JPH062894A - 空調用熱源水経路の防食法および装置 - Google Patents

空調用熱源水経路の防食法および装置

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JPH062894A
JPH062894A JP18287092A JP18287092A JPH062894A JP H062894 A JPH062894 A JP H062894A JP 18287092 A JP18287092 A JP 18287092A JP 18287092 A JP18287092 A JP 18287092A JP H062894 A JPH062894 A JP H062894A
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nitrogen gas
source water
air
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JP18287092A
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Takeo Hanaoka
威夫 花岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 既設建物に施設された水熱源空調設備の鋼製
管路や機器類の腐食を防止する。 【構成】 水熱源空調設備の熱源水循環路において,熱
源水中に窒素ガスをバブリングさせる。このため,該蓄
熱槽の一部または全部を大気雰囲気と実質的に遮断され
た気密槽に構成するか,または熱源水循管路の途中に大
気雰囲気と実質的に遮断された気密槽を介在させ,この
気密槽の水面下に,窒素ガス源に接続された散気管を設
置し,そして,この気密槽から外部に通ずる排ガス路を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,空調用熱源水経路の防
食法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ビル空調において水熱源方式の有用性が
認められこれが普及してから数十年経たが,建物内に施
設された熱源水経路のメインテナンス,とりわけ熱源水
と接する鋼管または鋼板の腐食は残された技術課題であ
る。
【0003】ビル内にいったん施設された水熱源空調設
備において,配管系に腐食が進行し水漏れ事故が発生す
ることは空調施設のみならず建物全体に大きなトラブル
をもたらす。このために,熱源水の循環系統の保全管理
が怠れない。
【0004】既設建物に漏水事故が起きると,その責任
の所在が建物の設計者,管理者または施工者にあるの
か,管の製造者または施工者にあるのかといった問題は
もとより,補修にあたっても簡単に済まない場合が多
い。
【0005】とりわけ,腐食が原因となっている場合に
は,一部の補修のみならず,全面改修を必要とする事態
すら生ずる。したがって,管路の腐食は可能な限り防止
されねばならない。
【0006】耐食性に優れた材料,例えばステンレス鋼
管を使用することも提案されているが,これも特別な建
物,或いは特定の管路位置に限られ,一般建物に対して
のすべての接水部材をステンレス鋼にする程の安全対策
が採られることは,設備全体の耐用年数や経済性から勘
案しても得策とは言えない。
【0007】一方,最近のビルの高層化や複雑化に伴
い,耐圧や強度さらには加工性・溶接性等の点から熱源
水経路を構成する部材も鋼に依存するところが多く,給
水路を構成する材料として鋼管または鋼板の使用が不可
避である。
【0008】かような熱源水と接する鋼の腐食を防止す
るために,従来より,防食被膜をもつ鋼材料(例えば溶
融亜鉛めっき鋼板や樹脂塗装鋼板)を使用することが行
われており,また,水槽などでは犠牲陽極による防食対
策が採られたりしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】防食被膜をもつ鋼材料
を管路材料に使用した場合でも,完全且つ永久的に防食
