JP4406140B2 - 照明装置及びその調光方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばCCDカメラ等を利用した画像処理システムにおいて好適に使用される照明装置及びその調光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばCCDカメラ等を利用した画像処理システムでは、照明対象への照明が必要とされ、その照明方法としては、反射照明あるいは透過照明が一般的に用いられる。照明対象の反射率あるいは透過率が変わってもカメラが受光する光量を一定とするためには、照明対象の反射率あるいは透過率の変化に応じて照明装置から射出される光の光量を調節することが必要となる。
これを補正すべく照明装置の調光が必要となる。
従来から画像処理用として一般的に使用されている照明装置には、アナログ電圧入力あるいはデジタル信号等によりリモート調光可能なハロゲン光源装置と、該ハロゲン光源装置からの光を均一化するための透明体である角柱ロッドと、該角柱ロッドの出射光を照明対象へ導くための光ファイバー束とを備えたものがある。
この従来の照明装置では、照明対象の反射率あるいは透過率が変化しても、カメラが受光する光量が所定のレベルとなるように、ハロゲン光源装置をリモート調光することで自動調光を可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の従来の照明装置では、過度に光量を下げた場合に色温度が下がったり、ランプの発光が不安定になるという問題があった。例えば、照明対象が透過率の高い材料でコーティングされている場合には、光量を絞る必要があるが、あまり光量を絞りすぎると(ハロゲン光源装置の電圧を下げすぎると)発光が不安定になったり、色温度の変化を生じることとなるのである。また、照明対象の反射率あるいは透過率の変化範囲がハロゲン光源装置の調光範囲を越えた場合には、調光不可能になるという問題もあった。
【0004】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、光源の光量を過度に低下させ、光源の発光が不安定となったり、色温度の低下を生じさせたりすることなく光量を極めて低く絞ることを可能とし、ひいては従来より極めて広範囲な調光が可能な照明装置及びその照明方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の照明装置及びその調光方法は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち請求項1記載の照明装置は、光源装置と、該光源装置からの光を照明対象に導く光ファイバー束とを備えた照明装置において、前記光源装置が調光可能な光源装置であり、前記光源装置と前記光ファイバー束との間には、複数の貫通孔が形成され、光源装置から光ファイバー束に向かう光を減光する減光板を有したシャッタ機構と、該シャッタ機構を通過した光を均一化して光ファイバー束に出射する透明体であるロッドとが備えられていることを特徴とする。
【0006】
上記請求項1記載の照明装置によれば、光源装置から出た光は、シャッタ機構を通って減光されてから光ファイバー束へと入射する。そして、光ファイバー束を通って照明対象へと導かれ、これを照射する。したがって、光源装置から出た後の光は、照明対象に照射される前にシャッタ機構で減光されるので、光源装置の光量を過度に低下させなくても光量を極めて低く絞ることができる。
【0009】
また、本発明の照明装置の調光方法は、光源装置と、該光源装置からの光を照明対象に導く光ファイバー束とを備えた照明装置の調光方法において、
前記光源装置が調光可能となっており、
前記光源装置と前記光ファイバー束との間に、複数の貫通孔が形成されて所定の透過率を有する減光板と透明体であるロッドとを介在させて、前記光源装置から前記光ファイバー束に向かう光を減光し、均一化することを特徴とする。
【0010】
上記照明装置の調光方法によれば、上記請求項1と同様の作用を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明を行うが、本発明がこれに限定解釈されるものでないことは勿論である。
図1に示すように、本実施形態の照明装置は、ハロゲンランプ光源装置1(光源装置)と、該ハロゲンランプ光源装置1からの光Lを均一化する透明体である角柱ロッド2と、該角柱ロッド2からの光Lを照明対象Tに導く光ファイバー束3とを備えている。さらに、この照明装置には、ハロゲンランプ光源装置1と角柱ロッド2との間に、該ハロゲンランプ光源装置1から該角柱ロッド2に向かう光の一部を遮って減光するシャッタ機構4が備えられている。
【0012】
ハロゲンランプ光源装置1は、ハロゲンランプ1aとハロゲンランプ点灯用の電源装置1bからなる光源装置であり、外部からのアナログ電圧、あるいは、デジタル信号によってリモート調光可能となっている。
透明体の角柱ロッド2は、アクリル系樹脂、ガラス等で作られた透明体の角柱ロッドであり、ハロゲンランプ1aの光量斑を均一化する為に用いられるものである。一般的に、この角柱ロッド2の長さが長いほど均一化の効果が上がるので好ましい。なお、本実施形態では角柱ロッド2を採用しているが、これに限らず、ハロゲンランプ1aの光量斑を均一化できれば良く、その他の光学部品を用いても問題ない。
