従来から、固体撮像素子(Charge CoupledDevice:以下、CCDと略称する)を内蔵したCCDカメラ用の固体撮像装置等、様々な固体撮像装置が提案されている。
図14は、従来の固体撮像装置の概略構成を示すブロック図であり、図15(a)および図15(b)はそれぞれ、図14のCCD52の1チップの基本的な構成を示す模式図である。
図14に示すように、この固体撮像装置は、レンズ51を介して入射される被写体画像を撮像するIT(InterlineTransfer)型CCD52を有している。
このCCD52は、図15(a)および図15(b)に示すように、基板71上に、被写体画像に対応する光(被写体画像光)が入射される有効画素部72が設けられている。この有効画素部72には、光電変換素子である複数のフォトダイオード74が垂直方向および水平方向に2次元的に配列されており、被写体画像光に対応する電気信号が出力される。また、有効画素部72の一方の側方には、OB(オプティカルブラック)部73が設けられている。OB部73にも、光電変換素子である複数のフォトダイオード74が垂直方向および水平方向に2次元的に配列されており、アルミニウム等の遮光部材によって覆われている。これによって、被写体画像光が遮光されて、OB部73のフォトダイオード74には光が入射されず、OB部73のフォトダイオード74からは光学的な黒の基準として用いられる電気信号(OBレベルの信号)が出力される。
また、CCD52には、フォトダイオード74の各列に沿って設けられた垂直CCDシフトレジスタ75と、垂直CCDシフトレジスタ75からの電荷を電荷検出部(出力回路)77に転送する水平CCDシフトレジスタ76とが設けられている。フォトダイオード74によって光電変換され、対応する垂直CCDシフトレジスタ75に移動された電荷は、垂直転送クロックφV1〜φV4に同期して、水平CCDシフトレジスタ76の方向に順次転送される。水平CCDシフトレジスタ76に転送された電荷は、水平転送クロックφH1、φH2に同期して、電荷検出部77に順次転送され、電気信号として外部に出力される。
CCD52から出力される信号は、図14に示すようにCDS(Corelated Double Sampling)回路53に入力される。1水平期間におけるCCD52からの出力信号がCDS回路53に入力されると、信号に含まれるクロック成分がCDS回路53にて除去され、ノイズが軽減される。
CDS回路53から出力される信号は、OBクランプ回路54に入力される。CDS回路53によってノイズが軽減されたCCD52からの出力信号のうち、CCD52のOB部73からの出力信号(OB信号)は、OBクランプ回路54にてクランプされて直流レベルに固定され、これによって、光学的な黒の基準として用いられるOBレベルの信号が生成される。また、CCD52の有効画素部72からの出力信号は、OB部73の信号レベルを基準にクランプされたレベルで出力される。
OBクランプ回路54から出力される信号は、映像信号処理部55に入力される。映像信号処理部55では、有効画素部72からの出力信号に対して、OBクランプ回路54でクランプされた信号レベル(OBレベル)を基準として、各種処理が行われる。映像信号処理部55には、AGC(AutomaticGain Control)回路56が設けられており、AGC回路56では、OBクランプ回路54から入力される信号の強弱に応じて、利得(ゲイン)が制御される。
AGC回路56からの出力信号は補正処理回路57に入力され、補正処理回路57からはガンマ補正された信号が出力される。補正処理回路57からの出力信号はペデスタルクランプ回路58に入力され、ペデスタルクランプ回路58では入力された信号がペデスタルレベルにクランプされる。ペデスタルクランプ回路58からの出力信号は駆動回路59に入力され、駆動回路59からは、テレビモニタ等の表示装置に適応した映像信号が、ビデオ信号として出力される。
また、OBクランプ回路54から出力される信号は、検波回路60にも入力され、検波回路60によって検波される。検波回路60から出力される信号に基づいて、露光制御部61から、CCD52のアイリスおよび露光を制御するための信号がCCD駆動回路62に出力される。CCD駆動回路62では、露光制御部61から出力される信号に基づいて、CCD52を駆動する。露光制御部61およびCCD駆動回路62では、OBクランプ回路54にてクランプされた信号レベル(OBレベル)を基準として、それぞれの動作が行われる。また、CCD52の露光は、例えばCCD52に備わった電子シャッター機能等を用いて制御される。
ところで、近年では、固体撮像装置の用途が広がっており、上述したような固体撮像装置がドアホン、車載用カメラ等にも搭載されるようになっている。このようなカメラは、しばしば、屋外を撮影するために用いられるため、太陽光等の過大光がCCD52に入射されることがある。
図16(a)および図16(b)はそれぞれ、通常動作時および過大光入射時のそれぞれについて、CCD52からの出力信号、CDS53からの出力信号、駆動回路59からの映像信号の各波形を示すグラフである。
図16(a)および図15(b)に示すように、1水平期間には、有効画素部72から被写体画像光に対応する信号が出力される有効映像信号期間と、OB部73から黒レベルに対応するOB信号が出力されるOB期間とが設けられている。また、水平期間に続く水平帰線期間では、垂直転送部から水平転送部に電荷を転送させている。リセットパルスFRは、水平転送部から転送されて、検出部で電荷電圧変換された電荷をリセットドレインRDに排出させるためのパルスである。
図16(a)に示す通常動作時において、有効映像信号期間には、有効画素部72からの被写体画像光に対応する信号(CCD出力)がCCD52から出力されてCDS回路53に入力され、CDS回路53によってクロック成分が除去された信号が出力される。また、OB期間には、OB部73からの黒レベルに対応する信号(OB信号)がCCD52から出力されてCDS回路53に入力され、CDS回路53によってクロック成分が除去された信号(CDS出力)が出力される。
CDS回路53から出力される信号は、OBクランプ回路54を介して映像信号処理部55に入力される。映像信号処理部55では、有効画素部72から出力された信号に対して、OB部73から出力されたOB信号のレベル(OBレベル)を基準として各種処理が行われ、映像信号が出力(映像出力)される。
これに対して、図16(b)に示すように、過大光がCCD52に入射されると、有効画素部72のフォトダイオード74から電荷が出力される有効映像信号期間の途中でCCD52から出力される信号が急激に増大し、OB部73のフォトダイオードから電荷が出力されるOB期間には、OB部73のフォトダイオードから出力される電荷量を示すOBレベルが、図16(a)に示す通常動作時に出力されるOBレベルよりも高いレベルに変動する。CDS回路53によってクロック成分が除去された信号が生成され、映像信号処理部55では、有効画素部72からの出力信号に対して、OB部73からの高レベルの信号を基準として各種処理が行われる。その結果、明るい被写体を撮像した場合であっても、暗い画面が表示されるという問題がある。CCD52に過大光が入射された場合に、このようにOBレベルが変動する理由は以下の通りである。
過大光がCCD52に入射すると、有効画素部72の受光部(フォトダイオード74)において発生した電荷が、対応する垂直CCDシフトレジスタ75の容量を超えて、水平CCDシフトレジスタ76の走査期間中に、水平CCDシフトレジスタ76に流れ込む。さらに、水平CCDシフトレジスタ76の容量を超えて、本来は電荷が転送されない領域であるOB部73にも漏れ出す。
その結果、OB部73から出力されるOBレベルが通常動作時よりも高くなり、光学的な黒の基準とは異なる明るいレベルになるため、暗い部分では階調差がなくなって、全体的に暗い沈んだ画面表示となる。
また、映像信号処理部55では、通常動作時よりも高レベルに変動したOBレベルを基準として、有効画素部72からの信号に対して処理が行われるため、映像信号の出力は実際よりも低レベルとなる。このため、CCD52への露光時間を延ばすように、露光制御が行われる。その結果、CCD52に入射される光量がさらに多くなり、さらにOB部73に漏れ出す電荷が多くなって表示状態が悪化する。
このように、上記従来の固体撮像装置では、光量が大きい場合に明るい被写体を撮像しても、画面上では黒く見えるため、所定の光量よりも光量が大きい光源を用いた場合には、被写体を認識することができないという問題がある。
この問題を解決するために、例えば特許文献1には、固体撮像素子の水平期間の一部で水平転送パルスの位相を変化させて黒レベルと略等しいレベルに対応する信号を生成させ、生成された信号を基準として、CCD52の露光量を制御する固体撮像装置が開示されている。この固体撮像装置によれば、過大光がCCD52に入射された場合でも、黒レベルと略等しいレベルに対応する信号を基準として、適正な露光制御を行うことができる。
特開平10−210370号公報
しかしながら、水平転送パルスは、水平転送クロックφH1およびφH2に同期して、CCDシフトレジスタ76の電荷を電荷検出部77に順次転送させるために用いられるものである。よって、上記特許文献1に開示されている固体撮像装置では、黒レベルと略等しいレベルに対応する信号を生成させるために、水平転送クロックφH1およびφH2の両パルスの位相を変化させる必要があり、制御が複雑になるという問題がある。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、簡単な制御によって、過大光がCCDに入射した場合でも、適正な露光制御を行って、良好な画面表示を得ることができる固体撮像装置およびこれを用いた電子情報機器を提供することを目的とする。
本発明の固体撮像装置は、固体撮像素子で光電変換された映像信号と黒レベル信号を検出し、該固体撮像素子からの黒レベル信号を基準として該映像信号を信号処理すると共に、該検出映像信号と黒レベル信号をリセットパルスによりリセットする固体撮像装置において、信号読出し期間の一部期間で、黒レベルと略等しい擬似黒レベル信号を該固体撮像素子に生成させるように該リセットパルスのロウレベルを一定レベル以上に変化させる撮像素子駆動手段と、該擬似黒レベル信号を基準として、該撮像素子駆動手段を介して該固体撮像素子の露光量を制御させる露光制御部とを有しており、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明の固体撮像装置において、黒レベル信号をクランプする第1クランプ手段と、前記擬似黒レベル信号をクランプする第2クランプ手段と、該第1クランプ手段および該第2クランプ手段の何れかにてクランプされた信号のレベルを基準として、該固体撮像素子からの映像信号に対して映像信号処理を行う映像信号処理部とをさらに有する。
次に、本発明の固体撮像装置は、複数の光電変換素子が水平方向および垂直方向に配列され、各光電変換素子に被写体画像光が入射されて電気信号を出力する有効画素部、および該有効画素部の周辺に複数の光電変換素子が垂直方向に配列され、各光電変換素子には被写体画像光が遮光されて入射されず、黒レベルに対応する電気信号を出力するオプティカルブラック部を有する固体撮像素子と、該固体撮像素子のオプティカルブラック部から出力される黒レベル信号をクランプする第1クランプ手段と、固体撮像素子の水平期間の一部期間で、該固体撮像素子に黒レベルと略等しいレベルの擬似黒レベル信号を生成させるようにリセットパルスのロウレベルを一定レベル以上に変化させる撮像素子駆動手段と、生成された擬似黒レベル信号をクランプする第2クランプ手段と、該第2クランプ手段にてクランプされた擬似黒レベル信号のレベルを基準として、該撮像素子駆動手段を介して該固体撮像素子の露光量を制御させる露光制御部と、該第1クランプ手段および該第2クランプ手段の何れかにてクランプされた信号のレベルを基準として、該固体撮像素子の有効画素部から出力される映像信号に対して映像信号処理を行う映像信号処理部とを有しており、そのことにより上記目的が達成される。
通常、太陽光等の過剰光が固体撮像素子に入射されると、固体撮像素子の有効画素部で発生した電荷が、本来は電荷が転送されない領域であるオプティカルブラック部(OB部)にも漏れ出し、OB部で生成されるOBレベルが通常動作時から変動する。その結果、OBレベルを光学的な黒レベルの基準として用いることができなくなる。
