JP2010213173A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像素子の水平最終段部で大きな電荷を取り扱う際に問題となるフローティングディフュージョン部の電荷残りによって発生する黒沈み現象を軽減することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】高輝度被写体撮影時に、以下の場合は、バッファ回路103の周波数特性を下げ、CCD102の出力波形をなまらせる。このことによって、水平最終段部で大きな電荷を取り扱う際に問題となるフローティングディフュージョン部の電荷残りによって発生する黒沈み現象を緩和する。以下の場合とは、フローティングディフュージョン部404の電荷残りが起こりやすい動画モードや、メカシャッターを使用しない場合、画素加算を行う場合、または、CCD102のサンプリング値の異常検出結果によって異常と判断された場合である。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像装置に関し、特にCCD等の撮像素子で撮像した画像を記録及び再生可能な電子カメラ等に用いて好適な撮像装置に関する。
近年、固体メモリ素子を有するメモリカードを記録媒体として、CCD等の撮像素子で撮影した静止画や動画を記録及び再生する電子カメラ等の撮像装置が提案、市販されている。ここで、従来例における電子カメラであるデジタルスチルカメラ(以後、デジタルカメラ)の画像入力部の一般的な構成と動作例について説明する。
図10は、従来例に係るデジタルカメラの画像入力部の構成を示すブロック図である。図11は、図10におけるCCDの水平転送最終段部の構成を示す図である。図12は、従来例に係るデジタルカメラのサンプルホールド回路の制御タイミングを示す図である。図13は、図10におけるバッファ回路の構成図である。図14は、図10におけるCDSのブロック図である。
図10において、デジタルカメラは、撮像素子(CCD)1001、バッファ回路1002、アナログ信号処理部(CDS)1003、ADC部(アナログ−デジタル変換器)1004、タイミング信号成部1005を備える。CCD1001は、タイミング信号生成部1005から出力される水平転送パルス、リセットゲートパルス、垂直転送パルス、電子シャッタパルス等の各駆動パルス信号により駆動され、被写体の光学像を電気信号に変換する。電荷の水平転送駆動を3相駆動で行うCCD1001内部では、受光素子により露光及び蓄積された電荷が水平転送パルスにより1画素分ずつ水平方向に順次転送される。
図11に示すように、電荷は最終的に水平転送パルスH2部1100から、水平転送パルスH3部1101、水平転送パルスH1部1102へ転送される。その後、電荷は水平最終段1103を通過し、フローティングディフュージョン(FD)部1104へ転送された後、電圧信号に変換され、1画素単位の映像信号として順次出力される。電荷は電圧信号への変換後、リセットゲート1105のONにより、ドレイン部1106掃き捨てられる(廃棄される)。このように、CCD1101から出力される信号は、1画素毎にリセット動作が必要となる。このリセット動作はCCD1001の出力信号にリセットノイズを発生させる原因となる。
図12に、CCD1001における出力信号の1画素周期のリセットゲートパルス(RG)とリセットノイズの関係と、フィードスルー部分のレベルと光出力信号部分のレベルをそれぞれ抽出するサンプルホールド回路の制御タイミングを示す。CCD1001の出力信号は、基本的にリセットゲートパルスから発生するリセットノイズと、1画素毎の黒基準となるフィードスルーレベルと、光量に比例した光出力信号レベルから構成される。
図10に戻り、バッファ回路1002は、CCD1001の出力信号に対してインピーダンスを低く変換する回路である。バッファ回路1002は、図13に示すように、トランジスタ1302と出力抵抗1303のエミッタフォロアで構成されている。また、トランジスタ1302のコレクタには電源電圧VDDに接続される。
CDS1003は、CCD1001における出力信号のうちフィードスルー部分のレベルと光出力信号部分のレベルとの差動を求めることで、相関ノイズ成分を出力信号から排除するノイズ除去回路である。図14に示すように、一般的なCDS1003は、直列接続されたサンプルホールド回路(S/H)1401及び1402、サンプルホールド回路1403、差動増幅器1404から構成される。
