JP4405451B2 - 情報記録装置 - Google Patents

情報記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4405451B2
JP4405451B2 JP2005256466A JP2005256466A JP4405451B2 JP 4405451 B2 JP4405451 B2 JP 4405451B2 JP 2005256466 A JP2005256466 A JP 2005256466A JP 2005256466 A JP2005256466 A JP 2005256466A JP 4405451 B2 JP4405451 B2 JP 4405451B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulating layer
recording
information
recording apparatus
information recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005256466A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007073095A (ja
Inventor
純一 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2005256466A priority Critical patent/JP4405451B2/ja
Priority to US11/515,397 priority patent/US7602693B2/en
Publication of JP2007073095A publication Critical patent/JP2007073095A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4405451B2 publication Critical patent/JP4405451B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B9/00Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor
    • G11B9/08Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor using electrostatic charge injection; Record carriers therefor

Description

本発明は、情報記録装置に関するものであり、特に、不揮発性の半導体ベースの記録媒体を用いて、該記録媒体に信号を記録する情報記録装置に関する。
従来、情報記録ストレージ・メモリとして光ディスクや磁気ディスク、そしてフラッシュメモリなどの半導体メモリが用いられている。しかしながら、いずれのストレージ、メモリにおいても今後の大容量化・高速化は困難度が増しており、これらに代わる小型で大容量・高速、しかも安価なストレージ、メモリの実用化が求められている。
このような背景の下、将来の大容量・高速の情報メモリの一候補として、記録・再生・消去が可能であり、しかも記録情報の長時間保持が可能なMNOS(Metal-Nitride-Oxide-Semiconductor)構造を基本とする半導体ベースの記録媒体を利用した情報記録装置の実用化が期待されている。このような情報記録装置としては、たとえば、半導体基板上に第1の絶縁膜を形成し、その上に電荷蓄積機能を有する第2の絶縁膜を形成してなる半導体ディスクメモリ上において、記録信号電圧が印加された記録電極を相対的に移動させ、記録信号電圧に対応した電荷を第1の絶縁膜を通して第2の絶縁膜に蓄積することにより信号の記録を行う半導体ディスクメモリ装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
このような情報記録装置の具体的な構成と機能について以下において簡単に説明する。このMNOS媒体を利用した従来の情報記録装置は、たとえばn型のシリコン(Si)からなる半導体基板と、該半導体基板の一面上に形成された厚さ数nm程度のシリコン酸化膜(SiO2)と、該シリコン酸化膜(SiO2)上に形成された厚さ数十nm程度のシリコン窒化膜(Si34)と、該シリコン窒化膜(Si34)上に形成されたカーボンなどからなる保護膜と、該保護膜上にフォンブリン系の潤滑剤を極薄に塗布した記録媒体と、シリコン(Si)半導体板の他面に形成されたアルミ電極と、を有してなる記録媒体を備える。
