JP4408586B2 - 光記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来よりも高密度の記録・再生が可能な波長400〜550nmを用いる青色レーザー対応の高密度光記録媒体に関するものである。
特に光ビームを照射することにより、記録材料に透過率、反射率等の光学的な変化を生じさせて情報の記録・再生を行ない、かつ追記が可能な高密度光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来技術】
基板上に反射層を有する光記録媒体としてコンパクトディスク(CD)規格に対応した記録可能なCD(CD−R)が商品化されている。これは記録層に波長770〜830nmのレーザー光を照射し、記録層に物理的又は化学的な変化を起こさせ、反射光を検出することにより情報を記録・再生するものである。
最近、より短波長の半導体レーザーの開発が進んで、波長630〜685nmの赤色半導体レーザーが実用化された結果、記録・再生用レーザーを短波長化してビーム径をより小さくすることが可能となり、より高密度の光記録媒体(DVD−R)が実用化され始めた。
即ちCD系光記録媒体は、その記録・再生波長が780nm近傍から635〜660nm近傍へ移行し、今後更に400nm近傍へと移行すると予測される。
【0003】
現在開発されている大容量追記型光ディスクシステム(DVD−R)では、使用レーザーの発振波長が630〜685nmにあり、記録媒体は上記波長で記録・再生が可能なように設定されている。今後、情報量の増大に伴ない、記録媒体のより大容量化への流れは必須である。従って、記録・再生に用いるレーザー波長が短波長化することも必然的に起こってくることが容易に予想される。
しかしながら、有機溶剤に対する溶解性が高く、耐光性、保存安定性に優れ、550nm以下のレーザー光を用いた光ピックアップで記録・再生が可能な記録材料は、未だ開発されていないのが現状である。
400〜450nmで記録・再生が可能な材料としてポルフィリン誘導体が有望であるが、多くのポルフィリン誘導体は400〜450nmという短波長には対応できない。
【0004】
ポルフィリン誘導体を用いた短波長記録媒体としては、特開平7−304256号公報に「ポルフィリン誘導体と配位能を持つ分子構造を側鎖に有する高分子よりなる光情報記録媒体」が、また特開平7−304257号公報には「ポルフィリン誘導体と配位能を持つ分子化合物及び高分子よりなる光情報記録媒体」が開示されており、何れも短波長領域での波長整合性を目的としたものであるが、その記録波長は480〜490nmであり、今後実用化されると考えられる400〜450nmの記録・再生波長には全く適合できない。
また、通常の有機材料を用いた光記録媒体では、複数の記録・再生波長に対応することは困難である。
この原因は、高吸収係数を有する有機材料は、複素屈折率の波長依存性が大きいためである。即ち、高吸収係数を有する有機材料は、一般的に1つの大きな吸収帯を有するから、この吸収帯の長波長側の裾近傍以外では屈折率が大幅に減少し、変調度が十分取れなくなり、また、大きな吸収帯以外には殆ど吸収を有さないため、レーザー光の吸収率も低下し、適度な記録パワーで記録できなくなるからである。
【0005】
現在のDVDディスクシステムは、使用レーザー光の発振波長が630〜685nmで記録・再生が行なえるように構成されている。現在のDVD−ROMは、基板自体の凹凸上にAl(アルミニウム)がコーティングしてあり、Alの反射率の波長依存性が小さいため、将来、レーザー波長が短波長化されても再生は可能である。
しかしながら、DVD−Rは、記録層に500〜650nmに最大吸収波長を有する色素を用い、その光学定数及び膜厚構成から630〜685nmに高い反射率が得られるように設定してあるため、550nm以下の波長域での反射率は極めて低く、レーザー波長の短波長化に対応できず、現在のDVD−Rシステムで記録・再生している情報が、将来のシステムでは再生できない事態を招く。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来のDVDシステムに比べて短波長に発振波長を有する青色半導体レーザーを用いる高密度光ディスクシステムに適用可能な、有機溶剤に対する溶解性が高く、耐光性、保存安定性に優れた記録材料を用いた光記録媒体、及び現状のDVDシステムで記録・再生が可能で、かつ次世代の高密度光ディスクシステムにおいても再生のみは可能な記録材料を用いたDVD−R記録媒体の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は次の1)〜3)の発明(以下、本発明1〜3という)によって解決される。
1) 基板上に下記一般式(1)において、R9〜R12のうち1つが窒素原子であり、残りは「−CH」であるモノアザポルフィリン化合物、又は一般式(1)においてR9〜R12のうち2つが窒素原子であり、残りは「−CH」であるジアザポルフィリン化合物と、∋P、>PH、又は、>P−Ph基(Phはフェニル基)の何れかの構造を有するリン含有化合物との混合物を主成分とする記録層を有する光記録媒体。
【化2】
(式中、X5〜X12はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアルコキシ基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換のアミノ基、置換又は未置換のアシル基を表し、Mは酸素原子、ハロゲン原子を有してもよい2価〜4価の金属原子を表す。)
2) 前記リン含有化合物が、(A)2−P−(CH2)n−P−(B)2である1)記載の光記録媒体。
但し、A、Bは置換又は未置換のアリール基を表し、nは2〜6の整数である。