上記構成によれば、固体撮像素子の水平期間の一部期間でリセットパルスのロウレベルを一定レベル以上に変化させるため、固体撮像素子に太陽光等の過大光が入射されてOB部に電荷が漏れ出た場合でも、OB部に漏れ出した電荷が一旦排除されて、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルに対応した信号(擬似OB信号)が擬似的に生成される。この擬似OB信号は、第2クランプ手段によってクランプされる。露光制御部では、この第2クランプ手段にてクランプされた、本来の黒レベル信号に対応した擬似OBレベルの信号を基準として、固体撮像素子の露光が制御される。
したがって、一般的な固体撮像装置に第2クランプ手段を追加するという比較的簡易な構成と、リセットパルスのロウレベルを一定レベル以上に変化させるという比較的容易な制御によって、過大光が固体撮像素子に入射されて基準となる黒レベルが変動した場合でも、そのような変動の影響を受けずに、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)を基準として適正な露光制御を行うことができ、良好な画面表示を行うことができる。
また、第1クランプ手段によって、固体撮像素子のOB部から出力される信号(OB信号)がクランプされる。映像信号処理部では、この第1クランプ手段にてクランプされた信号レベル(OBレベル)を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が処理される。このとき、以上のような露光制御により、固体撮像素子への入射光量が制御されているので、本来の黒レベル(OBレベル)に基づいて処理が行われる映像信号処理についても、適正に行うことができる。
また、好ましくは、前記露光制御部からの制御情報に基づいて、該固体撮像素子への入射光量が所定量以上であるか否かを検出する光量検出手段と、該光量検出手段によって、該固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合に、リセットパルスのロウレベルを一定レベル以上に、信号読出し期間(水平期間)の一部期間とは別の一部期間で変化させるパルス切り換え手段とをさらに具備している。
上記擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)は、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似的なレベルであり、本来の黒レベルと全く同一ではない。したがって、映像信号処理については、極力、本来の黒レベルを基準として行うことが望ましい。
固体撮像素子への入射光量が所定量未満である場合には、例えば最大限の露光制御を行うことによって、有効画素部の受光部で発生した電荷が垂直CCDシフトレジスタおよび水平CCDシフトレジスタの容量を超えてOB部に漏れ出すことを回避することができる。その結果、本来の黒レベルに基づいて映像信号処理を適正に行うことができる。しかしながら、固体撮像素子への入射光量が所定量以上である場合には、最大限の露光制御を行っても、有効画素部の受光部で発生した電荷がOB部に漏れ出してしまい、OBレベルが変動する。
上記構成によれば、光量検出手段にて入射光量が所定量以上であることが検出された場合に、パルス切り換え手段によって、固体撮像素子の信号読出し期間(水平期間)の一部でリセットパルスのロウレベルを一定レベル以上に切り換えられる。これにより、固体撮像素子のOB部に蓄積された電荷が一旦排除され、OB部から本来の黒レベルと略等しいレベルに対応した信号(擬似OB信号)が生成される。この擬似OB信号は、第1クランプ手段によってクランプされる。映像信号処理部では、この第1クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が処理される。
したがって、入射光量の大小に応じて、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号が生成され、入射光量の変化に対応して、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射され、有効画素部の受光部で生成された電荷がOB部に漏れ出した場合でも、十分とは言えないが、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、画面が暗く沈む、画面が破綻する等といった最悪の事態を回避することができる。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置において、露光制御部からの制御情報に基づいて、固体撮像素子への入射光量が所定量以上であるか否かを検出する光量検出手段と、該光量検出手段によって、該固体撮像素子への入射光量が所定量未満であることが検出された場合に、第1クランプ手段からの出力が該映像信号処理部に入力され、該固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合に、第2クランプ手段からの出力が該映像信号処理部に入力されるように、該第1クランプ手段と第2クランプ手段との各出力を切り換える出力切り換え手段とを有する。
通常、太陽光等の過剰光が固体撮像素子に入射されると、固体撮像素子の有効画素部で発生した電荷が、本来は電荷が転送されない領域であるオプティカルブラック部(OB部)にも漏れ出し、OB部で生成されるOBレベルが通常動作時から変動する。その結果、OBレベルを光学的な黒レベルの基準として用いることができなくなる。
上記構成によれば、信号読出し期間(水平期間)の一部期間でリセットパルスのロウレベルを一定レベル以上に切り換えられるため、固体撮像素子に太陽光等の過大光が入射されてOB部に電荷が漏れ出した場合でも、OB部に漏れ出した電荷が排除されて、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルに対応した信号が擬似的に生成される。この擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号は、第2クランプ手段によってクランプされる。露光制御部では、この第2クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベルの信号を基準として、固体撮像素子の露光が制御される。
したがって、過大光が固体撮像素子に入射されて基準となるOBレベルが変動した場合でも、そのような変動の影響を受けずに、本来の黒レベルと略等しい擬似的な黒レベルを基準として露光制御を行うことができ、良好な画面表示を行うことができる。また、このような露光制御により、固体撮像素子への入射光量が制御されるので、本来の黒レベルに基づいて処理が行われる映像信号処理についても適正に行うことができる。
光量検出手段にて固体撮像素子への入射光量が所定量未満であると検出された場合には、出力切り換え手段によって、第1クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力される。映像信号処理部では、第1クランプ手段にてクランプされた、本来の黒レベル(OBレベル)の信号に基づいて、映像信号処理を適正に行うことができる。
また、光量検出手段にて固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合には、出力切り換え手段によって、第2クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力される。映像信号処理部では、この第2クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が処理される。
したがって、入射光量の大小に応じて、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号が出力切り換え手段によって切り換えられ、入射光量の変化に対応して、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射され、有効画素部の受光部で生成された電荷がOB部に漏れ出した場合でも、十分とは言えないが、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、画面が暗く沈む、画面が破綻する等といった最悪の事態を回避することができる。
これによって、電荷が水平転送部から電荷検出部(変換部)に転送されるタイミングで、固体撮像素子の電荷検出部(変換部)のポテンシャルがリセットドレインと等しいポテンシャルにリセットされるため、水平転送部から転送されて漏れ出した電荷をリセットドレインに排出させることができる。
また、第1クランプ手段によって、固体撮像素子のOB部から出力される信号(OB信号)がクランプされる。映像信号処理部では、この第1クランプ手段にてクランプされた信号レベル(OBレベル)を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が処理される。このとき、以上のような露光制御により、固体撮像素子への入射光量が制御されているので、本来の黒レベル(OBレベル)に基づいて処理が行われる映像信号処理についても、適正に行うことができる。
また、好ましくは、前記露光制御部からの制御情報に基づいて、前記固体撮像素子への入射光量が所定量以上であるか否かを検出する光量検出手段と、該光量検出手段によって、該固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合に、リセットパルスを、固体撮像素子の水平期間の他の一部(別の期間;OB期間)でロウレベルを一定レベル以上に保持させるパルス切り換え手段とをさらに有する。
上記擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)は、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似的なレベルであり、本来の黒レベルと全く同一ではない。したがって、映像信号処理については、極力、本来の黒レベルを基準として行うことが望ましい。
固体撮像素子への入射光量が所定量未満である場合には、例えば最大限の露光制御を行うことによって、有効画素部の受光部で発生した電荷が垂直CCDシフトレジスタおよび水平CCDシフトレジスタの容量を超えてOB部に漏れ出すことを回避することができる。その結果、本来の黒レベルに基づいて映像信号処理を適正に行うことができる。しかしながら、固体撮像素子への入射光量が所定量以上である場合には、最大限の露光制御を行っても、有効画素部の受光部で発生した電荷がOB部に漏れ出し、OBレベルが変動する。
上記構成によれば、光量検出手段にて入射光量が所定量以上であることが検出された場合に、パルス切り換え手段によって、固体撮像素子の水平期間の一部期間でリセットパルスが切り換えられてロウレベルを一定レベル以上に保持される。これにより、固体撮像素子のOB部に蓄積された電荷が排除され、OB部から本来の黒レベルと略等しいレベルに対応した信号(擬似OB信号)が生成される。この擬似OB信号は、第1クランプ手段によってクランプされる。映像信号処理部では、この第1クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が処理される。
従って、入射光量の大小に応じて、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号が生成され、入射光量の変化に対応して、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射され、有効画素部の受光部で生成された電荷がOB部に漏れ出した場合でも、十分とは言えないが、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、画面が暗く沈む、画面が破綻する等といった最悪の事態を回避することができる。