また、該記録媒体に対して浮上または接触しながら相対的に移動し、サファイア等からなる絶縁性の支持体と、該支持体の一面に被着されたタングステン等の金属膜と、を有してなる電極針と、電極針に接続された記録消去制御回路と、を備えて構成される。
このような情報記録装置においては、記録消去制御回路を用いて該電極針と該半導体基板との間に該半導体基板の裏面に形成されたアルミ電極を介して記録信号に相当する電圧を加える。そして、このときに、トンネル効果により記録信号に相当する電荷がシリコン酸化膜(SiO2)を通過してシリコン窒化膜(Si34)に蓄積されて、情報が記録さる。
また、この蓄積電荷に応じて該半導体基板に空乏層が形成されることになり、記録信号を再生する時には、該電極針を静電容量検出用の電極として用いることにより、上記空乏層の有無すなわち記録情報の有無を高感度に再生することが可能となる。
そして、この情報記録装置においては、パルス幅が数ナノ秒〜数十ナノ秒以下、数ボルト〜30ボルト程度の正のパルス電圧を電極針に印加することにより高速の情報記録が実現することができる。また、通常の放置状態では最低10年間の安定した記録保持と読み出しが保障される。
特開昭55−150268号公報
しかしながら、上記のような従来の情報記録装置においては、既に書き込まれた記録信号の消去に関しては、記録時よりも大きな振幅(たとえば、50ボルト以上)とパルス幅(たとえば、200ナノ秒以上)の負のパルス電圧を電極針に印加しても十分な消去ができないという問題がある。
このように上記従来の情報記録装置においては、消去特性は記録特性よりもスピードの面において圧倒的に遅く、特にパルス幅が短い場合には消去電圧をいくら大きくしても完全に消去することが困難である。この問題が、従来からこの情報記録装置を実用化する上で大きな障害となっており、これを解決できる技術の確立が待ち望まれている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、記録時と同等の低い電圧値により高速で効率的な消去を行うことが可能であり、高密度、大容量で且つ記録保持時間の長い情報記録装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる情報記録装置は、半導体基板と、半導体基板の一面上に形成された第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に形成された電荷蓄積機能を有する第2の絶縁層と、半導体基板の他面上に形成された電極層と、第1、第2の絶縁層を貫通し半導体基板中にその底部が配置される絶縁領域と、を備えてなる記録媒体と、記録媒体に対して浮上または接触した状態で該記録媒体に対して電圧を印加するための電極と、を備え、半導体基板と第1の絶縁層との界面から前記絶縁領域の底部までの深さが、
Figure 0004405451
で表される空乏層の最大深さWmaxよりも深いことを特徴とする。
この発明によれば、情報の消去時に半導体基板に発生する空乏層の記録媒体の面方向への広がりを防止することにより、印加された消去電圧のうち空乏層の部分に分圧される電圧を抑制し、電荷蓄積機能を有する絶縁層部分に十分な消去電圧が分圧される。これにより、半導体基板からホール(正孔)がトンネル効果により電荷蓄積機能を有する絶縁層中に確実に蓄積されるため、情報の消去が確実に行われる。
したがって、この発明によれば、消去に必要な電極針への印加電圧と消去時間とを、情報の記録時並みに大幅に低減することができ、記録時と遜色のない電圧値により高速で効率的な消去を行うことが可能な、高密度、大容量で且つ記録保持時間の長い情報記録装置を安価に提供することができる、という効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる情報記録装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述により限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下の添付図面においては、理解の容易のため、図面の縮尺、部材の縮尺は、各図面により異なることがある。
(第1の実施の形態)
図1−1は、本発明の第1の実施の形態にかかる情報記録装置の主要構成を説明するための図である。本実施の形態にかかる情報記録装置は、大容量および高速での記録・再生・消去が可能であり、記録情報の長時間保持が可能なMNOS(Metal-Nitride-Oxide-Semiconductor)構造を基本とする半導体ベースの記録媒体を利用した情報記録装置である。このようなMNOS構造を有する記録媒体においては、酸化膜(二酸化シリコン膜)と窒化膜(ナイトライド膜)からなる2層の絶縁膜の界面トラップに電荷を蓄積する構造になっている。
