JP4412429B2 - 内視鏡のアングル部 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用等として用いられる内視鏡の挿入部において、先端部本体を所望の方向に向けるために、遠隔操作で湾曲させるためのアングル部の構成に関するもの3である。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡は、図7に示したように、本体操作部1に体腔内等への挿入部2を連設すると共に、この本体操作部1からは光源装置等に着脱可能に接続されるユニバーサルコード3とから大略構成されるものである。挿入部2は、先端側から先端部本体2a、アングル部2b及び軟性部2cから構成される。先端部本体2aには、図8に示したように、照明窓4と観察窓5とが設けられ、照明窓4からの照明下で観察窓5から体腔内等の観察を行うことができるようになっている。また、鉗子等の処置具を導出するための処置具導出口6が開口させて設けられ、さらに観察窓5を洗浄するための洗浄ノズル7も装着されている。
【0003】
アングル部2bは、観察窓5を設けた先端部本体2aを所望の方向に向けるためのものであり、遠隔操作により少なくとも上下方向、好ましくは上下及び左右方向に湾曲させる、所謂アングル操作を行えるようになっている。このために、アングル部2bは、図9に示した構成としている。同図から明らかなように、アングル部2bは構造体として、金属またはプラスチックからなる所定数(n個)のアングルリング8を順次枢着したものから構成される。ここで、図9には、これらアングルリング8として、先端部本体2aに嵌合される最先端のアングルリングを第1リング81 とし、またこの第1リング81 に連結したアングルリングを第2リング82 、第2リング82 に連結したアングルリングは第3リング83 、・・・という符号を付している。従って、以下の説明においては、これらn個のアングルリングのうち、特定位置のアングルリングを指し示す場合には、それぞれ第1リング81 ,第2リング82 ,第3リング83 ,・・・とし、個々のアングルリングを特定しない場合には、アングルリング8という。
【0004】
而して、n個のアングルリング8により湾曲管9が構成され、この湾曲管9の外面には、金属編組からなるネット10が被装され、さらにこのネット10には弾性部材からなる外皮層11が被装される。
【0005】
アングル部2bは、観察窓5等を設けた先端部本体2aを所望の方向に向けるためのものであり、アングル操作時における湾曲方向としては、上下方向または上下及び左右方向である。このアングル部2bを湾曲させる操作はアングル操作であり、このアングル操作は本体操作部1側から行うようになっている。このために、本体操作部1にはアングルノブ12(図7参照)が装着され、またアングル部2bには操作ワイヤ13が設けられ、この操作ワイヤ13はアングル部2bから軟性部2cを経て本体操作部1内に延在されて、アングルノブ12により回転駆動されるプーリ(図示せず)に巻回して設けられる。
【0006】
而して、図9に示したアングル部2bは、上下,左右方向に湾曲させるように構成したものが示されている。このために、操作ワイヤ13は湾曲管9内において、それぞれ90°の位相関係を保った状態にして4本挿通されている。そして、これら4本の操作ワイヤ13のうち、上下に位置する2本の操作ワイヤと左右に位置する2本の操作ワイヤとが対になっており、上下の対の操作ワイヤの一方を引っ張り、他方を押し出すように操作すると、アングル部2bは上下方向に湾曲し、また左右の対の操作ワイヤを押し引きすると、アングル部2bは左右方向に湾曲することになる。
【0007】
