JP4409047B2 - 水中の溶存酸素低減設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,水中の溶存酸素低減設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学プラントや建物(工場)内で発生する各種の熱負荷を冷却水で取り除く設備や,ユニタリーヒートポンプその他の冷凍機の凝縮器に冷却水を循環する設備等が一般化しており,これら熱負荷で加温された冷却水は通常は冷却塔で冷却したあと,熱負荷に戻すようにしている。この冷却水循環路は通常は金属管で構成されるが,冷却水に酸素が溶存(溶解)すると,該金属管を腐食させる原因となる。
【0003】
このため,耐食性のある金属管を使用することが考慮されているが,溶存酸素を少なくすることも腐食を防止するうえでは最も基本的な対策となる。溶存酸素を少なくするには,配管系を大気に触れないクローズド配管系とするのがよい。この目的のために,大気と冷却水とを充填物層で直接的に気液接触させる開放型冷却塔は使用せずに,これよりも熱交換効率は低下するが,冷却水を塔内の管路内で散水と間接的に熱交換させる密閉式冷却塔を使用することが行われている。
【0004】
しかし,密閉式冷却塔と熱負荷との間を冷却水が循環するクローズド配管系であっても,管内圧が所定圧を超えたら圧を開放する開放弁を設けたり,水槽内で圧を開放するようにした開放水槽を設ける場合には,大気と冷却水が触れる機会が発生し,大気中の酸素が冷却水中に移行する現象が起きる。このような開放弁や開放水槽を設けることは,負荷側が化学プラント等の機器類である場合には必須の要件となる。管内圧力が異常に高くなることが回避されねばならないからである。
【0005】
したがって,クローズド配管系であっても溶存酸素が増大し,たとえ当初から純水を装填し,補給水も純水を使用したとしても,水中の酸素濃度か高くなることがあり,このために配管系の腐食を促進する結果となる。腐食が発生すると,管自体の強度の問題も発生するが,腐食生成物やスケールが水中に浮遊して水流に同伴するようになり,フイルタの目詰りを起こしたり,管路抵抗を増大させたりして,トラブルの原因になる。
【0006】
このため,クローズ配管系においても溶存酸素を可能な限り低減することが望まれ,出来るだけ酸素が溶存しないような対策を講ずることと,酸素が溶存した場合にはその溶存酸素を除去する対策を講ずることが必要となる。
【0007】
このうち,後者の水中に溶存した酸素を除去する技術としては,物理的方法と化学的方法があり,物理的方法としては,溶解度の温度依存性を利用した加熱式脱気法,酸素分圧差を利用した真空脱気法や不活性ガス(特に窒素ガス)バブリング法,さらには非多孔質膜または多孔質膜などを利用した膜脱気法等が知られている。また,化学的方法としてはヒドラジンや亜硫酸ソーダー等の還元剤を少しづつ添加して溶存酸素と化学反応を起こさせる方法等が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記のようにクローズド配管系においても脱気弁や開放水槽を必要とするので,大気との接触を完全に回避することは困難であり,溶存酸素を除去する公知の技術のうちでも,経済性や装置規模を考慮すると,冷却水の循環系に採用できるものは少ない。例えば,加熱式脱気法では,温度が低いことが使命である冷却水に対しては採用しがたく,真空脱気法では装置が大掛かりとなり,膜脱気法では高価で且つメインテナンスが怠れないという問題がある。
【0009】
窒素ガスバブリング法は最も採用しやすいが,それでもバブリングのための設備や排気に特別の考慮を必要とし,高い効率で経済的に酸素を除去するには限界がある。例えば特開平7−328602号公報には,縦管に上部から下方に向かう水流を形成させ,底部から不活性ガスをバブリングさせて溶存酸素を除去する方法が記載されているが,不活性ガス気泡が水と接触するのは気泡が縦管内を自然に上昇する間だけである。したがって,水中の溶存酸素が気泡側に移行する機会が少なく,溶存酸素を完全に低減するには多くのガスを必要とするし,また排気設備が必要であり,自動化も困難である。
【0010】
また,還元剤を添加する化学的方法では冷却水を汚染することになるので,好まれない。
【0011】
