JP4406184B2 - 書類細断圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、書類などの紙類を細断した後にその細断くずを圧縮してブロック化し、嵩張ることなく後処理を行うことができるようにするための、圧縮機の改良に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
不要な文書が記載された紙を細断するための細断機は現在のところ広く知られている。ところで、従来の書類細断機における細断処理は、回転刃によって紙をストリップ状に細断するものや、いったんストリップ状に細断されたものをさらに横方向に細断して、より細かく細断する構成がある。しかしながら、このように細断されたものは、たとえばストリップ状の細断くずでは非常に嵩張るので、廃棄のための容積率が悪い。一方、横方向により細かく細断されたものは、ばらばらであり、廃棄する場合にくずが舞い上がったり拡散するので、わずらわしいという課題がある。
【0003】
そこで、このようにいったん細断した書類くずを定型的な形状に圧縮し、ブロック化する手段が考えられる。たとえば、特開2000−279836号公報には不要用紙等を細断した後に圧縮してコンパクトに収納する技術が開示されている。
【0004】
上述した従来技術では、細断屑を圧縮シリンダ内へ搬送し、このシリンダ内で細断屑を圧縮してブロック化するのであるが、細断屑をスパイラルコンベヤで圧縮シリンダ内に搬送し、圧縮用モータによってこれを圧縮するようにしている。そして、圧縮用モータにはトルク変動検知器が取り付けられ、圧縮トルク量が所定値に至れば圧縮を停止するものである。言い換えると、従来技術では圧縮の強さを測定して圧縮量を決定している。しかしながら、書類の細断は同じ性質の紙を大量に細断するばかりでなく、順次異なった性質や厚さを持つ紙が投入されることが多いが、従来技術であれば圧縮力を検知しているため、投入された細断屑の性状によってはブロックの大きさ、すなわちブロックの圧縮高さが一定しないことになる。そうすれば、ブロック化された細断屑を後処理工程に搬送する場合などではブロックの大きさが一定しないので、自動化には不都合が生じるおそれがある。
【0005】
本発明では、上述した従来の課題を解決するものであり、投入された細断屑の性状にかかわらず、常に一定の容積を有する細断ブロックを形成することができる構成を開示することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の紙等の細断屑をブロック状に圧縮する圧縮機では、上記目的を達成するために、細断屑をホッパからブロック化部へ搬送機構によって搬送しこれをブロック状に圧縮することとした。そして前記ブロック化部は、細断屑を前記搬送機構から充填される充填部と、この充填部に対して昇降する圧縮ピストンとからなり、この圧縮ピストンには圧縮圧力を検知して予め設定された圧縮圧力に至ったときに作動して上記圧縮ピストンを原位置方向に復元するための圧力センサを有すると共に、前記圧縮ピストンの前記充填部に対する相対位置を検出するブロック高検知機構を有し、前記圧力センサの作動時における前記圧縮ピストンの検出位置からブロックの圧縮高さを検出し、ブロックの圧縮高さが所定の高さになるまで、細断屑の充填部への充填と、圧縮ピストンによる圧縮を繰り返してブロックの高さが均一になるようにするという手段を用いることとした。ここで、搬送機構はホッパに溜められている細断屑を充填部まで送り込む作用を行う。そして、この充填部に充填された細断屑を圧縮ピストンによって圧縮し、ブロックを製造するのであるが、順次製造されるブロックの高さをほぼ均一にするために、ブロック高さ検知機構によって圧縮高さを検出する。そして、高さが所定に満たない場合には搬送機構からさらに細断屑を充填部に送り込み、圧縮を行い、所定のブロック高さに至るまで必要であれば圧縮を繰り返す。
【0007】
また、圧力センサの作動時において検出したブロックの圧縮高さが所定範囲内であれば、圧縮したブロックを排出するという構成を採用した。この構成では、所定のブロック高さに至るまで圧縮動作を繰り返す場合があることを開示している。
【0008】
ブロック高検知機構のより具体的な構成としては、櫛歯状の複数のスリットを有するスリット板と、このスリット板のスリット数をカウントするスリットセンサとからなり、前記スリット板は圧縮ピストンの昇降に伴って昇降し、そのときのカウント数によって圧縮ピストンの位置及びブロックの圧縮高さを検出し、予め設定したカウント数を基準とする許容範囲内に実際のカウント数が入ったときにブロックを排出するという手段を用いることとした。ここで、スリットセンサは通過するスリット数をカウントすることによって、圧縮したブロック高さを量子的に判定することとなり、その後の処理をデジタル量として捉えて行うことができる。また、スリットセンサとして透過形の光電センサを用いるという手段においては、スリット板の櫛歯の通過を光学的に確実に検出することになる。