また、好ましくは、前記第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと、前記第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差を検出するレベル差検出手段をさらに有する。
固体撮像素子への入射光量を検出する場合には、第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルを基準として、例えば検波回路などによって固体撮像素子からの出力電圧を検出し、その出力電圧を基に、出力電圧が大きいときには露光制御(電子シャッター等の制御)を行った後、光量検出手段にて電子シャッター速度を検出して、その速度値によって入射光量の大小を判断することができる。この場合、光量検出に時間がかかるため、その間に画像みだれ等が発生することが考えられる。
上記構成によれば、第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差を検出することによって、レベル差が所定値以上あれば不具合が発生しており、レベル差が所定値未満の場合(またはレベル差がない場合)には不具合が生じていないと判断することができるため、光量検出手段などを用いなくても不具合の有無を判断することができ、処理時間を短くすることができる。
また、好ましくは、前記レベル差検出手段によって、該第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと該第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出された場合に、リセットパルスを、固体撮像素子の水平期間の他の一部期間でロウレベルを一定レベル以上に保持させるパルス切り換え手段とをさらに有する。
上記擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)は、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似的なレベルであり、本来の黒レベルと全く同一ではない。したがって、映像信号処理については、極力、本来の黒レベルを基準として行うことが望ましい。
上記構成によれば、光量検出手段にて入射光量を検出する代りに、レベル差検出手段を用いて第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差を検出し、そのレベル差が所定量未満である場合には、例えば最大限の露光制御を行うことによって、有効画素部の受光部で発生した電荷が垂直CCDシフトレジスタおよび水平CCDシフトレジスタの容量を超えてOB部に漏れ出すことを回避することができる。その結果、本来の黒レベルに基づいて映像信号処理を適正に行うことができる。しかしながら、レベル差が所定量以上である場合には、最大限の露光制御を行っても、有効画素部の受光部で発生した電荷がOB部に転送され、OBレベルが変動する。
よって、レベル差が所定量以上であることが検出された場合には、パルス切り換え手段によって、固体撮像素子の水平期間の一部期間でリセットパルスが切り換えられてロウレベルを一定レベル以上に保持される。これにより、固体撮像素子のOB部に蓄積された電荷が(一旦)排除され、OB部から本来の黒レベルと略等しいレベルに対応した信号(擬似OB信号)が生成される。この擬似OB信号は、第1クランプ手段によってクランプされる。映像信号処理部では、この第1クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が処理される。
したがって、第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差によって不具合が生じているか否かを判断し、その結果に応じて、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号が生成され、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射され、有効画素部の受光部で生成された電荷がOB部に漏れ出した場合でも、十分とは言えないが、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、画面が暗く沈む、画面が破綻する等といった最悪の事態を回避することができる。
また、好ましくは、前記露光制御部からの制御情報に基づいて、前記固体撮像素子への入射光量が所定量以上であるか否かを検出する光量検出手段と、該レベル差検出手段によって、前記第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと前記第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出され、かつ、該光量検出手段によって、該固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合、および、該レベル差検出手段によって、該第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと該第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量未満であること検出され、かつ、該光量検出手段によって、該固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合に、リセットパルスを、固体撮像素子の水平期間の他の一部期間(別の期間)でロウレベルを一定レベル以上に保持させるパルス切り換え手段とをさらに有する。
第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量に近接している場合、第1クランプ手段から出力される正規のOB信号レベルと第2クランプ手段から出力される擬似OB信号レベルとが全く同じレベルではないために、画面の変化時に違和感が生じることがある。また、レベル差が所定量以上である場合と所定量未満である場合とが繰り返される場合には、第1クランプ手段から出力される正規OBレベルを基準とした映像と第1クランプ手段から出力される擬似OBレベルを基準とした映像とで交互に切り換えられ、フリッカなどの画像不良が発生することが考えられる。
上記構成によれば、第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差をレベル差検出手段にて検出することによって、レベル差が所定量以上であれば不具合が発生しており、レベル差が所定量未満であれば不具合が発生していないと判断することができると共に、光量検出手段にて入射光量が所定量以上であるか否かを検出することによって、さらに精度良くパルス切り換えを行うことができる。これにより、固体撮像素子に太陽光などの過大光が入射された場合でも、適正に露光を行うことができる。
また、好ましくは、本発明の固体撮像装置において、レベル差検出手段によって、第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量未満であることが検出された場合に、該第1クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力され、該第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと該第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出された場合に、該2クランプ手段からの出力が該映像信号処理部に入力されるように、該第1クランプ手段と第2クランプ手段とを切り換える切り換え手段を有する。
通常、太陽光等の過剰光が固体撮像素子に入射されると、固体撮像素子の有効画素部で発生した電荷が、本来は電荷が転送されない領域であるオプティカルブラック部(OB部)にも漏れ出し、OB部で生成されるOBレベルが通常動作時から変動する。その結果、OBレベルを光学的な黒レベルの基準として用いることができなくなる。
上記構成によれば、固体撮像素子の水平期間の一部期間でリセットパルスがロウレベルを一定レベル以上に保持されるため、固体撮像素子に太陽光等の過大光が入射されてOB部に電荷が漏れ出した場合でも、OB部に転送された電荷が排除されて、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルに対応した信号が擬似的に生成される。この擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号は、第2クランプ手段によってクランプされる。露光制御部では、この第2クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベルの信号を基準として、固体撮像素子の露光が制御される。
したがって、過大光が固体撮像素子に入射されて基準となるOBレベルが変動した場合でも、そのような変動の影響を受けずに、本来の黒レベルと略等しい擬似的な黒レベルを基準として露光制御を行うことができ、良好な画面表示を行うことができる。また、このような露光制御により、固体撮像素子への入射光量が制御されるので、本来の黒レベルに基づいて処理が行われる映像信号処理についても適正に行うことができる。
また、レベル差検出手段にて、第1クランプ手段にてクランプされた第1信号レベルと第2クランプ手段にてクランプされた第2信号レベルとのレベル差を検出して不具合の有無を判断し、レベル差が所定量未満であると検出された場合には、出力切り換え手段によって、第1クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力される。映像信号処理部では、第1クランプ手段にてクランプされた、本来の黒レベル(OBレベル)の信号に基づいて、映像信号処理を適正に行うことができる。
また、レベル差検出手段にて第1クランプ手段にてクランプされた第1信号レベルと第2クランプ手段にてクランプされた第2信号レベルとのレベル差が所定量以上であることが検出された場合には、出力切り換え手段によって、第2クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力される。映像信号処理部では、この第2クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が処理される。
したがって、第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差によって不具合が生じているか否かを判断し、その結果に応じて、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号が生成され、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射され、有効画素部の受光部で生成された電荷がOB部に漏れ出した場合でも、十分とは言えないが、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、画面が暗く沈む、画面が破綻する等といった最悪の事態を回避することができる。
また、好ましくは、本発明の固体撮像装置において、第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと該第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差を検出するレベル差検出手段と、露光制御部からの制御情報に基づいて、固体撮像素子への入射光量が所定量以上であるか否かを検出する光量検出手段と、該レベル差検出手段によって、該第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと該第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量未満であることが検出され、かつ、該光量検出手段によって、該固体撮像素子への入射光量が所定量未満であることが検出された場合に該第1クランプ手段からの出力が該映像信号処理部に入力され、該レベル差検出手段によって、該第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと該第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出され、かつ、該光量検出手段によって、該固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合、および、該レベル差検出手段によって、該第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと該第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量未満であること検出され、かつ、該光量検出手段によって、該固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合に、該2クランプ手段からの出力が該映像信号処理部に入力されるように、該第1クランプ手段と該第2クランプ手段との各出力を切り換える出力切り換え手段を有する。
