JP4408975B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線CT装置に係り、特に、複数の検出器列を有するいわゆるマルチスライスCTに使用されるX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線CT装置は、扇状のX線ビーム(ファンビーム)を発生するX線ビーム発生源と、ファン状あるいは直線状に多数のチャンネルの検出素子を1列に並べた検出器とを有するシングルスライスCTが主流である。
【0003】
このX線ビーム発生源と検出器とを被検体の周囲に回転させ、被検体を通過したX線強度データ(投影データと称する)を収集し、この投影データに基づいて被検体の断層画像を再構成している。
【0004】
また、従来のシングルスライスCTを用いて、図8に示すように、被検体51をスキャン開始位置からスキャン終了位置までヘリカルスキャンした場合には、ヘリカルスキャン後に、術者は、以下に説明するような第1の確認方法または第2の確認方法によって、データ収集が正常に行なわれたことの確認、あるいは、意図した撮影領域が確実に撮影されたことを確認していた。
【0005】
まず、第1の確認方法では、図9(a)に示すように、X線ビーム発生源が1回転目の1スライス目の画像53a,53bを表示し、次に、図9(b)に示すように、X線ビーム発生源がN回転目のNスライス目の画像53c,53dを表示させ、この2枚のスライスの画像を見て、1スライス目からNスライス目までのデータ収集及び撮影領域の確認を終了していた。
【0006】
次に、第2の確認方法では、1スライス目の画像から順次Nスライス目までの画像を表示して、1スライスからNスライスまでのN枚の画像を確認していた。しかしながら、この確認が終了するまで術者は、被検体を寝台から降ろすことができなかった。
【0007】
一方、被検体の体軸方向(スライス方向)にも複数列配列された2次元検出器を有するマルチスライスCTも提案されている。この2次元検出器を用いて、X線源の1回転により複数スライス分の投影データを収集し、被検体の複数の断層画像(ボリュームデータ)を得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の第1の確認方法及び第2の確認方法をマルチスライスCTに適用すると、次のような課題が発生する。
【0009】
まず、第1の確認方法の場合には、M列の検出器列を持つ2次元検出器を用いて、図10に示すように、最初にX線ビーム発生源が1回転目で検出器列が1列目のスライスの画像を得る。次に、X線ビーム発生源がN/M回転目で検出器列がM列目のスライスの画像を得て、これら2枚の画像を見て撮影領域等を確認することになる。
【0010】
この場合、スキャン開始位置とスキャン終了位置とを確認することができるが、検出器列が1列目では、スキャン開始からスキャン終了まで正常にデータ収集されているかどうか確認できず、また、検出器列が2列目から(M−1)列目では、正常にデータ収集を行っているかどうかを確認できなかった。
【0011】
また、第2の確認方法の場合には、データ収集及び撮影領域等の確認は十分に行えるが、検出器列はM列となる。このため、スキャンにかかる時間は、シングルスライスに比較して1/Mに短縮されているのに(スキャンする領域、架台回転速度、架台回転当たりの寝台移動量がシングルスライスCTと同じとした場合)、確認すべき画像枚数を減らすことができなかった。
【0012】
すなわち、通常のスキャンよりも、画像再構成に時間がかかるため、マルチスライスCT化したメリットが十分に発揮されていなかった。
【0013】
本発明の目的は、マルチスライスCTにおいてヘリカルスキャン後に、迅速に撮影領域及びデータ収集の正常終了を確認することができるX線CT装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成とした。本発明は、X線源を被検体の回りに連続回転させるとともに被検体を体軸方向に移動させて被検体をヘリカルスキャンする制御手段と、前記X線源の各回転毎に被検体の体軸方向に配列された複数列の検出器から被検体の複数スライスの投影データを収集する収集手段と、前記ヘリカルスキャンを終了した後に前記収集手段により収集された被検体の投影データに対して所定スライス数毎に加算処理を施し被検体の複数の加算投影データを得る加算手段と、一回の前記ヘリカルスキャンに対して、前記収集手段で収集された被検体の投影データに基づき前記X線源が開始回転目で且つ前記ヘリカルスキャンの開始位置に対応する1スライスにおける被検体の断層画像を再構成するとともに、前記加算手段で得られた複数の加算投影データに基づき複数の加算断層画像を再構成する再構成手段と、この再構成手段で得られた複数の加算断層画像を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、X線源を被検体の回りに連続回転させるとともに被検体を体軸方向に移動させて被検体をヘリカルスキャンする制御手段と、前記X線源の各回転毎に被検体の体軸方向に配列された複数列の検出器から被検体の複数スライスの投影データを収集する収集手