【0009】
さらに、ブロック高検知機構においては、適切なブロック高に対応するスリットのカウント数を基準として、実際のカウント数を前記基準のカウント数と比較して、スクリューなどの搬送機構からの細断屑の充填時間を増減するという手段を用いることとした。この手段では、実際のカウント数が基準カウント数よりも多いということはブロック高さが所定値に満たないことを示すので、比較によってこの結果が示されれば次のブロック圧縮では搬送機構を直前よりも長い目に駆動してさらに細断屑を追加するという動作を行う。反対に、実際のカウント数が少ない場合にはブロック高さは所定値を越えていることになるので、次の搬送時間は直前よりも短くする。この場合、次の圧縮動作における搬送機構の作動時間の決定は、基準カウント数を中央にして、予めカウント値ごとに増減時間を決定しておくという手段を用いることがある。
【0010】
さらにまた、圧縮機構の前段には書類細断機を備えるという手段を用い、書類細断に引き続いて圧縮動作を行わしめる作用を選択的に採用した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付した図面に従って説明する。図1は本発明を実現するために用いる細断屑の圧縮機の一例であって、1は書類細断機(図示せず)で細断された細断屑を順次蓄積していくためのホッパ、2はホッパ1の直下にあって、ホッパ1から落とされる細断屑を一定方向(図では左方向)に連続して搬送するための搬送機構である搬送スクリュー、3は搬送スクリュー2を駆動するためのスクリューモータである。4は細断屑を圧縮してブロックを製造するためのブロック化部であって、次の構成からなる。すなわち、5は搬送された細断屑を圧縮してブロック化するための充填部、6は充填部5に対して下降して細断屑を圧縮するための圧縮ピストンである。圧縮ピストン6には圧力センサ7が設けられており、設定された圧縮圧力に至れば圧縮ピストン6を逆転して上昇させ、定位置まで復帰させる。
【0012】
ここで、ブロックの大きさ、すなわち高さは、充填部5に溜められた細断屑の量によって決定されるが、たとえば図2のように細断屑の充填部5に対する充填量が少なければ、ブロック8は薄いものになってしまう。また、細断屑が紙質や性状によって見かけ上の充填量よりも大きく圧縮されるようなものであれば、同様の問題が生じる。これを回避するために、本実施形態では、図1に示すようにブロック高検知機構9を設けた。ブロック高検知機構9は、圧縮ピストン6と連動して昇降するスリット板10と、通過したスリット数をカウントするためのスリットセンサ11からなっている。なお、スリット板10には、昇降方向に連続する複数のスリット群10aが設けられており、これがスリットセンサ11を通過するときのオン・オフがカウントされることによって、通過カウント数とされる。
【0013】
上記構成において、細断屑ブロックを製造する動作を説明すると、先ず最初に一定時間だけ搬送スクリュー2を回転させて細断屑を充填部5に充填し、圧縮ピストン6を下降させて細断屑を圧縮する。これと同時に、圧力センサ7が作動した時点におけるスリット群10aの通過カウント数を記憶させる。言い換えると、ブロック高検知機構9では圧力センサ7が作動してブロックの圧縮を終了した時点の圧縮ピストン6の位置を検出し、これによってブロックの高さを判定しているのである。この場合、ブロックの高さが所定範囲内であれば、圧縮したブロックを排出するのであるが、所定高さに満たなかった場合には、圧力センサ7の検知圧力に対応して圧縮ピストン6を上昇させてブロックを排出せずに保留する。このように、ブロックを排出するか保留するかの判断は、予め設定したカウント数を基準とする許容範囲内に実際の通過カウント数が入るかどうかを比較することによって行われる。すなわち、ブロックの高さが所定範囲に達しない場合には通過カウント数は設定カウント数よりも多くなるので、この場合にはブロックを保留させるという判断がなされる。そして、ブロックを保留させた場合には続いて搬送スクリュー2を動作させて細断屑を追加し、再度圧縮ピストン6を下降させて圧縮ブロックの高さを通過カウント数によって検出する。そして、必要であればこの動作を複数回繰り返し、ブロックの高さが所定範囲に至れば始めてブロックを排出するのである。
【0014】
