JP4406138B2 - 染み抜き剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソースや食べこぼしのしみあるいは口紅などが誤って衣類に付着した際に、これらの汚れを除去するための染み抜き剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
古くから、油性の汚れ等を落とすための染み抜き剤としては、ベンジンや、クリーニング溶剤等としても知られる有機塩素系溶剤(例えば、1,1,1−トリクロロエタン等)が使用されている。
【0003】
これらの染み抜き剤は、特定の汚れには効果があるが、食べこぼしによる染みなどには効果が低かった。また、1,1,1−トリクロロエタンはオゾン層を破壊することが指摘されており、また、発ガン性物質である疑いもあるなど安全性にも問題があり、これらの使用は好ましくないとされていた。
【0004】
近年、それらに代わってエタノール等のアルコール系の溶剤を使用した染み抜き剤が用いられている。しかし、このアルコール系溶剤も特定の汚れに対して効果はあるものの、サラダオイル等の汚れに対しては効果が低かった。
【0005】
そこでこのアルコール系の溶剤に、例えば10%以上の大量の界面活性剤を添加した染み抜き剤が開発されている。しかし、このタイプの染み抜き剤では、揮発しない界面活性剤が布地にそのまま残り、汚れが広がったまま衣類に残ってしまういわゆる「輪染み」という現象が生じるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、安全で、種々の汚れに対して優れた染み抜き効果があり、また輪染みにならない染み抜き剤の開発が望まれていた。
【0007】
【問題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解消すべく、種々の溶剤の染み抜き効果について鋭意研究を行った結果、アルコール系溶剤に炭化水素系溶剤を添加することにより、輪染み現象の起こらない優れた染み抜き効果を有する染み抜き剤が得られることを見出した。また、この染み抜き剤に界面活性剤や揮発抑制剤を添加するればより優れた染み抜き効果が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明はアルコール系溶剤と炭化水素系溶剤を含有する染み抜き剤組成物を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、上記染み抜き剤組成物において、更に界面活性剤および/または揮発抑制剤が添加された染み抜き剤組成物を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の染み抜き組成物において用いられるアルコール系溶剤としては、特に限定されないが、好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐を有する1価の飽和アルコールである。C5以上のアルコールは揮発しにくいため、輪染み防止効果の点ではあまり好ましくない。
【0011】
好ましいアルコール系溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、3−ブタノール等の1種若しくは2種以上の組み合わせを挙げることができる。これらのうち、価格、におい、揮発性、安全性、汚れ落ちの点でエタノールおよびイソプロパノールがより好ましい。
【0012】
一方、本発明で用いられる炭化水素系溶剤も特に限定されないが、好ましくはC5〜C9の炭化水素系溶剤であり、直鎖若しくは分岐を有する飽和又は不飽和の炭化水素系溶剤、又は分岐鎖や不飽和結合を有しても良い環状炭化水素系溶剤である。C4以下の炭化水素は気体であり、また、C10以上は揮発しにくく、輪染み防止効果は十分とはいえない。
【0013】
好ましい炭化水素系容剤の具体例としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン等の1種若しくは2種以上の組み合わせを挙げることができる。これらの内うち、価格、におい、揮発性、汚れ落ち、収納容器の選択性の点でイソオクタンがより好ましい。
【0014】
本発明の染み抜き剤組成物は、常法に従ってアルコール系溶剤と炭化水素系溶剤を混合することにより調製でき、その混合比は特に制約されるものではないが、10:1〜10:1程度、特に4:1〜1:3程度とすることが好ましい。
【0015】
更に本発明の染み抜き剤組成物には、その効果を高めるため、界面活性剤を添加することもできる。この界面活性剤の添加により、溶剤の汚れや繊維への浸透力が大きくなり、汚れを取りやすくなる。
【0016】
本発明において使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤の1種若しくは2種以上が挙げられる。また、この界面活性剤の添加量は0.01%〜5%程度が好ましい。界面活性剤の添加量が0.01%より少ない場合は、その作用が認められなくなり、また、5%を越える場合は繊維に界面活性剤が残り、輪染みの原因となるおそれがある。
【0017】
更にまた、本発明の染み抜き剤組成物には揮発抑制剤を添加することもできる。この揮発抑制剤は、染み抜き剤組成物の早期揮発による輪染みの発生を防止する作用を有するものである。
【0018】
この揮発抑制剤としては、沸点が100℃〜250℃程度の溶剤が挙げられる。沸点が250℃を越える溶剤では、逆に繊維に残ってしまい輪染みの原因になるおそれがあり、また、沸点が100℃より低い溶剤では、揮発抑制剤としての効果が得られないことがある。
