JP4413706B2 - 光学特性解析方法、試料測定装置、及び分光エリプソメータ - Google Patents

光学特性解析方法、試料測定装置、及び分光エリプソメータ Download PDF

Info

Publication number
JP4413706B2
JP4413706B2 JP2004225991A JP2004225991A JP4413706B2 JP 4413706 B2 JP4413706 B2 JP 4413706B2 JP 2004225991 A JP2004225991 A JP 2004225991A JP 2004225991 A JP2004225991 A JP 2004225991A JP 4413706 B2 JP4413706 B2 JP 4413706B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
analysis
voltage
light
receiving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004225991A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006047015A (ja
Inventor
浩 舟窪
佳久 本田
ナバトバ−ガバイン,ナタリア
飛鳥 寺井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Horiba Ltd
Original Assignee
Horiba Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Horiba Ltd filed Critical Horiba Ltd
Priority to JP2004225991A priority Critical patent/JP4413706B2/ja
Priority to FR0552421A priority patent/FR2873814A1/fr
Priority to US11/196,808 priority patent/US7280208B2/en
Publication of JP2006047015A publication Critical patent/JP2006047015A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4413706B2 publication Critical patent/JP4413706B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/21Polarisation-affecting properties
    • G01N21/211Ellipsometry
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/1717Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated with a modulation of one or more physical properties of the sample during the optical investigation, e.g. electro-reflectance
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/21Polarisation-affecting properties
    • G01N21/211Ellipsometry
    • G01N2021/213Spectrometric ellipsometry