3) 前記一般式(1)中、MがCr2+、Zn2+である1)又は2)記載の光記録媒体。
【0008】
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明者等は、鋭意検討した結果、特定の構造を有する色素を主成分とする記録層とすることにより、発振波長550nm以下の半導体レーザーを用いる高密度光ディスクシステムに適用可能なこと、更には、上記色素と現DVD−R記録媒体に用いられている記録材料とを混合することにより、現DVDシステムで記録・再生が出来、上記青色レーザー対応高密度光ディスクシステムでも再生可能なことを見出し本発明に至った。
即ち、本発明の光記録媒体は、モノアザポルフィリン又はジアザポルフィリンの金属錯体(色素)と金属に配位可能な低分子化合物との混合物を主成分とする記録層を有するものである。
本発明の特徴は、通常これらのアザアヌレン化合物は会合し易いため溶解性が低く、塗布による薄膜化が極めて困難であるが、金属種としてZ方向に配位可能な金属錯体とし、その金属に配位可能な低分子化合物を配位させることにより、溶解性を向上させ、かつ会合による光学特性の劣化を防止し、優れた信号特性を得ることを可能とした点にある。
【0009】
次に、本発明の層構造及び各層について説明する。
《記録媒体構成》
本発明の光記録媒体は、通常、案内溝及びアドレス情報が形成された基板上に色素記録層、金属反射層を順次設けた後、他の基板又は前記と同様の記録層、反射層が設けられた基板を貼り合わせた構造として用いられる。また、各層間にはディスクとしての特性向上を目的とする補助層を設けても良い。
《基板》
基板は、基板側から記録・再生を行なう場合のみ使用レーザー光に対して透明であればよく、記録層側から記録・再生を行なう場合には透明である必要はない。
基板材料としては、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチック、又はガラス、セラミック、金属などを用いることができる。
なお、基板の表面にトラッキング用の案内溝や案内ピット、更にアドレス信号などのプリフォーマットなどが形成されていても良い。
【0010】
《記録層》
記録層は、レーザー光の照射により何らかの光学的変化を生じ、その変化により情報を記録するものであって、この記録層中には、一般式(1)で示される金属錯体化合物、及び金属に配位可能な原子を含む化合物からなる混合物を主成分として含有することが必要である。
前記一般式(1)中、X5〜X12はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアルコキシ基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換のアミノ基、置換又は未置換のアシル基を表す。
Mは酸素原子、ハロゲン原子を有してもよい2価〜4価の金属原子を表す。
【0011】
上記ハロゲン原子の具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
上記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の一級アルキル基;イソブチル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルプロピル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、1−イソプロピルペンチル基、1−イソプロピル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1−メチルオクチル基、1−プロピルヘキシル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基等の二級アルキル基;ネオペンチル基、tert−ブチル基、tert−ヘキシル基、tert−アミル基、tert−オクチル基等の三級アルキル基;シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基(アダマンタン基)等のシクロアルキル基等が挙げられる。
【0012】
更に、これら一級及び二級アルキル基は、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換の複素環残基等を以て置換されていてもよく、また酸素、硫黄、窒素等の原子を介して前記のアルキル基で置換されていてもよい。
酸素を介して置換されているアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、フェノキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、ピペリジノ基、モルホリノ基等が、硫黄を介して置換されているアルキル基としては、メチルチオエチル基、エチルチオエチル基、エチルチオプロピル基、フェニルチオエチル基等が、窒素を介して置換されているアルキル基としては、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基等が挙げられる。
【0013】
上記アリール基の具体例としては、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、アセナフタレニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントラニル基、アントラニル基、フルオラセニル基、アセフェナントラレニル基、アセアントリレン基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基等が挙げられる。