機能を果たすことは困難である。
【0010】例えば溶融亜鉛めっき鋼板を用いた場合で
も,弁体等の他の金属部材と接合する部分ではイオン化
電位の差から腐食を促進することがあるし,隙間腐食も
完全には防止できない。そして,亜鉛が溶出して母材の
鋼が露出した部分が生ずると腐食を促進する場合もあ
る。また,溶接や螺合,さらには加工によって,管の内
面の亜鉛めっき層が破壊されることもある。
【0011】溶融亜鉛めっき鋼板の表面にさらに樹脂コ
ーテングを施した材料でも,使用環境によっては樹脂が
分解したり,膨潤や割れを発生させたりすることがあ
り,この場合も同様な問題がある。
【0012】犠牲陽極を用いる防食法は特別な例に限ら
れ,一般の路系に適用することは,水流が存在すること
や電極の設置事態が困難であることなどから無理があ
る。
【0013】本発明は,水熱源空調設備における熱源水
と接する部位の鋼の腐食を,その腐食原因を除去するこ
とによって簡便に防止しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,水熱源
空調設備の熱源水循環路において,熱源水中に窒素ガス
をバブリングさせることを特徴とする空調用熱源水経路
の防食法を提供する。該窒素ガスのバブリングは,蓄熱
槽または熱源水循環路の途中に設けたバブリング槽で行
うことができる。
【0015】本発明はまた,建物の各所に配置された空
気調和器に蓄熱槽内の熱源水を循環させるようにした水
熱源空調設備において,該蓄熱槽の一部または全部を大
気雰囲気と実質的に遮断された気密槽に構成し,この気
密槽の水面下に,窒素ガス源に接続された散気管を設置
し,そして,この気密槽から外部に通ずる排ガス路を設
けたことを特徴とする空調用熱源水経路の防食装置,さ
らには,
【0016】空気調和器に熱源水を循環させる循管路の
途中に大気雰囲気と実質的に遮断された気密槽を介在さ
せ,この気密槽内を通水する熱源水の水面下に,窒素ガ
ス源に接続された散気管を設置し,そして,この気密槽
から外部に通ずる排ガス路を設けたことを特徴とする空
調用熱源水経路の防食装置を提供する。
【0017】用いる窒素ガスは,中空糸膜を利用して空
気から酸素富化ガスと窒素ガスとを分離する窒素ガス発
生装置によって得ることができる。また,この窒素ガス
発生装置によって分離された酸素富化ガスは空気調和器
に送気することができる。
【0018】
【作用】熱源水経路の鋼の腐食は水と酸素の共存によっ
て生ずる。その腐食理論は学術的に種々報告されている
が,モデル的に言えば次のとおりである。水中には水の
一部が解離して水素イオンH+と水酸化イオンOH-が存
在する。鉄の一部が陽イオンとなって溶出し,鉄母材は
陰に帯電して水素イオンと結合し,鉄の表面は水素被膜
で覆われた状態となる。一方, 溶出した第一鉄イオン
(Fe2+ ) はOH-と結合して水酸化第一鉄Fe(OH)2
形成し, 鉄の表面上に安定して存在するようになる。
【0019】この水素被膜および水酸化第一鉄被膜で覆
われた一種の平衡状態にあれば,腐食の進行はほぼ停止
するが,ここに酸素が共存すると,鉄表面の水素が酸素
と反応して結合して該平衡が崩れ, また水酸第一鉄も酸
素と次式のように反応して水酸化第二鉄となって沈澱し
てしまうので,鉄のイオンの溶出が始まり,腐食が進行
することになる。
【0020】 4Fe(OH)2+O2+2H2O=4Fe(OH)3
【0021】熱源水経路では,溶存ガスの種類や量,p
H値,温度,流速,水質などの変化要因によって,腐食
度は様々な挙動を示すが,水中に酸素が共存していると
鋼の腐食が促進することは疑いのないところである。こ
れは亜鉛被膜を有する鋼の場合にも言える。
【0022】大気と接する水は,空気,酸素および窒素
を溶存するが,これらの溶解度は温度依存性があり,温
度が低いほど溶存量は多くなる。例えば20℃であれ
ば,大気圧下において空気は約23ppm,窒素は約1
5ppm,酸素は9ppm溶解するとされている。冷房
運転では4〜7℃程度の熱源水が循環されるから,一層
溶解度が高くなり,例えば酸素は12ppm以上溶解す