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

本発明は、多層膜構造の材料の電気光学効果の評価を行うために、電圧を印した状態で多層膜の光学特性を解析できるようにした光学特性解析方法、試料測定装置、及び分光エリプソメータに関する。
従来、基板上に高誘電体膜又は強誘電体膜が形成された物質は、強誘電体メモリ、強誘電体キャパシタ、アクチュエータ等の圧電素子、並びに、光シャッター及び光アイソレータ等の電気光学素子等の材料として用いられている。このような材料の膜の特性を特定することはメモリ性能等を左右する上で非常に重要であり、膜の特性評価のために、例えば、電気光学効果として知られている電界を印した状態で変化する屈折率、及び透過率等の測定が行われる。
図9は、従来の電気光学効果の測定方法を示す概略図である。この測定方法では、基板S1の上に膜S2を形成した試料Sの表面に角錐状のプリズムカップリングPを載置し、試料Sに所要の電界を印した状態でプリズムカップリングPに光を照射し、プリズムカップリングPにより試料Sへ投射された光の屈折率を所要の測定装置で測定するものである。
なお、電気光学効果の測定に関しては下記の特許文献でも開示されている。
特開昭63−205543号公報 特開平1−41838号公報
図9に示す従来の測定方法では、試料Sの表面にプリズムカップリングPを載置して測定するため、少なくともプリズムカップリングPを載置できる寸法を有する大型の試料Sを準備しなければならないと云う問題がある。また、プリズムカップリングPと試料Sとの境界で無用な屈折を生じさせないために、プリズムカップリングPを載置する試料Sの表面を所要の平滑度になるまで研磨する必要があり、試料Sの準備に手間を要すると云う問題がある。
さらに、従来の測定方法では、プリズムカップリングPにより光が投射される箇所に対して測定が行われるため、屈折率が試料Sの面全体的にどのように分布するかと云ういわゆる屈折率の面分布測定を行うことが非常に困難になると云う問題がある。また、特許文献1及び2に係る方法を用いたとしても、屈折率の面分布測定を行うには試料における光の照射箇所を移動させる必要があるため手間及び時間を要し、容易に測定を行えない。
一方、測定対象となる試料が、基板上に高誘電体膜又は強誘電体膜を形成した物質である場合、高誘電体膜又は強誘電体膜の形成に伴って未知の膜が基板上に自然と形成され、結果としては多層膜構造(複数層を有する構造)になることが報告されている。このような多層膜の特性を膜層毎に区別して測定することは、物質を強誘電体メモリ又は強誘電体キャパシタ等の材料として利用することを考慮すると、非常に重要である。しかし、図9に示す従来の測定方法では膜層毎の測定は行えず、また、特許文献1及び2に係る方法でも正確に測定を行うことが困難である。
本発明は、斯かる問題に鑑みてなされたものであり、多層膜の試料の特性を膜層毎に解析できる分光エリプソメータ等の装置を用いて電界の印時の試料の光学特性を膜層毎に正確に解析できるようにした光学特性解析方法、試料測定装置、及び分光エリプソメータを提供することを目的とする。
また、本発明は、電界を印したまま試料を移動可能にすることで、試料の屈折率の面分布を容易に解析できるようにした光学特性解析方法、及び分光エリプソメータを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、電界の強さの変化に連動して効率的に試料を解析できるようにした光学特性解析方法、及び分光エリプソメータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、発明に係る光学特性解析方法は、複数層の膜を備える試料の光学特性を分光エリプソメータで解析する光学特性解析方法であって、複数の印加する電圧値を受け付ける受け付けステップと、試料に前記受け付けステップにより受け付けた電圧値に係る電圧を印する印加ステップと、電圧が印された試料の膜表面へ複数波長成分の偏光した光を照射する照射ステップと、試料で反射した光の偏光状態を測定して試料の膜の光学特性を層毎に解析する解析ステップと、前記受け付けステップにより受け付けた複数の電圧値に対して前記解析ステップによる解析を実行したか否かを判断する判断ステップと、該判断ステップにより複数の電圧値に対する解析を実行していないと判断した場合、前記受け付けステップにより受け付けた電圧値を変更するステップとを備えることを特徴とする。
発明に係る光学特性解析方法は、複数層の膜及び複数の電極を備え、複数の電極の中に膜を覆う光透過性の電極を有する試料の光学特性を分光エリプソメータで解析する光学特性解析方法であって、複数の印加する電圧値を受け付ける受け付けステップと、試料の電極間に前記受け付けステップにより受け付けた電圧値に係る電圧を印する印加ステップと、電圧が印された試料の光透過性の電極表面へ複数波長成分の偏光した光を照射する照射ステップと、試料で反射した光の偏光状態を測定して試料の膜の光学特性を層毎に解析する解析ステップと、前記受け付けステップにより受け付けた複数の電圧値に対して前記解析ステップによる解析を実行したか否かを判断する判断ステップと、該判断ステップにより複数の電圧値に対する解析を実行していないと判断した場合、前記受け付けステップにより受け付けた電圧値を変更するステップとを備えることを特徴とする。
発明に係る光学特性解析方法は、前記照射ステップによる複数の照射位置を受け付け
る位置受け付けステップと、前記解析ステップによる解析後に、前記位置受け付けステップによる受け付けた複数の照射位置に対して前記解析ステップによる解析を実行したか否かを判断する位置判断ステップと、該位置判断ステップにより複数の照射位置に対する解析を実行していないと判断した場合、前記位置受け付けステップにより受け付けた照射位置を変更するステップとを備え、前記判断ステップは、前記位置判断ステップにより複数の照射位置に対する解析を実行したと判断した場合に、前記受け付けステップにより受け付けた複数の電圧値に対して前記解析ステップによる解析を実行したか否かを判断する。
発明に係る試料測定装置は、複数波長成分を有する光を発生する発生手段と、該発生手段が発生した光を偏光して試料台に載置する試料へ照射する照射手段と、試料で反射した光を検光して測定を行う測定手段とを備える試料測定装置であって、前記試料台に載置される試料へ電圧を印する電圧印手段を備え、該電圧印加手段は、前記試料台に設けられるスタンド部と、該スタンド部に取り付けられたホルダ部と、該ホルダ部先端の球状窪部に回転可能に収容されリード線を通す球状ジョイントと、前記リード線に電気的に接続され前記球状ジョイントに取り付けられるプローブとを含み、前記照射手段は、前記該電圧印手段が電圧を印した試料へ光を照射するようにしてあることを特徴とする。
発明に係る分光エリプソメータは、複数層の膜を備える試料の光学特性を解析する分光エリプソメータであって、複数の印加する電圧値を受け付ける受け付け手段と、試料に前記受け付け手段により受け付けた電圧値に係る電圧を印加する印加手段と、電圧が印加された試料の膜表面へ複数波長成分の偏光した光を照射する照射手段と、試料で反射した光の偏光状態を測定して試料の膜の光学特性を層毎に解析する解析手段と、前記受け付け手段により受け付けた複数の電圧値に対して前記解析手段による解析を実行したか否かを判断する判断手段と、該判断手段により複数の電圧値に対する解析を実行していないと判断した場合、前記受け付け手段により受け付けた電圧値を変更する手段とを備えることを特徴とする。
