しかしながら、上記従来の特許文献1の固体撮像装置では、水平転送パルスは、水平転送クロックφH1およびφH2に同期して、水平CCDシフトレジスタから順次転送させる電荷信号(画素信号)を電荷検出部で検出させるために用いられるものであるが、黒レベルと略等しいレベルに対応する信号を水平転送パルスから生成させるために、水平転送クロックφH1およびφH2に両パルスの位相を変化させる必要があり、制御構成が複雑になるという問題があった。
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、簡単な制御構成によって、過大光がCCDに入射した場合であっても、適正な露光制御を行って、良好な画面表示を得ることができる固体撮像装置およびこれを用いた電子情報機器を提供することを目的とする。
本発明の固体撮像装置は、固体撮像素子で光電変換された映像信号と黒レベル信号とを検出し、該固体撮像素子からの黒レベル信号を基準として該映像信号を信号処理する固体撮像装置において、信号読出し期間の一部期間で、リセットゲートに印加するリセットパルスがローレベルからハイレベルに変化後に、フローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極に印加するクロック電圧または所定の直流レベルをローベルからハイレベルに変化させ、該リセットゲートに印加するリセットパルスがハイレベルからローレベルに変化する前に、該隣接する電極に印加するクロック電圧または所定の直流レベルをハイレベルからローレベルに変化させることによって、黒レベルと略等しい擬似黒レベル信号を該固体撮像素子に生成させる擬似黒レベル信号生成駆動を行う撮像素子駆動手段と、該擬似黒レベル信号を基準として、該撮像素子駆動手段を介して該固体撮像素子の露光量を制御させる露光制御部とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置において、黒レベル信号をクランプする第1クランプ手段と、前記擬似黒レベル信号をクランプする第2クランプ手段と、該第1クランプ手段および第2クランプ手段の何れかでクランプされた信号のレベルを基準として、該固体撮像素子からの映像信号に対して映像信号処理を行う映像信号処理部とをさらに有する。
本発明の固体撮像装置は、複数の光電変換素子が水平方向および垂直方向に配列され、該複数の光電変換素子に被写体画像光が入射されて電気信号が出力される有効画素部、および該有効画素部の周辺に垂直方向および水平方向に配列された複数の光電変換素子には被写体画像光が遮光されて入射されず、黒レベルに対応する電気信号が出力されるオプティカルブラック部を有する固体撮像素子と、該オプティカルブラック部から出力される黒レベル信号をクランプする第1クランプ手段と、該固体撮像素子の水平期間の一部期間で、リセットゲートに印加するリセットパルスがローレベルからハイレベルに変化後に、フローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極に印加するクロック電圧または所定の直流レベルをローベルからハイレベルに変化させ、該リセットゲートに印加するリセットパルスがハイレベルからローレベルに変化する前に、該隣接する電極に印加するクロック電圧または所定の直流レベルをハイレベルからローレベルに変化させることによって、黒レベルと略等しい擬似黒レベル信号を該固体撮像素子に生成させる擬似黒レベル信号生成駆動を行う撮像素子駆動手段と、生成された該擬似黒レベル信号をクランプする第2クランプ手段と、該第2クランプ手段でクランプされた擬似黒レベル信号のレベルを基準として、該撮像素子駆動手段を介して該固体撮像素子の露光量を制御させる露光制御部と、該第1クランプ手段および第2クランプ手段の何れかでクランプされた信号レベルを基準として、該固体撮像素子の有効画素部から出力される映像信号に対して映像信号処理を行う映像信号処理部とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明の固体撮像装置において、露光制御部からの制御情報に基づいて、前記固体撮像素子への入射光量が所定量以上であるか否かを検出する光量検出手段をさらに有し、該光量検出手段による検出結果に基づいて、前記撮像素子駆動手段による撮像駆動制御および前記露光制御部による露光量制御の少なくとも何れかが行われる。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置において、前記第1クランプ手段と第2クランプ手段との各出力を切り換えて前記映像信号処理部に入力する出力切り換え手段をさらに有し、前記出力切り換え手段は、前記光量検出手段によって、前記固体撮像素子への入射光量が所定量未満であることが検出された場合に前記第1クランプ手段からの出力に切り換え、また、該光量検出手段によって、該固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合に、前記第2クランプ手段からの出力に切り換える。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置における光量検出手段によって、前記固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合に、前記一部期間とは別の期間で前記撮像素子駆動手段が前記擬似黒レベル信号生成駆動を行うよう制御するパルス切り換え手段をさらに有する。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置における黒レベル信号と擬似黒レベル信号とのレベル差を検出するレベル差検出手段をさらに有し、該レベル差検出手段による検出結果に基づいて、前記撮像素子駆動手段による撮像駆動制御および前記露光制御部による露光量制御の少なくとも何れかが行われる。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置における黒レベル信号と擬似黒レベル信号とのレベル差を検出し、該検出したレベル差と基準信号のレベルとを比較するレベル差検出手段をさらに有し、該レベル差検出手段による比較結果に基づいて、前記撮像素子駆動手段による撮像駆動制御および前記露光制御部による露光制御の少なくとも何らかが行なわれる。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置における基準信号は水平帰線レベル信号である。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置において、前記レベル差検出手段によって、前記レベル差が所定量以上であることが検出された場合に前記撮像素子駆動手段が前記擬似黒レベル信号生成駆動を行うよう制御するパルス切り換え手段をさらに有する。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置において、前記露光制御部からの制御情報に基づいて、前記固体撮像素子への入射光量が所定量以上であるか否かを検出する光量検出手段をさらに有し、前記レベル差検出手段による検出結果と該光量検出手段による検出入射光量との各検出結果のうち少なくとも何れかの検出結果が所定量以上である場合に、前記一部期間とは別の期間で前記撮像素子駆動手段が前記擬似黒レベル信号生成駆動を行うよう制御するパルス切り換え手段をさらに有する。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置において、前記黒レベル信号と擬似黒レベル信号とを切り換えて前記映像信号処理部に入力させる出力切り換え手段をさらに有し、該出力切り換え手段は、前記レベル差検出手段によって前記レベル差が所定量未満であると検出された場合に該黒レベル信号に切り換え、また、該レベル差検出手段によって該レベル差が所定量以上であると検出された場合に該擬似黒レベル信号に切り換える。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置において、前記露光制御部からの制御情報に基づいて、前記固体撮像素子への入射光量が所定量以上であるか否かを検出する光量検出手段と、前記黒レベル信号と擬似黒レベル信号とを切り換えて前記映像信号処理部に入力させる出力切り換え手段とをさらに有し、前記出力切り換え手段は、前記レベル差検出手段によるレベル差検出結果と該光量検出手段による検出入射光量との各検出結果が共に所定量未満である場合に前記黒レベル信号に切り換え、また、該レベル差検出手段による検出結果と該光量検出手段による検出入射光量との各検出結果のうち少なくとも何れかの検出結果が所定量以上である場合に前記擬似黒レベル信号に切り換える。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置における一部期間およびこれとは別の一部期間は、前記固体撮像素子において前記オプティカルブラック部から信号が出力される期間に設定されている。
本発明の電子情報機器は、請求項1〜15の何れかの固体撮像装置を用いて画像撮影可能であり、そのことにより上記目的が達成される。
上記構成により、以下に、本発明の作用を説明する。
通常、太陽光などの過剰光が固体撮像素子に入射されると、固体撮像素子の有効画素部で発生した電荷が、本来は遮光されて光電変換によって発生する電荷のない領域であるオプティカルブラック部(OB部)にも溢れ出し、OB部で生成されるOBレベルが通常動作時のレベルから変動する。その結果、OBレベルを光学的な黒レベルの基準として用いることができなくなる。
本発明(実施形態1、図1参照)にあっては、固体撮像素子の水平期間の一部期間でフローティング・ディフージョンアンプ部(電荷電圧変換部)に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧またはDCレベルを印加することにより、固体撮像素子に太陽光などの過大光が入射されてOB部に電荷が溢れ出した場合であっても、OB部に溢れ出した電荷がリセットドレイン側に一旦排除されて、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルに対応した信号(擬似OB信号)が擬似的に生成される。この擬似OB信号は、第2クランプ手段によってクランプされる。露光制御部では、この第2クランプ手段にてクランプされた、本来の黒レベルと略等しい擬似OBレベルの信号を基準として、固体撮像素子の露光が制御される。
したがって、一般的な固体撮像装置に第2クランプ手段を追加するという比較的簡易な構成と、フローティング・ディフージョンアンプ部(電荷電圧変換部)に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧または直流レベルを印加するという比較的容易な制御によって、過大光が固体撮像素子に入射されて基準となる黒レベルが変動した場合であっても、そのような変動の影響を受けずに、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)を基準として適正な露光制御を行うことができ、良好な画面表示を行うことができる。
また、第1クランプ手段によって、固体撮像素子のOB部から出力される信号(OB信号)がクランプされる。映像信号処理部では、この第1クランプ手段でクランプされた信号レベル(OBレベル)を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が処理される。このとき、以上のような露光制御により、固体撮像素子への入射光量が制御されているので、本来の黒レベル(OBレベル)に基づいて処理が行われる映像信号処理についても、適正に行うことができる。
次に、本発明(実施形態2、図4参照)にあっては、露光制御部からの制御情報に基づいて、固体撮像素子への入射光量が所定量以上であるか否かを検出する光量検出手段と、この光量検出手段によって、固体撮像素子への入射光量が所定量未満であることが検出された場合に、第1クランプ手段からの出力に切り換えて映像信号処理部に入力させ、また、固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合に、第2クランプ手段からの出力に切り換えて映像信号処理部に入力させるように切り換える出力切り換え手段とをさらに具備している。
通常、太陽光等の過剰光が固体撮像素子に入射すると、固体撮像素子の有効画素部で発生した電荷が、本来は遮光されているため光電変換され発生する電荷がない領域であるオプティカルブラック部(OB部)にも溢れ出し、OB部で生成されるOBレベルが通常動作時から変動する。その結果、OBレベルを光学的な黒レベルの基準として用いることができなくなる。