段と、前記ヘリカルスキャンを終了した後に前記収集手段により収集された被検体の投影データに対して所定スライス数毎に加算処理を施し被検体の複数の加算投影データを得る加算手段と、一回の前記ヘリカルスキャンに対して、前記収集手段で収集された被検体の投影データに基づき前記X線源が終了回転目で且つ前記ヘリカルスキャンの終了位置に対応する1スライスにおける被検体の断層画像を再構成するとともに、前記加算手段で得られた複数の加算投影データに基づき複数の加算断層画像を再構成する再構成手段と、この再構成手段で得られた複数の加算断層画像を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のX線CT装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。以下に述べるX線CT装置は、ヘリカルスキャン直後に複数の検出器列分の投影データを束ねる(スタック)加算平均処理を施して画像再構成を行い、収集されたデータの情報を欠くことなく、画像再構成数を減らすことを特徴とする。
【0025】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態のX線CT装置の概略構成を示すシステム構成図である。図1において、第1の実施の形態のX線CT装置10は、システム制御部11、操作部12、架台・寝台制御部13、寝台移動部15、X線制御装置17、高電圧発生装置19、X線ビーム発生源21、検出器23、回転架台25、データ収集部27、収集データ記憶装置29、加算平均部31、画像再構成部45、表示部47を有している。
【0026】
このX線CT装置10は、X線ビーム発生源21を被検体の回りに回転させながらX線ビームを曝射させるとともに、被検体をスライス方向に移動させて、被検体を螺旋状にスキャンする(ヘリカルスキャン)ものである。
【0027】
システム制御部11は、図示しいない入力装置を用いて入力されたスライス厚、回転速度等のヘリカルスキャン条件の内、回転速度とスライス厚と寝台移動量等を架台・寝台制御信号として架台・寝台制御部13に対して出力する。システム制御部11は、X線ビーム発生を制御するX線ビーム発生制御信号をX線制御装置17に対して出力する。
【0028】
システム制御部11は、X線ビームの検出のタイミングを示す検出制御信号をデータ収集部27に対して出力する。システム制御部11は、データ収集のためのデータ収集制御信号をデータ収集部27に対して出力する。システム制御部11は、X線ビーム発生源21の各回転毎に被検体の複数スライス分の投影データを加算平均処理するための加算平均制御信号を加算平均部31に対して出力する。
【0029】
架台・寝台制御部13は、システム制御部11により出力された架台、寝台制御信号に基づき回転架台25を回転させると共に、寝台移動信号を寝台移動部15に対して出力する。寝台移動部15は、架台・寝台制御部13により出力された寝台移動信号に基づき、回転架台25の1回転当たりの寝台15aの移動量を求め、この移動量で寝台15aを移動させる。この寝台15aは、スライス方向に移動するようになっている。
【0030】
X線制御装置17は、システム制御部11により出力されたX線ビーム発生制御信号に基づき、高電圧発生装置19による高電圧発生のタイミングを制御する。高電圧発生装置19は、X線ビームを曝射させるための高電圧をX線制御部17からの制御信号に従ってX線ビーム発生源21に供給する。
【0031】
X線ビーム発生源21は、高電圧発生装置19から供給された高電圧によってスライス方向に厚みを持った扇状のX線ビームを被検体に向けて多方向から曝射する。検出器23は、X線ビーム発生源21から曝射され、被検体を透過したX線ビームを検出する。
【0032】
図2は、検出器23を3次元的に表した図である。検出器23は、多チャンネルの検出素子を有し且つスライス方向に複数配列された2次元検出器からなる。各列については、従来のシングルスライスCT用検出器と同様に1,000チャンネル程度の検出器がX線ビーム発生源21の焦点を中心として円弧状に配置される。
【0033】
このタイプのCTは、いわゆる第3世代(R/R方式)と称される。なお、回転架台25としては、このタイプに限定されず、360°にわたって検出器が被検体の周囲に配列され、X線ビーム発生源21のみが回転するいわゆる第4世代(R/S方式)でもよい。また、検出器に加えてX線ビーム発生源21も360°にわたって被検体の周囲に配置されるいわゆる第5世代(S/S方式)でもよい。
【0034】
回転架台25は、X線ビーム発生源21と検出器23とを保持する。また、回転架台25は、図示しない架台回転機構により、X線ビーム発生源21と検出器23との中間点を通る回転軸を中心にして回転される。
【0035】
これにより、X線ビーム発生源21と検出器23との対向配置を保ちながら、X線ビーム発生源21及び検出器23が被検体の周囲を連続回転し、寝台15aを所定速度で体軸方向へ移動させるので、X線ビーム発生源21の各回転毎に被検体の複数スライスの投影データを収集できる。
【0036】