光ファイバー束3は、角柱ロッド2から出射した光Lを照明対象Tに導くためのライトガイドで、一般的に、入射端3aは複数の光ファイバーを円形に束ねてあり、出射端3bは照明対象Tや画像入力装置(図示せず)の形態に合わせて、円状、リング状、ライン状等に加工されるのが好ましい。この光ファイバー束3は、その出射端3bが鉛直下方に位置する照明対象Tを向くように緩やかに曲げられており、ハロゲンランプ1aからの水平方向の光Lを、照明対象Tに向かって偏向させられるようになっている。
【0013】
シャッタ機構4は、ハロゲンランプ光源装置1と透明体の角柱ロッド2との間に配置されたシャッタ5を備えている。このシャッタ5は、図2に示すように、多数の貫通孔5aが略全面に渡って互いに等間隔を置いて形成された円盤形状の減光板5bと、該減光板5bの下端より鉛直下方に向かって延在形成された棒形状の減光板支持棒5cと、該減光板支持棒5cの下端に固定された回転軸5dとから構成されている。
【0014】
回転軸5dは、減光板5bの貫通孔5aが形成された面を含む仮想平面に対して垂直をなすように減光板支持棒5cの下端に固定されている。シャッタ機構4には、この回転軸5dをその軸線回りに回転駆動する回転駆動機構(図示せず)が備えられており、該回転駆動機構にソレノイド等を使用することにより、外部制御信号によって(遠隔操作によって)回転軸5dを前記軸線回りに回動させ、減光板5bをハロゲンランプ光源装置1と透明体の角柱ロッド2との間に配置させたり(以下、この配置状態をシャッタONと称する)、ハロゲンランプ光源装置1と透明体の角柱ロッド2との間から外す(以下、この配置状態をシャッタOFFと称する)ことが選択できるようになっている。なお、貫通孔5aの配置としては、減光板5bの中央のみや外周のみに固まることなく、減光板5bの全面に満遍なく均等に配置されるのが好ましい。このような配置を取ることにより、減光板5bを通過した光が不均一となるのを防ぐことができる。また、減光板5bの外表面には、光の乱反射を防ぐために黒色塗装などの艶消し塗装処理を施しておくことが好ましい。
【0015】
なお、図1に示すように、ハロゲンランプ1aと角柱ロッド2と光ファイバー3の入射端3aとの軸線は一致しており、減光板5bの中心も、シャッタON状態では前記軸線に合致するようになっている。シャッタOFF状態では、ハロゲンランプ光源装置1から透明体の角柱ロッド2に向かう光Lを一部でも遮らない位置に減光板5bが前記回転駆動機構によって回転移動させられる。
【0016】
以上説明の構成を有する照明装置の調光方法について、以下に説明を続ける。まず、照明対象Tの反射率または透過率の変化が、ハロゲンランプ光源装置1自体のリモート調光により十分に対応可能な範囲である場合(ハロゲンランプ光源装置1の光量を過度に絞る必要がない場合)には、シャッタOFF状態とし、ハロゲンランプ光源装置1からの光Lを直接、角柱ロッド2に送り込む。すると、光Lは角柱ロッド2で光量斑が均一化され、その後、光ファイバ3の入射端3aへと導入される。光ファイバ3内に導かれた光Lは、出射端3bより真下に位置する照明対象Tへと照射される。この照明対象Tの画像は、図示されない画像入力装置によって受像され、光量が過多または少ない場合には、この光量を適切にするための外部調光信号が前記電源装置1bへと送られる。電源装置1bは、受け取った外部調光信号に基づいてハロゲンランプ1aの電圧を上げ下げし、その光Lの光量調節を行う。このようにして照明対象Tへの光量が適切となるように調光される。
【0017】
一方、照明対象Tの反射率または透過率の変化が、ハロゲンランプ光源装置1単体の調光範囲の下限に近いところでの調光を必要としたり、もしくはこの下限よりもさらに光量を絞る調光を必要とする範囲である場合には、シャッタON状態とし、ハロゲンランプ光源装置1と角柱ロッド2との間に、所定の透過率を有する前記シャッタ機構4の減光板5bを挿入し、ハロゲンランプ光源装置1から角柱ロッド2に向かう光を減光する。
【0018】
すなわち、ハロゲンランプ光源装置1からの光Lの内、減光板5bの貫通孔5aを通過するものは角柱ロッド2へと入射し、その他は減光板5bによって角柱ロッド2への進行が妨げられるので、光Lの減光が行われる。この減光量は、減光板5bに入射する光Lに対して、これを通過できる光の量で決まるので、減光板5bに照射される光Lの照射面積中に存在する全ての貫通孔5aの面積の総和で決まることとなる。したがって、本実施形態のシャッタ機構4では、減光板5bの貫通孔5aの数またはその穴径の異なる他のシャッタ(図示せず)と交換することで、調光可能範囲(減光可能範囲)をさらに広げることも可能である。
【0019】
本実施形態の照明装置及びその調光方法によれば、ハロゲンランプ光源装置1と角柱ロッド2との間に、該ハロゲンランプ光源装置1から該角柱ロッド2に向かう光Lを減光するシャッタ機構4を設けた構成を採用することで、ハロゲンランプ光源装置1から出た後の光Lは、照明対象Tに照射される前にシャッタ機構4で減光されるので、光Lの発光が不安定になるほどハロゲンランプ光源装置1の光量を低下させなくても、光量を極めて低く絞ることを可能とし、ひいては従来よりも極めて広範囲な調光が安定して可能となる。