以下、このような本実施の形態にかかる情報記録装置について説明する。MNOS媒体を利用した本実施の形態にかかる情報記録装置は、図1−1に示すように、MNOS構造を有する記録媒体10と、記録再生用プローブ40と、記録消去用制御装置(回路)50と、を備えて構成される。
また、記録媒体10は、半導体基板11と、該半導体基板11の一面上に形成された第1の絶縁層12と、該第1の絶縁層12上に形成された電荷蓄積機能を有する第2の絶縁層13と、該第2の絶縁層13上に形成された媒体保護層14と、該媒体保護層14上に塗布された潤滑剤(図示せず)と、該半導体基板11の他面に形成された電極層15と、
該第2の絶縁層13の表面から半導体基板11の所定の深さまで達して形成された第3の絶縁層16と、を備えて構成される。
ここで、半導体基板11は、たとえばn型あるいはp型のシリコン単結晶基板またはシリコン多結晶基板からなる。第1の絶縁層12は、たとえば厚さ数nm程度のシリコン酸化膜(SiO2)からなる。第2の絶縁層13は、たとえば厚さ数十nm程度のシリコン窒化膜(Si34)からなる。媒体保護層14は、たとえば数原始層以下の厚みのカーボンなどからなる。
また、潤滑剤は、たとえばフォンブリン系の潤滑剤からなり、媒体保護膜上に極薄に、第2の絶縁層13上において一原子層程度の膜厚に形成される。電極層15は、たとえばアルミ膜等の導電性膜により構成される。
第3の絶縁層16は、たとえば、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(Si34)、酸化アルミニウム(Al23)、有機高分子材料などの絶縁材料からなり、該第3の絶縁層16の表面高さは、第2の絶縁層13の表面高さと同等とされている。また、この第3の絶縁層16は、第2の絶縁層13の表面から半導体基板11の所定の深さまで達して形成された溝部に上記の絶縁材料が埋設されて形成されたものである。
ここで、第3の絶縁層16に用いる絶縁材料は、誘電率が第1の絶縁層12および第2の絶縁層13よりも低いことが好ましい。第3の絶縁層16の誘電率を第1の絶縁層12および第2の絶縁層13よりも低くすることにより、第3の絶縁層16と記録ビット領域17との誘電率の差異を大きくし、情報再生時の感度を向上させて良好な感度で情報再生を行うことができる。
また、本実施の形態にかかる情報記録装置では、この第3の絶縁層16により記録ビット領域17が記録媒体10表面において規定されて規則的にパターン化して配列されている。図1−2は、図1−1に示した記録媒体10を上から見た要部上面図である。図1−f2に示すように、本実施の形態にかかる記録媒体10においては、該記録媒体10表面において記録ビット領域17と、該記録ビット領域17以外の領域、すなわち記録ビット領域を分離する分離領域(第3の絶縁層16)と、を有する。そして、記録媒体10表面において、各記録ビット領域17が分離領域により個々の記録ビット領域17に分離されて規則的に配列されている。なお、図1−2においては、媒体保護層14を透過して見た場合を示している。
また、記録ビット領域17のピッチAと、該記録ビット領域17以外の領域、すなわち記録ビット領域を分離する分離領域(第3の絶縁層16)のピッチBとは、たとえば、略1:1とすることが好ましい。これは、再生時の読み出しマージンの確保と寄生容量の低減の要請から要求されるものである。
そして、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、第3の絶縁層16は、半導体基板11と第1の絶縁層12との界面から第3の絶縁層16の底部までの深さ(距離)W1が、以下の数式(1)により算出されるWmaxよりも深く(長く)形成されている。ここでWmaxとは、信号記録時に第2の絶縁層13に蓄積された電荷18に応じて半導体基板11に形成される空乏層19の最大深さ(距離)である。
Figure 0004405451
上記数式(1)において、ε0は真空の誘電率、εiは半導体基板の比誘電率、|φf
は半導体基板のフェルミ電位の絶対値、qは電子の電荷、Ndは半導体基板の不純物濃度である。
なお、第3の絶縁層16の深さは、製造コストや製造プロセスの観点からその上限が上記のWmaxの2倍〜3倍程度の深さとされる。
一方、記録再生用プローブ40は、電極針支持体41と、該電極針支持体41の一面に形成された記録再生用電極針42と、を備えて構成される。ここで、電極針支持体41は、サファイア等の絶縁材料からなる絶縁体である。また、記録再生用電極針42は、電極針支持体41の一面にタングステン等の金属膜が形成されてなる。
