JP4412735B2 - ブローチ盤 - Google Patents

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各種の機械部品や電気部品などの工作物と刃具としてのブローチ工具を相対移動させることにより、工作物の内面あるいは外面を所定形状に加工するようにされたブローチ盤に関し、特に、工作物とブローチ工具の相対移動速度が高速になるようにされたブローチ盤に関する。
例えば、立形の内面ブローチ盤(例えばドーナツ状の工作物の内面を加工するブローチ盤)には、工作物(以下「ワーク」と記す)と刃具としてのブローチ工具の相対移動において、ワークを移動させるようにしたワーク移動式と、ブローチ工具を移動させるようにした刃具移動式とがある。このうちワーク移動式のブローチ盤では、ブローチ工具の前つかみ部をフレームに固定されたプルヘッドで把持し、ワークはラムと呼ばれる移動体に取り付けられたボルスタと呼ばれるワークを受ける台上に置かれ、ラムがフレームに対して移動することにより、移動体であるワークが静止状態にあるブローチ工具により加工される。一方、刃具移動式のブローチ盤では、ワークはフレームに固定されたボルスタ上に置かれ、ラムに取り付けられたプルヘッドにブローチ工具の前つかみ部を把持し、ラムがフレームに対して移動することにより、移動体であるブローチ工具が静止状態にあるワークを加工する。
ここで、移動体を動作させるラムの駆動機構については、これを大別すると、油圧式とメカニカル式がある。油圧式の駆動機構では、電動機を有する油圧ユニットにて発生させた油圧を動力とし、油圧シリンダによる送り機構により動作させる形態のものが一般的である。一方、メカニカル式の駆動機構では、サーボモータ等の電動モータを動力とし、ボールねじあるいはラック&ピニオンによる送り機構により動作させる形態のものが一般的である。
近年、ブローチ工具の改良により、切削速度が50m/minを超えるような高速切削の可能なブローチ工具が登場してきた。前述した従来のブローチ盤において50m/minを超える切削速度を実現するためには、ワーク移動式あるいは刃具移動式のいずれの形態のブローチ盤においても、移動体を動作させるラムを50m/minを超える速度にて移動させる必要がある。しかし、油圧式の駆動機構において50m/minを超える速度を実現しようとすると、パッキン寿命が短くなるという欠点がある。また、メカニカル式の駆動機構において50m/minを超える速度を実現しようとすると、発熱や騒音の問題が発生する。さらに、油圧式あるいはメカニカル式のいずれの駆動機構においても、50m/minを超える速度を実現しようとすると、動力源として大型のモータを設ける必要が生じ、また、高速移動状態から停止する際には送り端にてショックや振動が発生するという問題が生じる。
そこで、特許文献1では、ワークとブローチ工具の双方をそれぞれの切削方向に向けて同時に移動させる機構を設けることにより、ワークとブローチ工具の相対移動速度が高速になるようにしている。具体的には、1つの駆動ユニット(電動モータ)により回転動作する2本の送りねじを設け、この2本の送りねじにより互いに接近あるいは離反する方向に同期して直線動作するテーブル及びプラットフォームを設け、テーブル上にワークを載置し、プラットフォームによりブローチ工具を把持する構成としている。
係る構成によれば、駆動ユニットの動作によりテーブルの上昇と同期してプラットフォームが下降したとき、上昇するワークが下降するブローチ工具により切削加工が施されることになる。そして、このときの切削速度は、テーブルの上昇速度とプラットフォームの下降速度が合わさったものとなる。したがって、例えば、テーブルの上昇速度とプラットフォームの下降速度のそれぞれを、前述した問題が生じない50m/minになるように駆動ユニット(電動モータ)の回転速度を設定すれば、100m/minという高速な切削速度を得ることも可能である。このように、特許文献1によれば、切削速度が50m/minを超えるような高速切削が可能なブローチ盤を実現することも可能である。
米国特許第5984600号公報
