JP4413239B2 - 建物 - Google Patents

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本発明は、地震や強風などによって設計値より大きな水平外力が作用した際の耐力に優れた建物に関するものである。
従来、角部に配置された柱間に、天井梁と床梁を架け渡してラーメン構造体を構築し、その柱間に配置した間柱に外壁パネルを取り付けるユニット建物の構造が知られている(特許文献1など参照)。
また、特許文献2には、鉄骨で形成されたラーメン構造体に、ブレース構造の耐力壁を配置して耐力を向上させた構造が開示されている。この耐力壁は、柱や梁と同様に構造部材として構造計算上で考慮され、この耐力壁の有無及び配置箇所によって建物の設計耐力が異なることになる。
さらに、特許文献3には、鉄骨ラーメン構造体の建物ユニットに間柱を介して取り付けられる外壁パネルは、設計上は耐震構造部材として考慮されていないが、実際に地震によって水平外力が作用すると、建物ユニットの変形を抑える機能を発揮することが開示されている。
特開平8−60765号公報 特開2002−138702号公報 特開2005−350964号公報
しかしながら、従来の外壁パネルなどの壁パネルを構造部材として考慮しない鉄骨ラーメン構造体では、壁パネルによって補強されて地震に強い建物になっていても設計上で評価を受けることが難しい。
また、構造部材として設計されていなければ、耐震性能にもバラつきが生じる可能性があるので、建物の耐力の定量的な評価が難しい。
一方、すべての壁パネルを耐力壁とすると、建物の剛性が非常に高くなって、変形によってエネルギーを吸収するというラーメン構造体本来の特性が充分発揮されなくなるおそれがある。
そこで、本発明は、地震などの水平外力に対する壁パネルの機能を的確に評価して利用できる建物を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の建物は、複数の柱とその上下に横架される梁とを接合したラーメン構造体と、前記ラーメン構造体に取り付けるための装着部と面材とを備えた壁パネルとによって構成される建物であって、前記装着部は略直交する2面を有し、一方の面は前記壁パネルの構造体となるフレームに固定され、他方の面は前記ラーメン構造体の一部材と複数の棒状連結材によって接合されるとともに、前記一部材と略平行又は略直交する他部材と前記壁パネルも、略直交する2面を有して一方の面が前記フレームに固定される装着部の他方の面を介して複数の棒状連結材によって接合され、前記装着部の少なくとも一つには、前記一部材又は前記他部材に引掛けるための掛止片が前記他方の面の縁部から延出されており、所定の水平外力より大きな水平外力が作用した際には、前記フレームに外壁材が取り付けられた前記壁パネルを介して前記棒状連結材に作用するせん断力によって前記壁パネルとの接合が破壊する前に、前記掛止片が変形するとともに前記棒状連結材を挿通させる前記装着部の孔が塑性変形することを特徴とする。
ここで、「壁パネルが破壊する」とは、再利用できない程度に構造的に壁パネルが壊れる状態をいい、例えば棒状連結材の端部による支圧によって局所的に表面材などが損傷する場合などは破壊とはいわない。
また、前記上下の梁の少なくとも一方を前記一部材とすることができる。さらに、前記柱を前記一部材とすることもできる。
また、前記上下の梁に端部がそれぞれ連結される間柱を設け、その間柱を前記他部材とすることもできる。
さらに、前記上下の梁に端部がそれぞれ連結される間柱を設けるとともに、その間柱間に横材を架け渡し、その横材を前記他部材にしてもよい。
このように構成された本発明の建物では、ラーメン構造体を構成する柱と梁の少なくとも一部材に棒状連結材を介して壁パネルが取り付けられる。そして、大地震などの設計値より大きな水平外力が作用すると、壁パネルが破壊する前に棒状連結材を挿通させる孔が塑性変形し、この孔の塑性変形する過程において地震エネルギーが吸収される。
