JP4408928B2 - クリーニング装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

クリーニング装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明はクリーニング装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
特開2001−188452号公報 特開2000−267536号公報 特開昭62−111489号公報 特開平6−51673号公報 特開平11−30938号公報
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の電子写真方式の画像形成装置においては、転写後の像担持体(中間転写体を含む)表面に残るトナーを除去して、繰り返して像形成に使用するためのクリーニング装置を備えている。
この画像形成装置におけるクリーニング装置としては、ゴムなどの弾性材からなるクリーニングブレードを用いたものが、構成が簡単で、トナー除去性能にも優れていることから一般的である。
一方、近年、電子写真方式の画像形成装置の画像品質に対する要求が強くなっている。画像品質を向上させるためには、トナーの小粒径化、球形化がその有力な手段であることがわかり、現像用トナーとして重合法を用いた球形トナーが主流となりつつある。
ところが、小径トナー、球形トナーをした場合に、従来のクリーニングブレードを用いたクリーニング装置では、像担持体表面の転写残トナーの完全除去が困難で、クリーニング不良が発生するという問題が生じている。その原因については、一般的に、特許文献1に記載されているような理由が挙げられている。
そこで、上記特許文献1においては、重合法により製造された球形トナーを用いる画像形成装置の像担持体上の残留トナーを効率よく除去するために、転写後の感光体表面の残留トナーを掻き取るクリーニングブレードと、クリーニングブレードよりも感光体移動方向の上流側に配置され、残留トナーを粉砕して感光体上に微粒トナーを生成するクリーニングブラシとを備えたクリーニング装置が開示されている。
また、特許文献2においては、画像形成装置の像担持体クリーニングブレードの球形トナーに対するクリーニング性を向上させるために、球形トナーにより形成されたトナー像を担持する表面が転写領域およびクリーニング領域を通って回転移動するトナー像担持体と、前記転写領域を通過するトナー像担持体表面のトナー像を転写材に転写する転写器と、前記クリーニング領域を通過するトナー像担持体表面に摩擦接触して前記トナー像担持体表面の残留トナーを除去するブレードエッジを有する弾性部材製のクリーニングブレードと、前記ブレードエッジに塗布された粉体潤滑剤と前記球形トナーよりも平均粒径が小さい不定形トナーとの混合粉体材料とを有するトナー像担持体クリーナとから構成される画像形成装置が開示されている。
一方、画像形成装置用のクリーニング装置としては、特許文献3に開示されているように、クリーニングブレードに付着しようとするトナーや異物を落下させ、クリーニングブレードと感光体とのベタ当たりによる鳴きの発生を防止するために、クリーニングブレードを強制的に振動させるようにしたものがある。
また、特許文献4に開示されているように、感光体に接触して感光体に振動を加え得る加振手段を備えたものがある。さらに、特許文献5に開示されているように、クリーニングブレードの固定端(非クリーニング部)に対して振動を与えることで、表面の粒子を浮かせ、表面から粒子を除去する振動手段を備えたものもある。
しかしながら、特許文献1に記載のクリーニング装置にあっては、残留トナーを粉砕して感光体上に微粒トナーを生成するクリーニングブラシを備えるために装置が大型化するだけでなく、樹脂からなるトナーを粉砕することは非常に困難で、仮に粉砕できるとしても像担持体表面に対するダメージが発生し、画像品質が低下することになる。
また、特許文献2に記載のクリーニング装置にあっては、球形トナーよりも平均粒径が小さい不定形トナーとの混合粉体材料を用いるために、球形トナーを用いることによる画像品質の向上というメリットが低減し、結果的に画像品質が低下することになる。
さらに、特許文献3、特許文献4及び特許文献5に記載のクリーニング装置にあっては、クリーニングブレードに付着するトナー等を落下させるための振動を与えたり、像担持体表面からトナーを浮かせるための振動を与えるだけで、球形トナーのクリーニング不良の発生メカニズムに対応した振動を与えるものではないため、球形トナーについてはクリーニング不良が発生する。
そこで、本発明者らは、まず、球形トナーを用いた場合にカウンタ方式のクリーングブレードではクリーニング不良が発生する原因について、そのメカニズムを研究し、これを解明した。
すなわち、図22に示すように、代表的なカウンタ方式のクリーニングブレードを用いたクリーニング装置にあっては、金属ホルダ100に保持されたクリーニングブレード101の先端を、像担持体111に対して、その回転方向Aに対してカウンタとなるように、つまり、クリーニングブレード101の腹面101cと像担持体111表面が角度θになるよう当接させ、さらにクリーニングブレード101先端(自由端)を押付け量dで像担持体111に押し付けることによって、像担持体111上の残留トナーをクリーニングする。
ここで、従来のクリーニングブレード101は、通常ポリウレタンゴムを主成分とするゴム弾性部材であり、JISA硬度65〜70°、厚さ1.5〜2.0mm程度、金属ホルダ100からのブレード自由長(突き出し量)8〜15mm、当接角度θを20〜30°とするのが一般的である。
このように、像担持体111とクリーニングブレード101とが接触した状態で、像担持体111が回転すると、図23に示すように、クリーニングブレード101は弾性部材であるため、像担持体111の矢示A方向への移動によってブレード101のカット面101aのエッジ部101bが像担持体111との摩擦力により矢示A方向に引っ張られ、ブレード101のカット面101a(先端面)が変形してめくれた状態となる。このカット面101aのめくれによって、ブレード101先端のカット面101aと像担持体111との間でくさび形状のニップ部Nを形成する。
この場合、使用するトナーが粉砕トナーであるときには、図24に示すように、粉砕トナーTaは形状が歪であるため、クリーニングブレード101と像担持体111で形成されるくさび形状となったニップ部でトナーTaのエッジ部が引っ掛かる。このとき、ブレード101の先端面の変形した部分は元の状態に戻ろうとする反発力が働き、いわゆるスティック・スリップ運動が発生する。