ることになる。
【0023】窒素と酸素の溶解度の差は空気中の窒素分
圧と酸素分圧の差に関係している。本発明に従って,熱
源水中に窒素ガスをバブリングさせて窒素ガス気泡を多
数導入すると,水と窒素ガス気泡と接する界面では,酸
素分圧が実質的にゼロ若しくは極めて低い気相と水が接
することになるので,水中の溶存酸素は気相に移行する
現象が生ずる。
【0024】このため,熱源水中に窒素ガス気泡を連続
的に多数発生させ続け且つこの気泡を連続的に除去し続
ければ,熱源水中の溶存酸素はほぼ完全に気泡中に移行
し,熱源水中の溶存酸素量を低減させることができる。
【0025】蓄熱槽を用いるオープン系の熱源水経路で
は蓄熱槽で窒素ガス気泡を導入すると,蓄熱槽から汲み
上げられる熱源水中の溶存酸素を低減させることができ
るので,熱源水と接する管路の鋼の腐食の進行が防止さ
れる。
【0026】クローズ系の熱源水経路ではその経路中に
大気雰囲気と実質的に遮断された気密槽を介在させ,こ
こで窒素ガス気泡を導入させれば,循環熱源水中の溶存
酸素を低減させることができるので,熱源水と接する管
路の鋼の腐食の進行が防止される。
【0027】この窒素ガスの供給源として,中空糸膜を
利用した窒素発生装置を用いれば,空気を原料として窒
素ガスを連続的に供給できる。
【0028】
【実施例】図1は,蓄熱槽1を用いる代表的な水熱源空
調設備に本発明を適用した実施例を示したものである。
蓄熱槽1には熱源機器の稼動によって冷水または温水が
蓄えられる。図には,熱源機器として冷水製造用の冷凍
機2だけが示してあるが,実際にはボイラー等の加熱機
器も設置され,暖房時の温水も蓄えられる。
【0029】建物内の各所には空気調和器3が配置さ
れ,これら空気調和器群にはポンプ4によって蓄熱槽1
内の熱源水が往管5を経て送水され,還管6を経て蓄熱
槽1に戻される。空気調和器3はファンコイルユニット
のほか,水側熱交換器と空気側熱交換器との間でヒート
ポンプを形成したヒートポンプユニットなどが使用され
る。
【0030】以下,熱源水が冷水である場合を例として
説明すると,蓄熱槽1の一方の端に設けた冷水槽7から
空気調和器群に冷水が汲み上げられ,他方の端に設けた
温水槽8に戻される。一方,冷水の蓄熱運転は,温水槽
8から冷凍機2にポンプ9によって送水し,得られる冷
水を冷水槽7に戻す。
【0031】冷水槽7と温水槽8との間には連通孔10
を有する仕切り壁11によって多数の槽に仕切られてお
り,これらの槽内に冷水が順に流れることによって成層
蓄熱ができるようになっている。なお,温水による暖房
運転並びに温水蓄熱運転では流れが逆となる。
【0032】冷凍機2の運転中は,その冷却水が冷却塔
13に循環され,冷却塔13で外気に放熱される。14
は冷却水ポンプ,15は冷却水循環路を示す。
【0033】かような水熱源空調設備において,本発明
では蓄熱槽1の一部または全部を大気雰囲気と実質的に
遮断された気密槽に構成する。図1の実施例において
は,冷水槽7と温水槽8がこの気密槽に構成されてい
る。
【0034】すなわち,蓄熱槽1の全体は天板17で覆
われているが,冷水槽7と温水槽8は,この天板17と
水面との間の気相空間が,天板17に通ずる堰板18に
よって一般槽16とは隔絶されている。このため,冷水
槽7と温水槽8とは水は連通するが,空気は遮断される
ようになっている。かような仕切りは,もぐり堰と通称
されることがある。
【0035】このように気密に構成された気密槽7と8
には,その水面下に散気管20が設置され,また,これ
ら気密槽7と8の天板には外部に通ずる排ガス路21,
22が設けられている。
【0036】散気管20は窒素ガス発生装置23に接続
されている。この窒素ガス発生装置23の詳細は後述す
るが,これから圧送される窒素ガスは散気管20を経て
気密槽7と8内に微細な気泡として放出される。そし
て,水中を通過したガス気泡は排ガス路21,22を経
て系外に放出される。
【0037】この窒素ガス気泡が水中を浮上する間に,
水中の溶存酸素が該気泡中に移行する。すなわち,水中