他方,半導体の生産工程等では,熱交換器の材質の面等から,銅,アルミ,鉄系合金等の複数の金属と接して冷却水が循環することがある。このようなイオン化傾向の異なる全ての金属を防食するには,溶存酸素量を極低域まで低減するしか方法がない。特に水中の銅イオンによるアルミの溶出(腐食)は切実な問題であり,この腐食トラブルにより生産の停止を余儀なくされることもある。密閉式冷却塔を使用してクローズド配管系に構成しても,開放弁等からの酸素溶存が回避できないとすれば,溶存酸素量を確実に極低域まで低減する方法の出現が強く求められている。
【0012】
したがって,本発明の課題は,前記のようなクローズド配管系の冷却水経路において,可能な限り酸素の溶存を防止すると共に,溶存した酸素を簡単な設備で経済的に且つ効率良く且つ確実に除去することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決せんとする本発明は,密閉式冷却塔と熱負荷との間を冷却水が循環するようにした冷却水のクローズド配管系に,大気に通ずる管路を備えた水槽を設置し,この水槽において管内で発生した圧を開放するようにした冷却水循環設備において,該水槽の外側に,ガス取入口をもつエジエクタ管と、乱流形成フインを管内に設けた水流ミキサーと、屈曲部をもつ配管で構成された気液接触配管とからなる気液混合装置を設け,この気液混合装置のエジエクタ管に該水槽内の水を供給すると共に該エジエクタ管のガス取入口に不活性ガスを供給し,ついで該水流ミキサーおよび気液接触配管で気泡と水とを混合接触してから該水槽の水面下に戻し、この水槽内に溜まる排ガスを前記の大気に通ずる管路から放出することを特徴とする冷却水中の溶存酸素低減設備を提供する。
【0015】
また本発明によれば,密閉式冷却塔と熱負荷との間を冷却水が循環するようにした冷却水のクローズド配管系に,大気に通ずる管路を備えた水槽を設置し,この水槽において管内で発生した圧を開放するようにした冷却水循環設備において,該水槽内に冷却水を導入する導入管の吐出口と,該水槽内から冷却水を導出する導出管の吸込口とを水槽の下部位置において互いに間隔を開けて対向配置し,水槽内の滞留水に対して該吐出口から吸込口に向かう水流の動圧伝播を抑制する手段を水面下に設け,且つ該水槽内の水面が空気と触れるのを抑制する手段を設けたことを特徴とする冷却水中の溶存酸素低減設備を提供する。ここで,動圧伝播を抑制する手段としては,軸を水平方向にして水槽下部に設置された両端開口の連通管を使用することができ,この連通管の一方の端近傍に該吐出口を連通管内に向けて配置すると共にその他方の端近傍に該吸込口を連通管内に向けて配置する。この設備によれば,大気開放水槽が存在しても,水槽内の水の循環流が低減するので水面から酸素が溶存する機会が少なくなる。水槽内の水面が空気と触れるのを抑制する手段としては不活性ガスによる水封或いはフロートの使用が好適であり,これらによって酸素が溶存する機会を更に減らすことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の好ましい実施の形態を示した。図1において,1は化学プラント等の熱負荷であり,2は密閉式冷却塔を示す。熱負荷1に冷却水を通水することによって負荷から抜熱し,その冷却水を密閉式冷却塔2の冷却コイル3に通水することにより,散水管4から散水される水と間接的に熱交換すると共に散水される水の蒸発潜熱を利用して放熱する。熱負荷1と密閉式冷却塔2とのクローズド配管系に,大気に通ずる管路5を備えた水槽6が設置されている。
【0017】
図示の例では,循環ポンプ7の吸込側管路に水槽6が設置されており,循環ポンプ7の駆動によって,水槽6から導出管8を経て密閉式冷却塔2の冷却コイル3に冷却水を送り込み,冷却コイル3を出た冷却水は負荷1への往管9を経て負荷1に入り,負荷1を出たあと還管10を経て水槽6への導入管11に送られ,この導入管11から水槽6に入る。この水槽6は圧力吸収タンクとして作用する。
【0018】
負荷1への往管9の途中から,水槽6に通ずる分岐管12が接続され,この分岐管12には弁13が介装されている。また,密閉式冷却塔2寄りの往管9にはフイルターユニット14が介装されている。15は密閉式冷却塔2のバイバス管であり,弁16と弁17の開閉動作および開度調整により,密閉式冷却塔2への冷却水の通水量を制御すると共に,弁13の開度調整により負荷1への通水量を制御することができる。
【0019】