このスティック・スリップ運動について図25を参照して説明する。ブレードニップが移動している像担持体表面にスティック状態(固着)になると、ブレードニップは同図に破線で示すように像担持体111の回転方向に強制的に引き伸ばされる。ブレードニップがある位置まで引き伸ばされるとブレードの反発力が大きくなり、静摩擦力と反発力が釣り合った時点でブレードニップが像担持体表面に対して滑る。ブレードニップと像担持体の間で滑りが生じる状態では、動摩擦係数が静摩擦係数より小さいため、ブレードニップは像担持体表面を滑りながら元の方向(実線図示の方向)へ戻ることになる。このスティック・スリップのくり返し運動(その範囲をSPで示している)の戻りの力によって、くさび形状のニップ部に滞在しているトナーTaが像担持体111の進行方向とは逆方向に戻される力を受けクリーニングされる。
これに対して、トナーとして球形トナーを用いた場合について図26を参照して説明する。同図は、球形トナーTbがクリーニングブレード101と像担持体111により形成されるくさび形状のニップ部に侵入してきたときの挙動を示している。
球形トナーTbを用いた場合、粉砕トナーTaのようにトナーに歪な部分がないため、ブレード101の先端部に引っ掛からないため、くさび形状のニップ部に侵入し、クリーニングブレード101と像担持体111に挟まれた状態となった球形トナーTbは、像担持体111との間の摩擦力により接触部を駆動源として回転するモーメントを受ける。したがって、球形トナーTbは像担持体111の進行方向と逆方向に回転しながら、像担持体111の回転方向と同じ方向に移動して、ブレード101と像担持体111との間をすり抜けるため、クリーニング不良となる。
このとき、一旦球形トナーTbのすり抜けが発生すると、図27に示すように球形トナーTbはクリーニングブレード101と像担持体111との間で潤滑剤のように機能し、ブレード101の先端部と像担持体111の摩擦力を低下させ、ブレード101の先端(カット)面のめくれを解除する(ブレード101を初期の形状に戻す)働きをする。そのため、ブレード101によるクリーニングの基本機能となる上述したスティク・スリップ運動が生じなくなり、連続してトナーのクリーニング不良が生じる現象が発生する。
以上では球形トナーのクリーニング不良の発生メカニズムについて説明したが、小径トナーについても図25に示したくさび形状のニップ部に対して、小径トナー程侵入しやすく、また侵入したトナーは歪であっても小径トナーほどエッジ部での引っ掛かりが少なくなるため、すり抜けが発生し易いことが確認された。
本発明者らは上記のように解明できた球形、小径トナーのクリーニング不良の発生メカニズムに基づき、更に鋭意研究を重ねた結果、従来のクリーニングメカニズとは異なる新規なメカニズムによって球形、小径トナーをクリーニングできることを見出した。
本件発明は上記の知見に基づいてなされたものであり、球形、小径トナーについてのクリーニング性を向上したクリーニング装置、このクリーニング装置を備えた画像形成装置及びプロセスカートリッジ、このプロセスカートリジを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、像担持体と、この像担持体に残留するトナーを除去するためのクリーニング手段を備えた画像形成装置において、クリーニング手段は、像担持体表面にカウンタ方向で当接するためのJISA硬度が75〜100°、厚みが100〜300μmのゴムからなるブレード部材と、このブレード部材を取り付けた振動部材と、この振動部材に取り付けられ、この振動部材に振動を与える加振手段とを備えている構成とした。
ここで、ブレード部材が像担持体表面に押し付けられ、像担持体表面からブレード部材の高さ方向で押し付け量が10〜100μmの範囲内である構成とできる。この場合、加振手段は振動部材に対して押し付け量よりも小さな変位量の振動を与える構成とできる。
また、ブレード部材先端の加振手段によって与えられる振動による変位量がトナーの平均粒径よりも小さい構成とできる。また、加振手段は振動部材に対してブレード部材に直接接触していないトナーを振動させる振動を与える構成とできる。また、ブレード部材は像担持体の移動方向に対してカウンタ方向で当接する状態で設けられている構成とできる。また、ブレード部材は像担持体と対向する面が像担持体と当接してなす角度が0°〜50°の範囲内となる状態で設けられている構成とできる。
また、振動部材はブレード部材を設ける部分の剛性が加振手段を設ける部分の剛性よりも高い構成とできる。また、ブレード部材は振動部材よりも剛性が低く、振動部材からのブレード部材先端の突き出し量がブレード部材の厚みの2倍以下である構成とできる。また、ブレード部材は振動部材よりも剛性が低く、ブレード部材の先端が振動部材端面と略同じか、又は後退している構成とできる。また、ブレード部材の幅方向に複数個の加振手段を間隔を置いて配置した構成とできる。
本発明に係るプロセスカートリッジは、少なくとも、像担持体と、この像担持体に残留するトナーを除去するためのクリーニング手段とを備えたプロセスカートリッジにおいて、クリーニング手段は、像担持体表面にカウンタ方向で当接するためのJISA硬度が75〜100°、厚みが100〜300μmのゴムからなるブレード部材と、このブレード部材を取り付けた振動部材と、この振動部材に取り付けられ、この振動部材に振動を与える加振手段とを備えている構成とした
また、本発明に係る画像形成装置は、本発明に係るプロセスカートリッジを複数備えている構成としたものである。
本発明に係る画像形成装置によれば、クリーニング手段は、像担持体表面にカウンタ方向で当接するためのJISA硬度が75〜100°、厚みが100〜300μmのゴムからなるブレード部材と、このブレード部材を取り付けた振動部材と、この振動部材に取り付けられ、この振動部材に振動を与える加振手段とを備えている構成としたので、球形トナー、小径トナーを使用してもクリーニング不良がなく、高画質画像を形成することができる。
本発明に係るプロセスカートリッジによれば、クリーニング手段は、像担持体表面にカウンタ方向で当接するためのJISA硬度が75〜100°、厚みが100〜300μmのゴムからなるブレード部材と、このブレード部材を取り付けた振動部材と、この振動部材に取り付けられ、この振動部材に振動を与える加振手段とを備えている構成としたので、球形トナー、小径トナーを使用してもクリーニング不良がなく、高画質画像を形成することが可能になる。