また、記録再生用電極針42の媒体対抗面における縦方向および横方向の幅がそれぞれ記録媒体10の記録ビット領域17の縦方向および横方向の幅よりも大きく、記録ビット領域17のパターンの縦方向配列および横方向配列のピッチよりも小さくしてもよい。
記録消去用制御装置(回路)50は、記録再生用電極針42へ印加する記録信号電圧、読み出し信号電圧および消去信号電圧の制御を行う。
以上のような本実施の形態にかかる情報記録装置では、記録信号電圧(正のパルス電圧)が印加された記録再生用電極針42が記録媒体10上に対して浮上または接触しながら相対的に移動し、記録信号電圧に対応した電荷を第1の絶縁層12を通して第2の絶縁層に蓄積することにより信号の記録を行う。
すなわち、情報の記録を行う場合には、記録媒体10にパターン化して設けられた記録ビット領域17の列に沿って記録媒体10上において記録再生用電極針42を浮上または接触させながら走査し、記録消去用制御装置(回路)50を経由して該記録再生用電極針42と半導体基板11との間に、該半導体基板11の裏面に形成された電極層15を介して記録信号に相当する正の電圧パルスを印加する。このときに、トンネル効果により記録信号に相当する電荷(電子)が第1の絶縁層12を通過して第2の絶縁層13に蓄積され情報が記録される。
一方、記録された情報を消去する場合には、上述の情報の記録を行う場合と同様に、記録媒体10にパターン化して設けられた記録ビット領域17の列に沿って記録再生用電極針42を浮上または接触させながら走査し、記録消去用制御装置(回路)50を経由して該記録再生用電極針42と半導体基板11との間に電極層15を介して負のパルス電圧を印加する。このときに、半導体基板11からホール(正孔)がトンネル効果により第1の絶縁層12を通過して第2の絶縁層13中に蓄積され、情報が消去される。また、消去用の負のパルス電圧を印加した場合に、半導体基板11の表面に空乏層19が発生する。
以上のように構成された本実施の形態にかかる情報記録装置においては、第3の絶縁層16における半導体基板11と第1の絶縁層12との界面から第3の絶縁層16の底部までの深さ(距離)W1が上述した深さ(距離)に規定されているため、情報の消去時に空乏層19が記録媒体10の記録ビット領域17から半導体基板11の面方向に2次元的に広がることがない。
従来の情報記録装置においては、図2に示すように、情報の消去時には記録再生用電極針142に記録時(正のパルス電圧を印加)とは逆に、負のパルス電圧を印加する。消去プロセスは、記録プロセスとは反対の経過を経て、半導体基板111からホール(正孔)がトンネル効果により第1の絶縁層112を通過して第2の絶縁層113中に蓄積されるものであるが、図2に示すように消去用の負のパルス電圧を印加した場合には、半導体基板111の表面に空乏層119が発生することが記録プロセスと異なる。
さらに、負のパルス電圧を大きくしていくと、図示するように空乏層119の深さは増加し、上記の数式(1)により示される最大深さ(文献1:柳井久義 他 著「半導体デバイスの物理(II)」、コロナ社、文献2:S.M.SZE, "Physics of Semiconductor Devices", WILEY-INTERSCIENCE Jhon Wiley & Sons, Inc., New York, 1969、参照)まで達するとともに、記録再生用電極針142から発生する電界強度の2次元的広がりによって半導体基板111の面方向に2次元的に広がってしまうことが記録プロセスと大きく異なる。
この空乏層119の静電容量はかなり小さい(インピーダンス的に高い)ため、印加された消去電圧のうち、かなりの電圧がこの空乏層119の部分に分圧され、第2の絶縁層113部分には十分な消去電圧が分圧されなくなるため、ホール(正孔)のトンネル効果が起こりにくくなる。この傾向は、消去電圧を増加させると、空乏層119の2次元的広がりに伴って空乏層部位のインピーダンスが増加するため、より顕著になる。これが、従来の技術において効率的な消去ができなかった主因と考えられる。
そこで、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、消去時の現象に注目し、上記の問題を解決するために図1−3に示すように記録媒体10において微細な記録ビット領域17と、記録ビット領域以外の領域、すなわち記録ビット領域を分離する分離領域(第3の絶縁層16)と、を形成し、分離領域(第3の絶縁層16)により個々の記録ビット領域17を分離して規則的に配列している。