このように,密閉式冷却塔2と熱負荷1との間の冷却水の循環系に,大気に通ずる管路5を備えた水槽6を設置し,この大気開放管路5を通じて配管系内で発生した内圧を大気に開放させる。また管路5には逆流防止ダンパ18を介装させておき,内圧が大気より高くなったときだけ圧を放出するように動作させる。系内には冷却水として市水(水道水)を装填してもよいが,負荷側が例えば半導体製造装置である場合には当初から純水を装填し,ポンプのグランドパッキン等からの僅かな水の漏出等を補償するために純水源19から補給管路20を経て適宜純水を水槽6に補給する。このように純水を使用し,大気開放管路5に逆流防止ダンパ18を介装させた場合でも,それだけでは冷却水中には不可避的に酸素が溶存してくることがわかった。
【0020】
その原因の一つは,水槽6の水面より上の空間に空気が不可避的に侵入することが挙げられる。そして,水槽内に水流が発生すると,この空気が水中に溶存しやすくなることがわかった。そこで,本発明は,先ず,水槽内に冷却水の出入りがあっても水槽の上部では水流が発生せずに水槽内で成層が維持できるように,水槽6に冷却水を導入する導入管11の吐出口22と該水槽内から冷却水を導出する導出管8の吸込口23とを水槽の水面下の下部位置において互いに間隔を開けて対向配置し,水槽内の滞留水に対して該吐出口22から吸込口23に向かう水流の動圧伝播を抑制する手段を水面下に設けるようにした。図示の例では,この水流の動圧伝播を抑制する手段として,水槽の水面下の下部位置に軸を水平方向にして設置した両端開口した連通管21が用いられており,この連通管21の一方の端近傍に吐出口22を連通管内に向けて配置すると共に,他方の端近傍に吸込口23を連通管内に向けて配置し,吐出口22から吸込口23に向かう水流を殆んど連通管21内で発生させる構成とした。ここで,端近傍とは端の若干内側でも外側でもよいということである。また,負荷1を迂回して水槽6に冷却水を導入する他の導入管12についても,その吐出口24を連通管21の中腹部に設けると共にその吐出方向を連通管21内の水流の方向に向ける構成とした。連通管21の材質としては塩化ビニル樹脂またはステンレス鋼が好適である。
【0021】
この水流の動圧伝播を抑制する手段としては,水槽床部に断面が半円状の覆いを設置してカマボコ状の通路を形成したものでもよく,この通路を前記の連通管21と場合と同様の関係をもって吐出口22と吸込口23を配置すればよい。また,パンチング板で槽内を上層と下層に仕切り,下層の水中に吐出口22と吸込口23を間隔を開けて対向配置する構成でもよい。この場合,吐出口22をラッパ状にして,すなわち,管内から吐出口に向けて末拡がりの開口をもつように形成し,更に,その開口部に多孔板等の抵抗体を設置して吐出流の動圧を可能な限り緩和することが好ましい。吸込口についてもラッパ状にして,ラッパ状の吐出口から緩やかに槽内に流れこむ水流をそのまま対向する吸込口に取入れるようにするのがよい。このような手段を採用すると,水槽内の貯留水にかき混ぜ流が発生するのを防止することができる。
【0022】
このようにして,水槽6に戻る水の全ては,いったん水槽内の水と合流し圧や熱が貯留水に伝達するものの,水槽内の水の成層状態を殆んど乱すことなく導出管の吸込口23に流れるようになり,このため水槽6内で水流を形成する量が減り,波立ちも無くなる。さらに,水槽内の水面全体にフロート25を浮遊させることにより,一層水面が鎮静化することができた。その結果,水槽の水面上の空間に空気が侵入しても,その空気から冷却水内に酸素が溶存するのを低減できるようになった。なお,このフロート25に代えて,水面上の空間に不活性ガス例えば窒素を存在させて窒素による液面押え(水封)としてもよい。すなわち,水槽内の水面が空気と触れるのを抑制する手段として,フロート25の使用,或いは窒素による水封を利用することによって,酸素の溶存を低減できる。
【0023】
次に,溶存した酸素を低減する設備について説明する。図1において,水槽6の右側に示す一連の設備が本発明に従う溶存酸素低減設備である。この設備は,大気に通ずる管路5を備えた水槽6と,この水槽6の外側に備えられた気液混合装置と,水槽と該気液混合装置との間で水を循環する水路と,気液混合装置に窒素ガスを導入するためのガス供給路26と,からなる水中の溶存酸素低減設備であり,前記の気液混合装置がガス取入口29をもつエジエクタ管27と,攪流管28とで構成され,エジエクタ管27のガス取入口29に不活性ガス例えば窒素ガス(各種の不活性ガスや還元性ガスなどが使用できるが,以後,窒素ガスを例として説明する)を導入し,ついで攪流管28で気泡と水を混合する。この気泡水は所要の距離だけ管路内を流れてから水槽6に戻るように,還流管28の後に所定長さ(例えば10m以上)の気液接触配管44を接続してある。
