以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1乃至図5に示す。図1は本発明に係る液晶表示装置の第1の実施の形態を示す模式的断面図、図2は同液晶表示装置における光源と導光板の一部を拡大して示す斜視図、図3は同液晶表示装置における各部材の光学軸を説明するための説明図である。
本発明に係る液晶表示装置の第1の実施の形態は、図1に示すように、第1の液晶パネル101と、偏光分離器110と、導光部材である導光板112と、第2の液晶パネル102とによって構成してある。
第1の液晶パネル101は、2枚のガラス基板で液晶層を狭持してなる第1の液晶セル107と、その視認側Aに配置した偏光部材である第1の偏光板103と、その反対側に配置した偏光部材である第2の偏光板105とを有していて、第1の液晶セル107と第1の偏光板103との間には第1の視認側偏光分離器111が配置してある。
また、第2の液晶パネル102は、2枚のガラス基板で液晶層を挟持してなる第2の液晶セル108と、その導光板112側に配置した偏光部材である第3の偏光板104と、視認側Bに配置した偏光部材である第4の偏光板106とを有していて、第2の液晶セル108と第4の偏光板106との間に第2の視認側偏光分離器113が配置してある。そして、導光板112の一端面112cに隣接させて光源114が配置してある。
次に各部位の詳細を説明する。第1から第4の偏光板103、105、104、106は吸収型偏光板を用いている。吸収型偏光板は、ヨウ素や2色性色素を延伸したフイルムに染色して作成する一般的な偏光板であり、互いに直交する透過偏光軸と吸収軸を有し、その透過偏光軸方向に振動する光は透過し、吸収軸方向に振動する光は吸収する。
偏光分離器110は、入射光を2つの偏光成分に分離する機能を有する。例えば、コレステリック液晶などにより円偏光成分を右円偏光左円偏光成分に分離して(1/4)λの位相差板で直線偏光成分に変換する方式のものがある。この偏光分離器110は、光の振動方向が互いに直交する光の成分を有する一方の直線偏光成分を透過する透過偏光軸110Aと、他方の直線偏光成分を反射する反射偏光軸110Bとを有している。
第1の液晶パネル101は、第1の液晶セル107に電圧を印加しない時に黒表示になるノーマリブラックモードに設定してある。また、第1の液晶パネル101では第1の液晶セル107内に半透過層を備えた半透過型液晶パネルになっている。
また、第1の視認側偏光分離器111は、偏光分離器110と同様に、入射光を2つの偏光成分に分離する機能を有しており、入射する光の振動方向が互いに直交する一方の直線偏光成分を透過する透過偏光軸111Aと、他方の直線偏光成分を反射する反射偏光軸111Bとを有している。
第2の液晶パネル102も同様に、第2の液晶セル108に電圧を印加しない時に黒表示になるノーマリブラックモードに設定してある。
また、第2の視認側偏光分離器113は、入射光を2つの偏光成分に分離する機能を有しており、光の振動方向が互いに直交する入射光の一方の直線偏光成分を透過する透過偏光軸113Aと、他方の直線偏光成分を反射する反射偏光軸113Bとを有している。
ここで、本発明を実施するにあたり重要である第1〜第4の偏光板103〜106と、偏光分離器110と、第1、第2の視認側偏光分離器111、113との光学的配置について説明する。
図3に示すように、偏光分離器110では、その透過偏光軸110Aと反射偏光軸110Bとは互いに直交している。そして、第2の偏光板105の透過偏光軸105Aは偏光分離器110の透過偏光軸110Aに一致している。また、第1の視認側偏光分離器111では、その透過偏光軸111Aと反射偏光軸111Bとは互いに直交している。そして、透過偏光軸111Aは偏光分離器110の透過偏光軸110Aに一致し、反射偏光軸111Bは偏光分離器110の反射偏光軸110Bに一致している。また、第1の偏光板103の透過偏光軸103Aは第1の視認側偏光分離器111の透過偏光軸111Aに一致している。
また、第2の視認側偏光分離器113では、その透過偏光軸113Aと反射偏光軸113Bとは互いに直交している。そして、この透過偏光軸113Aは第1の視認側偏光分離器111の透過偏光軸111A(又は偏光分離器110の透過偏光軸110A)に対して直交しており、反射偏光軸113Bは第1の視認側偏光分離器111の反射偏光軸111B(又は偏光分離器110の反射偏光軸110B)に対して直交している。
また、第3の偏光板104の透過偏光軸104Aは第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113Aに一致しており、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aは第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113Aに一致している。
次に、導光板112は、図2に示すように、0.7mm厚の無色透明のアクリル素材からできている。表面112aは平坦で、裏面にプリズム112bを形成し、表面112aで全反射して導光した光がプリズム112bで反射して表面112aに出射するような機能を有する。プリズム112bの形状は高さ20μmで、ピッチ300μmの3角形の山
型に形成してある。
図2において、光源114側から傾斜角αが4.60 の上り勾配の斜面を長さL1=245μmまで形成し、そこから傾斜角βが200 の下り勾配の斜面を長さL2=55μmまで形成する。このときのプリズム112bの高さHは20μmになる。このプリズム112bを長手方向に0.3mmピッチで繰り返し形成する。これらを射出成形法によって、できるだけ光学歪が起きないように成形する。
光源114は、導光板112の長手方向の一方の端面112cと近接するように配置してある。本発明の第1の実施の形態では光源114として白色LEDアレイを用いている。光源114としては、これに限ったことではなく、冷陰極管を用いてもよい。導光板112の一端面112cに比較的均一な輝度分布で光を出射できる線光源であれば何れでもかまわない。
次に、本発明の液晶表示装置(第1の実施の形態)の表示機能について図4及び図5を用いて説明する。光源114を点灯したときの表示機能について説明する。
液晶分子は角度90度ツイストのTN液晶を形成しているために、第1、第2の液晶パネル101、102において、電圧の非印加/印加に応じて第1、第2の液晶セル107、108は(1/2)λの位相差を有する機能と位相差の生じない透光板とに切換えられる。
第1、第2の液晶パネル101、108のそれぞれに電圧を印加して第1、第2の液晶セル107、108を位相差の生じない透光板として視認側A、Bを白表示に設定した場合と、第1の液晶パネル101側に電圧を印加しないで第1の液晶セル107を(1/2)λの位相差を有するように機能させて視認側Aを黒表示に設定し、第2の液晶パネル102側に電圧を印加して視認側Bを白表示に設定した場合と、第1の液晶パネル101側に電圧を印加して視認側Aを白表示に設定し、第2の液晶パネル102側に電圧を印加しないで第2の液晶セル108を(1/2)λの位相差を有するように機能させて視認側Bを黒表示に設定した場合とについて説明する。