第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差が所定量に近接している場合、第1クランプ手段から出力される正規のOB信号レベルと第2クランプ手段から出力される擬似OB信号レベルとが全く同じレベルではないために、画面の変化時に違和感が生じることがある。また、レベル差が所定量以上である場合と所定量未満である場合とが繰り返される場合には、画面が第1クランプ手段からの出力を基準とした映像と第2クランプ手段からの出力を基準とした映像とで交互に切り換えられ、フリッカなどの画像不良が発生することが考えられる。
上記構成によれば、第1クランプ手段にてクランプされた信号のレベルと第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルとのレベル差をレベル差検出手段にて検出することによって、レベル差が所定量以上であれば不具合が発生しており、レベル差が所定量未満であれば不具合が発生していないと判断することができると共に、光量検出手段にて入射光量が所定量以上であるか否かを検出することによって、さらに精度良く第1クランプ手段と第2クランプ手段との各出力の切り換えを行うことができる。これにより、固体撮像素子に太陽光などの過大光が入射された場合でも、適正に映像信号処理を行うことができる。
例えば、リセットパルスは、前記水平期間(信号読出し期間)の一部期間または前記水平期間の別の一部期間において、電荷検出部のポテンシャルがリセットドレイン以上のポテンシャルにリセットされる電圧に設定される。これによって、固体撮像素子の電荷検出部(変換部)のポテンシャルがリセットドレイン以上のポテンシャルにリセットされ、水平転送部から転送されて漏れ出した電荷をリセットドレインに完全に排出させることができる。
また、前記水平期間(信号読出し期間)の一部期間は、例えば固体撮像素子においてオプティカルブラック部から信号が出力される期間またはその後に設定され得る。また、前記水平期間(信号読出し期間)の別の一部期間も、例えば固体撮像素子のオプティカルブラック部から信号が出力される期間に設定される。さらに、好ましくは、この別の一部期間は水平期間(信号読出し期間)の一部期間の前に設定されてもよい。
以上詳述したように、本発明によれば、固体撮像素子の信号読出し期間(水平期間)の一部期間でリセットパルスのロウレベルを一定レベル以上に変化され、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルに対応した擬似黒レベル信号が生成されて、第2クランプ手段によってクランプされる。露光制御部では、この第2クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の露光が制御される。
したがって、一般的な固体撮像装置に第2クランプ手段を追加するという比較的簡易な構成と、リセットパルスのロウレベルを一定レベル以上に保持させるという比較的容易な制御によって、過大光が固体撮像素子に入射されて基準となる黒レベルが変動した場合でも、そのような変動の影響を受けずに、本来の黒レベルと略等しい擬似的な黒レベルを基準として適正な露光制御を行うことができ、良好な画面表示を行うことができる。
また、このような露光制御により、固体撮像素子への入射光量が制御されるので、第1クランプ手段にてクランプされた、本来の黒レベル(OBレベル)に基づいて処理が行われる映像信号処理についても、適正に行うことができる。
また、本発明によれば、光量検出手段にて入射光量が所定量以上であることが検出された場合に、パルス切り換え手段によって、固体撮像素子の水平期間の別の一部期間でリセットパルスのロウレベルを一定レベル以上に切り換えられ、OB部から本来の黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルに対応した信号が出力されて第1クランプ手段によってクランプされる。映像信号処理部では、この第1クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が処理される。
したがって、入射光量の大小に応じて、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号が生成され、入射光量の変化に対応して、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射された場合でも、十分とは言えないが、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、画面が暗く沈む、画面が破綻する等といった最悪の事態を回避することができる。
さらに、本発明によれば、固体撮像素子の水平期間の一部期間でリセットパルスのロウレベルを一定レベル以上に変化され、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルに対応した信号が擬似的に生成されて、第2クランプ手段によってクランプされる。露光制御部では、この第2クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の露光が制御される。
したがって、過大光が固体撮像素子に入射されて基準となるOBレベルが変動した場合でも、そのような変動の影響を受けずに、本来の黒レベルと略等しい擬似的な黒レベルを基準として露光制御を行うことができ、良好な画面表示を行うことができる。
また、このような露光制御により、固体撮像素子への入射光量が制御されるので、光量検出手段にて入射光量が所定量未満であることが検出された場合には、出力切り換え手段によって、第1クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力される。映像信号処理部では、本来の黒レベル(OBレベル)に基づいて適正に映像信号処理を行うことができる。
また、光量検出手段にて入射光量が所定量以上であることが検出された場合には、出力切り換え手段によって、第2クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力される。映像信号処理部では、この第2クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が処理される。
したがって、入射光量の大小に応じて、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号が出力切り換え手段によって切り換えられ、入射光量の変化に対応して、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射された場合でも、十分とは言えないが、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、画面が暗く沈む、画面が破綻する等といった最悪の事態を回避することができる。
さらに、本発明にあっては、固体撮像素子の信号読出し期間(水平期間)の一部期間でリセットパルスがロウレベルを一定レベル以上に保持され、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルに対応した擬似黒レベル信号が生成されて、第2クランプ手段によってクランプされる。露光制御部では、この第2クランプ手段にてクランプされた擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の露光が制御される。
したがって、一般的な固体撮像素子に第2クランプ手段を追加するという比較的簡易な構成と、リセットパルスをロウレベルを一定レベル以上に保持させるという比較的安易な制御によって、過大光が固体撮像素子に入射されて基準となる黒レベルが変動した場合でも、そのような変動の影響を受けずに、本来の黒レベルと略等しい擬似的な黒レベルを基準として露光制御を行うことができ、良好な画面表示を行うことができる。
また、このような露光制御により、固体撮像素子への入射光量が制御できるので、第1クランプ手段にてクランプされた、本来の黒レベル(OBレベル)に基づいて処理が行われる映像処理についても、適正に行うことができる。
また、本発明によれば、光量検出手段にて入射光量が所定量以上であることが検出された場合に、パルス切り換え手段によって、固体撮像素子の水平期間の一部でリセットパルスがロウレベルを一定レベル以上に保持され、OB部から本来の黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルに対応した信号が出力されて第1クランプ手段によってクランプされる。映像信号処理部では、この第1クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される映像信号が映像信号処理される。
したがって、入射光量の大小に応じて、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号が生成され、入射光量の変化に対応して、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射された場合でも、十分とは言えないが、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、画面が暗く沈む、画面が破綻する等といった最悪の事態を回避することができる。
また、本発明によれば、レベル差検出手段にて第1クランプ手段でクランプされた信号のレベルと第2クランプ手段でクランプされた信号のレベルとのレベル差が検出され、そのレベル差が所定量以上であることが検出された場合に、パルス切り換え手段によって、固体撮像素子の水平期間の別の一部期間でリセットパルスがロウレベルを一定レベル以上に保持され、OB部から本来の黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルに対応した信号が出力されて第1クランプ手段によってクランプされる。映像信号処理部では、この第1クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が処理される。
入射光量を検出するためには、例えば第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルを基準として、例えば検波回路などによって固体撮像素子の出力電圧を検出し、その出力電圧を基に、出力電圧が大きいときには露光制御(電子シャッター等の制御)を行った後、光量検出手段にて電子シャッター速度を検出させ、その速度値で判断することが考えられるが、この処理には時間がかかるため、瞬時に入射光量が所定量以上であるか否かを判断することはできない。
これに対して、本発明のレベル差検出手段により第1クランプ手段でクランプされた信号のレベルと第2クランプ手段でクランプされた信号のレベルとのレベル差を検出することによって、短時間で不具合の発生を判断できて、パルス切り換えを素早く行うことができる。
また、レベル差検出手段にて検出されたレベル差と共に、光量検出手段にて検出された固体撮像素子への入射光量を判断基準として用いることによって、さらに精度よく、パルス切り換えを行うことができる。