しかし、特許文献1に開示されている構成では、テーブルとプラットフォームを互いに接近する方向または互いに離反する方向のいずれかに動作させる必要があるために、2本の送りねじのそれぞれについて右ねじ及び左ねじを設けなければならず、送りねじの工作が複雑になるという問題が生じる。また、左右2本の送りねじによりテーブルやプラットフォームを動作させているために、2本の送りねじの相互差を抑える必要が生じ、テーブルやプラットフォームの組付けの際に、テーブルやプラットフォームと送りねじとの直角度や、テーブルとプラットフォームの平行度を精密にしなければならないという問題が生じる。さらに、テーブルとプラットフォームをブローチ盤本体から取り外す際に、テーブルやプラットフォームを2本の送りねじから分離しなければならないという問題も生じる。
さらにまた、状況によっては、テーブルあるいはプラットフォームのいずれか一方のみを動作させることにより、前述したワーク移動式ブローチ盤や刃具移動式ブローチ盤のような加工形態としたいことも考えられるが、前述した米国特許に開示されている構成では、テーブルとプラットフォームの動作は必ず同期することになるので、テーブルあるいはプラットフォームのいずれか一方のみを動作させることはできず、その結果、ブローチ工具を静止させてワークを移動させるワーク移動式ブローチ盤のような加工形態や、ワークを静止させてブローチ工具を移動させる刃具移動式ブローチ盤のような加工形態は、構造上できないという問題もある。
本発明は、係る従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ブローチ工具とワークのそれぞれが互いに独立してそれぞれの切削方向に向けて移動可能にされたブローチ盤を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために、請求項1に係る発明では、ブローチ工具を動作させるブローチ移動用アクチュエータとワークを動作させるワーク移動用アクチュエータとを有し、前記ブローチ移動用アクチュエータと前記ワーク移動用アクチュエータとは互いに独立して動作可能にされ、これにより、以下の3つの加工形態、すなわち前記ブローチ移動用アクチュエータを駆動することによりブローチ工具をその切削方向に向けて移動させると同時に前記ワーク移動用アクチュエータを駆動することによりワークをその切削方向に向けて移動させる加工形態、前記ブローチ移動用アクチュエータのみを駆動することによりブローチ工具のみをその切削方向に向けて移動させる加工形態、および前記ワーク移動用アクチュエータのみを駆動することによりワークのみをその切削方向に向けて移動させる加工形態のいずれの加工形態についても実施可能にしたことを特徴とするブローチ盤を提供した。
ここで、ブローチ工具の切削方向とは、ワークに対してブローチ工具を相対移動させる場合に、ブローチ工具がワークに対してブローチ加工を施すときのブローチ工具の移動方向を指す。また、ワークの切削方向とは、ブローチ工具に対してワークを相対移動させる場合に、ブローチ工具がワークに対してブローチ加工を施すときのワークの移動方向を指す。したがって、ブローチ工具の切削方向とワークの切削方向とは、互いに正反対の向きとなる。係る構成としたことにより、ワーク移動用アクチュエータのみを駆動することによりブローチ工具を静止させてワークをその切削方向に向けて移動させてブローチ加工を行ったり、ブローチ移動用アクチュエータのみを駆動することによりワークを静止させてブローチ工具をその切削方向に向けて移動させてブローチ加工を行ったりすることが可能であることは勿論のこと、ブローチ移動用アクチュエータを駆動することによりブローチ工具をその切削方向に向けて移動させると同時に、ワーク移動用アクチュエータを駆動することによりワークをその切削方向に向けて移動させることにより、切削速度が高速になるようなブローチ加工を行うことも可能となる。