SHPは、リセットレベルを保持するフィードスルー期間をサンプルホールドするパルス信号である。SHDは、光出力信号期間をサンプルホールドするパルス信号である。CDS1003は、サンプルホールド回路1401、1402、1403により、SHP、SHDでCCDの出力信号をサンプルホールドし、差動増幅器1404でサンプルホールド回路1402、1403の各出力の差分をとるように構成されている。
図10に戻り、CDS1003の出力信号は、ADC部1004によりデジタル信号に変換された後、更に後段のデジタル信号処理回路(不図示)に伝送される。
上述したデジタルカメラ等の撮像装置は、画像の画質を高める高画質化や画素を増大する多画素化の市場ニーズを受けて、撮影に関わる解像度や動作速度が年々高まる傾向にある。
解像度や動作速度を高めた撮像装置は、高速連写機能、ライブビュー機能(撮像した画像をリアルタイムで表示しながらピント合わせ等を行う機能)、更には動画機能を有する機種がほとんどである。そのため、これらの機能(仕様)を満たすためにはCCDの駆動周波数を高くする必要がある。
一方、撮像装置において、CCDの駆動周波数を高くしたとき、図12に示すフィードスルー期間(TP)と光出力信号期間(TD)のタイミングマージンが小さくなる。そのため、各信号のサンプルホールド安定性が低下し、信号対雑音比(S/N)特性が劣化することがある。
S/N特性劣化の対策として、フィードスルー期間や光出力信号期間のタイミングマージンが大きくなるように、位相の設定とパルス幅の設定を行う技術がある。例えば、各CCD駆動パルス信号のうちリセットゲートパルスのパルス幅を小さくすることで、フィードスルー期間(TP)や光出力信号期間(TD)のタイミングマージンを大きくとることが可能となる。
上記技術分野の関連技術としては、例えば、特許文献1記載の技術がある。
特開2006−42261号公報
しかしながら、上記従来例のように、S/N特性劣化対策として、フィードスルー期間と光出力信号期間のタイミングマージンを確保できるように位相設定とパルス幅設定を行った場合、次の問題が発生する。即ち、S/N特性劣化対策の弊害として、CCDの水平最終段部で大きな電荷を取り扱うケースでリセット不良が発生する可能性がある。
フィードスルー期間と光出力信号期間のタイミングマージンを確保するためには、リセットゲートパルスから発生するリセットノイズの影響を最小限にする必要がある。そのためには、一般的に、図12のリセットゲートパルス(RG)のパルス幅を小さくすることで、リセットノイズ期間を短くする。但し、リセットゲートパルスのパルス幅は、ドレイン部への電荷の掃き捨てに最低限必要な時間は確保する必要がある。
他のパルス幅を変更せず、リセットゲートパルス幅のみを短くした場合は、後述する図3に示すように、水平転送パルスH3・303のOFFタイミングに対して、リセットゲートパルス301のOFFタイミングが進相したタイミング(CP)となることがある。
つまり、リセット動作が完了した後に、図11のH1部1102から漏れた電荷がFD部に流れ込む現象が発生する。この現象をFDブルーミングと呼ぶ。
尚、この現象の詳細は後述する。図11のFD部1104に取り残された電荷は、フィードスルー期間に偽信号として発生し、光出力信号期間のアナログ信号処理を行った場合、画像としては本来の明るさより暗くなる黒沈みが発生させることになる。
本発明の目的は、撮像素子の水平最終段部で大きな電荷を取り扱う際に問題となるフローティングディフュージョン部の電荷残りによって発生する黒沈み現象を軽減することができる撮像装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、撮像素子と、前記撮像素子を複数の動作モードで駆動する駆動手段と、前記撮像素子の出力信号を低インピーダンスで出力するバッファ手段と、前記バッファ手段の周波数特性を切り換える制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、撮像素子のフローティングディフュージョン部の電荷残りによって発生する黒沈み現象を軽減することができる。
