JP4410910B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気入りタイヤ、より詳細には乗用車用ラジアルプライタイヤに関し、特に、ドライ・ウエット舗装路面の走行性能を従来タイヤ同等以上に保持した上で、雪上走行性能とオフロード走行性能とを同時に向上させた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の雪上走行とオフロード走行とを兼ねる空気入りタイヤは、トレッド部30の踏面部31に、図6及び図7に示すトレッドパターンを備えている。図6、7に示すトレッドパターンは、タイヤ赤道面Eの両側に一対の直状周方向主溝32と、踏面部31の両側端Te に開口し、一方の開口部から他方の開口部までにわたり、各直状周方向主溝32を横断して延びる横断溝33、34とを有し、これら周方向主溝32及び横断溝33、34とその他の溝とが区画形成するブロック35の列、ブロック36、37の列、ブロック38の列、ブロック39の列を有する。
【0003】
この種の空気入りタイヤは、各周方向主溝32からブロック38、39それぞれに向け切り込んだ一対の凹部40を有するところに特徴を有している。凹部40は二つのタイプが知られていて、その一は、図6に示す一対の凹部40Aをブロック39側凹部40Aの斜視図で示す図8に見るように、凹部40Aは周方向主溝32の溝底まで達する貫通タイプであり、その二は、図7に示す一対の凹部40Bをブロック39側凹部40Bの斜視図で示す図9に見るように、凹部40Bは周方向主溝32の溝壁の途中までの棚状タイプである。これら凹部40A、40Bは、雪上走行性能向上やオフロード走行性能向上に有効なブロックエッジ成分増加を目的とするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、踏面部31に貫通タイプの凹部40Aを備える空気入りタイヤは、トレッドゴムの摩耗末期までブロックエッジ成分が有効に働くので、雪上走行性能やオフロード走行性能を優位なレベルに保持することが可能な反面、ブロック38、39の剛性を充分な値に確保することができず、その結果、舗装路面走行での操縦安定性能が不十分となり、特に、操舵時の腰の弱さが問題となっている。
【0005】
上記とは逆に、踏面ブロック31に棚状タイプの凹部40Bを備える空気入りタイヤは、ブロック38、39の充分な剛性を確保でき、舗装路面走行での操縦安定性能に問題は生じない反面、トレッドゴムの摩耗中期頃には凹部40Bが消滅し、その結果、雪上走行性能やオフロード走行性能が著しく低下する問題が発生している。
【0006】
従って、この発明の請求項1〜11に記載した発明は、上記問題の全面解決にあり、具体的には、ドライ・ウエット舗装路面走行では棚状タイプの凹部を備える空気入りタイヤと同等以上の優れた操縦安定性能と、雪上走行及びオフロード走行では貫通タイプの凹部を備える空気入りタイヤと同等以上の優れた走行性能とを両立させることができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の請求項1に記載した発明は、トレッド部は、踏面部の幅中央を挟む両側に少なくとも一対の直状周方向主溝と、踏面部の両側端に開口し、一方の開口部から他方の開口部まで各直状周方向主溝を横断して延びる横断溝とを有し、踏面部は、これら周方向主溝と横断溝とが区画形成するブロックの複数列を備える空気入りタイヤにおいて、
上記の各周方向主溝は、それを挟む両側のブロック位置にタイヤ内方に向かい末窄まりの楔状溝部分を有し、楔状溝部分は、そのタイヤ外方部分が両側のブロックの表面側部分に切り込むと同時にタイヤ内方部分が主溝内両壁から張出す一連なりの形状を有することを特徴とする空気入りタイヤである。
【0008】