発明に係る分光エリプソメータは、複数層の膜及び複数の電極を備え、複数の電極の中に膜を覆う光透過性の電極を有する試料の光学特性を解析する分光エリプソメータであって、複数の印加する電圧値を受け付ける受け付け手段と、試料の電極間に前記受け付け手段により受け付けた電圧値に係る電圧を印加する印加手段と、電圧が印加された試料の光透過性の電極表面へ複数波長成分の偏光した光を照射する照射手段と、試料で反射した光の偏光状態を測定して試料の膜の光学特性を層毎に解析する解析手段と、前記受け付け手段により受け付けた複数の電圧値に対して前記解析手段による解析を実行したか否かを判断する判断手段と、該判断手段により複数の電圧値に対する解析を実行していないと判
断した場合、前記受け付け手段により受け付けた電圧値を変更する手段とを備えることを特徴とする。
発明に係る分光エリプソメータは、前記照射手段による複数の照射位置を受け付ける位置受け付け手段と、前記解析手段による解析後に、前記位置受け付け手段による受け付けた複数の照射位置に対して前記解析手段による解析を実行したか否かを判断する位置判断手段と、該位置判断手段により複数の照射位置に対する解析を実行していないと判断した場合、前記位置受け付け手段により受け付けた照射位置を変更する手段とを備え、前記判断手段は、前記位置判断手段により複数の照射位置に対する解析を実行したと判断した場合に、前記受け付け手段により受け付けた複数の電圧値に対して前記解析手段による解析を実行したか否かを判断する。
発明にあっては、電圧を印した試料を分光エリプソメータにより解析するので、試料が有する複数層の膜の光学特性を層毎に解析できる。その結果、従来の測定方法では測定が困難であった多層膜構造の試料の電気光学効果を層毎に評価できるようになり、高誘電体膜又は強誘電体膜の形成に伴って生じる未知の膜も他の膜と区別して解析でき、強誘電体メモリ、強誘電体キャパシタ、圧電素子、及び電気光学素子等の材料の研究及び製造等に貢献できる。
発明にあっては、複数層の膜を覆う光透過性の電極を有する試料に対しては、光透過性の電極表面へ光を照射するので、光を照射する角度及び箇所の自由度が向上し、効率的な解析処理を行える。なお、光透過性の電極としては、光を透過させる透明電極、厚み寸法を非常に薄くして光を透過できるようにした電極等が該当する。
発明あっては、印加する電圧の値を変化させて、変化した値毎に解析を行うので、発生する電界の強さと電気光学効果との対応関係を効率的に解析でき、その結果、試料の電界に応じた光学特性を容易に解析できるようになる。
発明にあっては、光を照射する箇所を順次移動して、移動した箇所毎に解析を行うので、従来の測定方法では困難であった試料の複数箇所を連続的に解析でき、その結果、試料の面分析を容易に行えるようになる。
発明にあっては、複数波長成分を有する光を試料へ照射して測定を行う試料測定装置に、試料へ電圧を印する電圧印手段を設けることにより、電圧が印された状態の試料の測定を行えるようになり、従来の測定方法では測定が困難であったもの、例えば、多層膜構造の試料の電気光学効果を膜層毎に評価も行えるようになり、強誘電体メモリ、強誘電体キャパシタ、圧電素子、及び電気光学素子等の材料の研究及び製造等に貢献できる。
発明にあっては、試料との電気的な接触を行う接触手段と、給電に係る電圧値を可変する給電手段とを備えるので、様々な電圧値で試料の解析を行えるようになり、試料の特性を詳細に解析できる。
発明にあっては、試料台を移動可能にすると共に、試料台に試料との電気的な接触を行う接触手段を設けることで、接触手段を試料台と一体的に移動できるようになり、試料台の移動により試料へ光を照射する箇所を変更しても電気的な接触を維持でき、良好な解析環境を提供できる。
発明にあっては、電圧を印した試料を分光エリプソメータにより解析するので、従来の測定方法では測定が困難であった多層膜構造の試料の電気光学効果を層毎に評価できる。
発明にあっては、複数層の膜を覆う光透過性の電極を有する試料に対して光透過性の電極表面へ光を照射することにより、試料の形態に応じた光の照射形態を確保できる。
発明あっては、印加する電圧の値を変化させて、変化した値毎に解析を行うので、発生する電界の強さと電気光学効果との対応関係を効率的に解析できる。
発明にあっては、光を照射する箇所を順次移動して移動した箇所毎に解析を行うので、試料の複数箇所を連続的に解析して試料の面分析を容易に行える。
発明にあっては、試料へ電圧を印する電圧印手段を設けることにより、電圧が印された状態の試料の測定を行えるようになり、多層膜構造の試料の電気光学効果を層毎に評価することに貢献できる。
発明にあっては、試料との電気的な接触を行う接触手段と、給電に係る電圧値を可変する給電手段とを備えるので、様々な電圧値で試料の解析を行える。
発明にあっては、試料台を移動可能にすると共に、試料台に試料との電気的な接触を行う接触手段を設けることで、接触手段を試料台と一体的に移動でき、試料台の移動により試料へ光を照射する箇所を変更しても電気的な接触を維持できる。
図1は本発明の実施形態に係る分光エリプソメータ1の全体的な構成を示す概略図である。分光エリプソメータ1は、多層膜構造の試料30に電界を生じさせて偏光した光を照射することにより試料30の光学特性を層毎に解析して電気光学効果の評価を行うものである。本実施形態の分光エリプソメータ1は、試料30に電界を生じさせるため電圧を印する電圧印手段として給電装置18及び一対の導通スタンド19を具備する。
分光エリプソメータ1は、評価対象として様々な試料の解析が可能であるが、本実施形態では、図2(a)及び図3に示すように、蒸着でPt(白金)膜を表面に設けたSi(シリコン)基板31の上にPLZT膜32を形成し、PLZT膜32の膜表面にIrO2 製又はW(タングステン)製の電極33a、33bを設けた構造の試料30を評価対象にする。PLZT膜32は強誘電体膜であり、鉛(Pb)、ランタン(La)、ジルコン(Zr)、及びチタン(Ti)を含み、詳しくはPb1-X LaX (ZrY Ti1-Y )、O3 (0<X<0.28、0<Y<1.0)として表記できる。また、PLZT膜32の形成には、意図しない未知の膜層が追従して形成されるためPLZT膜32は多層膜構造になる。
具体的には図3に示すように、試料30のPLZT膜32は、形成を意図したPLZT系膜である第2膜35と、第2膜35に追従して形成されて従来の解析方法では膜特性を解析できなかった未知の第1膜34と、第2膜の上方に形成した第3膜36と云う計3層を有している。
図1に戻り本実施形態の分光エリプソメータ1の構成を説明する。分光エリプソメータ1は主に、測定及び解析系に係る部分、駆動系に係る部分、及び試料30への電圧印に係る部分に大別される。
測定及び解析系に係る部分として分光エリプソメータ1は、キセノンランプ2及び光照射器3を第1光ファイバケーブル15aで接続し、ステージ4(試料台)上に載置した試料30へ偏光した状態の光を入射させると共に、試料30で反射した光(光の偏光状態)を光取得器5で取り込む構成にしている。光取得器5は第2光ファイバケーブル15bを介して分光器7に接続されており、分光器7は波長毎に測定を行い、測定結果をアナログ信号としてデータ取込機8へ伝送する。データ取込機8は、アナログ信号を所要値に変換してコンピュータ10へ伝送し、コンピュータ10で解析を行う。
また、駆動系に係る部分として分光エリプソメータ1は、ステージ4、光照射器3、光取得器5及び分光器7には、第1モータM1〜第6モータM6を夫々設けており、各モータM1〜M6の駆動を、コンピュータ10と接続したモータ制御機9で制御することで、ステージ4、光照射器3、光取得器5及び分光器7を測定に応じて適宜移動可能にしている。なお、モータ制御機9は、コンピュータ10から出力される指示に基づき各モータM1〜M6の駆動制御を行う。