本発明の実施の形態に係る撮像装置としてのデジタルカメラの構成を示すブロック図である。 図1におけるバッファ回路の構成図である。 図1におけるCCDのタイミングチャートである。 図1におけるCCDの水平最終段部の電荷転送状態を示す図である。 図1におけるCCDの出力信号の波形を示す図である。 図1のデジタルカメラによって実行される撮影制御処理の手順を示すフローチャートである。 図1におけるCCDのブランキング期間と読み出し期間を示す図である。 図1におけるアナログ信号処理部に設けられる異常検出部を示す図である。 高輝度被写体を撮影したときの図1におけるCCDの出力波形を示す図である。 従来例に係るデジタルカメラの画像入力部の構成を示すブロック図である。 図10におけるCCDの水平転送最終段部の構成を示す図である。 従来例に係るデジタルカメラのサンプルホールド回路の制御タイミングチャートである。 図10におけるバッファ回路の構成図である。 図10におけるCDSのブロック図である。
以下、本発明を図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る撮像装置としてのデジタルカメラの構成を示すブロック図である。図1において、デジタルカメラは、撮像光学系101、撮像素子(CCD)102、バッファ回路103、アナログ信号処理部(CDS)104、ADC部105、システム制御部109(設定手段、切り換え手段)を備える。
また、タイミング信号生成部106、基本クロック生成部107、信号処理部108、フレームメモリ部110、信号圧縮部111、記録メディア部112、操作部113、メモリ部114(記憶手段)を備える。さらに、NTSC/PALエンコーダ部115、電子ビューファインダ116を備える。
本実施の形態では、デジタルカメラが、3つの動作モード(静止画記録モード、動画記録モード、ライブビューモード)を備える場合を例に挙げ説明する。尚、静止画記録モード、動画記録モード、ライブビューモードのいずれかの(任意の)動作モードを含む構成としてもよい。また、上記以外の動作モードを更に備える構成としてもよい。
メカシャッターやレンズを含む撮像光学系101は、撮影時に入射した被写体の光学像を結像する。CCD102は、被写体の光学像を電気信号に変換する。CCD102は、電荷を水平方向に順次転送可能で、転送された電荷を電圧値に変換すると共に、変換された電圧値を出力する。バッファ回路103は、CCD102の出力信号を低インピーダンスで出力する回路である。
図2は、図1におけるバッファ回路103の構成図である。バッファ回路103は、図2に示すように、トランジスタ201と出力抵抗202から構成されているエミッタフォロア回路と、抵抗203とコンデンサ204、スイッチ205によって構成されている。また、トランジスタ201のコレクタは電源電圧VDDに接続される。
また、スイッチ205をONすることによって、抵抗203とコンデンサ204がある時定数を持ったローパスフィルタ回路となり、周波数特性を下げることができる。スイッチ205の切り換えは、タイミング信号生成部106によって行われる。詳しい動作は後述する。タイミング信号生成部106は、CCD102を複数の動作モードで駆動する。
アナログ信号処理部104は、バッファ回路103の出力信号を処理する信号処理を行う。ADC部105は、アナログ信号処理部104の出力であるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。信号処理部108は、デジタル画像信号に対して、ホワイトバランス調整、γ補正、画素補間等の画像処理を行う。フレームメモリ部110は、デジタル画像信号を一時的に格納するメモリであり、例えばDRAMにより構成されている。
信号圧縮部111は、フレームメモリ部110に格納されたデジタル画像信号をJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の手法により圧縮する。圧縮動作は、撮影時のレリーズ動作に伴って開始される。記録メディア部112は、圧縮されたデジタル画像信号を記憶するものであり、例えば、フラッシュメモリにより構成されている。NTSC/PALエンコーダ部115は、フレームメモリ部110に格納されたデジタル画像信号をNTSC信号またはPAL信号に変換する。ここでNTSCは、National Television System Committeeの略、PALは、Phase Alternating by Lineの略である。電子ビューファインダ116は、NTSC信号またはPAL信号に変換された画像信号を表示する表示部である。
