JP4412222B2 - 車両の制御方法および電子制御装置 - Google Patents

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この発明は、特にアイドルストップ制御に採用して有益な車両の制御方法、および他の車載電子制御装置との通信を通じて自らの保持する制御情報を更新しつつこの制御情報に基づいてアイドルストップ制御を実行する電子制御装置に関する。
周知のように、アイドルストップ制御は、短時間の停車時にアイドリング回転をさせないように意識的にアイドリング時の点火・燃料噴射や排気等を止め、燃料消費を最小限に抑えるために行われる。
従来、こうしたアイドルストップ制御に係る車両の制御方法としては、例えば特許文献1に記載される方法が知られている。具体的には、こうした方法においては、車載内燃機関の点火態様・燃料噴射態様を制御する電子制御装置(エンジン制御装置)と、同機関を外部から駆動してこれを自力回転させるスタータ装置のアイドルストップ動作を制御する電子制御装置(アイドルストップ制御装置)とが、互いに通信して自らの保持する制御情報を随時更新している。そうして、これら電子制御装置の各自に保持される上記制御情報の示す車両の状態に基づいて、これら電子制御装置の協働(協調)のもと、上述のアイドルストップ制御が適宜に実行されるようになっている。
特開2004−137905号公報
ところで、このようにエンジン制御装置(エンジン制御ECU)とアイドルストップ制御装置(アイドルストップ制御ECU)とが協働(協調)して前述のアイドルストップ制御を行うシステムにあっては、これら電子制御装置の間で制御情報が相互に送受信されている。さらに具体的には、これら電子制御装置は、それぞれ他方の電子制御装置から送られてくる制御情報をもって自らの保持する制御情報を更新しつつ、この制御情報に基づいて所望とされる制御を行っている。このため、これら電子制御装置の一方のみにリセットが発生した場合には、両者の制御情報に不整合が生じ、例えば内燃機関の始動(起動)制御等といった所望とされる制御が正しく行われなくなることが懸念される。
具体的な事例を挙げて説明すると、これら電子制御装置においては、例えば図18に示すように、現在の車両状態がアイドルストップ状態にあるか否かを示す制御情報が各々に保持されており、これが、両者の間の通信をもって随時更新されている。ここで、例えば車両がアイドルストップ状態にあるときにクランキング時(エンジン始動時)の電源低下等に起因してアイドルストップ制御装置に電源遮断に基づく意図しないリセット(リセット解除)が発生したとすると、図18中に破線矢印で示すように、当該アイドルストップ制御装置に保持される制御情報は初期化される。そして、その制御情報は“非アイドルストップ状態”を示すようになる。一方、エンジン制御装置に保持される制御情報は依然として“アイドルストップ状態”を示すため、結局、これら電子制御装置に各々保持される制御情報(この例では、現在の車両状態がアイドルストップ状態にあるか否かを示す制御情報)には、これら装置間で不整合が生じることになる。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、当該電子制御装置に意図しない電源遮断に基づくリセットが発生した場合であれ、制御情報の不整合を生じさせることなく正確な制御情報に基づいて所望とされる車両制御を適正に行うことのできる車両の制御方法および電子制御装置を提供することを目的とする。
こうした目的を達成するため、請求項1記載の発明では、車両に搭載されている第1お
よび第2の電子制御装置が互いに通信して自らの保持する制御情報を更新しつつこれら各自に保持される制御情報の示す前記車両の状態に基づいて、これら第1および第2の電子制御装置の協働のもと、所望とされる車両制御を行う車両の制御方法として、前記第1および第2の電子制御装置は、それぞれ前記車両に搭載される内燃機関における点火態様・燃料噴射態様を制御する電子制御装置、および前記車両に搭載される内燃機関を外部から駆動してこれを自力回転させるスタータ装置のアイドルストップ動作を制御する電子制御装置であるとともに、前記所望とされる車両制御は、前記車両に搭載される内燃機関のアイドルストップ制御であって、前記制御情報は、前記車両に搭載される内燃機関のアイドルストップ制御に係る情報であるとともに、前記内燃機関および前記車両の少なくとも一方の運転状態に応じて前記第1および第2の電子制御装置のいずれか一方によって定期的に更新されて且つ他方の電子制御装置に定期的に送信されることにより、前記第1および第2の電子制御装置の両方に保持されるものであり、前記第1および第2の電子制御装置の一方に電源遮断に基づくリセットが発生したときには、他方に保持されている制御情報によって、当該リセットの発生した電子制御装置に保持されている制御情報の初期設定を行った後に、前記車両の制御を実行することとする。
車両の制御方法としてこうした方法を採用することとすれば、たとえ上記第1および第2の電子制御装置の一方に電源遮断に基づくリセットが発生したとしても、他方(第1もしくは第2の電子制御装置)に保持されている制御情報によって、具体的にはこれら(一方および他方の)電子制御装置の通信により、当該リセットの発生した電子制御装置に適正な制御情報が保持されるようになる。すなわち、こうした方法によれば、当該電子制御装置に意図しない電源遮断に基づくリセットが発生した場合であれ、当該装置に確実に適正な制御情報が保持され、前述した制御情報の不整合を生じさせることなく、正確な制御情報に基づいて所望とされる車両制御を適正に行うことが可能になる。
前述したように、車両に搭載されているスタータ装置のアイドルストップ動作を制御する電子制御装置(アイドルストップ制御装置)は、クランキング時(エンジン始動時)の電源低下により意図しない電源遮断、ひいては意図しないリセット(リセット解除)が発生し易くなっている。すなわち、こうしたアイドルストップ制御装置およびエンジン制御装置によるアイドルストップ制御システムは、従来知られている多種多様な車載システムの中でも特にこれら装置間で前述した制御情報の不整合が生じ易い環境にあり、近年、こうした環境にあっても所望とされる車両制御を適正に維持して行うことのできる車両の制御方法が、特に望まれる実情にある。この点、上記方法によれば、こうした要望が十分に満たされ、もって産業の発達に大きく寄与することになる。
