JP2010043939A - 引張試験用部材、引張試験用部材付きファスナー、ファスナーの引張強度確認方法、ファスナーの施工方法、引張試験機 - Google Patents

引張試験用部材、引張試験用部材付きファスナー、ファスナーの引張強度確認方法、ファスナーの施工方法、引張試験機 Download PDF

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Kenzo Sarutani
賢三 猿谷
Masaaki Matsunuma
政明 松沼
Tadashi Karino
正 狩野
Ikuo Kato
育夫 加藤
Kiyonari Tsukamoto
清成 塚本
Yoji Hosokawa
洋治 細川
Shigeki Iwabuchi
茂樹 岩渕
Tsutomu Tobe
勉 戸辺
Kenji Matsumoto
健次 松本
Yosuke Kanehara
陽介 兼原
Kunihiro Shimizu
邦宏 清水
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SankoTechno Co Ltd
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Abstract

【課題】実際に使用するファスナー(本設ファスナー)についての引張試験を可能にし、しかも、本設ファスナーの引張強度の目視確認(本設のファスナーが目的の許容引張荷重を満たすか否かの目視確認)を実現する技術の提供。
【解決手段】ファスナー本体20に外挿してファスナー本体20の頭部22によって母材50に押さえ込むようにして固定した状態で、引張試験用の係合治具71を係合できるワッシャ状の引張試験用部材30、この引張試験用部材30を具備する引張試験用部材付きファスナー10、前記引張試験用部材30にファスナー本体20の軸線方向の引張荷重を作用させるファスナーの引張強度確認方法、ファスナーの施工方法、引張試験機を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ファスナーについて母材に対する固定後の引張試験を可能にするための引張試験用部材、引張試験用部材付きファスナー、ファスナーの引張強度確認方法、ファスナーの施工方法、引張試験機に関する。
あと施工アンカー工法によりコンクリートなどの母材に施工されたアンカーに対して、従来から、許容引張荷重を満足するか否かを確認する引張試験が行われている。この試験の方法としては、連結部材を介してアンカーのねじ部にセンターシャフトをセットし、このセンターシャフトの軸線方向に載荷可能な試験機を使用するものが周知となっている(例えば特許文献1)。
施工した状態において母材から突出するねじ部を有するあと施工アンカーに対しては従来の試験機にて試験可能であるが、ねじ部を有しないあと施工アンカーを試験する際は、予め首下に前記試験機の連結部材をセットした試験用アンカー(ダミーアンカー)を施工した後に、前記連結部材を前記試験機に連結した引張試験を行うことにより許容荷重の確認を行っている(例えば特許文献2)。
特許第3604107号公報 特許第2888553号公報
既述のように、前記ねじ部を有していないあと施工アンカーについては、試験用アンカー(ダミーアンカー)を施工して試験を行うことが一般的であり、本設アンカー近傍にてダミーアンカーを施工し試験を行うことにより、本設アンカーの使用可否の判断を行っている。この試験方式では、実際に使用するアンカーでの引張試験を行うことが出来ないといった不満があった。
また、この試験方式では、工事作業時間とは別に、試験用アンカー(ダミーアンカー)の施工に伴う足場の設置作業や試験済のダミーアンカーの撤去作業などの作業工程が増加しコストアップにつながるといった不満もある。例えば、列車用トンネルなどの現場では作業できる時間が限られるため、試験に要する時間が長いと、1回の現場作業で試験できる本数も限られてしまう。
また、従来の試験方法では、許容荷重(許容引張荷重)の確認試験を実施したとしても、試験後第3者が、どのアンカーを試験し合格したのかの判断を目視にて確認することができない。このことは、前記ねじ部を有していないあと施工アンカーに限定されるものではなく、前記ねじ部を有するあと施工アンカーについても共通する問題である。
上述の問題は、あと施工アンカーに限定されず、例えば、ボルト、リベットなどの各種のファスナーについて、許容引張荷重の確認を行う場合に共通して発生する。
本発明は、前記課題に鑑みて、実際に使用するファスナー(本設ファスナー)についての引張試験を可能にし、しかも、本設ファスナーの引張強度の目視確認(本設のファスナーが目的の許容引張荷重を満たすか否かの目視確認)を実現する引張試験用部材、引張試験用部材付きファスナー、ファスナーの引張強度確認方法、ファスナーの施工方法、引張試験機の提供を目的としている。
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
第1の発明は、母材に挿入されるピン状に構成されたファスナー本体を具備するファスナーの前記ファスナー本体に外挿して設けられて、前記ファスナー本体の片端に突設された頭部あるいは前記ファスナー本体に形成された雄ねじ部に螺着されたナットである外挿物押さえ部によって母材に押さえ込むようにして固定される板状部材であり、母材に対する前記ファスナーの固定後の引張試験に用いられる引張試験用部材であって、前記ファスナー本体を通すための本体挿通孔が貫通され、前記外挿物押さえ部によって母材に押さえ込むようにして固定される基板部と、前記基板部が前記外挿物押さえ部によって前記母材に対して固定された状態において前記ファスナー本体の軸線方向に作用する引張荷重を与えるための係合治具が係合される係合片部とを具備することを特徴とする引張試験用部材を提供する。
第2の発明は、前記係合片部は、前記基板部から立ち上げられた立ち上げ部に突設されてことを特徴とする第1の発明の引張試験用部材を提供する。
第3の発明は、円板状の前記基板部と、この基板部の外周の全周にわたって該基板部から立ち上げるように形成された前記立ち上げ部と、この立ち上げ部の前記基板部からの突出先端から該立ち上げ部の全周にわたって張り出されたフランジ状の突片である前記係合片部とを具備することを特徴とする第2の発明の引張試験用部材を提供する。
第4の発明は、前記基板部は、前記本体挿通孔と同心の仮想円周上の3以上の箇所に形成した孔あるいは凹所、又は/及び、前記仮想円周上に環溝状に形成した凹所、によって前記引張荷重に対する曲げ変形あるいは破断を生じやすくした部位である易破壊部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の引張試験用部材を提供する。
第5の発明は、前記基板部には、前記本体挿通孔と同心の仮想円周上に、該仮想円周に沿って延在する長孔が3以上の奇数個形成されていることを特徴とする第1〜4のいずれかの発明の引張試験用部材を提供する。
第6の発明は、前記ファスナーがあと施工アンカーであることを特徴とする第1〜5のいずれか発明の引張試験用部材を提供する。
第7の発明は、母材に挿入されるピン状に構成されその片端に頭部を有するファスナー本体と、このファスナー本体に外挿されて前記ファスナー本体の前記頭部によって前記母材に押さえ込むようにして固定される第1〜6のいずれかの発明の引張試験部材とを具備することを特徴とする引張試験用部材付きファスナーを提供する。
第8の発明は、母材に挿入されるピン状に構成されたファスナー本体と、このファスナー本体に形成された雄ねじ部に螺着されるナットと、前記ファスナー本体に外挿されて前記ナットによって前記母材に押さえ込むようにして固定される第1〜6のいずれかの発明の引張試験用部材とを具備することを特徴とする引張試験用部材付きファスナーを提供する。
第9の発明は、前記ファスナー本体に外挿して前記引張試験用部材と前記母材との間に挟み込まれるように設けられるワッシャを具備することを特徴とする第7又は8の発明の引張試験用部材付きファスナーを提供する。
第10の発明は、母材に挿入されるピン状に構成されたファスナー本体を具備するファスナーについて、前記母材に挿入して前記母材に固定した前記ファスナー本体の片端に突設された頭部あるいは前記ファスナー本体に形成された雄ねじ部に螺着されたナットである外挿物押さえ部によって、前記ファスナー本体の前記母材から突出された部分に外挿されたワッシャ状の板状部材である引張試験用部材を前記母材に押さえ込むようにして固定した状態とした後、前記引張試験用部材において前記ファスナー本体の頭部と前記母材との間に挟み込まれた部分である固定部から張り出された部分である試験用張り出し部に、前記引張試験用部材に曲げ変形を与えることができる大きさの引張荷重を前記ファスナー本体の軸線方向に作用させて引張試験を行うことを特徴とするファスナーの引張強度確認方法を提供する。
第11の発明は、前記ワッシャ状の板状部材である引張試験用部材として第1〜6のいずれかの発明の引張試験用部材を用いることを特徴とする第10の発明のファスナーの引張強度確認方法を提供する。
第12の発明は、前記引張試験用部材の前記張り出し部と前記母材との間に前記張り出し部に前記ファスナー本体の軸線方向の引張荷重を与える係合治具の係合用の隙間を確保するためのスペーサを前記ファスナー本体に外挿して、前記スペーサを前記引張試験用部材とともに前記外挿物押さえ部によって前記母材に押さえ込むようにして固定した状態とした後に、前記引張試験を行うことを特徴とする第10又は11の発明のファスナーの引張強度確認方法を提供する。
第13の発明は、母材に挿入されるピン状に構成されたファスナー本体を具備するファスナーについて、前記母材に挿入して前記母材に固定した前記ファスナー本体の片端に突設された頭部あるいは前記ファスナー本体に形成された雄ねじ部に螺着されたナットである外挿物押さえ部によって、前記ファスナー本体の前記母材から突出された部分に外挿されたワッシャ状の板状部材である引張試験用部材を前記母材に押さえ込むようにして固定した状態とした後、前記引張試験用部材において前記ファスナー本体の頭部と前記母材との間に挟み込まれた部分である固定部から張り出された部分である試験用張り出し部に、前記引張試験用部材に曲げ変形及び/又は破断を生じさせることができる大きさの引張荷重を前記ファスナー本体の軸線方向に作用させて引張試験を行うことを特徴とするファスナーの施工方法を提供する。
第14の発明は、前記ワッシャ状の板状部材である引張試験用部材として第1〜6のいずれかの発明の引張試験用部材を用いることを特徴とする第13の発明のファスナーの施工方法を提供する。
第15の発明は、第10〜12のいずれかの発明のファスナーの引張強度確認方法における引張試験、あるいは、第13又は14の発明のファスナーの施工方法にて前記引張試験用部材の前記試験用張り出し部に引張荷重を作用させる際に用いられる引張試験機であって、手動で移動操作可能な試験機本体と、この試験機本体に突設され前記引張試験用部材の前記試験用張り出し部に前記母材側から係合される係合治具と、前記試験機本体に設けられ、前記母材に当接される押圧部材の突出動によって前記試験機本体及び前記係合治具を前記母材から離隔させる引張荷重発生装置とを具備することを特徴とする引張試験機を提供する。
第16の発明は、第11の発明のファスナーの引張強度確認方法における引張試験、あるいは、第14の発明のファスナーの施工方法にて前記試験用部材の前記試験用張り出し部に引張荷重を作用させる際に用いられる第15の発明の引張試験機であって、前記係合治具は、前記引張試験用部材付きファスナーの前記引張試験用部材の前記係合片部の前記母材側に差し入れて前記係合片部に係合される係合板部を具備し、前記係合板部にはその外周の端面から該係合板部に切り込む凹形に形成され前記引張試験用部材の前記立ち上げ部を収納して該係合板部の前記係合片部に対する係合を実現するための立ち上げ部収納用切り欠き部が形成されていることを特徴とする引張試験機を提供する。