上記構成により、信号読出し期間(水平期間)の一部期間でフローティング・ディフージョンアンプ部(電荷電圧変換部)に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧または直流レベルを印加するように切り換えられるため、固体撮像素子に太陽光等の過大光が入射されてOB部に電荷が溢れ出した場合でも、OB部に溢れ出した電荷が一旦リセットドレイン側に排除されて、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルに対応した信号が擬似的に生成される。この擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号は、第2クランプ手段によってクランプされる。露光制御部では、この第2クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベルの信号を基準として、固体撮像素子の露光が制御される。
したがって、過大光が固体撮像素子に入射されて基準となるOBレベルが変動した場合でも、そのような変動の影響を受けずに、本来の黒レベルと略等しい擬似的な黒レベルを基準として露光制御を行うことができ、良好な画面表示を行うことができる。また、このような露光制御により、固体撮像素子への入射光量が制御されるので、本来の黒レベルに基づいて処理が行われる映像信号処理についても適正に行うことができる。
光量検出手段で固体撮像素子への入射光量が所定量未満であると検出された場合には、出力切り換え手段によって、第1クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力される。映像信号処理部では、第1クランプ手段にてクランプされた、本来の黒レベル(OBレベル)の信号に基づいて、映像信号処理を適正に行うことができる。
また、光量検出手段で固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合には、出力切り換え手段によって、第2クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力される。映像信号処理部では、この第2クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が信号処理される。
したがって、入射光量の大小に応じて、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号が出力切り換え手段によって切り換えられ、入射光量の変化に対応して、適正な映像信号処理を行うことができる。この結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射され、有効画素部の受光部で生成された電荷がOB部に溢れ出した場合であっても、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、従来のように画面が暗く沈む、画面が破綻するなどといった最悪の事態を回避することができる。
また、第1クランプ手段によって、固体撮像素子のOB部から出力される信号(OB信号)がクランプされる。映像信号処理部では、この第1クランプ手段にてクランプされた信号レベル(OBレベル)を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が信号処理される。このとき、以上のような露光制御により、固体撮像素子への入射光量が制御されているので、本来の黒レベル(OBレベル)に基づいて処理が行われる映像信号処理についても、適正に行うことができる。
次に、本発明(実施形態3、図5参照)にあっては、露光制御部からの制御情報に基づいて、固体撮像素子への入射光量が所定量以上か否かを検出する光量検出手段と、この光量検出手段によって、固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合に、フローティング・ディフージョンアンプ部(電荷電圧変換部)に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧または直流レベルを印加し、信号読出し期間(水平期間)の一部期間とは別の一部期間で変化させるパルス切り換え手段とをさらに具備している。
上記擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)は、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似的なレベルであり、本来の黒レベルと全く同一ではない。よって、映像信号処理については、極力、本来の黒レベルを基準として行うことが望ましい。
固体撮像素子への入射光量が所定量未満である場合には、例えば最大限の露光制御を行うことによって、有効画素部の受光部で発生した電荷が垂直CCDシフトレジスタおよび水平CCDシフトレジスタの容量を超えてOB部に溢れ出すことを回避することができる。その結果、本来の黒レベルに基づいて映像信号処理を適正に行うことができる。しかしながら、固体撮像素子への入射光量が所定量以上である場合には、最大限の露光制御を行っても、有効画素部の受光部で発生した電荷がOB部に溢れ出してしまい、OBレベルが変動する。
上記構成により、光量検出手段で入射光量が所定量以上であることが検出された場合にのみ、パルス切り換え手段によって、固体撮像素子の信号読出し期間(水平期間)の一部でフローティング・ディフージョンアンプ部(電荷電圧変換部)に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧または直流レベルを印加するように切り換えられる。これにより、固体撮像素子のOB部に溢れ出した電荷が一旦リセットドレイン側へ排除され、OB部から本来の黒レベルと略等しいレベルに対応した信号(擬似OB信号)が生成される。この擬似OB信号は、第1クランプ手段によってクランプされる。映像信号処理部では、この第1クランプ手段でクランプされた、擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が信号処理される。
したがって、入射光量の大小に応じて、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号が生成され、入射光量の変化に対応して、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射され、有効画素部の受光部で生成された電荷がOB部に溢れ出した場合でも、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、従来のように画面が暗く沈む、画面が破綻するなどといった最悪の事態を回避することができる。
次に、本発明(実施形態4、図7および請求項8〜10参照)にあっては、第1クランプ手段にてクランプされた信号レベルと、第2クランプ手段にてクランプされた信号レベルとのレベル差を検出するレベル差検出手段をさらに有する。
固体撮像素子への入射光量を検出する場合には、第2クランプ手段にてクランプされた信号レベルを基準として、例えば検波回路などによって固体撮像素子からの出力電圧を検出し、その出力電圧を基に出力電圧が多いときには露光制御(電子シャッタなどの制御)を行なった後、光量検出手段にて電子シャッタ速度を検出して、その速度値によって入射光量の大小を判断することができる。この場合、光量検出に時間がかかるため、その間に画像みだれなどが発生することが考えられる。上記構成によれば、第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差をレベル差検出手段にて検出することによって、レベル差が所定量以上であれば不具合が発生しており、レベル差が所定量未満であれば不具合が発生していないと判断することができるため、光量検出手段などを用いなくても不具合の有無を判断することができ、処理時間を短くすることができる。
次に、本発明(実施形態5、請求項11および図9参照)にあっては、レベル差検出手段によって、第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出された場合に、固体撮像素子の水平期間の他の一部期間でに隣接する電極にクロック電圧または直流レベルを印加させるパルス切り換え手段とをさらに有している。
擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)は、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似的なレベルであり、本来の黒レベルと全く同一ではない。したがって、映像信号処理については、極力、本来の黒レベルを基準として行うことが望ましい。
上記構成により、光量検出手段で入射光量を検出する代りに、レベル差検出手段を用いて第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差を検出し、そのレベル差が所定量未満である場合には、例えば最大限の露光制御を行うことによって、有効画素部の受光部で発生した電荷が垂直CCDシフトレジスタおよび水平CCDシフトレジスタの容量を超えてOB部に溢れ出すことを回避することができる。この結果、本来の黒レベルに基づいて映像信号処理を適正に行うことができる。しかしながら、レベル差が所定量以上である場合には、最大限の露光制御を行っても、有効画素部の受光部で発生した電荷がOB部に溢れ出し、OBレベルが変動する。
よって、レベル差が所定量以上であることが検出された場合には、パルス切り換え手段によって、固体撮像素子の水平期間の一部期間でフローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極にクロック電圧または直流レベルが印加される。これにより、固体撮像素子のOB部に蓄積された電荷が一旦排除され、OB部から本来の黒レベルと略等しいレベルに対応した信号(擬似OB信号)が生成される。この擬似OB信号は、第1クランプ手段によってクランプされる。映像信号処理部では、この第1クランプ手段でクランプされた擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が信号処理される。
したがって、第1クランプ手段でクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段でクランプされた信号のレベルとのレベル差によって不具合が生じているか否かを判断し、その判断結果に応じて、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号が生成され、適正な映像信号処理を行うことができる。この結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射され、有効画素部の受光部で生成された電荷がOB部に溢れ出した場合であっても、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、従来のように画面が暗く沈む、画面が破綻するなどといった最悪の事態を回避することができる。
次に、本発明(実施形態6、図10および請求項12参照)にあっては、露光制御部からの制御情報に基づいて、固体撮像素子への入射光量が所定量以上であるか否かを検出する光量検出手段と、レベル差検出手段によって、第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出され、かつ、光量検出手段によって、固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合、または、レベル差検出手段によって、第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量未満であること検出され、かつ、光量検出手段によって、固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合、または、レベル差検出手段によって、第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量以上であること検出され、かつ、光量検出手段によって、固体撮像素子への入射光量が所定量未満であることが検出された場合に、水平期間の他の一部期間(別の期間)でフローティング・ディフージョンアンプ部(電荷電圧変換部)に隣接する電極にクロック電圧または直流レベルを印加するパルス切り換え手段とをさらに有する。
例えば、第1クランプ手段でクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段でクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量に近接している場合、第1クランプ手段から出力される正規のOB信号レベルと、第2クランプ手段から出力される擬似OB信号レベルとが全く同じレベルではないために、画面の変化時に違和感が生じることがある。また、レベル差が所定量以上である場合と所定量未満である場合とが繰り返される場合には、第1クランプ手段から出力される正規OBレベルを基準とした映像と、第2クランプ手段から出力される擬似OBレベルを基準とした映像とで交互に切り換えられ、フリッカなどの画像不良が発生することが考えられる。