データ収集部27は、システム制御部11により出力されたデータ収集制御信号に基づき、X線ビーム発生源21の各回転毎に被検体の複数スライスの投影データを収集して出力する。
【0037】
収集データ記憶装置29は、データ収集部27によって収集された各回転毎の被検体の複数スライスの投影データを記憶する。加算平均部31は、収集データ記憶装置29に記憶された投影データの中から、X線ビーム発生源21がN/M回転目で検出器列が1列目〜M列目の投影データを抽出して、N/M回転目で検出器列が1列目〜M列目の投影データを加算平均し、N/M回転目の加算平均投影データを得る。
【0038】
画像再構成部45は、収集データ記憶装置29に記憶された投影データの中から、X線ビーム発生源21が1回転目で検出器列が1列目の投影データを抽出して、その投影データに基づき1回転目で検出器列が1列目の画像を再構成する。また、画像再構成部45は、N/M回転目の加算平均投影データに基づきN/M回転目の加算平均画像(加算平均断層画像)を再構成する。
【0039】
さらに、画像再構成部45は、収集データ記憶装置29に記憶された投影データの中から、X線ビーム発生源21がN/M回転目で検出器列がM列目の投影データを抽出して、その投影データに基づきN/M回転目で検出器列がM列目の画像を再構成する。表示部47は、画像再構成部45により再構成された被検体の断層画像をモニタ上に表示する。
【0040】
次に、このように構成された第1の実施の形態のX線CT装置の動作を図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0041】
まず、X線ビーム発生源21と検出器23とが、被検体の周囲を連続回転するとともに、寝台15aを所定速度でスライス方向に移動させていく。すなわち、図3に示すように、被検体51をスライス方向にヘリカルスキャンする(ステップS11)。
【0042】
また、スキャン開始位置からスキャン終了位置までの撮影領域において、被検体51をヘリカルスキャンした様子を図4に示す。図4からもわかるように、スキャン開始位置STからスキャン終了位置FHまでの撮影領域において、X線ビーム発生源21が1回転する毎に例えば、4スライス分の投影データが収集され、同様なデータ収集処理がN/M回転目まで繰り返し行なわれる。
【0043】
この場合、データ収集部27が、X線ビーム発生源21の各回転毎に、被検体の複数スライスの投影データを4列の検出器23から収集する。例えば、データ収集部27は、各回転毎に被検体の4スライスの投影データを4列からなる検出器23から収集する。
【0044】
そして、スキャン開始からスキャン終了までの撮影領域内でX線ビーム発生源21の各回転毎に収集された被検体の複数スライスの投影データは、収集データ記憶装置29に記憶される(ステップS13)。
【0045】
さらに、画像再構成部45は、収集データ記憶装置29に記憶された投影データの中から、X線ビーム発生源21が1回転目で検出器列が1列目の投影データを抽出して、その投影データに基づき1回転目で検出器列が1列目の画像を再構成して表示部47に表示させる(ステップS15)。これによって、1回転目で検出器列が1列目の画像を確認することができる。
【0046】
次に、加算平均部31は、収集データ記憶装置29に記憶された投影データの中から、X線ビーム発生源21がN/M回転目で検出器列が1列目〜M列目の投影データを抽出して、N/M回転目で検出器列が1列目〜M列目の投影データを加算平均し、N/M回転目の加算平均投影データを得る(ステップS17)。
【0047】
さらに、画像再構成部45は、N/M回転目の加算平均投影データに基づき、1枚の加算平均画像を再構成して表示部47に表示させる(ステップS19)。すなわち、画像再構成したN/M回転目の加算平均画像1枚を見れば確認終了となる。
【0048】
具体例を示すと、加算平均部31は、例えば、2mmスライスの4スライス分の投影データを加算平均し、8mmスライスの1枚分の加算平均投影データを得て、画像再構成部45は、加算平均部31により得られた1枚分の加算平均投影データにより8mmスライスの1枚分の加算平均画像を再構成する。
【0049】
従って、画像再構成数を減らすことができ、これによって、術者は画像を見やすくなる。また、加算平均画像には検出器列が1列目から4列目までの4スライス分の画像が含まれているから、加算平均画像を確認することで、検出器列が1列目では、スキャン開始からスキャン終了まで正常にデータ収集されたことを確認でき、また、検出器列が2列目から(M−1)列目では、正常にデータ収集を行っていることを確認できる。
【0050】
しかし、加算平均画像のみでは、スキャン開始位置及びスキャン終了位置がわかりにくい場合には、前述した2枚の画像を表示した後、画像再構成部45は、収集データ記憶装置29に記憶された投影データの中から、X線ビーム発生源21がN/M回転目で検出器列がM列目の投影データを抽出する。
【0051】
そして、画像再構成部45は、その投影データに基づきN/M回転目で検出器列がM列目の画像を再構成して表示部47に表示させる(ステップS21)。これにより、術者は、スキャン開始位置及びスキャン終了位置を容易に確認することができる。
【0052】
<第2の実施の形態>