本発明によれば、母材に施工するファスナーのファスナー本体に、前記ファスナー本体の軸線方向に作用する引張荷重を与えて引張試験を行うための引張試験用部材を外挿し、ファスナー本体を母材に固定し、このファスナー本体に突設されている頭部あるいはファスナー本体の母材から突出される部分に形成されている雄ねじ部に螺着されたナットである外挿物押さえ部によって前記引張試験用部材を母材に押さえ込むようにして固定した状態で、この引張試験用部材の前記外挿物押さえ部と母材との間に挟み込まれている部分である固定部から外側に張り出す試験用張り出し部に前記固定部に対する曲げ変形を生じさせることができる大きさの前記引張荷重を作用させて引張試験を行うことで、実際に使用するファスナー(本設ファスナー)についての引張試験を可能にし、しかも、本設ファスナーの引張強度の目視確認(本設のファスナーが目的の許容引張荷重を満たすか否かの目視確認)を実現できるといった優れた効果が得られる。
以下、本発明を実施した引張試験用部材、引張試験用部材付きファスナー、引張試験機、ファスナーの引張強度確認方法の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態を説明する。
図1(a)、(b)は、本発明に係る引張試験用部材付きファスナー10(以下、単に、ファスナーとも言う)、引張試験用部材30(以下、単に、試験用部材とも言う)、ファスナー(引張試験用部材付きファスナー)の引張強度確認方法を説明する図であって、(a)は母材50に固定された前記ファスナー10の試験用部材30の試験用張り出し部23に引張試験用の係合治具71を係合した状態を示す図、(b)は(a)の係合治具71から作用させた引張荷重によって試験用部材30の試験用張り出し部23に曲げ変形を与えた状態を示す図である。
ここで説明する引張試験用部材付きファスナー10は、例えばあと施工アンカー、リベットといったファスナーに試験用部材30を設けたものである。
図1(a)は、前記ファスナー10の母材50から突出された端部付近を示す。
図1(a)に示すように、このファスナー10は、母材50に挿入して固定されるピン状に構成されたファスナー本体20を有するものであり、特に、前記ファスナー本体20として、その片端に、該ファスナー本体20に外挿したワッシャ40等の外挿物を母材50に押さえ込むようにして固定するための外挿物押さえ部として機能する頭部22が突設されている構成のものを用いたものである。
前記ファスナー本体20は、母材50に挿入される軸部21と、この軸部21の片端に突設された前記頭部22とを具備する。前記ファスナー本体20は、前記軸部21と頭部22とが一体に形成された1部品になっている。
ファスナー本体20の頭部22は、ファスナー本体20の片端を、円柱状あるいは円筒状の軸部21よりも太く形成したフランジ状になっている。この頭部22は、図示例ではその外周形状が軸部21と同心円状の円板状(中央部に孔が穿設されているものであっても良い)に形成されているが、これに限定されず、例えば、四角板状、六角板状等の多角形板状であっても良い。
図1(a)において、前記ファスナー10は、母材50に挿入された前記ファスナー本体20と、このファスナー本体20の軸部21に外挿された試験用部材30と、前記軸部21に外挿して前記試験用部材30を介して前記ファスナー本体20の前記頭部22の反対側に配置されたワッシャ40とを具備している。ファスナー本体20は、母材50に固定されている。ファスナー10が金属拡張アンカーに試験用部材10を設けたものである場合、ファスナー本体20(アンカー本体)の母材50に対する固定は、前記軸部21に設けられている拡張部の拡張による母材50に対する固着によって実現できる。前記試験用部材30及び前記ワッシャ40は、前記ファスナー本体20の頭部22によって母材50に押さえ込むようにして固定されている。
図示例の前記母材50は、例えばコンクリート製の壁、柱、梁等のコンクリート構造物である。以下、この母材50をコンクリート母材とも言う。
前記ファスナー10は、例えば、コンクリート母材の補強、複数層からなるコンクリート母材50の層間締結、コンクリート母材50に対する器物の固定等に用いることができる。コンクリート母材50に対する器物の固定は、例えば、ファスナー本体20の軸部21を貫通させた器物をワッシャ40と母材50との間に配置し、ファスナー本体20の頭部22によって試験用部材30及びワッシャ40とともに母材50に押さえ込むようにして固定する。
図2に示すように、前記試験用部材30は、1枚の金属板から形成された1部品になっており、円板状の基板部31と、この基板部31の外周の全周にわたって該基板部31から立ち上げるように形成された立ち上げ部32と、この立ち上げ部32の前記基板部31からの突出先端から該立ち上げ部32の外周全周にわたって張り出されたフランジ状の突片である係合片部33とを具備している。
前記基板部31の中央部には、前記ファスナー本体20の軸部21を通すための本体挿通孔34が貫通されている。この本体挿通孔34の内径はファスナー本体20の軸部21の外径φ1(図1(a)参照)よりも僅かに大きい。そして、この試験用部材30は、前記本体挿通孔34に前記ファスナー本体20の軸部21が通されることで、ファスナー本体20(詳細には軸部21)に外挿される。
図1(a)に示すように、図示例のファスナー10のファスナー本体20の頭部22は、その外径φ2が、軸部21の外径φ1及び試験用部材30の本体挿通孔34の内径よりも大きい円板状の突部に形成されている。
また、試験用部材30は、基板部31の両面のうち前記立ち上げ部32が突設されている側の面(押さえ面31a)が前記頭部22側となる向きでファスナー本体20に外挿される。試験用部材30の立ち上げ部32の内径D1は、ファスナー本体20の頭部22の外径φ2よりも大きく形成されており、前記試験用部材30は、立ち上げ部32によって取り囲まれた内側の空間である凹所35にファスナー本体20の頭部22を収納できる。このため、試験用部材30は、前記凹所35内に収納された前記頭部22によって前記基板部31が母材50に押さえ込まれるようにして母材50に対して固定される。
なお、図1(a)において、前記頭部22には、試験用部材30の平坦な前記押さえ面31aに押圧力を与える平坦な押圧面22aが形成されている。このため、図示例のように、頭部22は、押圧面22aを前記押さえ面31aに重ね合わせたとき、押さえ面31a全体で試験用部材30を確実に押さえ込んで母材50に固定できる。
試験用部材30を設けて前記ファスナー10を構成するあと施工アンカーとしては、例えば芯棒打ち込み式アンカー等の金属拡張アンカー、螺子固定式等の金属アンカー等を採用できる。また、内部コーン打ち込み式アンカーや本体打ち込み式アンカーも、コンクリート母材50に固着されるスリーブ状の本体にねじ込むボルトして頭部付きのボルトを採用することで、試験用部材30を外挿して前記ファスナー10を構成するあと施工アンカーとして用いることができる。
以下に、本発明に係る引張試験用部材付きファスナーの具体例(ファスナー10A、10B)を示す。
但し、本発明は、これら具体例に限定されるものではなく、母材に挿入されるピン状に構成されたファスナー本体の片端に頭部を有する構成のファスナーに広く適用できるものである。
図3、図4(a)、(b)に示したファスナー10Aは、前記ファスナー10の具体例であり、芯棒打ち込み式の金属拡張アンカーに引張試験用部材30を適用したものである。
図示例の前記ファスナー10Aは、スリーブ状の軸部21の片端に頭部22(外挿物押さえ部)を有するファスナー本体20(アンカー本体)と、このファスナー本体20に内挿された芯棒23と、前記ファスナー本体20の前記軸部21に外挿されるリング状の試験用部材30と、前記軸部21に外挿して前記試験用部材30を介して前記ファスナー本体20の前記頭部22の反対側に配置されるワッシャ40とを具備している。
前記ファスナー本体20は、前記軸部21と頭部22とが一体に形成された1部品になっている。試験用部材30及びワッシャ40は、ファスナー本体20の軸部21に該軸部21の前記頭部22とは反対側の端部(先端部)から挿入して外挿される。
このファスナー10A(引張試験用部材付きファスナー)は、全体としても、あと施工アンカー、金属拡張アンカー、芯棒打ち込み式アンカーとして機能する。
前記ファスナー本体20の軸部21の前記頭部22とは反対側の端部(先端部)は、該軸部21の中心軸線方向に沿って延在する複数の割り溝24によって複数に分割され前記芯棒23の打ち込みによって拡張される拡張部25とされている。
前記芯棒23は、ファスナー本体20の内部に該ファスナー本体20の中心軸線と一致する中心軸線を以て形成された芯棒収納穴26に挿入してファスナー本体20に内挿されている。前記芯棒収納穴26は、ファスナー本体20の頭部22側の端部(基端部)から前記拡張部25内に達するように形成されている。前記芯棒23は、前記芯棒収納穴26に対して、該芯棒収納穴26の前記ファスナー本体20の基端部に開口する開口部26aから挿脱可能になっている。前記芯棒収納穴26の前記開口部26aとは反対側の端部は先細り形状に形成されている。また、前記芯棒収納穴26に内挿された前記芯棒23の先端も先細り形状に形成されている。
そして、図5に示すように、このファスナー10Aは、母材50に穿設した下穴51に軸部21を挿入した状態で、ファスナー本体20の基端部側から前記芯棒23をハンマーなどで叩打して前記拡張部25に打ち込んで前記拡張部25を拡張させることで、コンクリート母材50に固着できる。これにより、ファスナー本体20の軸部21に外挿されている試験用部材30及びワッシャ40が頭部22によって母材50に押さえ込むようにして固定される。
図6に示すファスナー10Bは、ねじ軸部12の片端に頭部13を有する頭部付きボルト11と、この頭部付きボルト11の前記ねじ軸部12に螺着されたナット14とを具備し、ナット14の締め付けによって、前記頭部付きボルト11の頭部13とナット14との間に母材50を挟み込むようにして母材50に対して締結固定される構成のものである。前記頭部付きボルト11がファスナー本体として機能する。
図6においては、頭部付きボルト11の前記ねじ軸部12に外挿された試験用部材30とワッシャ40とを頭部付きボルト11の頭部13によって母材50に押さえ込むようにして固定している。
また、頭部付きボルト11のねじ軸部12は母材50に貫通され、前記頭部13とは反対側の端部(先端部)は母材50から突出されている。ナット14は、母材50から突出されたねじ軸部12の先端部に螺着されている。ナット14と母材50との間には、ねじ軸部12に外挿して設けられたワッシャ15が挟み込まれている。
(ファスナーの引張強度確認方法、引張試験機)
次に、母材に対する固定を完了済みの前記ファスナー10の引張強度確認方法(以下、単に、引張強度確認方法、とも言う)、引張試験機60について説明する。
ここで説明する引張強度確認方法は、図1(a)、(b)に示すように、ファスナー10の試験用部材30の係合片部33にファスナー本体10の軸線方向の引張荷重を作用させ(ファスナー10の母材50からの引き抜き方向に作用させる)て引張試験を行うものである。
図1(a)に示すように、前記ファスナー10の試験用部材30について、以下、基板部31のうちのアンカー本体20の頭部22と母材50との間に挟み込まれるようにして固定された部分(つまり、頭部22に重ね合わされた部分)を固定部36、この固定部36の外周から張り出された部分(つまり、試験用部材30において前記固定部36以外の部分全体)を試験用張り出し部37と称して説明する。