そして、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、この分離領域(第3の絶縁層16)の半導体基板11における深さを上記の数式(1)にて表現される情報の消去時の空乏層の最大深さWmaxよりも大きく(深く)形成している。このように、分離領域(第3の絶縁層16)の半導体基板11における深さを消去時の空乏層の最大深さWmaxよりも大きく(深く)形成することにより、情報の消去時に発生する空乏層19は記録媒体10の面方向に広がることが防止されるため、上記の問題点を解消することができる。
すなわち、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、空乏層19の記録媒体10の面方向への広がりを防止することにより、印加された消去電圧のうち空乏層19の部分に分圧される電圧を抑制し、第2の絶縁層13部分に十分な消去電圧が分圧されるようにしている。これにより、半導体基板11からホール(正孔)がトンネル効果により第1の絶縁層12を通過して第2の絶縁層13中に確実に蓄積されるため、情報の消去が確実に行われる。
また、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、分離領域(第3の絶縁層16)を形成して空乏層19の記録媒体10への面方向への広がりを物理的に防止しているため、消去電圧を増加させた場合においても、空乏層19の2次元的広がりに伴って空乏層19のインピーダンスが増加することがない。
したがって、記録媒体10において第3の絶縁層16により記録ビット領域17を分離してパターン化していない従来技術と比べて、情報の消去に必要な電極針への印加電圧(パルス電圧の大きさとパルス幅)と、消去時間と、を情報の記録時並に大幅に低減することができる。これにより、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、記録時と遜色のない電圧値により高速で効率的な消去を行うことが可能な、高密度、大容量で且つ記録保持時間の長い情報記録装置を安価に提供することが可能になる、という効果を奏する。
つぎに、上記のように構成された本実施の形態にかかる情報記録装置の製造方法について説明する。まず記録媒体10を作製するには、たとえばn型あるいはp型のシリコン単結晶基板またはシリコン多結晶基板からなる半導体基板11上に、第1の絶縁層12として、たとえばサブnm〜2nm程度の膜厚のシリコン酸化膜(SiO2)を熱酸化により形成する。つぎに、該第1の絶縁層12であるシリコン酸化膜(SiO2)上に、電荷蓄積機能を有する第2の絶縁層13として、たとえば数nm〜数十nm程度の膜厚のシリコン窒化膜(Si34)をCVD法等により形成する。
その後、インプリント技術とエッチング技術とを用いて、規則的に配列される記録ビット領域と、該記録ビット領域以外の領域、すなわち記録ビット領域を分離する分離領域と、とをパターニングする。ここで、分離領域には第2の絶縁層13の表面から半導体基板11に所定の深さまで達する溝部を形成する。ここで、該溝部を形成する際には、半導体基板11と第1の絶縁層12との界面から溝部の底部までの深さ(距離)W1が、以下の数式(1)により算出されるWmaxよりも深く(長く)なるように形成される。
Figure 0004405451
上記数式(1)において、ε0は真空の誘電率、εiは半導体基板の比誘電率、|φf|は半導体基板のフェルミ電位の絶対値、qは電子の電荷、Ndは半導体基板の不純物濃度である。
そして、このパターニングにより第2の絶縁層13の表面から半導体基板11にかけて作製した溝部(記録ビット領域以外の領域)に、第3の絶縁層16として、SiO2、Si34、Al23、有機高分子材料などの絶縁材料をリフトオフ法などにより形成する。その後、基板の表面を平坦化し、その上に媒体保護層14としてたとえばカーボン層を数原始層以下の厚みでCVD法等により形成し、最後に図示していない潤滑油を極薄に塗布することにより記録媒体10が完成する。
一方、記録用電極針32を製造するには、アルミナ、セラミックス、サファイア等の絶縁材料からなる電極針支持体41の上に、たとえばスパッタリング法や蒸着法などの手法によりタングステン等の金属膜を成膜することにより作製することができる。その後、エッチング工程および図示していない保護膜の成膜等の工程を経ることによって記録再生用プローブ40が完成する。