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る複数のプロセスカートリッジを備えているので、円形、小径トナーを使用してもクリーニング不良がなく、高画質カラー画像を形成することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
先ず、本発明に係るクリーニング装置による新規なクリーニングメカニズムについて図1を参照して説明する。
本発明に係るクリーニング装置は、ブレード部材1の先端領域に効率よく振動を与える構成である。そして、ブレード部材1の振動によってブレード部材1の先端と像担持体11の間にあるトナーTに振動を伝えること、また、ブレード部材1の先端領域の振動が像担持体1に伝わる構成とし、像担持体1からもトナーTに振動を伝える。
これらの加振動作は、ブレード部材1のニップ部が従来の加振を用いるクリーニング装置とは異なる形状、動きとなるように振動させることで、ブレードニップ部への球形トナー、小径トナーの入り込みを防止することができ、球形トナー、小径トナーのクリーニング不良を無くすることが可能となる。
すなわち、図1は、ブレード部材1が振動状態にあり、またその振動によって球形トナーTに振動が伝わり、トナーTが活性に振動している様子(図中白抜き矢印で示す。)を表した図である。これは、高倍率の顕微鏡を介して高速度ビデオカメラによる観察結果を図示したものである。このとき、同図に示すように、ブレード部材1にはカット面のめくれが発生せず、カット面1aのエッジ部1bが像担持体11表面に対して初期形状を維持する状態になることが分かる。なお、図中の1cはブレード部材1の腹面(像担持体11表面との対向面)である。
そして、このとき、ブレード部材1の先端カット面1aと像担持体11の近傍にある球形トナーTがトナー数個分の範囲(図中のB部の範囲)わたって振動していることが判明した。
このような状態では、ニップ部近傍の振動しているトナー群(B部のトナー)がバリヤーのような働き(振動トナー壁)をし、後続の像担持体11上トナーT(図中C部のトナー)の侵入を防止することになり、真球に近い様な球形トナーについても全くクリーニング不良が発生しない状態となる。
このとき、ブレード部材1が振動していることにより、またブレード部材1から像担持体11にも振動を伝えることで、ブレード部材1と像担持体2との摩擦力が低下し、従来方式で発生していたブレード部材1のカット面1aのめくれる現象がなくなる条件が存在することが判明した。ここでいう「カット面のめくれ」とは、通常は成型した弾性部材を厚さ方向にカットしてそのエッジをバリ、欠け等がなくシャープな形状に仕上げたブレード部材を使用するが、そのカット面が像担持体の移動に伴って変形して像担持体表面に接する状態になること(前述した図23に示す状態になること)をいう。
このブレード部材1のカット面のめくれの発生を無くすることで、像担持体11へのブレード部材1からのストレスも減少し、結果的にブレード部材1及び像担持体11の耐久性が格段に向上するという非常に大きな効果が得られることも判明した。
そこで、以下に本発明に係るクリーニング装置を備えた本発明に係る画像形成装置について図2を参照して説明する。なお、同図は同画像形成装置の概略構成図である。
この画像形成装置は、矢印A方向に回転する像担持体11を備え、その周囲に帯電手段12、露光手段13、現像手段14、転写手段15、クリーニング装置16、除電手段17が配置されている。また、像担持体11上から転写された転写材18上のトナー像を定着するための図示しない定着装置が配置されている。
ここで、帯電手段12は、像担持体11表面に所定の距離で像担持体11と接触あるいは非接触で配置され、帯電手段12にバイアスを印加することによって像担持体11を所定の極性、所定の電位に帯電する。
露光手段13は発光素子としてLDあるいはLEDを使用し、画像データに基づき像担持体11に光を照射し静電潜像を形成する。
現像手段14は、内部に固定されたマグネットローラと回転自在の現像剤担持体14Aを備えており、現像剤を現像剤担持体14A上に保持させている。この画像形成装置では、現像剤としてトナーとキャリアからなる二成分現像剤を用いて二成分磁気ブラシ現像を行うようにしている。その他の現像方式としてはキャリアを用いない一成分現像方式を用いてもよい。
現像剤担持体14Aには、現像バイアス電源から電圧が印加される。この現像バイアスと像担持体11表面に形成された静電潜像の電位との電位差により、現像領域にて静電潜像に帯電したトナーを付着させて現像を行う。
転写手段15は、転写時に像担持体11表面に所定の押圧力で接触し、電圧が印加されることにより、像担持体11と転写手段15との間の転写ニップ部で像担持体11表面のトナー像を転写材18に転写する。この画像形成装置では転写ローラを用いて転写を行っているが、コロトロン、転写ベルトなどの転写手段を用いてもよい。
クリーニング装置16は、本発明に係るクリーニング装置であり、ブレード部材21と、振動部材22と、加振手段23と(これらの部材で構成される部分を「加振ブレード20」と称する)を備え、前述したようにブレード部材21に所要の振動を与えて、像担持体11表面の残留トナーを除去する。このクリーニング装置16により像担持体11からクリーニングされたトナーは、トナー搬送部材によって、廃トナーとして図示していない廃トナーボトルに蓄えてサービスマンなどにより回収、あるいはリサイクルトナーとして現像装置などに運ばれ現像に使用される。
除電手段17は、クリーニング装置16により残留トナーを除去された像担持体11の残留電荷を除電するもので、LEDなどを用いた光除電方式の除電装置を用いている。
次に、クリーニング装置16の第1実施形態の構成の詳細について図3ないし図6を参照して説明する。なお、図3は同クリーニング装置の加振ブレードの要部拡大説明図、図4は図3の要部拡大説明図、図5は同加振ブレードの正面説明図、図6は同加振ブレードを先端側から見た説明図である。
このクリーニング装置16の加振ブレード20は、前述したように、ブレード部材21と、このブレード部材21を取り付けた振動部材22と、この振動部材22に取り付けられた加振手段23とを備えている。