また前述したように、こうしたアイドルストップ制御は、短時間の停車時にアイドリング回転をさせないように意識的にアイドリング時の点火・燃料噴射や排気等を止め、燃料消費を最小限に抑えるために行われる。また、当該内燃機関を再び作動(再起動)させる際には、同機関に対するスタータ駆動が必要になる。このため、上記請求項に記載の方法において、前記制御情報としては、請求項に記載の発明によるように、前記内燃機関における点火・燃料噴射の休止条件と同機関に対するスタータ駆動の開始条件とに係るパラメータを含むものを採用することが有効である。しかも、こうしたパラメータは、上記アイドルストップ制御装置とエンジン制御装置との間の通信をもって随時更新することが必要とされるため、こうしたパラメータを用いる場合に先の制御情報の不整合の問題が特に顕著になる。この意味でも、車両の制御方法としての上記方法は重要である。
またここで、前記内燃機関における点火・燃料噴射の休止条件と同機関に対するスタータ駆動の開始条件とに係るパラメータとしては、請求項に記載の発明によるように、前記車両のブレーキのオン/オフ状態、前記車両のアクセルの開閉状態、前記車両のステアリングの旋回状態、前記車両の走行速度、前記車両の走行道路の傾斜度合の少なくとも1つに応じてその値の定められるものを採用することが特に有効である。内燃機関における点火・燃料噴射の休止条件や、同機関に対するスタータ駆動の開始条件を適切に定めるためには、ここに列挙するパラメータが特に重要になる。
さらに、これら請求項またはに記載の車両の制御方法において、前記内燃機関における点火・燃料噴射の休止条件と同機関に対するスタータ駆動の開始条件とに係るパラメータは、請求項に記載の発明によるように、前記内燃機関のアイドルストップの禁止条件に係るパラメータの値に応じてその値の定められるものとすることがより有効である。例えば内燃機関(特にその状態)に係る条件、エミッションに係る条件、当該車両のバッテリに係る条件等によっては、内燃機関がアイドルストップ状態になること自体、好ましくない場合がある。この点、上記方法によれば、所望の条件で同機関のアイドルストップを禁止することが可能になるため、こうした場合にも柔軟に対応して、きめの細かい制御が可能になる。
具体的には、請求項に記載の発明によるように、前記内燃機関のアイドルストップの禁止条件に係るパラメータを、前記内燃機関の回転数、前記内燃機関の冷却水温度、前記車両の排気系に設けられた触媒の温度、前記車両のバッテリ残量の少なくとも1つに応じてその値の定められるものとすることによって、実情に適したかたちで前述のアイドルストップ制御の最適化が図られることになる。
また一方、請求項に記載の発明では、他の電子制御装置から送られてくる制御情報をもって自らの保持する制御情報を更新しつつこの制御情報の示す車両の状態に基づいて、該車両に搭載されている内燃機関を外部から駆動してこれを自力回転させるスタータ装置のアイドルストップ動作を制御する電子制御装置として、前記制御情報は、前記内燃機関のアイドルストップ制御に係る情報であるとともに、前記内燃機関および前記車両の少なくとも一方の運転状態に応じて前記他の電子制御装置および当該電子制御装置のいずれか一方によって定期的に更新されて且つ他方の電子制御装置に定期的に送信されることにより、前記他の電子制御装置および当該電子制御装置の両方に保持されるものであり、当該電子制御装置に電源遮断に基づくリセットが発生したときには、前記他の電子制御装置に保持されている制御情報を取得して自らの保持する制御情報に対し初期設定を行った後に、前記車両の制御を実行する構成とする。
スタータ装置のアイドルストップ動作を制御する電子制御装置としてこうした構成を採用することとすれば、例えばクランキング時(エンジン始動時)の電源低下により意図しない電源遮断、ひいては意図しないリセット(リセット解除)が発生した場合であれ、当該装置に確実に適正な制御情報が保持され、前述した制御情報の不整合を生じさせることなく、正確な制御情報に基づいて所望とされる車両制御が適正に行われるようになる。
また、この請求項に記載の電子制御装置についても、前記制御情報としては、請求項に記載の発明によるように、前記内燃機関における点火・燃料噴射の休止条件と同機関に対するスタータ駆動の開始条件とに係るパラメータを含むものを採用することが有効で
ある。すなわち、こうしたパラメータは上記電子制御装置においても重要である。
またこの場合、請求項に記載の発明によるように、前記内燃機関における点火・燃料噴射の休止条件と同機関に対するスタータ駆動の開始条件とに係るパラメータとして、前記車両のブレーキのオン/オフ状態、前記車両のアクセルの開閉状態、前記車両のステアリングの旋回状態、前記車両の走行速度、前記車両の走行道路の傾斜度合の少なくとも1つに応じてその値が定められるものを採用することが特に有効であることも、前述したとおりである。
さらに、請求項に記載の発明によるように、上記請求項またはに記載の電子制御装置において、前記内燃機関における点火・燃料噴射の休止条件と同機関に対するスタータ駆動の開始条件とに係るパラメータを、前記内燃機関のアイドルストップの禁止条件に係るパラメータの値に応じてその値の定められるものとすることで、前述したとおり、前記内燃機関のアイドルストップを禁止しなければならない場合にあってもこれに柔軟に対応することができるようになる。
そして具体的には、請求項1に記載の発明によるように、前記内燃機関のアイドルストップの禁止条件に係るパラメータを、前記内燃機関の回転数、前記内燃機関の冷却水温度、前記車両の排気系に設けられた触媒の温度、前記車両のバッテリ残量の少なくとも1つに応じてその値の定められるものとすることによって、実情に適したかたちで前述のアイドルストップ制御の最適化が図られることになる。
以下、図1〜図17を参照しつつ、この発明に係る車両の制御方法および電子制御装置を具体化した一実施の形態について説明する。なお、この実施の形態に係るシステムにおいても、車両に搭載されているエンジン制御装置(エンジン制御ECU)とアイドルストップ制御装置(アイドルストップ制御ECU)とが互いに協働(協調)して前述のアイドルストップ制御を行うようになっている。
まず、図1を参照して、このシステムの構成の概略について説明する。
同図1に示すように、このシステムは、大きくは、制御対象とする車両に搭載されている内燃機関(エンジン)を外部から駆動してこれを自力回転させるスタータ装置30、および該スタータ装置30のアイドルストップ動作を制御するアイドルストップ制御装置10、さらには点火態様・燃料噴射制御をはじめとした各種のエンジン制御を行うエンジン制御装置20等を有して構成されている。