【0019】
本発明において用いられる揮発抑制剤の具体例としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ウンデカン等の炭化水素系溶剤、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール系溶剤を挙げることができる。この揮発抑制剤の添加量は1%〜15%程度が好ましい。1%より少ないと揮発抑制剤添加による効果が認められず、逆に15%を越えると揮発が遅くなりすぎ、輪染みを生じる場合がある。
【0020】
以上の本発明の染み抜き剤組成物には、上記した成分以外の成分を、その効果を損なわない範囲で添加することができる。添加しうる成分としては、例えば、香料、消臭剤、除菌剤等を挙げることができる。
【0021】
本発明の染み抜き組成物は、従来の方法に従い、その溶液自体を綿、布、不織布あるいは紙に含浸させ、染みの部分に付着させて染みを取り除くことができるが、例えば、図1に示すような形状の染み取り具に充填し、使用することもできる。この染み取り具は、染み取り剤組成物を充填する筒体1と、染み取り組成物を染みに付着させるための塗布部2よりなるものである。この染み取り具において、筒体1は、金属や、充填する染み取り剤組成物に溶解しないプラスチックで形成され、また、塗布部2は、フェルト、ポリエステル繊維等で形成されている。このような染み抜き具を用いることにより、染みに部分だけ染み取り剤組成物を付着させることが可能となる。
【0022】
【実施例】
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
【0023】
実 施 例 1
アルコール系溶剤と炭化水素系溶剤を用い、後記表1に示す組成の染み抜き剤組成物を調製し、得られた染み抜き剤組成物について、その染み抜き効果を試験した。
【0024】
染み抜き効果を調べるためのモデル汚れ布としては、綿100%の白色布地にサラダ油(油性汚れ)、ボールペン(油性汚れ)およびミートソース(両性汚れ)の汚れをそれぞれ0.5ml滴下後、1時間放置したものを用いた。また、各染み取り剤組成物は、図1で示したようなペン型しみとり具に充填し、その塗布部(ペン先)を汚れ布の汚れの周囲に当接させて押圧し、環状に浸透させた後、汚れ部分にきれいな布(当て布)を当て、汚れ布の裏側からしみとり具のペン先で叩き、汚れを当て布に移すことによりしみとりを行った。しみとり後の汚れ落ちおよび、輪染みについての評価は、下記の基準により行った。この結果も表1に併せて示す。
【0025】
( 評 価 基 準 )
【0026】
【0027】
( 結 果 )
【表1】
【0028】
実 施 例 2
アルコール系溶剤および炭化水素系溶剤他、界面活性剤を用いて、表2に示す染み抜き剤組成物を調製した。得られた染み抜き剤組成物について、実施例1と同様にして染み抜き効果を試験した。この結果も表2に併せて示す。
【0029】
( 結 果 )
【表2】
【0030】
実 施 例 3
アルコール系溶剤および炭化水素系溶剤他、揮発抑制剤を用いて、表3に示す染み抜き剤組成物を調製した。得られた染み抜き剤組成物について、実施例1と同様にして染み抜き効果を試験した。この結果も表3に併せて示す。
【0031】
( 結 果 )
【表3】
【0032】
実 施 例 4
アルコール系溶剤および炭化水素系溶剤他、界面活性剤と揮散抑制剤を用いて、表4に示す染み抜き剤組成物を調製した。得られた染み抜き剤組成物について、実施例1と同様にして染み抜き効果を試験した。この結果も表4に併せて示す。
【0033】
( 結 果 )
【表4】
【0034】
比 較 例 1
アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤もしくは1,1,1−トリクロロエタンを用い、表5に示す染み抜き剤を調製した。得られた染み抜き剤について、実施例1と同様にして染み抜き効果を試験した。この結果も表5に併せて示す。
【0035】
( 組 成 )
【表5】
【0036】
【発明の効果】
本発明の染み抜き剤は、油性汚れを中心とする汚れを有効に落とすことができ、しかも輪染みの発生も少ないものである。特に、界面活性剤と揮散抑制剤の両者を更に添加した染み抜き剤では、極めて優れた染み抜き作用を示し、しかも輪染みの発生のないものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の染み取り剤組成物を充填することのできる染み取り具の縦断面図。
【符号の説明】
1 … … 筒体
2 … … 塗布部
以 上
Claims (5)
- アルコール系溶剤としてC 1 〜C 4 の直鎖又は分岐を有する1価の飽和アルコールの1種若しくは2種以上、炭化水素系溶剤としてC 5 〜C 9 の炭化水素系溶剤の1種若しくは2種以上および揮発抑制剤としてジメチルスルホキシド、ウンデカン、エチレングリコールまたはプロピレングリコールから選ばれる1種若しくは2種以上を含有する染み抜き剤組成物。
- アルコール系溶剤と炭化水素系溶剤を10:1ないし1:10の割合で含有するものである請求項第1項記載の染み抜き剤組成物。
- 更に界面活性剤が添加されているものである請求項第1項または第2項記載の染み抜き剤組成物。
- 揮発抑制剤を1〜15容量%含有するものである請求項第1項ないし第3項の何れかの項記載の染み抜き剤組成物。
- 界面活性剤を0.01〜5容量%含有するものである請求項第3項記載の染み抜き剤組成物。
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