システム制御部109は、デジタルカメラ各部の制御を司る。また、システム制御部109は、操作者の指示に基づきデジタルカメラの動作モードを設定すると共に、設定された動作モードに対応した情報をメモリ部114から検索する。操作部113は、操作者がデジタルカメラに対する各種指示(撮影の開始、動作モードの選択等)を行う際に操作する。基本クロック生成部107は、CCD102の駆動周波数の基準となる基本クロック信号を生成する。
タイミング信号生成部106は、基本クロック生成部105から出力される基本クロック信号、またはシステム制御部109からの信号に基づき、以下のタイミング信号を生成する。即ち、タイミング信号生成部106は、撮像光学系101、CCD102、バッファ回路103、アナログ信号処理部104、ADC部105に供給するタイミング信号を生成する。
まず、水平電荷転送中のFDブルーミング(電荷のオーバーフロー)の発生原理について図3、図4及び図5に基づき説明する。図3は、図1におけるCCD102のタイミングチャート、図4は、図1におけるCCD102の水平最終段部の電荷転送状態を示す図である。図5は、図1におけるCCD102の出力信号の波形を示す図である。
図3(a)は、デジタルカメラにおけるCCD駆動パルス信号である水平転送パルスH3とリセットゲートパルスの位相関係を示す図である。図3(b)は、CCD出力信号の波形を示す図である。図3(c)は、CCD駆動パルス信号である水平転送パルスH1と水平転送パルスH3と水平転送パルスH2の位相関係を示す図である。
具体的には、図3において、(a)は、水平転送パルスH3・303、リセットゲートパルス(RG)301の位相関係を示している。(c)は、水平転送パルスH1・302、水平転送パルスH3・303、水平転送パルスH2・304の位相関係を示している。(b)は、そのときのCCD出力信号の波形を示している。尚、本実施の形態では、デジタルカメラのCCD102における水平方向の電荷転送を3相駆動で行うものとする。
また、図5において、(a)は、一般のCCD出力信号、(b)は、黒沈み発生時のCCD出力信号、(c)は、本実施の形態におけるCCD出力信号の波形である。
図4において、CCD102の受光素子により露光及び蓄積された電荷が、転送パルスにより1画素分ずつ水平方向に順次転送され、最終的に水平転送部401へ転送される(図4(a))。次に、水平転送部401がOFFされ、水平転送部401の全ての電荷が水平転送部402へ転送される。
水平転送部401のOFFタイミングよりリセットゲート405のOFFタイミングが早い場合、つまりリセット期間が短く、ドレイン部406への電荷掃き捨てが充分行われない場合は、以下のようになる。即ち、図4(b)のように、フローティングディフュージョン(以下、FDと記載)部404に電荷が残ってしまう状態となる。リセットゲート405のタイミングが水平転送パルスH3部401のOFFタイミングより遅い場合は、図4(c)に示すように、溢れた電荷の掃き捨てが全て行われる。
電荷の掃き捨てが充分でなくFD部404に電荷が残った場合、図5の(b)のCCD出力波形に示すように、FD部404に残された電荷はフィードスルー期間に偽信号として発生する。そして、光出力信号期間のアナログ信号処理を行った場合、画像としては本来の明るさより暗くなる黒沈みを発生させることになる。
デジタルカメラのライブビューモード、動画記録モードでは、フレームレート(画像を表示する際に1秒間に何回画面が書き換えられるかを表す値)を高めるため、CCD102の画素の加算を行い、出力画素数を減らす手法が一般的である。その際、高輝度の被写体を撮像した場合や、CCDの画素の加算により取り扱い電荷が増えるため、電荷転送中のFDブルーミング(電荷のオーバーフロー)及びリセット不良が起こりやすい。
しかし、静止画記録モードにおいては、画素加算を行っていないため、転送電荷量がライブビューモード、動画記録モードよりも少ない。従って、静止画記録モードにおいて、FD部404に電荷が残る可能性は非常に小さい。また、メカシャッターを使用し、かつ読み出し前の電荷掃き捨てを行う場合、FD部404に余剰電荷が発生しないため、メカシャッターを使用する際もFD部404に電荷が残る可能性は非常に小さい。
図6は、図1のデジタルカメラによって実行される撮影制御処理の手順を示すフローチャートである。本フローチャートは、図1におけるシステム制御部109の制御の下に実行される。各処理ステップには符号Sを付す。