以上のように、アングル部2bの湾曲を可能にするために、図示した湾曲管9は、アングルリング8を構成する第1リング81 と第2リング82 とは、左右の両側位置で枢着ピン14を用いて枢動可能に連結され、かつ上下の部位は所定のリング間間隙が形成されている。また、第2リング82 と第3リング83 とは、上下の両側位置で枢着ピン14により枢動可能に連結されており、また左右の部位は所定のリング間間隙が形成される。そして、以下、第3リング83 と第4リング84 とは左右に枢着ピン14が、上下にリング間間隙がそれぞれ形成され、第4リング84 と第5リング85 との間は上下に枢着ピン14が、左右にリング間間隙が形成され、順次この連結構造が繰り返されることによって、最基端位置にある第nリング8n に至る。また、上下及び左右に挿通した4本の操作ワイヤ13は、それぞれ枢着ピン14に形成したワイヤ挿通孔に挿通することによって、円周方向に位置決めがなされる。
【0008】
操作ワイヤ13の先端部は、先端部本体2aに嵌合される第1リング81 に固定される。この操作ワイヤ13の固定構造としては、図10に示したように、第1リング81 の周胴部に4箇所の切り絞り部15を形成して、操作ワイヤ13の先端部分をこの切り絞り部15内に挿通させた上で折り返すようになし、この部分に鑞付け16を行う構成とするのが一般的である。
【0009】
また、操作ワイヤの先端部固定方式としては、前述したものに加えて、例えば特開昭62−227312号公報に示された構成のものも知られている。この公知技術においては、先端部本体の外周面における第1リングが嵌合・固定される位置に軸線方向に向けて溝を設けて、この溝内に操作ワイヤを延在させて、ハンダ付け手段により固着する構成としている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来技術のうち、図10に示した操作ワイヤの先端部の固定構造にあっては、第1リング81 の内面が大きく内側に突出することになる。つまり、切り絞り部15においては、第1リング81 の外周面から切り絞り部15の内側面までの間隔bは、最低限、操作ワイヤ13の直径dと第1リング81 2枚の厚み2tの合計寸法であるd+2tとなり、湾曲管9の内部側に大きく張り出した形状となっている。しかも、この切り絞り部15の周囲における鑞付け16の部分も内側への張り出し部分となる。
【0011】
ここで、先端部本体2aには、照明窓4に照明光を伝送するためのライトガイド、観察窓5には対物光学系と、この対物光学系の結像位置に配置した固体撮像素子アセンブリとが設けられ、また処置具導出口6には処置具挿通チャンネルが接続され、また洗浄ノズルに洗浄用流体を供給するための管路が接続される。特に、対物光学系の一部及び固体撮像素子アセンブリは先端部本体2aからアングル部2における第1リング81 内にまで延在されている。従って、アングル部2における第1リング81 の位置では極めて内蔵物の充填率が高いものとなる。しかも、先端部本体2aには所定数の透孔を形成して、前述した各部材がこれら各透孔に接続される関係から、先端部本体2aに直接連結される第1リング81 の内部では、前述した各部材の接続位置が厳格に規制されることから、これら各部材の位置が格別規制されない第2リング82 より基端側とは異なり、第1リング81 の位置での内容積はできるだけ広くて、各部材の接続を容易に行えるようにしなければならない。
【0012】
以上のように、第1リング81 に切り絞り部15を形成すると、この切り絞り部15がいずれかの部材の先端部本体2aへの接続部と干渉する可能性がある。そこで、このような干渉を避けるためには、第1リング81 の直径を大きくして、切り絞り部15を接続部から離間させる必要があり、従って挿入部2が太径化することになり、その結果体腔内等への挿入時に狭窄部分を通過させるのが困難になり、その操作性が悪くなるだけでなく、患者に対する苦痛を強いる等といった問題点がある。
【0013】
一方、特開昭62−227312号公報に提案されている操作ワイヤの固定方式によれば、アングル部における第1リングに切り絞り部を設けていないことから、第1リングの内部に限っては、広いスペースを確保できる。しかしながら、先端部本体には前述した各部材を装着する透孔が形成されていることから、透孔の位置と溝の位置とが接近していると、その部分が脆弱なものとなる。従って、操作ワイヤを装着する溝と透孔との位置を離さなければならず、このために各部材を装着するための透孔の位置が制約され、その結果、先端部本体を太径化させる要因となりかねない。特に、操作ワイヤは溝内で鑞付けやハンダ付け等により固着されるが、アングル操作時には操作ワイヤに極めて大きな張力が作用するために、その先端部を強力に固着する必要がある。このためには、溝を深くして、操作ワイヤの全体を鑞やハンダで埋め込むようにしなければならず、さらに先端部本体における各部材を装着するための透孔の位置が制約されることになる。