そして、このシステムを主に構成する2つの電子制御装置、すなわち上記アイドルストップ制御装置10およびエンジン制御装置20は、それぞれCPU(中央処理装置)11および21、並びに電源回路(電源IC)12および22、さらにはCAN(Controller Area Network)コントローラ13および23等を有して構成されている。
ここで、上記電源回路12および22は、電磁式のメインリレー40を介して車載バッテリBTに接続されている。すなわち、例えば運転者によりエンジンの始動スイッチであるイグニッションスイッチIGSWがオン(閉)操作されると、車載バッテリBTの電源電圧により、バッファ回路25およびダイオードD1、さらには並列に接続されるプルダウン抵抗R1を介して、トランジスタT1がオンされる。そして、このトランジスタT1がオンされることによりリレーコイル41が通電されて、これに伴いリレースイッチ42がオン(閉)される。そうして、車載バッテリBTの電源電圧(通常「14V」)が上記電源回路12および22により例えば「5V」の動作電圧(Vcc)に調圧され、これが、CPU11および21をはじめとする電子制御装置の各構成部品へ供給(給電)されるようになっている。他方、上記イグニッションスイッチIGSWがオフ(開)操作されると、所定時間(例えば「5秒」)後に上記メインリレー40(リレースイッチ42)がオフ(開)され、これをもって、上記アイドルストップ制御装置10およびエンジン制御装置20への給電が遮断されるようになっている。なお、この実施の形態に係る上記各電子制御装置においても、前述したクランキング時(エンジン始動時)の瞬時オフ等も含め、これら電子制御装置(アイドルストップ制御装置10やエンジン制御装置20)に電源遮断があったときには、当該装置にリセットが発生する。ただし、この実施の形態に係るシステムにおいては、こうしたリセットが予期しないかたちで発生した場合であれ、前述した制御情報の不整合を生じさせることなく、正確な制御情報に基づいて、所望とされる車両制御が、すなわちアイドルストップ制御が適正に行われるようになっている(詳しくは後述)。
また、上記CANコントローラ13および23は、CPU11および21にかかる負荷を最小限に抑えるべく、多数のメッセージを管理しながら、ネットワークを構築するバスL1へアクセスすることによりデータ通信を行うものである。
さらに、上記アイドルストップ制御装置10およびエンジン制御装置20は、それぞれ例えばRAM(ランダムアクセスメモリ)等の揮発性メモリからなる記憶装置14および24を備える。すなわち、この実施の形態においても、先の図18に示したような制御情報(現在の車両状態がアイドルストップ状態にあるか否かを示す制御情報)が、これら電子制御装置の各々に保持されており、これが、両者間の通信をもって随時更新されている(これも詳しくは後述)。
また、上記アイドルストップ制御装置10は、上記CPU11による指令を通じて上記スタータ装置30の駆動を制御するように構成されている。具体的には、このCPU11の指令に基づき、同スタータ装置30(スタータモータ31)の給電経路に配設されているリレーコイル33の通電の有無、ひいてはリレースイッチ32のオン/オフ状態が所望に制御されるようになっている。すなわち、例えばエンジン始動(起動)時には、CPU11の指令に基づきリレーコイル33が通電されて、これに伴いリレースイッチ32がオン(閉)され、車載バッテリBTの電源電圧がスタータモータ31へ給電される。そうして、このスタータモータ31により、内燃機関に対するクランキング(スタータ駆動)が開始されることになる。なおここでは、例えば車載バッテリBTに電圧低下等があって上記CPU11からの指令(出力電圧)が不安定になってしまったときにも上記スタータ装置30に対して適正な指令を与え続けるべく、このスタータ装置30への指令をラッチ回路15によりラッチ(データ保持)するように構成している。図2は、このラッチ回路15の動作例を示す真理値表である。なお、これはRSラッチの動作例を示すものであり、表中の「R」はリセット端子、「S」はセット端子、「O」は出力端子にそれぞれ相当する。
一方、エンジン制御装置20は、上記CPU21による指令を通じて各種のエンジン制御を行うように構成されている。具体的には、同エンジン制御装置20は、例えば図示しないクランク角センサや、温度センサ、車速センサ、空燃比センサ、圧力センサ等による各種のセンサ出力に基づき、同じく図示しない燃料噴射弁(例えばインジェクタ)や、イグナイタ、電子制御式スロットル弁等といった各種アクチュエータの駆動を制御するようになっている。
次に、図3〜図16を参照して、上記システム(図1)によるアイドルストップ制御の制御態様について説明する。
はじめに、説明の便宜を図るべく、この制御において用いられる主なパラメータ(制御情報)を列記し、その名称および用途を明らかにしておく。なお、このシステムにおいて、これら各種のパラメータはいずれも、上記記憶装置14および24に記憶されるかたちで、上記アイドルストップ制御装置10およびエンジン制御装置20の各々に保持されている。
・「動作モード」:このパラメータは、当該車両に搭載されている内燃機関(エンジン)の作動条件、すなわち同機関における点火・燃料噴射の休止条件と同機関に対するスタータ駆動の開始条件とに係るものである。すなわち、この実施の形態においては、「動作モード=STOP」のとき、当該内燃機関における燃料カットや点火カットを実行し、また「動作モード=STOP」から「動作モード=RUN」への状態変化(遷移)があったとき、同機関に対するスタータ駆動を開始する(図7、図8、図13〜図15参照)。また、このパラメータの値は、例えば下記パラメータ「アイドルストップ条件」の値や、当該車両のブレーキのオン/オフ状態、当該車両のアクセルの開閉状態、当該車両のステアリングの旋回状態、当該車両の走行速度、当該車両の走行道路の傾斜度合に応じて定められる(図6参照)。
・「動作モード前回状態」:このパラメータは、上記パラメータ「動作モード」の以前(例えば「10ms」前)の状態(値)を示すものであって、例えば同パラメータ「動作モード」の状態変化(遷移)を検出するために用いられる(図3、図6参照)。
・「アイドルストップ条件」:このパラメータは、当該車両に搭載されている内燃機関(エンジン)のアイドルストップの禁止条件(可否条件)に係るものである。このパラメータの値は、例えば当該車両に搭載されている内燃機関(エンジン)の回転数、同機関の冷却水温度、当該車両の排気系に設けられた触媒の温度、当該車両に搭載されている車載バッテリBTの残量に応じて定められる(図12参照)。