ブレード部材21は、例えばポリウレタンゴムを素材とした弾性体で、厚みは50〜1500μmの範囲内、好ましくは100〜500μmの範囲内とするのが良い。厚さが薄すぎると、像担持体11表面及びブレード部材21自体のうねり等によってブレード部材21の像担持体11への押しつけ量が確保しにくくなる。厚さが厚すぎると、振動部材22からの振動を吸収し、ブレード部材21先端部への振動が十分伝達されず、トナーのクリーニング性が低下する。ブレード部材21の厚さが厚い場合は、ブレード部材21の材料としてJISA硬度で85〜100°の範囲内の硬い部材を使用することで、振動の伝達効率を上げることができる。
ここで薄いウレタンブレードの製造方法によっては、ブレード部材21と振動部材22との間に一層、または二層以上の他の部材を介在させた構成とすることもできる。例えば、薄いウレタンブレードを成型する時、ウレタンより硬度の高いPET等の既成樹脂フィルムに一体接合成型する。これによって、フレード部材のニップ部はシャープなエッジが必要であるが、そのための切断作業のハンドリング性が向上する。この場合は、PETとウレタンとを一体にしたものを切断加工した後、PFT側を振動部材22に接合して取付けることになる。
振動部材22は、振動が可能で弾性のブレード部材21よりも剛性の高い材料、例えば軟鋼板、SUS板、等の金属部材、またはカーボン、ガラス繊維を混合した樹脂成形部材、などから形成している。この振動部材22は一端部側を固定部24に固定し、他端部を自由端部23aとして、この自由端部にブレード部材21を取り付けている。なお、固定部24は図2に示すようにクリーニング装置の筐体25に固定している。
この振動部材22は、ブレード部材21のホルダとして機能し、像担持体11へのブレード部材21の押し付け力、当接角度を決める部材でもある。すなわち、従来のブレードでは、ブレードニップ部の像担持体への押し付け力は弾性ブレード自身の復元力で与えるようにしている。これに対して、本発明においては、振動の伝搬効率を上げるためブレード部材21は薄い部材構成とし、ブレード部材21単体での押し付け力が確保できないことから、この実施形態では振動部材22がブレード21に対して像担持体11への押し付け力を付与する構成している。
これにより、薄い弾性ブレード部材を使用しながら振動伝搬効率を高くし、且つブレード部材の反り、像担持体表面のうねりに対応するニップを安定して形成することができ、確実なクリーニング性能が得られる。
加振手段23は、振動部材22に振動を与えるもので、ここでは電気機械変換素子としての圧電素子、特に板状(単板)圧電素子を用いている。加振手段23として板状圧電素子を用いることにより、低コストで変位量が容易に得られる加振手段を構成することができる。
この加振手段23は、図5及び図6に示すように、像担持体11の軸方向(幅方向)に複数個配置した構成としている。なお、加振手段23は1個でもよいが、複数個を間隔をおいて配置することにより、振動部材22の幅方向の振動の均一性を得られ易い。なお、1個の長尺の圧電素子を設けることも考えられるが、板状圧電素子の場合には板面方向の伸縮による撓み変形を用いるため、複数個を間隔をおいて配置する方が好ましい。
この加振手段23は、振動部材22の像担持体1側先端寄り、すなわち自由端部22bのブレード部材21と取り付け面と反対面に設けている。振動部材22の構成によっては、加振手段23は振動部材23の固定端とブレード先端(自由端)の間で振動部材22を加振できる箇所であれば特に取り付け位置が限定されるものではない。
加振手段23を構成する単板圧電素子は、図4に示すように、チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電層23aの両面、即ち、振動部材22との接合面とその反対面に、印刷焼成したAgなどからなる電極23b、23cを有する。この電極23b、23cを用いて分極を行った厚さ0.3〜0.5mmの圧電素子(圧電層23a)に対して、100〜300Vの電圧を印加することで板面方向の縮み変形が発生し、その結果、振動部材22を撓ませる変形振動を与えることができる。この撓み振動は、圧電素子(加振手段23)と振動部材22の剛性がほぼ同じときに変形の効率がよく、例えば厚さ0.2〜0.4mmの金属振動部材22、あるいは厚さ0.3〜1.0mmの樹脂製振動部材を用いることが好ましい。
そして、図7に示すように、このクリーニング装置16においては、図7に示すように、加振ブレード20の複数の加振手段23を構成する圧電素子に対して共通に駆動信号Pvを印加するための駆動回路28を備えている。このようにブレード部材の幅方向に複数の加振手段を設けた場合に共通の駆動回路で駆動することによって、ブレード部材の幅方向における振動の均一性を高めることができる。
なお、駆動回路28は画像形成装置の駆動制御部にて構成され、所定のタイミングで駆動信号Pvを加振手段23に与える。また、この実施形態では1つの加振ブレード20で像担持体11の幅方向全幅のクリーニングを行うようにしているが、複数の加振ブレード20を設けて幅方向全幅をカバーするように構成することもでき、この場合にも複数の加振ブレード20の各加振手段を共通の駆動回路で駆動することが好ましい。
ここで、この実施形態では、振動部材22として金属性部材(導電性部材)を用いて、複数の加振手段23を構成する圧電素子の電極23cを振動部材22に直接コンタクトして電気的に接続することによって、振動部材22を介して複数の加振手段23の電極23cを共通に接続している。これにより、駆動信号の印加を簡単な回路構成で行うことができる。なお、直接コンタクトは電極23cの接合面側を粗面に仕上げて、薄い接着層で振動部材22に接合することで容易に得られるが、この他、導電性接着剤を用いて接合してもよい。
このように構成したクリーニング装置16において、複数の加振手段23に対して駆動回路28から所要周波数の駆動信号Pvを与えて、複数の加振手段23を構成する圧電素子に撓み変形を与えることで振動部材22が振動し、この振動部材22の振動によってブレード部材21が振動する。
ここで、加振手段23によって振動部材22に対してブレード部材21先端の像担持体11の移動方向(矢示A方向)へのめくれが発生しない振動を与える。これにより、前述したように、ブレードニップ部への球形トナー、小径トナーの入り込みを防止することができて、球形トナー、小径トナーのクリーニング不良を無くすることができる。また、像担持体へのブレード部材からのストレスも減少し、結果的にブレード部材、および像担持体の耐久性が格段に向上するという非常に大きな効果が得られる。
このとき、剛性の高い振動部材22に、薄い、または従来より硬い弾性のブレード部材21を接合した構成とすることで、加振手段23の振動をブレードニップ部に効率よく伝えることが可能となり、前述したように、カット面めくれのない、新規なメカニズムのクリーニングを行うことができ、小径、球形トナーでもクリーニング不良せず、クリーニング性能が向上する。