操作部113内の電源スイッチによりシステムが起動する。次に、システム制御部109は、フラグや制御変数等を初期化し、必要な所定の初期設定を行い(S601)、操作者により撮影モードが選択されたか否か判断する(S602)。撮影モードが選択された場合、S603のライブビューモードに進む。
ライブビューモード(S603)では、システム制御部109は、撮像光学系内101のメカシャッターを開いた状態で、タイミング信号生成部106を介して、CCD102をライン間引き、あるいはライン加算等の方法で読み出す。そして、システム制御部109は、画素数をファインダ表示に適したライン数の信号に減らして、ファインダ動画として必要なレートに速めるファインダモード駆動を行い、CCD102から読み出した信号を、以下のように処理する。
即ち、システム制御部109は、CCD102から読み出した信号を、バッファ回路103、アナログ信号処理部104、ADC部105、信号処理部108、フレームメモリ部110を介して、NTSC信号またはPAL信号に変換する。更に、システム制御部109は、撮像した画像データをファインダ画像として電子ビューファインダ116に逐次表示を開始する。
ここで、システム制御部109は、操作部113内のシャッターボタンが押されたことを検出すると(S604)、動画や静止画等の各撮影モードに応じて撮影動作を開始する(S605、606)。そして、システム制御部109は、モードに応じて記録の各処理を行う(S607、S608)。
撮影動作が終わり、システム制御部109は、操作部113内の電源スイッチが押されたことを検出すると(S610)、終了処理を行う(S611)。電源スイッチが押されない場合は、ファインダ画像がデンシビューファインダ116にライブビューモードとして再度表示される。また、操作部113内のモード切り換えスイッチによって撮影モード以外、例えば再生モード等が選択された場合には、その他モード処理行われる(S609)。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、高輝度被写体を撮影した場合に発生する黒沈みを緩和するために、静止画モードとライブビューモード、動画記録モードによって、バッファ回路103の周波数特性を切り換える。
前述したように、図2のバッファ回路103において、スイッチ205をONすることによって、抵抗203とコンデンサ204がある時定数を持ったローパスフィルタ回路となり、周波数特性を下げることができる。つまり、スイッチ205をONにすることで、バッファ回路103の周波数特性を下げ、スイッチ205をOFFにして、ローパスフィルタを通さないようにすることで、バッファ回路103の周波数特性を上げることができる。
FD部404に電荷の残りにくい静止画記録モードにおいては、バッファ回路103では、スイッチ205をOFFし、ローパスフィルタを通さずに、バッファ回路103の周波数特性を上げる。フローティングディフュージョン部404に電荷が残ってしまう可能性があるライブビューモードや動画記録モードの場合は、バッファ回路103のスイッチ205をONにし、ローパスフィルタを通すことによって、バッファ回路103の周波数特性を下げる。
ライブビューモード、動画記録モードにおいて、バッファ回路103の周波数特性を下げることにより、図5(c)に示すように、CCD出力波形をなまらせる。これにより、図5(c)に示すように、フィードスルー部の基準値が上がり、正常時の値に近くなるため、黒沈みが緩和される。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、CCDへの入射光を遮蔽するメカシャッターの動作状態に応じてバッファ回路103の周波数特性を切り換える。メカシャッターを駆動して開閉動作させる場合、メカシャッターを閉じることによって読み出し前の電荷掃き捨てを行うため、スミア、FDブルーミングの余剰電荷が発生しない。そのためメカシャッターを駆動して開閉動作させる場合には、FD部404に電荷が残る可能性は非常に小さい。
具体的には、メカシャッターが動作している(メカシャッターが閉じている)期間に垂直CCDの不要電荷のリセットが行われる。従って、メカシャッターの動作モードでは、FD部404に電荷が残らず、フィードスルー期間はある一定の基準値となり、正確な出力信号を読み取ることができるため、黒沈みの現象が起きない。そのため、メカシャッター駆動時(開閉動作時)は、バッファ回路103のスイッチ205をOFFし、ローパスフィルタを通さずに、バッファ回路103の周波数特性を上げることができる。