・「スタータ状態」「スタータ状態i−1」:「スタータ状態」は、当該車両に搭載されているスタータ装置30(図1)の現在のオン/オフ状態を示すものである(図7参照)。一方、「スタータ状態i−1」は、同スタータ装置30の所定時間前(この実施の形態では「10ms」前)のオン/オフ状態を示すものであって、例えばこのスタータ装置30を安定動作させるべく行われるラッチ回路制御(図8)において用いられる。
・「タイマ」:このパラメータは、当該車両に搭載されているスタータ装置30(図1)の継続的に動作している時間(継続的に通電されている時間)を示すものである。
・「スタータONタイマ」:このパラメータは、当該車両に搭載されているスタータ装置30(図1)の継続的な動作(通電)の限界点(限界時間)を示すものであって、同スタータ装置30への過度な通電の防止を図るために適宜の値(この実施の形態では「500ms」)が設定される(図7のステップS146参照)。
さて、まず図3〜図9を参照して、上記システム(図1)によるアイドルストップ制御の制御態様の、特に上記アイドルストップ制御装置10に係る各種の制御態様について説明する。
図3は、上記アイドルストップ制御装置10による初期化処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、この初期化処理は、当該アイドルストップ制御装置10における起動(再起動も含む)直後の処理として行われる。
同図3に示すように、当該アイドルストップ制御装置10は、この初期化処理を行うに際して、まず、ステップS111において、エンジン制御装置20から送られてくる制御情報、すなわち上記パラメータ「動作モード」の値などを受信する(初期化受信)。そして、この受信が完了したら、続くステップS112〜S114において、受信したパラメータ「動作モード」の値(「RUN」もしくは「STOP」)に応じて、自らの保持するパラメータ「動作モード」の値を更新(初期設定)する。具体的には、ステップS112において、受信したパラメータ「動作モード」の値が「RUN」か、もしくは「STOP」か、を判断し、続くステップS113もしくはS114にて、自らの保持するパラメータ「動作モード」に対してその値(「RUN」もしくは「STOP」)を設定する。
そして次に、ステップS115において、自らの保持するパラメータ「動作モード前回状態」に値「STOP」を設定(初期設定)する。さらに、これに続くステップS116においては、同じく自らの保持するパラメータ「スタータ状態i−1」に値「OFF」を設定(初期設定)する。
図4は、上記アイドルストップ制御装置10による受信処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、この受信処理は、所定の周期で行われる処理であって、例えば「1ms」毎の周期で行われる。
同図4に示すように、この受信処理においては、まず、ステップS121にて、CANコントローラ13(図1)に受信があったか否かが判断される。そして、もし受信があれば、続くステップS122にて、その受信情報が取得される。このように、このアイドルストップ制御装置10においては、例えば「1ms」毎に受信の有無をチェックすることによって、受信した情報を随時取得するようにしている。なお、この受信情報には、エンジン制御装置20から送られてくるパラメータ「アイドルストップ条件」の値など(制御情報)も含まれる。
図5は、上記アイドルストップ制御装置10に係る各種制御の処理順序を示すフローチャートである。なお、この一連の処理も、所定の周期で行われる処理であって、例えば「10ms」毎の周期で行われる。
同図5に示すように、この一連の処理においては、動作モード判定(ステップS130)、スタータ制御(ステップS140)、ラッチ回路制御(ステップS150)、送信処理(ステップS160)が順次実行される。なお、ステップS160の送信処理においては、上記CANコントローラ13(図1)を通じてデータの送信が行われる。そして、ここで送信されるデータには、例えば上記パラメータ「動作モード」をはじめとする当該アイドルストップ制御装置10に保持されている各種パラメータの値など(制御情報)が含まれる。
図6〜図8に、上記動作モード判定(ステップS130)およびスタータ制御(ステップS140)およびラッチ回路制御(ステップS150)に係る処理についてその詳細を示す。
図6は、上記動作モード判定(ステップS130)に係る処理についてその処理手順とともにその処理内容の詳細を示すフローチャートである。なお、この一連の処理も、所定の周期で行われる処理であって、例えば「10ms」毎の周期で行われる。
同図6に示すように、当該アイドルストップ制御装置10は、この一連の処理に際して、まず、ステップS131において、自らの保持するパラメータ「動作モード前回状態」の更新処理を行う。具体的には、同じく自らの保持するパラメータ「動作モード」の更新に先立ってこの「動作モード」の値(更新前の値)を、当該パラメータ「動作モード前回状態」に対して設定しておくようにする。
次に、ステップS132〜S137において、自らの保持するパラメータ(「アイドルストップ条件」)の値や、車両の状態(ブレーキ、アクセル、ステアリング、走行速度、走行道路の傾斜度合)を確認する。そして、これらパラメータおよび車両の状態に応じて、上記パラメータ「動作モード」の設定値を決定する(ステップS138およびS139)。
具体的には、「アイドルストップ条件」の値が許可、ブレーキがON、アクセルが閉、ステアリングが直進、走行速度が停止、走行道路の傾斜度合が平地、の全ての条件を満たすときには、上記パラメータ「動作モード」の値が「STOP」に設定される。他方、これら条件のいずれかが満たされないときには、同パラメータ「動作モード」の値が「RUN」に設定される。
図7は、上記スタータ制御(ステップS140)に係る処理についてその処理手順とともにその処理内容の詳細を示すフローチャートである。なお、この一連の処理も、所定の周期で行われる処理であって、例えば「10ms」毎の周期で行われる。
同図7に示すように、当該アイドルストップ制御装置10は、この一連の処理に際して、まず、ステップS141にて、自らの保持するパラメータ「スタータ状態」の値を確認する。そして、この「スタータ状態」の値が「OFF」であれば、続くステップS142にて、同じく自らの保持するパラメータ「動作モード」について「STOP」から「RUN」への状態変化(遷移)があったか否かが判断される。ここで、この状態変化(遷移)があったと判断されると、続くステップS143にて、当該装置10に保持されるパラメータ「タイマ」に値「0」が設定され、さらに続くステップS144にて、上記パラメータ「スタータ状態」の値が「ON」に設定される。他方、上記ステップS142にて、「動作モード」の状態変化(遷移)がなかったと判断されるときには、これらの処理は行わない。