更に、これらアリール基は、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換の複素環残基等を以て置換されていてもよく、また酸素、硫黄、窒素等の原子を介して前記のアルキル基で置換されていてもよい。
【0014】
上記アルコキシ基の具体例としては、酸素原子に、置換又は未置換のアルキル基が直接結合されているものであればよく、該アルキル基の具体例としては、前述のものを挙げることができる。
上記アリールオキシ基の具体例としては、酸素原子に、置換又は未置換のアリール基が直接結合されているものであればよく、該アリール基の具体例としては、前述のものを挙げることができる。
上記アシル基の具体例としては、アシル基のカルボニル炭素原子に、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基が直接結合されているものであればよく、アルキル基、アリール基の具体例としては、前述のものを挙げることができる。
上記アミノ基の具体例としては、窒素原子に、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基が直接結合されているものであればよく、アルキル基、アリール基の具体例としては、前述のものを挙げることができる。
【0015】
金属錯体は、酸素原子、ハロゲン原子等を有していても良い2価〜4価の金属又はその塩から形成される。
金属原子の具体例としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、パラジウム、バナジウム、マンガン、ガリウム、クロム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミウム、インジウム、オスミウム、白金、亜鉛、錫、モリブデン、ジルコニウム等が挙げられるが、配位能の高いクロム、亜鉛が特に好ましい。
金属キレート色素の金属に配位可能な原子を含む化合物としては、分子中に、O原子、S原子、N原子、P原子を含む化合物が挙げられるが、好ましくは下記に示す構造を有する化合物である。
【化3】
【0016】
具体例としては、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、エチレンジアミン、トリメチルアミン、ジメチルホルムアミド、ピロール、ピロリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、メチルベンズイミダゾール、ジメチルベンズイミダゾール、トリメチルベンズイミダゾール、ピリジン、ピペリジン、カルバゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ベンズキノリン、フェナンスリジン、インドリン、アザインドール、ベンズトリアゾール、トリフェニルイミダゾール、ベンゾイソキノリン−5,10−ジオン、フタルイミド、1(2H)フタラジン、フタルヒドラジド、1,3−ジイミノイソインドリン、テトラブロモフタルイミド、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ノルハルマン、トリアジン、トリクロルキノキサリン、アゾベンゼン、2,2′−ビピリジン、1,10−フェナンスロリン、2,9−ジメチル−1,10−フェナンスロリン、2,2′−ビキノリン、4,4′−ジカルボキシ−2,2′−ビキノリン、3−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアジン、5−ニトロ−1,10−フェナンスロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナンスロリン、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナンスロリン、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、ジアミノプロパノール四酢酸、エチレンジアミンプロピオン酸二酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、クロルジフェニルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリフェニルホスファイト、トリス(ジエチルアミノ)ホスファイト、2−クロル−1,2,3−ジオキサホスフォラン、ベンゼンホスフォノウスジクロライド、トリメチロールプロパンホスファイト、2−クロル−4H−1,2,3−ベンゾジオキソホスフォリン−4オン、2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス(ジ−m−メトキシフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジ−p−クロルフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジ−m−メトキシフェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられる。
【0017】
本発明では上記化合物のうち、∋P、>PH、又は、>P−Ph基(Phはフェニル基)を有するリン含有化合物を用いる。特に好ましいのは、(A)2−P−(CH2)n−P−(B)2の構造を有するものである。
金属キレート色素、即ち前記一般式(1)で示される金属錯体化合物(α)と、金属に配位可能な原子を含む化合物(β)との混合比は、モル比で(α):(β)=1:2〜2:1の範囲が好ましい。このモル比よりも(α)が少ないと、膜中の色素濃度が低くなるため、膜の吸収係数が小さくなり、このモル比よりも(α)が多いと、添加物の効果が充分に得られないので好ましくない。