さらに、電圧印に係る部分として分光エリプソメータ1は、上述したようにステージ4の載置面4aに取り付けて試料30との電気的な接触を行う一対の導通スタンド19(接触手段に相当)、及び給電装置18(給電手段に相当)を設けている。給電装置18が所要電圧値の給電を導通スタンド19に対して行うことにより、試料30に電圧が印される。給電装置18は、コンピュータ10と接続されており、コンピュータ10から出力される指示に基づき、電圧印の開始及び終了、並びに印加する電圧値の設定及び変更等を行う。なお、分光エリプソメータ1は、試料30の上方に移動可能な拡大鏡筒部17を設けており、導通スタンド19と試料30との接触状態が適切であるかを拡大鏡筒部17で確認できるようにしている。
次に、上述した各部2、3等を順番に詳述する。キセノンランプ2は光を発生する発生手段であり、光源として複数の波長成分を含む白色光を発生し、発生させた白色光を光照射器3へ第1光ファイバケーブル15aを介して送る。
光照射器3は半円弧状のレール6上に配置され、内部には偏光子3aを有しており、白色光を偏光子3aで偏光し、偏光状態の光を試料30へ入射する。また、光照射器3は、第4モータM4が駆動されることでレール6に沿って移動し、照射する光の試料30の表面の垂線に対する角度(入射角度φ)を調整できるようにしている。
ステージ4は移動レール部4に摺動可能に載置されており、第1モータM1〜第3モータM3(移動手段に相当)の駆動により試料30を載置する載置面4aにおいて90度相異する方向であるX方向、Y方向(図1の紙面に直交する方向)及び高さ方向となるZ方向へ夫々移動可能にしている。ステージ4を移動することで、試料30の様々な箇所に光を入射でき、試料30の面分析が行える。なお、ステージ4は、一対の導通スタンド19の取付用のネジ穴を載置面4aに多数形成しており、試料30の寸法及び形状に合わせて各導通スタンド19を載置面4aの所要箇所に取り付けられるようにしている。
光取得器5は光照射器3と同様にレール6上に配置されており、PEM(Photo Elastic Modulator:光弾性変調器)5a及び検光子5bを内蔵し、試料30で反射された光をPEM5aを介して検光子5bへ導いている。また、光取得器5は、第5モータM5の駆動によりレール6に沿って移動可能であり、光照射器3の移動に連動して反射角度φと入射角度φとが同角度になるようにモータ制御機9で制御されている。なお、光取得器5に内蔵されたPEM5aは、取り込んだ光を所要周波数(例えば50kHz)で位相変調することにより直線偏光から楕円偏光を得ている。また、検光子5bは、PEM5aで位相変調された各種偏光の中から特定の偏光を透過させている。
分光器7は、反射ミラー、回折格子、フォトマルチプライヤー(PMT:光電子倍増管)及び制御ユニット等を内蔵し、光取得器5から第2光ファイバケーブル15bを通じて送られた光を反射ミラーで反射して回折格子へ導いている。回折格子は第6モータM6により角度を変更して、出射する光の波長を可変する。出射された光はPMTで偏光状態が測定され、制御ユニットが測定された波長に応じたアナログ信号を生成してデータ取込機8へ送出する処理を行う。なお、フォトマルチプライヤーは、フォトダイオードアレイ(PDA)を組み合わせた構成にすることも可能である。
データ取込機8は、分光器7からの信号に基づき測定された反射光の偏光状態(p偏光、s偏光)の位相差Δ及び振幅比Ψを算出し、算出した結果をコンピュータ10へ送出する。なお、位相差Δ及び振幅比Ψは、p偏光の振幅反射係数Rp及びs偏光の振幅反射係数Rsに対し以下の数式(1)の関係が成立する。
Rp/Rs=tanΨ・exp(i・Δ)・・・(1)
但し、iは虚数単位である(以下同様)。また、Rp/Rsは偏光変化量ρと云う。
また、図3に示す導通スタンド19は、四角柱状のスタンド部19a、スタンド部19aの下端に設けられた板状の支持部19b、スタンド部19aに上下方向へ移動可能に取り付けられたホルダー部21、及び試料30と接触して導通するプローブ20を備える。支持部19bは周囲の隅に貫通穴が形成されており、貫通穴にボルトを挿通してステージ4の所要のネジ穴に螺合することで、導通スタンド19がステージ4の載置面4aに固定される。
図4に示すように、スタンド部19aは内部が空洞であると共にホルダー部21の取り付け側の面に所要幅で開口したスリット部19cを垂直方向に形成し、このスリット部19cの端面に凸状のレール部19dを設けている。また、ホルダー部21は短角棒状であり、スタンド部19aのスリット部19cに一端部21d側が圧入気味に嵌合している。具体的にホルダー部21は、一端部21d側の外周に凹部21eを形成しており、この凹部21eをスリット部19cのレール部19dに嵌合することで、レール部19dに沿って上下に摺動できる構造にしている。
ホルダー部21も内部は空洞であり、プローブ20の取り付け側となる他端部21aの端面から球状に凹設した球状窪部21bを形成し、また球状窪部21bより一端部21e側へ所要の間隔を隔てた箇所に係止部21cを突設し、さらに一端部21e側の端面には貫通孔21fを形成している。ホルダー部21は、球状窪部21bに球状ジョイント22を回転可能に収容すると共に、球状窪部21bと係止部21cとの間には球状ジョイント22を外方へ押し付けて付勢するよう圧縮コイルバネ24を配置している。
球状ジョイント22は、プローブ20を接続する筒状のコネクタ部22aを突設し、コネクタ部22aの内部底にプローブ20と電気的に接続される接続端子22bを設け、この接続端子22bからリード線23を延出している。なお、リード線23はホルダー部21の内部の空洞を通り貫通孔21fを通過してスタンド部19aの内部の空洞へ引き出されて、端末が給電装置18と接続されている。
球状ジョイント22のコネクタ部22aに接続されるプローブ20は、試料30との接触に対して所要の剛性を備えた針状の導電材であり、コネクタ部22aに接続されるとプローブ20の端部20aの端面が球状ジョイント22の接続端子22bと接触して導通する。コネクタ部22aに接続されたプローブ20は、試料30との接触側となる先端を、球状ジョイント22を回転させることで上下左右に動かせる。また、球状ジョイント22は圧縮コイルバネ24で付勢されているため、プローブ20を様々な姿勢に維持させることが可能であると共に試料30に対して導電に対して適切な接触圧を確保できる。なお、本実施形態では、図3中、左に位置する導通スタンド19を正極側、右に位置する導通スタンド19を負極側にしている。
また、図5に示す給電装置18は給電手段に相当し、内部に定圧電源発生部18a、可変抵抗部18b、モータ18c、モータドライバ18d、電圧測定部18e、及び制御部18fを備えている。定圧電源部18aは交流の商用電源ACと接続されており、交流電圧から所要電圧値の直流電圧を生成する。可変抵抗部18bは定圧電源部18aの+側に接続されモータ18cの駆動により抵抗値が変更されるようにしている。この可変抵抗部18bの抵抗値の変更により給電装置18から出力される電力の電圧値が変化する。なお、モータ18cはモータドライバ18dからの信号に基づいた駆動量で作動し、モータドライバ18dは制御部18fにより制御されている。