に導入される窒素ガス気泡は酸素分圧が実質上零に等し
いかまたは極低圧であるから,大気圧と平衡して溶存し
ていた酸素は窒素ガス気泡に吸収される。そして,この
酸素ガスを含む窒素ガス気泡は系外に放出されるのでこ
れの連続運転によって水中の溶存酸素は極微量となる。
【0038】この窒素ガスの導入は,冷凍機2を稼動す
る蓄熱運転時には温水槽8の側だけに行い,空気調和器
群に冷水を供給する冷房運転時には冷水槽7の側だけで
行うこともできる。暖房運転の場合には逆となる。
【0039】図2は,気密槽7,8の底部に配置する散気
管20の詳細を示したものである。これは多孔質のセラ
ミツクス管24を用いたポーラスチューブからなる。セ
ラミツクス管24の一方の端を閉鎖部材25で塞ぎ,他
方の端をガスヘッダー26で塞いであり,閉鎖部材25
とガスヘッダー26はフレーム27によって互いに固定
されている。ガスヘッダー26に設けられたガス供給口
28から窒素ガスが導入されると,セラミツクス管24
の多孔質壁を通過して周面から全体的に窒素ガスが噴出
する。
【0040】図3は,本発明で使用するガス発生装置2
3の詳細を示したものである。多数本の中空糸膜30が
一方の端をガス供給ヘッダー31に,他方の端をガス排
出ヘッダー32に開口して容器33内に配置される。ま
た,中空糸膜30の群のほぼ全長は仕切板34と35で
囲われる内部空間に露出しており,この内部空間は排ガ
ス管路36に通じている。
【0041】供給ヘッダー31に圧縮空気を導入し,中
空糸膜30内に圧縮空気が送り込まれると,透過速度の
速い酸素ガスやCO2ガスがこの中空糸膜30を選択的
に透過し,透過速度の遅い窒素ガスは透過しないで排出
ヘッダー32側に流れる。中空糸膜30は各種のものが
開発されているが,ポリオレフイン系の多孔質中空糸に
シリコン系ポリマーを積層した複合膜が市場で入手可能
であり,これを用いれば空気から酸素富化ガスと窒素ガ
スを分離できる。
【0042】分離された窒素ガスは前述のように気密槽
7と8の設けられた散気管20に圧送され,水中の溶存
酸素除去のために使用される。他方の分離された酸素富
化ガスは,必要に応じて空気調和器に導入され,室内空
気の酸素濃度を高めるために使用される。場合によって
はこの酸素富化ガスを貯蔵して室内放出用またはその他
の用途に使用される。
【0043】図4は,蓄熱槽を持たないクローズド配管
系の水熱源空調設備に本発明を適用した実施例を示す。
この例では,熱源機器(冷凍機2とボイラー37)と空
気調和器3との間を直接的に熱源水を循環させている。
【0044】すなわち,冷凍機2で得られる冷水は冷却
循環ポンプ38によって,冷水往管39および調整弁4
0を経て各空気調和器3に送られ,空気調和器3を経た
あとは戻りヘッダ41a,41bで混合されたあと,冷
凍機2またはボイラー37に戻される。
【0045】一方,ボイラ37で得られる温水は温水循
環ポンプ42によって,温水往管43および調整弁40
を経て各空気調和器3に送られ,やはり戻りヘッダ41
で混合されたあと,冷凍機2またはボイラー37に戻さ
れる。調整弁40は各空気調和器3が受け持つ空調負荷
に応じて冷水と温水を切換えまたは両者の混合量を調整
する。戻りヘッダ41a,41bで混合された熱源水は
その温度に応じて冷凍機2またはボイラー42に配分さ
れる。
【0046】かようなクローズド配管系の熱源水経路の
途中に,大気雰囲気と実質的に遮断された気密槽45
a,45bを介在させる。図例では熱源水循環経路を負
荷状況が異なる建物の南側と北側に分けた例を示してお
り,例えば戻りヘッダ41aは北側系統,41bは南側
系統のものを示す。気密槽45a,bは,この両系統の
最上階位置に設けてあり,両者は同じ構造を有する。す
なわち,大気雰囲気と実質的に遮断された気密槽に構成
すると共に,この槽内を通水する熱源水の水面下に,窒
素ガス源に接続された散気管を設置し,且つこの気密槽
から外部に通ずる排ガス路を設けたものである。
【0047】図5は,気密槽45の詳細を示したもので
ある。46は水受入口,47は水送出口であり,蓋体4