請求項1に記載した発明に関し、請求項2に記載した発明のように、楔状溝部分は、周方向主溝の溝深さ以下の深さを有し、請求項1、2に記載した発明に関し、請求項3に記載した発明のように、周方向主溝縁及び楔状溝部分奥縁を通る踏面部表面の法線に対する傾斜角度に関し、周方向主溝は0°以上20°以下の範囲内の壁面傾斜角度を有し、楔状部分は5°以上60°以下の範囲内の壁面傾斜角度を有する。
【0009】
また、請求項1〜3に記載した発明に関し、請求項4に記載した発明のように、楔状溝部分は、径方向外向きに末広がりの仮想円錐台錘面の一部をなす対向壁面を有し、請求項1〜4に記載した発明に関し、請求項5に記載した発明のように、楔状溝部分の底は周方向主溝の底幅のほぼ中央に位置させて成る。
【0010】
また、請求項1〜5に記載した発明に関し、請求項6に記載した発明のように、楔状溝部分は、その断面が踏面部表面の延長線を含め略三角形状を有し、この楔状溝部分は周方向主溝の溝深さに対し同一深さ及びより浅い深さのいずれか一方の深さを有し、これとは別に、請求項1〜5に記載した発明に関し、請求項7に記載した発明のように、楔状溝部分は、その断面が踏面部表面の延長線を含め略台形の形状を有し、この楔状溝部分は周方向主溝の溝深さに比しより浅い深さを有する。
【0011】
また、請求項1〜7に記載した発明に関し、請求項8に記載した発明のように、楔状溝部分は、周方向主溝に張り出し始める深さが対向壁面相互間で同一である形状を有し、請求項1〜8に記載した発明に関し、請求項9に記載した発明のように、楔状溝部分は、周方向主溝に張り出し始める深さが対向壁面相互間で異なる形状を有する。
【0012】
また、請求項1〜9に記載した発明に関し、請求項10に記載した発明のように、楔状溝部分は、それが切り込むブロックの周方向の略中央に位置させ、かつ、該ブロックの傾斜方向に沿う方向に傾斜させて成る。
【0013】
また、請求項1〜10に記載した発明に関し、請求項11に記載した発明のように、楔状溝部分は、それが切り込むブロックの周方向長さの5%以上60%以下の範囲内の周方向長さと、ブロック表面にて、周方向主溝幅の10%以上150%以下の範囲内のタイヤ軸方向切り込み長さとを有する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1〜図5に基づき説明する。
図1は、この発明の空気入りタイヤの踏面展開図であり、
図2は、図1に示す楔状溝部分の拡大斜視図であり、
図3〜図5は、図1に示すIII − III線に沿う3タイプの楔状溝部分の拡大断面図である。
【0015】
空気入りタイヤ(以下タイヤという)は、図示を省略したが、トレッド部と、その両側に連なる一対のサイドウォール部及び一対のビード部とを有し、これら各部を、一対のビード部内にそれぞれ埋設したビードコア相互間にわたり補強するラジアルプライのカーカスと、カーカス外周でトレッド部を強化するベルトとを備える。
【0016】
図1において、トレッド部1の踏面部2は、踏面部2の幅中央、すなわちタイヤ赤道面(以下赤道面という)Eを挟む両側に少なくとも一対、図示例は一対の直状周方向主溝3を有する。周方向主溝3は、踏面部2の側端領域に位置する。また、踏面部2は、その両側端Te それぞれに開口し、各開口部から各周方向主溝3を横断してそれぞれ赤道面Eに向け延びる主傾斜溝4と、赤道面E両側の主傾斜溝4を結ぶ中央の傾斜溝5とを備える。中央傾斜溝5と、これに連通する2本の主傾斜溝4とは踏面部2の横断溝を形成する。
【0017】
図1に示す主傾斜溝4は、赤道面Eの各側で、側端Te 開口部から周方向主傾斜溝3を横断して中央傾斜溝5を超えて反転し、隣合う主傾斜溝4と互いにオーバーラップしながら弧状をなして順次踏面部2の周方向に延びる配列とし、主傾斜溝4の終端は別の副傾斜溝6に開口する。各副傾斜溝6は主傾斜溝4同様に両側端Te それぞれに開口する。よって図1に示すように、周方向主溝3と主傾斜溝4及び副傾斜溝6とが、周方向主溝3の両隣にブロック7の列とブロック8の列とを形成する。これで、踏面部2は少なくとも4列のブロック列を備えることになる。なお、主傾斜溝4の配設が必須要件であり、副傾斜溝6は省略を可とする。