電圧測定部18eは、可変抵抗部18b及び定圧電源部18aの−側と並列的に接続され給電装置18が出力する電力の電圧値を測定し、測定した結果を制御部18fへ送っている。制御部18fは、コンピュータ10と接続されており、コンピュータ10の指示信号に基づき給電装置18が出力する電力の電圧値を制御する。具体的に制御部18fは、コンピュータ10から電圧値を規定した指示信号を受け付けると、規定された電圧値になるようにモータ18eを駆動させる指示を含んだ信号をモータドライバ18dへ出力する。また、制御部18fは電圧測定部18eからの測定結果を受けて、出力する電力の電圧値がコンピュータ10から規定された電圧値と相異していないかを検出し、相異しているときは出力の電圧値を規定された値に修正するようにモータ18cの駆動制御指示をモータドライバ18dへ出力する処理を行う。
一方、図1に示すコンピュータ10は、データ取込機8で得られた偏光状態の位相差Δ及び振幅比Ψに基づき試料30の解析を行うと共に、測定時のステージ4の移動及び試料30へ印する電圧の制御等も行う。
コンピュータ10は、コンピュータ本体11、ディスプレイ12、キーボード13及びマウス14等から構成されており、コンピュータ本体11はCPU11a、記憶部11b、RAM11c、ROM11d、及び接続インタフェース11eを内部バス11fで接続している。CPU11aは記憶部11bに記憶された各種コンピュータプログラムに従って後述する種々の処理を行うものであり、RAM11cは処理に係る各種データ等を一時的に記憶し、ROM11dにはコンピュータ10の機能に係る内容等を記憶し、接続インタフェース11eはデータ取込機8、モータ制御機9、及び給電装置18と接続されて信号及び各種データの送受を行う。
なお、コンピュータ10の記憶部11bは、試料解析用のコンピュータプログラム、ステージ4の移動制御用のコンピュータプログラム、及び電圧制御用のコンピュータプログラム等を予め記憶すると共に、試料30の製造工程に係る既知のデータ、モデルの作成に利用される複数の分散式、各種試料に応じたリファレンスデータ等も記憶する。
試料30の解析に関し、コンピュータ10は試料30の光学特性としてPLZT膜32の屈折率及び消衰係数、並びにPLZT膜32の膜厚を層毎に解析すると共に基板31の解析等を行う。具体的にコンピュータ10は、測定された位相差Δ及び振幅比Ψから、試料30の周囲と基板31の複素屈折率を既知とした場合に、記憶部11bに予め記憶されているモデリングプログラムを用いることで試料30の材料構造に応じたモデルを作成して第3膜36〜第3膜35の膜厚及び複素屈折率を求める。複素屈折率Nは、解析する膜の屈折率n及び消衰係数kとした場合、以下の光学式で表した数式(2)の関係が成立する。
N=n−ik・・・(2)
また、光照射器3が照射する光の波長をλとすると、データ取込機8で算出された位相差Δ及び振幅比Ψは、解析する膜の膜厚d、屈折率n及び消衰係数kに対して以下の数式(3)の関係が成立する。
(d,n,k)=F(ρ)=F(Ψ(λ,φ),Δ(λ,φ))・・・(3)
なお、コンピュータ10は、解析する膜の膜厚、及び複数のパラメータを有する複素誘電率の波長依存性を示す分散式を用いて、作成したモデルから理論的に得られるモデルスペクトル(ΨM (λi )、ΔM (λi ))と、データ取込器8が得た測定結果に係る測定スペクトル(ΨE (λi )、ΔE (λi ))との差が最小になるように膜厚、分散式のパラメータ等を変化させる処理(フィッティング)を行う。なお、適用される分散式の一例を下記の数式(4)に示す。
Figure 0004413706
数式(4)において左辺のεは複素誘電率を示し、ε、εs は誘電率を示し、Γ0 、ΓD 、γj は粘性力に対する比例係数(damping factor)を示し、ωoj、ωt 、ωp は固有角振動数(oscillator frequency, transverse frequency, plasma frequency)を示す。なお、εは高周波における誘電率(high frequency dielectric constant)であり、εs は低周波における誘電率(static dielectric constant)である。また、複素誘電率ε(ε(λ)に相当)、及び複素屈折率N(N(λ)に相当)は、下記の数式(5)の関係が成立する。
ε(λ)=N2 (λ)・・・(5)
なお、フィッティングを簡単に説明すると、試料30を測定した場合でT個の測定データ対をExp(i=1,2...,T)、T個のモデルの計算データ対をMod(i=1,2...,T)としたときに測定誤差は正規分布すると考えて、標準偏差をσi とした際の最小二乗法に係る平均二乗誤差χ2 は下記の数式(6)で求められる。なお、Pはパラメータの数である。平均二乗誤差χ2 の値が小さいときは、測定結果と形成したモデルの一致度が大きいことを意味するため、複数のモデルを比較する場合、平均二乗誤差χ2 の値が最も小さいものがベストモデルに相当する。
Figure 0004413706
上述したコンピュータ10が行う試料解析に係る一連の処理は、記憶部11bに記憶された試料解析用のコンピュータプログラムに規定されている。このコンピュータプログラムには、試料の物性に対応して作成するモデルの条件項目として膜厚等を入力して設定するためのメニューをディスプレイ12の画面に表示させる処理等も含まれる。上述した解析処理を行うことで、コンピュータ10は試料30のPLZT膜32を各膜34〜36毎に解析できる。なお、解析処理は、後述するステージ4の移動、及び印する電圧値の変更毎に行うようにプログラミングされている。
また、測定時のステージ4の移動に関し、コンピュータ10は、図2(b)に示す試料30へ光を照射するポイント(箇所)P1〜Pnの指定を受け付けて指定されたポイントP1〜Pnへ光が順次照射されるようにステージ4を移動する制御、及び指定された全ポイントを移動したか否かの判断等を移動制御用のコンピュータプログラムの規定内容に基づき行う。ポイントP1〜Pnは、ディスプレイ12の画面に表示されるメニューでポイント数、ポイント位置等を指定できるようにしている。なお、本実施形態では試料30の電極33a、33bの間におけるPLZT膜32の膜表面32aの部分32b(図2(a)参照)をポイントP1〜Pnの指定範囲にしている。
さらに、印電圧の制御に関し、コンピュータ10は、試料30へ印する電圧値の指定を受け付けて照射前に指定された電圧値を試料30へ印するように給電装置18を制御すること、及び指定された全電圧値を印したかの判断等を電圧制御用のコンピュータプログラムの規定内容に基づき行う。設定される各電圧値は、ディスプレイ12の画面に表示されるメニューで複数の電圧値、電圧値の変化のさせ方等を指定できるようにしている。なお、本実施形態の試料30に対しては、100〜500V前後の電圧値を基準電圧値として設定すると共に、基準電圧値から例えば5V間隔で所要数の電圧値まで上昇してから基準電圧値まで戻るように設定する。
次に、上述した構成の分光エリプソメータ1を用いて試料30の解析を行う光学特性解析方法に係る一連の処理手順を図6のフローチャートに基づき説明する。
先ず、分光エリプソメータ1のステージ4に試料30を載置する(S1)。なお、試料30を載置した場合、図3に示すように試料30の各電極33a、33bにプローブ20を接触させる。
次に、解析に係る項目として試料30を測定するポイントP1〜Pn、印する電圧値、入射角度φ、試料30に応じたモデル作成のための条件(基板の材質、膜厚、光学定数等)等をコンピュータ10に入力する(S2)。なお、ポイントP1〜Pnの入力及び入射角度φの入力を受けて、分光エリプソメータ10は最初のポイントP1に対して入射角度φ及び反射角度φになるように光照射器3、ステージ4及び光取得器5を移動し、また、モデル作成のための条件の入力を受けて、コンピュータ10が解析用のモデルを作成する。