【0014】
また、操作ワイヤを先端部本体に固着すると、挿入部の内部における修理・点検や部品交換等といったメンテナンス作業にも支障を来すことになる。つまり、操作ワイヤを先端部本体に固着した場合には、先端部本体をアングル部とから分離するためには、この操作ワイヤを取り外さなければならない。しかしながら、アングル操作時には、操作ワイヤに強い引っ張り力が作用することから、その先端の固定は極めて強固なものとしているので、この操作ワイヤを取り外すのは容易な作業ではなく、またこの時に誤って先端部本体等を損傷させるおそれもある等といった問題点がある。
【0015】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、メンテナンス性等の観点から、操作ワイヤの先端をアングルリングに固定するようになし、しかもこの操作ワイヤが固定される第1リングの内容積を広くできるようにすることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、先端部本体に連設され、複数のアングルリングを順次枢着した湾曲管にネット及び外皮層を被着することにより構成され、内部に上下及び左右の位置に4本の操作ワイヤを挿通させて、これらの操作ワイヤを押し引き操作することにより上下及び左右に湾曲操作可能とした内視鏡のアングル部であって、前記先端部本体の基端部に前記複数のアングルリングのうちの最先端に位置する第1リングを嵌合・固定し、この第1リングの外周面には、先端部本体への嵌合部より基端側の上下位置に軸線方向に向けて所定の長さを有する溝を形成し、左右位置には切り絞り部を形成し、前記各操作ワイヤの先端部分は、上下位置の操作ワイヤが、前記第1リングの外面で前記溝に装着されて、前記溝内で前記第1リングの外面と前記ネットとの間にハンダ付けまたは鑞付け手段により固定して、前記第1リングと第2リングとのリング間間隙から湾曲管の内部に導き、また左右位置の操作ワイヤの先端は前記各切り絞り部に固定する構成としたことを特徴とするものである。
【0017】
ここで、湾曲管にはネット及び外皮層が順次被装されるが、操作ワイヤは溝内で第1リング外面及びネットにハンダ付けにより固着するように構成することにより、操作ワイヤの固定をより確実に行える。また、操作ワイヤの端部に球形膨出部を設けると共に第1リングの溝にこの球形膨出部が嵌合される嵌合孔を形成したり、溝の形状として、先端部本体への嵌合部近傍でL字状に曲成する構成すると、さらに操作ワイヤの固定をさらに確実に行える。
【0018】
操作ワイヤは第1リングにおいては外面に位置し、この第1リングと第2リングとのリング間間隙から可撓管の内部に移行させるが、このリング間間隙に位置する少なくとも一方のリングには、アングル部を湾曲させた時に操作ワイヤがリングエッジ間に噛み込まれるのを防止するために、噛み込み防止部を設ける。この噛み込み防止部は、リングの端部に切り欠きを形成するか、またはリングの端部を外向きに形成した凸部等で構成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。而して、前述した従来技術と同一または均等な部材については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0020】