すなわち、水平外力が作用しても、棒状連結材を挿通させる孔が弾性変形する間は、ラーメン構造体の一部材とそれに略平行又は略直交する他部材とに連結された壁パネルの面的な拘束作用によって建物の変形が抑えられる。
そして、大きな水平外力が作用して孔が塑性変形する過程で地震エネルギーを吸収することになる。また、さらに設計値より大きな水平外力が作用すると、孔が広がって棒状連結材を介して壁パネルに荷重が伝達されにくくなり、それに代わってラーメン構造体が変形して地震エネルギーを吸収する。
このように壁パネルが破壊する前に棒状連結材を挿通させる孔が塑性変形して壁パネルが荷重を受けなくなるので、壁パネルが限界まで耐えた後に破壊して一気に建物が崩壊するというような破壊パターンにはならない。
そして、このような建物の地震時の挙動を把握してその挙動が再現される構造を構築することで、壁パネルの機能を的確に評価することができる。
また、このように設計された建物は、地震時の安全性が向上するうえに、地震によって損傷しても構造部材の再利用により容易に建物の修復をすることができる。
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
図2は、本実施の形態の建物を構成する建物ユニット1の概略構成を説明するための斜視図である。
この建物ユニット1は、横方向及び上下方向に複数連結させることでユニット建物(図示せず)を構成するものである。
まず、構成から説明すると、この建物ユニット1は、四隅に配置される4本の柱2,・・・と、その上端間に横架される梁としての天井梁31,・・・と、その下端間に横架される梁としての床梁32,・・・とから構成されるラーメン構造体11を主たる構造部材としている。
この柱2と天井梁31及び床梁32とは、剛接合されているが、この剛接合はまったく柱2と梁31,32との角度が変わらないものに限定されるものではなく、現実的な構造物としての半剛接合で接合されているものも含むものである。
また、床梁32,32間には、所定の間隔を置いて複数の小梁321,・・・が架け渡されており、その上には図1に示すように床面材322が張られている。
この床梁32側と同様に、天井梁31,31間にも図1に示すような天井野縁311が複数架け渡されており、その下面側には天井面材312が張り付けられている。
そして、図2の前面側の柱間2,2には複数の間柱4,・・・が所定の間隔で配置されている。この間柱4は、図4に示すように、上端が天井梁31にボルト62で連結されるとともに、下端が床梁32にボルト62で連結されている。
また、図2の前面側に配置される壁パネル5の構成を説明する斜視図を図3に示す。
この壁パネル5は、石膏ボードや硬質木片セメント板によって構成される壁面材52と、その縁部を囲繞するように配置されるフレーム53と、そのフレーム53に固定される装着部としての固定金具51A,51Bとから主に構成される。
このフレーム53は、図3及び図1に示されるように、2本の縦枠533,533と、その縦枠533,533の上端間を繋ぐ上枠531と、その縦枠533,533の下端間を繋ぐ下枠532とから主に構成される。
そして、図3に示すように、このフレーム53の上面側には、壁面材52が張られて複数本のスクリュー釘52a,・・・によって固定されている。
さらに、このフレーム53の上枠531には、図1に示すように、壁パネル5の上縁を天井梁31に接合するための固定金具51Aをスクリュー釘61によって取り付ける。
この固定金具51Aは、図3に示すように、壁パネル5の幅よりも少し短い断面視略L字形の長尺金物であって、壁面材52に当接させる片には、棒状連結材としての固定ボルト6を挿通させる孔としてのボルト孔511が複数開口されている。
また、下枠532には、図1に示すように、壁パネル5の下縁を床梁32に接合するための固定金具51Bをスクリュー釘61によって取り付ける。
この固定金具51Bは、図3に示すように、壁パネル5の幅よりも少し短い断面視略Z字形の長尺金具であって、壁面材52に当接させる片には、固定ボルト6を挿通させる孔としてのボルト孔511が複数開口されている。