引張強度確認方法は、前記係合片部33の母材50側に係合治具71を係合させ、この係合治具71に前記ファスナー本体20の軸線方向に沿い前記母材50から離隔する方向の変位力を作用させることで、前記試験用張り出し部37に引張荷重を作用させて引張試験を行う。
前記係合治具71は、具体的には、図7に示す引張試験機60の試験機本体61に取り付けられている係合治具62である。
但し、本発明において、係合治具71としては、前記試験用張り出し部37に所望の引張荷重を作用させることができるものであれば良く、この点、必ずしも、前記引張試験機60の係合治具62に限定されるものではない。
前記引張試験機60について説明する。
図7に示すように、この引張試験機60は、手動で移動操作可能な試験機本体61と、この試験機本体61に突設され前記ファスナー10の前記試験用部材30の前記試験用張り出し部37の係合片部33に係合される係合治具62と、前記試験機本体61に設けられ、前記母材50に当接される押圧部材63の突出動によって前記試験機本体61及び前記係合治具62を前記母材50から離隔させる引張荷重発生装置64とを具備して構成されている。
前記試験機本体61には該試験機本体61を手動で移動操作するためのハンドル部611が突設されており、この引張試験機60は、全体が手動で移動操作可能な可搬型に構成されている。この引張試験機60は可搬型であるため、例えば足場上への持ち込み等も容易であり、また、ファスナー10の施工向きに関係無く引張試験を行えるという利点がある。
図8(a)、(b)に示すように、前記係合治具62は、試験機本体61に固定された固定板部621と、この固定板部621から前記試験機本体61とは反対の側(図8(a)において下側)に突出するC字形の突壁622(以下、C形突壁、とも言う)と、このC形突壁622の前記固定板部621からの突出先端からC形突壁622の内側に突設され前記試験用部材30の前記係合片部33の母材50側に係合される係合板部623とを具備する。
図8(b)に示すように、前記C形突壁622は、詳細には、半円状の半円壁部622aと、この半円壁部622aの両端から互いに平行に延出された延長壁部622bとを具備している。一対の延長壁部622bは、半円壁部622aの両端における該半円壁部622aの内周面の接線に沿って形成されている。
図8(a)、(b)に示すように、C形突壁622の内側の前記係合板部623には、前記試験用部材30の前記立ち上げ部32を収納して該係合板部623の前記係合片部33に対する係合を実現するための立ち上げ部収納用切り欠き部624(以下、単に、切り欠き部、とも言う)が形成されている。この切り欠き部624は、前記係合板部623の外周のうち、前記C形突壁622の外周面が不連続になっている部分である開口部、すなわち、一対の延長壁部622bの前記半円壁部622aからの延出先端間の中央部に位置する部分の端面から該係合板部623に切り込む凹形に形成されている。この切り欠き部624の内周面はC形突壁622の内周面から離隔されており、前記係合板部623は、C形突壁622の内周全周にわたって突設され該内周に沿って延在する帯板状になっている。
図8(a)、(b)に示すように、前記係合板部623は、母材50に対する固定を完了した前記ファスナー10の前記試験用部材30の側方から差し入れて前記切り欠き部624に前記試験用部材30の前記立ち上げ部32を収納することで、前記試験用部材30の前記係合片部33の母材50側に係合させることができる。
図8(a)に示すように、係合板部623の厚み寸法は、前記試験用部材30の前記立ち上げ部32を介して互いに離隔する基板部31と係合片部33との間の距離tよりも小さくしてある。このため、例えば図1(a)に示すように、試験用部材30の基板部31よりも外径が大きいワッシャ40を用いているファスナー10について引張試験を行う場合であっても、係合板部33を係合片部33とワッシャ40との間に確保される隙間に差し入れて係合片部33に係合させることができる。
なお、ワッシャ40としては、その外径が、試験用部材30の基板部31の外径と同等あるいは基板部31の外径よりも小さいものも使用可能であることは言うまでも無い。
図8(a)に示すように、前記係合板部623は前記固定板部621から離隔して設けられており、試験用部材30の前記係合片部33及びファスナー本体20の頭部22は、係合板部623と固定板部621との間に確保された空間625内に収納できるため、係合片部33及びファスナー本体20の頭部22が、係合治具62の係合板部623を試験用部材30の前記係合片部33の母材50側に係合させる作業の支障になることは無い。
なお、前記空間625は、例えば母材から突出する雄ねじ部を有するファスナー(例えば図16(a)、(b)〜図18(a)、(b)参照)について引張試験器60を用いて引張試験を行う際に、雄ねじ部に螺着されて試験用部材を母材に押さえ込むナットや、前記雄ねじ部の前記ナットを介して試験用部材とは反対側に突出した部分を収納することにも利用できる。空間625にナットや雄ねじ部を収納することで、試験用部材の係合片部に対する係合治具62(詳細には係合板部623)の係合を実現できる。
前記引張試験器60は、図7に示すように、前記係合治具62の前記係合片部33を前記試験用部材30の前記係合片部33の母材50側に係合させた状態で、引張荷重発生装置64の駆動力によって押圧部材63を突出動させて前記試験機本体61及び前記係合治具62を前記母材50から離隔させる(図9)ことで、試験用部材30の試験用張り出し部37に引張荷重を作用させる。
図7、図9に示すように、引張試験器60の前記押圧部材63は、試験器本体61から互いに平行に複数本(図示例では2本)突設された案内シャフト65に沿って移動する可動プレート631と、この可動プレート631に突設され前記係合治具62の両側に配置された一対の押圧突起632とを具備している。前記引張荷重発生装置64は、具体的には前記試験機本体61に設けられているシリンダ部612と、試験機本体61内に設けられ前記シリンダ部612に油圧を供給する電動油圧ポンプ641と、シリンダ部612に挿入されているピストン642とを具備し、前記電動油圧ポンプ641から前記シリンダ部612に供給された油圧によって前記ピストン642をシリンダ部612から突出動させるようになっている。
前記電動油圧ポンプ641は、図示略の電源から供給される電力によって駆動されて、試験機本体61内に設けられた油圧流路613を介して前記シリンダ部612に油圧を供給する。この電動油圧ポンプ641は、試験機本体61に設けられた操作ボタン614の押し込み操作によって駆動を開始して前記シリンダ部612に油圧を供給する。操作ボタン614の押し込み中は電動油圧ポンプ641の駆動が継続する。前記押し込み操作を中止すれば電動油圧ポンプ641の駆動が停止する。
図7、図9に示すように、前記ピストン642は、ピストンロッド642aと、このピストンロッド642aの片端(基端)に突設され前記シリンダ部612内に収納されたピストンヘッド642bとを具備している。前記ピストンヘッド642bはピストンロッド642aよりも太く形成されており、ピストンロッド642aの基端からフランジ状に張り出されている。
ピストンロッド642aの前記ピストンヘッド642bとは反対側の端部(先端部)は前記シリンダ部612の軸線方向片端(以下、先端)から突出されており、複数本の前記案内シャフト65と平行に配置されている。前記案内シャフト65は、前記シリンダ部612の先端から前記シリンダ部612の軸線方向に沿って延在するように設けられている。また、押圧部材63は、ピストンロッド642aの先端部に連結されており、ピストン642と一体的にシリンダ部612の軸線方向に沿って移動する。
なお、係合治具62は、案内シャフト65の前記シリンダ部612からの突出先端に固定されている。係合治具62の前記係合板部623は、シリンダ部612の軸線に垂直の向きで延在している。押圧部材63はシリンダ部612と係合治具62との間を移動する。
電動油圧ポンプ641は、シリンダ部612を介して前記案内シャフト65、係合治具62、押圧部材63とは反対側に配置されている。図7〜図9に例示した引張試験機60の試験機本体61は、シリンダ部612の軸線方向に沿って細長に形成された主機体部615を有しており、前記シリンダ部612及び前記電動油圧ポンプ641は前記主機体部615に設けられている。シリンダ部612は、前記主機体部615の前記ハンドル部611が突設されている基端部とは反対の先端部に設けられている。ピストンロッド642aは、シリンダ部612の先端側に設けられているロッドカバー部612aに貫設されたロッド挿通孔612a1に通して設けられており、その先端側がシリンダ部612から突出されている。ピストンロッド642aの先端部及び案内シャフト65は、主機体部615の先端、具体的にはロッドかバー部612aから突出されている。
図7に示すように、前記ピストン642は、前記電動油圧ポンプ641からシリンダ部612への油圧供給を行っていないときは、前記シリンダ部612内に設けられたスプリング643の弾性によってピストンヘッド642bがシリンダ部612の基端側(先端とは反対側)に配置される。このときの位置を、以下、初期位置と言う。このとき、押圧部材63は、シリンダ部612の軸線方向における押圧突起632の先端位置が、係合治具62の前記係合板部623の前記主機体部615とは反対側の面627と揃うか、あるいは、前記係合治具62の先端面627よりも主機体部615側となる。
係合治具62の前記係合板部623を前記試験用部材30の前記係合片部33の母材50側に係合させた後、引張試験機60の操作ボタン614を押し込み操作して引張荷重発生装置64の電動油圧ポンプ641を駆動し、シリンダ部612への油圧供給を開始したとき、シリンダ部612に供給された油圧によって、初期位置にあったピストン642がスプリング643の弾性に抗してシリンダ部612の先端側に移動され、シリンダ部612からのピストンロッド642aの突出量が増大する。ピストンロッド642aの突出量の増大に伴い、押圧部材63が突出動(主機体部615、シリンダ部612から離隔)され、押圧部材63の押圧突起632の先端が係合治具62(詳細には前記係合板部623の面627)を介して主機体部615、シリンダ部612とは反対の側に突出される。この結果、前記試験機本体61及び前記係合治具62が前記母材50から離隔され(図9参照)、試験用部材30の試験用張り出し部37に引張荷重が載荷される。これにより、母材50に固定済みのファスナー10について引張試験を行うことができる。
図7、図9に示すように、図示例の引張試験機60の前記ピストン642には、該ピストン642の基端側の端面、すなわち、シリンダ部612の基端側を塞いでいるカバー部612bのシリンダ部612内側の面612c(以下、内面)に臨む端面642c(以下、基端側端面)に開口する収納孔642dが形成されている。この収納孔642dには、シリンダ部612内に設けられた可動シャフト647が内挿されている。図示例の引張試験機60の引張荷重発生装置64は、前記ピストン642の前記収納孔642dに挿入された可動シャフト647も具備している。
前記可動シャフト647は、棒状のシャフト本体647aと、このシャフト本体647aの長手方向一方の端部(先端部)に突設されたフランジ状の係止突部647bと、シャフト本体647aの前記係止突部647bとは反対側の端部(基端部)に突設されたプレート状のシールプレート部647cとを具備して構成されている。