次に、クリーニング装置16の加振ブレード20の他の構成について図8を参照して説明する。
ここでは、振動部材22は支軸30で揺動可能に支持し、振動部材22の一方の自由端部22aの支軸側に薄肉部22bを形成して、この薄肉部22bの外面側(像担持体11側と反対面側)に加振手段23を設け、また、振動部材22の他方の自由端部と固定部24との間に補助手段であるばね加圧手段31を設けて、振動部材22のブレード部材21を取り付けた自由端22a側を像担持体11側に付勢するようにしている。
このように、ブレード部材21の像担持体11への押しつけ力を、補助手段であるバネ加圧手段30で与える構成とすることもできる。なお、ブレード部材21の像担持体11への押しつけ力を付与するための補助手段は、ばねに限るものではなく、ゴムなどの弾性部材でもよい。これにより、前述したと同様に、薄い弾性ブレード部材を使用しながら振動伝搬効率を高くし、且つブレード部材の反り、像担持体表面のうねりに対応するニップを安定して形成することができ、確実なクリーニング性能が得られる。
次に、ブレード部材21の像担持体11に対する押し付け量及び当接角について図9を参照して説明する。なお、同図はブレード部材21と像担持体11の当接状態を示す要部拡大説明図である。
先ず、ブレード部材21は像担持体11の回転方向(矢示A方向)に対して、カウンタ方向で当接している。すなわち、ブレード部材21と像担持体11とが当接する角度θが開く方向へ像担持体11が移動する設定としている。
これにより、ブレード部材21のカット面21aのめくれを無くし、くさび形状が形成されたとしても非常に小い形状を維持することが可能となり、ニップ部へのトナーの入り込みを防止することができる。
そして、ブレード部材21は、上述した押し付け力によってニップ部先端において像担持体11に押し付けられるが、このときの像担持体11表面からブレード部材21の高さ方向で押付け量をdとしている。つまり、ブレード部材21の先端の接触位置からさらに押し付け量dの高さだけ像担持体11の方向へ押し付けた状態を初期設定とする。ここで、初期設定とは、加振しない状態でのブレード押し付け量であり、前記単板圧電素子を加振手段23に用いた加振ブレード20では、押し付け量dは弾性のブレードニップ部の変形と圧電素子を含む振動部材22の撓み変形の量に相当する。
この押し付け量dの値は、ブレード部材21の厚さ、硬度にもよるが、厚さ100〜300μm、硬度がJISA75〜100°の場合、押し付け量dは、10〜100μmの範囲内とすることが好ましい。ブレード部材21の厚さが薄く、硬い方向の場合押し付け量dは小さく、厚く、硬度が小さい場合押し付け量dは大きい値とする。
また、ブレード部材21の像担持体11に対する当接角度θは、0〜50°の範囲内とすることで、ブレード部材21のカット面21aのめくれを無くし、くさび形状が形成されたとしても非常に小さい形状を維持することが可能となり、ニップ部へのトナーの入り込みを防止することができ、クリーニング性能が得られる。
この当接角度θが0〜10°のときは、振動部材22に貼り付けているブレード部材21の長さ寸法L(図2及び図8参照)は2〜5mmと短くして実際に像担持体11との接触する長さを短くした場合に好ましい構成であり、ブレード部材21の長さ寸法Lが5mm以上と長い場合は10〜50°の範囲内で傾斜させてブレードエッジ部21b(図4参照)が接触する構成とすることが好ましい。
次に、振動板部材22に対するブレード部材21の突き出し量について上述した図9及び図10を参照して説明する。
まず、図9に示す例では、ブレード部材21の剛性より振動部材22の剛性が高い構成とし、且つ、ブレード部材21と振動部材22の先端突き出し量の関係を両者ほぼ同じ(又はブレード部材21の先端を振動部材22より短く、つまり振動部材22先端より後退した)構成としている。
このような構成とすることで、加振手段23による振動部材22の振動の伝搬がニップ部で減衰することが抑えられて、トナーのクリーニングに直接作用するブレードニップ部にほぼ同レベルで伝えることができ、より効率の良いクリーニングが可能となる。
また、図10に示す他の例では、前同様に、ブレード部材21の剛性より振動部材22の剛性が高い構成とするが、ブレード部材21の先端を振動部材22の先端より突き出し量hだけ突き出した関係の構成としている。ただし、微小量の高周波数の振動はゴム弾性部材のブレードに吸収されやすい。実験の結果、ブレードの硬さがJISA硬度で80〜100°の範囲内のものを使用し、ニップ部変位量の減衰が70%以下にするためには、振動部材22に対するブレード21の先端の突き出し量hをブレード厚さの2倍以下の設定にすれば良いことが判明した。
これによって、加振手段23による振動部材22の振動の伝搬がニップ部で減衰することが抑えられて、トナーのクリーニングに直接作用するブレードニップ部にほぼ同レベルで伝えることができ、より効率の良いクリーニングが可能となるとともに、加振手段23の駆動条件を圧電素子の発熱が問題にならない範囲の電圧、周波数設定が可能となり、球形、小径トナーのクリーニングが可能となる。
次に、加振手段23の駆動条件、ブレード部材21によるニップ部の振動量について説明する。
加振手段23を構成する圧電素子として、厚さ0.3〜1.0mm、5〜20、mmの範囲内の縦横寸法のものを使用し、前述した振動部材22及びブレード部材21を用いて、圧電素子の駆動条件とクリーニング性能について実験を行った。
この結果、圧電素子の駆動条件として、駆動信号の周波数17kHz〜50kHzとして、振動変位量としてはブレード先端ニップ部において0.1〜4μmが得られるようにすることで、ブレードニップ部に圧縮と緩和の振動が伝わり、前述した図1で説明したようなクリーニングメカニズムによって、球形、及び小径トナーのクリーニング性能が得られることが確認された。
このことより、少なくとも、ニップ部に与える振動量を前記押付け量dより小さい値に設定することで、安定な効果を得ることができる。すなわち、ブレード部材21が振動していることにより、またブレード部材21から像担持体11にも振動が伝わるが、これらによってブレード部21と像担持体11との摩擦力が低下し、ブレード部材21のカット面がめくれる現象がなくなる。結果として、ブレードニップ部への球形トナー、小径トナーの入り込みが防止され、球形トナー、小径トナーのクリーニング不良が生じなくなる。