また、図1に示すように、固定金具51Bの上縁は、床梁32の上面に引掛けるための掛止片513となっている。
このような固定金具51A,51Bは、壁パネル5の構造体となるフレーム53に直接固定されているうえに、上下の固定金具51A,51Bによって壁パネル5が挟まれるように拘束されているので、例えば上下方向の力が壁パネル5に作用しても、固定金具51A,51Bと壁パネル5との接合は破壊しにくい構造となっている。
また、図1に示すように、この壁パネル5の外部側には、セメント系のサイディング板などによって形成される外壁材55が取り付けられ、この外壁材55と壁面材52との間には、ガラスウールなどの断熱材54が配置される。
図4は、この壁パネル5,5Aをラーメン構造体11に取り付けた構成を、建物ユニット1の内部側から見た図である。
例えば間柱4,4間に装着される壁パネル5は、固定金具51Aを一部材としての天井梁31に当接させるとともに、固定金具51Bをその一部材と略平行する他部材としての床梁32に当接させる。
そして、図1に示すように、固定金具51A,51Bから突出させた固定ボルト6,6を天井梁31と床梁32の孔313,323に挿入し、建物ユニット1の内部側に突出した固定ボルト6,6の先端にナット6a,6aを螺入することで、壁パネル5を天井梁31及び床梁32に取り付ける。
また、図4に示すように、一側縁が柱2に当接する壁パネル5Aは、天井梁31と床梁32に固定するだけでなく、一部材としての天井梁31と略直交する他部材としての柱2にも固定する。
すなわち、柱2から耳状に装着片21を間柱4方向に突出させておき、この装着片21に壁パネル5Aを取り付ける。この装着片21は、上下方向に間隔を置いて複数設けられる。
一方、壁パネル5A側には、この装着片21と対峙する位置に、装着部としての固定金具51Cを取り付けておく。この固定金具51Cは板片状に形成されて壁パネル5Aに接合されるとともに、固定ボルト6が取り付けられている。
そして、壁パネル5Aを天井梁31及び床梁32に取り付ける際に、固定金具51Cを装着片21に当接させ、建物ユニット1の内部側に突出した固定ボルト6の先端にナット6aを螺入することで、壁パネル5Aを柱2に固定する。
次に、本実施の形態の建物の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の建物ユニット1は、ラーメン構造体11を構成する柱2と梁31,32の少なくとも一部材に固定ボルト6を介して壁パネル5,5Aが取り付けられる。
そして、この建物ユニット1に、水平外力としての地震力が作用すると、始めは天井梁31と床梁32との間を連結する壁パネル5及び天井梁31と床梁32と柱2とを連結する壁パネル5Aが、部材間の相対的な変形を面として抑え、ラーメン構造体11とともに建物ユニット1の揺れを抑える働きをする。
この状態は、設計値を建築基準法で定める地震力とした場合は、その大きさに至るまで確実に続く。また、設計値を建築基準法で定める地震力の1.25倍又は1.5倍とした場合は、その地震力に至るまで続く。
以下、さらに詳細に一次設計と二次設計における状態について説明する。ここで、一次設計の地震力は、建築基準法でいう標準せん断力係数Cdを0.2としたときの地震力、二次設計の地震力は、建築基準法でいう必要保有水平耐力となる地震力とする。
そして、作用する地震力の大きさが一次設計の範囲内ならば、固定金具51A〜51Cと天井梁31等とを接合する固定ボルト6に作用するせん断力は、固定金具51A〜51Cの支圧耐力の範囲内に収まり、ボルト孔511が塑性変形することはない。
ここで仮に、ボルト孔511が拡大する前に壁パネル5,5Aが破壊すると、その影響によってある地震力に達したときに一気に建物ユニット1が崩壊してしまうおそれがある。
これに対して、地震力が増加してボルト孔511が塑性変形して押し広げられて、壁パネル5,5Aが荷重を徐々に受けなくなるようにすることで、建物ユニット1の変形量は大きくなるものの、それによって地震エネルギーを吸収することができるので、ラーメン構造体11や壁パネル5,5Aが壊滅的に破壊することを防止することができる。