前記シールプレート部647cはシャフト本体647aの基端部からフランジ状に張り出されている。また、このシールプレート部647cは、ピストン642の基端側端面642cに開口する前記収納孔642dに入り込まないサイズに形成されており、可動シャフト647のピストン642に対するピストンロッド642a先端側への移動限界位置を決めるストッパとしても機能する。また、図示例のシールプレート部647cは具体的には円板状に形成されている。
前記収納孔642dは、ピストンロッド642aの軸線方向に延在するようにして形成されている。また、この収納孔642dは、ピストン642の基端側端面642cに開口する前記開口部642eとは反対側(奥端側)の端部がピストンロッド642a内に位置する非貫通孔になっている。
前記収納孔642dは、前記可動シャフト647の係止突部647bをピストンロッド642aの軸線方向に移動可能に収納する主孔部642gと、該収納孔642dの前記開口部642e及びその付近を構成する部分であり主孔部642gよりも内径を小さく形成されたシャフト挿通孔部642fとを具備する。
前記可動シャフト647は、前記シャフト本体647aを前記収納孔642dの前記シャフト挿通孔部642fに通し、前記係止突部647bを前記収納孔642dの前記主孔部642g内に収納し、ピストン642の基端側端面642cとシリンダ部612の基端側を塞いでいるカバー部612bとの間に前記シールプレート部647cを配置して、前記ピストン642に対して前記収納孔642dの軸線方向に移動自在に設けられている。
また、この可動シャフト647には、該可動シャフト647を貫通してその長手方向両端に開口する内部流路647dが形成されている。
前記内部流路647dの可動シャフト647基端側の開口部は、可動シャフト647の基端側の端面、すなわちシールプレート部647cにおいてカバー部612bの内面612cに対面する面647e(以下、対向面)に開口されている。
この内部流路647dは、図9に示すように、シールプレート部647cが、シリンダ部612の基端側を塞いでいるカバー部612bの内面612cから離隔したときに、シリンダ部612内においてピストンヘッド642bを介してシリンダ部612基端側の領域(以下、基端側領域612A)からピストン642内の前記主孔部642gへの油圧の供給(オイルの流入)を実現するためのオイル流路として機能する。
図示例の引張試験機60にあっては、電動油圧ポンプ641からシリンダ部612内への油圧供給を行っていないときは、図7に示すように、ピストン642がスプリング643の弾性によってカバー部612b方向に付勢されることで、ピストン642のピストンヘッド642bと前記カバー部612bとの間に可動シャフト647のシールプレート部647cが挟み込まれる。このときのピストン642の位置が初期位置である。ピストン642が初期位置にあるとき、ピストン642の基端側端面642cは前記カバー部612bの内面612cから離隔されている。このとき、初期位置のピストン642の基端側端面642cと前記カバー部612bの内面612cとの間に基端側領域612Aとして確保される領域を、以下、油圧導入部612dとも言う。
また、このとき、可動シャフト647のシールプレート部647cがスプリング643の弾性によって前記カバー部612bの内面612cに押さえ込まれることで、可動シャフト647の前記内部流路647dの可動シャフト647基端側の開口部の周囲がシールされて、前記油圧導入部612d内のオイルは内部流路647dに流入しない。
また、ピストン642の基端側端面642c(ピストンヘッド642bの基端側端面)には、可動シャフト647のシールプレート部647cに当接してシールプレート部647cを前記カバー部612bの内面612cに押さえ込むための押さえ突起642i(図9参照)が突設されている。ピストン642が初期位置にあるときには、可動シャフト647のシールプレート部647cはピストンヘッド642bの基端側端面642cに突設されている前記押さえ突起642iによって、ピストン642の基端側端面642cとシールプレート部647cとの間に油圧導入部612d内のオイルが入り込む隙間が確保されるようになっている。
なお、押さえ突起642iとしてはピストンヘッド642bに突設された金属製の突壁(剛体)であっても良いが、ここでは板ばね状の弾性片からなる押さえ突起642iを採用しており、ピストン642が初期位置にあるときには押さえ突起642iはスプリング643の弾性によって弾性変形される(図9の状態に比べて基端側端面642cからの突出寸法が縮小する)。
図7、図9に示すように、シールプレート部647cの対向面647eの外周には、カバー部612bの内面612cに当接されるシール突起647fが突設されている。前記内部流路647dの可動シャフト647基端側の開口部は、シール突起647fによって取り囲まれた内側の対向面647eに開口されている。シールプレート部647cは、スプリング643の弾性によってカバー部612bの内面612cに向けて押圧されたとき、前記シール突起647fがその全周にわたって前記カバー部612bの内面612cに当接されることで、シリンダ部612内の基端側領域612Aから内部流路647dへのオイル流入を阻止するシール性を良好に確保することができる。
電動油圧ポンプ641からシリンダ部612内への油圧供給が停止されている状態にて、引張試験機60の操作ボタン614を押し込み操作して引張荷重発生装置64の電動油圧ポンプ641を駆動し、シリンダ部612への油圧供給を開始すると、電動油圧ポンプ641からシリンダ部612内の基端側領域612Aに供給された油圧によって、初期位置にあったピストン642がスプリング643の弾性に抗して移動され、ピストンヘッド642bが初期位置からシリンダ部612の先端側に移動するとともに、シリンダ部612からのピストンロッド642aの突出量が増大する。
ピストン642の移動に伴い、シリンダ部612内の基端側領域612Aが拡大(基端側領域612Aのシリンダ部612の軸線方向における寸法が拡大する)するとともに、シリンダ部612内においてピストンヘッド642bからシリンダ部612先端側の領域(ピストンヘッド642bとロッドカバー部612aとの間の領域)である先端側領域612B内に収納して前記ピストンヘッド642bとシリンダ部612の先端側のロッドカバー部612aとの間に介装されている前記スプリング643が押し縮められていく。
但し、このとき、前記可動シャフト647は、シールプレート部647cの周囲の油圧によって該シールプレート部647cがカバー部612bに押さえ込まれた状態が維持され、後述のように、ピストン642の収納孔642dのシャフト挿通孔部642fの周囲の壁部である係合壁642hが可動シャフト647の係止突部647bに係合して可動シャフト647をシリンダ部612の先端側に移動するまで、ピストン642に追従移動しない。
なお、収納孔642dの内面と可動シャフト647のシャフト本体647aの外周面との間は、ピストン642の収納孔642d内面側に取り付けられたOリング等のシール部材(図示略)によってシールされているため、可動シャフト647に対するピストン642の移動が生じても、基端側領域612A内のオイルが収納孔642d内面とシャフト本体647a外周面との間を経由して収納孔642dの主孔部642gに流入することはない。
電動油圧ポンプ641からシリンダ部612への油圧供給によって、シリンダ部612内の基端側領域612Aの内圧が上昇しても、基端側領域612A内のオイルの内部流路647dへの流入が生じなければ、可動シャフト647の内部流路647d内の油圧は上昇しないため、基端側領域612A内の油圧に比べて内部流路647d内の油圧の方が低い状態となる。図示例の構成では、シールプレート部647cのシール突起647fの内側全体が内部流路647dと同様に基端側領域612A内の油圧に比べて内圧が低い状態にあること、及び、ピストン642の基端側端面642cとシールプレート部647cとの間の隙間に基端側領域612A内のオイルが入り込むことにより、基端側領域612A内の油圧が、シールプレート部647cをカバー部612bに押さえ込む押圧力として有効に作用する。
図7に示すように、ピストン642が初期位置にあるとき、可動シャフト647の係止突部647bとピストン642の前記係合壁642hとの間に距離Xが確保される。シリンダ部612の基端側領域612Aへの油圧供給による、初期位置からシリンダ部612先端側へのピストン642の移動は、図9に示すように、前記係合壁642hが可動シャフト647の係止突部647bに係合して可動シャフト647をシリンダ部612の先端側に移動することで自動的に停止する。
図9に示すように、前記係合壁642hが可動シャフト647の係止突部647bに係合して可動シャフト647をシリンダ部612の先端側に移動すると、可動シャフト647のシールプレート部647cがカバー部612bの内面612cから離隔されて、基端側領域612A内のオイルが可動シャフト647の内部流路647dを経由してピストン642の収納孔642dの主孔部642gに流入する。主孔部642g内のオイルは、ピストンロッド642aの外周面と前記主孔部642gとの間のピストンロッド642a壁部を貫通する連通孔642jからシリンダ部612の先端側領域612Bに流出可能である。また、試験機本体61には先端側領域612B内のオイルを電動油圧ポンプ641に返送するための返送流路646が設けられており、先端側領域612Bには前記返送流路646が連通されているため、先端側領域612B内の油圧は返送流路646に排圧される。したがって、基端側領域612A内の油圧が主孔部642gを介して排圧されることになる。
これにより、基端側領域612A内の油圧が低下して、スプリング643の弾性によりピストン642がシリンダ部612の基端側に移動される。
図示例の引張試験機60、引張荷重発生装置64の場合、上述のように、カバー部612bの内面612cに押し付けられていたシールプレート部647cが可動シャフト647のシリンダ部612先端側への移動によってカバー部612bの内面612cから離隔されて、基端側領域612A内のオイルが可動シャフト647の内部流路647dに流入可能となるとき、ピストンロッド642aのシリンダ部612からの突出量が最大となる。
なお、引張試験機60、引張荷重発生装置64は、シールプレート部647cが可動シャフト647のシリンダ部612先端側への移動によってカバー部612bの内面612cから離隔されたときに、シリンダ部612のロッドカバー部612aにピストンヘッド642bが当接せずかつスプリング643の押し縮めが該スプリング643の圧縮限界に達しないように、ピストンヘッド642bがロッドカバー部612aから離隔された位置にあるように構成する。
前記内部流路647d、主孔部642gを介してなされる基端側領域612A内の油圧の排圧は、ピストン642が初期位置に復帰して、シールプレート部647cをカバー部612bの内面612cに押さえ込むまで継続される。このため、電動油圧ポンプ641からシリンダ部612への油圧供給を継続していても、ピストン642は初期位置に復帰する。
この引張試験機60、引張荷重発生装置64によれば、カバー部612bの内面612cに押し付けられていたシールプレート部647cがピストン642の移動によってカバー部612bの内面612cから離隔されれば基端側領域612A内の油圧が低下するので、例えば、母材に固定したファスナーの引張試験において、試験用部材の試験用張り出し部の固定部に対する曲げ変形によって試験用部材に対する係合治具62の係合が解除されたり、試験用張り出し部と固定部との間の破断が生じたり、母材からファスナーが引き抜かれたときに、急動したピストン642が該ピストン642のシリンダ部612先端側への可動限界位置(図示例ではピストンヘッド642bによって押圧されて押し縮められるスプリング643が圧縮限界に達する位置)に達することに起因する引張試験機60の振動を緩和あるいは殆ど解消することができる。