また、分光エリプソメータ1は、入力により設定された最初の電圧値で試料30へ電圧を印する(S3)。この電圧の印により試料3の電極間33a、33bには、図3に示す方向に電界Eが発生する。この状態で分光エリプソメータ1は光照射器3から偏光状態の光を試料30へ入射して(S4)、位相差ΔE、振幅比ΨE を測定する(S5)。
また、分光エリプソメータ1は、コンピュータ10で位相差ΔM、振幅比ΨMをモデルから算出し、測定値とモデルの算出値との差が小さくなるようにモデルの膜厚及び分散式のパラメータ等のフィッティングを行い、フィッティングにより最小二乗法で求めた差が所要の値に収まれば(十分小さくなれば)、そのときの膜厚及び分散式のパラメータ等の数値から試料30の膜厚及び光学定数(屈折率n、消衰係数k)等を層毎に解析する(S6)。
次に、分光エリプソメータ1は、入力により設定された全ポイントP1〜Pnを解析したか否かを判断し(S7)、全ポイントP1〜Pnを解析していない場合(S7:NO)、設定された次のポイントに光が入射されるようにステージ4を移動し(S8)、偏光状態の光を入射する段階(S4)へ戻る。これ以降の処理は、全ポイントP1〜Pnの解析が終了するまでS4〜S8の処理段階を繰り返し、ポイント毎に解析を行う。
また、全ポイントP1〜Pnの解析が終了したと判断した場合(S7:YES)、分光エリプソメータ1は入力により設定された全電圧値で解析が行われたか否かを判断する(S9)。全電圧値で解析が終了していないと判断した場合(S9:NO)、分光エリプソメータ1は設定されている順番に電圧値を変更し(S10)、偏光状態の光を入射する段階(S4)へ戻る。これ以降の処理は、全電圧値で解析が終了するまでS4〜S10の処理段階を繰り返して電圧値毎に解析を行う。
最後に、全電圧値で解析が終了したと判断した場合(S9:YES)、分光エリプソメータ1での解析処理が終了する。このように本発明に係る分光エリプソメータ1では、電圧を印した状態で自動的に試料解析を膜層毎に行うため、屈折率さらには光の透過率等が判明し、多層膜構造の試料の電気光学効果を膜層毎に評価でき、また、複数のポイントP1〜Pnを測定してポイント毎に解析して電気光学効果の面分析も行える。特に、本実施形態に係る試料30においては、PLZT膜32における各膜層の特性を層毎に分けて解析でき、試料30の研究、研究段階から製造段階への移転、及び製造管理等に対して、本発明は大いに貢献できる。
なお、本発明に係る分光エリプソメータ1及び光学特性解析方法は上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形例の適用が可能である。例えば、本実施形態の分光エリプソメータ1では、電圧の印から試料の解析まで自動的に行えるようにしているが、電圧の印とステージ4の移動とのいずれか一方又は両方を手動で行う構成にしてもよい。電圧の印を手動で行う場合は、コンピュータ10の電圧制御に係る処理及び給電装置18からモータ18c等の電圧値変更に係る構成を適宜省略でき、ステージ4の移動を手動で行う場合は、コンピュータ10のステージ4の移動に係る処理及び第1モータM1〜第3モータM3を省略できる。なお、ステージ4を移動させない場合、導通スタンド19は光の照射及び反射を妨げない箇所に設けるようにしてもよい。
また、試料の複数ポイントを解析する必要が無い場合は、図6に示す光学特性解析方法に係るフローチャートでS7及びS8に示す処理を省略でき、電圧値を変更して解析する必要が無い場合は、光学特性解析方法に係るフローチャートでS9及びS10に示す処理を省略できる。
さらに、分光エリプソメータ1では、試料との接触に関して、図3、4に示す導通スタンド19及びプローブ20を適用する以外に、例えば、図7に示すように導通スタンド49に設けたホルダー51からボンディングワイヤ50と延出させて、ボンディングワイヤ50により試料との導通を図ることも可能である。
さらにまた、分光エリプソメータ1の解析対象は、PLZT膜を有する試料に限定されるものではなく、チタン酸鉛(PbTiO3 )とジルコン酸鉛(PbZrO3)とを混合した強誘電体膜のPZT膜を有する試料、高誘電体の多層膜構造の試料、強誘電体の多層膜構造の試料等も好適に解析できると共に、その他、基板上に膜を形成した各種試料の解析も行える。
また、分光エリプソメータ1が解析できる試料の構造も、図2(a)(b)及び図3に示す形態に限定されるものではなく、図8に示す構造の試料60も解析を行うことができる。図8に基づき試料60の構造を説明すると、試料60は、基板61の上に電極B63a及び電極A63bに挟まれた状態で多層膜62が形成されている。多層膜62の平面視方向の面積は電極B63aより少し小さいため、電極B63aの右端部分の表面は露出しており、また、多層膜62の一部(右端)の表面部分62aは電極A63bが覆われていない。なお、多層膜62が電気的な測定に基づいた誘電率が50以上である高誘電体膜又は強誘電体膜で有る場合、分光エリプソメータ1は多層膜を層毎に解析できる。
上述した構造の試料60を解析する場合、図8に示すように一対のプローブ20の内の一方を電極A63bと接触させると共に、他方を電極B63aの露出している表面部分に接触させこの状態で電圧を印することになる。なお、多層膜62が例えば三層構造である場合、印する電圧値をVで表すと、上層には電圧値V1、中層には電圧値V2、及び下層には電圧値V3が夫々印され、V1+V2+V3=Vの関係が成立する。また、この場合、電圧の印により生じる電界の方向は、多層膜62を直交して横切るように電極A63bと電極B63aとを結ぶ方向になる。印する電圧値は、電界が多層膜32を横切る方向であるため電気光学効果も生じやすくなるため、図2(a)に示す試料32に比べて低く設定でき、例えば基準電圧値として1〜10V程度を設定する。
また、図8に示す試料60で光を入射させる範囲は、多層膜62の露出している表面部分62aにする。さらに、多層膜62を覆う電極A63bが光透過性を有する透明電極である場合、又は厚み寸法が薄く光を透過できる場合は、電極A63bの上から、即ち電極A63bの表面に対して光を入射して測定を行うことも可能になる。なお、電極A63bの上から光を入射させる場合は、電極A63bも測定及び解析に影響を及ぼすため、図6に示すフローチャートの項目を入力する段階(S2)で、電極A63bに係る材質及び厚み等を入力する必要がある。
さらにまた、本発明は必ずしも分光エリプソメータをベースとして構成する必要はなく、キセノンランプ2のように複数の波長成分を有する光を発生する発生手段、光照射器3のように発生した光を偏光して試料台に載置した試料へ照射する照射手段、並びに光取得器5及び分光器7のように試料で反射した光を検光して測定を行う測定手段を備える測定解析装置に、給電装置18及び導通スタンド19のような電圧印手段を組み合わせた構成でも対応可能である。この構成においては、電圧印手段により電圧を印した試料へ前記照射手段により偏光状態の光を照射し、前記測定手段により測定を行う。
本発明の実施形態に係る分光エリプソメータの全体構成図である。 (a)は試料の斜視図、(b)は試料の平面図である。 ステージに載置された試料の状況を示す概略図である。 導通スタンドの要部拡大断面図である。 給電装置の内部構成を示すブロック図である。 光学特性解析方法に係る処理手順を示すフローチャートである。 変形例の導通スタンドを示す概略図である。 本発明での解析対象となる別の構造の試料を示す概略図である。 従来の解析方法を示す概略図である。
符号の説明
1 分光エリプソメータ
2 キセノンランプ
3 光照射器
4 ステージ
5 光取得器
7 分光器
8 データ取込機
9 モータ制御機
10 コンピュータ
18 給電装置
19 導通スタンド
30 試料
31 基板
32 PLZT膜
33a、33b 電極