次に、本発明のX線CT装置の第2の実施の形態を説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態のX線CT装置の概略構成を示すシステム構成図である。第2の実施の形態のX線CT装置は、第1の実施の形態のX線CT装置に対して、加算平均部31a、及び画像再構成部45aの構成が異なることを特徴とする。
【0053】
なお、図6において、図1に示す各部と同一部分には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0054】
加算平均部31aは、収集データ記憶装置29に記憶された投影データの中から、X線ビーム発生源21の各回転毎に、検出器列が1列目〜M列目の投影データを抽出して、各回転毎に検出器列が1列目〜M列目の投影データを加算平均し、各回転毎の加算平均投影データを得る。
【0055】
画像再構成部45aは、収集データ記憶装置29に記憶された投影データの中から、X線ビーム発生源21が1回転目で検出器列が1列目の投影データを抽出して、その投影データに基づき1回転目で検出器列が1列目の画像を再構成する。また、画像再構成部45aは、各回転毎の加算平均投影データに基づきN/M枚の加算平均画像を再構成する。
【0056】
さらに、画像再構成部45aは、収集データ記憶装置29に記憶された投影データの中から、X線ビーム発生源21がN/M回転目で検出器列がM列目の投影データを抽出して、その投影データに基づきN/M回転目で検出器列がM列目の画像を再構成する。表示部47は、画像再構成部45aにより再構成された被検体の断層画像をモニタ上に表示する。
【0057】
次に、このように構成された第2の実施の形態のX線CT装置の動作を図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0058】
まず、被検体51をヘリカルスキャンし(ステップS31)、スキャン開始からスキャン終了までの投影データを収集データ記憶装置29に記憶させる(ステップS33)。
【0059】
そして、画像再構成部45aは、収集データ記憶装置29に記憶された投影データの中から、X線ビーム発生源21が1回転目で検出器列が1列目の投影データを抽出して、その投影データに基づき1回転目で検出器列が1列目の画像を再構成して表示部47に表示させる(ステップS35)。
【0060】
次に、加算平均部31aは、収集データ記憶装置29に記憶された投影データの中から、X線ビーム発生源21の1回転目からN/M回転目までの各回転毎に、検出器列が1列目〜M列目の投影データを抽出して、各回転毎に検出器列が1列目〜M列目の投影データを加算平均し、各回転毎の加算平均投影データを得る(ステップS37)。
【0061】
さらに、画像再構成部45aは、各回転毎の加算平均投影データに基づきN/M枚の加算平均画像を再構成して表示させる(ステップS39)。この場合、画像再構成したN/M枚の加算平均画像を見ればよい。
【0062】
すなわち、収集されたデータの情報を欠くことなく、画像再構成数を大幅に減らすことができるため、ヘリカルスキャン後に迅速にデータ収集の正常終了を確認することができる。
【0063】
さらに、画像再構成部45aは、収集データ記憶装置29に記憶された投影データの中から、X線ビーム発生源21がN/M回転目で検出器列がM列目の投影データを抽出して、その投影データに基づきN/M回転目で検出器列がM列目の画像を再構成して表示部47に表示させる(ステップS41)。
【0064】
このように、ヘリカルスキャンしたときに、X線ビーム発生源21の1回転目では、ヘリカルスキャンのスキャン開始位置における1スライスの画像を表示した後、1回転目の検出器列分の投影データを加算平均した加算平均画像を表示し、2回転目から最後のN/M回転目まで、検出器列分の投影データを加算平均した加算平均画像を表示し、その後、ヘリカルスキャンのスキャン終了位置における1スライスの画像を表示する。
【0065】
これにより、術者は、(N/M+2枚)の画像を見るだけで、全てのデータ収集が正常に終了したことを迅速に且つ容易に確認することができる。また、スキャン開始位置及びスキャン終了位置も容易に確認することができる。
【0066】
なお、本発明は前述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態に限定されるものではない。第1の実施の形態及び第2の実施の形態のX線CT装置では、加算平均すべき検出器列数は、検出器23自体が持っている列数としたが、加算平均すべき検出器列数は、検出器23自体が持っている列数に限定されるものではない。検出器23自体が持っている列数の内の例えば、2列ずつ、3列ずつあるいは、M/2列ずつ等任意に加算平均すべき列数を変更しても、画像再構成数を減らすことができるため、ヘリカルスキャン後に迅速に撮影領域及びデータ収集の正常終了を確認することができる。
【0067】
また、X線ビーム発生源21の1回転以上分、例えば2回転分に相当する検出器列が2M列分の投影データを加算平均して加算平均投影データを得ても良い。この場合にも、画像再構成数を減らすことができるため、ヘリカルスキャン後に迅速に撮影領域及びデータ収集の正常終了を確認することができる。