【0018】
ここに、図2を併せ参照し、各周方向主溝3は、それを挟む両側のブロック7、8位置にタイヤ内方に向かい末窄まりの楔状溝部分10を有するものとする。楔状溝部分10は、両側のブロック7、8の表面2t (踏面2t )側部分に切り込むタイヤ外方部分10-1と、周方向主溝3内両壁3Wから張出すタイヤ内方部分10-2との形状を有する。タイヤ外方部分10-1とタイヤ内方部分10-2とはそれぞれ対をなして互いに向かい合わせに位置させる。図2に示すように、楔状溝部分10は、ブロック7の表面2t の奥縁10seから底10b を経てブロック8の表面2t の奥縁10seまで一連なりの形状を有する。
【0019】
以上述べた構成を有する踏面部2のトレッド部1を有するタイヤは以下(1)〜(6)で述べる効果を発揮する。
(1)一対の直状周方向主溝3を配設することで、ウエット路面走行時の良好な排水性を確保し、オフロード走行オフロード雪上走行では優れた耐横滑り性を保持する。
(2)主傾斜溝4は、中央傾斜溝5を介して両側端Te を横断し、周方向主溝3との協同で複数列、図示例では4列のブロック7、8の列及び中央1列のブロック11の列を形成し、また、他の細溝12との協同で、2列のブロック13a 、13b の列を形成ので、排水性はもとより雪上走行及びオフロード走行での牽引・制動性能は優位なレベルを保持する。これら(1)、(2)項は従来タイヤの性能レベル保持を保証する。
【0020】
さらに、周方向主溝3に、しかもブロック7、8位置に設ける楔状溝部分10がもたらす効果が、この発明の主眼とするところである。すなわち、
(3)楔状溝部分10は、トレッドゴムの摩耗初期から中期に至るまではタイヤ外方部分10-1の前後縁がブロック7、8の前後方向エッジ成分として働き、摩耗中期から摩耗末期に至る間はタイヤ内方部分10-2がブロック7、8を周方向主溝3に向け凸状となり前後方向エッジ成分として働くので、新品タイヤから摩耗末期までにわたる全使用期間を通じ、雪上走行及びオフロード走行にて優れた牽引性能・制動性能を発揮することができる。
【0021】
(4)楔状溝部分10を一方のブロックのみに設けずに対向する両側ブロック7、8に設けることで、ブロック剛性を適度な値に保持した上で、合計切り込み長さをより一層長くすることができ、その分、上記の牽引性能・制動性能の向上度合いを高めることができる。
【0022】
(5)楔状溝部分10は、両側のタイヤ外方部分10-1と、両側のタイヤ内方部分10-2とのそれぞれを互いに向かい合わせとし、両側のタイヤ内方部分10-2を底10b で連結する一連なり構成とすることで、周方向主溝3を挟み対向するブロック7、8は、互いに支え合う形態をとり、これにより、従来の凹部40A、40Bに比しブロック剛性が高まり、舗装路面走行及びオフロード走行におけるコーナリング時の踏面部2の剛性感が増すと共にコーナリング性能が大幅に向上する。
【0023】
(6)また、楔状溝部分10は、オフロード走行中に噛み込む小石などの異物を吐き出す(ストーンエジェクト)副弐効果を発揮し、異物噛み込みによる溝底10b の損傷を回避させる効果をも奏する。
【0024】
以下、図1〜図5に基づき、楔状溝部分10をより一層詳細に説明する。
まず、楔状溝部分10は、周方向主溝3の溝深さD(mm)以下の深さd(mm)を有する。図2及び図5に示す楔状溝部分10の深さdは周方向主溝3の溝深さDより浅く、図3及び図4に示す楔状溝部分10の深さdは周方向主溝3の溝深さDと同等である。深さdの詳細は後述する。
【0025】