また、図5(a)に示すように、固定金具51Bのボルト孔511が広がる前は、天井梁31と床梁32との間は壁パネル5によって変形が抑制されているが、図5(b)に示すようにボルト孔511が広がると、壁パネル5による拘束が緩くなって、その後の地震力の増加に対しても建物ユニット1はねばり強く耐えて、倒壊や崩壊を防ぐことができる。
ここで、「壁パネル5,5Aが破壊する」とは、再利用できない程度に構造的に壁パネル5,5Aが壊れる状態をいい、例えば固定ボルト6の頭部による支圧によって局所的に壁面材52が損傷しても再利用に支障はなく、壁パネル5,5Aが破壊したとはいわない。
なお、上側の固定金具51Aと天井梁31との間も同様の連結構造で連結されているので、同様の機能が期待できる。
また、破壊する前に荷重を受けなくなった壁パネル5,5Aやラーメン構造体11は、再利用することができるので、地震後に短期間かつ経済的に建物ユニット1の修復をおこなうことができる。
以下、この実施例1では、前記実施の形態で説明した建物ユニット1の水平耐力を確認した実験及び解析について説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
この実施例1では、壁パネル5の固定金具51(51A,51B)には、JIS規格に規定される一般構造用圧延鋼材(SS400)を使用し、天井梁31及び床梁32には同じくSS400の固定金具51より厚い鋼材を使用した。
また、固定ボルト6は、せん断強度が固定金具51の引張強さより大きくなるものを使用した。
そして、この固定金具51と天井梁31及び床梁32とを固定ボルト6で接合した接合部に単調載荷したせん断試験の結果、この接合部の降伏強度Pyと引張強さPmaxは固定ボルト6のせん断強度より小さくなり、固定金具51のボルト孔511が最初に変形して接合が破壊されることが確認できた。
一方、建物ユニット1を解析用に2次元モデル化した建物ユニットモデルによる解析と、比較のために、壁パネル5を配置しないラーメン構造体モデルだけの解析もおこなった。
図6は、各モデルに繰り返し水平荷重Pを載荷した結果の包絡線を、水平荷重Pと層間変形角の関係で示した図である。ここで、層間変形角は、層間変位δを建物ユニットモデルの高さhで割った値で、層間変位δは1階の床と2階の床との水平変位差をいう。なお、この建物ユニットモデルでは床梁が水平移動しないので、天井梁の水平変位量が層間変位δということになる。
この図6の破線で示した包絡線Sは、ラーメン構造体モデルのみの場合の復元力特性を示したものである。
これに対して、実線で示した包絡線SRWは、ラーメン構造体モデルに壁パネルを加えた場合の復元力特性を示したものである。
このように2つのモデルの層間変形角が1/120(建築基準法の損傷限界)に至るまでの傾き(一次剛性)を比較すると、壁パネル5を加えた場合の方が急勾配になっており、設計値以下の水平荷重Pが作用した場合の変形量が抑えられていることがわかる。
また、包絡線S,SRWとX軸とで囲む面積は、壁パネル5を加えた場合の方が広くなっており、地震時のエネルギー吸収量が大きくなっていることがわかる。
さらに、倒壊の可能性が出てくる安全限界(層間変形角1/15)に至るまでの水平荷重Pも、建物ユニットモデルの方が上回っていることがわかる。
この結果、壁パネル5を加えた建物ユニット1の方が、ラーメン構造体11のみを構造部材として設計する場合に比べて、設計値以下の地震に対しては変形が抑制されるうえに、設計値より大きな地震に対しても崩壊し難い構造となっていることが定量的に説明できる。
以下、この実施例2では、前記実施の形態で説明した壁パネル5,5Aの取付構造とは別の形態の壁パネルの取付構造について、図7を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
図7(a)は、略平行する柱2,2間に壁パネル71を装着する取付構造を示した模式図である。この壁パネル71は、前記実施の形態で説明した壁パネル5の3枚分の大きさのパネルで、壁パネル71の両側縁が固定ボルト6,・・・を介してそれぞれ構造部材である柱2,2に固定される。