上述した初回のブロック化に要した搬送スクリュー2の合計搬送時間は、別途手段によって記憶されており、初回と同様の紙質および性状を有する細断屑が次回も搬送されるとすれば、初回の搬送スクリュー2の合計搬送時間と同時間だけ細断屑を搬送してやれば、所定ブロックに応じたほぼ適正な細断屑の充填量となる。言い換えると、毎回の圧縮ブロック化は、その直前の圧縮ブロック化に要した搬送スクリューの搬送時間を基準として充填量が決定される。しかも、その回の圧縮作業においては、ブロック高検知機構9によってブロック高さを検知しているので、仮に突然紙質等が変わった場合でも大きな誤差なくブロック化を達成することができる。
【0015】
次に、毎回ごとの充填量の微調整について説明する。図3はスリット板10とスリットセンサ11のより具体的な例を示したもので、スリットセンサ11としては透過形の光電センサを用い、スリット板10として昇降方向に12枚の櫛を有する櫛歯形の板状体を用いる。なお、歯数はあくまでも一例であって、12枚に限定する必要はない。そして、スリットセンサ11では相対的にスリット板10が通過する際のオン・オフを捉え、それぞれのオン・オフを連続した信号として順に変数値とする。したがって、変数値は1〜24まで設定されることになり、これが上述した通過カウント数に相当することになる。この変数のうちで、最初に圧縮動作を行って好ましい状態の圧縮ブロックを得たときの圧縮ピストンの下降量kが例えばk=12であるとすると、これを初期値として設定し、その際の細断屑の充填時間を決定する(例えば2.0秒)。ここで、k=12よりも通過カウント数が少ないとすれば充填過多であり、反対に通過カウント数が多いとすれば充填不足を意味することになるので、初期値に対して通過カウント数の多少に応じて補正を行う。本実施形態では例えば図4に示したような関係で補正を行うように、予めプログラムされる。ここで、縦軸は初期値k=12を基準点として、カウント数に応じて設定した補正秒数をグラフ化しているものである。なお、補正の幅の上下限はカウント数4と20を越えても補正値は制限されている。これ以上初期値から離れるようであれば、正常な充填量ではないと考えることができるからである。この相関を利用して圧縮を行った場合の充填時間の補正は、図5に示したようになる。すなわち、圧縮を行って圧力センサが働いた時点の通過カウント数を読み、これを図4のグラフに対応させ、充填時間の増減値を算出して、次の充填時間を決定する。このようにすれば、毎回紙質等が変わった場合でも適切に充填量を調整することが可能となる。図6には上記充填時間の調整動作をフローシートで示している。
【0016】
本実施形態では、細断屑の充填量を決定するために、昇降するスリット板10と固定位置にあるスリットセンサ11を利用しているが、その関係を逆にして、スリット板10を固定位置としてスリットセンサ11を昇降させることもある。また、スリット板10として櫛歯状の板状体を用い、スリットセンサ11として光電センサを用いる例を示したが、この構成のみならず、圧力センサ7が働いたときの圧縮ピストン6の位置を相対的に検出することができる構成であれば、磁石とホール素子の組み合わせ、あるいは磁石とリードスイッチの組み合わせであっても本発明を達成することが可能である。また、機構的に複雑ではあるが、バーコードのような二値情報を昇降方向に設けておき、CCDなどでこれを読み取ってデジタル化するような構成であっても、本発明はこれを排除するものではない。
【0017】
さらに、本実施形態では充填量を制御するために毎圧縮工程ごとに通過カウント数を検知し、処理しているが、通常の書類細断機によって細断する行程では同質の紙を細断処理することが多いので、本発明の検知・処理は毎回ごとではなく、複数回に1回というように間欠的に行うことも自由である。
【0018】
なお、本発明は、細断屑を圧縮してブロック化するための構成に関するものであり、書類細断機と一体に組み込んでもよいが、必ずしも書類細断機と一体に組み込む必要はない。図7、図8には書類細断機能を本発明の圧縮機に組み込んだところを概略的に示すが、ここで21は図1と同じ構成のホッパであり、ホッパカバー22を開いた状態で細断屑を投入する。一方、ホッパカバー22を閉じた場合にはホッパカバー22の表面を書類細断機構23に対する紙の導入面とすることができる。また、ホッパカバー22を開いた状態では書類細断機構23が動作しないようにマイクロスイッチ(図示せず)で電源供給を中断する機構を設けることも自由である。
【0019】
【発明の効果】
本発明では、 細断屑をホッパからブロック化部へ搬送機構によって搬送するようにして、前記ブロック化部は、細断屑を前記搬送機構から充填される充填部と、この充填部に対して昇降する圧縮ピストンとからなり、この圧縮ピストンには圧縮圧力を検知して原位置方向に復元するための圧力センサを有すると共に、前記圧縮ピストンの前記充填部に対する相対位置を検出するブロック高検知機構を有し、前記圧力センサの作動時におけるブロックの圧縮高さを検出することとしたので、毎回のブロック圧縮においてブロック高さを正確に検出することができる。したがって、ブロック高さが所定に満たない場合には細断屑の充填量を増やせばよく、反対にブロック高さが所定を越えていれば次回の充填量を減らすことによって、所定高さの圧縮ブロックを製造することができる。そして、ブロック高さが所定範囲であれば圧縮ブロックを排出するようにしたので、排出されるブロックの高さはほぼ均一になり、その後の処理が容易になる。