なお、本発明にあっては、ピストンヘッド642bがロッドカバー部612aに当接してもスプリング643が圧縮限界に達しないようにスプリング643の配置位置を変更した構成としても良く、この場合は、ピストンヘッド642bがロッドカバー部612aに当接する位置を前記可動限界位置とする。
操作ボタン614の押し込み操作を中止すれば、電動油圧ポンプ641の駆動が停止する。そして、基端側領域612A内の油圧の低下に伴い、スプリング643の弾性によってピストン642がシリンダ部612の基端側に移動され、前記初期位置に復帰する。
図8(b)に示すように、係合治具62の前記係合板部623は、前記切り欠き部624に前記試験用部材30の前記立ち上げ部32を収納することで前記立ち上げ部32を囲繞するように配置され、試験用部材30の係合片部33に係合させることができる。この結果、この引張試験機60によってファスナー10に与える引張荷重はファスナー本体20の軸線方向に作用し、ファスナー本体20を傾動させることなく正常に引張試験を行える。
なお、引張試験機60のピストン642の移動ストロークは、試験用部材30の半径とほぼ同等あるいはそれ以上の長さとすることが好ましい。これにより、試験用部材30の試験用張り出し部37に目視確認が容易な程度の曲げ変形を確実に与えることができる。
前記係合治具62は、試験機本体61に対して着脱可能である。このため、この引張試験機60にあっては、ファスナー10のサイズ、特に、試験用部材30の立ち上げ部32の外径に応じて、試験用部材30の係合片部33に対する係合を実現できる係止板部623を有する係合治具62を選択して試験機本体61に取り付けることができる。
図8(a)、(b)に示すように、図示例の引張試験機60においては、係合治具62は、具体的には、試験機本体61に突設されている案内シャフト65の先端に螺着したボルト66の締め付けによって案内シャフト65に固定されている。前記ボルト66は回転操作によって案内シャフト65に対して着脱可能であり、ボルト66を案内シャフト65から離脱させると、係合治具62を案内シャフト65から離脱させることができる。このため、試験機本体61に対する係合治具62の着脱を簡単に行うことができる。
あと施工アンカーであるファスナー10としては、試験用部材30として、前記母材50に固着させたファスナー10が母材50からの引き抜き至る限界の引張荷重(以下、引張最大荷重。換言すれば、ファスナーの引張試験によって得られる引張荷重の最大値)よりも小さい引張荷重によって前記試験用張り出し部37に前記固定部36に対する曲げ変形が生じるものを用いる。
また、試験用部材30としては、前記母材50に固着させたファスナー10の変位が弾性限度に達する引張荷重(後述の弾性限度引張荷重)よりも小さい引張荷重によって前記試験用張り出し部37に前記固定部36に対する曲げ変形が生じるものを用いることが好ましい。
母材に固着したあと施工アンカーについては、母材からの引き抜き方向の引張荷重(アンカー本体の軸線方向の引張荷重)に対して、アンカー及び母材の変形によるアンカーの変位が引張荷重の載荷後の除荷によって載荷前の状態に弾性復帰可能な弾性限度の引張荷重(以下、弾性限度引張荷重)が得られることが知られている。弾性限度引張荷重は、引張最大荷重よりも小さい(低い)ことが普通である。
アンカーに載荷する(作用させる)引張荷重の大きさが弾性限度引張荷重以下であれば、引張荷重を除荷すれば載荷前の状態が復元される。この弾性限度引張荷重を超える大きさの引張荷重を載荷したときには母材に対してアンカーのスリップが生じ、引張荷重を除荷しても載荷前の状態が復元されなくなる。
あと施工アンカーの使用時の許容引張荷重(長期静荷重)は、引張最大荷重よりも低く設定される。本発明に係るあと施工アンカーであるファスナー10(引張試験用部材付きファスナー)についても許容引張荷重の設定は同様であり、例えば前記弾性限度引張荷重の5〜50%程度に設定する。但し、弾性限度引張荷重はこの範囲に限定されるものではない。
ファスナー10の引張試験においてファスナー10に作用させる引張荷重を、以下、試験荷重とも言う。引張試験においては、ファスナー10に、その許容引張荷重よりも大きく前記引張最大荷重(より好ましくは前記弾性限度引張荷重)よりも小さい大きさの引張荷重(試験荷重)を作用させる。前述の引張試験器60は、ファスナー10にその許容引張荷重よりも大きく前記引張最大荷重(より好ましくは前記弾性限度引張荷重)よりも小さい大きさの引張荷重(試験荷重)を作用させることができるものを用いる。試験用部材30としては、この引張試験にて作用させる引張荷重(試験荷重)によって前記試験用張り出し部37に前記固定部36に対する曲げ変形が生じるものである必要がある。
ファスナー10の母材50に対する固着力によって所期の許容引張荷重を確保できる引張強度が得られている場合は、上記引張試験によって、試験用部材30の試験用張り出し部37に前記固定部36に対する曲げ変形が生じる(図1(b)参照)。試験用張り出し部37の曲げ変形は、主として、試験用張り出し部37の前記固定部36との境界付近に集中的に生じるため、図1(b)に示すように、試験用張り出し部37は固定部36から立ち上げるように変形する。このため、ファスナー10に許容引張荷重を確保できる引張強度が得られていることを目視で簡単に確認することができる。
一方、ファスナー10に所期の許容引張荷重を確保できる引張強度が得られていない場合は、ファスナー本体20に母材50に対する変位が生じて、試験用部材30の試験用張り出し部37に前記固定部36に対する曲げ変形が殆どあるいは全く発生しない。したがって、ファスナー10に所期の許容引張荷重を確保できる引張強度が得られていないことも、目視で簡単に確認することができる。
本発明によれば、試験用部材を具備するファスナー10(引張試験用部材付きファスナー)の採用によって、ファスナー10自体について直接、引張試験を行うことができ、これにより引張強度の確認、すなわち、許容引張荷重を確保できる引張強度が得られているか否かの確認を行うことができる。しかも、試験後の試験用部材30の試験用張り出し部37の曲げ変形の目視確認によって、許容引張荷重を確保できる引張強度が得られているか否かの確認を目視で簡単かつ迅速に行うことができる。
本発明によれば、ファスナー10自体について直接、引張試験を行って、コンクリート母材に施工(固定)した全てのファスナー10について個々に強度確認を行えるため、工事に高い信頼性を得ることができる。
従来のダミーアンカーの施工は、施工したダミーアンカーの引張試験によって擬似的に本設のアンカーの強度(引張強度)確認を行うものであるものであるが、本発明によれば、試験用部材を具備するファスナー(引張試験用部材付きファスナー)の採用により、母材50に固定済みのファスナー10自体について引張試験を実施することで直接に強度確認を行えるので、本設のアンカーの強度(引張強度)確認のためのダミーアンカーの施工及び引張試験が不要となる。また、このダミーアンカーの施工に伴う足場の設置作業や試験済のダミーアンカーの撤去作業などの作業工程も不要になり、作業時間の短縮及び低コスト化を実現できる。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態を説明する。
図10(a)、(b)は、この実施形態のファスナー102(引張試験用部材付きファスナー)、試験用部材30A(引張試験用部材)、ファスナー(引張試験用部材付きファスナー)の引張強度確認方法を説明する図であって、(a)は母材50に固定された前記ファスナー102の試験用部材30Aの試験用張り出し部23に引張試験用の係合治具71を係合した状態を示す図、(b)は(a)の係合治具71から作用させた引張荷重によって試験用部材30Aの試験用張り出し部23に曲げ変形を与えた状態を示す図である。
また、図11(a)、(b)、(c)は、前記試験用部材30Aを示す図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図である。図12(a)、(b)は、試験用部材の別態様(試験用部材30B、30C)を示す。
図11(a)、(b)、(c)、図12(a)、(b)に示すように、この実施形態にて用いる試験用部材は、本体挿通孔34が形成された円板状の基板部を有する点で、第1実施形態にて説明した試験用部材30と共通するが、前記基板部は、その中央部に形成された本体挿通孔34と同心の仮想円周38上に配列されるようにして3以上の孔39が形成されたものである点で第1実施形態にて説明した試験用部材30と異なる。換言すれば、ここで説明する試験用部材は、第1実施形態にて説明した試験用部材30の基板部31の本体挿通孔34と同心の仮想円周38上に3以上の孔39を配列形成した構成となっている。
なお、ここで説明する試験用部材の基板部は、その外周が、本体挿通孔34と同心の円周を形成する点でも、第1実施形態にて説明した試験用部材30と共通する。
また、図中、第1実施形態と同様の構成部分については共通の符号を付す。
この実施形態の試験用部材の前記基板部において、前記孔39は、互いに同じサイズのものが、仮想円周38上の3以上の箇所に等間隔で配列されるようにして均等に形成される。
また、孔39の形成数は、3以上の奇数個であることが好ましい。
図11(a)、(b)、(c)に示す試験用部材30Aは、第1実施形態の試験用部材30の基板部31に、前記仮想円周38に沿って延在する長孔39a(孔39)を、仮想円周38上に等間隔で配列されるようにして3以上の奇数個(図示例では5個)形成したものである。各長孔39aは、互いに同じサイズに形成されている。試験用部材30Aの基板部に図中符号31Aを付す。
各長孔39aの幅W、すなわち、前記基板部31Aの径方向(本体挿入孔34の中心軸線を中心とする径方向)における寸法は互いに同じに揃えられており、各長孔39aの基板部31A径方向における形成範囲は前記仮想円周38の半径±1/2Wに揃えられている。
また、各長孔39aは、基板部31Aの押さえ面31a(図10(a)に示すように、ファスナー本体20の外挿物押さえ部(具体的には頭部22)を収納するための凹所35に臨む面)の外周及び該押さえ面31aの内周(本体挿通孔34の外周)から離隔させて形成されている。前記仮想円周38は、前記基板部31Aにおいて、該基板部31Aの内周(本体挿通孔34の外周)と押さえ面31aの外周との間の中央部に位置している。
この試験用部材30Aの基板部31Aに形成された長孔39aの長さ寸法Lの合計、すなわち、ひとつの長孔39aの前記仮想円周38に沿う方向の延在長(長さ寸法L)と試験用部材30Aに形成された長孔39aの形成数nとから算出されるL×nの値は、前記仮想円周38の全長の50%以上になっている。
さらに詳しくは、前記L×nの値は、前記仮想円周38の全長の50%よりも大きく、70%以上になっている。このため、隣り合う長孔39aの間の離隔距離aは長孔39aの長さ寸法Lよりも小さくなっている。
図10(a)、(b)に例示した実施形態のファスナー102は、前記試験用部材30にかえて図11(a)、(b)、(c)に示す試験用部材30Aを用いた点が前記第1実施形態と異なる。前記試験用部材30Aを用いたこと以外は前記第1実施形態のファスナー10と同様である。
図中、第1実施形態と同様の構成部分については共通の符号を付す。
このファスナー102についても、試験用部材30Aの係合片部33に係合治具71を係合させ、該ファスナー102の軸線方向に引張荷重を作用させることで、第1実施形態と同様に引張試験を行うことができる。引張試験に既述の引張試験器60を使用できることも言うまでも無い。