また、先のステップS141にて、上記パラメータ「スタータ状態」の値が「ON」であると判断されるときには、続くステップS145およびS146にて、当該車両のエンジン回転数および上記パラメータ「タイマ」の値を確認する。そして、これらステップにおいて、エンジン回転数が「500rpm」未満で、且つ、上記「タイマ」の値が、これも同じく当該装置10に保持されるパラメータ「スタータONタイマ」の値(ここでは「500ms」に初期設定されている)未満であると判断されれば、続くステップS147にて、現在の「タイマ」の値に「10ms」が加算される。他方、このときに少なくともいずれか一方の条件が満たされなければ、「タイマ」の加算を行うことなく、ステップS148にて、上記パラメータ「スタータ状態」の値が「OFF」に設定される。
図8は、上記ラッチ回路制御(ステップS150)に係る処理についてその処理手順とともにその処理内容の詳細を示すフローチャートである。なお、この一連の処理も、所定の周期で行われる処理であって、例えば「10ms」毎の周期で行われる。
同図8に示すように、この一連の処理においては、当該車両におけるスタータ装置30の状態を示す2つのパラメータ「スタータ状態i−1」および「スタータ状態」を比較して、両者の間に状態変化(遷移)があったときにのみ、ラッチ回路15(図1)の出力を変化させ、ひいてはスタータ装置30のオン/オフ状態を変化させるようにしている。
具体的には、まず、ステップS151〜S153において、「スタータ状態」および「スタータ状態i−1」の値を確認して、これらが同一の値であれば、続くステップS155にて、ラッチ回路15のS端子およびR端子を双方ともに「論理L(ロー)レベル」に維持する。他方、これらが異なる値であれば、「スタータ状態」の値に合わせてスタータ装置30を駆動すべく、上記ラッチ回路15の出力を変化させる。すなわち、「スタータ状態」の値が「OFF」で、「スタータ状態i−1」の値が「ON」であれば、ステップS154にて、ラッチ回路15のS端子を「論理L(ロー)レベル」に、またR端子を「論理H(ハイ)レベル」に設定することにより、上記スタータ装置30を停止させる。また一方、「スタータ状態」の値が「ON」で、「スタータ状態i−1」の値が「OFF」であれば、ステップS156にて、ラッチ回路15のS端子を「論理H(ハイ)レベル」に、またR端子を「論理L(ロー)レベル」に設定することにより、上記スタータ装置30を作動させる(図2も併せ参照)。そして、いずれの場合においても、最後のステップS157においては、上記「スタータ状態i−1」が「スタータ状態」と置き換えられる。すなわち、同パラメータ「スタータ状態i−1」は、常に所定の周期(ここでは「10ms」周期)で更新されている。
次に、図9〜図16を参照して、上記システム(図1)によるアイドルストップ制御の制御態様の、特に上記エンジン制御装置20に係る各種の制御態様について説明する。
図9は、上記エンジン制御装置20による受信処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、この受信処理は、所定の周期で行われる処理であって、例えば「1ms」毎の周期で行われる。
同図9に示すように、この受信処理においては、まず、ステップS201にて、CANコントローラ23(図1)に受信があったか否かが判断される。そして、もし受信があれば、続くステップS202にて、その受信情報が取得される。さらに続くステップS203では、受信フラグに「ON」が設定される。他方、受信がなければ、これらの処理は行われない。このように、このエンジン制御装置20においては、例えば「1ms」毎に受信の有無をチェックすることによって、受信した情報を随時取得するようにしている。なお、当該エンジン制御装置20内にあって受信の都度「ON」に設定される上記受信フラグは、上記CANコントローラ23における受信異常を判定(検出)するためのものである。
図10は、上記エンジン制御装置20による各種制御の処理順序を示すフローチャートである。なお、この一連の処理も、所定の周期で行われる処理であって、例えば「10ms」毎の周期で行われる。
同図10に示すように、この一連の処理においては、メインリレー制御(ステップS210)、アイドルストップ条件判定(ステップS220)、燃料カット判定(ステップS230)、点火カット判定(ステップS240)、CAN送信処理(ステップS250)が順次実行される。図11〜図16に、これらステップS210〜S250に係る処理についてその詳細を示す。
図11は、上記メインリレー制御(ステップS210)に係る処理についてその処理手順とともにその処理内容の詳細を示すフローチャートである。なお、この一連の処理も、所定の周期で行われる処理であって、例えば「10ms」毎の周期で行われる。
同図11に示すように、この一連の処理に際しては、まず、ステップS211において、当該車両(エンジン)の始動スイッチであるイグニッションスイッチIGSW(図1)のオン(ON)/オフ(OFF)状態が確認される。
そして、同スイッチIGSWがオフ状態にあると判断されるときには、続くステップS212にて、これがオフ状態になってから所定時間(例えば「5秒」)を経過したか否かが判断される。そして、もし経過していれば、続くステップS213にて、当該システムにあって電源系統を構成する上記メインリレー40(図1)がオフ制御され、逆に経過していなければ、続くステップS214にて同メインリレー40がオン制御される。また、先のステップS211において、上記イグニッションスイッチIGSWがオン状態にあると判断されるときにも、これに続くステップS214にて、上記メインリレー40がオン制御されることになる。
このように、上記メインリレー40は、内燃機関(エンジン)の点火・始動スイッチとしてオン/オフ操作されるイグニッションスイッチIGSWのオン/オフ状態に応じてオン/オフ制御されるようになっている。なお、このとき上記イグニッションスイッチIGSWのオン/オフ状態を適宜のパラメータとして保存しておけば、例えば後述するCAN送信処理(図16)を通じて当該エンジン制御装置20からアイドルストップ制御装置10へこれを送信することにより、同装置10においてこれを用いてリセット発生原因の判別等を行うこともできるようになる。