【0020】
また、ブロック高検知機構の構成としては、櫛歯状の複数のスリットを有するスリット板と、このスリット板のスリット数をカウントするスリットセンサを採用し、スリット板を圧縮ピストンの昇降に伴って昇降させるようにしたので、ブロック高さの検出はスリットセンサを通過したスリットのカウント数によってデジタル量として判断することができ、その後の処理を量子的に行うことができるので、処理プログラムなどの構築が容易である。そして、スリットセンサとして透過形の光電センサを採用したので、その作動は信頼性が高く、保守点検も容易である。
【0021】
さらに、ブロック高検知機構では適切なブロック高に対応するスリットのカウント数を基準として、実際のカウント数を前記基準のカウント数と比較して、搬送機構からの細断屑の充填時間を増減するという構成としたので、いったん所定のブロック高さを基準値としてデジタル量で決定しておけば、これよりもブロック高さが低い場合には次回の充填量を増加させ、反対に高い場合には充填量を減少させるという動作を容易に達成することができる。したがって、作業中に紙質が変わった場合であっても、即座にこれに対応してブロック高さを均一化することができ、別途紙質の判定作業を必要としない。
【0022】
また、搬送機構としてスクリューモータによって駆動される搬送スクリューを採用したので、充填量の微調整が容易である。さらにまた、圧縮機構の前段には書類細断機を備えているので、一台の構成によって書類の細断から圧縮まで引き続いて行うことができ、作業者にとって労力を軽減することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略図
【図2】ブロックの圧縮高さが満たない場合を示す概略図
【図3】ブロック高検知機構の一実施形態を示す斜視図
【図4】細断屑充填量の微調整時における充填追加量を示すグラフ
【図5】図4のグラフに基づいて圧縮を連続して行った場合の充填量の調整値を示す一覧
【図6】細断屑の充填行程を示すフローシート
【図7】圧縮機構の直前に細断機構を組み込んだ一例を示す概略図
【図8】図7の細断状態を示す概略図
【符号の説明】
1 ホッパ
2 搬送スクリュー
3 スクリューモータ
4 ブロック化部
5 充填部
6 圧縮ピストン
7 圧力センサ
8 ブロック
9 ブロック高検知機構
10 スリット板
11 スリットセンサ

Claims (4)

  1. 紙等の細断屑をブロック状に圧縮する圧縮機であって、前記細断屑はホッパからブロック化部へ搬送機構によって搬送され、前記ブロック化部は、細断屑を前記搬送機構から充填される充填部と、この充填部に対して昇降する圧縮ピストンとからなり、この圧縮ピストンには圧縮圧力を検知して予め設定された圧縮圧力に至ったときに作動して上記圧縮ピストンを原位置方向に復元するための圧力センサを有すると共に、前記圧縮ピストンの前記充填部に対する相対位置を検出するブロック高検知機構を有し、前記圧力センサの作動時における前記圧縮ピストンの検出位置からブロックの圧縮高さを検出し、ブロックの圧縮高さが所定の高さになるまで、細断屑の充填部への充填と、圧縮ピストンによる圧縮を繰り返してブロックの高さが均一になるようにする構成であって、前記ブロック高検知機構は、櫛歯状の複数のスリットを有するスリット板と、このスリット板のスリット数をカウントするスリットセンサとからなり、前記スリット板は圧縮ピストンの昇降に伴って昇降し、そのときのカウント数によって圧縮ピストンの位置及びブロックの圧縮高さを検出すると共に、適切なブロック高に対応するスリットのカウント数を基準として、実際のカウント数を前記基準のカウント数と比較して、その結果により次の圧縮動作における搬送機構からの細断屑の充填時間を増減するようにしてなり、予め設定したカウント数を基準とする許容範囲内に実際のカウント数が入ったときにブロックを排出することを特徴とする書類細断圧縮機。
  2. スリットセンサは、透過形の光電センサである請求項1記載の書類細断圧縮機。
  3. 搬送機構は、スクリューモータによって駆動される搬送スクリューである請求項1又は請求項2記載の書類細断圧縮機。
  4. 圧縮機構の前段には、さらに書類細断機を備えた請求項1〜3のいずれか1項記載の書類細断圧縮機。
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