上記構成により、第1クランプ手段でクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差をレベル差検出手段で検出することによって、レベル差が所定量以上であれば不具合(過大光入射)が発生しており、レベル差が所定量未満であれば不具合(過大光入射)が発生していないと判断することができると共に、光量検出手段で入射光量が所定量以上であるか否かを検出することによって、さらに精度良くパルス切り換えを行うことができる。これにより、固体撮像素子に太陽光などの過大光が入射された場合でも、適正に露光制御を行うことができる。
次に、本発明(実施形態7、図11および請求項13参照)にあっては、レベル差検出手段によって、第1クランプ手段でクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段でクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量未満であることが検出された場合に、第1クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力され、第1クランプ手段でクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段でクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出された場合に、該2クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力されるように、第1クランプ手段と第2クランプ手段とを切り換える切り換え手段を有する。
通常、太陽光などの過剰光が固体撮像素子に入射されると、固体撮像素子の有効画素部で発生した電荷が、本来は遮光され光電変換により発生する電荷がない領域であるオプティカルブラック部(OB部)にも溢れ出し、OB部で生成されるOBレベルが通常動作時から変動する。その結果、OBレベルを光学的な黒レベルの基準として用いることができなくなる。
上記構成により、固体撮像素子の水平期間の一部期間でフローティング・ディフージョンアンプ部(電荷電圧変換部)に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧または直流レベルを印加されるため、固体撮像素子に太陽光などの過大光が入射されてOB部に電荷が溢れ出した場合であっても、OB部に溢れ出した電荷が一旦リセットドレイン側に排除されて、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルに対応した信号が擬似的に生成される。この擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号は、第2クランプ手段によってクランプされる。露光制御部では、この第2クランプ手段にてクランプされた擬似的な黒レベルの信号を基準として、固体撮像素子の露光が制御される。
したがって、過大光が固体撮像素子に入射されて基準となるOBレベルが変動した場合であっても、そのような変動の影響を受けずに、本来の黒レベルと略等しい擬似的な黒レベルを基準として露光制御を行うことができ、良好な画面表示を行うことができる。また、このような露光制御により、固体撮像素子への入射光量が制御されるので、本来の黒レベルに基づいて信号処理が行われる映像信号処理についても適正に行うことができる。
また、レベル差検出手段によって、第1クランプ手段でクランプされた第1信号レベルと、第2クランプ手段でクランプされた第2信号レベルとのレベル差を検出して不具合の有無を判断し、レベル差が所定量未満であると検出された場合には、出力切り換え手段によって、第1クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力される。映像信号処理部では、第1クランプ手段でクランプされた本来の黒レベル(OBレベル)の信号に基づいて、映像信号処理を適正に行うことができる。
また、レベル差検出手段によって、第1クランプ手段でクランプされた第1信号レベルと、第2クランプ手段でクランプされた第2信号レベルとのレベル差が所定量以上であることが検出された場合には、出力切り換え手段によって、第2クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力される。映像信号処理部では、この第2クランプ手段でクランプされた擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が信号処理される。
以上により、第1クランプ手段でクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段でクランプされた信号のレベルとのレベル差によって不具合が生じているか否かを判断し、その判断結果に応じて、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号に切り換えて、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射され、有効画素部の受光部で生成された電荷がOB部に溢れ出した場合であっても、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、従来のように画面が暗く沈む、画面が破綻するなどといった最悪の事態を回避することができる。
次に、本発明(実施形態8、図12および請求項14参照)にあっては、第1クランプ手段でクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段でクランプされた信号のレベルとのレベル差を検出するレベル差検出手段と、露光制御部からの制御情報に基づいて、固体撮像素子への入射光量が所定量以上であるか否かを検出する光量検出手段と、該レベル差検出手段によって、第1クランプ手段でクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段でクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量未満であることが検出され、かつ、光量検出手段によって、固体撮像素子への入射光量が所定量未満であることが検出された場合に第1クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力され、また、レベル差検出手段によって、第1クランプ手段でクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段でクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出され、かつ、光量検出手段によって、固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合、または、レベル差検出手段によって、第1クランプ手段でクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段でクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量未満であること検出され、かつ、光量検出手段によって、固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合、または、レベル差検出手段によって、第1クランプ手段でクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段でクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量以上であること検出され、かつ、光量検出手段によって、固体撮像素子への入射光量が所定量未満であることが検出された場合に、2クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力されるように、第1クランプ手段と第2クランプ手段との各出力を切り換える出力切り換え手段を有する。
第1クランプ手段でクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段でクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量に近接している場合、第1クランプ手段から出力される正規のOB信号レベルと、第2クランプ手段から出力される擬似OB信号レベルとが全く同じレベルではないために、画面の変化時に違和感が生じることがある。また、レベル差が所定量以上である場合と所定量未満である場合とが繰り返される場合には、画面が第1クランプ手段からの出力を基準とした映像と、第2クランプ手段からの出力を基準とした映像とで交互に切り換えられて、フリッカなどの画像不良が発生することが考えられる。
上記構成により、第1クランプ手段でクランプされた信号のレベルと、第2クランプ手段でクランプされた信号のレベルとのレベル差をレベル差検出手段で検出することによって、レベル差が所定量以上であれば不具合が発生しており、レベル差が所定量未満であれば不具合が発生していないと判断することができると共に、光量検出手段で入射光量が所定量以上であるか否かを検出することによって、さらに精度良く第1クランプ手段と第2クランプ手段との各出力の切り換えを行うことができる。これによって、固体撮像素子に太陽光などの過大光が入射された場合でも、適正に映像信号処理を行うことができる。
例えば、リセットパルスは、水平期間(信号読出し期間)の一部期間または水平期間の別の一部期間において、電荷検出部のポテンシャルがリセットドレインと等しいポテンシャルにリセットされる電圧に設定される。これによって、固体撮像素子の電荷検出部(変換部)のポテンシャルがリセットドレインと等しいポテンシャルにリセットされ、水平転送部から漏れ出した電荷をリセットドレイン側に完全に排出させることができる。
また、水平期間(信号読出し期間)の一部期間は、例えば固体撮像素子においてオプティカルブラック部から信号が出力される期間またはその後に設定され得る。また、水平期間(信号読出し期間)の別の一部期間も、例えば固体撮像素子のオプティカルブラック部から信号が出力される期間に設定される。この場合の別の一部期間は水平期間(信号読出し期間)の一部期間の前に設定されてもよい。
以上により、本発明(実施形態1および図1参照)によれば、固体撮像素子の信号読出し期間(1水平期間)の一部期間でフローティング・ディフージョンアンプ部(電荷電圧変換部)に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧または直流レベルを印加させ、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルに対応した擬似黒レベル信号が生成されて、第2クランプ手段によってクランプされる。露光制御部では、この第2クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の露光が制御される。
したがって、一般的な固体撮像装置に第2クランプ手段を追加するという比較的簡易な構成と、フローティング・ディフージョンアンプ部(電荷電圧変換部)に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧または直流レベルを印加させるという比較的容易な制御によって、過大光が固体撮像素子に入射されて基準となる黒レベルが変動した場合であっても、そのような変動の影響を受けずに、本来の黒レベルと略等しい擬似的な黒レベルを基準として適正な露光制御を行うことができ、良好な画面表示を行うことができる。
このような露光制御によって、固体撮像素子への入射光量が制御されるので、第1クランプ手段にてクランプされた本来の黒レベル(OBレベル)に基づいて信号処理が行われる映像信号処理についても、適正に行うことができる。
また、本発明(実施形態2および図4参照)によれば、固体撮像素子の水平期間の一部期間でフローティング・ディフージョンアンプ部(電荷電圧変換部)に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧または直流レベルが印加され、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルに対応した信号が擬似的に生成されて、第2クランプ手段によってクランプされる。露光制御部では、この第2クランプ手段にてクランプされた擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の露光が制御される。
したがって、過大光が固体撮像素子に入射されて基準となるOBレベルが変動した場合であっても、そのような変動の影響を受けずに、本来の黒レベルと略等しい擬似的な黒レベルを基準として露光制御を行うことができ、良好な画面表示を行うことができる。