そして、記録再生用プローブ40の記録用電極針32に記録消去用制御装置(回路)50を接続することにより本実施の形態にかかる情報記録装置を作製することができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態にかかる情報記録装置の変形例を説明する。図3は、本実施の形態にかかる情報記録装置の主要構成を説明するための図である。本実施の形態にかかる情報記録装置は、第1の実施の形態にかかる情報記録装置と同様に大容量および高速での記録・再生・消去が可能であり、記録情報の長時間保持が可能なMNOS(Metal-Nitride-Oxide-Semiconductor)構造を基本とする半導体ベースの記録媒体を利用した情報記録装置である。
本実施の形態にかかる情報記録装置の基本的な構成は、第1の実施の形態にかかる情報記録装置と同じである。したがって、第1の実施の形態にかかる情報記録装置と同じ部材については図1−1と同じ符号を付し、第1の実施の形態における説明を参照することとし、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施の形態にかかる情報記録装置が、第1の実施の形態にかかる情報記録装置と異なる点は、第3の絶縁層16の代わりに、図3に示すように第1の絶縁層12の表面から半導体基板11の所定の深さまで達して形成された第3の絶縁層21を備えることである。すなわち、本実施の形態にかかる情報記録装置は、図3に示すように、MNOS構造を有する記録媒体20と、記録再生用プローブ40と、記録消去用制御装置(回路)50と、を備えて構成される。
そして、記録媒体20は、半導体基板11と、該半導体基板11の一面上に形成された第1の絶縁層12と、該第1の絶縁層12上に形成された電荷蓄積機能を有する第2の絶縁層13と、該第2の絶縁層13上に形成された媒体保護層14と、該媒体保護層14上に塗布された潤滑剤(図示せず)と、該半導体基板11の他面に形成された電極層15と、該第1の絶縁層12の表面から半導体基板11の所定の深さまで達して形成された第3の絶縁層21と、を備えて構成される。
本実施の形態にかかる情報記録装置では、この第3の絶縁層21により記録ビット領域17が半導体基板11表面において規定されて規則的にパターン化して配列されている。本実施の形態にかかる記録媒体20においては、該半導体基板11表面において記録ビット領域と、該記録ビット領域以外の領域、すなわち記録ビット領域を分離する分離領域(第3の絶縁層21)と、を有する。そして、半導体基板11表面において、各記録ビット領域17が分離領域(第3の絶縁層21)により個々の記録ビット領域17に分離されて規則的に配列されている。
そして、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、第3の絶縁層21は、半導体基板11と第1の絶縁層12との界面から第3の絶縁層21の底部までの深さ(距離)W2が、以下の数式(1)により算出されるWmaxよりも深く(長く)形成されている。ここでWmaxとは、信号記録時に第2の絶縁層13に蓄積された電荷18に応じて半導体基板11に形成される空乏層19の最大深さ(距離)である。
Figure 0004405451
上記数式(1)において、ε0は真空の誘電率、εiは半導体基板の比誘電率、|φf|は半導体基板のフェルミ電位の絶対値、qは電子の電荷、Ndは半導体基板の不純物濃度である。
一方、第3の絶縁層21の深さは、製造コストや製造プロセスの観点からその上限が上記のWmaxの2倍〜3倍程度の深さとされる。
以上のように構成された本実施の形態にかかる情報記録装置においては、第3の絶縁層21における半導体基板11と第1の絶縁層12との界面から第3の絶縁層21の底部までの深さ(距離)W2が上述した深さ(距離)に規定されているため、情報の消去時に空乏層19が記録媒体20の記録ビット領域17から半導体基板11の面方向に2次元的に広がることがない。
すなわち、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、第3の絶縁層21の半導体基板11における深さを上記の数式(1)にて表現される情報の消去時の空乏層の最大深さWmaxよりも深く形成している。このように、分離領域(第3の絶縁層21)の半導体基板11における深さを消去時の空乏層の最大深さWmaxよりも深く形成することにより、情報の消去時に発生する空乏層19は記録媒体20の面方向に広がることが防止される。