【0068】
また、本特許の変形としてリアルタイムは、欠けるものの、先に全スライス分再構成して表示する時に画像を加算平均して表示しても良い。この場合、再構成枚数は減らすことはできないが、術者が確認する画像枚数は、減らすことができる。このほか、本発明は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で種々変形して実施できるのは勿論である。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、マルチスライスCTにおいてヘリカルスキャン後に、迅速に撮影領域及びデータ収集の正常終了を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のX線CT装置の概略構成を示すシステム構成図である。
【図2】複数列の検出器列を持つ2次元検出器を示す図である。
【図3】2次元検出器で被検体をヘリカルスキャンした様子を示す図である。
【図4】スキャン開始位置からスキャン終了位置までの撮影領域において被検体をヘリカルスキャンした様子を示す図である。
【図5】第1の実施の形態のX線CT装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態のX線CT装置の概略構成を示すシステム構成図である。
【図7】第2の実施の形態のX線CT装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】シングルスライスCTを用いて被検体をヘリカルスキャンした様子を示す図である。
【図9】シングルスライスCTを用いたときX線ビーム発生源が1回転目のスライスの画像とN回転目のスライスの画像とを示す図である。
【図10】マルチスライスCTを用いて被検体をヘリカルスキャンした様子を示す図である。
【符号の説明】
10…X線CT装置、11…システム制御部、13…架台・寝台制御部、15…寝台移動部、15a…寝台、17…X線制御装置、19…高電圧発生装置、21…X線ビーム発生源、23…検出器、25…回転架台、27…データ収集部、29…収集データ記憶装置、31…加算平均部、45…画像再構成部、47…表示部、51…被検体。

Claims (4)

  1. X線源を被検体の回りに連続回転させるとともに被検体を体軸方向に移動させて被検体をヘリカルスキャンする制御手段と、
    前記X線源の各回転毎に被検体の体軸方向に配列された複数列の検出器から被検体の複数スライスの投影データを収集する収集手段と、
    前記ヘリカルスキャンを終了した後に前記収集手段により収集された被検体の投影データに対して所定スライス数毎に加算処理を施し被検体の複数の加算投影データを得る加算手段と、
    一回の前記ヘリカルスキャンに対して、前記収集手段で収集された被検体の投影データに基づき前記X線源が開始回転目で且つ前記ヘリカルスキャンの開始位置に対応する1スライスにおける被検体の断層画像を再構成するとともに、前記加算手段で得られた複数の加算投影データに基づき複数の加算断層画像を再構成する再構成手段と、
    この再構成手段で得られた複数の加算断層画像を表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とするX線CT装置。
  2. X線源を被検体の回りに連続回転させるとともに被検体を体軸方向に移動させて被検体をヘリカルスキャンする制御手段と、
    前記X線源の各回転毎に被検体の体軸方向に配列された複数列の検出器から被検体の複数スライスの投影データを収集する収集手段と、
    前記ヘリカルスキャンを終了した後に前記収集手段により収集された被検体の投影データに対して所定スライス数毎に加算処理を施し被検体の複数の加算投影データを得る加算手段と、
    一回の前記ヘリカルスキャンに対して、前記収集手段で収集された被検体の投影データに基づき前記X線源が終了回転目で且つ前記ヘリカルスキャンの終了位置に対応する1スライスにおける被検体の断層画像を再構成するとともに、前記加算手段で得られた複数の加算投影データに基づき複数の加算断層画像を再構成する再構成手段と、
    この再構成手段で得られた複数の加算断層画像を表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とするX線CT装置。
  3. 前記加算手段は、前記X線源の各回転毎に前記収集手段により収集された前記被検体の複数スライスの投影データに対して加算処理を施し前記X線源の各回転毎の被検体の加算投影データを得ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のX線CT装置。
  4. 前記加算手段は、前記収集手段で収集された被検体の投影データに基づき前記X線源が終了回転目の被検体の複数スライスの投影データに対して加算処理を施し前記X線源が終了回転目の被検体の加算投影データを得ることを特徴とする請求項1または請求項2記載のX線CT装置。
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