【0018】
記録層の形成に当って、前記一般式(1)で示される色素を1種又は2種以上組み合わせて用いても良い。更に、該色素は、光学特性、記録感度、信号特性などを向上させる目的で、他の有機色素及び金属、金属化合物と混合又は積層化して用いても良い。
有機色素の例としては、ポリメチン色素、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、クロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン系(インダンスレン系)、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系染料、及びそれらの金属錯体化合物などが挙げられる。
金属、金属化合物の例としてはIn、Te、Bi、Se、Sb、Ge、Sn、Al、Be、TeO2、SnO、As、Cd、などが挙げられ、それぞれを分散混合又は積層の形態で用いることができる。
更に、上記染料中に高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド、ビニル系樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の材料又はシランカップリング剤などを分散混合しても良く、特性改良の目的で安定剤(例えば遷移金属錯体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤などと分散混合しても良い。
【0019】
記録層の形成は、蒸着、スパッタリング、CVD、溶剤塗布などの通常の手段によって行うことが出来る。
塗布法を用いる場合には、上記染料などを有機溶剤に溶解し、スプレー、ローラーコーティグ、ディピング、スピンコーティングなどの慣用のコーティング法を用いて行うことが出来る。
用いられる有機溶媒としては、一般にメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエタン、四塩化炭素、トリクロルエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどの芳香族類;メトキシエタノール、エトキシエタノールなどのセロソルブ類;ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素類などが挙げられる。
記録層の膜厚は、100Å〜10μm、好ましくは200〜2000Åが適当である。
【0020】
《下引き層》
下引き層は、a)接着性の向上、b)水又はガスなどのバリアー、c)記録層の保存安定性の向上、d)反射率の向上、e)溶剤からの基板の保護、f)案内溝、案内ピット、プレフォーマットの形成などを目的として使用される。
a)の目的に対しては、高分子材料、例えば、アイオノマー樹脂、ポリアミド、ビニル樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の高分子化合物、及び、シランカップリング剤などを用いることができ、b)及びc)の目的に対しては、上記高分子材料以外に、SiO、MgF、SiO2、TiO、ZnO、TiN、SiNなどの無機化合物や、Zn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Alなどの金属又は半金属を用いることができる。
また、d)の目的に対しては、Al、Au、Ag等の金属や、メチン染料、キサンテン系染料などの金属光沢を有する有機薄膜を用いることができ、e)及びf)の目的に対しては、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
下引き層の膜厚は、0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
【0021】
《金属反射層》
金属反射層の材料としては、単体で高反射率の得られる腐食され難い金属、半金属等が挙げられ、具体例としてはAu、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Snなどが挙げられるが、反射率や生産性の点からAu、Ag、Alが最も好ましい。また、これらの金属、半金属は単独でも2種の合金としても良い。
反射膜形成法としては、蒸着、スッパタリングなどが挙げられ、膜厚としては50〜5000Å、好ましくは100〜3000Åである。
【0022】
《保護層、基板面ハードコート層》
保護層及び基板面ハードコート層は、a)傷、ホコリ、汚れ等からの記録層(反射吸収層)の保護、b)記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、c)反射率の向上、等を目的として使用される。
これらの目的に対しては、前記下引き層に示した材料を用いることができる。また、有機材料として、ポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂も用いることができる。上記材料のうち最も好ましいのは生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。
保護層又は基板面ハードコート層の膜厚は、0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
【0023】
本発明において、前記下引き層、保護層、及び基板面ハードコート層には記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
また、前記一般式(1)で示される化合物に500〜650nmに最大吸収波長を有する色素を混合して青色レーザーで再生可能なDVD−R記録媒体を構成する場合、該色素としてはDVD−Rに使用可能な色素をそのまま用いることができる。