このような露光制御により、固体撮像素子への入射光量が制御されるので、光量検出手段で入射光量が所定量未満であることが検出された場合には、出力切り換え手段によって、第1クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力される。映像信号処理部では、本来の黒レベル(OBレベル)に基づいて適正に映像信号処理を行うことができる。
また、光量検出手段で入射光量が所定量以上であることが検出された場合には、出力切り換え手段によって、第2クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力される。映像信号処理部では、この第2クランプ手段にてクランプされた擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が信号処理される。
したがって、入射光量の大小に応じて、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号が出力切り換え手段によって切り換えられ、入射光量の変化に対応して、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射された場合であっても、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、従来のように画面が暗く沈む、画面が破綻する等といった最悪の事態を回避することができる。
さらに、本発明(実施形態3および図5参照)によれば、光量検出手段にて入射光量が所定量以上であることが検出された場合に、パルス切り換え手段によって、水平期間の別の一部期間でフローティング・ディフージョンアンプ部(電荷電圧変換部)に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧または直流レベルが印加に切り換えられ、OB部から本来の黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルに対応した信号が出力されて第1クランプ手段によってクランプされる。映像信号処理部では、この第1クランプ手段にてクランプされた擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が信号処理される。
したがって、入射光量の大小に応じて、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号が生成され、入射光量の変化に対応して、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射された場合であっても、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、従来のように画面が暗く沈む、画面が破綻するなどといった最悪の事態を回避することができる。
さらに、本発明(実施形態4および図7参照)によれば、レベル差検出手段によって、光量検出に時間がかかる光量検出手段などを用いなくても不具合の有無を正確に判断することができ、処理時間を短くすることができる。
さらに、本発明(実施形態5および図9参照)によれば、レベル差検出手段により不具合が生じているか否かを判断し、その判断結果に応じて、パルス切り換え手段によって、フローティング・ディフージョンアンプ部(電荷電圧変換部)に隣接する電極にクロック電圧または直流レベルを印加して、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号を生成することで、適正な映像信号処理を行うことができる。この結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射され、有効画素部の受光部で生成された電荷がOB部に溢れ出した場合であっても、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、従来のように画面が暗く沈む、画面が破綻するなどといった最悪の事態を回避することができる。
さらに、本発明(実施形態6および図10参照)によれば、光量検出手段とレベル差検出手段によって、さらに精度良くパルス切り換えを行うことができる。これにより、固体撮像素子に太陽光などの過大光が入射された場合でも、適正に露光制御を行うことができる。
さらに、本発明(実施形態7および図11参照)によれば、レベル差検出手段による検出結果に応じて、出力切り換え手段が、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号に切り換えて、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射され、有効画素部の受光部で生成された電荷がOB部に溢れ出した場合であっても、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、従来のように画面が暗く沈む、画面が破綻するなどといった最悪の事態を回避することができる。
さらに、本発明(実施形態8および図12参照)によれば、光量検出手段とレベル差検出手段によって、さらに精度良く第1クランプ手段と第2クランプ手段との各出力の切り換えを行うことができる。これによって、固体撮像素子に太陽光などの過大光が入射された場合でも、適正に映像信号処理を行うことができる。
以下に、本発明の固体撮像装置の実施形態1〜10について、図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態1の固体撮像装置の概略構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態1の固体撮像装置10は、固体撮像素子としてのCCD1と、CDS回路2と、OBクランプ回路3Aと、擬似OBクランプ回路3Bと、クランプパルス発生回路4A,4Bと、映像信号処理部5と、検波回路6と、露光制御部7と、撮像素子駆動手段としてのCCD駆動回路8とを有している。これらのOBクランプ回路3Aおよびクランプパルス発生回路4Aにより第1クランプ手段が構成される。また、擬似OBクランプ回路3Bおよびクランプパルス発生回路4Bにより第2クランプ手段が構成される。
CCD1は、例えばIT型CCDであり、図示しないレンズを介して入射される被写体画像を撮像する。CCD1は、図15(a)および図15(b)に示す従来のCCD102の場合と同様に、基板上に、被写体画像に対応する光(被写体画像光)が入射される有効画素部が設けられている。この有効画素部には、光電変換素子である複数のフォトダイオードが垂直方向および水平方向に2次元的に配列されており、被写体画像に対応する電気信号が出力される。また、この有効画素部の周辺には、OB(オプティカルブラック)部が設けられている。このOB部にも、光電変換素子である複数のフォトダイオードが垂直方向および水平方向に2次元的に配列されており、これらの複数のフォトダイオードはアルミニウムなどの遮光部材によって覆われている。これによって、被写体画像に対応する光が遮光されて、それがOB部の複数のフォトダイオードには入射されず、OB部のフォトダイオードからは光学的な黒の基準として用いられる電気信号(OB信号)が出力される。
また、CCD1には、複数のフォトダイオードの各列に沿って設けられた垂直CCDシフトレジスタと、この垂直CCDシフトレジスタからの電荷を電荷検出部(出力回路)に転送する水平CCDシフトレジスタとが設けられている。各フォトダイオードによって光電変換され、対応する垂直CCDシフトレジスタ側に移動した電荷は、垂直転送クロックφV1〜φV4に同期して、垂直CCDシフトレジスタ内を水平CCDシフトレジスタの方向に順次転送される。水平CCDシフトレジスタ側に転送した電荷は、水平転送クロックφH1、φH2に同期して、水平CCDシフトレジスタ内を電荷検出部の方向に順次転送されて、被写体画像の電気信号として外部に出力される。
図2Aは、本実施形態1の固体撮像装置10における水平転送パルス(水平転送クロック)FH1およびFH2とリセットパルスFRとアウトプットゲートパルスFOGとの関係を示す信号波形図であり、図2Bは、図2Aの要部を拡大した水平転送パルスFH1およびFH2、アウトプットゲートパルスFOGおよびリセットパルスFRと、CCDの駆動タイミングとの関係を示す各信号波形図である。
図示しないレンズを介して入射される被写体画像光がCCD1によって撮像されると、図2Aに示すような水平転送パルスFH1およびFH2、アウトプット電圧クロックFOGと,リセットパルスFRによって、CCD1からは図2Bに示すような各波形の信号が出力される。図2Bにおいて、CCD出力信号における網目部分は、被写体画像の電気信号として電荷検出部で電荷が電圧変換された電圧を示している。
CCD1から出力される信号(CCD出力)は、CDS回路2に入力される。1水平期間におけるCCD1からの出力信号がCDS回路2に入力されると、信号に含まれるクロック成分がCDS回路2により除去されてノイズが軽減される。
CDS回路2にてクロック成分が除去された信号(CDS出力)は、第1クランプ手段としてのOBクランプ回路3Aに入力される。このOBクランプ回路3Aには、クランプパルス発生回路4Aが接続されており、図2Aに示すように、OB期間において、クランプパルス発生回路4AからクランプパルスCP1が供給されたときに、CDS回路2から入力されたCCD1のOB部からの出力信号(OB信号)が、OBクランプ回路3Aによってクランプされて直流レベルに固定される。これによって、光学的な黒の基準として用いられるOBレベルの信号が生成される。また、CCD1の有効画素部からの出力信号は、OB部の信号レベルを基準にクランプされたレベルで出力信号が出力される。
OBクランプ回路3Aから出力されるOBレベルの信号は、映像信号処理部5に入力される。映像信号処理部5では、有効画素部からの出力信号に対して、OBクランプ回路3AでクランプされたOBレベルの信号を基準として、各種の信号処理が行われる。映像信号処理部5には、図14に示す従来の固体撮像装置100と同様に、AGC回路が設けられており、AGC回路では、OBクランプ回路3Aから入力される信号の強弱に応じて、利得(ゲイン)が制御される。AGC回路からの出力信号は補正処理回路に入力され、補正処理回路からはガンマ補正された信号が出力される。補正処理回路からの出力信号はペデスタルクランプ回路に入力され、ペデスタルクランプ回路では入力された信号がペデスタルレベルにクランプされる。ペデスタルクランプ回路からの出力信号は駆動回路に入力され、駆動回路からは、テレビモニタなどの表示装置の特性に適応した映像信号が、ビデオ信号VIDEOとして出力される。
また、CDS回路2によってクロック成分が除去された信号(CDS出力)は、第2クランプ手段としての擬似OBクランプ回路3Bにも入力されている。
図2Aおよび図2Bに示すように、CCD1の1水平期間の一部(擬似OB期間)で、フローティング・ディフージョンアンプ部(電荷電圧変換部;フローティング・ディフージョンとは浮遊拡散層のことである)に隣接する電極(アウトプットゲートOG)に直流(DC)レベルをクロック電圧または直流(DC)レベルに変えて印加させ、OB部に溢れ出した電荷を全てリセットドレインRDに排出させる。擬似OBクランプ回路3Bから露光制御部7には、フローティング・ディフージョンアンプ部(電荷電圧変換部)に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にDCレベルをクロック電圧またはDCレベルに変えるような制御信号は出力されない。フローティング・ディフージョンアンプ部(電荷電圧変換部)に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にDCレベルをクロック電圧又はDCレベルに変える制御をCCD1に対して行うのは例えばCCD駆動回路8である。これによって、黒レベルと略等しいレベルに対応した擬似的な信号(擬似OB信号)が生成されてCCD1から出力される。
擬似OBクランプ回路3Bには、クランプパルス発生回路4Bが接続されており、擬似OB期間において、クランプパルス発生回路4BからクランプパルスCP2が供給されたときに、上記擬似OB信号が、擬似OBクランプ回路3Bによってクランプされて直流レベルに固定される。これによって、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似OBレベルの信号が生成される。
図3Aは、本実施形態1の固体撮像装置10におけるCCD1の駆動タイミングを示す信号波形図であり、図3Bは、有効映像信号期間におけるCCD1の水平転送電荷のポテンシャルを示す模式図である。図3Cは、擬似OB期間におけるCCD1の水平転送電荷のポテンシャルを示す模式図である。なお、図3Aにおいて、CCD出力信号における網目部分は転送電荷量を示している。