さらに、本発明によれば、固体撮像素子の水平期間の一部期間でリセットパルスがロウレベルを一定レベル以上に保持され、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルに対応した信号が擬似的に生成されて、第2クランプ手段によってクランプされる。露光制御部では、この第2クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の露光が制御される。
したがって、過大光が固体撮像素子に入射されて基準となるOBレベルが変動した場合でも、そのような変動の影響を受けずに、本来の黒レベルと略等しい擬似的な黒レベルを基準として露光制御を行うことができ、良好な画面表示を行うことができる。
このような露光制御により、固体撮像素子への入射光量が制御されるので、光量検出手段にて入射光量が所定量未満であることが検出された場合には、出力切り換え手段によって、第1クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力される。映像信号処理部では、本来の黒レベル(OBレベル)に基づいて適正に映像信号処理を行うことができる。
また、光量検出手段にて入射光量が所定量以上であることが検出された場合には、出力切り換え手段によって、第2クランプ手段からの出力が映像信号処理部に入力される。映像信号処理部では、この第2クランプ手段にてクランプされた、擬似的な黒レベル(擬似OBレベル)の信号を基準として、固体撮像素子の有効画素部から出力される信号が処理される。
よって、入射光量の大小に応じて、映像信号処理を行う際に黒レベルの基準となる信号が出力切り換え手段によって切り換えられ、入射光量の変化に対応して、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないほど、強烈な光が固体撮像素子に入射された場合でも、十分とは言えないが、擬似的な黒レベルを基準として映像信号処理を行うことにより、画面が暗く沈む、画面が破綻する等といった最悪の事態を回避することができる。
さらに、本発明にあっては、レベル差検出手段にて第1クランプ手段でクランプされた信号のレベルと第2クランプ手段でクランプされた信号のレベルとのレベル差を検出することによって、短時間で不具合の発生を判断して、第1クランプ手段と第2クランプ手段との各出力を切り換えて、映像信号処理部に供給される出力信号を切り換えることができる。また、レベル差検出手段にて検出されたレベル差と共に、光量検出手段にて検出された固体撮像素子への入射光量を判断基準として用いることによって、さらに精度よく、各出力信号の切り換えを行うことができる。
以下に、本発明の固体撮像装置の実施形態1〜8について、図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態1の固体撮像装置の構成を示すブロック図である。
この固体撮像装置は、図1に示すように、固体撮像素子としてのCCD1と、CDS回路2と、OBクランプ回路3と、クランプパルス発生回路4と、擬似OBクランプ回路5と、クランプパルス発生回路6と、映像信号処理部7と、検波回路8と、露光制御部9と、撮像素子駆動手段としてのCCD駆動回路10とを有している。これらのOBクランプ回路3およびクランプパルス発生回路4により第1クランプ手段が構成される。また、擬似OBクランプ回路5およびクランプパルス発生回路6により第2クランプ手段が構成される。
CCD1は、例えばIT型CCDであり、図示しないレンズを介して入射される被写体画像を撮像する。CCD1は、図15(a)および図15(b)に示す従来のCCD52と同様に、基板71上に、被写体画像に対応する光(被写体画像光)が入射される有効画素部72が設けられている。この有効画素部72には、光電変換素子である複数のフォトダイオード74が垂直方向および水平方向に2次元的に配列されており、被写体画像に対応する電気信号が出力される。また、有効画素部72の一方の側方には、OB(オプティカルブラック)部73が設けられている。OB部73には、光電変換素子である複数のフォトダイオード74が垂直方向および水平方向に配列されており、アルミニウム等の遮光部材によって覆われている。これによって、被写体画像に対応する光が遮光されて、OB部73のフォトダイオード(フォトダイオード74と同等)には入射されず、OB部73のフォトダイオード74からは光学的な黒の基準として用いられる電気信号(OB信号)が出力される。また、CCD1には、フォトダイオード74の各列に沿って設けられた垂直CCDシフトレジスタ75と、垂直CCDシフトレジスタ75からの電荷を電荷検出部(出力回路)77に転送する水平CCDシフトレジスタ76とが設けられている。フォトダイオード74によって光電変換され、対応する垂直CCDシフトレジスタ75に移動された電荷は、垂直転送クロックφV1〜φV4に同期して、水平CCDシフトレジスタ76の方向に順次転送される。水平CCDシフトレジスタ76に転送された電荷は、水平転送クロックφH1、φH2に同期して、電荷検出部77に順次転送され、電気信号として外部に出力される。
図2は、本実施形態1の固体撮像装置における水平転送パルス(水平転送クロック)FH1およびFH2とリセットパルスFRとの関係を示す信号波形図であり、CCDの駆動タイミングを示す信号波形図である。
図示しないレンズを介して入射される被写体画像がCCD1によって撮像されると、図2に示すような水平転送パルスFH1およびFH2と、リセットパルスFRによって、CCD1からは図2に示すような波形の信号が出力される。図2において、CCD出力信号における網目部分は、電気信号として電荷検出部77(図15(b)参照)で電荷が電圧変換された電圧を示している。
CCD1から出力される信号(CCD出力)は、CDS回路2に入力される。1水平期間におけるCCD1からの出力信号がCDS回路2に入力されると、信号に含まれるクロック成分がCDS回路2にて除去され、ノイズが軽減される。
CDS回路2にてクロック成分が除去された信号は、第1クランプ手段としてのOBクランプ回路3に入力される。OBクランプ回路3には、クランプパルス発生回路4が接続されており、図2に示すように、OB期間において、クランプパルス発生回路4からクランプパルスCP1が供給されたときに、CDS回路2から入力されたCCD1のOB部73からの出力信号(OB信号)が、OBクランプ回路3によってクランプされて直流レベルに固定される。これによって、光学的な黒の基準として用いられるOBレベルの信号が生成される。また、CCD1の有効画素部72からの出力信号は、OB部73の信号レベルを基準にクランプされたレベルで出力信号が出力される。
OBクランプ回路3から出力されるOBレベルの信号は、映像信号処理部7に入力される。映像信号処理部7では、有効画素部72からの出力信号に対して、OBクランプ回路3でクランプされたOBレベルの信号を基準として、各種処理が行われる。映像信号処理部7には、図14に示す従来の固体撮像装置と同様に、AGC回路56が設けられており、AGC回路56では、OBクランプ回路3から入力される信号の強弱に応じて、利得(ゲイン)が制御される。AGC回路56からの出力信号は補正処理回路57に入力され、補正処理回路57からはガンマ補正された信号が出力される。補正処理回路57からの出力信号はペデスタルクランプ回路58に入力され、ペデスタルクランプ回路58では入力された信号がペデスタルレベルにクランプされる。ペデスタルクランプ回路58からの出力信号は駆動回路59に入力され、駆動回路59からは、テレビモニタ等の表示装置に適応した映像信号が、ビデオ信号として出力される。
また、CDS回路2によってクロック成分が除去された信号は、第2クランプ手段としての擬似OBクランプ回路5にも入力される。
図2に示すように、CCD1の水平期間の一部(擬似OB期間)で、リセットパルスFRのLOW(ロウ)レベルを一定レベル以上に変化させ、OB部73に転送された電荷を全てリセットドレインRDに排出させる。擬似OBクランプ回路5からCCD駆動回路10には、リセットパルスFRのLOWレベルを一定レベル以上に変化させるような制御信号は出力されない。リセットパルスFRのLOWレベルを一定レベル以上に変化させる制御をCCD1に対して行うのは例えばCCD駆動回路10である。これによって、本来の黒レベルと略等しいレベルに対応した擬似的な信号(黒レベル信号に対応した擬似OB信号)が生成されてCCD1から出力される。一定レベル以上とは、リセットパルスと同じ電位以上で、リセットパルスが印加されるゲート絶縁膜が破壊されない電位以下である。
擬似OBクランプ回路5には、クランプパルス発生回路6が接続されており、擬似OB期間において、クランプパルス発生回路6からクランプパルスCP2が供給されたときに、上記擬似OB信号が、擬似OBクランプ回路5によってクランプされて直流レベルに固定される。これによって、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似OBレベルの信号が生成される。
図3(a)は、本実施形態1の固体撮像装置におけるCCDの駆動タイミングを示す信号波形図であり、図3(b)は、CCDの水平転送電荷のポテンシャルを示す模式図である。なお、この図において、CCD出力信号における網目部分は転送電荷量を示している。
図3(a)および図3(b)において、有効画素部72からの信号が出力される有効映像信号期間では、時刻t1において、水平転送パルスFH1がハイレベル、水平転送パルスFH2がローレベルとなり、水平CCDシフトレジスタ76において出力ゲートOGの方向に電荷が転送される。また、図3(b)に示すリセットゲート11にハイレベル(bのレベル)のリセットパルスFRが加えられ、変換部12のポテンシャルがリセットドレインRDと等しいポテンシャルにリセットされる。
時刻t2では、リセットパルスFRがローレベル(cのレベル)となり、リセットゲート11下のポテンシャルは高くなるが、変換部12のポテンシャルは上記時刻t1でのポテンシャルと同じレベルである。時刻t1と時刻t2とにおいては、リセットパルスFRの誘導によって、このようにリセットゲート11下のポテンシャルに差が生じる。
時刻t3では、水平転送パルスFH1がローレベル、水平転送パルスFH2がハイレベルとなり、水平転送パルスFH1が加えられる転送電極下のポテンシャルが低いレベルに、水平転送パルスFH2が加えられる転送電極下のポテンシャルが高いレベルに遷移する。FH2が加えられる転送電極下のポテンシャルが出力ゲートOG下のポテンシャルよりも高くなり、電荷が変換部12(図15(b)の電荷検出部77)に転送される。このように転送された電荷によって、変換部12の電位が変化し、この電位変化が信号出力としてCCD1から読み出される。
次に、擬似OB期間では、時刻t4において、水平転送パルスFH1がハイレベル、水平転送パルスFH2がローレベルとなり、水平CCDシフトレジスタ76において出力ゲートOGの方向に電荷が転送される。また、擬似OBクランプ回路5によって、リセットパルスFRのハイレベルが一定レベル以上に保持され、リセットパルスFRはハイレベル(aのレベル)のままとなる。
時刻t5では、擬似OBクランプ回路5によってリセットパルスFRのLOWレベルが一定レベル以上に保持されているため、リセットパルスFRが通常のハイレベル以上(bのレベル)であり、リセットゲート11下のポテンシャルが低くなったままで、変換部12のポテンシャルがリセットドレインRDと等しいポテンシャルにリセットされる。
時刻t6では、水平転送パルスFH1がローレベル、水平転送パルスFH2がハイレベルとなり、水平転送パルスFH1が加えられる転送電極下のポテンシャルが低いレベルに、水平転送パルスFH2が加えられる転送電極下のポテンシャルが高いレベルに遷移する。水平転送パルスFH2が加えられる転送電極下のポテンシャルが出力ゲートOG下のポテンシャルよりも高くなり、電荷が変換部12に転送されるが、リセットゲート11下のポテンシャルが低くなっているため、変換部12に転送された電荷は全てリセットドレインRDに排出される。その結果、過大光がCCD1に入射された場合であっても、擬似OB期間では、OB部73への転送電荷が無い場合と略等しい擬似OB信号が得られる。
