及用其锚固预应力筋的方法
KR102079087B1 (ko) 배관의 흔들림방지버팀대용 어댑터 및 이를 이용한 배관연결장치
CN214656971U (zh) 一种新型抗拔快速连接结构
CN220523472U (zh) 预埋套管固定装置及预埋套管固定系统
CN214171087U (zh) 紧锁式双头螺柱

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20070320

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090312

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090717

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091116

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091120

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4414948

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131127

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250