そして、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、空乏層19の記録媒体20の面方向への広がりを防止することにより、印加された消去電圧のうち空乏層19の部分に分圧される電圧を抑制し、第2の絶縁層13部分に十分な消去電圧が分圧されるようにしている。これにより、半導体基板11からホール(正孔)がトンネル効果により第1の絶縁層12を通過して第2の絶縁層13中に確実に蓄積されるため、低い消去電圧(パルス電圧の大きさとパルス幅)で、情報の消去が確実に且つ効率的に高速で行われる。
また、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、分離領域(第3の絶縁層21)を形成して空乏層19の記録媒体20への面方向への広がりを物理的に防止しているため、消去電圧を増加させた場合においても、空乏層19の2次元的広がりに伴って空乏層19のインピーダンスが増加することがない。
したがって、この情報記録装置においては、記録媒体20において第3の絶縁層21により記録ビット領域17を分離してパターン化していない従来技術と比べて、情報の消去に必要な電極針への印加電圧(パルス電圧の大きさとパルス幅)と、消去時間と、を情報の記録時並に大幅に低減することができる。これにより、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、記録時と遜色のない電圧値により高速で効率的な消去を行うことが可能な、高密度、大容量で且つ記録保持時間の長い情報記録装置を安価に提供することが可能になる、という効果を奏する。
また、本実施の形態にかかる情報記録装置は、第1の実施の形態にかかる情報記録装置と同様にして作製することができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、上述した第1の実施の形態にかかる情報記録装置の他の変形例を説明する。図4は、本実施の形態にかかる情報記録装置の主要構成を説明するための図である。本実施の形態にかかる情報記録装置は、第1の実施の形態にかかる情報記録装置と同様に大容量および高速での記録・再生・消去が可能であり、記録情報の長時間保持が可能なMNOS(Metal-Nitride-Oxide-Semiconductor)構造を基本とする半導体ベースの記録媒体を利用した情報記録装置である。
本実施の形態にかかる情報記録装置の基本的な構成は、第1の実施の形態にかかる情報記録装置と同じである。したがって、第1の実施の形態にかかる情報記録装置と同じ部材については図1−1と同じ符号を付し、第1の実施の形態における説明を参照することとし、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施の形態にかかる情報記録装置が、第1の実施の形態にかかる情報記録装置と異なる点は、第3の絶縁層16の代わりに、図4に示すように媒体保護層14の表面から半導体基板11の所定の深さまで達して形成された溝部31を備えることである。すなわち、本実施の形態にかかる情報記録装置2は、図3に示すように、MNOS構造を有する記録媒体30と、記録再生用プローブ40と、記録消去用制御装置(回路)50と、を備えて構成される。
そして、記録媒体30は、半導体基板11と、該半導体基板11の一面上に形成された第1の絶縁層12と、該第1の絶縁層12上に形成された電荷蓄積機能を有する第2の絶縁層13と、該第2の絶縁層13上に形成された媒体保護層14と、該媒体保護層14上に塗布された潤滑剤(図示せず)と、該半導体基板11の他面に形成された電極層15と、該媒体保護層14の表面から半導体基板11の所定の深さまで達して形成された溝部31と、を備えて構成される。
本実施の形態にかかる情報記録装置では、この溝部31により記録ビット領域17が記録媒体10表面において規定されて規則的にパターン化して配列されている。本実施の形態にかかる記録媒体10においては、該記録媒体10表面において記録ビット領域と、該記録ビット領域以外の領域、すなわち記録ビット領域を分離する分離領域(溝部31)と、を有する。そして、記録媒体30表面において、各記録ビット領域17が分離領域(溝部31)により個々の記録ビット領域17に分離されて規則的に配列されている。
そして、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、溝部31は、半導体基板11と第1の絶縁層12との界面から溝部31の底部までの深さ(距離)W3が、以下の数式(1)により算出されるWmaxよりも深く(長く)形成されている。ここでWmaxとは、信号記録時に第2の絶縁層13に蓄積された電荷18に応じて半導体基板11に形成される空乏層19の最大深さ(距離)である。
Figure 0004405451
上記数式(1)において、ε0は真空の誘電率、εiは半導体基板の比誘電率、|φf