試験用部材30Aは、立ち上げ部32の内側の凹所35に収納したファスナー本体20の頭部22によって基板部31Aを母材50に押さえ込むようにして、母材50に対して固定される。
ファスナー102は、ファスナー本体20の頭部22を基板部31Aに当接(頭部22の押圧面22aを基板部31Aに重ね合わせる)させたときに、ファスナー本体20の頭部22の外周(詳細には押圧面22aの外周)の全周が、前記仮想円周38の半径−1/2W(Wは長孔39aの幅)を半径とする仮想円周である内周側仮想円周38aと一致するか、あるいは、前記仮想円周38の半径+1/2Wを半径とする仮想円周である外周側仮想円周38bと前記内周側仮想円周38aとの間の範囲に位置するように構成されている。
そして、このファスナー102は、図10(a)に示すようにファスナー本体20をコンクリート母材50に固定し、頭部22によって試験用部材30Aを母材50に押さえ込むようにして固定した状態において第1実施形態と同様に引張試験を行ったとき、試験用部材30Aのうちの前記基板部31Aの前記内周側仮想円周38aと前記外周側仮想円周38bとの間にて隣り合う長孔39aの間に位置する部分(後述の橋絡部313)に、引張荷重に対する応力が集中的に作用して、橋絡部313の曲げあるいは破断(図10(b)参照)が生じるようになっている。試験用部材30Aの前記橋絡部313以外の部分の変形は殆どあるいは全く生じない。
したがって、このファスナー102についても、引張試験を行って引張試験後の状態を観察することによって、許容引張荷重を確保できる引張強度が得られているか否かの確認を目視で簡単に行うことができる。
試験用部材30Aのうちの前記基板部31Aの前記内周側仮想円周38aと前記外周側仮想円周38bとの間にて隣り合う長孔39aの間に位置する部分は、基板部31Aにおいて長孔39aによって取り囲まれた内側領域311(本体挿通孔34と内周側仮想円周38aとの間に位置する部位)と、長孔39aから外周側に位置する外側領域312(基板部31Aの押さえ面31a外周と外周側仮想円周38bとの間に位置する部位)との間を橋絡する橋絡部313として機能する。
このファスナー102は、試験用部材30Aの橋絡部313の仮想円周38に沿う方向の寸法と、引張試験にて載荷する引張荷重の設定とによって、引張試験の引張荷重によって橋絡部313が破断されるように構成することが、試験後の美観確保の点で好ましい。
また、この実施形態では、引張試験の引張荷重によって橋絡部313が破断されるように構成するために、試験用部材30Aの長孔39aの数を選択することも可能である。
前記橋絡部313は、易破壊部として機能する。
試験用部材30Aの長孔39aの数が奇数個であることは、係合治具71を係合して引張荷重を作用させるにあたり、試験用部材30Aの基板部31Aのファスナー本体20の頭部22と母材50との間に挟み込まれた部分である固定部36と、この固定部36から外側に張り出されている試験用張り出し部37との境界に作用させる引張荷重の均等化に有利である。
本発明者が行った試験の結果、長孔39aの数が5つである場合、固定部36と試験用張り出し部37との境界に作用させる引張荷重の均等化に極めて有利であることを把握できた。例えば、既述の引張試験機60を用いて引張試験を行う場合、係合治具として図8(a)、(b)に例示した係合治具62を使用したときに、固定部36と試験用張り出し部37との境界に作用させる引張荷重の均等化により、試験用部材30Aの全ての橋絡部313を同時(あるいはほぼ同時)に破断させることができる。
なお、試験用部材の基板部に形成する長孔39aの数は、上述の5つに限定されず、例えば、図12(a)に示すように3つ、あるいは、7以上の奇数個であっても良い。
また、この実施形態では、図12(b)に示すように、仮想円周38上に5つ以上の奇数個の丸孔39b(孔)を形成した構成としても良い。この場合も、試験用部材の基板部において隣り合う丸孔39bの間に位置する部分が、基板部において丸孔39bによって取り囲まれる内側の領域(内側領域)と外側の領域(外側領域)とを橋絡する橋絡部(易破壊部)として機能する。丸穴を採用する場合は、6以上の偶数個の丸穴を形成した構成としても良い。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態を説明する。
ここでは、基板部に引張荷重に対する曲げ変形あるいは破断を生じやすくする凹所を形成した試験用部材(引張試験用部材)を説明する。ここで説明する試験用部材は、第1実施形態の引張試験用部材付きファスナーの試験用部材30にかえてファスナー本体20に外挿して使用することができる。引張試験も第1実施形態と同様に行うことができる。引張試験に既述の引張試験器60を使用できることも言うまでも無い。
図13(a)、(b)に示す試験用部材30Dは、図11(a)、(b)、(c)を参照して説明した試験用部材30Aについて長孔39aにかえて前記仮想円周38に沿って延在する細長の凹所39dを採用したものである。凹所39d以外の構成は、第2実施形態の試験用部材30Aと同様であり、図13(a)、(b)中、図11(a)、(b)、(c)と共通の部分に共通の符号を付す。
符号31Dはこの試験用部材30Dの基板部である。前記凹所39dは、基板部31Dをその厚み方向に貫通していない非貫通の凹み部である。
図示例の試験用部材30Dの前記凹所39dは前記仮想円周38の5箇所に均等に配置するようにして形成されている。但し、凹所39dの形成数は、5個以外、3個、あるいは7以上の奇数個であっても良い。
また、前記凹所39dは、基板部31Dの押さえ面31Da、すなわち、基板部31Dの両面のうち立ち上げ部32が突設されている側の面から窪む凹み部として形成されている。そして、この試験用部材30Dは、基板部31Dの前記凹所39dの形成によって薄肉に形成されている部分が、基板部31Dの他の部分に比べて曲げ変形あるいは破断が容易な易破壊部31Dbとして機能する。
本発明に係る試験用部材としては、細長の凹所39dにかえて丸穴状の凹所を形成したものも採用可能である。この場合、凹所の数は5以上の奇数個であることが好ましいが、6以上の偶数個の凹所を形成した構成も採用可能である。
また、凹所は、基板部31Dの押さえ面31Daとは反対側の面から窪む凹み部としても良い。
図14(a)、(b)に示す試験用部材30E(引張試験用部材)、及び、図15(a)、(b)に示す試験用部材30F(引張試験用部材)は、基板部31E、31Fの仮想円周38上(仮想円周38と重なる位置)に環状の凹所39e、39fを形成した構成のものである。この試験用部材30E、30Fは、長孔30aにかえて、前記環状の凹所39e、39fを形成した点のみが第2実施形態の試験用部材30Aと異なる。
図14(a)、(b)に示す試験用部材30Eは、基板部31Eに、該基板部31Eの押さえ面31Eaとは反対側の面から窪む環溝状の前記凹所39eを形成したものである。この試験用部材30Eは、基板部31Eの前記凹所39eの形成によって薄肉に形成されている部分が、基板部31Eの他の部分に比べて曲げ変形あるいは破断が容易な易破壊部31Ebとして機能する。なお、押さえ面31Eaは、基板部31Eの両面のうち立ち上げ部32が突設されている側の面を指す。
図15(a)、(b)に示す試験用部材30Fは、基板部31Eに、該基板部31Fの押さえ面31Faとは反対側の面から窪む環溝状の前記凹所39fを形成したものである。この試験用部材30Fは、基板部31Fの前記凹所39fの形成によって薄肉に形成されている部分が、基板部31Fの他の部分に比べて曲げ変形あるいは破断が容易な易破壊部31Fbとして機能する。なお、押さえ面31Faは、基板部31Fの両面のうち立ち上げ部32が突設されている側の面を指す。
図14(a)、(b)、図15(a)、(b)では、角溝状の凹所39e、39fを例示したが、この環溝状の凹所の断面形状は特には限定は無く、例えば図14(c)に示すように断面三角形状にしても良い。図14(c)の凹所に符号39e1を付す。
なお、本発明に係る試験用部材としては、3以上の奇数個(好ましくは5個)の長孔又は3以上(好ましくは5以上、より好ましくは5以上の奇数個)の丸穴、及び、環状の凹所の両方を基板部の1本の仮想円周上(仮想円周に重なる位置)に形成した構成も採用可能である。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態を説明する。
図16(a)、(b)に示すように、この実施形態は、母材50に固定したときに母材50から突出される雄ねじ部81を有するファスナー本体82を具備するファスナーに第1実施形態にて説明した試験用部材30を適用したものである。
図中符号80は引張試験用部材付きファスナー(以下、単にファスナーとも言う)である。このファスナー80は、母材50に固定されるピン状部材である前記ファスナー本体82と、このファスナー本体82の前記雄ねじ部81に螺着されるナット83(外挿物押さえ部)と、前記ファスナー本体82の前記雄ねじ部81に外挿される試験用部材30とを具備するものである。また、図示例のファスナー80は、前記雄ねじ部81に外挿されるワッシャ40も具備する。
図16(a)は、母材50に固定されたファスナー本体82の雄ねじ部81の前記母材50から突出された部分に外挿されている試験用部材30とワッシャ40とを、前記雄ねじ部81に螺着されているナット83によって母材50に押さえ込むようにして固定した状態を示す。ナット83は試験用部材30の凹所35に収納され、試験用部材30は基板部31の押さえ面31aに当接されたナット83によって、母材50に押さえ込むようにして固定されている。
前記ワッシャ40は試験用部材30を介してナット83とは反対側に設けられており、ナット83によって試験用部材30とともに母材50に押さえ込むようにして固定されている。
このファスナー80(引張試験用部材付きファスナー)についても、試験用部材30の係合片部33の母材50側に係合治具71(例えば、引張試験機60の係合治具62)を係合させることで第1実施形態と同様に引張試験を行うことができる。これにより、ファスナー80に許容引張荷重を確保できる引張強度が得られているか否かの確認を目視で簡単に行うことができる。
図17(a)、(b)は、前記引張試験用部材付きファスナー80の具体例を示す。
図17(a)に例示した引張試験用部材付きファスナー80(図中符号80Aを付す)は、芯棒打ち込み式の金属拡張アンカー(ファスナー)に試験用部材30を適用した構成になっている。
また、図17(b)に例示した引張試験用部材付きファスナー80(図中符号80Bを付す)は、母材50に貫通して設けられるボルト84をファスナー本体とするものであり、このボルト84の母材50から突出された両端部にそれぞれ螺着したナット83、85が発生する締結力によって母材50を締め付けるようにして母材50に固定される。試験用部材30及びワッシャ40は両端のナット83、85の片方(図示例では符号83のナット)と母材50との間にボルト84に外挿して設けられて、前記ナット83によって母材50に押さえ込むようにして固定される。また、母材50を介して試験用部材30及びワッシャ40とは反対側に位置するナット85と母材50との間には、ボルト84に外挿して設けられたワッシャ86が挟み込まれる。
但し、本発明は、これら具体例に限定されるものではなく、母材に挿入されるピン状に構成されたファスナー本体の雄ねじ部に螺着されて外挿物押さえ部として機能するナットを有する構成のファスナーに広く適用できるものである。