第1、第2の液晶パネル101、102のそれぞれに電圧を印加して、それぞれの液晶セル107、108を位相差の生じない透光板として機能させて視認側A、Bを共に白表示にした場合では、図4の(1)において、光源114から出射されて導光板112に入射した光は、導光板112を反射と出射を繰り返しながら光源114と反対側の対向面に伝搬されて行く。そして、伝搬していく光路上でプリズムの短辺側に当たると全反射した光束a1が第1の液晶パネル101側に出射する。この光束a1は光源114から出射したままで光の偏りがない光束である。
導光板112から出射した光束a1は偏光分離器110に入射し、この偏光分離器110の透過偏光軸110Aに平行する偏光成分をもつ光束a2が透過する。一方、偏光分離器110の反射偏光軸110Aに平行する偏光成分を持つ光束a3は反射し、再び導光板112に入射する。
第2の偏光板105の透過偏光軸105Aは偏光分離器110の透過偏光軸110Aに一致しているので、光束a2は第2の偏光板105を透過して、さらに液晶セル107内に形成した半透過層を透過する。先に説明したように、第1の液晶パネル101は白表示に設定してあることから、光束a2はそのまま液晶セル107を透過し、第1の視認側偏光分離器111の透過偏光軸111A、第1の偏光板103の透過偏光軸103Aを透過して視認側Aに出射する。このときに、視認側Aでは光束a2を視認することになり、第
1の液晶パネル101の電圧制御により光束a2を光源にして画像表示が可能になる。
一方、偏光分離器110で反射された光束a3は再び導光板112に入射した後、導光板112から出射して、第3の偏光板104に入射する。この第3の偏光板104の透過偏光軸104Aは偏光分離器110の反射偏光軸110Bに一致しているので、これも透過する。
ここで、第2の液晶パネル102も白表示に設定してあるので、光束a3はそのまま第2の液晶セル108を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。
また、光源114から出射された光束のうち、導光板112から第2の液晶パネル101側に出射した光束a4は第3の偏光板104に入射し、この第3の偏光板104の透過偏光軸104Aに平行する偏光成分をもつ光束a5が透過する。ここで、第2の液晶パネル102も白表示に設定してあるので、光束a5はそのまま第2の液晶セル108を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。このときに、視認側Bでは光束a3、a5を視認することになり、第2の液晶パネル102の電圧制御により光束a3、a5を光源にして画像表示が可能になる。
次に、第1の液晶パネル101に電圧を印加しないで、その液晶セル107を(1/2)λの位相差を有するように機能させて視認側Aを黒表示に設定し、第2の液晶パネル102側に電圧を印加して、その第2の液晶セル108を位相差の生じない透光板として機能させて視認側Bを白表示に設定した場合について説明する。
図4の(2)において、光源114から出射されて導光板112に入射した光は、導光板112を反射と出射を繰り返しながら光源114と反対側の対向面に伝搬されて行く。そして、第1の液晶パネル101側に光束b1として出射し、この光束b1は偏光分離器110に入射し、この偏光分離器110の透過偏光軸110Aに平行する偏光成分をもつ光束b2が透過する。一方、偏光分離器110の反射偏光軸110Bに平行する偏光成分を持つ光束b3は反射し、再び導光板112に入射する。
第2の偏光板105の透過偏光軸105Aは偏光分離器110の透過偏光軸110Aに一致しているので、光束b2は第2の偏光板105を透過して、第1の液晶セル107に至る。先に説明したように、第1の液晶パネル101は黒表示に設定してあることから、第1の液晶パネル101の第1の液晶セル107は(1/2)λの位相差を有するように機能し、光束b2の偏光軸は90度回転させられて第1の視認側偏光分離器111の反射偏光軸111Bに平行するようになって、この第1の視認側偏光分離器111により反射される。
この反射された光束b4は再び第1の液晶セル107の(1/2)λの位相差を有する機能により90度回転させられて第2の偏光板105の透過偏光軸105Aに一致することになって、この第2の偏光板105を透過し、偏光分離器110の透過偏光軸110Aを透過して導光板112に入射して偏光解消し、この第3の偏光板104の透過偏光軸104Aを透過する。ここで、第2の液晶パネル102は白表示に設定してあるので、すなわち、第2の液晶セル108が位相差の生じない透光板として機能して、光束b4はそのまま第2の液晶セル108を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。
また、偏光分離器110の反射偏光軸110Bに平行する偏光成分を持つ光束b3は反
射して再び導光板112に入射するが、この光束b3は第3の偏光板104に入射し、この第3の偏光板104の透過偏光軸104Aを透過する。ここで、第2の液晶パネル102は白表示に設定してあるので、すなわち、第2の液晶セル108が位相差の生じない透光板として機能して、光束b3はそのまま第2の液晶セル108を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。
また、光源114から出射された光束のうち、導光板112から第2の液晶パネル102側に出射した光束c1は第3の偏光板104に入射し、この第3の偏光板104の透過偏光軸104Aに平行する偏光成分をもつ光束c2が透過する。ここで、第2の液晶パネル102は白表示に設定してあるので、すなわち、第2の液晶セル108が位相差の生じない透光板として機能して、光束c2はそのまま第2の液晶セル108を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。
このときに、視認側Bでは光束b3、b4、c2を視認することになり、第2の液晶パネル102の電圧制御により光束b3、b4、c2を光源にして画像表示が可能になる。
次に、第1の液晶パネル101に電圧を印加して、その第1の液晶セル107を位相差の生じない透光板として機能させて視認側Aを白表示に設定し、第2の液晶パネル102側に電圧を印加しないで、第2の液晶セル108を(1/2)λの位相差を有するように機能させて黒表示に設定した場合について図5を用いて説明する。
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図5において、光源114から出射されて導光板112に入射した光は、導光板112を反射と出射を繰り返しながら光源114と反対側の対向面に伝搬されて行く。そして、導光板112から第1の液晶パネル101側に出射した光束d1は偏光分離器110に入射し、この偏光分離器110の透過偏光軸110Aに平行する偏光成分をもつ光束d2が透過する。一方、偏光分離器110の反射偏光軸110Bに平行する偏光成分を持つ光束d3は反射し、再び導光板112に入射する。