【0024】
ここで,エジエクタ管27は,図2に示したように,管30内に口径を絞ったノズル31を取り付け,そのノズル口32の近傍の管壁33にガス取入口29を設けたものである。この構成により,管内を図2の矢印の方向に流れる水流はノズル31で絞られてからノズル口32より噴流として吐出して流速が増大するので,この噴流の近傍には負圧が発生し,その近傍の管壁33のガス取入口29が窒素源に接続されていると,ここから窒素ガスが管内に導入され,噴流と混ざりながら下流に流される。図3はエジエクタ管の他の例を示しており,この場合には管内に口径を絞った絞り部45を設け,この絞り部45の胴部に,ガス取入口46を設けたものである。この場合も,ガス取入口46から窒素ガスが導入されると,絞り部45の下流側には気泡流が形成する。
【0025】
本発明においては,このようなエジエクタ管27より下流側に水流ミキサー28を更に接続する。この水流ミキサー28としては,図4に示すように,水流の方向を変える乱流形成フインaとb,cとd等を組合せて管34内に設置した水流ミキサー28を使用する。すなわち,直管34内を流れる水が,曲面をもつフインa〜dによって部分的に方向変換して乱流となり,この乱流の発生によって,エジエクタ管から送られてくる気泡同伴の水流(気泡流)がかき乱される結果,気泡はさらに微細に分散され,窒素ガスと水との攪拌が助成される。この意味で、以下、 この水流ミキサーを攪流管と呼ぶ。図4に示す攪流管28は,乱流形成フインを6ユニット連結したものを1個の攪流管として例示してあるが,フインのユニット数は特に限定されない。また,図4の攪流管28を必要に応じて複数個連結することもできる。
【0026】
本例では,攪流管28の下流側に屈曲部をもつ所定長さの気液接触配管44を接続してあり,屈曲部は市販のエルボ継手で形成した。本発明者らの実験によると,エジクタ管27で窒素ガスを導入したあとで,攪流管28を設けることによって溶存酸素を非常に低域まで低減できること,そして,屈曲部をもつ十分な長さの気液接触配管44を設けることによって,さらに極低域まで溶存酸素を低減できることが確認された。
【0027】
このようにして,ガス取入口29をもつエジエクタ管27,攪流管28および屈曲部をもつ気液接触配管44とからなる管状の気液混合装置を構成し,これに水槽内の水を循環させながら,ガス取入口29に窒素ガスを導入すると,窒素ガスは水槽6に戻るまでの間に微細な気泡となって水とよく混ざり合い,その気泡中に酸素分圧差によって酸素が移行し,水中の溶存酸素量は極低域まで低減して(例えば0.5ppm以下,好ましくは0.3ppm以下まで低減して)水槽6に戻ってくる。そして,酸素を含む窒素気泡は,水槽6に通ずる比較的長い還管路35内を流れたあと,水槽6に入り,水槽上部の空間36に放出される。なお,水槽6からエジエクタ管27へは,ポンプ37を介装した往管路38を通じて水が強制的に送水される。
【0028】
この往管路38には流量計39が介装されると共に,検査用サンプルを採取する検査用タッピング40が取り付けられている。また,エジエクタ管27のガス取入口29に接続されるガス供給路26にも流量計41が介装され,さらに電動弁42が介装されている。窒素ガスの供給量は,この電動弁42の開度制御によって行うことができ,また循環水量の制御はポンプ37の回転数制御によって行うことができる。43はこれらの制御を行う制御盤を示している。なお,図1において,水槽6の外側に設置した溶存酸素低減設備は並列に2セット設置した例を示したが,1セットをバックアップ用として使用して24時間運転したり,必要に応じて交互運転することができる。また,負荷1への冷却水入口側に酸素濃度計47を取り付け,この冷却水の酸素濃度が所定値(例えば1.0ppmを超えたときに,制御盤43が溶存酸素低減設備の駆動指令を発し,電動弁42を開くと共にポンプ37を駆動することができる。
【0029】