次に、図3〜図5において、周方向主溝3の縁及び楔状溝部分10の奥縁を通る踏面部2表面2tの法線Lvに対する傾斜角度は次の通りである。すなわち、周方向主溝3は0°以上20°以下の範囲内の壁面傾斜角度αを有し、楔状部分10は5°以上60°以下の範囲内の壁面傾斜角度β(β1、β2)を有する。ただしβ(β1、β2)>αの関係を保持する。この角度関係により、楔状溝部分10の有効な切り込み外方部分10-1及び有効な張出し内方部分10-2を形成することができる。図3及び図5に示す両者の傾斜角度βは同一の例を示し、図4に示す両者の傾斜角度βについては、ブロック8側の傾斜角度β2をブロック7側の傾斜角度β1より大きくしている。この効用は後述する。
【0026】
周方向主溝3の壁面傾斜角度αにつき、角度αが0°未満ではブロック7、8の剛性低下が著しく、コーナリング特性の低下が免れない一方、角度αが20°を超えると、主溝3の溝容積の減少が著しく、排水性の低下や雪上走行での耐横滑り性の低下が生じるので、いずれも不適合である。
【0027】
楔状溝部分10の壁面傾斜角度β(β1 、β2 )につき、角度β(β1 、β2)が5°未満では実際上楔状とする意味がなく、前述した牽引性能・制動性能の向上効果及びコーナリング性能向上効果が不十分となり、角度β(β1 、β2 )が60°を超えると、楔状溝部分10の溝容積が著しく減少して排水性に悪影響を及ぼすので、いずれも不適合である。
【0028】
次に、楔状溝部分10は、円錐台錐面の対向壁面10-1、10-2を有する。円錐台錐面とは厳密な表現であり、寧ろ対向壁面10-1、10-2は平面乃至平面に近い面形状を有する、といってよい。これで良好な排水性を確保することができる。また、楔状溝部分10の底10b は周方向主溝3の底幅wのほぼ中央に位置させるのが排水性の点で適合する。
【0029】
次に、図2〜図4に示すように、楔状溝部分10は、その断面が踏面部2表面2t の延長線(図の二点鎖線参照)を含め略三角形状を有する場合と、図5に示すように、楔状溝部分10は、その断面が踏面部2表面2t の延長線(図の二点鎖線参照)を含め略台形の形状を有する場合の二通りの形状を有する。
【0030】
断面が略三角形状の楔状溝部分10の深さdは、周方向主溝の溝深さDと同一の場合(図3、4参照)及び溝深さDより浅い場合(図2参照)の二通りの深さを可とする。これに対し、断面が略台形の楔状溝部分10の深さdは、周方向主溝3の溝深さDに比しより浅くするのが適合する。
【0031】
特に、図2〜図4に示すように、エッジ状の底10b を有する楔状溝部分10の場合は、d>Dとすると、タイヤの荷重負荷転動下で底10b にひずみが集中しクラック発生のうれいがあるので不適合である。図5に示すように曲面底10b を有する楔状溝部分10の場合は、略三角形状の楔状溝部分10に比しブロック7、8の剛性の点で不利であるから、この不利を補い十分な剛性を付与するため、d<Dとするのが適合する。
【0032】
次に、図3及び図5に示すように、楔状溝部分10は、周方向主溝3に張り出し始める深さa(mm)が対向壁面10-2相互間で同一である形状を有する場合と、図4に示すように、深さb(mm)、c(mm)が対向壁面10-2相互間で異なる形状を有する場合との双方を可とする。図4では、前述した傾斜角度β2>β1 との絡みでb>cの例を示すが、これとは逆にβ2 <β1 、b<cとしてもよく、このb≠cでは、全摩耗寿命を通じて前後方向エッジ成分が必ず存在するので有利である。図5に示す楔状溝部分10にもこの関係を適用することができる。
【0033】
次に、図1に示すように、楔状溝部分10は、それが切り込むブロック7、8の周方向の略中央に位置させ、そして、ブロック7、8の傾斜方向に沿う方向に傾斜させることが適合する。なぜなら、楔状溝部分10の配設によりブロック7、8への外部入力に対する抵抗力が低下するところ、低下を最小限度に止めることができ、偏摩耗の発生を抑制することができるからである。