挿入部2におけるアングル部2bは、図1に示したように、アングルリング18を所定数連結した湾曲管19の外周にネット10を、またこのネット10には外皮層11を被装することにより構成される。アングルリング18は、先端部本体2aへの連結側から第1リング181 ,第2リング182 ,第3リング183 ,・・・の順にn個のリングがそれぞれ、左右、上下の位置に枢着ピン14を用いて枢動可能に連結されている。また、4本設けられる操作ワイヤ13は枢着ピン14に設けたワイヤ挿通孔内に挿通されており、上下の操作ワイヤ13を押し引きすると、アングル部2bは上下方向に湾曲し、また左右の操作ワイヤ13を押し引き操作すると、アングル部2bは左右方向に湾曲する。そして、操作ワイヤ13の押し引き操作は本体操作部1に装着したアングルノブ12により行われる。以上の点については、前述した従来技術の構成と格別の差異はない。
【0021】
全ての操作ワイヤ13は、湾曲管19を構成するアングルリング18のうち、その基端側から第2リング182 までの部位は湾曲管19の内部に位置し、また左右に位置する一対の操作ワイヤ13は、第1リング181 の内面にまで導かれて、この第1リング181 に形成した切り絞り部15により固着されている。しかしながら、図2に示したように、上下に位置する操作ワイヤ13は第1リング181 と第2リング182 との間におけるリング間間隙から湾曲管19の外面側に移行させている。従って、4本の操作ワイヤ13のうちの上下の2本は第1リング181 の外面に固着され、左右の2本は第1リング181 の内面側で固着される。第1リング18 1 の内面側で操作ワイヤ13を固着するために切り絞り部15が形成されているが、第1リング181 の外面側で操作ワイヤ13を固着するために、この第1リング181 の基端部から先端部本体2aへの嵌合部の手前位置まで操作ワイヤ13を配置するための溝20を形成している。この溝20は、図3から明らかなように、切り絞らない構造となっている。
【0022】
操作ワイヤ13を第1リング181 に固定するために、図3に示したように、操作ワイヤ13を溝20に収容させた状態でハンダ付け,鑞付け等の手段で固着させる。また、アングル部2bには金属製のネット10が被着されるが、このネット10は、その先端部分は第1リング181 にハンダ付け等の手段で固着されるようになっており、従ってこのネット10は操作ワイヤ13を覆うようになっており、このネット10のハンダ付けは操作ワイヤ13に対しても行われることになる。その結果、操作ワイヤ13は第1リング181 とネット10との間に挾持され、かつハンダ付けにより固着される。これによって、操作ワイヤ13は共に金属で形成した第1リング181 とネット10とにより挾持された上で、それらへの当接面がハンダ付け等により強力に固着される。
【0023】
ここで、アングル操作を行った時には、湾曲方向の内側の部位ではリング間間隙が縮小し、最終的にはリングのエッジ同士が当接する。従って、第1リング181 と第2リング182 との間のリング間間隙を通過する操作ワイヤ13は、アングル部2bを上下方向に湾曲させた時に両リング181 ,182 のエッジ間に挟まれて、特に最大湾曲角まで湾曲させると、両エッジ間に噛み込まれることになる。そこで、図3に示したように、操作ワイヤ13がリング181 ,182 のエッジと接触してこの操作ワイヤ13が損傷しないように保護するために、第2リング182 の第1リング181 に対面する側の上下の部位に切り欠き21を形成している。これによって、切り欠き21は、アングル部2bを湾曲させた時に、操作ワイヤ13の第1リング181 の外面から第2リング182 の内面への移行部分が両リング181 ,182 のエッジに噛み込まれないようにする、操作ワイヤ13の噛み込み防止部としての機能を発揮する。
【0024】
本実施の形態におけるアングル部は以上のように構成されるが、アングル操作自体については、前述した従来技術と同様であり、上下一対の操作ワイヤの押し引きによりアングル部2bは上下方向に湾曲し、また左右一対の操作ワイヤを押し引き操作によりアングル部2bは左右方向に湾曲する。ここで、アングル操作時には、操作ワイヤ13に強い引っ張り力が作用するが、上下に位置する操作ワイヤ13の先端は共に金属で構成した第1リング181 とネット10とにより挾持され、しかもハンダ付け等により強力に固着されているので、このアングル操作時に操作ワイヤ13に大きな張力が作用しても、第1リング181 から離脱することがなく、極めて安定的に保持される。そして、これら各操作ワイヤ13はアングルリング18に固定され、先端部本体2aには延在されていないので、挿入部2の内部における修理・点検や部品交換等といったメンテナンス作業を行う際には、第1リング181 を先端部本体2aから容易に分離できる。