このようなファスナーとして用いるあと施工アンカーとしては、例えば、前述の芯棒打ち込み式等の打ち込み式金属拡張アンカーの他、スリーブ打ち込み式、コーンナット式、テーパボルト式、ダブルコーン式、ウェッジ式といった締め付け方式の金属拡張アンカー等を挙げることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明に係る第5実施形態を説明する。
図18(a)、(b)に示すように、この実施形態は、試験用部材30にかえて既述の第2実施形態にて説明した試験用部材30Aを採用した点のみが上述の第4実施形態と異なるものである。
図中、符号802は、この実施形態に係る引張試験用部材付きファスナー(以下、単にファスナーとも言う)である。
図18(a)は、母材50に固定されたファスナー本体82の雄ねじ部81の前記母材50から突出された部分に外挿されている試験用部材30Aとワッシャ40とを、前記雄ねじ部81に螺着されているナット83によって母材50に押さえ込むようにして固定した状態を示す。ナット83は試験用部材30Aの凹所35に収納され、試験用部材30Aは基板部31Aの押さえ面31aに当接されたナット83によって、母材50に押さえ込むようにして固定されている。
前記ワッシャ40は試験用部材30Aを介してナット83とは反対側に設けられており、ナット83によって試験用部材30Aとともに母材50に押さえ込むようにして固定されている。
このファスナー802(引張試験用部材付きファスナー)についても、試験用部材30Aの係合片部33の母材50側に係合治具71(例えば、引張試験機60の係合治具62)を係合させることで第2実施形態と同様に引張試験を行うことができる。これにより、ファスナー802に許容引張荷重を確保できる引張強度が得られているか否かの確認を目視で簡単に行うことができる。
このファスナー802は、ファスナー本体82の雄ねじ部81に螺着したナット83を試験用部材30Aの基板部31Aに当接させたときに、前記ナット83の外周の全周が、試験用部材30Aの基板部31Aの前記仮想円周38(図11(b)参照)の半径−1/2W(Wは長孔39aの幅)を半径とする仮想円周である内周側仮想円周38aと前記仮想円周38の半径+1/2Wを半径とする仮想円周である外周側仮想円周38bとの間の範囲に位置するように構成される。これにより、第2実施形態と同様に、引張試験にて試験用部材30Aに引張荷重を与えたときに、引張荷重に対する応力が橋絡部313に集中的に作用し、橋絡部313に曲げ変形あるいは破断を生じさせることができる。
また、この実施形態にて採用する試験用部材としては、第2実施形態にて説明した試験用部材であれば、基板部31Aに長孔39aが5つ形成されている構成の試験用部材30Aに限定されず他の構成のものも採用できる。例えば、図12(a)に例示した試験用部材30B、図12(b)に例示した試験用部材30Cの採用も可能であることは言うまでも無い。
なお、本発明は、この第5実施形態について前記第2実施形態の試験用部材にかえて第3実施形態にて説明した試験用部材を採用した構成も含む。
(第6実施形態)
次に、本発明に係る第6実施形態を説明する。
図19(a)、(b)に示すように、この実施形態は、試験用部材30にかえてワッシャ状に形成された円板形の部材(リング形の平板状部材)である試験用部材91(引張試験用部材)を採用した点が上述の第1実施形態と異なるものである。また、ワッシャ40として、その外径が試験用部材91の外径よりも小さいものを採用する。図19(a)、(b)中、このワッシャ40に符号92を付す。
図19(a)、(b)において符号20はアンカー本体20である。このアンカー本体20は母材50に固定されている。
図20に示すように、前記試験用部材90の中央部には前記アンカー本体20の軸部21を通すための本体挿通孔91aが貫通されている。図示例の試験用部材91において、前記本体挿通孔91aは該試験用部材91の外周と同心でアンカー本体20の軸部21よりも僅かに大きい内径の円形に形成されている。
図中、符号90は、この実施形態に係る引張試験用部材付きファスナー(以下、単にファスナーとも言う)である。
図19(a)は、前記ファスナー本体20の片端に突設されている頭部22によって、前記ファスナー本体20の前記母材50から突出された部分に外挿されている試験用部材91とワッシャ92とを母材50に押さえ込むようにして固定した状態を示す。
前記ワッシャ92は試験用部材91を介して頭部22とは反対側に設けられており、頭部22によって試験用部材91とともに母材50に押さえ込むようにして固定されている。
試験用部材91としては、その外径がファスナー本体20の頭部22の押圧面22aの外周形状よりも大きいものを採用する。図19(a)に示すように試験用部材91及びワッシャ92をファスナー本体20の頭部22によって母材50に押さえ込むようにして固定したとき、試験用部材91には、頭部22と母材50との間に挟み込まれた部分である固定部911と、この固定部911の外周から張り出された部分である試験用張り出し部912とが存在する。
既述のように、前記ワッシャ92は、その外径が試験用部材91の外径よりも小さいものを採用しており、このワッシャ92は、図19(a)に示すように試験用部材91及びワッシャ92をファスナー本体20の頭部22によって母材50に押さえ込むようにして固定したときに、試験用部材91の試験用張り出し部912と母材50との間に、前記試験用張り出し部912に引張試験用の引張荷重を作用させるための係合治具71を前記試験用張り出し部912の母材50側に差し入れることを可能にする隙間93を確保するためのスペーサとして機能する。係合治具71は、前記隙間93に差し入れることで、試験用部材91の前記試験用張り出し部912の母材50側に係合させることができる。
そして、このファスナー90(引張試験用部材付きファスナー)についても、前記隙間93に差し入れた係合治具71(例えば、引張試験機60の係合治具62)を試験用部材91の試験用張り出し部912の母材50側に係合させることで、第1実施形態と同様に引張試験を行うことができる。これにより、ファスナー90に許容引張荷重を確保できる引張強度が得られているか否かの確認を目視で簡単に行うことができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、適宜変更が可能である。
試験用部材としては、該試験用部材のうちのファスナーの外挿物押さえ部と母材との間に挟み込まれた部分である固定部の外周から張り出す試験用張り出し部に、ファスナー本体の軸線方向への引張荷重を作用させるための係合治具を係合させることができる構成となっていれば良く、上述の実施形態にて説明した構成のものに限定されない。
例えば、第6実施形態に例示した試験用部材91の試験用張り出し部912の周方向の複数箇所に立ち上げ部を突設し、この立ち上げ部から試験用張り出し部912と平行に張り出す突片である係合片部を突設した構成も採用可能である。係合片部は立ち上げ部から、本体挿通孔91aの軸線とは反対の方向に張り出す突片であっても良いが、本体挿通孔91aの軸線の方向に張り出す突片としても良い。係合治具の構成は適宜変更可能であり、立ち上げ片及び係合片部を複数具備する試験用部材を採用した場合、複数の係合片部に対応して複数の係合爪を具備する構成としても良い。さらに、立ち上げ片から本体挿通孔91aの軸線の方向に張り出す突片である係合片部を複数具備する試験用部材を採用した場合、これに対応して、試験用部材の複数の係合片部によって取り囲まれる内側に複数の係合爪を挿入して、各係合爪をそれぞれ係合片部に係合させる構成とすることも可能である。
また、第1実施形態にて説明した試験用部材30、第2実施形態にて説明した試験用部材30A、30B、30Cは、係合片部33を立ち上げ部32から凹所35とは反対側に突出するように形成した構成になっているが、本発明は、係合片部33を立ち上げ部32から凹所35側に突出させた構成も採用可能である。
また、ファスナーの外挿物押さえ部によって母材に押さえ込むようにして固定される基板部と該基板部上に突出する立ち上げ部及び該立ち上げ部から張り出す突片状の係合片部を具備する試験用部材としては、必ずしも円板状(詳細にはリング形の平板)に形成された基板部を具備する構成に限定されず、例えば、四角形、六角形等の多角形板状の基板部を採用することも可能である。
金属拡張アンカーに引張試験用部材を設けた構成の引張試験用部材付きファスナーの場合、ファスナー本体(アンカー本体)の母材に対する固定は、ファスナー本体に設けられている拡張部の拡張による固着(機械的固定)のみならず、ファスナー本体を母材に挿入するために母材に穿設した下穴内に充填した接着剤による接着固定を併用しても良い。
この場合、下穴に接着剤を充填した後にファスナー本体を下穴に挿入して拡張部の拡張によって母材に固着しても良いが、例えば、ファスナー本体を拡張部の拡張によって母材に固着(機械的固定)し、外挿物押さえ部によって引張試験用部材を母材に押さえ込むように固定した状態にて前記引張試験用部材の試験用張り出し部に引張荷重を作用させる引張試験を行い、試験に合格している(所期の引張強度が確保されている)ことを確認してから、ファスナー本体に形成されている接着剤注入孔を介して下穴内に接着剤を充填するといった方法(施工方法)も採用可能である。
孔あるいは凹所が形成されていない基板部を有する引張試験用部材についても、基板部の板厚等によっては、引張試験にて引張荷重(試験荷重)を作用させたときに破断を生じさせることは可能である。
また、試験用部材の破断は、曲げ変形を生じてから破断に至る場合と、曲げ変形を殆ど生じることなく実質的に破断のみが生じる場合とがある。例えば、図14(c)に例示したように、断面三角形状の環溝状の凹所39e1が、基板部の押さえ面とは反対側に形成されている構成は、他の構成に比べて、実質的に破断のみを生じさせることが容易な構成である。
本発明に係る引張試験用部材付きファスナー、引張試験用部材、ファスナー(引張試験用部材付きファスナー)の引張強度確認方法、ファスナー(引張試験用部材付きファスナー)の施工方法の第1実施形態を説明する図であって、(a)はコンクリート母材に固定された前記ファスナーの試験用部材の試験用張り出し部に引張試験用の係合治具を係合した状態を示す図、(b)は(a)の係合治具から作用させた引張荷重によって試験用部材の試験用張り出し部に曲げ変形を与えた状態を示す図である。 図1の引張試験用部材を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図である。 第1実施形態の引張試験用部材付きファスナーの具体例を示す分解斜視図である。 図3のファスナーの構造を示す図であって(a)は正断面図、(b)は前記ファスナーのファスナー本体の軸部をその先端面側から見た図である。 図3のファスナーの芯棒打ち込み工程を示す図である。 第1実施形態の引張試験用部材付きファスナーの他の具体例を示す図である。 本発明に係る実施形態の引張試験機を示す正面図である。 図7の引張試験機の係合治具(連結部材)を示す図であって、(a)は係合治具の係合板部を前記係合治具が取り付けられている試験機本体とは反対側から見た構造を示す図、(b)は前記係合治具の前記係合板部付近を示す断面図である。 図7の引張試験機の押圧部材の突出動によってファスナーの引張試験用部材の試験用張り出し部に曲げ変形を与えた状態を示す図である。 本発明に係る引張試験用部材付きファスナー、引張試験用部材、ファスナー(引張試験用部材付きファスナー)の引張強度確認方法、ファスナー(引張試験用部材付きファスナー)の施工方法の第2実施形態を説明する図であって、(a)はコンクリート母材に固定された前記ファスナーの試験用部材の試験用張り出し部に引張試験用の係合治具を係合した状態を示す図、(b)は(a)の係合治具から作用させた引張荷重によって試験用部材の試験用張り出し部に曲げ変形を与えた状態を示す図である。 