また、図7(b)は、略平行する柱2と間柱4とに壁パネル72を装着する取付構造を示した模式図である。この壁パネル72は、一方の側縁が構造部材である柱2に固定ボルト6,・・・を介して固定されており、他方の側縁が非構造部材である間柱4に固定ボルト6,・・・を介して固定されている。
さらに、図7(c)は、略直交する柱2と横材としてのまぐさ41とに壁パネル73を装着する取付構造を示した模式図である。このまぐさ41は、開口部の上下に横架される非構造部材で、ここでは構造部材である柱2と非構造部材である間柱4との間を連結している。
この壁パネル73は、一方の側縁が一部材としての柱2に固定ボルト6,・・・を介して固定されており、上縁が他部材としてのまぐさ41に固定ボルト6,・・・を介して固定されている。
また、図7(d)の壁パネル74は、図7(c)の壁パネル73の固定箇所に加えて間柱4にも固定ボルト6,・・・を介して固定されている。
このように構造部材である柱2を一部材として壁パネル71〜74を取り付ける場合には、他部材としては、その柱2に略平行する柱2や間柱4、又は柱2に略直交するまぐさ41などの部材が選択できる。
また、このようにして壁パネル71〜74を取り付けることによって、前記実施の形態で説明したように、壁パネル71〜74によって地震初期の変形が抑制され、壁パネル71〜74とラーメン構造体11とを繋ぐ固定ボルト6を挿通させるボルト孔511の塑性変形過程において地震エネルギーが吸収され、その後もラーメン構造体によって地震エネルギーが吸収されるので、建物ユニット1の耐震性能が向上し、倒壊や崩壊を防ぐことができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
以下、この実施例3では、前記実施の形態又は実施例2で説明した壁パネル5,71〜74の取付構造とは別の形態の壁パネルの取付構造について、図8を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は実施例2で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
図8(a)は、略平行する天井梁31と床梁32に加えて、天井梁31と略直交する間柱4,4にも固定する壁パネル81の模式図である。すなわち、この壁パネル81は、上縁と下縁が構造部材である天井梁31と床梁32に固定ボルト6,・・・を介して固定されるとともに、両側縁が非構造部材である間柱4,4に固定ボルト6,・・・を介して固定されている。
また、図8(b)は、略平行するまぐさ41と床梁32とに壁パネル82を装着する取付構造を示した模式図である。すなわち、この壁パネル82は、上縁が非構造部材であるまぐさ41に固定ボルト6,・・・を介して固定されており、下縁が構造部材である床梁32に固定ボルト6,・・・を介して固定されている。
さらに、図8(c)の壁パネル83は、図8(b)の壁パネル82の固定箇所に加えて間柱4にも固定ボルト6,・・・を介して固定されている。
また、図8(d)の壁パネル84は、構造部材である略直交する柱2と床梁32に固定ボルト6,・・・を介して固定されるとともに、非構造部材であるまぐさ41と間柱4にも固定ボルト6,・・・を介して固定されている。
このように構造部材である床梁32を一部材として壁パネル81〜84を取り付ける場合には、他部材としては、その床梁32に略平行する天井梁31やまぐさ41、又は床梁32に略直交する柱2や間柱4などの部材が選択できる。