擬似OBクランプ回路5から出力される擬似OBレベルの信号は、検波回路8に入力され、検波回路8によって検波される。検波回路8から出力される信号に基づいて、露光制御部9から、CCD1のアイリスおよび露光を制御するための信号がCCD駆動回路10に出力される。CCD駆動回路10では、露光制御部9から出力される信号に基づいて、CCD1が駆動される。露光制御部9およびCCD駆動回路10では、擬似OBクランプ回路5にてクランプされた信号レベル(擬似OBレベル)を基準として、それぞれの動作が行われる。また、CCD1の露光は、例えばCCD1に備わった電子シャッター機能等を用いて制御される。
以上のように、本実施形態1の固体撮像装置では、過大光がCCD1に入射されて、光学的な黒の基準となるOBレベルが変動した場合でも、本来の黒レベルと略等しい擬似的なOBレベルによって適正な露光制御を行うことができる。その結果、過大光がCCD1に入射された場合でも、良好な画面表示を得ることができる。
なお、この擬似OBレベルは、リセットパルスFRによる誘導等の影響によって、本来の黒レベル(OBレベル)と全く同一レベルであるとは言えないため、映像信号処理の基準として用いるためには適していない。このため、本実施形態1では、露光制御のみを、擬似OBレベルを基準として行っており、映像信号処理は、擬似OBレベルではなく、OBレベルを基準として行っている。このような擬似OBレベルを基準とした露光制御によって、CCD1への入射光量が調整されるので、OBレベルに基づいて処理が行われる映像信号処理についても、適正に行うことが可能となる。
(実施形態2)
上記実施形態1では、リセットパルスFRのLOWレベルを一定レベル以上に変化させて生成した擬似黒レベル信号を擬似OBクランプ回路5でクランプさせ、この擬似黒レベル信号を基準として露光制御を行う場合(請求項1〜3に対応)であるが、本実施形態2では、これに加えて、入射光量に応じて、映像信号処理部7で信号処理を行う基準の黒レベル信号として、OBクランプ回路3と擬似OBクランプ回路5との各出力を切り換える場合(請求項4に対応)である。
図4は、本実施形態2の固体撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、この図において、上記実施形態1と同一の機能を有する構成部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
この固体撮像装置は、図1に示す上記実施形態1の固体撮像装置の構成に加えて、光量検出部21と、出力切り換え手段としての信号切り換え部22とを備えている。
光量検出部21では、露光制御部9からの制御情報に従って、CCD1への入射光量が検出される。露光制御部9では、CCD1からの出力信号レベルが一定となるように、CCD1の電子シャッターが制御される。このため、光量検出部21では、CCD1の電子シャッター速度が所定の値以上であるか否かによって、入射光量が所定量以上であるか否かを判断することができる。
光量検出部21にて検出された入射光量が所定量未満である場合には、信号切り換え部22でスイッチが切り換えられて、OBクランプ回路3からの出力が映像信号処理7に入力される。映像信号処理部7では、上記実施形態1と同様に、OBクランプ回路3から出力されるOBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
擬似OBレベルは、本来の黒レベル(本来のOBレベル)と擬似的なレベルであり、本来のOBレベルと全く同一のレベルではない。したがって、映像信号出力は極力、本来のOBレベルを基準として行うことが望ましい。そこで、入射光量が所定量未満である場合には、例えば最大限の露光制御を行うことによって、OB部73へ電荷が漏れるのを防ぐことができるため、本来のOBレベルを基準として映像信号処理を適正に行うことができる。
一方、光量検出部21にて検出された入射光量が所定量以上である場合には、信号切り換え部22でスイッチが切り換えられて、擬似OBクランプ回路5からの出力が映像信号処理7に入力される。映像信号処理部7では、擬似OBクランプ回路5から出力される擬似OBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
このように擬似OBレベルを用いる理由は、入射光量が所定量以上の場合には、最大限の露光制御を行っても、なお、OB部73に電荷が漏れ、OBレベルが変動するからである。
露光制御部9では、光量検出部21での検出結果に関らず、上記実施形態1と同様に、擬似OBクランプ回路5にて得られる、本来の黒レベル(本来のOBレベル)と略等しい擬似OBレベルを基準として露光制御が行われ、CCD駆動回路10によってCCD1の電子シャッターが制御される。
以上のように、本実施形態2の固体撮像装置では、CCD1に入射される光量の大小によって、映像信号処理を行う際に光学的な黒の基準となるレベルが、信号切り換え部22によって切り換えられるので、入射光量の変化に対応して、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても、OB部への電荷漏れ(電荷転送)を回避することができないような強烈な光がCCD1に入射されても、擬似OBレベルを基準として映像信号処理を行うことができるので、十分とは言えないが、画面が黒く沈む、画面が破綻する等といった最悪の事態を回避することができる。
なお、本実施形態2では、入射光量に応じて、映像信号処理部7で信号処理を行う基準の黒レベル信号として、OBクランプ回路3と擬似OBクランプ回路5との各出力を切り換える場合について説明したが、入射光量に応じて、露光制御を行う基準の黒レベル信号として、擬似OBクランプ回路5とOBクランプ回路3の各出力を切り換える場合についても考えられる。
(実施形態3)
本実施形態3では、上記実施形態1,2に加えて、OB期間(水平期間の一部期間(擬似OB期間)とは別の一部期間)において、入射光量が所定量以上のときに、リセットパルスFRのLOWレベルを一定レベル以上に変化させることによって、OBクランプ回路3に擬似黒レベル信号をクランプさせる場合である。
図5は、本実施形態3の固体撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、この図において、上記実施形態1,2と同一の機能を有する構成部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
この固体撮像装置は、図1に示す上記実施形態1の固体撮像装置の構成に加えて、光量検出部21と、パルス切り換え部23とを備えている。光量検出部21では、上記実施形態2と同様に、露光制御部9からの制御情報に従って、CCD1への入射光量が検出される。パルス切り換え部23では、光量検出部21にて検出された入射光量が所定量以上である場合に、CCD1の水平期間の一部(OB期間)でリセットパルスFRのLOWレベルが一定レベル以上に保持される。
図6は、本実施形態の固体撮像装置の駆動タイミングを示す信号波形図である。
図6に示すように、光量検出部21にて検出された入射光量が所定量未満である場合には、上記実施形態1と同様に、OB期間にはリセットパルスFRのLOWレベルが一定レベル以上に保持されず、OBクランプ回路3からクランプパルスCP1によってクランプされた、本来の黒レベル(OBレベル)の信号が出力される。映像信号処理部7では、上記実施形態1と同様に、OBクランプ回路3から出力される本来のOBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
また、図6に示すように、光量検出部21にて検出された入射光量が所定量以上である場合には、パルス切り換え部23によって、CCD1の水平期間の一部(OB期間)で、リセットパルスFRのLOWレベルが一定レベル以上に保持され、OB部73に転送された電荷が全てリセットドレインRDに排出される。これによって、黒レベルと略等しいレベルに対応した、擬似的な信号(擬似OB信号)が生成されてCCD1から出力される。OB期間において、OBクランプ回路3にクランプパルスCP1が供給されたときに、上記擬似OB信号が、OBクランプ回路3によってクランプされて直流レベルに固定される。これによって、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似OBレベルの信号が生成される。映像信号処理部7では、OBクランプ回路3から出力される擬似OBレベルの信号を基準として、各種処理が行われる。
露光制御部9では、光量検出部21での検出結果に関らず、上記実施形態1と同様に、クランプパルスCP2が供給されたときに擬似OBクランプ回路5にてクランプされた、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似OBレベルを基準として露光制御が行われ、CCD駆動回路10によってCCD1の電子シャッターが制御される。
以上のように、本実施形態3の固体撮像装置では、CCD1に入射される光量の大小によって、映像信号処理を行う際に光学的な黒の基準となるレベルが生成されるので、入射光量の変化に対応して、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても、OB部への電荷転送を回避することができないような強烈な光がCCD1に入射されても、擬似OBレベルを基準として映像信号処理を行うことができるので、十分とは言えないが、画面が黒く沈む、画面が破綻する等といった最悪の事態を回避することができる。
ところで、上記各実施形態1〜3の固体撮像装置においては、水平期間の一部でリセットパルスのLOWレベルを一定レベル以上に保持させることによって、過大光がCCD1に入射された場合でも、適正な露光制御が行われる。
上記各実施形態1〜3の固体撮像装置では、第2クランプ手段にてクランプされた信号のレベルを基準として、検波回路8よってCCD1からの出力電圧を検出し、その出力電圧を基にして出力電圧が大きいときに露光制御(電子シャッター等の制御)を行った後、光量検出部で電子シャッター速度を検出させて、速度値によって光量が所定量以上であるか否かを判断しているため、過大光が入射されて問題が生じているか否かを判断するために処理時間がかかり、その間に画像みだれ等の不具合が発生することが考えられる。
そこで、以下の各実施形態4〜8では、以上のような問題を解決することができる固体撮像装置について説明する。
(実施形態4)
本実施形態4では、上記実施形態1に加えて、水平帰線レベル信号を基準にして、OBクランプ回路3から出力される信号レベルと、擬似OBクランプ回路5から出力される信号レベルとのレベル差を検出することによりCCD1に対する過大光照射の有無を検出し、これに応じて露光制御を行う場合である。
図7は、本実施形態4の固体撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、この図において、上記実施形態1と同一の機能を有する構成部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
この固体撮像装置は、図1に示す上記実施形態1の固体撮像装置の構成に加えて、図7に示すように、入射光量に無関係の水平帰線期間の水平帰線レベル信号をクランプする水平帰線クランプ回路24とクランプパルス発生回路25とを備えている。
図8に示すように、水平帰線期間において、クランプパルス発生回路25からクランプパルスCP3が発生されると、水平帰線クランプ回路24によって、CCD1において入射される光量などに影響されない水平帰線レベル信号がクランプされる。
一方、水平期間においては、クランプパルス発生回路4から出力されるCP1パルスによってOBクランプ回路3にてOBレベル信号がクランプされ、クランプパルス発生回路6から出力されるCP2パルスによって擬似OBクランプ回路6にて擬似OBレベル信号がクランプされる。
レベル差検出手段としての検波回路8Aは、水平帰線クランプ回路24から出力された水平帰線レベル信号を基準にして、第1クランプ手段としてのOBクランプ回路3から出力される信号(第1信号)のレベルと、第2クランプ手段としての擬似OBクランプ回路5から出力される信号(第2信号)のレベルとのレベル差を検出する。
このように、OBクランプ回路3から出力される第1信号のレベルと擬似OBクランプ回路5から出力される第2信号のレベルとのレベル差を検出することによって、レベル差が所定値以上あれば過大光の照射などによって不具合が発生しており、レベル差が所定値未満であれば不具合が発生していないと即座に判断することができるため、処理時間を短縮することができる。