また、請求項1に係る発明の具体的な構成として、請求項2に係る発明では、設置面に固定載置された本体フレームと、本体フレームに固定設置されたブローチ移動用ガイド及びワーク移動用ガイドと、ブローチ移動用ガイドに対して摺動可能に設けられたブローチ移動用スライドと、ワーク移動用ガイドに対して摺動可能に設けられたワーク移動用スライドと、ブローチ移動用スライドを動作させるブローチ移動用アクチュエータと、ワーク移動用スライドを動作させるワーク移動用アクチュエータと、ブローチ移動用スライドに取り付けられるとともにブローチ工具を把持可能にされたプルヘッドと、ワーク移動用スライドに取り付けられるとともにワークを載置可能にされたワーク載置台と、を有し、前記ブローチ移動用アクチュエータと前記ワーク移動用アクチュエータとは互いに独立して動作可能にされ、これにより、以下の3つの加工形態、すなわち前記ブローチ移動用アクチュエータを駆動することによりブローチ工具をその切削方向に向けて移動させると同時に前記ワーク移動用アクチュエータを駆動することによりワークをその切削方向に向けて移動させる加工形態、前記ブローチ移動用アクチュエータのみを駆動することによりブローチ工具のみをその切削方向に向けて移動させる加工形態、および前記ワーク移動用アクチュエータのみを駆動することによりワークのみをその切削方向に向けて移動させる加工形態のいずれの加工形態についても実施可能にしたことを特徴とするブローチ盤を提供した。
請求項2に係る構成としたことにより、ブローチ移動用アクチュエータを駆動することにより、ブローチ移動用ガイドに対して摺動可能に設けられたブローチ移動用スライドが動作し、これによりプルヘッドを介してブローチ移動用スライドに取り付けられたブローチ工具が動作する。同様に、ワーク移動用アクチュエータを駆動することにより、ワーク移動用ガイドに対して摺動可能に設けられたワーク移動用スライドが動作し、これによりワーク移動用スライドに取り付けられたワーク載置台に載置されたワークが動作する。係る構成としたことにより、ワーク移動用アクチュエータのみを駆動することによりブローチ工具を静止させてワークをその切削方向に向けて移動させてブローチ加工を行ったり、ブローチ移動用アクチュエータのみを駆動することによりワークを静止させてブローチ工具をその切削方向に向けて移動させてブローチ加工を行ったりすることが可能であることは勿論のこと、ブローチ移動用アクチュエータを駆動することによりブローチ工具をその切削方向に向けて移動させると同時に、ワーク移動用アクチュエータを駆動することによりワークをその切削方向に向けて移動させることにより、切削速度が高速になるようなブローチ加工を行うことも可能となる。
本発明によれば、ブローチ工具とワークはそれぞれ独立した2つの移動用アクチュエータにより動作されるようにしたので、ブローチ工具とワークのそれぞれが互いに独立してそれぞれの切削方向に向けて移動可能にされ、これにより以下の3つの加工形態のいずれの加工形態についても実施可能なブローチ盤を提供できるものとなった。すなわち、従来技術(前述の特許文献1)のようにブローチ工具とワークの双方をそれぞれの切削方向に向けて移動させることにより、切削速度が高速になるような加工形態を行うことができるのは勿論のこと、ワーク移動式ブローチ盤のようにブローチ工具を静止させてワークをその切削方向に向けて移動させたりする加工形態や、刃具移動式ブローチ盤のようにワークを静止させてブローチ工具をその切削方向に向けて移動させたりする加工形態を行うことも可能になった。
これにより、ブローチ工具の長さに対応した柔軟な加工形態とすることが可能になった。また、ブローチ移動用のアクチュエータとワーク移動用のアクチュエータに分けたことにより、従来技術のもの(前述の特許文献1)に比して一つのアクチュエータを小型にできるので、ブローチ盤全体の小型化が可能となった。さらに、ブローチ工具とワークを移動させる各移動用スライドは、独立した個別の移動用ガイド上を摺動するようにされているので、点検や組付けの際には、各移動用スライド単位での分解が可能であり、その結果、保守が容易なものとなった。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明が適用される立形の内面ブローチ盤の構造を示した機構図であり、(a)図は加工開始前の各部材の配置を示した機構図であり、(b)図は加工終了後の各部材の配置を示した機構図である。