また、このようにして壁パネル81〜84を取り付けることによって、前記実施の形態で説明したように、壁パネル81〜84によって地震初期の変形が抑制され、壁パネル81〜84とラーメン構造体11とを繋ぐ固定ボルト6を挿通させるボルト孔511の塑性変形過程において地震エネルギーが吸収され、その後もラーメン構造体によって地震エネルギーが吸収されるので、建物ユニット1の耐震性能が向上し、倒壊や崩壊を防ぐことができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では建物ユニット1を建物として説明したが、これに限定されるものではなく、建物ユニット1を横方向及び上下方向に複数連結させることで構築されるユニット建物を建物としてもよい。また、本発明の建物は、建物ユニット1などの工業化住宅に限定されるものではなく、在来工法で構築される建物にも本発明を適用できる。
また、前記実施の形態では、壁パネル5,5Aの取り付けには使用しない間柱4,・・・を配置した構成について説明したが、これに限定されるものではなく、間柱4,・・・を省略することもできる。
さらに、前記実施の形態では、壁パネルとして外部側に外壁材55を取り付ける壁パネル5,5Aについて説明したが、これに限定されるものではなく、一部材と他部材間を所定の強度で連結するとともに、固定ボルト6を挿通する孔が先に塑性変形するような強度を備えているパネルであれば、外装材を備えた外壁パネルや間仕切りパネルを壁パネルとしてもよい。
本発明の最良の実施の形態の壁パネルのラーメン構造体への接合構造を説明するための断面図である。 建物ユニットの構成を説明する斜視図である。 壁パネルの構成を説明する斜視図である。 壁パネルを取り付けた構成を建物内部側から見た図である。 (a)は壁パネルと床梁との連結構造の構成を説明する断面図、(b)はボルト孔が広がって壁パネルが下方に移動した状態を説明する断面図である。 解析結果の水平荷重と層間変形角との関係を示した図である。 (a)〜(d)は、実施例2で説明する壁パネルの取付構造を説明する模式図である。 (a)〜(d)は、実施例3で説明する壁パネルの取付構造を説明する模式図である。
符号の説明
1 建物ユニット(建物)
11 ラーメン構造体
2 柱
31 天井梁(梁)
313 孔
32 床梁(梁)
323 孔
4 間柱
41 まぐさ(横材)
5,5A 壁パネル
51A〜51C 固定金具(装着部)
511 ボルト孔(孔)
52 壁面材(面材)
6 固定ボルト(棒状連結材)
71〜74 壁パネル
81〜84 壁パネル

Claims (5)

  1. 複数の柱とその上下に横架される梁とを接合したラーメン構造体と、前記ラーメン構造体に取り付けるための装着部と面材とを備えた壁パネルとによって構成される建物であって、
    前記装着部は略直交する2面を有し、一方の面は前記壁パネルの構造体となるフレームに固定され、他方の面は前記ラーメン構造体の一部材と複数の棒状連結材によって接合されるとともに、前記一部材と略平行又は略直交する他部材と前記壁パネルも、略直交する2面を有して一方の面が前記フレームに固定される装着部の他方の面を介して複数の棒状連結材によって接合され、
    前記装着部の少なくとも一つには、前記一部材又は前記他部材に引掛けるための掛止片が前記他方の面の縁部から延出されており、
    所定の水平外力より大きな水平外力が作用した際には、前記フレームに外壁材が取り付けられた前記壁パネルを介して前記棒状連結材に作用するせん断力によって前記壁パネルとの接合が破壊する前に、前記掛止片が変形するとともに前記棒状連結材を挿通させる前記装着部の孔が塑性変形することを特徴とする建物。
  2. 前記上下の梁の少なくとも一方が前記一部材となることを特徴とする請求項1に記載の建物。
  3. 前記柱が前記一部材になることを特徴とする請求項1又は2に記載の建物。
  4. 前記上下の梁に端部がそれぞれ連結される間柱を設け、その間柱を前記他部材にすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建物。
  5. 前記上下の梁に端部がそれぞれ連結される間柱を設けるとともに、その間柱間に横材を架け渡し、その横材を前記他部材にすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の建物。
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