【0025】
第1リング181 には溝20を形成されていることから、この第1リング181 は湾曲管19の内部側に突出しているが、操作ワイヤ13は第1リング181 の外周面に位置しているので、図4に示したように、第1リング181 の外周面から溝20の内側面までの間隔Bは、操作ワイヤ13の直径dと第1リング181 1枚の厚みtとの合計寸法、つまりd+tとなり、図11に示した第1リング81 と本発明による第1リング181 とを同じ厚みとし、同じ直径の操作ワイヤ13を用いた場合には、切り絞り部を形成する構成としたものと比較して、少なくとも第1リング181 の厚み分だけ内側への突出長さが短くなる。
【0026】
特に、前述したように、操作ワイヤ13は単に溝20内に固着されるだけでなく、さらにネット10とも固着される関係から、第1リング181 に形成される溝20としては、実質的に操作ワイヤ13がこの第1リング181 の外面からほぼ突出しない程度の底の浅いもので形成しても、操作ワイヤ13が溝20から脱落することはない。従って、第1リング181 の内方への張り出し部分を最小限に抑制できる。また、湾曲管19における内部側に位置しているのは溝20のみであって、鑞付け等がないので、さらに湾曲管19の内部スペースを広くすることができる。この結果、湾曲管19を細径化しても、その内部に各部材を無理なく配置できるようになり、挿入部2の体腔内等への挿入操作性が良好となり、患者の苦痛軽減を図ることができるようになる。
【0027】
また、第1リング181 に軸線方向に向けた溝20を形成することによって、この第1リング181 の強度、特に曲げ方向に対する強度が著しく向上することになる。アングル部2bを湾曲させる際には、第1リング181 は操作ワイヤ13の固定位置であり、従ってアングル操作時、特に最大湾曲角でアングル部2bを湾曲させた時には、第1リング181 に対しては極めて曲げ方向に大きな荷重が作用する。溝20は、第1リング181 における先端部本体2aへの嵌合部を除いて、その軸線方向におけるほぼ全長に及ぶようにして上下に配置されているので、この第1リング181 における曲げ方向に対する強度が向上することはその保形性にとって極めて重要になる。
【0028】
而して、第1リング181 において、溝20を設ける箇所は、その上下2箇所としたが、必ずしも溝20を設ける位置及びその数はこれに限定されない。要は、先端部本体2aに形成した透孔に接続される部材との位置関係で、第1リング181 に切り絞り部を設けて操作ワイヤ13を固着したのでは干渉するおそれのある部位における操作ワイヤ13の固定部とすれば良い。従って、溝20は例えば下部に1箇所設けるようにすることもでき、また上下、左右の4箇所設けることも可能である。左右に位置する操作ワイヤ13も第1リング181 の外周面に形成した溝20に固着する場合には、操作ワイヤ13は第2リング182 と第3リング183 との間に形成されるリング間間隙から外面側に回り込ませる必要がある。このために、第2リング182 にも溝を形成する必要があり、従って第2リング182 と第3リング183 との間の枢着箇所は円周方向に多少ずらした位置に配置する。
【0029】
ここで、操作ワイヤ13を第1リング181 の外周面に形成した溝20に固着する構成としたことによって、切り絞り部を形成するより第1リング181 の厚み分だけ内側への突出長さが短くなるから、例えば処置具挿通チャンネルTの先端部本体2aへの接続部を図4に一点鎖線で示した位置、つまり先端部本体2aの外周側に近い位置に設けることができるようになる等、先端部本体2aにおける各部材の接続部の配置に自由度を持たせることができる。
【0030】
ここで、操作ワイヤ13の固着をより確実に行うには、第1リング181 の外周面に形成される溝としては、図5に示したように、概略L字状の溝120とすると、操作ワイヤ13の固着がさらに安定する。このL字状の溝120は、第1リング181 の基端側から、この第1リング181 の先端部本体2aへの嵌合部の直前の位置でL字状に曲折するように構成する。