なお、本実施形態4では、黒レベル信号と擬似黒レベル信号とのレベル差を検出し、この検出したレベル差と基準信号である水平帰線レベル信号のレベルと比較する検波回路8Aを設け、この比較結果に応じて露光量制御を行うように構成したが、これに限らず、この比較結果に応じて撮像駆動制御または、撮像駆動制御および露光量制御を行ってもよい。また、この検波回路8Aが黒レベル信号と擬似黒レベル信号とのレベル差を検出し、この検出結果に応じて撮像駆動制御および露光量制御の少なくとも何れかを行うようにすることもできる。
(実施形態5)
本実施形態5では、上記実施形態4に加えて、上記レベル差が所定量以上である場合に過大光照射であると判断して、CCD1の水平期間内のOB期間内でリセットパルスFRのLOWレベルが一定レベル以上に保持されるように切り換える場合である。
図11は、本実施形態5の固体撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、この図において、上記実施形態4と同一の機能を有する構成部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
この固体撮像装置は、図11に示すように、上記実施形態2,3の固体撮像装置の光量検出部21の代りに、上記実施形態4と同様の水平帰線クランプ回路24およびクランプパルス発生回路25を備えている。
この固体撮像装置では、上記実施形態4の固体撮像装置と同様に、水平帰線期間において、クランプパルス発生回路25からクランプパルスCP3が発生されると、水平帰線クランプ回路24によって、CCDに入射される光量などに影響されない水平帰線レベル信号がクランプされる。
一方、水平期間においては、クランプパルス発生回路4から出力されるCP1パルスによってOBクランプ回路3にてOBレベル信号がクランプされ、クランプパルス発生回路6から出力されるCP2パルスによって擬似OBクランプ回路5にて擬似OBレベル信号がクランプされる。
検波回路8Aは、水平帰線クランプ回路24から出力された水平帰線レベル信号を基準にして、第1クランプ手段としてのOBクランプ回路3から出力される信号(第1信号)のレベルと、第2クランプ手段としての擬似OBクランプ回路5から出力される信号(第2信号)のレベルとのレベル差を検出する。
パルス切り換え部23Bでは、検波回路8Aによって、第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出された場合に、CCD1の水平期間内のOB期間内でリセットパルスFRのLOWレベルが一定レベル以上に保持されるように、リセットパルスFRが切り換えられる。
検波回路8Aにおいて、OBクランプ回路3から出力される第1信号のレベルと擬似OBクランプ回路5から出力される第2信号のレベルとのレベル差が所定量未満であることが検出された場合には、上記実施形態4と同様に、OB期間にはリセットパルスFRは切り換えられず、OBクランプ回路3からクランプパルスCP1によってクランプされた、本来の黒レベルの信号が出力される。映像信号処理部7では、上記実施形態4と同様に、OBクランプ回路3から出力される本来のOBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
また、検波回路8Aにおいて、OBクランプ回路3から出力される第1信号のレベルと擬似OBクランプ回路5から出力される第2信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出された場合には、パルス切り換え部23Bによって、CCD1のOB部からの出力期間でリセットパルスのLOWレベルを一定レベル以上に保持され、OB部73に転送された電荷が全てリセットドレインRDに排出される。これによって、黒レベルと略等しいレベルに対応した、擬似的な信号(擬似OB信号)が生成されてCCD1から出力される。OB期間において、OBクランプ回路3からクランプパルスCP1が供給されたときに、上記擬似OB信号が、OBクランプ回路3によってクランプされて直流レベルに固定される。これによって、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似OBレベルの信号が生成される。映像信号処理部7では、OBクランプ回路3から出力される擬似OBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
露光制御部9では、検波回路8Aの検出結果に関わらず、上記実施形態4と同様に、クランプパルスCP2が供給されたときに擬似OBクランプ回路5にてクランプされた、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似OBレベルを基準として露光制御が行われ、CCD1駆動回路10AによってCCD1の電子シャッターが制御される。
以上のように、本実施形態5の固体撮像装置では、OBクランプ回路3にてクランプされた信号のレベルと擬似OBクランプ回路5にてクランプされた信号のレベルとのレベル差によって過大光照射の有無を速やかに判断することができ、この判断に従って映像信号処理を行う際に光学的な黒の基準となる一定レベルが生成されるので、入射光量の変化に応じた適正な映像信号処理を行うことができる。特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないような強烈光がCCD1に入射しても、擬似OBレベルを基準として映像信号処理を行うことができるので、十分とは言えないが画面が黒く沈む、画面が破綻する等の最悪の事態を回避することができる。
(実施形態6)
本実施形態6では、上記実施形態5に加えて、OBクランプ回路3にてクランプされた信号のレベルと擬似OBクランプ回路5にてクランプされた信号のレベルとのレベル差の他に、および光量検出部21にて検出されるCCD1への入射光量の大小によって映像信号処理を行う際に光学的な黒の基準となるレベルを生成する場合である。
図10は、本実施形態6の固体撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、この図において、上記実施形態5と同一の機能を有する構成部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
この固体撮像装置は、図10に示すように、上記実施形態3の固体撮像装置と同様の光量検出部21に加えて、上記実施形態5と同様の水平帰線クランプ回路24、クランプパルス発生回路25、検波回路8Aおよびパルス切り換え部23Bを備えている。これによって、上記実施形態5よりも精度よく、パルス切り換えを行うことができる。
この固体撮像装置において、光量検出部21では、上記実施形態3の固体撮像装置と同様に、露光制御部9からの制御情報に従って、CCD1への入射光量が検出される。露光制御部9では、CCD1からの出力信号レベルが一定となるように、CCD1の例えば電子シャッタースピードが制御される。このため、光量検出部21では、CCD1の例えば電子シャッター速度が所定値以上であるか否かによって、入射光量が所定量以上であるか否かを判断することができる。
また、上記実施形態5の固体撮像装置と同様に、水平帰線期間において、クランプパルス発生回路25からクランプパルスCP3が発生されると、水平帰線クランプ回路24によって、CCDに入射される光量などに影響されない水平帰線レベル信号がクランプされる。
また、水平期間においては、クランプパルス発生回路4から出力されるCP1パルスによってOBクランプ回路3にてOBレベル信号がクランプされ、クランプパルス発生回路6から出力されるCP2パルスによって擬似OBクランプ回路5にて擬似OBレベル信号がクランプされる。
検波回路8Aは、水平帰線クランプ回路24から出力された水平帰線レベル信号を基準にして、第1クランプ手段としてのOBクランプ回路3から出力される信号(第1信号)のレベルと、第2クランプ手段としての擬似OBクランプ回路から出力される信号(第2信号)のレベルとのレベル差を検出する。
この検波回路8Aによって第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量未満であることが検出され、かつ、光量検出部21によって電子シャッター速度が所定の値未満であることが検出された場合には、上記実施形態5と同様に、パルス切り換え部23Bによって、OB期間にはリセットパルスFRは切り換えられず、OBクランプ回路3からクランプパルスCP1によってクランプされた、本来の黒レベルの信号が出力される。映像信号処理部7では、上記実施形態4と同様に、OBクランプ回路3から出力される本来のOBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
一方、検波回路8Aによって第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出され、かつ、光量検出部21によって電子シャッター速度が所定の値以上であることが検出された場合には、パルス切り換え部23Bによって、CCD1のOB部73からの出力期間でリセットパルスFRのLOWレベルを一定レベル以上に保持され、OB部73に転送された電荷が全てリセットドレインRDに排出される。これによって、黒レベルと略等しいレベルに応じた擬似的な信号(擬似OB信号)が生成されてCCD1から出力される。OB期間において、クランプパルス発生回路4からクランプパルスCP1が供給されたときに、上記擬似OB信号が、OBクランプ回路3によってクランプされて直流レベルに固定される。これによって、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似OBレベルの信号が生成される。映像信号処理部7では、OBクランプ回路3から出力される擬似OBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
露光制御部9では、検波回路8Aの検出結果に関わらず、上記実施形態4と同様に、クランプパルスCP2が供給されたときに擬似OBクランプ回路5にてクランプされた、本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい擬似OBレベルを基準として露光制御が行われ、CCD1駆動回路10または10AによってCCD1の電子シャッター速度が制御される。
以上のように、本実施形態6の固体撮像装置では、OBクランプ回路3にてクランプされた信号のレベルと擬似OBクランプ回路5にてクランプされた信号のレベルとのレベル差、および光量検出部21にて検出されるCCD1への入射光量の大小によって映像信号処理を行う際に光学的な黒の基準となるレベルが生成されるので、入射光量の変化に対応して、より適正な映像信号処理を行うことができる。特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないような強烈光がCCD1に入射し、擬似OBレベルを基準として映像信号処理を行うことができるので、十分とは言えないが画面が黒く沈む、画面が破綻する等の最悪の事態を回避することができる。
(実施形態7)
本実施形態7では、OBクランプ回路3でクランプされた第1信号のレベルと擬似クランプ回路5でクランプされた第2信号のレベルとのレベル差によってCCD1に所定以上の強烈光が照射されているかどうかを検波回路8Aにて検出することができ、これに基づいて、映像信号処理を行う際の光学的な黒レベルの基準となるレベルとして、上記実施形態4に加えて、信号切り換え部22AによってOBクランプ回路3と擬似OBクランプ回路5の各出力を切り換える場合である。
図11は、本実施形態7の固体撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、この図において、上記実施形態4と同一の機能を有する構成部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
この固体撮像装置は、図7に示す実施形態4の固体撮像装置の構成に加えて、図11に示すように出力切り換え手段としての信号切り換え部22Aを備えている。