同時に、ブレード部材21の振動、またブレード部材21から像担持体11に振動が伝わることは、球形トナー自体を振動させることができ、トナーが像担持体11表面上で活性に振動して、像担持体11との吸着力がなくなり、クリーニング性能が向上する。
さらに、ニップ部近傍の振動しているトナー群がバリヤーのような働き(振動トナー壁)をし、後続の像担持体11上トナーの侵入を防止することになり、真球に近い様な球形トナーについても全くクリーニング不良が発生しない状態となる。
ここで、トナーの平均粒径は、一般に8〜10μm、最近は重合法による製造方法によって球形形状と同時に小径化が進み5μm前後のトナーを使用する様になってきている。前記クリーニング効果を得るためには、ブレード先端ニップ部における振動変位量として、トナーの平均粒径以下であればよく、駆動周波数によってはトナー平均粒子径の1/10以下の振動量であっても十分な効果が得られることが確認された。
また、ブレード部材21の振動によって像担持体11にも振動が伝わることで、カット面のめくれがなくなることについては前述したが、同時に像担持体11の振動によってブレード近傍にある像担持体11表面のトナーに振動が伝わる。加振手段23を構成する圧電素子に対する駆動信号の周波数17kHz〜50kHzとして、振動変位量としてはブレード先端ニップ部において0.1〜4μmが得られるようにすることで、図1に示したように、ブレード部材21に直接接していない近傍にあるトナー数個分の範囲わたっても振動を与えることができることが確認された。
このように、加振手段によって振動部材の振動量がブレード部材の像担持体に対する押しつけ量より小さい振動を与えることによって、ブレード部材先端のめくれが発生せず、また、ブレード部材の振動がトナーに直接伝わり、更にブレード部材から像担持体に振動が伝わることで、ブレード近傍にあるトナーが像担持体面上で活性に振動して吸着力がなくなり、クリーニング性能が向上するとともに、加振による振動によってギャップが形成されてトナーがすり抜ける現象の発生を抑えることができて、確実なクリーニング性能が得られる。
この場合、振動量はトナーの平均粒子径よりも小さくすることで、より確実に加振による振動によってギャップが形成されてトナーがすり抜ける現象の発生を抑えることができる。
また、ブレード部材の振動によって直接ブレード部材に接していないトナーも振動が与えられる構成とすることで、特に像担持体の線速が速い領域のクリーニングが可能となり、特に球形、小径トナーを用いた高速高画質画像形成装置が得られるようになる。
次に、クリーニング装置16の加振ブレード20の第2実施形態について図11及び図12を参照して説明する。
この実施形態では、加振手段23として前記実施形態と同様に板状圧電素子を用い、振動部材22には圧電素子を接合する領域に対応した部分を薄くした薄肉部22bを形成して、その部分だけが弾性変形しやすい構造としている。なお、ブレード部材21はウレタンブレード部材であり、振動部材22は先端領域にブレード部材21が接合され、像担持体11へのブレード部材21の当接角度θ、食い込み量(押し付け量)dを決める構成としていることは前記図2の構成と同様である。
これによって、振動部材22のブレード部材21を取り付ける先端領域の剛性を高くすることができ、固有振動数を高く設定できるため、ブレード部材21の幅方向において振動部材22の先端部を高周波数領域まで均一に振動させることができるようになり、クリーニングムラのない高性能クリーニングが可能となる。そして、圧電素子を接合した領域に対応した部分のみ振動部材22を薄くしているので、加振ブレード20全体の固有振動数を高く維持でき、高い周波数までの加振が可能となる。
また、振動部材22は、複数の加振手段23の間には幅方向に複数箇所の抜き領域(肉抜き部)22dを設けている。これにより、圧電素子(加振手段23)による振動部材22の先端方向への撓み変形の効率がより向上し、より効率的にブレード部材21を振動させることができる。
ここで、この実施形態の加振ブレード20(クリーニングブレード)について、実際のニップ部の振動変位量を測定した結果について図13、図14を参照して説明する。
図13に示すブレードニップ面変位量の測定条件としては、ブレード部材21の幅をA3サイズ横幅とし、像担持体11へのニップ部押付け量d:50μm、複数の各圧電素子(加振手段23)へは共通の駆動信号Pvを印加し、駆動信号Pvは、電圧220V、周波数10〜40kHzの4段階とした。使用した圧電素子は、厚さ0.3mm、縦横寸法7×10mmとした。測定に使用した振動変位計は、グラフテック社製AT0021レーザドップラ振動計、ビーム径Φ12μmによる。
この結果から、A3幅対応のクリーニングブレードで、幅方向においてほぼ均一な変位が得られることが分かり、ブレードのカット面めくれが発生せず、球形、小径トナーのクリーニングを行うことができる。
また、図14は上記ど同様に測定した結果であるが、圧電素子に印加する駆動信号Pvの駆動電圧を80Vにしている。この場合も、前記より変位量は低いが比較的像担持体の線速が遅い場合においては摩擦力を低下させるには十分な性能であり、球形、小径トナーのクリーニングを行うことができる。
次に、クリーニング装置16の加振ブレード20の第3実施形態について図15を参照して説明する。
この実施形態では、加振手段23として板状圧電素子を用い、2枚の圧電素子(加振手段23)を振動部材22の両面に設けている。2つの圧電素子(加振手段23)は電圧を印加することによって、一方は面方向に伸び、他方は面方向に縮む方向の変形を与えるように設定している。
これにより、振動部材22を2倍の力で撓ませることができ、また、全体の剛性が高くなるので、固有振動数を高くできる。
次に、クリーニング装置16の加振ブレード20の第4実施形態について図16及び図17を参照して説明する。
この実施形態では、振動部材22に振動を与える加振手段33として積層型圧電素子を用いている。積層型圧電素子は、それ自体の固有振動数が50〜100kHzと高く、また発生変位力が非常に大きいので、積層型圧電素子を用いることで、振動部材22の板厚を厚くしても高い振動数まで応答が可能な構成が容易となる。
ここでは、加振手段33を構成する積層型圧電素子は、例えば一層あたり100μmの圧電層33aと内部電極33bとを交互に積層し、内部電極33bは交互に両端面に引き出して端面電極(外部電極)に接続したものであり、その積層方向の変位であるd33方向変位を利用する構成としている。