まず、本実施形態に係るブローチ盤の構成について説明する。本体フレーム1は設置面14に固定載置されている。本体フレーム1にはブローチ移動用ガイド4及びワーク移動用ガイド9が固定設置されている。ブローチ移動用ガイド4にはブローチ移動用スライド5がブローチ移動用ガイド4に対して摺動可能に取り付けられている。同様に、ワーク移動用ガイド9にはワーク移動用スライド8がワーク移動用ガイド9に対して摺動可能に取り付けられている。これにより、ブローチ移動用スライド5及びワーク移動用スライド8は、設置面14に対して垂直方向に移動可能になっている。
本体フレーム1にはブローチ移動用アクチュエータ6及びワーク移動用アクチュエータ10が固定設置されている。これらの移動用アクチュエータ6、10は、機構的に互いに独立しているので、それぞれ個別に駆動が可能である。ブローチ移動用アクチュエータ6は前述したブローチ移動用スライド5と連結されているので、ブローチ移動用スライド5はブローチ移動用アクチュエータ6の駆動により動作することになる。同様に、ワーク移動用アクチュエータ10は前述したワーク移動用スライド8と連結されているので、ワーク移動用スライド8はワーク移動用アクチュエータ10の駆動により動作することになる。
なお、前述した駆動機構としてのアクチュエータ6、10の構成については、油圧式であってもメカニカル式であってもよい。油圧式の場合は、電動機を有する図示しない油圧ユニットにて発生させた油圧を動力とし、油圧シリンダによる送り機構により、前述した移動用スライド5、8を動作させることになる。一方、メカニカル式の場合は、サーボモータ等の電動モータを動力とし、ボールねじあるいはラック&ピニオンによる送り機構により、前述した移動用スライド5、8を動作させることになる。
ブローチ移動用スライド5にはプルヘッド7が取り付けられており、このプルヘッド7が加工中にブローチ工具2の下端部を把持するようにされている。また、ワーク移動用スライド8にはワーク載置台13が取り付けられており、加工中はこのワーク載置台13上にワーク3が載置されることになる。なお、ワーク載置台13にはブローチ工具2を挿通可能にするための穴が設けられている。
本体フレーム1にはブローチリフタ12が設置されている。油圧式の駆動機構により、ブローチリフタ12は上下方向(設置面14に対して垂直方向)に移動可能にされている。ブローチリフタ12の下端には、ブローチ工具2の上端部を把持することが可能にされたリトリュービングヘッド11が設けられている。
以上に述べた機構を有することにより、ブローチ工具2はブローチ移動用アクチュエータ6により上下に動作し、ワーク3はワーク移動用アクチュエータ10により上下に動作するとになる。ここで、ブローチ移動用アクチュエータ6とワーク移動用アクチュエータ10とは、それぞれ独立した駆動機構となっているので、これらのアクチュエータ6、10により動作されるブローチ工具2とワーク3についても、それぞれ独立して動作可能である。なお、係る形態のブローチ盤においては、ブローチ工具2の切削方向はブローチ工具2が下降する方向であり、ワーク3の切削方向はワーク3が上昇する方向である。
次に、前述した本実施形態に係るブローチ盤における動作すなわち加工工程について説明する。
ステップ1:ブローチ工具2は、その上端部をリトリュービングヘッド11に把持された状態で、ブローチリフタ12に吊り下げられている。このとき、ブローチ工具2の下端部は、プルヘッド7には把持されておらず、解放されている。また、このときのワーク載置台13はブローチ工具2の下端部よりも下に位置しており、そのためワーク載置台13上へのワーク3の装着が可能な状態となっている。
ステップ2:ワーク載置台13上へワーク3を装着する。この作業は、図示しないワーク搬入装置により自動的に行ってもよいし、オペレータが手作業で行ってもよい。なお、本実施形態に係るブローチ盤は内面加工用なので、ワーク3の形状は筒状の空洞を有するものとなっている。
ステップ3:ブローチリフタ12が下降することにより、リトリュービングヘッド11に把持されたブローチ工具2が下降する。この下降の過程で、ブローチ工具2の下端部は、ワーク載置台13に載置されたワーク3の筒状の空洞を通過し、さらにワーク載置台13の穴を通過し、プルヘッド7に至る。そして、ブローチ工具2の下端部はプルヘッド7に把持される。