図3Aおよび図3Bに示すように、有効映像信号期間においてCCD1の有効画素部から電荷信号が読み出される。
まず、時刻t1において、水平転送パルスFH1がローレベル、水平転送パルスFH2がハイレベルとなり、水平転送パルスFH1が加えられる転送電極下のポテンシャルが浅いレベルに、水平転送パルスFH2が加えられる転送電極下のポテンシャルが深いレベルとなり、水平CCDシフトレジスタ1Aにおいて、アウトプットゲートOGの方向に電荷が順次転送される。アウトプットゲートOGは、CCD1の有効画素部からの電荷を電圧変換するため、電荷検出部である電荷変換部1B(電荷電圧変換部)のリセットレベルが水平転送パルスFH1,FH2の影響を受けて、揺さぶられるとノイズなどの問題が発生する可能性があるため、ローレベルで固定したままである(なお、従来の固体撮像素子ではアウトプットゲートOGは所定のDCレベルで固定されている。)。図3Bに示すようにリセットゲートRGにローレベルのリセットパルスFRが加えられ、リセットゲートRG下のポテンシャルは浅くなっており、電荷変換部1Bで水平CCDシフトレジスタ1Aから転送された電荷に応じた電荷電圧に変換されこの電位変動が信号出力としてCCD1から読み出される。
次に、時刻t2では、水平転送パルスFH1がハイレベル、水平転送パルスFH2がローレベルに反転して、水平転送パルスFH1が加えられる転送電極下のポテンシャルが深いレベルに、水平転送パルスFH2が加えられる転送電極下のポテンシャルが浅いレベルに遷移する。これによって、水平CCDシフトレジスタ1Aにおいて水平転送電極FH2から水平転送電極FH1の方向に電荷が転送される。
時刻t3〜t5では、リセットゲートRGのリセットパルスFRがハイレベルになり、リセットゲートRG下のポテンシャルは深くなって、電荷変換部1Bは電荷電圧が変換された電荷がリセットドレインRD側に排出されて、リセットドレインRDと等しいポテンシャルにリセットされる。
時刻t6では、リセットパルスFRがローレベルとなり、リセットゲートRG下のポテンシャルは浅くなるが、電荷変換部1Bには時刻t3、4,5で電荷電圧が変換された電荷はリセットドレインRD側に排出されたため、ポテンシャルは上記時刻t3でのポテンシャルと同じレベルである。時刻t2と時刻t6とにおいては、リセットパルスFRの誘導によって、このようにリセットゲートRG下のポテンシャルに差が生じる。
時刻t7では、水平転送パルスFH1がローレベル、水平転送パルスFH2がハイレベルとなり、水平転送パルスFH1が加えられる転送電極下のポテンシャルが浅いレベルに、水平転送パルスFH2が加えられる転送電極下のポテンシャルが深いレベルに遷移する。これによて、水平転送パルスFH1が加えられる転送電極下のポテンシャルがアウトプットゲートOG下のポテンシャルよりも浅くなり、電荷が電荷変換部1Bに転送される。このように転送された電荷によって、変換部1Bの電位が変動し、この電位変動が信号出力としてCCD1から読み出される。
図3Aおよび図3Cに示すように、擬似OB期間においてCCD1のOB部から電荷信号(画素信号)が読み出される。
まず、時刻t8,15において、水平転送パルスFH1がローレベル、水平転送パルスFH2がハイレベルとなり、水平転送パルスFH1が加えられる転送電極下のポテンシャルが浅いレベルに、水平転送パルスFH2が加えられる転送電極下のポテンシャルが深いレベルとなり、水平CCDシフトレジスタ1Aにおいて、アウトプットゲートOGの方向に電荷が転送される。アウトプットゲートOGは有効画素部の電荷を光電変換するため、電荷検出部である電荷変換部1Bのリセットレベルが水平転送パルスFH1,FH2の影響を受けて、揺さぶられるとノイズなどの問題が発生する可能性があるため、ローレベルで固定したままである。また、図3Cに示すリセットゲートRGにローレベルのリセットパルスFRが加えられ、リセットゲートRG下のポテンシャルは浅くなっており、電荷変換部1Bで水平CCDシフトレジスタ1Aから転送された電荷により電荷電圧が変換され、この電位変動が信号出力としてCCD1から読み出される。
次に、時刻t9,16では、水平転送パルスFH1がハイレベル、水平転送パルスFH2がローレベルとなり、水平転送パルスFH1が加えられる転送電極下のポテンシャルが深いレベルに、水平転送パルスFH2が加えられる転送電極下のポテンシャルが浅いレベルに遷移する。これによって、水平CCDシフトレジスタ1Aにおいて水平転送電極FH2下から、水平転送電極下FH1の方向に電荷が転送される。
時刻t10,17では、リセットゲートRGのリセットパルスFRがハイレベルとなり、リセットゲートRG下のポテンシャルは深くなり、電荷変換部1Bは電荷電圧が変換された電荷がリセットドレインRD側に排出されて、リセットドレインRDと等しいポテンシャルにリセットされる。
時刻t11,18では、アウトプットゲートOGのアウトプットパルスFOGがハイレベルとなり、アウトプットゲートOG下のポテンシャルは深くなる。このため、アウトプットゲートOG下のポテンシャルがバリアとなって、水平転送パルスFH1が加えられる転送電極下で保持されていた電荷が、アウトプットゲートOG下のポテンシャルバリアがなくなって、リセットゲートRG下のポテンシャルは深くなっているため、電荷変換部1BからリセットゲートRGへと電荷は、転送され電荷電圧が変化されることなくリセットドレインRD側に排出されて、リセットドレインRDと等しいポテンシャルにリセットされる。この結果、過大光がCCD1に入射された場合であっても電荷変換部1BからリセットゲートRGへと電荷は、転送され電荷電圧が変化されることなくリセットドレインRD側に排出されて、擬似OB期間で、OB部へと転送電荷が溢れ出す電荷がない場合と略等しい擬似OB信号が得られる。このとき、アウトプットゲートOGがアウトプットパルスFOGをハイレベルに印加することで、電荷検出部である電荷変換部1Bのリセットレベルが水平転送パルスFH1,FH2の影響を受けて、揺さぶられるとノイズなどの問題が発生する可能性があるが、本時刻t11,t18では、水平転送パルスFH1が加えられる転送電極下で保持されていた電荷をリセットドレインRD側に排出させる目的であり、問題の発生はない。
時刻t12、19では、アウトプットゲートOGのアウトプットパルスFOGがローレベルとなり、アウトプットゲートOG下のポテンシャルは浅くなる。このとき、アウトプットゲートOG、電荷変換部1B、リセットゲートRGで電荷が残っている可能性があるため、最初にアウトプットゲートOGのポテンシャルを浅くすることでアウトプットゲートOG下の電荷を電荷変換部1Bへ転送させる。
時刻t13,20では、リセットパルスFRがローレベルとなり、リセットゲートRG下のポテンシャルは浅くなり、電荷変換部1Bのポテンシャルは上記時刻t10,17でのポテンシャルと同じレベルである。時刻t10,17と時刻t13,20とにおいては、リセットパルスFRの誘導によって、このようにリセットゲートRG下のポテンシャルに差が生じる。
時刻t14,21において、水平転送パルスFH1がローレベル、水平転送パルスFH2がハイレベルとなって、水平転送パルスFH1が加えられる転送電極下のポテンシャルが浅いレベルに、水平転送パルスFH2が加えられる転送電極下のポテンシャルが深いレベルとなり、水平CCDシフトレジスタ1AにおいてアウトプットゲートOGの方向に電荷が転送される。
擬似OBクランプ回路3Bから出力される擬似OBレベルの信号は、検波回路6に入力されて、検波回路6によって検波される。検波回路6から出力される検波信号に基づいて、露光制御部7から、CCD1のアイリスおよび露光を制御するための信号がCCD駆動回路8に出力される。このCCD駆動回路8では、露光制御部7から出力される信号に基づいて、CCD1を駆動制御する。露光制御部7およびCCD駆動回路8では、擬似OBクランプ回路3Bにてクランプされた信号レベル(擬似OBレベル)を基準として、それぞれの動作が行われる。また、CCD1の露光制御は、例えばCCD1に備わった電子シャッター機能などを用いて制御される。
以上のように、本実施形態1の固体撮像装置10では、過大光がCCD1に入射して、光学的な黒の基準となるOBレベルが変動した場合であっても、本来の黒レベルと略等しい擬似的なOBレベルによって適正な露光制御を行うことができる。その結果、過大光がCCD1に入射した場合でも、良好な画面表示を得ることができる。
この場合、この擬似OBレベルは、リセットパルスFRによる誘導などの影響によって、本来の黒レベル(OBレベル)と全く同一レベルであるとは言えないため、映像信号処理の基準として用いるためには適していない。このため、本実施形態1では、露光制御のみを、擬似OBレベルを基準として行っており、映像信号処理は、擬似OBレベルではなく、OBレベルを基準として行っている。このような擬似OBレベルを基準とした露光制御によって、CCD1への入射光量が調整されるので、OBレベルに基づいて処理が行われる映像信号処理についても、適正に行うことが可能となる。
(実施形態2)
上記実施形態1では、フローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にDCレベルをクロック電圧又はDCレベルに変えて印加させて生成した擬似黒レベル信号を擬似OBクランプ回路3Bでクランプさせ、この擬似黒レベル信号を基準として露光制御を行う場合について説明したが、本実施形態2では、これに加えて、入射光量に応じて、映像信号処理部5で信号処理を行う基準の黒レベル信号として、OBクランプ回路3Aと擬似OBクランプ回路3Bとの各出力を切り換える場合について説明する。
図4は、本実施形態2の固体撮像装置の概略構成例を示すブロック図である。なお、図4では、図1の実施形態1と同一の機能を有する構成部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、固体撮像装置20は、図1に示す実施形態1の固体撮像装置10の構成に加えて、光量検出部21と、出力切り換え手段としての信号切り換え部22とを備えている。
光量検出部21では、露光制御部7からの制御情報に従って、CCD1への入射光量が検出される。露光制御部7では、CCD1からの出力信号レベルが一定となるように、CCD1の電子シャッタが制御される。このため、光量検出部21では、CCD1の電子シャッタ速度が所定の値以上であるか否かによって、入射光量が所定量以上であるか否かを判断できるようになっている。
信号切り換え部22は、光量検出部21により検出された入射光量が所定量未満である場合には、OBクランプ回路3Aの出力が映像信号処理5に入力し、また、光量検出部21により検出された入射光量が所定量以上である場合には、擬似OBクランプ回路3Bの出力が映像信号処理5に入力するように、スイッチ手段を切り換えるようになっている。
一方、擬似OBレベルとは、本来の黒レベル(本来のOBレベル)と異なり擬似的な黒レベルであり、本来のOBレベルと全く同一のレベルではない。したがって、映像信号出力は極力、本来のOBレベルを基準として行うことが望ましい。そこで、入射光量が所定量未満である場合には、映像信号処理部5では、上記実施形態1の場合と同様に、OBクランプ回路3Aから出力されるOBレベルの信号を基準として、各種の信号処理が行われる。この場合に、例えば最大限の露光制御を行うことによって、OB部へ電荷が溢れ出すのを防ぐことができるため、本来のOBレベルを基準として映像信号処理部5による映像信号処理を適正に行うことができる。
また、光量検出部21にて検出された入射光量が所定量以上である場合には、映像信号処理部5では、擬似OBクランプ回路3Bから出力される擬似OBレベルの信号を基準として、各種の信号処理が行われる。このように、擬似OBレベルを用いる理由は、入射光量が所定量以上の場合には、最大限の露光制御を行っても、なお、OB部に電荷が溢れ出し、OBレベルが変動するからである。
露光制御部7では、光量検出部21における検出結果に関らず、上記実施形態1の場合と同様に、擬似OBクランプ回路3Bで得られる、本来の黒レベル(本来のOBレベル)と略等しい擬似OBレベルを基準として露光制御が行われ、CCD駆動回路8によってCCD1の電子シャッタが制御される。
以上のように、本実施形態2の固体撮像装置20によれば、CCD1に入射される光量の大小によって、映像信号処理部5で映像信号処理を行う際に、光学的な黒の基準となるレベルが、信号切り換え部22によって切り換えられるので、入射光量の変化に対応して、適正な映像信号処理を行うことができる。この結果、特に、最大限の露光制御を行っても、OB部への電荷の溢れを回避することができないような強烈な光がCCD1に入射されても、擬似OBレベルを基準として映像信号処理を行うことができるので、十分とは言えないが、画面が黒く沈む、画面が破綻するなどといった従来の最悪の事態を回避することができる。