なお、積層型圧電素子を用いて複数層積層した積層方向に対して直角となる面方向の変位、即ちd31方向変位を利用する構成とすることもでき、この場合変位量が大きくとれ、低電圧化を図れ、ドライバ(駆動回路)コストの低減を図れる。この構成を採用する場合、加振手段23を構成する積層型圧電素子以外図16と同様の構成である。
ここで、振動部材22は弾性変形可能な薄板状であり、この振動部材22と対向しする支持部35aを有する剛性の高いホルダである固定部材35に振動部材22の固定端を固定し、固定部材35の支持部35aと振動部材22との間に加振手段33である積層型圧電素子が挟まれるように配置している。ブレード部材21は加振手段33からの振動が振動部材22を介して伝わるように、振動部材22の加振手段233とは反対面の先端領域に配置している。
このように、加振手段を固定部と振動部材との間に設けた構成とすることで、効率的に振動部材に振動を伝えることができる。
また、加振手段33は、図17に示すように、像担持体1の幅方向で複数個設けている。加振手段33は、比較的幅が狭いブレード部材21の場合、積層圧電素子の断面積の大きいものを使用すれば、1個とする構成も可能である。
次に、クリーニング装置16の加振ブレード20の第5実施形態について図18を参照して説明する。
この実施形態では、振動部材32を厚くして剛性を高くし、積層型圧電素子を用いた加振手段33を挟み込むようなコ字型の凹部32aを形成し、この凹部32aに前記第4実施形態と同様なd33方向の変位を利用する積層型圧電素子を配置している。
そして、加振手段33によって振動部材32の先端部が効率良く振動するように、振動溝32cを設けて一部分32bが薄くなるように形成している。また、ブレード部材21は、振動部材32からの振動が伝わりやすいように薄層化している。
これにより、振動部材32のブレード部材21を取り付ける部分の剛性を高めることができ、より効率的にブレード部材21に振動を伝搬することができるようになる。
次に、上述した各実施形態に係るクリーニング装置を用いたクリーニング実験の結果について説明する。
この実験では、トナーとして円形度0.98以上の球形トナーを用いた。円形度は、図19に示すような定義で表され、円形度0.98以上ではほとんど真球に近いトナーである。
像担持体11には付着量0.1mg/cm2のハーフトーン画像を用い、加振手段23に印加する駆動電圧と駆動周波数をパラメータとし、ブレード先端部変位量をレーザードップラー計で測定しながら評価を行った。
加振手段23を駆動しない状態、即ち振動を与えない場合は、当然初期からクリーニングを行うことが不可能であったが、変位量が0.1μm以上、振動周期が像担持体1から除去するトナーの通過周期の2〜3倍以下の時間であれば、すべての実施形態でクリーニングすることが可能であった。さらに、周波数に関しては17kHz以下では可聴域のため振動による騒音が気になるが、17kHz以上では音の問題もなく、クリーニング性も良好であった。
初期的には真球に近いトナーに対してクリーニング可能であることがわかったので、次に耐久性の評価を行なった。
〔比較実験〕
前述した第1ないし第5実施形態のクリーニング装置を備えた画像形成装置と、従来方式のブレードクリーニング(図22の構成)を用いた画像形成装置を用いて、クリーニング性及び像担持体のダメージについて比較評価を行なった。
評価には粉砕トナー及び球形トナーを用い、クリーニング不良が発生する枚数及び50000枚通紙時点での像担持体の膜削れ量を測定した。
球形トナーは、前述した図19に示す定義で、円形度0.98のトナーを用いた。また、用紙サイズとしてA3用紙縦方向を用い、ブレードクリーニングさせる像担持体11への現像トナー付着量は0.1mg/cmのハーフトーン画像を用いた。評価環境は、温度10℃、湿度30%で行なった。表1にこれらの評価結果を示している。
Figure 0004408928
この比較評価の結果、従来のブレードクリーニング方式に比べ、本発明の構成によって振動を与えたクリーニング方式では球形トナーに対しても可能であり、像担持体へのダメージも半分以下であることが分かる。
次に、本発明に係るクリーニング装置を含む本発明に係るプロセスカ−トリッジについて図20を参照して説明する。なお、同図は同プロセスカートリッジの概略構成断面図である。
このプロセスカートリッジ50は、像担持体51、帯電手段52、現像手段54、本発明に係るクリーニング装置56等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成している。
クリ−ニング装置56を着脱自在であるプロセスカ−トリッジ内に具備させることにより、メンテナンス性の向上、他の装置との一体交換が容易に行うことができるようになる。
次に、本発明に係るプロセスカートリッジを用いたカラー画像形成装置について図21を参照して説明する。
この画像形成装置は、水平に延在する転写ベルト(像担持体)61に沿って、各色の上述したプロセスカ−トリッジ50を並置した形式のカラー画像形成装置である。
プロセスカ−トリッジ50は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色ごとに4つ配置されている。各プロセスカ−トリッジ50で現像された像担持体61上の現像トナーは水平に延在する転写電圧が印加された転写ベルト61に順次転写される。
このようにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと画像の形成が行なわれ、転写ベルト61上に多重に転写され、転写手段62で転写材18にまとめて転写される。そして、転写材18上の多重トナー像は図示しない定着装置によって定着される。プロセスカ−トリッジ50は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で説明したが、この順番に特定されるものではなく、どの順番で並置してもよい。
通常、カラーの画像形成装置は複数の画像形成部を有するため装置が大きくなってしまう。また、クリーニングや帯電などの各ユニットが個別で故障したり、寿命による交換時期がきた場合は、装置が複雑でユニットの交換に非常に手間がかかっていた。
そこで、本実施形態のように、像担持体、帯電手段、現像手段の構成要素をプロセスカ−トリッジ50として一体に結合して構成することによって、ユーザーによる交換も可能な小型で高耐久のカラー画像形成装置を提供することができる。
なお、上記実施形態においては球形トナーで説明したが、小径トナーについても同様である。