ステップ4:ブローチ工具2の上端部を把持していたリトリュービングヘッド11は、ブローチ工具2の把持を止め、しかる後、ブローチリフタ12が上昇する。その結果、図1(a)に示すように、ブローチ工具2はその下端部がプルヘッド7に把持され上端部が解放され、ワーク3がブローチ工具2の下端部と切れ刃部の間に挿通された状態となる。
ステップ5:ブローチ移動用アクチュエータ6が動作することによりブローチ移動用スライド5が下降し、これと同時に、ワーク移動用アクチュエータ10が動作することによりワーク移動用スライド8が上昇する。その結果、ブローチ工具2がその切削方向である下降方向に向けて移動すると同時に、ワーク3がその切削方向である上昇方向に向けて移動するので、ワーク3の内面はブローチ工具2の切れ刃により切削加工されることになる。
ステップ6:図1(b)に示すように、ブローチ移動用スライド5が下降端に到達し、ワーク移動用スライド8が上昇端に到達すると、切削加工が終了する。このとき、図1(b)に示すように、ブローチ工具2はワーク3に挿通されていないので、ワーク3を何らかの手段、例えば図示しない搬出装置や手作業などにより、ワーク載置台13から搬出する。
ステップ7:ブローチ移動用アクチュエータ6が動作することによりブローチ移動用スライド5が上昇し、これにより上昇したブローチ工具2はその上端部をリトリュービングヘッド11に把持される。しかる後、プルヘッド7はブローチ工具2の下端部を解放し、ブローチ移動用アクチュエータ6が動作することによりブローチ移動用スライド5が下降する。一方、ワーク移動用アクチュエータ10が動作することによりワーク移動用スライド8が下降する。これにより、ブローチ盤を構成する各部材は初期の状態に戻るので、次のワーク3を加工する際には、再度前述したステップ1以降の処理を行うことになる。
次に、本実施形態における特徴について説明する。まず、切削速度について述べる。ブローチ移動用スライド5の切削方向移動時すなわち下降時の送り速度をV1 、ワーク移動用スライド8の切削方向移動時すなわち上昇時の送り速度をV2 とすると、ワーク3の切削速度Vは、V=V1 +V2 となる。したがって、例えばV1 とV2 がそれぞれ50m/minとなるようにそれぞれのアクチュエータ6、10を動作させれば、100m/minの高速な切削速度Vを得ることも可能になる。
次に、切削ストロークについて述べる。ブローチ工具2の長さをLとすれば、ブローチ加工に必要なストロークはL+αとなる。ワーク移動式のブローチ盤や刃具移動式のブローチ盤においては、ワーク3あるいはブローチ工具2を移動させる移動用スライドのストロークはL+α必要となり、移動用ガイドもこれに相当する長さが必要となる。しかし、本実施形態に係るブローチ盤においては、切削加工時は移動用スライド5、8が互いに離反する方向に動作するので、各移動用スライド5、8のストロークは(L+α)/2でよいことになる。したがって、本実施形態に係るブローチ盤においては、移動用アクチュエータは2台必要となるが、各移動用アクチュエータ6、10のそれぞれの大きさは、一つの移動用アクチュエータによりブローチ工具とワークの双方を移動させる従来のもの(前述の特許文献1)に比して小型にできるので、ブローチ盤全体の小型化が可能となる。
次に、分解性について述べる。本実施形態においては、各移動用ガイド4、9が独立して設けられ、そのそれぞれに移動用スライド5、8が設けられているので、点検や組付けの際には、各移動用スライド単位での分解が可能であり、保守が容易なものとなっている。
最後に、フレキシビリティについて述べる。前述したように、従来技術である米国特許第5984600号に開示されている構成では、ブローチ工具2の動作とワーク3の動作は連動しているため、ブローチ工具2を静止させてワーク3を移動させるワーク移動式ブローチ盤のような加工形態や、ワーク3を静止させてブローチ工具2を移動させる刃具移動式ブローチ盤のような加工形態は、構造上できないものとなっている。しかし、本実施形態の構成では、ブローチ工具2とワーク3はそれぞれ独立した移動用アクチュエータ6、10により動作されるため、ブローチ工具2を静止させてワーク3を移動させるワーク移動式ブローチ盤のような加工形態や、ワーク3を静止させてブローチ工具2を移動させる刃具移動式ブローチ盤のような加工形態も可能である。