図12は、上記アイドルストップ条件判定(ステップS220)に係る処理についてその処理手順とともにその処理内容の詳細を示すフローチャートである。なお、この一連の処理も、所定の周期で行われる処理であって、例えば「10ms」毎の周期で行われる。
同図12に示すように、当該エンジン制御装置20は、この一連の処理に際して、まず、ステップS221〜S224にて、車両の状態(当該内燃機関(エンジン)の回転数、同機関の冷却水温度(冷却水温)、当該車両の排気系に設けられた触媒の温度、車載バッテリBT(図1)の残量)を確認する。そして、これらの状態に応じて、自らの保持するパラメータ「アイドルストップ条件」の設定値を決定する(ステップS225およびS226)。
具体的には、「エンジン回転数<1000rpm」、「冷却水温≧90℃」、「触媒温度≧500℃」、「バッテリ残量≧90%」、の全ての条件を満たすときには、上記パラメータ「アイドルストップ条件」の値が「許可」に設定され、いずれかの条件が満たされないときには、同「アイドルストップ条件」の値が「禁止」に設定される。
図13は、上記燃料カット判定(ステップS230)に係る処理についてその処理手順とともにその処理内容の詳細を示すフローチャートである。なお、この一連の処理も、所定の周期で行われる処理であって、例えば「10ms」毎の周期で行われる。
同図13に示すように、当該エンジン制御装置20は、この一連の処理に際して、まず、ステップS231〜S234にて、自らの保持するパラメータの値や、車両の状態を確認する。そして、これらパラメータの値および状態に基づいて、燃料カットを実行するか否かを決定する(ステップS235およびS236)。
具体的には、当該車両が非アイドル状態にある場合は、「動作モード=RUN」、「エンジン回転数<7000rpm(非オーバーラン)」の2つの条件を同時に満たすときには燃料カットを実行せず、いずれかの条件が満たされないときには、燃料カットを実行する。他方、当該車両がアイドル状態にある場合は、「動作モード=RUN」、「エンジン回転数<7000rpm(非オーバーラン)」、「エンジン回転数<NCUT」の全ての条件を満たすときには燃料カットを実行せず、いずれかの条件が満たされないときには、燃料カットを実行する。なお、ここで用いられる「NCUT」の値は、例えば冷却水温に応じて可変とされ、例えば図14に示すように、当該エンジン制御装置20に記憶保持されるマップ(テーブル)等により予め定められている。
このように、この実施の形態においては、オーバーラン時や減速時の燃料カットに加え、エンジン停止指示(「動作モード=STOP」)があった場合にも、燃料カットを実行して内燃機関(エンジン)を停止させるようにしている。
図15は、上記点火カット判定(ステップS240)に係る処理についてその処理手順とともにその処理内容の詳細を示すフローチャートである。なお、この一連の処理も、所定の周期で行われる処理であって、例えば「10ms」毎の周期で行われる。
同図15に示すように、当該エンジン制御装置20は、この一連の処理に際して、まず、ステップS241にて、自らの保持するパラメータ「動作モード」の値を確認する。そして、同パラメータ「動作モード」の値がRUNであれば、続くステップS242において、点火カットを実行することなく、通常の点火制御を継続して行う。他方、同パラメータ「動作モード」の値がSTOPであれば、続くステップS243において、点火カットを実行する。
図16は、上記CAN送信処理(ステップS250)に係る処理についてその処理手順とともにその処理内容の詳細を示すフローチャートである。なお、この一連の処理も、所定の周期で行われる処理であって、例えば「10ms」毎の周期で行われる(ブロードキャスト方式)。
同図16に示すように、当該エンジン制御装置20は、上記CANコントローラ23(図1)を通じて所定時間毎(ここでは「10ms」毎)にデータの送信を行っている(ステップS251)。なお、ここで送信されるデータには、例えばアイドルストップ制御装置10においても用いられるパラメータの値、すなわち上記「アイドルストップ条件」(図6参照)や「動作モード」(図3参照)といった各種のパラメータの値など(制御情報)も含まれる。
上述のように、この実施の形態に係るシステムにおいては、2つの電子制御装置(アイドルストップ制御装置10およびエンジン制御装置20)が互いに通信して自らの保持する制御情報(パラメータ)を更新しつつこれら各自に保持される制御情報の示す車両の状態に基づいて、これら装置の協働(協調)のもとにアイドルストップ制御を行っている。例えばエンジン制御装置20側で車両の状態などに基づいて適宜に更新されているパラメータ「アイドルストップ条件」は、上記アイドルストップ制御装置10においても保持され、両装置間の通信をもって随時その値が更新されている。また逆に、アイドルストップ制御装置10側で車両の状態などに基づいて適宜に更新されているパラメータ「動作モード」についてもこれは、上記エンジン制御装置20においても保持され、同じく両装置間の通信をもって随時その値が更新されている。以下、図17を併せ参照して、これら電子制御装置間の通信をもって随時行われている制御情報(パラメータ)の更新態様について説明する。
すなわち、エンジン制御装置20が起動(再起動も含む)すると、同装置20においては、まず、当該車両(エンジン)の始動スイッチであるイグニッションスイッチIGSWがオフ(Off)状態にあると判断される。そして、例えば運転者により同スイッチIGSWがオン操作されると、当該車両に搭載されている内燃機関(エンジン)は、通常運転の状態(非アイドルストップ状態)になる。そしてこれ以降、このエンジン制御装置20は、上記アイドルストップ制御装置10から送られてくるパラメータ「動作モード」の値などに基づいて通常運転(非アイドルストップ状態)およびアイドルストップ運転(アイドルストップ状態)の切り替えを行いつつ、同機関の運転を制御することになる。なお、同装置20に保持される制御情報(ここでは、特にパラメータ「動作モード」)が“アイドルストップ状態”を示すときに、燃料カットや点火カットといった制御が行われることは、前述したとおりである(図13、図15参照)。
一方、アイドルストップ制御装置10は、同装置10に保持される制御情報(ここでは、特にパラメータ「動作モード」の値)に基づいて通常運転(非アイドルストップ状態)およびアイドルストップ運転(アイドルストップ状態)のいずれであるかを判断し、適当なタイミングで当該車両の内燃機関に対するスタータ駆動を実行(開始)する。また、このアイドルストップ制御装置10は、上記パラメータ「動作モード」の値に対し上記エンジン制御装置20側で監視している車両の状態も反映させるべく、同エンジン制御装置20から送られてくるパラメータ「アイドルストップ条件」の値などに基づいてこれを随時更新している(図6参照)。