また、メカシャッターを駆動せずに高輝度の被写体を撮像した場合、FD部404に電荷が残ってしまう状態が発生する。そして、FD部404に残った電荷は、フィードスルー期間に偽信号として発生するため、黒沈みが発生する。そのため、メカシャッターを駆動しない場合(開閉動作させない場合)には、バッファ回路103のスイッチ205をONにし、ローパスフィルタを通すことによって、バッファ回路103の周波数特性を下げる。
バッファ回路103の周波数特性を下げると、第1の実施の形態のように、CCD102の出力波形をなまらせることによってフィードスルー部の基準値が上がり、正常時の値に近くなるため、黒沈みが緩和される。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、画素加算の有無によって、バッファ回路103の周波数特性を切り換える。画素加算を行う場合は、CCD102において、転送時に取り扱う各電荷量が増えるため、高輝度の被写体を撮像した場合、FD部404に電荷が残ってしまう状態が発生する。そして、FD部404に残った電荷は、フィードスルー期間に偽信号として発生するため、黒沈みが発生する。
そのため、画素加算を行う場合は、バッファ回路103のスイッチ205をONにし、ローパスフィルタを通すことによってバッファ回路103の周波数特性を下げる。バッファ回路103の周波数特性を下げると、第1の実施の形態のように、CCD102の出力波形をなまらせることによって、フィードスルー部の基準値が上がり、正常時の値に近くなるため、黒沈みが緩和される。
逆に、画素加算を行わない場合は、転送時に取り扱う各電荷量が少ないので、高輝度の被写体を撮像した場合、FD部404に電荷が残ってしまう状態が発生しにくい。そのため、画素加算を行わない場合は、バッファ回路103のスイッチ205をOFFし、ローパスフィルタを通さずに、バッファ回路103の周波数特性を上げることができる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、図7に示すように、CCD102からの画素読み出しを行われていないブランキング期間中のレベルVBLKと、読み出しを行っている期間におけるフィードスルー部レベルVFTの差動を検出する。検出した値が設定した閾値よりも差が大きければ、黒沈みが発生していると判断し、バッファ回路103の周波数特性を切り換える。
図8は、図1におけるアナログ信号処理部104に設けられる異常検出部801を示す図である。異常検出部801は、S/H802、差動増幅器803を備える。符号804は、差動増幅器803の出力端子である。異常検出部801は、水平ブランキング期間中にS/H802によって保持されたフィードスルーレベルと、読み出し期間中にS/H802によって保持されたフィードスルーレベルとの差動値が所定の閾値より大きい場合に異常として検出する。
図9は、高輝度被写体を撮影したときの図1におけるCCD102の出力波形を示す図である。高輝度の被写体を撮影し、FD部404に電荷の残りがあり、黒沈みが発生した場合、図9に示すように、フィードスルー部のレベルが信号レベル方向に変動する。そこで、アナログ信号処理部104のSHPのタイミングでサンプルされたフィードスルー部レベルVFTの値を、図8に示す異常検出部801に入力する。
また、読み出しを行わないブランキング期間中は、アナログ信号処理部104のSHPによってサンプリングされた値を、ブランキング期間中に同期するパルスCPBLKによって、S/H802でサンプルホールドする。この値をフィードスルー信号レベルの基準値VBLKとして用いる(図7参照)。
異常検出部801の差動増幅器803は、ブランキング期間に検出したフィードスルー部のレベルVBLKと、読み出し期間中のフィードスルー部のレベルVFTの差動値を検出する。差動増幅器803によって得られた差動値の絶対値を、システム制御部109へ入力する。このとき、メモリ部114に所定の閾値を設けておき、異常検出部801で検出された差動値が閾値よりも大きい場合は、システム制御部109によって黒沈みが発生していると判断される。
システム制御部109によって黒沈みが発生していると判断されると、バッファ回路103のスイッチ205をONにし、ローパスフィルタを通すことによってバッファ回路103の周波数特性を下げる。バッファ回路103の周波数特性を下げると、第1の実施の形態のように、CCD102の出力波形をなまらせることによって、フィードスルー部の基準値が上がり、正常時の値に近くなるため、黒沈みが緩和される。