なお、本実施形態2では、入射光量に応じて、映像信号処理部5で信号処理を行う基準の黒レベル信号として、OBクランプ回路3Aと擬似OBクランプ回路3Bとの各出力を切り換える場合について説明したが、入射光量に応じて、露光制御を行う基準の黒レベル信号として、OBクランプ回路3Aと擬似OBクランプ回路3Bとの各出力を切り換える場合についても考えられる。
(実施形態3)
本実施形態3では、上記実施形態1の構成に加えて、OB期間(1水平期間の一部期間(擬似OB期間)とは別の一部期間)において、入射光量が所定量以上のときに、フローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にDCレベルをクロック電圧又はDCレベルに変えて印加することによって、OBクランプ回路3Aに擬似黒レベル信号をクランプさせる場合について説明する。
図5は、本実施形態3の固体撮像装置の概略構成例を示すブロック図である。なお、図5では、図1の実施形態1の場合と同一の機能を有する構成部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態3の固体撮像装置30は、図1に示す実施形態1の固体撮像装置10の構成に加えて、光量検出部21と、この光量検出部21からの出力(入射光量)に応じてパルスを切り換えるパルス切り換え部31とを備えている。
光量検出部21では、上記実施形態2の場合と同様に、露光制御部7からの制御情報に従って、CCD1への入射光量が検出される。
パルス切り換え部31では、光量検出部21で検出された入射光量が所定量以上である場合に、CCD1の1水平期間の一部(OB期間)でフローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にDCレベルをクロック電圧又はDCレベルに変えて印加する。
図6は、図5の固体撮像装置30の駆動タイミングを示す信号波形図である。
図6に示すように、固体撮像装置30は、光量検出部21で検出された入射光量が所定量未満である場合には、上記実施形態1の場合と同様に、OB期間にはフローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にDCレベルのままで切り換えられず、OBクランプ回路3AからクランプパルスCP1によってクランプされた本来の黒レベル(OBレベル)の信号が出力される。この場合に、映像信号処理部5では、上記実施形態1の場合と同様に、OBクランプ回路3Aから出力される本来のOBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
また、固体撮像装置30は、量検出部21で検出された入射光量が所定量以上である場合には、パルス切り換え部31によって、図6に示すように、CCD1の1水平期間の一部(OB期間)で、フローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にDCレベルをクロック電圧又はDCレベルに変えて印加させ、OB部に溢れ出した電荷が全てリセットドレインRDに排出される。これによって、黒レベルと略等しいレベルに対応した擬似的な信号(擬似OB信号)が生成されてCCD1から出力される。OB期間において、OBクランプ回路3AにクランプパルスCP1が供給されたときに、上記擬似OB信号が、OBクランプ回路3Aによってクランプされて直流レベルに固定される。これによって、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似OBレベルの信号が生成される。映像信号処理部5では、OBクランプ回路3Aから出力される擬似OBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
露光制御部7では、光量検出部21による検出結果に関らず、上記実施形態1の場合と同様に、クランプパルスCP2が供給されたときに擬似OBクランプ回路3Bにてクランプされた、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似OBレベルを基準として露光制御が行われ、CCD駆動回路8によってCCD1の電子シャッタが制御される。
以上のように、本実施形態3の固体撮像装置30では、CCD1に入射される光量の大小によって、映像信号処理部5により映像信号処理を行う際に光学的な黒の基準となるレベルが生成されるので、入射光量の変化に対応して、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても、OB部への電荷溢れ出しを回避することができないような強烈な光がCCD1に入射されても、擬似OBレベルを基準として映像信号処理を行うことができるので、十分とは言えないが、画面が黒く沈む、画面が破綻するなどといった従来のような最悪の事態を回避することができる。
ところで、上記各実施形態1〜3の固体撮像装置10,20,30においては、1水平期間の一部でフローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にDCレベルをクロック電圧又はDCレベルに変えて印加させることによって、過大光がCCD1に入射する場合でも、適正な露光制御が行われる。
また、上記各実施形態1〜3の固体撮像装置10,20,30では、第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルを基準として、検波回路6よってCCD1からの出力電圧を検出し、その出力電圧を基にして出力電圧が大きいときに露光制御(電子シャッタなどの制御)を行った後、光量検出部で電子シャッタ速度を検出させて、速度値によって光量が所定量以上であるか否かを判断しているため、過大光が入射されて問題が生じているか否かを判断するために処理時間がかかり、その間に画像みだれなどの不具合が発生することが考えられる。
そこで、以下の各実施形態4〜10では、以上のような問題を解決することができる本発明の固体撮像装置について説明する。
(実施形態4)
本実施形態4では、上記実施形態1の場合に加えて、水平帰線レベル信号を基準にして、OBクランプ回路3Aから出力される信号レベルと、擬似OBクランプ回路3Bから出力される信号レベルとのレベル差を検出することによりCCD1に対する過大光照射の有無を検出し、これに応じて露光制御を行う場合である。
図7は、本実施形態4の固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。なお、図7では、上記実施形態1の場合と同一の機能を有する構成部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態4の固体撮像装置40は、図1に示す実施形態1の固体撮像装置10の構成に加えて、入射光量に無関係の水平帰線期間の水平帰線レベル信号をクランプする水平帰線クランプ回路41と、これにクランプパルスCP3を供給するクランプパルス発生回路42とを備えている。また、この固体撮像装置40は、図1に示す実施形態1の固体撮像装置10の検波回路6および露光制御部7に代えて、レベル差検出手段としての検波回路6Aおよび露光制御部7Aを有している。
検波回路6Aは、OBクランプ回路3Aから出力される信号レベルと、擬似OBクランプ回路3Bから出力される信号レベルとのレベル差が、水平帰線クランプ回路41からの水平帰線レベル信号を基準値として、その基準値以上か未満かの比較結果を検出することによりCCD1に対する過大光照射の有無を検出する。
露光制御部7Aは、検波回路6Aからの比較結果(検出結果)に応じて露光量制御を行う。
図8は、図7の固体撮像装置40の駆動タイミングを示す信号波形図である。
図8に示すように、水平帰線期間において、クランプパルス発生回路42からクランプパルスCP3が発生すると、水平帰線クランプ回路41によって、CCD1において入射される光量などに影響されない水平帰線レベル信号がクランプされる。
一方、1水平期間においては、クランプパルス発生回路4Aから出力されるクランプパルスCP1によってOBクランプ回路3AでOBレベル信号がクランプされ、クランプパルス発生回路4Bから出力されるクランプパルスCP2パルスによって擬似OBクランプ回路3Bで擬似OBレベル信号がクランプされる。
検波回路6Aは、水平帰線クランプ回路41から出力された水平帰線レベル信号のレベルを基準値として、第1クランプ手段としてのOBクランプ回路3Aから出力される信号(第1信号)のレベルと、第2クランプ手段としての擬似OBクランプ回路3Bから出力される信号(第2信号)のレベルとのレベル差が所定値以上あれば過大光の照射などによって不具合が発生しており、そのレベル差が所定値未満であれば不具合が発生していないと検出する。この検波回路6Aによる検出処理は即座に判断できるため、信号処理の時間を短縮することができる。
検波回路6Aによる比較結果(検出結果)に基づいて露光制御部7Aにおいて露光制御が為される。
なお、本実施形態4では、黒レベル信号と擬似黒レベル信号とのレベル差を検出し、この検出したレベル差と、基準信号である水平帰線レベル信号のレベルとを比較する検波回路6Aを設け、この比較結果(検出結果)に応じて露光制御部7Aで露光量制御を行なうように構成したが、これに限らず、この比較結果に応じて撮像駆動制御または、撮像駆動制御および露光量制御を行なってもよい。また、検波回路6Aが黒レベル信号と擬似黒レベル信号とのレベル差を検出し、検出レベル差と所定値とを比較した比較結果に応じて光量制御および露光制御の少なくともいずれかを行なうようにすることもできる。
(実施形態5)
本実施形態5では、上記実施形態4の構成に加えて、上記レベル差が所定量以上である場合に過大光照射であると判断して、CCD1の1水平期間内のOB期間内でフローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧又はDCレベルを印加させるように切り換える場合について説明する。
図9は、本実施形態5の固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。なお、図9では、上記実施形態4の場合と同一の機能を有する構成部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態5の固体撮像装置50は、図7に示す上記実施形態4の固体撮像装置40の構成に加えて、上記実施形態3の光量検出部21の代りに、上記実施形態4の場合と同様の検波回路6Aからのレベル差検出出力(過大光照射かどうかの検出結果)に応じてパルスを切り換えるパルス切り換え部31Aを備えている。
上記構成により、上記実施形態4の場合と同様に、水平帰線期間において、クランプパルス発生回路42からクランプパルスCP3が発生すると、水平帰線クランプ回路41によって、CCD1に入射される光量などに影響されない水平帰線レベル信号がクランプされる。
一方、水平帰線期間前の水平期間のOB期間において、クランプパルス発生回路4Aから出力されるCP1パルスによってOBクランプ回路3AでOBレベル信号がクランプされ、さらに、疑似OB期間において、クランプパルス発生回路4Bから出力されるCP2パルスによって擬似OBクランプ回路3Bで擬似OBレベル信号がクランプされる。
検波回路6Aでは、水平帰線クランプ回路41から出力された水平帰線レベル信号のレベルを基準(基準値)にして、第1クランプ手段としてのOBクランプ回路3Aから出力される信号(第1信号)のレベルと、第2クランプ手段としての擬似OBクランプ回路3Bから出力される信号(第2信号)のレベルとのレベル差がその基準値以上か基準値未満かを検出する。
このとき、検波回路6Aにおいて、第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量(基準値)以上であることが検出された場合には、過大光照射であると判断して、パルス切り換え部31Aで、検波回路6Aからの検出結果信号に基づいて、CCD1の水平期間内のOB期間内でフローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧又はDCレベルを印加させるように、アウトプットゲートパルスFOGが切り換えられる。このパルス切り換え部31Aによって、フローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧又はDCレベルが印加され、OB部に溢れ出した電荷が全てリセットドレインRD側に排出される。これによって、黒レベルと略等しいレベルに対応した、擬似的な信号(擬似OB信号)が生成されてCCD1から出力される。OB期間において、OBクランプ回路3AからクランプパルスCP1が供給されたときに、上記擬似OB信号が、OBクランプ回路3Aによってクランプされて直流レベルに固定される。これによって、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似OBレベルの信号が生成される。映像信号処理部5では、OBクランプ回路3Aから出力される擬似OBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