Claims (7)

  1. 複数層の膜を備える試料の光学特性を分光エリプソメータで解析する光学特性解析方法であって、
    複数の印加する電圧値を受け付ける受け付けステップと、
    試料に前記受け付けステップにより受け付けた電圧値に係る電圧を印する印加ステップと、
    電圧が印された試料の膜表面へ複数波長成分の偏光した光を照射する照射ステップと、
    試料で反射した光の偏光状態を測定して試料の膜の光学特性を層毎に解析する解析ステップと
    前記受け付けステップにより受け付けた複数の電圧値に対して前記解析ステップによる解析を実行したか否かを判断する判断ステップと、
    該判断ステップにより複数の電圧値に対する解析を実行していないと判断した場合、前記受け付けステップにより受け付けた電圧値を変更するステップと
    を備えることを特徴とする光学特性解析方法。
  2. 複数層の膜及び複数の電極を備え、複数の電極の中に膜を覆う光透過性の電極を有する試料の光学特性を分光エリプソメータで解析する光学特性解析方法であって、
    複数の印加する電圧値を受け付ける受け付けステップと、
    試料の電極間に前記受け付けステップにより受け付けた電圧値に係る電圧を印する印加ステップと、
    電圧が印された試料の光透過性の電極表面へ複数波長成分の偏光した光を照射する照射ステップと、
    試料で反射した光の偏光状態を測定して試料の膜の光学特性を層毎に解析する解析ステップと
    前記受け付けステップにより受け付けた複数の電圧値に対して前記解析ステップによる解析を実行したか否かを判断する判断ステップと、
    該判断ステップにより複数の電圧値に対する解析を実行していないと判断した場合、前記受け付けステップにより受け付けた電圧値を変更するステップと
    を備えることを特徴とする光学特性解析方法。
  3. 前記照射ステップによる複数の照射位置を受け付ける位置受け付けステップと、
    前記解析ステップによる解析後に、前記位置受け付けステップによる受け付けた複数の照射位置に対して前記解析ステップによる解析を実行したか否かを判断する位置判断ステップと、
    該位置判断ステップにより複数の照射位置に対する解析を実行していないと判断した場合、前記位置受け付けステップにより受け付けた照射位置を変更するステップとを備え、
    前記判断ステップは、前記位置判断ステップにより複数の照射位置に対する解析を実行したと判断した場合に、前記受け付けステップにより受け付けた複数の電圧値に対して前記解析ステップによる解析を実行したか否かを判断する
    請求項1または請求項2に記載の光学特性解析方法。
  4. 複数波長成分を有する光を発生する発生手段と、該発生手段が発生した光を偏光して試料台に載置する試料へ照射する照射手段と、試料で反射した光を検光して測定を行う測定手段とを備える試料測定装置であって、
    前記試料台に載置される試料へ電圧を印する電圧印手段を備え、
    該電圧印加手段は、
    前記試料台に設けられるスタンド部と、
    該スタンド部に取り付けられたホルダ部と、
    該ホルダ部先端の球状窪部に回転可能に収容されリード線を通す球状ジョイントと、
    前記リード線に電気的に接続され前記球状ジョイントに取り付けられるプローブと
    を含み、
    前記照射手段は、前記該電圧印手段が電圧を印した試料へ光を照射するようにしてあることを特徴とする試料測定装置。
  5. 複数層の膜を備える試料の光学特性を解析する分光エリプソメータであって、
    複数の印加する電圧値を受け付ける受け付け手段と、
    試料に前記受け付け手段により受け付けた電圧値に係る電圧を印加する印加手段と、
    電圧が印加された試料の膜表面へ複数波長成分の偏光した光を照射する照射手段と、
    試料で反射した光の偏光状態を測定して試料の膜の光学特性を層毎に解析する解析手段と、
    前記受け付け手段により受け付けた複数の電圧値に対して前記解析手段による解析を実行したか否かを判断する判断手段と、
    該判断手段により複数の電圧値に対する解析を実行していないと判断した場合、前記受け付け手段により受け付けた電圧値を変更する手段と
    を備えることを特徴とする分光エリプソメータ。
  6. 複数層の膜及び複数の電極を備え、複数の電極の中に膜を覆う光透過性の電極を有する試料の光学特性を解析する分光エリプソメータであって、
    複数の印加する電圧値を受け付ける受け付け手段と、
    試料の電極間に前記受け付け手段により受け付けた電圧値に係る電圧を印加する印加手段と、
    電圧が印加された試料の光透過性の電極表面へ複数波長成分の偏光した光を照射する照射手段と、
    試料で反射した光の偏光状態を測定して試料の膜の光学特性を層毎に解析する解析手段と、
    前記受け付け手段により受け付けた複数の電圧値に対して前記解析手段による解析を実行したか否かを判断する判断手段と、
    該判断手段により複数の電圧値に対する解析を実行していないと判断した場合、前記受け付け手段により受け付けた電圧値を変更する手段と
    を備えることを特徴とする分光エリプソメータ。
  7. 前記照射手段による複数の照射位置を受け付ける位置受け付け手段と、
    前記解析手段による解析後に、前記位置受け付け手段による受け付けた複数の照射位置に対して前記解析手段による解析を実行したか否かを判断する位置判断手段と、
    該位置判断手段により複数の照射位置に対する解析を実行していないと判断した場合、前記位置受け付け手段により受け付けた照射位置を変更する手段とを備え、
    前記判断手段は、前記位置判断手段により複数の照射位置に対する解析を実行したと判断した場合に、前記受け付け手段により受け付けた複数の電圧値に対して前記解析手段による解析を実行したか否かを判断する
    請求項5または請求項6に記載の分光エリプソメータ。
JP2004225991A 2004-08-02 2004-08-02 光学特性解析方法、試料測定装置、及び分光エリプソメータ Expired - Fee Related JP4413706B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004225991A JP4413706B2 (ja) 2004-08-02 2004-08-02 光学特性解析方法、試料測定装置、及び分光エリプソメータ
FR0552421A FR2873814A1 (fr) 2004-08-02 2005-08-02 Procede d'analyse de caracteristiques optiques ainsi qu'appareil de mesure d'echantillons et ellipsometre spectroscopique pour sa mise en oeuvre
US11/196,808 US7280208B2 (en) 2004-08-02 2005-08-02 Optical characteristic analysis method, sample measuring apparatus and spectroscopic ellipsometer