ここで、上記アイドルストップ制御装置10は、当該装置10に電源遮断に基づくリセット(リセット解除)が発生したとき、上記エンジン制御装置20との通信により同装置20に保持されている制御情報を取得して、これをもって、自らの保持する制御情報(パラメータ「動作モード」)に対し初期設定を行うように構成されている(図3参照)。このため、たとえ車両がアイドルストップ状態にあるときにクランキング時(エンジン始動時)の電源低下等に起因してアイドルストップ制御装置10に電源遮断に基づく意図しないリセットが発生したとしても、図17中に破線矢印で示すように、当該装置10に保持されている制御情報は、実際の車両の状態に一致するほうの状態を示すようになる。こうして、このシステムにおいては、当該アイドルストップ制御装置10に保持されている制御情報(特にそのパラメータ「動作モード」)と実際の車両の状態との整合が、ひいては同アイドルストップ制御装置10とエンジン制御装置20との同期が、常にとられるようになっている。
以上説明したように、この実施の形態に係る車両の制御方法および電子制御装置によれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(1)このシステムにあっては、2つの電子制御装置(アイドルストップ制御装置10およびエンジン制御装置20)が互いに通信して自らの保持する制御情報(パラメータ)を更新しつつこれら各自に保持される制御情報の示す車両の状態に基づいて、これら装置の協働(協調)のもとにアイドルストップ制御を行う。そして、このうちのアイドルストップ制御装置10を、当該装置10に電源遮断に基づくリセット(リセット解除)が発生したとき、上記エンジン制御装置20との通信により同装置20に保持されている制御情報を取得して、これをもって、自らの保持する制御情報(特にそのパラメータ「動作モード」)に対し初期設定を行う構成とした(図3参照)。これにより、同アイドルストップ制御装置10に意図しない電源遮断に基づくリセットが発生した場合であれ、当該装置10に確実に適正な制御情報が保持され、前述した制御情報の不整合を生じさせることなく、正確な制御情報に基づいて、所望とされる車両制御を、すなわちアイドルストップ制御を適正に行うことが可能になる。
(2)上記アイドルストップ制御装置10およびエンジン制御装置20に保持される制御情報の1つとして、当該車両に搭載されている内燃機関(エンジン)における点火・燃料噴射の休止条件と同機関に対するスタータ駆動の開始条件とに係るパラメータ「動作モード」を採用することとした。こうしたパラメータは、アイドルストップ制御を円滑に効率よく行う上で特に重要である。
(3)また、このパラメータ「動作モード」を、車両のブレーキのオン/オフ状態、車両のアクセルの開閉状態、車両のステアリングの旋回状態、車両の走行速度、車両の走行道路の傾斜度合に応じてその値の定められるものとした(図6参照)。当該車両に搭載されている内燃機関(エンジン)における点火・燃料噴射の休止条件や、同機関に対するスタータ駆動の開始条件を適切に定めるためには、ここに列挙するパラメータが特に重要になる。
(4)さらに、このパラメータ「動作モード」を、内燃機関(エンジン)のアイドルストップの禁止条件に係るパラメータ「アイドルストップ条件」に応じてその値の定められるものとした(図6参照)。これにより、同機関のアイドルストップを禁止しなければならない場合にあっても、これに柔軟に対応することができるようになる。
(5)また、このパラメータ「アイドルストップ条件」を、内燃機関の回転数、内燃機関の冷却水温度、車両の排気系に設けられた触媒の温度、車両のバッテリ残量に応じてその値の定められるものとした(図12参照)。これにより、より実情に適したかたちでアイドルストップ制御の最適化が図られることになる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記2つの電子制御装置(アイドルストップ制御装置10およびエンジン制御装置20)に保持されて随時更新される制御情報は、所望とされる制御に応じて任意のものを採用することができる。
・また、この制御情報を記憶保持させる媒体(記憶装置14および24)についてもこれは、揮発性メモリに限定されるものではなく、例えば不揮発性メモリ、あるいはバックアップRAM等も適宜に採用可能である。要は、該制御情報の保持を可能とするものであれば足りる。
・また、上述のアイドルストップ制御のみならず他の車両制御にも、この発明は適宜に採用可能である。
この発明に係る車両の制御方法および電子制御装置の一実施の形態について、その電子制御装置の概略構成を示すブロック図。 ラッチ回路の動作例を示す真理値表。 同実施の形態に係る車両の制御方法について、アイドルストップ制御装置による初期化処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態に係る車両の制御方法について、アイドルストップ制御装置による受信処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態に係る車両の制御方法について、アイドルストップ制御装置に係る各種制御の処理順序を示すフローチャート。 同実施の形態に係る車両の制御方法について、動作モード判定(図5のステップS130)に係る処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態に係る車両の制御方法について、スタータ制御(図5のステップS140)に係る処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態に係る車両の制御方法について、ラッチ回路制御(図5のステップS150)に係る処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態に係る車両の制御方法について、エンジン制御装置による受信処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態に係る車両の制御方法について、エンジン制御装置に係る各種制御の処理順序を示すフローチャート。 同実施の形態に係る車両の制御方法について、メインリレー制御(図10のステップS210)に係る処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態に係る車両の制御方法について、アイドルストップ条件判定(図10のステップS220)に係る処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態に係る車両の制御方法について、燃料カット判定(図10のステップS230)に係る処理の処理手順を示すフローチャート。 図13中の「NCUT」の値と冷却水温とを関連付けするマップ。 同実施の形態に係る車両の制御方法について、点火カット判定(図10のステップS240)に係る処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態に係る車両の制御方法について、CAN送信処理(図10のステップS250)に係る処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態に係るシステムにおいて、アイドルストップ制御装置およびエンジン制御装置に保持されている制御情報の更新態様を模式的に示す図。 従来のシステムにおいて、アイドルストップ制御装置およびエンジン制御装置に保持されている制御情報の更新態様を模式的に示す図。
符号の説明
10…アイドルストップ制御装置(アイドルストップ制御ECU)、11、21…CPU(中央処理装置)、12、22…電源回路(電源IC)、13、23…CANコントローラ、14、24…記憶装置、15…ラッチ回路、20…エンジン制御装置(エンジン制御ECU)、30…スタータ装置、31…スタータモータ、32…リレースイッチ、33…リレーコイル、40…メインリレー、41…リレーコイル、42…リレースイッチ、BT…車載バッテリ、IGSW…イグニッションスイッチ。

Claims (10)

  1. 車両に搭載されている第1および第2の電子制御装置が互いに通信して自らの保持する制御情報を更新しつつこれら各自に保持される制御情報の示す前記車両の状態に基づいて、これら第1および第2の電子制御装置の協働のもと、所望とされる車両制御を行う車両の制御方法において、
    前記第1および第2の電子制御装置は、それぞれ前記車両に搭載される内燃機関における点火態様・燃料噴射態様を制御する電子制御装置、および前記車両に搭載される内燃機関を外部から駆動してこれを自力回転させるスタータ装置のアイドルストップ動作を制御する電子制御装置であるとともに、前記所望とされる車両制御は、前記車両に搭載される内燃機関のアイドルストップ制御であって、
    前記制御情報は、前記車両に搭載される内燃機関のアイドルストップ制御に係る情報であるとともに、前記内燃機関および前記車両の少なくとも一方の運転状態に応じて前記第1および第2の電子制御装置のいずれか一方によって定期的に更新されて且つ他方の電子制御装置に定期的に送信されることにより、前記第1および第2の電子制御装置の両方に保持されるものであり、
    前記第1および第2の電子制御装置の一方に電源遮断に基づくリセットが発生したときには、他方に保持されている制御情報によって、当該リセットの発生した電子制御装置に保持されている制御情報の初期設定を行った後に、前記車両の制御を実行する
    ことを特徴とする車両の制御方法。
  2. 記制情報は、前記内燃機関における点火・燃料噴射の休止条件と同機関に対するスタータ駆動の開始条件とに係るパラメータを含む
    請求項1に記載の車両の制御方法。
  3. 記内燃機関における点火・燃料噴射の休止条件と同機関に対するスタータ駆動の開始条件とに係るパラメータは、前記車両のブレーキのオン/オフ状態、前記車両のアクセルの開閉状態、前記車両のステアリングの旋回状態、前記車両の走行速度、前記車両の走行道路の傾斜度合の少なくとも1つに応じてその値が定められるものである
    請求項2に記載の車両の制御方法。
  4. 前記内燃機関における点火・燃料噴射の休止条件と同機関に対するスタータ駆動の開始条件とに係るパラメータは、前記内燃機関のアイドルストップの禁止条件に係るパラメータの値に応じてその値が定められるものである
    請求項2または3に記載の車両の制御方法。
  5. 前記内燃機関のアイドルストップの禁止条件に係るパラメータは、前記内燃機関の回転数、前記内燃機関の冷却水温度、前記車両の排気系に設けられた触媒の温度、前記車両のバッテリ残量の少なくとも1つに応じてその値が定められるものである
    請求項4に記載の車両の制御方法。
  6. 他の電子制御装置から送られてくる制御情報をもって自らの保持する制御情報を更新しつつこの制御情報の示す車両の状態に基づいて、該車両に搭載されている内燃機関を外部から駆動してこれを自力回転させるスタータ装置のアイドルストップ動作を制御する電子制御装置において、
    前記制御情報は、前記内燃機関のアイドルストップ制御に係る情報であるとともに、前記内燃機関および前記車両の少なくとも一方の運転状態に応じて前記他の電子制御装置および当該電子制御装置のいずれか一方によって定期的に更新されて且つ他方の電子制御装置に定期的に送信されることにより、前記他の電子制御装置および当該電子制御装置の両方に保持されるものであり、
    当該電子制御装置に電源遮断に基づくリセットが発生したときには、前記他の電子制御装置に保持されている制御情報を取得して自らの保持する制御情報に対し初期設定を行った後に、前記車両の制御を実行する
    ことを特徴とする電子制御装置
  7. 前記制御情報は、前記内燃機関における点火・燃料噴射の休止条件と同機関に対するスタータ駆動の開始条件とに係るパラメータを含む
    請求項6に記載の電子制御装置。
  8. 記内燃機関における点火・燃料噴射の休止条件と同機関に対するスタータ駆動の開始条件とに係るパラメータは、前記車両のブレーキのオン/オフ状態、前記車両のアクセルの開閉状態、前記車両のステアリングの旋回状態、前記車両の走行速度、前記車両の走行道路の傾斜度合の少なくとも1つに応じてその値が定められるものである
    請求項7に記載の電子制御装置。
  9. 前記内燃機関における点火・燃料噴射の休止条件と同機関に対するスタータ駆動の開始条件とに係るパラメータは、前記内燃機関のアイドルストップの禁止条件に係るパラメータの値に応じてその値が定められるものである
    請求項7または8に記載の電子制御装置。
  10. 前記内燃機関のアイドルストップの禁止条件に係るパラメータは、前記内燃機関の回転数、前記内燃機関の冷却水温度、前記車両の排気系に設けられた触媒の温度、前記車両のバッテリ残量の少なくとも1つに応じてその値が定められるものである
    請求項9に記載の電子制御装置。
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