また、本実施の形態では、バッファ回路103の周波数特性を、ローパスフィルタを通すことによって変えるが、バッファ回路103の出力インピーダンスを変えることで、配線等の浮遊容量とのRC回路で周波数特性を変えてもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、CCD102の水平最終段部で大きな電荷を取り扱う際に問題となるFD部の電荷残りによって発生する黒沈みを、以下のようにして軽減することが可能となる。
即ち、動作モードあるいはメカシャッターの有無、画素加算の有無、またはフィードスルー部の検出結果に応じて、バッファ回路103の周波数特性を切り換えることにより、黒沈みを軽減することが可能となる。
101 撮像光学系
102 撮像素子
103 バッファ回路
104 アナログ信号処理部
105 ADC部
106 タイミング信号生成部
107 基本クロック生成部
108 信号処理部
109 システム制御部
110 フレームメモリ部
111 信号圧縮部
113 操作部
114 メモリ部
116 電子ビューファインダ

Claims (9)

  1. 撮像素子と、
    前記撮像素子を複数の動作モードで駆動する駆動手段と、
    前記撮像素子の出力信号を低インピーダンスで出力するバッファ手段と、
    前記バッファ手段の周波数特性を切り換える制御手段と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 動作モードを設定する設定手段を備え、前記制御手段は、前記設定手段によって設定された動作モードに応じて前記バッファ手段の周波数特性を切り換えるように制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記動作モードは、静止画記録モード、動画記録モード、ライブビューモードのいずれかを含み、前記設定手段により動作モードが前記動画記録モードまたは前記ライブビューモードに設定された場合に、前記制御手段が前記バッファ手段の周波数特性を下げるように制御することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記撮像素子への入射光を遮蔽するメカシャッターを備え、前記制御手段は、前記メカシャッターの動作状態に応じて前記バッファ手段の周波数特性を切り換えるように制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記制御手段は、前記メカシャッターを動作させない場合に、前記バッファ手段の周波数特性を下げるように制御することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記制御手段は、画素加算の有無によって前記バッファ手段の周波数特性を切り換えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  7. 前記制御手段は、画素加算を行う場合に、前記バッファ手段の周波数特性を下げるように制御することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記バッファ手段から出力された信号をサンプルホールドするサンプルホールド手段を備え、
    前記制御手段は、水平ブランキング期間中に前記サンプルホールド手段によって保持されたフィードスルーレベルと、読み出し期間中に前記サンプルホールド手段によって保持されたフィードスルーレベルとの差動値、に応じて、前記バッファ手段の周波数特性を切り換えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  9. 前記制御手段は、水平ブランキング期間中に前記サンプルホールド手段によって保持されたフィードスルーレベルと、読み出し期間中に前記サンプルホールド手段によって保持されたフィードスルーレベルとの差動値が前記所定の閾値より大きい場合に、前記バッファ手段の周波数特性を下げるように制御することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
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