【0034】
最後に、楔状溝部分10は、ブロック7、8の周方向長さの5%以上60%以下の範囲内の周方向長さを有すること、そして、ブロック7、8表面2tにて、周方向主溝3の溝幅の10%以上150%以下の範囲内のタイヤ軸方向切り込み長さR(図3、5参照)を有することが、雪上走行及びオフロード走行の性能向上の点で適合する。このとき、後者に関し、図4に示すように、踏面部2表面2tへの切り込み長さRにつきR1<R2としてよい。場合に応じてR1>R2とすることもできる。
【0035】
楔状溝部分10の周方向長さが、ブロック7、8の周方向長さの5%未満であるとき、また、楔状溝部分10の切り込み長さRが周方向主溝3の溝幅の10%未満であるとき、折角の前後方向エッジ成分形成の効果が殆ど見られず、いずれも不適合である。楔状溝部分10の周方向長さが、ブロック7、8の周方向長さの60%を超えるとき、また、楔状溝部分10の切り込み長さRが周方向主溝3の溝幅の150%をこえるとき、ブロック7、8の剛性低下が大きく、操縦安定性能が低下するので、いずれも不適合である。なお、各ブロックにはサイプSを設ける。
【0036】
【実施例】
乗用車用ラジアルプライタイヤで、サイズが265/70R16であり、図1に示すトレッドパターンを備え、ネガティブ比は39%であり、楔状溝部分10は図3に従う構成を有する。周方向主溝3と楔状溝部分10の諸元は下記の通りである。
【0037】
(1)周方向主溝3の溝幅:10mm、溝深さD:10.8mm、
(2)周方向主溝3の傾斜角度α:5°、
(3)楔状溝部分10の壁面傾斜角度β:40°、深さd:10.8mm、
(4)楔状溝部分10の周方向長さ:12mm(ブロック7、8の周方向長さの27%)、
(5)楔状溝部分10の切り込み長さR:4mm(周方向主溝3の溝幅の40%)。
【0038】
実施例タイヤの性能評価のため、図6に示すトレッドパターンを備える従来例1のタイヤと、図7に示すトレッドパターンを備える従来例2のタイヤとを準備した。従来例1、2のタイヤは、トレッドパターン及び楔状溝部分10を除く他は全て実施例タイヤに合わせた。これら3種類のタイヤの新品、摩耗末期品を供試タイヤとして、下記の3種類の実車テストを実施した。
【0039】
(1)雪上フィーリングテスト:テストコースの圧雪路面における制動性能、発進性能、直進性能及びコーナリング性能の総合評価。
(2)オフロードフィーリングテスト:テストコースの非舗装路面における制動性能、発進性能、直進性能及びコーナリング性能の総合評価。
(3)新品タイヤにおけるドライ舗装路面フィーリングテスト:テストコースのドライ舗装路面における制動性能、発進性能、直進性能及びコーナリング性能の総合評価。
これらの評価結果を、従来例1のタイヤを100とする指数にてあらわし、これらを表1に示す。値は大なるほど良い。
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示す結果から、実施例タイヤは、新品、摩耗末期品を含め、従来例1、2のタイヤ対比、ドライ舗装路面の走行性能を一層優位に保持した上で、雪上走行性能とオフロード走行性能とが向上していることが分かる。
【0042】
【発明の効果】
この発明の請求項1〜11に記載した発明によれば、舗装路面、特にドライ路面で従来タイヤを超える優れた走行性能と、雪上走行及びオフロード走行で従来タイヤ以上の優れた走行性能とを同時に両立させることができる空気入りタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の空気入りタイヤの踏面展開図である。
【図2】 図1に示す楔状溝部分の拡大斜視図である。
【図3】 図1に示すIII − III線に沿う楔状溝部分の拡大断面図である。