本発明に係るクリーニング装置のクリーニングメカニズムを説明するための説明図である。 本発明に係るクリーニング装置を備えた本発明に係る画像形成装置の概略構成図である。 同画像形成装置のクリーニング装置の加振ブレードの要部拡大説明図である。 図3の要部拡大説明図である。 同加振ブレードの正面説明図である。 同加振ブレードを先端側から見た説明図である。 同クリーニング装置に対する駆動系の一例を説明する説明図である。 同クリーニング装置の他の構成の説明に供する説明図である。 ブレード部材の当接角度及び押し付け量の説明に供する説明図である。 振動部材とブレード部材の突き出し量の説明に供する説明図である。 本発明に係るクリーニング装置の第2実施形態の説明に供する説明図である。 同クリーニング装置の像担持体幅方向の説明図である。 同クリーニング装置におけるブレードニップ部の変位量の測定結果を説明する説明図である。 同クリーニング装置におけるブレードニップ部の変位量の他の測定結果を説明する説明図である。 本発明に係るクリーニング装置の第3実施形態の説明に供する説明図である。 本発明に係るクリーニング装置の第4実施形態の説明に供する説明図である。 同クリーニング装置の像担持体幅方向の説明図である。 本発明に係るクリーニング装置の第5実施形態の説明に供する説明図である。 トナーの円形度の説明に供する説明図である。 本発明に係るプロセスカートリッジの説明に供する説明図である。 本発明に係るプロセスカートリッジを備えた本発明に係る画像形成装置の概略構成図である。 従来のクリーニングブレードの説明に供する説明図である。 同クリーニングブレードの像担持体が移動しているときの状態を示す要部拡大説明図である。 同クリーニングブレードを用いた粉砕トナーのクリーニングメカニズムの説明に供する説明図である。 同クリーニングブレードを用いた粉砕トナーのクリーニングメカニズムにおけるスティック・スリップ運動の説明に供する説明図である。 同クリーニングブレードを用いた球形トナーのクリーニング不良の発生メカニズを説明する説明図である。 同クリーニングブレードを用いた球形トナーのクリーニング不良の発生メカニズを説明する説明図である。
符号の説明
1…ブレード部材
11…像担持体
20…加振ブレード
21…ブレード部材
22…振動部材
23…加振部材
50…プロセスカートリッジ。

Claims (13)

  1. 像担持体と、この像担持体に残留するトナーを除去するためのクリーニング手段を備えた画像形成装置において、
    前記クリーニング手段は、
    前記像担持体表面にカウンタ方向で当接するためのJISA硬度が75〜100°、厚みが100〜300μmのゴムからなるブレード部材と、
    このブレード部材を取り付けた振動部材と、
    この振動部材に取り付けられ、この振動部材に振動を与える加振手段と
    を備えている
    ことを特徴とする画像形成装置
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記ブレード部材が前記像担持体表面に押し付けられ、前記像担持体表面から前記ブレード部材の高さ方向で押し付け量が10〜100μmの範囲内であることを特徴とする画像形成装置
  3. 請求項2に記載の画像形成装置において、前記加振手段は前記振動部材に対して前記押し付け量よりも小さな変位量の振動を与えることを特徴とする画像形成装置
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記ブレード部材先端の前記加振手段によって与えられる振動による変位量が前記トナーの平均粒径よりも小さいことを特徴とする画像形成装置
  5. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記加振手段は前記振動部材に対して前記ブレード部材に直接接触していないトナーを振動させる振動を与えることを特徴とする画像形成装置
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記ブレード部材は前記像担持体の移動方向に対してカウンタ方向で当接する状態で設けられていることを特徴とする画像形成装置
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記ブレード部材は前記像担持体と対向する面が像担持体と当接してなす角度が0°〜50°の範囲内となる状態で設けられていることを特徴とする画像形成装置
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記振動部材は前記ブレード部材を設ける部分の剛性が前記加振手段を設ける部分の剛性よりも高いことを特徴とする画像形成装置
  9. 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記ブレード部材は前記振動部材よりも剛性が低く、前記振動部材からの前記ブレード部材先端の突き出し量がブレード部材の厚みの2倍以下であることを特徴とする画像形成装置
  10. 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記ブレード部材は前記振動部材よりも剛性が低く、前記ブレード部材の先端が前記振動部材端面と略同じか、又は後退していることを特徴とする画像形成装置
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、前記ブード部材の幅方向に複数個の加振手段を間隔を置いて配置したことを特徴とする画像形成装置。
  12. 少なくとも、像担持体と、この像担持体に残留するトナーを除去するためのクリーニング手段とを備えたプロセスカートリッジにおいて、
    前記クリーニング手段は、
    前記像担持体表面にカウンタ方向で当接するためのJISA硬度が75〜100°、厚みが100〜300μmのゴムからなるブレード部材と、
    このブレード部材を取り付けた振動部材と、
    この振動部材に取り付けられ、この振動部材に振動を与える加振手段と
    を備えている
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  13. カラー画像を形成する画像形成装置において、前記請求項12に記載のプロセスカートリッジを複数備えていることを特徴とする画像形成装置。
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