また、検波回路6Aにおいて、OBクランプ回路3Aから出力される第1信号のレベルと、擬似OBクランプ回路3Bから出力される第2信号のレベルとのレベル差が所定量(基準値)未満であることが検出された場合には、上記実施形態4の場合と同様に、パルス切り換え部31Aで、検波回路6Aからの検出結果信号に基づいて、OB期間にはアウトプットゲートパルスFOGは切り換えられず、OBクランプ回路3AからクランプパルスCP1によってクランプされた、本来の黒レベルの信号が出力される。映像信号処理部5では、上記実施形態4の場合と同様に、OBクランプ回路3Aから出力される本来のOBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
露光制御部7では、検波回路6Aの検出結果に関わらず、上記実施形態1の場合と同様に、クランプパルスCP2が供給されたときに擬似OBクランプ回路3Bでクランプされた、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似OBレベルを基準として露光制御が行われ、CCD1駆動回路8AによってCCD1の電子シャッターが制御される。
以上のように、本実施形態5の固体撮像装置50では、OBクランプ回路3Aでクランプされた信号のレベルと、擬似OBクランプ回路3Bでクランプされた信号のレベルとのレベル差に応じて過大光照射の有無を速やかに判断することができ、この判断に従って映像信号処理を行う際に光学的な黒の基準となる一定レベルが生成されるので、入射光量の変化に応じた適正な映像信号処理を行うことができる。特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないような強烈光がCCD1に入射しても、擬似OBレベルを基準として露光制御処理を行うことができるので、従来のように画面が黒く沈む、画面が破綻する等の最悪の事態を回避することができる。
(実施形態6)
本実施形態6では、OBクランプ回路3Aでクランプされた信号のレベルと、擬似OBクランプ回路3Bでクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量以上である場合に過大光照射であると判断する上記実施形態5の構成に加えて、光量検出部21で検出されるCCD1への入射光量の大小によっても、映像信号処理を行う際に光学的な黒の基準となるレベルを生成する場合について説明する。
図10は、本実施形態6の固体撮像装置の概略構成例を示すブロック図である。なお、図10では、上記実施形態5の場合と同一の機能を有する構成部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態6の固体撮像装置60は、上記実施形態3の固体撮像装置30の場合と同様の光量検出部21に加えて、上記実施形態5の構成と同様の水平帰線クランプ回路41、クランプパルス発生回路42および検波回路6Aを備えている。また、固体撮像装置60は、上記実施形態3のパルス切り換え部31に代えて、CCD1への入射光量の大小だけではなく、検波回路6Aからの検出結果をも考慮してパルス切り換えを行うパルス切り換え部31Aを備えている。これによって、上記実施形態5よりも精度よく、パルス切り換え部31Aによってパルス切り換えを行うことができる。
光量検出部21では、上記実施形態3の光量検出部21の場合と同様に、露光制御部7からの制御情報に従って、CCD1への入射光量が検出される。露光制御部7では、CCD1からの出力信号レベルが一定となるように、CCD1の例えば電子シャッタスピードが制御される。このため、光量検出部21では、CCD1の例えば電子シャッタ速度が所定値以上であるか否かによって、入射光量が所定量以上であるか否かを判断することができる。
パルス切り換え部31Aでは、検波回路6Aによって第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出され、かつ、光量検出部21によって電子シャッタ速度が所定の値以上であることが検出された場合にのみ、CCD1のOB部からの出力期間でフローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧又はDCレベルを印加することにより、OB部に溢れ出した電荷を全てリセットドレインRD側に排出させる。
上記構成により、上記実施形態5の固体撮像装置50の場合と同様に、水平帰線期間において、クランプパルス発生回路42からクランプパルスCP3が発生すると、水平帰線クランプ回路41によって、CCD1に入射される光量などに影響されない水平帰線レベル信号がクランプされる。
また、水平期間においては、クランプパルス発生回路4Aから出力されるクランプパルスCP1によってOBクランプ回路3AでOBレベル信号がクランプされ、さらに、クランプパルス発生回路4Bから出力されるクランプパルスCP2によって擬似OBクランプ回路3Bで擬似OBレベル信号がクランプされる。
検波回路6Aでは、水平帰線クランプ回路41から出力された水平帰線レベル信号を基準値として、第1クランプ手段としてのOBクランプ回路3から出力される信号(第1信号)のレベルと、第2クランプ手段としての擬似OBクランプ回路から出力される信号(第2信号)のレベルとのレベル差がその基準値以上か否かを検出する。
この検波回路6Aによって第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量未満であることが検出され、および/または、光量検出部21によって電子シャッタ速度が所定の値未満であることが検出された場合には、レベル差が所定量未満であった上記実施形態5の場合と同様に、パルス切り換え部31Aによって、OB期間にはフローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧又はDCレベルを印加するようには切り換えられず、OBクランプ回路3AからクランプパルスCP1によってクランプされた、本来の黒レベルの信号が映像信号処理部5に出力される。映像信号処理部5では、上記実施形態4と同様に、OBクランプ回路3Aから出力される本来のOBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
また、検波回路6Aによって第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出され、かつ、光量検出部21によって電子シャッタ速度が所定の値以上であることが検出された場合には、パルス切り換え部31Aによって、CCD1のOB部からの出力期間でフローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧又はDCレベルが印加され、OB部に溢れ出した電荷が全てリセットドレインRD側に排出される。これによって、黒レベルと略等しいレベルに応じた擬似的な信号(擬似OB信号)が生成されてCCD1から出力される。OB期間において、クランプパルス発生回路4AからクランプパルスCP1が供給されたときに、上記擬似OB信号が、OBクランプ回路3Aによってクランプされて直流レベルに固定される。これによって、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似OBレベルの信号が生成される。映像信号処理部5では、OBクランプ回路3Aから出力される擬似OBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
露光制御部7では、検波回路6Aの検出結果に関わらず、上記実施形態5の場合と同様に、クランプパルスCP2が供給されたときに擬似OBクランプ回路3Bでクランプされた、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似OBレベルを基準とした露光制御が行われるように動作し、光量検出部21を介してCCD駆動回路8AからCCD1の電子シャッタ速度が制御される。
以上のように、本実施形態6の固体撮像装置60では、OBクランプ回路3Aでクランプされた信号のレベルと、擬似OBクランプ回路3Bでクランプされた信号のレベルとのレベル差、および光量検出部21で検出されるCCD1への入射光量の大小によって、映像信号処理を行う際に光学的な黒の基準となるレベルが生成されるので、入射光量の変化に対応して、より適正な映像信号処理を行うことができる。特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないような強烈光がCCD1に入射し、擬似OBレベルを基準として映像信号処理を行うことができるので、従来のような画面が黒く沈む、画面が破綻するなどの最悪の事態を回避することができる。
(実施形態7)
本実施形態7では、OBクランプ回路3Aでクランプされた第1信号のレベルと、擬似クランプ回路3Bでクランプされた第2信号のレベルとのレベル差に応じてCCD1に所定以上の強烈光が照射されているかどうかを検波回路6Aで検出することができ、この検出結果に基づいて、映像信号処理を行う際の光学的な黒レベルの基準となるレベルとして、信号切り換え部22AによってOBクランプ回路3Aと擬似OBクランプ回路3Bの各出力のいずれかに切り換える場合について説明する。
図11は、本実施形態7の固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。なお、図11では、上記実施形態4の場合と同一の機能を有する構成部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態7の固体撮像装置70は、図7に示す実施形態4の固体撮像装置の構成に加えて、図4に示す実施形態2において、光量検出部21からの光量検出出力に応じてOBクランプ回路3Aと擬似OBクランプ回路3Bの各出力を切り換える信号切り換え部22に代えて、検波回路6Aからのレベル差検出出力に応じてOBクランプ回路3Aと擬似OBクランプ回路3Bの各出力を切り換える出力切り換え手段としての信号切り換え部22Aを備えている。
上記構成により、上記実施形態4の固体撮像装置40の場合と同様に、水平帰線期間において、クランプパルス発生回路42からクランプパルスCP3が発生されると、水平帰線クランプ回路41によって、CCD1に入射される光量などに影響されない水平帰線レベル信号がクランプされる。
水平期間においては、クランプパルス発生回路4Aから出力されるCP1パルスによってOBクランプ回路3AでOBレベル信号がクランプされ、クランプパルス発生回路4Bから出力されるCP2パルスによって擬似OBクランプ回路3Bで擬似OBレベル信号がクランプされる。
レベル差検出手段としての検波回路6Aは、水平帰線クランプ回路41から出力された水平帰線レベル信号を基準(基準値)として、第1クランプ手段としてのOBクランプ回路3Aから出力される信号(第1信号)のレベルと、第2クランプ手段としての擬似OBクランプ回路3Bから出力される信号(第2信号)のレベルとのレベル差が所定値以上か否かを検出する。
例えば、検波回路6Aによって第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量未満(基準値未満)であることが検出された場合には、信号切り換え部22Aでスイッチが切り換えられて、OBクランプ回路3Aからの出力が映像信号処理部5に入力される。映像信号処理部5では、上記実施形態4の場合と同様に、OBクランプ回路3Aから出力されるOBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
擬似OBレベルは、本来の黒レベル(本来のOBレベル)に擬似的なレベルであり、本来のOBレベルと全く同じレベルではない。したがって、映像信号出力は極力、本来のOBレベルを基準として行うことが望ましい。そこで、レベル差が所定量未満である場合には、不具合(CCD1に対する過大入射光量時)が生じていないものと判断して、本来のOBレベルを基準として映像信号処理を行う。
また、検波回路6Aによって第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出された場合には、信号切り換え部22Aでスイッチが切り換えられて、疑似OBクランプ回路3Bからの出力が映像信号処理部5に入力される。映像信号処理部5では、擬似OBクランプ回路3Bから出力される擬似OBレベルを基準として、各信号処理が行われる。
このように、擬似OBレベルを用いる理由としては、OBクランプ回路3Aでクランプされた第1信号のレベルと擬似OBクランプ回路3Bでクランプされた第2信号のレベルとでレベル差が所定値以上であると確認された場合には、OB部に電荷が溢れ出してOBレベルが変動しているからである。レベル差が所定値以上であるということは、CCD1に入射される光量が多いためにリセットドレインRDで充分に電荷が排出しきれない状態である。