第2の偏光板105の透過偏光軸105Aは偏光分離器110の透過偏光軸110Aに一致しているので、光束d2は第2の偏光板105を透過して、第1の液晶セル107に至る。ここで、第1の液晶パネル101は白表示に設定してあり、第1の液晶セル107は位相差の生じない透光板として機能しているために、光束d2はそのまま第1の液晶セル107を透過し、第1の視認側偏光分離器111の透過偏光軸111A、第1の偏光板103の透過偏光軸103Aをそれぞれ透過して視認側Aに出射する。
また、偏光分離器110で反射された光束d3は導光板112から第3の偏光板104に入射し、この第3の偏光板104の透過偏光軸104Aを透過する。先に説明したように、第2の液晶パネル102は黒表示に設定してあり、第2の液晶セル108は(1/2)λの位相差を有するように機能するために、光束d3は90度回転させられて第2の視認側偏光分離器113の反射偏光軸113Bに平行するようになって、この第2の視認側偏光分離器113により反射される。
この反射された光束d4は、再び液晶セル108の(1/2)λの位相差を有する機能により90度回転させられて第3の偏光板104の透過偏光軸104Aに一致する光束d5になって、この第3の偏光板104を透過して導光板112に入射して偏光解消し、光束d5は第2の偏光板105を透過して、第1の液晶セル107に至る。ここで、第1の液晶パネル101は白表示に設定してあり、液晶セル107は位相差の生じない透光板として機能しているために、光束d5はそのまま第1の液晶セル107を透過し、第1の視
認側偏光分離器111の透過偏光軸111A、第1の偏光板103の透過偏光軸103Aをそれぞれ透過して視認側Aに出射する。
また、光源114から出射された光束のうち、導光板112から第2の液晶パネル102側に出射した光束e1は第3の偏光板104に入射し、この第3の偏光板104の透過偏光軸104Aに平行する偏光成分をもつ光束e2が透過する。第2の液晶パネル102は黒表示に設定してあり、第2の液晶セル108の(1/2)λの位相差を有する機能により光束e2は90度回転させられる。このために、第2の視認側偏光分離器113の反射偏光軸113Bに平行するようになって、この第2の視認側偏光分離器113により反射される。
この反射された光束e3は、再び液晶セル108の(1/2)λの位相差を有する機能により90度回転させられて第3の偏光板104の透過偏光軸104Aに一致することになって、この第3の偏光板104を透過して導光板112に入射して偏光解消し、光束e3は第2の偏光板105を透過して、第1の液晶セル107に至る。ここで、第1の液晶パネル101は白表示に設定してあり、液晶セル107は位相差の生じない透光板として機能しているために、光束e3はそのまま第1の液晶セル107を透過し、第1の視認側偏光分離器111の透過偏光軸111A、第1の偏光板103の透過偏光軸103Aをそれぞれ透過して視認側Aに出射する。
このときに、視認側Aでは光束d2、d5、e3を視認することになり、第1の液晶パネル101の電圧制御により光束d2、d5、e3を光源にして画像表示が可能になる。
上記したように、本発明の第1の実施の形態では、2つの液晶パネル101,102を有しており、第1の偏光板103、第4の偏光板106の内方に第1、第2の視認側偏光分離器111、113を設けたことで、第1の偏光板103、第4の偏光板106で吸収されていた偏光成分を反対側の視認側から出光させることができる。このために、光利用度が向上し、明るい表示が得られる。
すなわち、視認側とは反対側を黒表示することで、反対側の液晶パネルに入射する光を視認側にすべて反射することができる。これにより、反対側の液晶パネルでのバックライト光の吸収が減少し、視認側の液晶パネルの光利用効率が極端に向上する。
このために、例えば、携帯電話器等の一方の液晶パネルのみを視認する場合に他方の液晶パネルを黒表示に設定すると、バックライトからの光は他方の液晶パネルの視認側偏光分離器で一方の液晶パネル方向に反射する。反射光は導光板で偏光を解消し、一方の液晶パネルである視認側の液晶パネルの透過偏光軸と一致する成分は透過して、この視認側の液晶パネルのバックライト光として利用され、直交する成分は反射して他方の液晶パネルで再び反射し導光部材で偏光解消した後に、視認側の液晶パネルのバックライト光として利用され、視認側の液晶パネルの光利用効率を極端に向上させることができる。なお、所定の方向の輝度を向上させるために、導光板112と偏光分離器110の間、導光板112と第3の偏光板104の間にプリズムシートを入れてもよい。
また、本発明の第1の実施の形態では、第1の液晶パネル101に透過型のものを用いたが、半透過型の液晶パネルとしてもかまわない。偏光分離器110で分離した偏光成分と第3の偏光板104と第4の偏光板106の関係が満たされていれば、いずれの液晶パネルでも本発明の液晶表示装置に使用することができる。また、液晶パネルの駆動方式においても、パッシブマトリクス、アクティブマトリクスを問わないことは明白である。表示モードもノーマリブラックモードで説明したが、ノーマリホワイトモードでも同様に実施できる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図6乃至図9を用いて説明する。
図6は本発明に係る液晶表示装置の第2の実施の形態を示す模式的断面図、図7は同液晶表示装置における各部材の光学軸を説明するための説明図である。
本発明の第2の実施の形態が、上記した本発明の第1の実施の形態と異なるのは、導光板112と第2の液晶パネル102の間に第2の偏光分離器115を配置した点である。偏光分離器110は、前述の本発明の第1の実施の形態のものと同じであるが、第2の偏光分離器115との関係で、以下「第1の偏光分離器」と称する。
この第2の偏光分離器115では、その透過偏光軸115Aと反射偏光軸115Bとは互いに直交しており、この透過偏光軸115Aは第1の偏光分離器110の透過偏光軸110Aに対して直交しており、反射偏光軸115Bは第1の偏光分離器110の反射偏光軸110Bに対して直交している。それ以外の構造は本発明の第1の実施の形態とほぼ同様であるために、同じ符号を付すことで、本発明の第2の実施の形態の構成の説明を省略する。
光源114を点灯したときの表示機能について説明する。
第2の液晶パネル101、102のそれぞれに電圧を印加して、それぞれの液晶セル107、108を位相差の生じない透光板として機能させて視認側A、Bを共に白表示に設定した場合では、図8の(1)において、光源114から出射され導光板112に入射した光は、導光板112を反射と出射を繰り返しながら光源114と反対側の対向面に伝搬されて行くと共に、第1の液晶パネル101側に光束h1として出射する。
導光板112から出射した光束h1は第1の偏光分離器110に入射し、この第1の偏光分離器110の透過偏光軸110Aに平行する偏光成分をもつ光束h2が透過する。一方、第1の偏光分離器110の反射偏光軸110Bに平行する偏光成分を持つ光束h3は反射し、再び導光板112に入射する。