500〜650nmに最大吸収波長のある色素の好ましい例としては、次のi〜iiiのものが挙げられる。
【0024】
i.シアニン色素
【化4】
(R5、R6:炭素数1〜3のアルキル基、R7、R8:炭素数1〜6の置換未置換のアルキル基、X:酸アニオン)
【0025】
ii.ポルフィラジン色素
【化5】
(M:Ni、Pd、Cu、Zn、Co、Mn、Fe、TiO、VO、
X5〜X8:−R、−OR、−SR、又は水素原子であって、全てが水素原子となることはない。
R:炭素数3〜12の置換未置換の直鎖又は分岐アルキル基、シクロアルキル基、若しくは置換未置換のアリール基、
X5〜X8以外のベンゼン環の置換基:水素又はハロゲン)
【0026】
【化6】
(M:Si、Ge、In、Sn、
X9〜X12:−R、−OR、−SR、又は水素原子であって、全てが水素原子となることはない。
R:炭素数3〜12の置換未置換の直鎖又は分岐アルキル基、シクロアルキル基、若しくは置換未置換のアリール基、
Y3、Y4:−OSiRaRbRc、−OCORa、−OPORaRb、
Ra、Rb、Rc:炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、
X9〜X12以外のベンゼン環の置換基:水素又はハロゲン)
【0027】
iii.アゾ金属キレート化合物
下記一般式で示されるアゾ系化合物と金属とからなるアゾ金属キレート化合物の1種又は2種以上が挙げられ、金属の好ましい例としてはNi、Pt、Pd、Co、Cu、Znなどが挙げられる。また、Aは、それが結合している炭素原子及び窒素原子と一緒になって複素環を形成する残基を表わし、Bは、それが結合している2つの炭素原子と一緒になって芳香環又は複素環を形成する残基を表わし、X、Yは活性水素を有する基を表わす。
【化7】
【0028】
ここで、前記一般式(1)で示される金属錯体化合物(イ)と上記具体例を含む500〜650nmに最大吸収波長を有する色素(ロ)との混合比は、(イ):(ロ)=10:100〜90:100、好ましくは40:100〜20:100である。
また、記録層の厚みは、300Å〜3μm、好ましくは400〜2000Åである。
【0029】
次の表1に一般式(1)で示される化合物の例を示す。
【表1】
アルキル基は全てn−アルキル基、(A)は「C2H4CO2Me」
【0030】
次の表2に配位化合物例を示す。
【表2】
【0031】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0032】
実施例1
厚さ0.6mmの射出成形ポリカーボネート板上に、深さ900Å、半値幅0.25μm、トラックピッチ0.7μmの案内溝をアクリル系フォトポリマーにより形成した基板上に、ジアザポルフィリン化合物例No.22と配位化合物例P3のモル比2:1の混合物を、メチルシクロヘキサン、2−メトキシエタノール、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランからなる混合溶媒に溶解した溶液をスピンナー塗布し、厚さ650Åの有機色素層を形成した。
次いで、スパッタ法により厚さ1500Åの銀の反射層を設け、更にその上にアクリル系フォトポリマーにて厚さ5μmの保護層を設けた。
最後に、もう1枚の厚さ0.6mmの平滑な射出成形ポリカーボネート板を、記録層を内側にして貼り合わせて光記録媒体とした。
前記2種の化合物の混合溶液のスペクトルの最大吸収波長は384.0nmであり、それから得られた薄膜のスペクトルの最大吸収波長は384.5nmであった。
この光記録媒体は410nmの半導体レーザーによる記録・再生が可能なことを確認した。
【0033】
参考例2、3
実施例1における化合物例No.22と配位化合物例P3の混合物に代えて、それぞれ、化合物例No.16と配位化合物例N2の混合物(参考例2)、化合物例No.24と配位化合物例N3の混合物(参考例3)を用い、実施例1と同様にして光記録媒体を得た。
これらの光記録媒体は、実施例1と同様に、410nmの半導体レーザーによる記録・再生が可能であった。
【0034】
比較例1
実施例1における化合物例No.22と配位化合物例P3の混合物に代えて、化合物例No.22のみを用い、実施例1と同様にして光記録媒体の作製を試みたところ、化合物例No.22のみのスペクトルの最大吸収波長は384.0nmであったが、薄膜は大部分が結晶化してしまい光記録媒体化はできなかった。
【0035】
【発明の効果】
本発明で用いる化合物は、塗布によるコーティングが可能で、耐光性、保存安定性に優れており、該化合物を用いることにより工業的に適う青色レーザー対応高密度光ディスクを提供できる。
本発明によれば、550nm以下の波長域のレーザー光により記録・再生が可能で、かつ耐光性、保存安定性に優れた光記録媒体を提供できる。
Claims (3)
- 基板上に下記一般式(1)において、R9〜R12のうち1つが窒素原子であり、残りは「−CH」であるモノアザポルフィリン化合物、又は一般式(1)においてR9〜R12のうち2つが窒素原子であり、残りは「−CH」であるジアザポルフィリン化合物と、∋P、>PH、又は、>P−Ph基(Phはフェニル基)の何れかの構造を有するリン含有化合物との混合物を主成分とする記録層を有する光記録媒体。
- 前記リン含有化合物が、(A)2−P−(CH2)n−P−(B)2である請求項1記載の光記録媒体。
但し、A、Bは置換又は未置換のアリール基を表し、nは2〜6の整数である。 - 前記一般式(1)中、MがCr2+、Zn2+である請求項1又は2記載の光記録媒体。
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