以上のように、本実施形態7の固体撮像装置70では、OBクランプ回路3Aでクランプされた第1信号のレベルと、擬似クランプ回路3Bでクランプされた第2信号のレベルとのレベル差に応じて不具合(強烈光照射)が生じているか否かを速やかに判断することができ、この判断結果に従って、映像信号処理を行う際の光学的な黒レベルの基準となるレベルが、信号切り換え部22Aによって切り換えられるので、入射光量の変化に応じてその都度、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、強烈光がCCD1に入射されても、擬似OBレベルを基準として映像信号処理を行うことができるので、従来のように画面が破綻するなどの最悪の事態を回避することができる。
(実施形態8)
本実施形態8では、光量検出部21によるCCD1への検出照射光量に基づいて、映像信号処理を行う際の光学的な黒レベルの基準となるレベルとして、出力切り換え部22BによってOBクランプ回路3Aと擬似OBクランプ回路3Bの各出力をいずれかに切り換える上記実施形態2に、OBクランプ回路3Aから出力される信号レベルと、擬似OBクランプ回路3Bから出力される信号レベルとのレベル差に応じて、CCD1に対する過大光照射の有無を検出して、これに基づいて露光制御を行う上記実施形態7を加えた場合について説明する。なお、光量検出部21による光量検出は、上記実施形態7の検波回路6Aによる検出情報に基づいて検出される。
図12は、本実施形態8の固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。なお、図12では、上記実施形態2,4,7の場合と同一の機能を有する構成部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
図12に示すように、本実施形態8の固体撮像装置80は、図11に示す実施形態7の固体撮像装置70の構成に加えて、検波回路6Aによる検出情報に基づいて光量が検出される光量検出部21を備え、光量検出部21からの検出出力に応じて出力切り換え部22Bを切り換え制御する。これによって、上記実施形態7よりも精度よく、OBクランプ回路3Aまたは擬似OBクランプ回路3Bと、映像信号処理部5との接続を行うことができる。
この固体撮像装置80において、光量検出部21では、露光制御部9からの制御情報に従って、CCD1への入射光量が検出される。露光制御部9では、CCD1からの出力信号レベルが一定となるように、CCD1の電子シャッタが駆動制御(シャッタ速度)される。このため、光量検出部21では、CCD1の電子シャッタ速度が所定の値以上であるか否かによって、入射光量が所定量以上であるか否かを判断することができる。
また、上記実施形態7の固体撮像装置70の場合と同様に、水平帰線期間において、クランプパルス発生回路42からクランプパルスCP3が発生されると、水平帰線クランプ回路41によって、CCD1に入射される光量などに影響されない、水平帰線レベル信号がクランプされる。
また、1水平期間においては、クランプパルス発生回路4Aから出力されるCP1パルスによってOBクランプ回路3AでOBレベル信号がクランプされ、クランプパルス発生回路4Bから出力されるCP2パルスによって擬似OBクランプ回路3Bで擬似OBレベル信号がクランプされる。
さらに、検波回路6Aでは、水平帰線クランプ回路41から出力された水平帰線レベル信号を基準にして、第1クランプ手段としてのOBクランプ回路3Aから出力される信号(第1信号)のレベルと、第2クランプ手段としての擬似OBクランプ回路3Bから出力される信号(第2信号)のレベルとのレベル差を検出する。
検波回路6Aによって第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量未満であることが検出され、かつ、光量検出部21によってCCD1(固体撮像素子)への入射光量が所定量未満であることが検出された場合には、出力切り換え部22Bでスイッチが切り換えられて、OBクランプ回路3Aからの出力が映像信号処理部5に入力される。映像信号処理部5では、上記実施形態4の場合と同様に、OBクランプ回路3Aから出力されるOBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
また、検波回路8Aによって、第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出され、かつ、光量検出部21によって固体撮像素子(CCD1)への入射光量が所定量未満であることが検出された場合、または、検波回路6Aによって第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量未満であることが検出されても、光量検出部21によって固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合、または、第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出され、かつ、光量検出部21によって固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合には、出力切り換え部22Bでスイッチが切り換えられて、疑似OBクランプ回路3Bからの出力が映像信号処理部5に入力される。映像信号処理部5では、擬似OBクランプ回路3Bから出力される擬似OBレベルを基準として、各種信号処理が行われる。
露光制御部7Aでは、光量検出部21の検出結果に関わらず、上記実施形態4の場合と同様に、疑似OBクランプ回路3Bで得られる本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい疑似OBレベルを基準として露光制御が行われて、CCD駆動回路8によってCCD1の電子シャッタが駆動制御される。
以上のように、本実施形態8の固体撮像装置80では、OBクランプ回路3Aでクランプされた信号のレベルと、擬似OBクランプ回路3Bでクランプされた信号のレベルとのレベル差、および、光量検出部21で検出されたCCD1への入射光量の大小によって、映像信号処理を行う際に、光学的な黒の基準となるレベルが、信号切り換え部22Bによって切り換えられるので、入射光量の変化に対応して、その都度、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないような強烈な光がCCD1に入射されても、擬似OBレベルを基準として映像信号処理を行うことができるので、従来のように画面が黒く沈む、画面が破綻するなどといった最悪の事態を回避することができる。
また、クランプパルス発生回路42から出力されたCP3パルスにより水平帰線クランプ回路41でクランプした水平帰線レベル信号を基準にして、OBクランプ回路3Aでクランプされた第1信号レベルと、擬似OBクランプ回路3Bでクランプされた第2信号レベルとのレベル差のみによって、映像信号処理部5に入力される黒レベル出力を切り換えた場合には、光量対レベル差が極端に急峻な場合に、レベル差が所定量の近辺で変化すると、OBクランプ回路3Aからの出力が映像信号処理部5に入力されてOBクランプレベルを基準にして映像処理が行われる場合と、疑似OBクランプ回路3Bからの出力が映像信号処理部5に入力されて擬似OBクランプレベルを基準にして映像処理が行われる場合とが繰り返されて画面が変化し、フリッカなどの画像不具合が発生することが考えられる。
これに対して、本実態形態8では、水平帰線クランプ回路41でクランプされた水平帰線レベル信号を基準にして、OBクランプ回路3Aでクランプされた第1信号レベルと、擬似OBクランプ回路3Bでクランプされた第2信号レベルとのレベル差と、入射光量とによって出力切り換えスイッチ22Bの切り換えを判断するため、このような画像不具合の発生を抑制することができる。
以上により、本実施形態1〜8によれば、水平期間の一部期間でフローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧または直流レベルを印加し、黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルの擬似OB信号を生成し、クランプパルス発生回路4Bからクランプパルスが供給した場合に、擬似OB信号をクランプする擬似OBクランプ回路3Bを設けている。過大光がCCD1に入射してOB部に転送電荷があふれた場合に、フローティング・ディフージョンアンプ部に隣接する電極(アウトプットゲートOG)にクロック電圧または直流レベルを印加させることによって、OB部に溢れ出した電荷がリセットドレインRD側に排出され、黒レベルと略等しい擬似OBレベルが生成される。この擬似OBレベルを基準として露光制御を行うことにより、従来のようにOBレベルの変動による影響を受けることなく、良好な画面表示を行うことができる。したがって、過大光がCCD1に入射した場合でも、適正な露光制御を容易に行って、良好な画面表示を得ることができる。
なお、上記実施形態2では、光量検出部21が検出した入射光量に応じて、映像信号処理部5で信号処理を行う基準の黒レベル信号として、出力切り換え部22によって、OBクランプ回路3Aと擬似OBクランプ回路3Bとの各出力を切り換える場合について説明したが、これに限らず、出力切り換え部22を設けずに、光量検出部21による検出結果に基づいて、CCD駆動回路8による撮像駆動制御および露光制御部7による露光量制御の少なくとも何れかが行われるようにしてもよい。もちろん、上記実施形態2においても、光量検出部21による検出結果に基づいて、CCD駆動回路8による撮像駆動制御および露光制御部7による露光量制御の少なくとも何れかが行われているが、この場合には、出力切り換え部22が設けられている。
また、上記実施形態5では、図9に示すように、露光制御部7において、検波回路6Aの検出結果に関わらず、上記実施形態1の場合と同様に、クランプパルスCP2が供給されたときに擬似OBクランプ回路3Bでクランプされた本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似OBレベルを基準として露光制御が行われるように構成したが、これに限らず、図17(実施形態9)の固体撮像装置50Aに示すように検波回路6Aの検出結果に応じて露光制御が行われるように構成してもよい。この場合に、検波回路6Aは、黒レベル信号と擬似黒レベル信号とのレベル差を検出し、この検出したレベル差(検出結果)と、基準信号である水平帰線レベル信号のレベルとを比較し、この比較結果または検出結果に応じて露光制御部7で露光量制御を行なう。
さらに、上記実施形態6では、図10に示すように、露光制御部7において、検波回路6Aの検出結果に関わらず、上記実施形態1の場合と同様に、クランプパルスCP2が供給されたときに擬似OBクランプ回路3Bでクランプされた本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似OBレベルを基準として露光制御が行われるように構成したが、これに限らず、図18(実施形態10)の固体撮像装置60Aに示すように検波回路6Aの検出結果に応じて露光制御が行われるように構成してもよい。この場合に、検波回路6Aは、黒レベル信号と擬似黒レベル信号とのレベル差を検出し、この検出したレベル差(検出結果)と、基準信号である水平帰線レベル信号のレベルとを比較し、この比較結果または検出結果に応じて露光制御部7で露光量制御を行なう。
なお、本発明の固体撮像装置を各種カメラなどの電子情報機器に容易に組み込むことができて、本発明の作用効果を得ることができる。例えば、図13に示すように、電子情報機器90は、操作部91をユーザが入力操作することにより、その入力した操作指令に基づいて、本発明の固体撮像装置10,20,30,40,50(または50A),60(または60A),70または80を用いて被写体画像を外部光として取り入れて電子シャッタを作動させて撮像し、その撮像した画素データを画像データとして各種信号処理を行う。各種信号処理後の画像データに基づいて表示部92の表示画面上に画像表示が為される。また、各種信号処理後の画像データはメモリ93に記憶可能であり、このメモリ93に記憶させた画像データを適宜取り出して表示部92の表示画面上に表示出力させることもできる。このように、本発明の固体撮像装置10,20,30,40,50(または50A),60(または60A),70または80を電子情報機器90に用いた場合にも、過大光が入射した場合に、適正な露光制御を容易に行って、良好な画面表示を得ることができる本発明の作用効果を奏する。
また、以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜10を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜10に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜10の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。