そのため、例えば、図1に示した本実施形態に係るブローチ盤が長さLのブローチ工具に対応した仕様である場合は、長さLのブローチ工具2を使用する際には、前述したように両移動用スライド5、8を動作させるようにするが、長さL/2のブローチ工具2を使用する際には、ブローチ移動用スライド5のみを動作させることによる刃具移動式ブローチ盤のような加工形態としたり、あるいはワーク移動用スライド8のみを動作させることによるワーク移動式ブローチ盤のような加工形態とすることも可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明した。本実施形態はワークの内面を加工する立形の内面ブローチ盤に対して本発明を適用したものであったが、ワークの表面を加工する外面ブローチ盤や切削方向が設置面14に対して水平な横形のブローチ盤において本発明を適用することも容易に可能である。
本発明が適用される立形の内面ブローチ盤の構造を示した機構図であり、(a)図は加工開始前の各部材の配置を示した機構図であり、(b)図は加工終了後の各部材の配置を示した機構図である。
符号の説明
1 本体フレーム
2 ブローチ工具
3 ワーク
4 ブローチ移動用ガイド
5 ブローチ移動用スライド
6 ブローチ移動用アクチュエータ
7 プルヘッド
8 ワーク移動用スライド
9 ワーク移動用ガイド
10 ワーク移動用アクチュエータ
11 リトリュービングヘッド
12 ブローチリフタ
13 ワーク載置台
14 設置面

Claims (2)

  1. ブローチ工具を動作させるブローチ移動用アクチュエータとワークを動作させるワーク移動用アクチュエータとを有し、
    前記ブローチ移動用アクチュエータと前記ワーク移動用アクチュエータとは互いに独立して動作可能にされ、
    これにより、以下の3つの加工形態、すなわち前記ブローチ移動用アクチュエータを駆動することによりブローチ工具をその切削方向に向けて移動させると同時に前記ワーク移動用アクチュエータを駆動することによりワークをその切削方向に向けて移動させる加工形態、前記ブローチ移動用アクチュエータのみを駆動することによりブローチ工具のみをその切削方向に向けて移動させる加工形態、および前記ワーク移動用アクチュエータのみを駆動することによりワークのみをその切削方向に向けて移動させる加工形態のいずれの加工形態についても実施可能にしたことを特徴とするブローチ盤。
  2. 設置面に固定載置された本体フレームと、
    該本体フレームに固定設置されたブローチ移動用ガイド及びワーク移動用ガイドと、
    前記ブローチ移動用ガイドに対して摺動可能に設けられたブローチ移動用スライドと、
    前記ワーク移動用ガイドに対して摺動可能に設けられたワーク移動用スライドと、
    前記ブローチ移動用スライドを動作させるブローチ移動用アクチュエータと、
    前記ワーク移動用スライドを動作させるワーク移動用アクチュエータと、
    前記ブローチ移動用スライドに取り付けられるとともにブローチ工具を把持可能にされたプルヘッドと、
    前記ワーク移動用スライドに取り付けられるとともにワークを載置可能にされたワーク載置台と、を有し、
    前記ブローチ移動用アクチュエータと前記ワーク移動用アクチュエータとは互いに独立して動作可能にされ、
    これにより、以下の3つの加工形態、すなわち前記ブローチ移動用アクチュエータを駆動することによりブローチ工具をその切削方向に向けて移動させると同時に前記ワーク移動用アクチュエータを駆動することによりワークをその切削方向に向けて移動させる加工形態、前記ブローチ移動用アクチュエータのみを駆動することによりブローチ工具のみをその切削方向に向けて移動させる加工形態、および前記ワーク移動用アクチュエータのみを駆動することによりワークのみをその切削方向に向けて移動させる加工形態のいずれの加工形態についても実施可能にしたことを特徴とするブローチ盤。
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