【0020】
なお、上記実施形態では、シャッタ機構4が減光板5bによって減光を行うものとしたが、これに限らず、例えば、所定の透過率を有して光Lの減光を行う減光フィルター(図示せず)を減光板5bの代わりに前記減光板支持棒5cの上端に固定した構成を採用しても良い。この場合においても、減光板5bを用いた場合と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態のシャッタ機構4は、図1に示すようにハロゲンランプ光源装置1の外部に配置するものとしたが、これに限らず、ハロゲンランプ光源装置1の内部に設ける構成を採用しても良い。
また、上記実施形態の光源装置はハロゲンランプ光源装置1としたが、これに限らず、目的用途に応じてその他の光源を採用しても良い。
また、本発明の照明装置及び調光方法によれば極めて広い範囲の調光が安定して可能となるため、本発明の照明装置及び調光方法は、CCDカメラなどの受光装置と画像処理装置を備えた画像処理システムに適用することが好ましく、特に照明対象へ適切な光量で光を照射する必要性が高い欠陥検査用の画像処理システムに適用することが好ましい。
【0021】
[実施例]
本発明の各構成要素を備えた照明装置を製作し、本発明の照明装置の調光能力を検証した。なお、以下の説明では、上記実施形態の各構成要素との対応を明瞭にするために、それぞれ同じ符号を付した。
ハロゲンランプ光源装置1には、アナログ電圧による外部調光機能を有する三菱レイヨン(株)製のハロゲンランプ光源装置ELI−100にシャッタ機構4を取り付け、接点信号によるシャッタON/OFFを可能としたものを用いた。
透明体の角柱ロッド2には、三菱レイヨン(株)製のアクリルミキシングロッドEM−22を使用した。
光ファイバー束3には、三菱レイヨン(株)製のライン状ライトガイドPL40を使用した。
【0022】
本来、このタイプのハロゲンランプ光源装置1のシャッタ機構4は、ハロゲンランプ1aを点灯したまま完全に遮光するために用いられていたものであるが、シャッタ5の減光板5bを図2のように貫通孔面積/遮光部面積の面積比が1/100となるように多数の貫通孔5aを形成しておくことにより、完全に遮光するのではなく、光Lの一部を遮光するようにした。
使用したハロゲンランプ光源装置1は、外部電圧により約1000倍のリモート調光が可能であるが、過度に光量を低下させるとランプの色温度が低下したり、点灯が不安定になったりするため、用途にもよるが実用上の調光範囲は約1000倍程度である。つまり、最大の光量を1とするとシャッタOFFの状態で、光ファイバー束3の出射端3bからの光量は1〜1/1000の範囲で調光することが可能である。
次にシャッタONにすると、シャッタOFFの場合と比較して1/100の光Lのみがシャッタ5を通過することになる。つまり、光ファイバー束3の出射端3bからの光量は1/100〜1/100000の範囲で調光することが可能である。
従って、外部電圧によるハロゲンランプ1aの調光と、シャッタ機構4による調光とを併用することにより、1〜1/100000の広範囲での調光を、色温度の低下を招くことなく安定して行うことが可能となった。
【0023】
【発明の効果】
本発明の請求項1〜2記載のいずれかの照明装置または請求項3記載の調光方法によれば、光源装置と光ファイバー束との間に、該光源装置から該光ファイバー束に向かう光を減光するシャッタ機構を設けた構成を採用することで、光源装置から出た後の光は、照明対象に照射される前にシャッタ機構で減光されるので、光源装置の光量を過度に低下させなくても光量を極めて低く絞ることを可能とし、ひいては従来よりも極めて広範囲な調光が安定して可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の照明装置の一実施形態を示す構成図である。
【図2】 同照明装置のシャッタの正面図である。
【符号の説明】
1・・・ハロゲンランプ光源装置(光源装置)
3・・・光ファイバー束
4・・・シャッタ機構
L・・・光
T・・・照明対象

Claims (3)

  1. 光源装置と、該光源装置からの光を照明対象に導く光ファイバー束とを備えた照明装置において、
    前記光源装置が調光可能な光源装置であり、
    前記光源装置と前記光ファイバー束との間には、複数の貫通孔が形成され、光源装置から光ファイバー束に向かう光を減光する減光板を有したシャッタ機構と、
    該シャッタ機構を通過した光を均一化して光ファイバー束に出射する透明体であるロッドとが備えられていることを特徴とする照明装置。
  2. 画像処理システム用であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 光源装置と、該光源装置からの光を照明対象に導く光ファイバー束とを備えた照明装置の調光方法において、
    前記光源装置が調光可能となっており、
    前記光源装置と前記光ファイバー束との間に、複数の貫通孔が形成されて所定の透過率を有する減光板と透明体であるロッドとを介在させて、前記光源装置から前記光ファイバー束に向かう光を減光し、均一化することを特徴とする照明装置の調光方法。
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