7を取付けることによって閉鎖容器に構成されている。
気密槽45はクローズド管路の最上位置に取付けられ場
合には,膨脹弁としての作用並びにエア抜きとしての作
用も果たすように,水受入口46と水送出口47とは高
低差をもって取付けてあり,槽内には熱源水が一方向性
に流れるように,上下の堰板48,49が取付けてあ
る。
【0048】このようにして,気密槽45内に一方向性
の水の通路を形成したうえ,この通路を横切るように通
路底部に前記した散気管25を配置する。そして,この
散気管25を槽外に設けた前記同様の窒素ガス発生装置
23に連結する。
【0049】図5の例では,堰板48と49によって水
の流れが上下に反転する位置の槽底部に散気管25を配
置し,この散気管25を水中ではテフロンチューブ50
を用いたガス管路51によってガス発生装置23に接続
してある。これにより,窒素ガス発生装置23の他動に
より散気管25から窒素ガスが噴出し,水中で微細な窒
素ガス気泡を形成する。
【0050】したがって,水受入口15から水送出口1
4に至るまでの間に,槽内水は窒素ガス気泡と必ず接触
する機会が与えられ,水中に溶存している酸素はその分
圧差から窒素ガス気泡中に移行し,水送出口14を出る
時点では溶存酸素は殆んど存在しなくなる。
【0051】一方,水中を上昇する過程で酸素ガスを吸
収したガス気泡は,水面上の槽内空間52から排気ガス
管路53を経て,系外に放出される。この排ガス管路5
3は逆止弁(圧力調整弁)を介して大気に連通してい
る。54は給水接続口を示す。
【0052】図6は,高層ビルの水熱源空調方式におい
て採用されている動力回収型の熱源水管路に本発明を適
用した例を示す。すなわち空気調和器3を経た戻り水の
落水管57にタービン若しくは羽根車58を取付け,こ
れを落水を利用して回転させる。この回転動力は軸59
を通じて揚水ポンプ60の動力軸に伝達され,これによ
って揚水モータ61の動力が落水から回収される。
【0053】この図6の系でも,図1で説明したのと同
様に,蓄熱槽1の一部または全部を気密槽に構成し,こ
の槽内に窒素ガス気泡を導入する構成とすることができ
ることは勿論であるが,最上部の膨脹タンクが通常設置
される位置の管路内に,図4の例の場合と全く同様に気
密槽45を設置し,ここで,窒素ガス気泡を導入するよ
うにしたものである。
【0054】なお,冷凍機を稼動する場合の冷却水管路
の腐食を防止するために,この冷却水経路にも図5に示
したような気密槽45を介在させ,この気密槽45で窒
素ガス気泡と冷却水とを接触させて脱酸素を図ることも
できる。図1において,冷却水管路15にこの気密槽4
5を設けた例を示した。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
既設空調設備の熱源水管路の腐食という極めて厄介なト
ラブルを回避または減少させるのに大きな効果を発揮す
る。水熱源空調方式における空気調和器への熱源水管路
のみならず,熱源機器への熱源水の循環路や冷凍機の冷
却水管路の腐食も同時に防止することができ,また,管
路のみならず,鋼製容器や機器類,弁体部品などの腐食
も同時に防止ができる。
【0056】無害な窒素ガスを使用し且つ簡単な設備に
よって熱源水経路の防食が達成されたことは,安全性の
面でも経済的な面でも有利であり,一たん施設された後
の水熱源空調設備のメンテナンスフリー化と延命が図れ
るいう多大の効果を奏する。かような本発明の効果は,
防食被膜を施した鋼管や鋼板を使用した熱源水経路に対
しても発揮される。
【0057】また,防食に使用する窒素ガスを空気を原
料として製造することにより,その製造時に副生する酸
素ガスを環境改善用のガスに利用できるという副次的な
効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って水熱源空調設備の防食を図る設
備例を示す全体機器配置系統図である。
【図2】本発明で使用する散気管の例を示す略断面図で
ある。
【図3】本発明で使用する窒素ガス発生装置の例を示す
略断面図である。
【図4】本発明に従って水熱源空調設備の防食を図る他