第2の偏光板105の透過偏光軸105Aは第1の偏光分離器110の透過偏光軸110Aに一致しているので、光束h2は第2の偏光板105を透過して、さらに第1の液晶セル107内を透過する。先に説明したように、第1の液晶パネル101は白表示に設定してあることから、光束h2はそのまま第1の液晶セル107を透過し、第1の視認側偏光分離器111の透過偏光軸111A、第1の偏光板103の透過偏光軸103Aを透過して視認側Aに出射する。
一方、第1の偏光分離器110で反射された光束h3は導光板112から出射して、第2の偏光分離器115に入射する。この第2の偏光分離器115の透過偏光軸115Aは第1の偏光分離器110の反射偏光軸110Bに一致しているので、これも透過して、第3の偏光板104に入射する。この第3の偏光板104の透過偏光軸104Aは第1の偏光分離器110の反射偏光軸110Bに一致しているので、これも透過する。
ここで、第2の液晶パネル102も白表示に設定してあるので、光束h3はそのまま第2の液晶セル108を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。
また、光源114から出射された光束のうち、導光板112から第2の液晶パネル10
2側に出射した光束j1は第2の偏光分離器115に入射し、この第2の偏光分離器115の透過偏光軸113Aに平行する偏光成分をもつ光束j2が透過する。この光束j2は第3の偏光板104の透過偏光軸104Aを透過して第2の液晶セル108に入射する。
ここで、第2の液晶パネル102も白表示に設定してあるので、光束j2はそのまま第2の液晶セル108を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。
このときに、視認側Bでは光束h3、j2を視認することになり、第2の液晶パネル102側の電圧制御により光束h3、j2を光源にして画像表示が可能になる。
一方、第2の偏光分離器115で反射された光束j3は導光板112から出射して第1の偏光分離器110に入射する。第1の偏光分離器110の透過偏光軸110Aは第2の偏光分離器115の反射偏光軸115Bに一致するために、光束j3は第1の偏光分離器110を透過して第2の偏光板105に入射する。第2の偏光板105の透過偏光軸105Aは第1の偏光分離器110の透過偏光軸110Aに一致しているので、これも透過する。
ここで、第1の液晶パネル101も白表示に設定しであるので、光束j3はそのまま第1の液晶セル107を透過し、第1の視認側偏光分離器111の透過偏光軸111A、第1の偏光板103の透過偏光軸103Aを透過して視認側Aに出射する。
このときに、視認側Aでは光束h2、j3を視認することになり、第1の液晶パネル101側の電圧制御により光束h2、j3を光源にして画像表示が可能になる。
次に、第2の液晶パネル102に電圧を印加して、その第2の液晶セル108を位相差の生じない透光板として機能させて視認側Bを白表示にし、第1の液晶パネル101側に電圧を印加しないで、その第1の液晶セル107を(1/2)λの位相差を有するように機能させて黒表示にした場合について図8の(2)を用いて説明する。
図8の(2)において、光源114から出射され導光板112に入射した光は、導光板112を反射と出射を繰り返しながら光源114と反対側の対向面に伝搬されて行き、導光板112から第1の液晶パネル101側に出射した光束k1は第1の偏光分離器110に入射し、この第1の偏光分離器110の透過偏光軸110Aに平行する偏光成分をもつ光束k2が透過する。一方、第1の偏光分離器110の反射偏光軸110Bに平行する偏光成分を持つ光束k3は反射し、再び導光板112に入射する。
第2の偏光板105の透過偏光軸105Aは第1の偏光分離器110の透過偏光軸110Aに一致しているので、光束k2は第2の偏光板105を透過して、第1の液晶セル107に至る。先に説明したように、第1の液晶パネル101は黒表示に設定してあり、第1の液晶セル107は(1/2)λの位相差を有するように機能するために、光束k2は90度回転させられて第1の視認側偏光分離器111の反射偏光軸111Bに平行するようになる。このために、この第1の視認側偏光分離器111により反射される。
この反射された光束k4は、再び第1の液晶セル107の位相差板としての機能により90度回転させられて第2の偏光板105の透過偏光軸105Aに一致することになって、この第2の偏光板105を透過して第1の偏光分離器110の透過偏光軸110Aを透過して導光板112に入射して偏光解消し、導光板112から出射して第2の偏光分離器115に入射する。この第2の偏光分離器115の透過偏光軸115Aは第1の偏光分離器110の反射偏光軸110Bに一致しているために、光束k4は第2の偏光分離器11
5を透過して第3の偏光板104に至り、この第3の偏光板104の透過偏光軸104Aは第2の偏光分離器115の透過偏光軸115Aに一致しているので、これも透過する。
ここで、第2の液晶パネル102は白表示に設定してあるので、光束k4はそのまま第2の液晶セル108を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。
一方、第1の偏光分離器110で反射された光束k3は再び導光板112に入射するが、直線偏光状態を維持したまま導光板112から出射して第2の偏光分離器115に入射する。この第2の偏光分離器115の透過偏光軸115Aは第1の偏光分離器110の反射偏光軸110Bに一致しているために、光束k3は第2の偏光分離器115を透過して第3の偏光板104に至り、この第3の偏光板104の透過偏光軸104Aは第2の偏光分離器115の透過偏光軸115Aに一致しているので、これも透過する。
ここで、第2の液晶パネル102は白表示に設定してあるので、光束k4はそのまま第2の液晶セル108を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。
また、光源114から出射された光束のうち、導光板112から第2の液晶パネル102側に出射した光束m1は第2の偏光分離器115に入射し、この第2の偏光分離器115の透過偏光軸115Aに平行する偏光成分をもつ光束m2が透過する。一方、第2の偏光分離器115の反射偏光軸115Bに平行する偏光成分を持つ光束m3は反射し、再び導光板112に入射する。
第3の偏光板104の透過偏光軸104Aは第2の偏光分離器115の透過偏光軸115Aに一致しているので、光束m2は第3の偏光板104を透過して、第2の液晶セル108に至る。ここで、第2の液晶パネル102は白表示に設定してあり、第2の液晶セル108は位相差の生じない透光板として機能しているために、光束m2はそのまま第2の液晶セル108を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。
一方、第2の偏光分離器115で反射した光束m3は、再び導光板112に入射して第1の偏光分離器110の透過偏光軸110Aを透過して第2の偏光板105を透過し第1の液晶セル107に入射する。
先に説明したように、第1の液晶パネル101は黒表示に設定してあり、第1の液晶セル107は(1/2)λの位相差を有するように機能するために、光束m3は90度回転させられて第1の視認側偏光分離器111の反射偏光軸111Bに平行するようになる。このために、第1の視認側偏光分離器111により反射される。
この反射された光束m4は、再び第1の液晶セル107の位相差板としての機能により90度回転させられて第2の偏光板105の透過偏光軸105Aに一致することになって、この第2の偏光板105を透過して第1の偏光分離器110の透過偏光軸110Aを透過して導光板112に入射し偏光解消されて、光束m4は第2の偏光分離器115の透過偏光軸115A、第3の偏光板104を透過して、第2の液晶セル108に至る。ここで、第2の液晶パネル102は白表示に設定してあり、第2の液晶セル108は位相差の生じない透光板として機能しているために、光束m4はそのまま第2の液晶セル108を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。
このときに、視認側Bでは光束k3、k4、m2、m4を視認することになり、第2の液晶パネル102側の電圧制御により光束k3、k4、m2、m4を光源にして画像表示が可能になる。
次に、第1の液晶パネル101側に電圧を印加して、その第1の液晶セル107を位相差の生じない透光板として機能させて視認側Aを白表示に設定し、第2の液晶パネル102側に電圧を印加しないで、第2の液晶セル108を(1/2)λの位相差を有するように機能させて黒表示に設定した場合について図9を用いて説明する。
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図9において、光源114から出射され導光板112に入射した光は、導光板112を反射と出射を繰り返しながら光源114と反対側の対向面に伝搬されて行き、導光板112から第1の液晶パネル101側に出射した光束n1は第1の偏光分離器110に入射し、この第1の偏光分離器110の透過偏光軸110Aに平行する偏光成分をもつ光束n2が透過する。一方、第1の偏光分離器110の反射偏光軸110Bに平行する偏光成分を持つ光束n3は反射し、再び導光板112に入射する。
第2の偏光板105の透過偏光軸105Aは第1の偏光分離器110の透過偏光軸110Aに一致しているので、光束n2は第2の偏光板105を透過して、第1の液晶セル107に至る。ここで、第1の液晶パネル101は白表示に設定してあり、第1の液晶セル107は位相差の生じない透光板として機能しているために、光束n2はそのまま第1の液晶セル107を透過し、第1の視認側偏光分離器111の透過偏光軸111A、第1の偏光板103の透過偏光軸103Aをそれぞれ透過して視認側Aに出射する。
また、第1の偏光分離器110で反射された光束n3は導光板112から第2の偏光分離器115に入射し、この第2の偏光分離器115の透過偏光軸115Aを透過し、さらに、第3の偏光板104に入射し、この第3の偏光板104の透過偏光軸104Aを透過する。先に説明したように、第2の液晶パネル102は黒表示に設定してあり、第2の液晶セル108は(1/2)λの位相差を有するように機能するために、光束n3は90度回転させられて第2の視認側偏光分離器113の反射偏光軸113Bに平行するようになる。このために、この第2の視認側偏光分離器113により反射される。
この反射された光束n4は、再び液晶セル108の(1/2)λの位相差を有する機能により90度回転させられて第3の偏光板104の透過偏光軸104Aに一致する光束になって、この第3の偏光板104を透過して導光板112に入射する。その後、光束n4は、導光板112から出射して第1の偏光分離器110により反射され、再び導光板112に入射して偏光解消されて、第1の偏光分離器110の透過偏光軸110A、第2の偏光板105を透過して、第1の液晶セル107に至る。ここで、第1の液晶パネル101は白表示に設定してあり、第1の液晶セル107は位相差の生じない透光板として機能しているために、光束n4はそのまま第1の液晶セル107を透過し、第1の視認側偏光分離器111の透過偏光軸111A、第1の偏光板103の透過偏光軸103Aをそれぞれ透過して視認側Aに出射する。
また、光源114から出射された光束のうち、導光板112から第2の液晶パネル102側に出射した光束p1は第2の偏光分離器115に入射し、この第2の偏光分離器115の透過偏光軸115Aに平行する偏光成分をもつ光束p2が透過し、一方、第2の偏光分離器115の反射偏光軸115Bに平行する偏光成分を持つ光束p3は反射し、再び導光板112に入射する。
第3の偏光板104の透過偏光軸104Aは第2の偏光分離器115の透過偏光軸115Aに一致しているので、光束p2は第3の偏光板104を透過する。第2の液晶パネル
102は黒表示に設定してあり、第2の液晶セル108は(1/2)λの位相差を有するように機能するために光束p2は90度回転させられる。このために、第2の視認側偏光分離器113の反射偏光軸113Bに平行するようになって、この第2の視認側偏光分離器113により反射される。
この反射された光束p4は、再び第2の液晶セル108の(1/2)λの位相差を有する機能により90度回転させられて第3の偏光板104の透過偏光軸104Aに一致することになって、この第3の偏光板104を透過して第2の偏光分離器115を透過し、導光板112に入射して偏光解消されて、第1の偏光分離器110の透過偏光軸110A、第2の偏光板105を透過して、第1の液晶セル107に至る。ここで、第1の液晶パネル101は白表示に設定してあり、第1の液晶セル107は位相差の生じない透光板として機能しているために、光束p4はそのまま第1の液晶セル107を透過し、第1の視認側偏光分離器111の透過偏光軸111A、第1の偏光板103の透過偏光軸103Aをそれぞれ透過して視認側Aに出射する。
このときに、視認側Aでは光束n2、n4、p3、p4を視認することになり、第1の液晶パネル101の電圧制御により光束n2、n4、p3、p4を光源にして画像表示が可能になる。
上記したように、本発明の第2の実施の形態では、2つの液晶パネル101,102を有しており、第1の偏光板103、第4の偏光板106の内方に第1、第2の視認側偏光分離器111、113を設けたことで、第1の偏光板103、第4の偏光板106で吸収されていた偏光成分を反対側の視認側から出光させることができる。このために、光利用度が向上し、明るい表示が得られる。
すなわち、光源を点灯する場合には、視認側とは反対側を黒表示することで、反対側の液晶パネルに入射する光を視認側にすべて反射することができる。これにより、反対側の液晶パネルでのバックライト光の吸収が減少し、視認側の液晶パネルの光利用効率が極端に向上する。
このために、例えば、携帯電話器等の一方の液晶パネルのみを視認する場合に他方の液晶パネルを黒表示に設定すると、バックライトからの光は他方の液晶パネルの視認側偏光分離器で一方の液晶パネル方向に反射する。反射光は導光板で偏光を解消し、一方の液晶パネルである視認側の液晶パネルの透過偏光軸と一致する成分は透過して、この視認側の液晶パネルのバックライト光として利用され、直交する成分は反射して他方の液晶パネルで再び反射し導光部材で偏光解消した後に、視認側の液晶パネルのバックライト光として利用され、視認側の液晶パネルの光利用効率を向上させることができる。
また、本発明の第2の実施の形態では、第1の液晶パネル101に半透過型のものを用いたが、透過型の液晶パネルでもよいが透過型とする方が明るい。偏光分離器110で分離した偏光成分と第3の偏光板104と第4の偏光板106の関係が満たされていれば、いずれの液晶パネルでも本発明の液晶表示装置に使用することができる。また、液晶パネルの駆動方式においても、パッシブマトリクス、アクティブマトリクスを問わないことは明白である。表示モードもノーマリブラックモードで説明したが、ノーマリホワイトモードでも同様に実施できる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を図10乃至図13を用いて説明する。
図10は本発明に係る液晶表示装置の第3の実施の形態を示す模式的断面図、図11は
同液晶表示装置における各部材の光学軸を説明するための説明図である。
本発明の第3の実施の形態が、上記した本発明の第1の実施の形態と異なるのは、導光板112と第2の液晶パネル102の間に半透過反射層116を配置した点である。この半透過反射層116は、偏光性を持たないハーフミラーのような光学素子であり、入射光の一部を透過させて残りを反射する。例えば入射光の20〜40%を透過させ、80〜60%を反射する。
そして、第1の液晶パネル101の第1の液晶セル107は半透過層を備えていない透過型の液晶セルである。それ以外の構造は本発明の第1の実施の形態とほぼ同様であるために、同じ符号を付すことで、本発明の第1の実施の形態の構成の説明を省略する。
第1、第2の液晶パネル101、102のそれぞれに電圧を印加して、それぞれの液晶セル107、108を位相差の生じない透光板として機能させて視認側A、Bを共に白表示に設定した場合では、図12の(1)において、光源114から出射した光は、導光板112を反射と出射を繰り返しながら光源114と反対側の対向面に伝搬されて行き、この入射光が伝搬して行く光路上で反射した光束s1が第1の液晶パネル101側に出射する。
導光板112から出射した光束s1は偏光分離器110に入射し、この偏光分離器110の透過偏光軸110Aに平行する偏光成分をもつ光束s2が透過する。一方、偏光分離器110の反射偏光軸110Bに平行する偏光成分を持つ光束s3は反射し、再び導光板112に入射する。
第2の偏光板105の透過偏光軸105Aは偏光分離器110の透過偏光軸110Aに一致しているので、光束s2は第2の偏光板105を透過する。先に説明したように、第1の液晶パネル101は白表示に設定してあることから、光束s2はそのまま第1の液晶セル107を透過し、第1の視認側偏光分離器111の透過偏光軸111A、第1の偏光板103の透過偏光軸103Aを透過して視認側Aに出射する。
一方、偏光分離器110で反射された光束s3は導光板112から出射して、半透過反射層116に入射して透過して、第3の偏光板104に入射する。この第3の偏光板104の透過偏光軸104Aは偏光分離器110の反射偏光軸110Bに一致しているので、これも透過する。
ここで、第2の液晶パネル102も白表示に設定してあるので、光束s3はそのまま第2の液晶セル108を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。
また、光源114から出射された光束のうち、導光板112から第2の液晶パネル102側に出射した光束t1は半透過反射層116に入射し、この半透過反射層116を透過する。一方、光束t1の一部は半透過反射層116により反射し、この光束t3は導光板112に入射する。
半透過反射層116を透過した光束t2は第3の偏光板104の透過偏光軸104Aを透過して第2の液晶セル108に入射する。ここで、第2の液晶パネル102も白表示に設定してあるので、光束t2はそのまま第2の液晶セル108を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。
このときに、視認側Bでは光束s3の光量と光束t2の透過光量のうち第3の偏光板104を透過した光量を視認することになり、第2の液晶パネル102側の電圧制御により光束s3、t2を光源にして画像表示が可能になる。
一方、光束t1のうち半透過反射層116で反射された光束t3は導光板112から出射して偏光分離器110に入射してこの偏光分離器110を光束t3の一部(偏光軸が一致した光束)が透過して第2の偏光板105に入射する。第2の偏光板105の透過偏光軸105Aは偏光分離器110の透過偏光軸110Aに一致しているので、これも透過する。
ここで、第1の液晶パネル101も白表示に設定しであるので、光束t3の一部(偏光軸が一致した光束)はそのまま第1の液晶セル107を透過し、第1の視認側偏光分離器111の透過偏光軸111A、第1の偏光板103の透過偏光軸103Aを透過して視認側Aに出射する。
このときに、視認側Aでは光束s2と、光束t3のうちで偏光分離器110を透過した
光束を視認することになり、第1の液晶パネル101側の電圧制御により光束s2と、光束t3のうちで偏光分離器110を透過した光束を光源にして画像表示が可能になる。
次に、第2の液晶パネル102側に電圧を印加して、その第2の液晶セル108を位相差の生じない透光板として機能させて視認側Bを白表示にし、第1の液晶パネル101側に電圧を印加しないで、その第1液晶セル107を(1/2)λの位相差を有するように機能させて黒表示にした場合について説明する。
図12の(2)において、光源114から出射した光は、導光板112を反射と出射とを繰り返しながら光源114と反対側の対向面に伝搬されて行く。導光板112から第1の液晶パネル101側に出射した光束u1は偏光分離器110に入射し、この偏光分離器110の透過偏光軸110Aに平行する偏光成分をもつ光束u2が透過する。一方、偏光分離器110の反射偏光軸110Bに平行する偏光成分を持つ光束u3は反射し、再び導光板112に入射する。
第2の偏光板105の透過偏光軸105Aは偏光分離器110の透過偏光軸110Aに一致しているので、光束u2は第2の偏光板105を透過して、第1の液晶セル107に至る。第1の液晶パネル101は黒表示に設定してあり、第1の液晶セル107は(1/2)λの位相差を有するように機能するために、光束u2は90度回転させられて第1の視認側偏光分離器111の反射偏光軸111Bに平行するようになる。このために、この第1の視認側偏光分離器111により反射される。
この反射された光束u4は、再び第1の液晶セル107の(1/2)λの位相差を有する機能により90度回転させられて第2の偏光板105の透過偏光軸105Aに一致することになって、この第2の偏光板105を透過して偏光分離器110の透過偏光軸110Aを透過して導光板112に入射して変更解消し、導光板112から出射して半透過反射層116に入射する。光束u4の一部が半透過反射層116を透過して第3の偏光板104に至り、透過された光束u4のさらに一部がこれも透過する。
ここで、第2の液晶パネル102は白表示に設定してあるので、光束u4はそのまま第2の液晶セル108を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。
一方、偏光分離器110で反射され導光板112に入射した光束u3は、この導光板1
12から出射して半透過反射層116に入射し、光束u3の一部が、この半透過反射層116を透過して第3の偏光板104に至り、光束u3の一部のさらに一部が偏光板104を透過する。この第3の偏光板104の透過偏光軸104Aは第2の偏光分離器115の透過偏光軸115Aに一致しているので、第2の偏光分離器115を透過する。
ここで、第2の液晶パネル102は白表示に設定してあるので、光束u3はそのまま第2の液晶セル107を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。
また、光源114から出射された光束のうち、導光板112から第2の液晶パネル102側に出射した光束w1は半透過反射層116に入射し、この光束w1の一部である光束w2が半透過反射層116を透過する。一方、半透過反射層116により光束w1の他部である光束w3は反射し、再び導光板112に入射する。
光束w2の一部が第3の偏光板104を透過して、第2の液晶セル108に至る。ここで、第2の液晶パネル102は白表示に設定してあり、第2の液晶セル108は位相差の生じない透光板として機能しているために、第3の偏光板104を透過した光束w2はそのまま第2の液晶セル108を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。
一方、半透過反射層116で反射した光束w3は、再び導光板112に入射して偏光分離器110の透過偏光軸110Aを透過して第2の偏光板105を透過し第1の液晶セル107に入射する。
先に説明したように、第1の液晶パネル101は黒表示に設定してあり、第1の液晶セル107は(1/2)λの位相差を有するように機能するために、光束w3は90度回転させられて第1の視認側偏光分離器111の反射偏光軸111Bに平行するようになる。このために、第1の視認側偏光分離器111により反射される。
この反射された光束w4は、再び第1の液晶セル107の(1/2)λの位相差を有する機能により90度回転させられて第2の偏光板105の透過偏光軸105Aに一致することになって、この第2の偏光板105を透過して偏光分離器110の透過偏光軸110Aを透過して導光板112に入射する。光束w4の一部は、半透過反射層116を透過し、光束w4の一部の一部が第3の偏光板104を透過して、第2の液晶セル108に至る。ここで、第2の液晶パネル102は白表示に設定してあり、第2の液晶セル108は位相差の生じない透光板として機能しているために、光束w4はそのまま第2の液晶セル108を透過し、第2の視認側偏光分離器113の透過偏光軸113A、第4の偏光板106の透過偏光軸106Aを透過して視認側Bに出射する。
このときに、視認側Bでは光束u3の一部、光束u4の一部、光束w2の一部、光束w4の一部を視認することになり、第2の液晶パネル102の電圧制御によりこれらの光束u3、u4、w2、w4のそれぞれの一部を光源にして画像表示が可能になる。
次に、第1の液晶パネル101側に電圧を印加して、その第1の液晶セル107を位相差の生じない透光板として機能させて視認側Aを白表示に設定し、第2の液晶パネル102側に電圧を印加しないで、第2の液晶セル108を(1/2)λの位相差を有するように機能させて黒表示に設定した場合について図15を用いて説明する。
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図13において、光源114から出射した光は、導光板112を反射と出射を繰り返しながら光源114と反対側の対向面に伝搬されて行く。そして、導光板112から第1の
液晶パネル101側に出射した光束x1は偏光分離器110に入射し、この偏光分離器110の透過偏光軸110Aに平行する偏光成分をもつ光束x2が透過する。一方、偏光分離器110の反射偏光軸110Bに平行する偏光成分を持つ光束x3は反射し、再び導光板112に入射する。
第2の偏光板105の透過偏光軸105Aは偏光分離器110の透過偏光軸110Aに一致しているので、光束x2は第2の偏光板105を透過して、第1の液晶セル107に至る。ここで、第1の液晶パネル101は白表示に設定してあり、第1の液晶セル107は位相差の生じない透光板として機能しているために、光束x2はそのまま第1の液晶セル107を透過し、第1の視認側偏光分離器111の透過偏光軸111A、第1の偏光板103の透過偏光軸103Aをそれぞれ透過して視認側Aに出射する。
また、偏光分離器110で反射された光束x3は導光板112から半透過反射層116に入射する。この半透過反射層116を光束x3の一部が透過する。さらに、第3の偏光板104に入射し、光束x3の一部のさらに一部が第3の偏光板104の透過偏光軸104Aを透過する。先に説明したように、第2の液晶パネル102は黒表示に設定してあり、第2の液晶セル108は(1/2)λの位相差を有するように機能するために、光束x3は90度回転させられて第2の視認側偏光分離器113の反射偏光軸113Bに平行するようになる。このために、この第2の視認側偏光分離器113により反射される。
この反射された光束x4は、再び液晶セル108の(1/2)λの位相差を有する機能により90度回転させられて第3の偏光板104の透過偏光軸104Aに一致する光束x4になって、この第3の偏光板104を透過して半透過反射層116を透過し、導光板112に入射する。その後、光束x4は、導光板112から出射して偏光分離器110により反射され、再び導光板112に入射する。この繰り返しにより光束x4は偏光を解消されて、偏光分離器110の透過偏光軸110A、第2の偏光板105を透過して、第1の液晶セル107に至る。ここで、第1の液晶パネル101は白表示に設定してあり、第1の液晶セル107は位相差の生じない透光板として機能しているために、光束x4はそのまま第1の液晶セル107を透過し、第1の視認側偏光分離器111の透過偏光軸111A、第1の偏光板103の透過偏光軸103Aをそれぞれ透過して視認側Aに出射する。
また、光源114から出射された光束のうち、導光板112から第2の液晶パネル102側に出射した光束y1は半透過反射層116に入射し、この光束y1の一部である光束y2が透過し、一方、光束y1の他部である光束y3が半透過反射層116で反射し、再び導光板112に入射する。
光束y2は、その一部が第3の偏光板104を透過する。第2の液晶パネル102は黒表示に設定してあり、第2の液晶セル108は(1/2)λの位相差を有するように機能するために光束y2は90度回転させられる。このために、第2の視認側偏光分離器113の反射偏光軸113Bに平行するようになって、この第2の視認側偏光分離器113により反射される。
この反射された光束y4は、再び液晶セル108の(1/2)λの位相差を有する機能により90度回転させられて第3の偏光板104の透過偏光軸104Aに一致することになって、この第3の偏光板104を透過して半透過反射層116を透過する。この光束yの一部が導光板112に入射して偏光分離器110と第2の視認側偏光分離器113との間を往復することで偏光を解消されて、偏光分離器110の透過偏光軸110A、第2の偏光板105を透過して、第1の液晶セル107に至る。ここで、第1の液晶パネル101は白表示に設定してあり、第1の液晶セル107は位相差の生じない透光板として機能しているために、光束y4はそのまま第1の液晶セル107を透過し、第1の視認側偏光
分離器111の透過偏光軸111A、第1の偏光板103の透過偏光軸103Aをそれぞれ透過して視認側Aに出射する。
このときに、視認側Aでは光束x2、x4の一部、y3、y4の一部を視認することになり、第1の液晶パネル101の電圧制御により光束x2、x4の一部、y3、y4の一部を光源にして画像表示が可能になる。
上記したように、本発明の第3の実施の形態では、2つの液晶パネル101、102を有しており、第1の偏光板103、第4の偏光板106の内方に第1、第2の視認側偏光分離器111、113を設けたことで、第1の偏光板103、第4の偏光板106で吸収されていた偏光成分を反対側の視認側から出光させることができる。このために、光利用度が向上し、明るい表示が得られる。
すなわち、視認側とは反対側を黒表示することで、反対側の液晶パネルに入射する光を視認側にすべて反射することができる。これにより、反対側の液晶パネルでのバックライト光の吸収が減少し、視認側の液晶パネルの光利用効率が極端に向上する。
このために、例えば、携帯電話器等の一方の液晶パネルのみを視認する場合に他方の液晶パネルを黒表示に設定すると、バックライトからの光は他方の液晶パネルの視認側偏光分離器で一方の液晶パネル方向に反射する。反射光は導光板で偏光解消し、一方の液晶パネルである視認側の液晶パネルの透過偏光軸と一致する成分は透過して、この視認側の液晶パネルのバックライト光として利用され、直交する成分は反射して他方の液晶パネルで再び反射し導光部材で偏光解消した後に、視認側の液晶パネルのバックライト光として利用され、視認側の液晶パネルの光利用効率を極端に向上させることができる。
また、本発明の第3の実施の形態では、導光板112と第2の液晶パネル102の間に半透過反射層116を配置したことにより、第1の液晶パネル101の出射光量を第2の液晶パネル102の出射光量より増加させることができるし、更に、半透過反射層116の透過と反射の比率を変えることにより第1の液晶パネル101の出射光量と第2の液晶パネル102の出射光量との比率を自在に調整することができる。
本発明の第3の実施の形態でも、液晶パネルの駆動方式において、パッシブマトリクス、アクティブマトリクスを問わないことは明白である。表示モードもノーマリホワイトモードで説明したが、ノーマリブラックモードでも同様に実施できる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について図14を用いて説明する。
図14はその液晶表示装置の概略を偏光分離器あるいはそれと半透過反射層を省略して示す斜視図である。
本発明の第4の実施の形態は、基本的な構成は,本発明の第1乃至第3の実施の形態のいずれの構成でも実現可能であるが、ここでは本発明の第1の実施の形態と同様な構造のものとして説明する。
本発明の第4の実施の形態が本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置と異なるのは、第2の液晶パネル102の大きさ(この例では幅)を第1の液晶パネル101より小さくしたことである。それによって、第2の液晶パネル102の表示面積を第1の液晶パネル101の表示面積より小さくしている。
この場合、第2の液晶パネル102は第1の液晶パネル101の補助的な役割に使用するために、その大きさが比較的小さくてよい場合が多い。このときに、本発明の第1の実施の形態では、光源114は、大きい方の第1の液晶パネル101の表示面積に合わせて照射するために、表示面積の小さい第2の液晶パネル102で表示する場合には無駄になる光が多い。第2の液晶パネル102は補助的に使用されるために消費電力のさらなる低減も必要である。
そこで、本発明の第4の実施の形態では不要な部分の光源を消灯することにより無駄な消費電力を低減するようにしている。
図14において、第1の液晶パネル101は、本発明の第1の実施の形態と同じ半透過型の液晶パネルを採用している。第2の液晶パネル102は本発明の第1の実施の形態と同一構造であるが、パネルの大きさが異なる。すなわち、第1の液晶パネル101と長辺方向は同一寸法であるが、短辺方向の幅は約1/3にした細長い形状の液晶パネルである。この第2の液晶パネル102は補助液晶パネルとして10×100ドット程度の画素数で構成され、主に時刻、使用者への簡易情報の伝達に使用する。導光板112の端面112cに近接する光源114は、3個の発光素子、この例では発光ダイオード(LED)であるLED11、12、13で構成している。光束15〜17は各LEDから導光板112に出射する光束を示す。
図14において、視認側Aから第1の液晶パネル101を視認する場合には、光源114のうち3個のLED11〜13をすべて点灯する。このとき、導光板112は端面112cからその光束15〜17を全て入射し、全面にわたり導光すると共に図4によって説明したように光束a1の経路で導光板112から出射して、光束a2のように第1の液晶パネル101の照明光となる。
次に、視認側Bから第2の液晶パネル102を視認する場合には、光源114の3個のLEDのうち、両側のLED11とLED13を消灯して、中央のLED12を1個だけ点灯する。このときに、図14に示す各LEDから出射される光束15〜17の内、光束16のみが出射して導光板112に入射する。導光板112内では、入射した光束は図4に示した光束a1の軌跡で出射する。このときに光束a1はLED12の照射範囲でしか存在しない。図14においては導光板112の中央を中心に全幅の3/1の幅の範囲すなわち全面積の1/3程度の面積を照射することになる。導光板112は透明な素材であるため入射光は比故的まっすぐすすむのでほぼ均一に1/3の幅の部分を照射することが可能である。
図4で説明したように、光束a1は偏光分離器110で反射されて光束a3となって第2の液晶パネル102の照明光となる。このとき第2の液晶パネル102は画面中央部に配置してあるので、ほぼ全面が均一に照射され、視認側Bでは明るい表示を視認できる。この場合に点灯しているLEDは1個であるため、消費電力は3個のLEDを全て点灯する場合の1/3に減少する。
本発明の第4の実施の形態では、LEDの個数を3個にしたが個数はこれに限定することはない。それぞれの液晶パネルの大きさに合わせて所望の特性が得られるように設定すればよい。また、複数の発光素子はLEDに限るものではなく、ミニランプ、EL素子、その他種々の発光素子を使用することができる。その場合でも複数の発光素子を選択して点灯することにより、この実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、上述の説明では本発明の第1の実施の形態と同様な構造の液晶表示装置に適用した場合を例に説明したが、本発明の第2、第3の実施の形態と同様な構造の液晶表示装置
に適用しても同様な効果が得られることは勿論である。