このように構成した本発明の溶存酸素低減装置を,密閉式冷却塔2と熱負荷1の配管経路に設けた水槽6に対して設置することにより,当該配管経路内の冷却水中の溶存酸素を極めて低い水準まで,例えば1ppm以下,好ましくは0.5ppm以下の濃度にまで,低減することが可能である。この場合の溶存酸素低減装置の駆動動力はポンプ37だけであるから制御性がよく,またポンプ37による水圧発生によって,エジエクタ管27とそれ以降の攪流管28と気液接触管44において窒素ガスと冷却水との混合が極めて良好に行われる。そして,排ガスは,水槽6の上部空間36に溜まるので,この空間36に空気が侵入するのを防止する役割を果たすと共に,過剰の排ガスは逆流防止ダンパ18を経て大気に自動的に放出されるので,特に排ガス設備を施設する必要もない。ただし,水槽6が保守員が出入りするような機械室等に設置される場合には,水槽の水面上の空間に存在した窒素ガスが室内に漏れるのを防止するために(保守員窒息の危険を防止するために),大気開放管路5を窒素の逃げ道として十分に機能させるこことのほか,室内に酸素濃度計を設置して酸素濃度値が低下した場合には排気フアンを自動運転して強制排気を行う等の設備とするのが好ましい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によると,水中の溶存酸素を簡易な設備で極低域まで制御性よく低減することが可能となり,溶存酸素による配管腐食による各種トラブルを未然に防止することができる。とくに,冷却水のクローズド配管系に本発明の設備を適用すると,腐食生成物によるフイルター目詰りや管路閉塞の問題が低廉な設備費用のもとで回避できると共に配管自体の腐食も未然に防止でき,当該設備の恒久化に大きく貢献できる。また半導体製造装置等で特に問題となっている冷却水による機器腐食の問題も本発明を適用することによって未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う溶存酸素の低減設備の実施例を示す機器配置系統図である。
【図2】本発明に従うエジエクタ管の例を示す略断面図である。
【図3】本発明に従うエジエクタ管の他の例を示す略断面図である。
【図4】本発明に従う攪流管の例を示す略断面図である。
【符号の説明】
1 熱負荷
2 密閉式冷却塔
5 大気に通ずる管路
6 水槽
8 水槽から冷却水を導出するための導出管
11 水槽に冷却水を導入するための導入管
12 水槽に冷却水を導入するための他の導入管
14 フイルタユニット
18 逆流防止ダンパ
21 両端開口の連通管
22 導入管の吐出口
23 導出管の吸込口
24 他の導入管の吐出口
25 フロート
27 エジエクタ管
28 水流ミキサー(攪流管
29 エジエクタ管のガス取入口
43 制御盤
44 気液接触配管

Claims (8)

  1. 密閉式冷却塔と熱負荷との間を冷却水が循環するようにした冷却水のクローズド配管系に,大気に通ずる管路を備えた水槽を設置し,この水槽において管内で発生した圧を開放するようにした冷却水循環設備において,該水槽の外側に,ガス取入口をもつエジエクタ管と、乱流形成フインを管内に設けた水流ミキサーと、屈曲部をもつ配管で構成された気液接触配管とからなる気液混合装置を設け,この気液混合装置のエジエクタ管に該水槽内の水を供給すると共に該エジエクタ管のガス取入口に不活性ガスを供給し,ついで該水流ミキサーおよび気液接触配管で気泡と水とを混合接触してから該水槽内の水面下に戻し、この水槽内に溜まる排ガスを前記の大気に通ずる管路から放出することを特徴とする冷却水中の溶存酸素低減設備。
  2. 水槽内の水面下には軸を水平方向にし両端開口の連通管が設けられ,この連通管の一方の端近傍に冷却水導入管の吐出口が、そして、この連通管の他方の端近傍に冷却水導出管の吸込口が配置された請求項に記載の冷却水中の溶存酸素低減設備。
  3. 水槽内に冷却水を導入する他の導入管の吐出口を該連通管の中腹部に設けると共にその吐出方向を連通管内の水流の方向に向けた請求項に記載の冷却水中の溶存酸素低減設備。
  4. ガス取入口をもつエジエクタ管は,管内に口径を絞ったノズルをもち,このノズル口の近傍の管壁にガス取入口が設けられたものである請求項1,2,3に記載の水中の溶存酸素低減設備。
  5. 両端開口の連通管が、水槽床部に設置された断面が半円状の覆いからなる両端開口の通路で置き換えられている、請求項2に記載の冷却水中の溶存酸素低減設備
  6. 水槽内をパンチング板で上層と下層に仕切り、その下層の水中に冷却水導入管の吐出口と冷却水導出管の吸込口を対向配置する請求項1に記載の冷却水中の溶存酸素低減設備
  7. 吐出口は、管内から吐出口に向けて末拡がりのラッパ状の開口をもつように形成され、その開口部に多孔板が設置されている請求項6に記載の冷却水中の溶存酸素低減設備。
  8. 水槽内の水面にフロートを浮遊させてある請求項1に記載の冷却水中の溶存酸素低減設備。
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