【0031】
また、操作ワイヤ13の第1リング181 と第2リング182 との間のリング間間隙での噛み込み防止部材としては、図6に示したように、第2リング182 の第1リング181 に対面する部位に凸部321を形成するように構成することもできる。ここで、第2リング182 に凸部321を形成すると、アングル部2bの外径が多少不均一になるが、第1リング181 における操作ワイヤ13の引き出し部分には溝20が形成され、この溝20の部分と凸部321との間に操作ワイヤ13の直径分程度の落差があれば良いことから、第2リング182 に凸部321を形成するにしても、極僅かな突出量で良い。従って、アングル部2bにネット10及び外皮層11を被装させた時には、この突出部は実質的に無視できる程度のものとなる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、先端部本体に連結されるアングルリングである第1リングの外周面に溝を形成して操作ワイヤを固定する構成としたので、アングル部と先端部本体とが容易に分離できるようになし、もってメンテナンス性に優れたものとなり、しかも先端部本体の後部に位置する第1リングの内容積を広くすることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態を示すアングル部を、その内部に配置される部材を省略して示す断面図である。
【図2】 第1リングに操作ワイヤを装着した状態での第1リングの平面図である。
【図3】 操作ワイヤの噛み込み防止機構の作動説明図である。
【図4】 図1のA−A断面図である。
【図5】 操作ワイヤの固定機構の変形例を示す図2と同様の平面図である。
【図6】 操作ワイヤの噛み込み防止機構の他の例を示す構成説明図である。
【図7】 内視鏡の全体構成図である。
【図8】 図7の内視鏡における挿入部の先端面の外観図である。
【図9】 従来技術によるアングル部を、その内部に配置される部材を省略して示す断面図である。
【図10】 図9のB−B断面図である。
Claims (5)
- 先端部本体に連設され、複数のアングルリングを順次枢着した湾曲管にネット及び外皮層を被着することにより構成され、内部に上下及び左右の位置に4本の操作ワイヤを挿通させて、これらの操作ワイヤを押し引き操作することにより上下及び左右に湾曲操作可能とした内視鏡のアングル部において、
前記先端部本体の基端部に前記複数のアングルリングのうちの最先端に位置する第1リングを嵌合・固定し、
この第1リングの外周面には、先端部本体への嵌合部より基端側の上下位置に軸線方向に向けて所定の長さを有する溝を形成し、左右位置には切り絞り部を形成し、
前記各操作ワイヤの先端部分は、上下位置の操作ワイヤが、前記第1リングの外面で前記溝に装着されて、前記溝内で前記第1リングの外面と前記ネットとの間にハンダ付けまたは鑞付け手段により固定して、前記第1リングと第2リングとのリング間間隙から湾曲管の内部に導き、
また左右位置の操作ワイヤの先端は前記各切り絞り部に固定する
構成としたことを特徴とする内視鏡のアングル部。 - 前記溝は前記第1リングの基端側ではアングル部の軸線方向に延在させ、その先端部本体への嵌合部近傍でL字状に曲成する構成としたことを特徴とする請求項1記載の内視鏡のアングル部。
- 前記操作ワイヤを湾曲部内に移行させるリング間間隙に位置する少なくとも一方のリングには、この操作ワイヤがリングのエッジ間に噛み込まれるのを防止するための噛み込み防止部を設ける構成としたことを特徴とする請求項1記載の内視鏡のアングル部。
- 前記噛み込み防止部は、前記リングの端部に切り欠きを形成する構成としたことを特徴とする請求項3記載の内視鏡のアングル部。
- 前記噛み込み防止部は、前記リングの端部を外向きに形成した凸部で構成したことを特徴とする請求項3記載の内視鏡のアングル部。
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