この固体撮像装置においては、上記実施形態4の固体撮像装置と同様に、水平帰線期間において、クランプパルス発生回路25からクランプパルスCP3が発生されると、水平帰線クランプ回路24によって、CCD1に入射される光量などに影響されない水平帰線レベル信号がクランプされる。
また、水平期間においては、クランプパルス発生回路4から出力されるCP1パルスによってOBクランプ回路3にてOBレベル信号がクランプされ、クランプパルス発生回路6から出力されるCP2パルスによって擬似OBクランプ回路5にて擬似OBレベル信号がクランプされる。
レベル差検出手段としての検波回路8Aは、水平帰線クランプ回路24から出力された水平帰線レベル信号を基準にして、第1クランプ手段としてのOBクランプ回路3から出力される信号(第1信号)のレベルと、第2クランプ手段としての擬似OBクランプ回路5から出力される信号(第2信号)のレベルとのレベル差を検出する。
検波回路8Aによって第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量未満であることが検出された場合には、信号切り換え部22Aでスイッチが切り換えられて、OBクランプ回路3からの出力が映像信号処理部7に入力される。映像信号処理部7では、上記実施形態4と同様に、OBクランプ回路3から出力されるOBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
擬似OBレベルは、本来の黒レベル(本来のOBレベル)と擬似的なレベルであり、本来のOBレベルと全く同じレベルではない。したがって、映像信号出力は極力、本来のOBレベルを基準として行うことが望ましい。そこで、レベル差が所定量未満である場合には、不具合(CCD1に対する過大入射光量時)が生じていないものと判断して、本来のOBレベルを基準として映像信号処理を行う。
一方、検波回路8Aによって第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出された場合には、信号切り換え部22Aでスイッチが切り換えられて、疑似OBクランプ回路5からの出力が映像信号処理部7に入力される。映像信号処理部7では、擬似OBクランプ回路5から出力される擬似OBレベルを基準として、各信号処理が行われる。
このように、擬似OBレベルを用いる理由は、OBクランプ回路3でクランプされた第1信号のレベルと擬似OBクランプ回路5でクランプされた第2信号のレベルとでレベル差が所定値以上であると確認された場合には、OB部73に電荷が転送されてOBレベルが変動するからである。レベル差が所定値以上であるということは、CCD1に入射される光量が多いためにリセットドレインで充分に電荷が排出しきれない。
以上のように、本実施形態7の固体撮像装置では、OBクランプ回路3でクランプされた第1信号のレベルと擬似クランプ回路5でクランプされた第2信号のレベルとのレベル差によって不具合が生じているか否かを速やかに判断することができ、この判断に従って、映像信号処理を行う際の光学的な黒レベルの基準となるレベルが、信号切り換え部22Aによって切り換えられるので、入射光量の変化に応じてその都度、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、強烈光がCCD1に入射されても、擬似OBレベルを基準として映像信号処理を行うことができるので、十分とは言えないが、画面が破綻する等の最悪の事態を回避することができる。
(実施形態8)
本実施形態8では、上記実施形態7に加えて、少なくとも光量検出部21によるCCD1への検出照射光量に基づいて、映像信号処理を行う際の光学的な黒レベルの基準となるレベルとして、出力切り換え部22BによってOBクランプ回路3と擬似OBクランプ回路5の各出力を切り換える場合である。なお、光量検出部21による光量検出は、上記実施形態7の検波回路8Aによる検出情報に基づいて検出されてもよい。
図12は、本実施形態8の固体撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、この図において、上記実施形態7と同一の機能を有する構成部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
この固体撮像装置は、図11に示す上記実施形態7の固体撮像装置の構成に加えて、図12に示すように光量検出部21を備え、光量検出部21からの検出出力に応じて信号切り換え部22Bを切り換える。これによって、上記実施形態7よりも精度よく、OBクランプ回路3または擬似OBクランプ回路5と、映像信号処理部7との接続を行うことができる。
この固体撮像装置において、光量検出部21では、露光制御部9からの制御情報に従って、CCD1への入射光量が検出される。露光制御部9では、CCD1からの出力信号レベルが一定となるように、CCD1の電子シャッターが駆動制御(シャッター速度)される。このため、光量検出部21では、CCD1の電子シャッター速度が所定の値以上であるか否かによって、入射光量が所定量以上であるか否かを判断することができる。
また、上記実施形態7の固体撮像装置と同様に、水平帰線期間において、クランプパルス発生回路25からクランプパルスCP3が発生されると、水平帰線クランプ回路24によって、CCDに入射される光量などに影響されない、水平帰線レベル信号がクランプされる。
また、水平期間においては、クランプパルス発生回路4から出力されるCP1パルスによってOBクランプ回路3にてOBレベル信号がクランプされ、クランプパルス発生回路6から出力されるCP2パルスによって擬似OBクランプ回路5にて擬似OBレベル信号がクランプされる。
検波回路8Aは、水平帰線クランプ回路24から出力された水平帰線レベル信号を基準にして、第1クランプ手段としてのOBクランプ回路3から出力される信号(第1信号)のレベルと、第2クランプ手段としての擬似OBクランプ回路から出力される信号(第2信号)のレベルとのレベル差を検出する。
検波回路8Aによって第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量未満であることが検出され、かつ、光量検出部21によってCCD1(固体撮像素子)への入射光量が所定量未満であることが検出された場合には、信号切り換え部22Bでスイッチが切り換えられて、OBクランプ回路3からの出力が映像信号処理部7に入力される。映像信号処理部7では、上記実施形態4と同様に、OBクランプ回路3から出力されるOBレベルの信号を基準として、各種信号処理が行われる。
一方、検波回路8Aによって第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出され、かつ、光量検出部21によって固体撮像素子への入射光量が所定量未満であることが検出された場合、および、検波回路8Aによって第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量未満であることが検出されても、光量検出部21によって固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合、および、検波回路8Aによって第1信号のレベルと第2信号のレベルとのレベル差が所定量以上であることが検出され、かつ、光量検出部21によって固体撮像素子への入射光量が所定量以上であることが検出された場合には、信号切り換え部22Bでスイッチが切り換えられて、疑似OBクランプ回路5からの出力が映像信号処理部7に入力される。映像信号処理部7では、擬似OBクランプ回路5から出力される擬似OBレベルを基準として、各種信号処理が行われる。
露光制御部9では、光量検出部21の検出結果に関わらず、上記実施形態4と同様に、疑似OBクランプ回路5にて得られる本来の黒レベル(OBレベル)と略等しい疑似OBレベルを基準として露光制御が行われて、CCD駆動回路10AによってCCD1の電子シャッタが駆動制御される。
以上のように、本実施形態8の固体撮像装置では、OBクランプ回路3にてクランプされた信号のレベルと擬似OBクランプ回路5にてクランプされた信号のレベルとのレベル差、および光量検出部21にて検出されるCCD1への入射光量の大小によって映像信号処理を行う際に光学的な黒の基準となるレベルが、信号切り換え部22Bによって切り換えられるので、入射光量の変化に対応して、その都度、適正な映像信号処理を行うことができる。その結果、特に、最大限の露光制御を行っても回避することができないような強烈な光がCCD1に入射されても、擬似OBレベルを基準として映像信号処理を行うことができるので、十分とは言えないが、画面が黒く沈む、画面が破綻する等といった最悪の事態を回避することができる。
また、クランプパルス発生回路25から出力されたCP3パルスによりOBクランプ回路24にてクランプされた水平帰線レベル信号を基準にして、OBクランプ回路3にてクランプされた第1信号レベルと擬似OBクランプ回路5にてクランプされた第2信号レベルとのレベル差のみによって、映像信号処理部7に入力される黒レベル出力を切り換えた場合には、光量対レベル差が極端に急峻な場合に、レベル差が所定量の近辺で変化すると、OBクランプ回路3からの出力が映像信号処理部7に入力されてOBクランプレベルを基準にして映像処理が行われる場合と、疑似OBクランプ回路5からの出力が映像信号処理部7に入力されて擬似OBクランプレベルを基準にして映像処理が行われる場合とが繰り返されて画面が変化し、フリッカ等の画像不具合が発生することが考えられる。
これに対して、本実態形態8では、水平帰線クランプ回路24にてクランプされた水平帰線レベル信号を基準にして、OBクランプ回路3にてクランプされた第1信号レベルと擬似OBクランプ回路5にてクランプされた第2信号レベルとのレベル差と、入射光量とによって切り換えスイッチ22Bの切り換えを判断するため、このような画像不具合の発生を抑制することができる。
以上により、本実施形態1〜8によれば、水平期間の一部期間でリセットパルスのLOWレベルを一定レベル以上に変化させ、黒レベル(OBレベル)と略等しいレベルの擬似OB信号を生成し、クランプパルス発生回路6からクランプパルスが供給された場合に、擬似OB信号をクランプする擬似OBクランプ回路5を設けている。過大光がCCDに入射してOB部に転送電荷があふれた場合に、リセットパルスFRの波形反転によって、OB部に転送された電荷がリセットドレインRDに排出され、黒レベルと略等しい擬似OBレベルが生成される。この擬似OBレベルを基準として露光制御を行うことにより、従来のようにOBレベルの変動による影響を受けることなく、良好な画面表示を行うことができる。したがって、過大光がCCDに入射した場合でも、適正な露光制御を容易に行って、良好な画面表示を得ることができる。
なお、本発明の固体撮像装置を各種カメラなどの電子情報機器に容易に組み込むことができて、本発明の効果を得ることができる。例えば、図13に示すように、電子情報機器100は、操作部104をユーザが入力操作することにより、その操作指令に基づいて、本発明の固体撮像装置101を用いて被写体画像を外部光として取り入れて電子シャッタを作動させて撮像し、その撮像した画素データを画像データとして各種信号処理を行う。各種信号処理後の画像データに基づいて表示部102にて画像表示が為される。各種信号処理後の画像データはメモリ103に記憶可能であり、このメモリ103に記憶させた画像データを適宜取り出して表示部102に表示出力させることもできる。このように、本発明の固体撮像装置101を電子情報機器100に用いた場合にも、過大光が入射した場合にも、適正な露光制御を容易に行って、良好な画面表示を得ることができる本発明の効果を奏するものである。
また、以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜8を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜8に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜8の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。