図10の引張試験用部材を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図である。 (a)、(b)は第2実施形態の引張試験用部材の別態様を示す図である。 (a)、(b)は第3実施形態の引張試験用部材の一例を示す図である。 (a)、(b)は第3実施形態の引張試験用部材の他の例(押さえ面とは反対側の面に環溝状の凹所を形成した例)を示す図である。 (a)、(b)は第3実施形態の引張試験用部材の一例(押さえ面側に環溝状の凹所を形成した例)を示す図である。 本発明に係る引張試験用部材付きファスナー、引張試験用部材、ファスナー(引張試験用部材付きファスナー)の引張強度確認方法、ファスナー(引張試験用部材付きファスナー)の施工方法の第4実施形態を説明する図であって、(a)はコンクリート母材に固定された前記ファスナーの試験用部材の試験用張り出し部に引張試験用の係合治具を係合した状態を示す図、(b)は(a)の係合治具から作用させた引張荷重によって試験用部材の試験用張り出し部に曲げ変形を与えた状態を示す図である。 (a)、(b)第4実施形態の引張試験用部材付きファスナーの具体例を示す図である。 本発明に係る引張試験用部材付きファスナー、引張試験用部材、ファスナー(引張試験用部材付きファスナー)の引張強度確認方法、ファスナー(引張試験用部材付きファスナー)の施工方法の第5実施形態を説明する図であって、(a)はコンクリート母材に固定された前記ファスナーの試験用部材の試験用張り出し部に引張試験用の係合治具を係合した状態を示す図、(b)は(a)の係合治具から作用させた引張荷重によって試験用部材の試験用張り出し部に曲げ変形を与えた状態を示す図である。 本発明に係る引張試験用部材付きファスナー、引張試験用部材、ファスナー(引張試験用部材付きファスナー)の引張強度確認方法、ファスナー(引張試験用部材付きファスナー)の施工方法の第6実施形態を説明する図であって、(a)はコンクリート母材に固定された前記ファスナーの試験用部材の試験用張り出し部に引張試験用の係合治具を係合した状態を示す図、(b)は(a)の係合治具から作用させた引張荷重によって試験用部材の試験用張り出し部に曲げ変形を与えた状態を示す図である。 図19の引張試験用部材及びワッシャを示す斜視図である。
符号の説明
10、10A、10B…引張試験用部材付きファスナー、11…頭部付きボルト、12…ねじ軸部、13…頭部、14…ナット、20…ファスナー本体、20a…先端面、21…軸部、22…頭部、22a…押圧面、23…芯棒、24…割り溝、25…拡張部、26…芯棒収納穴、26a…開口部、30、30A、30B、30C、30D、30E、30F…引張試験用部材、31、31A、31D、31E、31F…基板部、31a、31Da、31Ea、31Fa…押さえ面、31Db、31Eb、31Fb…易破壊部、311…内側領域、312…外側領域、313…橋絡部、32…立ち上げ部、33…係合片部、34…本体挿通孔、35…凹所、36…固定部、37…試験用張り出し部、38a…内周側仮想円周、39b…外周側仮想円周、39…孔、39a…長孔、39b…丸孔、39d、39e、39f…凹所、40…ワッシャ、50…母材、51…下穴、60…引張試験機、61…試験機本体、611…ハンドル部、612…シリンダ部、613…油圧流路、614…操作ボタン、615…主機体部、62…係合治具、621…固定板部、622…C形突壁、622a…半円壁部、622b…延長壁部、623…係合板部、624…立ち上げ部収納用切り欠き部、625…空間、626…孔、627…先端面、63…押圧部材、631…可動プレート、632…押圧突起、64…引張荷重発生装置、641…電動油圧ポンプ、642…ピストン、642a…ピストンロッド、642b…ピストンヘッド、643…スプリング、646…返送流路、65…案内シャフト、66…ボルト、67…第1治具半体、671…取付部、672…治具本体、673…天板部、674…側板部、675…治具半体係合板部、676…ねじ穴、68…第2治具半体、681…主板部、682…治具半体係合板部、682a…切り欠き部、683…ボルト挿通孔、71…係合治具、80、80A、80B…引張試験用部材付きファスナー、81…雄ねじ部、82…ファスナー本体、83…ナット、84…ボルト、85…ナット、86…ワッシャ、90…ファスナー、91…引張試験用部材、91a…本体挿通孔、911…固定部、912…試験用張り出し部、102…引張試験用部材付きファスナー、802…引張試験用部材付きファスナー。

Claims (16)

  1. 母材に挿入されるピン状に構成されたファスナー本体を具備するファスナーの前記ファスナー本体に外挿して設けられて、前記ファスナー本体の片端に突設された頭部あるいは前記ファスナー本体に形成された雄ねじ部に螺着されたナットである外挿物押さえ部によって母材に押さえ込むようにして固定される板状部材であり、母材に対する前記ファスナーの固定後の引張試験に用いられる引張試験用部材であって、
    前記ファスナー本体を通すための本体挿通孔が貫通され、前記外挿物押さえ部によって母材に押さえ込むようにして固定される基板部と、前記基板部が前記外挿物押さえ部によって前記母材に対して固定された状態において前記ファスナー本体の軸線方向に作用する引張荷重を与えるための係合治具が係合される係合片部とを具備することを特徴とする引張試験用部材。
  2. 前記係合片部は、前記基板部から立ち上げられた立ち上げ部に突設されてことを特徴とする請求項1記載の引張試験用部材。
  3. 円板状の前記基板部と、この基板部の外周の全周にわたって該基板部から立ち上げるように形成された前記立ち上げ部と、この立ち上げ部の前記基板部からの突出先端から該立ち上げ部の全周にわたって張り出されたフランジ状の突片である前記係合片部とを具備することを特徴とする請求項2記載の引張試験用部材。
  4. 前記基板部は、前記本体挿通孔と同心の仮想円周上の3以上の箇所に形成した孔あるいは凹所、又は/及び、前記仮想円周上に環溝状に形成した凹所、によって前記引張荷重に対する曲げ変形あるいは破断を生じやすくした部位である易破壊部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の引張試験用部材。
  5. 前記基板部には、前記本体挿通孔と同心の仮想円周上に、該仮想円周に沿って延在する長孔が3以上の奇数個形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の引張試験用部材。
  6. 前記ファスナーがあと施工アンカーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の引張試験用部材。
  7. 母材に挿入されるピン状に構成されその片端に頭部を有するファスナー本体と、このファスナー本体に外挿されて前記ファスナー本体の前記頭部によって前記母材に押さえ込むようにして固定される請求項1〜6のいずれかに記載の引張試験部材とを具備することを特徴とする引張試験用部材付きファスナー。
  8. 母材に挿入されるピン状に構成されたファスナー本体と、
    このファスナー本体に形成された雄ねじ部に螺着されるナットと、
    前記ファスナー本体に外挿されて前記ナットによって前記母材に押さえ込むようにして固定される請求項1〜6のいずれかに記載の引張試験用部材とを具備することを特徴とする引張試験用部材付きファスナー。
  9. 前記ファスナー本体に外挿して前記引張試験用部材と前記母材との間に挟み込まれるように設けられるワッシャを具備することを特徴とする請求項7又は8記載の引張試験用部材付きファスナー。
  10. 母材に挿入されるピン状に構成されたファスナー本体を具備するファスナーについて、前記母材に挿入して前記母材に固定した前記ファスナー本体の片端に突設された頭部あるいは前記ファスナー本体に形成された雄ねじ部に螺着されたナットである外挿物押さえ部によって、前記ファスナー本体の前記母材から突出された部分に外挿されたワッシャ状の板状部材である引張試験用部材を前記母材に押さえ込むようにして固定した状態とした後、
    前記引張試験用部材において前記ファスナー本体の頭部と前記母材との間に挟み込まれた部分である固定部から張り出された部分である試験用張り出し部に、前記引張試験用部材に曲げ変形を与えることができる大きさの引張荷重を前記ファスナー本体の軸線方向に作用させて引張試験を行うことを特徴とするファスナーの引張強度確認方法。
  11. 前記ワッシャ状の板状部材である引張試験用部材として請求項1〜6のいずれかに記載の引張試験用部材を用いることを特徴とする請求項10記載のファスナーの引張強度確認方法。
  12. 前記引張試験用部材の前記張り出し部と前記母材との間に前記張り出し部に前記ファスナー本体の軸線方向の引張荷重を与える係合治具の係合用の隙間を確保するためのスペーサを前記ファスナー本体に外挿して、前記スペーサを前記引張試験用部材とともに前記外挿物押さえ部によって前記母材に押さえ込むようにして固定した状態とした後に、前記引張試験を行うことを特徴とする請求項10又は11記載のファスナーの引張強度確認方法。
  13. 母材に挿入されるピン状に構成されたファスナー本体を具備するファスナーについて、前記母材に挿入して前記母材に固定した前記ファスナー本体の片端に突設された頭部あるいは前記ファスナー本体に形成された雄ねじ部に螺着されたナットである外挿物押さえ部によって、前記ファスナー本体の前記母材から突出された部分に外挿されたワッシャ状の板状部材である引張試験用部材を前記母材に押さえ込むようにして固定した状態とした後、
    前記引張試験用部材において前記ファスナー本体の頭部と前記母材との間に挟み込まれた部分である固定部から張り出された部分である試験用張り出し部に、前記引張試験用部材に曲げ変形及び/又は破断を生じさせることができる大きさの引張荷重を前記ファスナー本体の軸線方向に作用させて引張試験を行うことを特徴とすることを特徴とするファスナーの施工方法。
  14. 前記ワッシャ状の板状部材である引張試験用部材として請求項1〜6のいずれかに記載の引張試験用部材を用いることを特徴とする請求項13記載のファスナーの施工方法。
  15. 請求項10〜12のいずれかに記載のファスナーの引張強度確認方法における引張試験、あるいは、請求項13又は14記載のファスナーの施工方法にて前記引張試験用部材の前記試験用張り出し部に引張荷重を作用させる際に用いられる引張試験機であって、
    手動で移動操作可能な試験機本体と、この試験機本体に突設され前記引張試験用部材の前記試験用張り出し部に前記母材側から係合される係合治具と、前記試験機本体に設けられ、前記母材に当接される押圧部材の突出動によって前記試験機本体及び前記係合治具を前記母材から離隔させる引張荷重発生装置とを具備することを特徴とする引張試験機。
  16. 請求項11記載のファスナーの引張強度確認方法における引張試験、あるいは、請求項14記載ファスナーの施工方法にて前記試験用部材の前記試験用張り出し部に引張荷重を作用させる際に用いられる請求項15記載の引張試験機であって、
    前記係合治具は、前記引張試験用部材付きファスナーの前記引張試験用部材の前記係合片部の前記母材側に差し入れて前記係合片部に係合される係合板部を具備し、前記係合板部にはその外周の端面から該係合板部に切り込む凹形に形成され前記引張試験用部材の前記立ち上げ部を収納して該係合板部の前記係合片部に対する係合を実現するための立ち上げ部収納用切り欠き部が形成されていることを特徴とする引張試験機。
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