【図4】 図1に示すIII − III線に沿う他の楔状溝部分の拡大断面図である。
【図5】 図1に示すIII − III線に沿うさらに別の楔状溝部分の拡大断面図である。
【図6】 従来タイヤの踏面展開図である。
【図7】 従来タイヤの別の踏面展開図である。
【図8】 図6に示す従来の貫通タイプ凹部の拡大斜視図である。
【図9】 図7に示す従来の棚状タイプ凹部の拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 踏面部
2t 踏面部表面
3 周方向主溝
3W 周方向主溝壁
4 主傾斜溝
5 中央傾斜溝
6 副傾斜溝
7、8 ブロック
10 楔状溝部分
10-1 楔状溝部分のタイヤ外方部分
10-2 楔状溝部分のタイヤ内方部分
10b 楔状溝部分の底
10se ブロック表面の楔状溝部分奥縁
E 赤道面
Te 踏面部側端
D 周方向主溝深さ
d 楔状溝部分深さ
w 周方向主溝底幅
α 周方向主溝壁面傾斜角度
β 楔状溝部分壁面傾斜角度
Lv 法線
Claims (11)
- トレッド部は、踏面部の幅中央を挟む両側に少なくとも一対の直状周方向主溝と、踏面部の両側端に開口し、一方の開口部から他方の開口部まで各直状周方向主溝を横断して延びる横断溝とを有し、踏面部は、これら周方向主溝と横断溝とが区画形成するブロックの複数列を備える空気入りタイヤにおいて、上記の各周方向主溝は、それを挟む両側のブロック位置にタイヤ内方に向かい末窄まりの楔状溝部分を有し、楔状溝部分は、そのタイヤ外方部分が両側のブロックの表面側部分に切り込むと同時にタイヤ内方部分が主溝内両壁から張出す一連なりの形状を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
- 楔状溝部分は、周方向主溝の溝深さ以下の深さを有する請求項1に記載したタイヤ。
- 周方向主溝縁及び楔状溝部分奥縁を通る踏面部表面の法線に対する傾斜角度に関し、周方向主溝は0°以上20°以下の範囲内の壁面傾斜角度を有し、楔状部分は5°以上60°以下の範囲内の壁面傾斜角度を有する請求項1又は2に記載したタイヤ。
- 楔状溝部分は、径方向外向きに末広がりの仮想円錐台錘面の一部をなす対向壁面を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載したタイヤ。
- 楔状溝部分の底は周方向主溝の底幅のほぼ中央に位置させて成る請求項1〜3のいずれか一項に記載したタイヤ。
- 楔状溝部分は、その断面が踏面部表面の延長線を含め略三角形状を有し、この楔状溝部分は周方向主溝の溝深さに対し同一深さ及びより浅い深さのいずれか一方の深さを有する請求項1〜5のいずれか一項に記載したタイヤ。
- 楔状溝部分は、その断面が踏面部表面の延長線を含め略台形の形状を有し、この楔状溝部分は周方向主溝の溝深さに比しより浅い深さを有する請求項1〜5のいずれか一項に記載したタイヤ。
- 楔状溝部分は、周方向主溝に張り出し始める深さが対向壁面相互間で同一である形状を有する請求項1〜7のいずれか一項に記載したタイヤ。
- 楔状溝部分は、周方向主溝に張り出し始める深さが対向壁面相互間で異なる形状を有する請求項1〜7のいずれか一項に記載したタイヤ。
- 楔状溝部分は、それが切り込むブロックの周方向の略中央に位置させ、かつ、該ブロックの傾斜方向に沿う方向に傾斜させて成る請求項1〜9のいずれか一項に記載したタイヤ。
- 楔状溝部分は、それが切り込むブロックの周方向長さの5%以上60%以下の範囲内の周方向長さと、ブロック表面にて、周方向主溝幅の10%以上150%以下の範囲内のタイヤ軸方向切り込み長さとを有する請求項1〜10のいずれか一項に記載したタイヤ。
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