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004225991A JP4413706B2 (ja) 2004-08-02 2004-08-02 光学特性解析方法、試料測定装置、及び分光エリプソメータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006047015A JP2006047015A (ja) 2006-02-16
JP4413706B2 true JP4413706B2 (ja) 2010-02-10

Family

ID=35613598

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004225991A Expired - Fee Related JP4413706B2 (ja) 2004-08-02 2004-08-02 光学特性解析方法、試料測定装置、及び分光エリプソメータ

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7280208B2 (ja)
JP (1) JP4413706B2 (ja)
FR (1) FR2873814A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4616567B2 (ja) * 2004-03-11 2011-01-19 株式会社堀場製作所 測定方法、解析方法、測定装置、解析装置、エリプソメータ及びコンピュータプログラム
PL1632746T3 (pl) * 2004-09-07 2008-03-31 Applied Mat Gmbh & Co Kg Sposób oznaczania fizycznych właściwości warstwy optycznej lub układu warstw
US7481932B2 (en) * 2005-09-20 2009-01-27 Freeman Brian A Water treatment apparatus
JP4511488B2 (ja) * 2006-03-31 2010-07-28 株式会社堀場製作所 有機el素子の製造装置
TWI331213B (en) 2005-11-29 2010-10-01 Horiba Ltd Sample analyzing method, sample analyzing apparatus,and recording medium
US20090262332A1 (en) * 2008-04-18 2009-10-22 Microvast, Inc. High-throughput spectral imaging and spectroscopy apparatus and methods
JP5302631B2 (ja) * 2008-11-08 2013-10-02 株式会社堀場製作所 光学測定装置、プログラム、及び計測方法
JP2011133468A (ja) * 2009-11-30 2011-07-07 Hoya Corp 膜厚測定方法および眼鏡レンズの製造方法
CA2896541C (en) 2013-01-04 2020-04-21 Ian Chamberlin Assay apparatuses, methods and reagents
US11467150B2 (en) * 2019-02-14 2022-10-11 X-Centric Sciences Inc. System and method for soil characterization

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63205543A (ja) 1987-02-20 1988-08-25 Fujitsu Ltd 電気光学効果の評価方法
JPS6441838U (ja) 1987-09-02 1989-03-13
US6008906A (en) * 1995-08-25 1999-12-28 Brown University Research Foundation Optical method for the characterization of the electrical properties of semiconductors and insulating films
US6153318A (en) 1996-04-30 2000-11-28 Rothberg; Gerald M. Layered material having properties that are variable by an applied electric field
JP2002014146A (ja) * 2000-06-29 2002-01-18 Ando Electric Co Ltd 半導体試験装置の校正方法、半導体試験装置、半導体試験方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20060023213A1 (en) 2006-02-02
US7280208B2 (en) 2007-10-09
JP2006047015A (ja) 2006-02-16
FR2873814A1 (fr) 2006-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7280208B2 (en) Optical characteristic analysis method, sample measuring apparatus and spectroscopic ellipsometer
KR100773022B1 (ko) 측정 장치, 해석 장치, 엘립소미터 및 컴퓨터 프로그램을 기록한 컴퓨터로 읽을 수 있는 매체
KR100822419B1 (ko) 시료 해석 방법
CN101832818B (zh) 根据完全米勒矩阵测量值确定液晶单元参数的方法和装置
KR100892743B1 (ko) 분광타원계를 사용한 박막층 구조의 해석방법
JP2010066268A5 (ja)
CN106052876B (zh) 一种光柱镭射纸张及其印刷品的色差测量方法
CN102954765A (zh) 光学特性测量装置以及光学特性测量方法
US6693710B1 (en) Polarization imaging system
JP2002162360A (ja) 液晶パネルの評価方法及び評価装置
JP2002504673A (ja) 複屈折特性測定方法および装置
US5625455A (en) Rotating analyzer ellipsometer and ellipsometry technique
EP0176827A2 (en) Method and apparatus for simultaneously determining gauge and orientation of polymer films
CN105066889A (zh) 一种便携式薄膜测厚仪及其膜厚测量方法
JP2006017648A (ja) 測定装置
EP3751253A1 (en) Method and apparatus for determining optical constant of material, and method and apparatus for extending material database
CN110312925A (zh) 使用宽带红外辐射的检验及计量
JP4136740B2 (ja) 分光エリプソメータを用いた薄膜3層構造の解析方法
KR101692869B1 (ko) 인디케이터를 이용한 광학 현미경
US20050244093A1 (en) Wavelength-tuned intensity measurement of surface plasmon resonance sensor
KR100883876B1 (ko) 시료 해석 방법
US8126694B2 (en) Modeling conductive patterns using an effective model
JP3613707B2 (ja) 超薄膜および薄膜計測方法
JP2576781B2 (ja) 複屈折体のセルギャップ測定方法およびその装置
US20230010806A1 (en) Spectroscopic ellipsometry system for thin film imaging

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070511

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090807

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091118

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131127

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees