JP4409981B2 - テザート飛行システム - Google Patents
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Description
日本測地学会編著「新訂版GPS−人工衛星による精密測位システム」社団法人日本測量協会、1989年11月15日、p193−210 飯田尚志編著「衛星通信」オーム社、1997年2月25日、p1−40 M.L.Cosmo and E.C.Lorenzini、 "Tethers In Space Handbook Third Edition"、 NASA MSFC、 December 1997、 p55−118
を備えたことを特徴とする。
この実施の形態では、複数の宇宙機と、この複数の宇宙機間をつなぐテザーであって通信信号伝達機能を有するテザーを用いた編隊飛行宇宙機の一例を説明する。また、通信信号伝達機能を有するテザーに接続された通信処理部を有する編隊飛行宇宙機における高精度姿勢決定システム及び位置決定システムについて、一例を説明する。
赤道面から約45度の傾斜角になるように地球の自転に合わせて1日に1周回している。なお、赤道面からの傾斜角は、設計により任意に設定してよい。また、一例として昇交点赤経(赤道面との交点)において120度ずつ離れるように3機が配置されている。地表面上に投影される準天頂衛星軌道の軌跡は、地上を固定して考えた場合に、準天頂衛星は赤道上を交点とする「8の字」または「涙的型」を描くように周回している。3機の準天頂衛星は、軌道面を異にするが8時間ごとに交代(会合)することにより、切れ目なく日本上空に位置している。また、地域を日本で考えた場合、仰角が70度以上の準天頂衛星が常に存在することになる。切れ目なく日本上空に位置しているため、仰角が70度以上の準天頂衛星が常に存在し、受信者が地上で準天頂衛星から電波を受ける際、ビルの谷間でも電波を遮られることが少ない。
各衛星の軌道要素は次のように表わされる。
軌道長半径は3軌道とも約42164km即ち約23時間56分の周期、離心率は3軌道とも約0.09923、軌道傾斜角は3軌道とも45度、昇交点赤経は120度間隔に設定され、近地点引数は3軌道とも270度、真近点離角は各々129.23度、0.36度、230.41度である。衛星の会合点(軌道交点)は、それぞれの軌道の軌跡が物理的に交わるとともに、ある時刻にその点で2つの衛星が物理的に同じ位置を占めるという特徴をもつ。この特徴を持たせるのは離心率の設定による。離心率を上記0.09923から異なる値に設定すると、それぞれの軌道の軌跡が物理的には交わるが各会合点で必ず所定の2つの衛星が物理的に同じ位置を占めるということは起きない。上記離心率0.09923は他の定められた軌道要素から数学的に求められる。
(1)編隊飛行を構成する各々の宇宙機の位置、姿勢および時刻情報は地上局を介して、相対的な位置、姿勢および時刻情報が全宇宙機に伝達される場合、伝送によるタイムロスによりリアルタイムの情報交換ができないため、編隊飛行を行うための軌道制御および姿勢制御がリアルタイムにできない。
(2)当然のことながら、いずれかの宇宙機の通信系に異常が起きた場合は、GPS情報の通信に不具合が生じるとともに、地上局との通信に不具合が生じる。このため、通信系に不具合が生じた宇宙機の情報を得ることはできない。そのため、通信系に異常のある宇宙機を除いて、宇宙機数を減らした編隊飛行が行われることとなる。
(3)あるいは、指向性のある衛星間通信アンテナを用いて、宇宙機間において高速で大容量の通信を実現することにより、相対的な位置、姿勢および時刻情報がほぼリアルタイムで全宇宙機に伝達される場合が考えられる。この場合、各宇宙機のアンテナは通信する宇宙機方向に向いている必要がある。このため、高度な姿勢制御が必要となる。また、衛星間通信を行うための高度なアンテナ制御技術も必要となる。
(4)編隊飛行に必要な位置、姿勢および時刻情報を得るために、地上局を介した場合でも、衛星間通信アンテナを用いた場合でも、当然のことながら、各々の宇宙機の姿勢制御系に不具合が生じた場合は編隊飛行が維持できない。
図8に示した編隊飛行における問題点として、以下のような点が挙げられる。
(5)図8のようなテザー編隊飛行を構成する全宇宙機をテザーにより繋留しようとするとき、宇宙機にテザー巻き取り機構(以下、リールメカニズム)を搭載することが不可欠である。しかしながら、複数の宇宙機をテザーの任意の位置に繋留することは難しい。2つの宇宙機であれば、1つの宇宙機にリールメカニズムを搭載し、またもう1つの宇宙機にテザー先端を取り付けておくことにより、例えば釣りをするときのように、軌道上で容易に伸展させることができる。しかし、3機以上の宇宙機を1本のテザーに取り付けようとしたとき、1つの小さなリールメカニズムに複数の大きな宇宙機を巻き込んでリールに巻き付けることは考えにくい。
(6)また、テザーがある程度繰り出された任意の位置で、何らかの方法で宇宙機をテザーに固定しようとしたとき、宇宙機のテザー把持機構と運動しているテザーの間に生じる摩擦力によって、テザー表面の磨耗劣化が起こる。この結果、テザーそのものを変質させてしまうか、場合によってはテザーを切断させてしまう。結局、テザー繋留式の編隊飛行においては、テザー本数分のリールメカニズムを宇宙機に搭載することが容易に伸展させるための1つの手段となる。このことは、重量増およびコスト増に関する考慮が必要となる。
(7)テザー繋留式の編隊飛行においては、テザーは構造部材として用いられているので、いずれかの宇宙機の姿勢制御系に不具合が生じても編隊飛行を維持することができる。しかしながら、テザーは構造部材としての役割しか果たしておらず、全宇宙機の相対的な位置、姿勢および時刻情報を情報交換するための伝達手段ではない。
この実施の形態では、リールメカニズム127について一例を説明する。
図9において、糸巻であるスプール407は、fの方向に回転し、糸巻であるスプール409は、gの方向に回転する。すなわち、スプール407とスプール409とは逆の方向に回転するものである。テザー403は、スプール407に巻きつけられ、スプール407がfの方向に回転することによって伸展する。また、テザー405は、スプール409に巻きつけられ、スプール409がgの方向に回転することによって伸展する。
また、各宇宙機に独立したリールメカニズムを必要とせず、例えば図11(c)のように3つの宇宙機を接続する場合には、3宇宙機に対して1つのリールメカニズムで済むため、必要リールメカニズム数の削減が可能であり、宇宙機の低コスト化という効果がある。
この実施の形態では、図4,図5に示したツリー形状の編隊飛行の宇宙機によって実施するアプリケーションの一例を説明する。
(1)テザー芯線に光ファイバを用いたことは、時刻管理およびデータ通信などの情報伝達機能を持つことになる。衛星間通信の代替手段となるという効果がある。
(2)いずれかの宇宙機の通信系に不具合があっても編隊飛行が維持できるという効果がある。
(3)いずれかの宇宙機の姿勢制御系に不具合があっても編隊飛行が維持できるという効果がある。
(3)全宇宙機の姿勢位置維持のための推薬の節約が可能であるため、宇宙機の長寿命化という効果がある。
(4)いずれかの宇宙機において、姿勢制御系の替わりにドッキング機能などのミッションを持たせた宇宙機を編隊飛行に含めることが可能であり、テザー繋留式の編隊飛行の応用範囲を拡張するという効果がある。例えば、ユニット化した電源系や推進系のモジュールを不具合が生じた宇宙機と交換することにより、宇宙機の寿命と性能を飛躍的に改善することができる。
(5)各宇宙機に独立したリールメカニズムを必要とせず3宇宙機に対して1つのリールメカニズムで済むため、必要リールメカニズム数の削減が可能であり、宇宙機の低コスト化という効果がある。
(6)テザーという柔軟な素材に光ファイバを加えて情報伝達機能を持たせることにより、宇宙構造物の枠組みと可能性を大きく拡げることができる、という宇宙構造分野への貢献における効果がある。
Claims (2)
- 母宇宙機と子宇宙機とを備え、母宇宙機と子宇宙機とを通信回線を有するテザーで接続するテザート飛行システムにおいて、
上記子宇宙機は、
衛星群から情報を受信して自己の位置を示す子機位置情報を計測するとともに、自己の姿勢を示す子機姿勢情報を計測する子機測位部と、
上記子機測位部が計測した子機位置情報と子機姿勢情報とを、上記テザーが有する通信回線を介して上記母宇宙機に送信する子機通信処理部と
を備え、
上記母宇宙機は、
衛星群から情報を受信して自己の位置を示す母機位置情報を計測する母機測位部と、
上記テザー長を検出するテザー長検出部と、
上記テザーが有する通信回線を介して、上記子宇宙機の子機通信処理部が送信した子機位置情報と子機姿勢情報とを受信する母機通信処理部と、
上記母機通信処理部が受信した子機姿勢情報に基づいて、子宇宙機の姿勢を変化させる姿勢変化量を計算する姿勢計算部と、
上記テザー長検出部が検出したテザー長と、上記母機通信処理部が受信した子機位置情報とに基づいて、上記母機測位部が計測した母機位置情報が示す母宇宙機の位置を基点とする子宇宙機の相対位置情報を計算する位置計算部と、
上記姿勢計算部が計算した姿勢変化量と、上記位置計算部が計算した相対位置情報とに基づいて、子宇宙機の姿勢を制御する姿勢制御信号を生成する姿勢制御信号生成部と、
上記姿勢制御信号生成部が生成した姿勢制御信号を上記テザーが有する通信回線を介して子宇宙機に送信する制御信号送信部と
を備え、
上記子宇宙機は、
上記母宇宙機の制御信号送信部が送信した姿勢制御信号を上記テザーが有する通信回線を介して受信する姿勢制御信号受信部と、
上記姿勢制御信号受信部が受信した姿勢制御信号に従い自己の姿勢を制御して変化させる姿勢制御部と
を備えたことを特徴とするテザート飛行システム。 - 上記母宇宙機は、
上記テザーを巻きつける糸巻きを2つ有し、2つの糸巻きを同時に2つの異なる方向に回転させて2つの糸巻きに巻きつけられたテザーを上記2つの異なる方向に伸展させるリールメカニズムを備え、
2つの糸巻きのいずれか一方に糸巻きに巻きつけられたテザーは、上記子宇宙機を接続する
ことを特徴とする請求項1記載のテザート飛行システム。
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