の設備例を示す体機器配置系統図である。
【図5】本発明で使用する気密槽の例を示す略断面図で
ある。
【図6】本発明に従って水熱源空調設備の防食を図る他
の設備例を示す機器配置系統図である。
【符号の説明】
1 蓄熱槽 2 冷凍機 3 空気調和器 7 低温槽(気密槽) 8 高温槽(気密槽) 13 冷却塔 20 散気管 21 排ガス管路 22 排ガス管路 23 窒素ガス発生装置 24 多孔質セラミツクス管 30 中空糸膜 37 ボイラー 40 調整弁 45 気密槽 60 動力回収ポンプ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水熱源空調設備の熱源水循環路におい
    て,熱源水中に窒素ガスをバブリングさせることを特徴
    とする空調用熱源水経路の防食法。
  2. 【請求項2】 窒素ガスのバブリングは,蓄熱槽で行う
    請求項1に記載の防食法。
  3. 【請求項3】 窒素ガスのバブリングは,熱源水循環路
    の途中に設けたバブリング槽で行う請求項1に記載の防
    食法。
  4. 【請求項4】 窒素ガスは,中空糸膜を用いて空気から
    分離されたものである請求項1,2または3に記載の防
    食法。
  5. 【請求項5】 建物の各所に配置された空気調和器に蓄
    熱槽内の熱源水を循環させるようにした水熱源空調設備
    において,該蓄熱槽の一部または全部を大気雰囲気と実
    質的に遮断された気密槽に構成し,この気密槽の水面下
    に,窒素ガス源に接続された散気管を設置し,そして,
    この気密槽から外部に通ずる排ガス路を設けたことを特
    徴とする空調用熱源水経路の防食装置。
  6. 【請求項6】 空気調和器に熱源水を循環させる循管路
    の途中に大気雰囲気と実質的に遮断された気密槽を介在
    させ,この気密槽内を通水する熱源水の水面下に,窒素
    ガス源に接続された散気管を設置し,そして,この気密
    槽から外部に通ずる排ガス路を設けたことを特徴とする
    空調用熱源水経路の防食装置。
  7. 【請求項7】 窒素ガスは,中空糸膜を利用して空気か
    ら酸素富化ガスと窒素ガスとを分離する窒素ガス発生装
    置からなる請求項5または6に記載の防食装置。
  8. 【請求項8】 窒素ガス発生装置によって分離された酸
    素富化ガスは,空気調和器に送気される請求項7に記載
    の防食装置。
  9. 【請求項9】 散気管は,ポーラスチューブからなる請
    求項5,6または7に記載の防食装置。
  10. 【請求項10】 気密槽は,冷却水経路にも介装される
    請求項5または6に記載の防食装置。
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JP18287092A Pending JPH062894A (ja) 1992-06-18 1992-06-18 空調用熱源水経路の防食法および装置

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006313059A (ja) * 2005-04-05 2006-11-16 Univ Of Tokyo 省エネルギー空調用擬似密閉型冷温水循環システムおよび低損失流体搬送システム
JP2008035949A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Nohmi Bosai Ltd 消火設備
JP2009106151A (ja) * 2002-03-27 2009-05-14 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd エネルギー回収装置
JP2010036557A (ja) * 2008-08-08 2010-02-18 Kobe Steel Ltd 混練押出機の冷却水供給方法及び装置

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