は半導体基板のフェルミ電位の絶対値、qは電子の電荷、Ndは半導体基板の不純物濃度である。
一方、溝部31の深さは、製造コストや製造プロセスの観点からその上限が上記のWmaxの2倍〜3倍程度の深さとされる。
また、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、記録媒体30表面において溝部31により記録ビット領域17が規定されている。そして、溝部31の領域の誘電率は空気の誘電率であるため、上記の第3の絶縁層16の誘電率よりもさらに低くなる。これにより、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、第1の実施の形態にかかる情報記録装置よりもさらに良好な感度で情報の再生を行うことができる。
以上のように構成された本実施の形態にかかる情報記録装置においては、溝部31における半導体基板11と第1の絶縁層12との界面から溝部31の底部までの深さ(距離)W3が上述した深さ(距離)に規定されているため、情報の消去時に空乏層19が記録媒体30の記録ビット領域17から半導体基板11の面方向に2次元的に広がることがない。
すなわち、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、溝部31の半導体基板11における深さを上記の数式(1)にて表現される情報の消去時の空乏層の最大深さWmaxよりも深く形成している。このように、分離領域(溝部31)の半導体基板11における深さを消去時の空乏層の最大深さWmaxよりも大きく(深く)形成することにより、情報の消去時に発生する空乏層19は記録媒体10の面方向に広がることが防止される。
そして、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、空乏層19の記録媒体30の面方向への広がりを防止することにより、印加された消去電圧のうち空乏層19の部分に分圧される電圧を抑制し、第2の絶縁層13部分に十分な消去電圧が分圧されるようにしている。これにより、半導体基板11からホール(正孔)がトンネル効果により第1の絶縁層12を通過して第2の絶縁層13中に確実に蓄積されるため、低い消去電圧(パルス電圧の大きさとパルス幅)で、情報の消去が確実に且つ効率的に高速で行われる。
また、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、分離領域(溝部31)を形成して空乏層19の記録媒体30への面方向への広がりを物理的に防止しているため、消去電圧を増加させた場合においても、空乏層19の2次元的広がりに伴って空乏層19のインピーダンスが増加することがない。
したがって、この情報記録装置においては、記録媒体30において溝部31により記録ビット領域17を分離してパターン化していない従来技術と比べて、情報の消去に必要な電極針への印加電圧(パルス電圧の大きさとパルス幅)と、消去時間と、を情報の記録時並に大幅に低減することができる。これにより、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、記録時と遜色のない電圧値により高速で効率的な消去を行うことが可能な、高密度、大容量で且つ記録保持時間の長い情報記録装置を安価に提供することが可能になる、という効果を奏する。
なお、第1の実施の形態にかかる情報記録装置においては、この溝部31にたとえば、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(Si34)、酸化アルミニウム(Al23)、有機高分子材料などの絶縁材料が埋設されて第3の絶縁層16が構成されている。
また、本実施の形態にかかる情報記録装置は、第1の実施の形態にかかる情報記録装置と同様にして作製することができる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、本発明にかかる情報記録装置に静電容量方式再生を組み合わせた場合について説明する。図5は、本実施の形態にかかる情報記録装置の主要構成を説明するための図である。
本実施の形態にかかる情報記録装置は、上述した第1の実施の形態にかかる情報記録装置に静電容量方式再生を組み合わせたものであり、本実施の形態にかかる情報記録装置の基本的な構成は、第1の実施の形態にかかる情報記録装置と同じである。したがって、第1の実施の形態にかかる情報記録装置と同じ部材については図1−1と同じ符号を付し、第1の実施の形態における説明を参照することとし、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施の形態にかかる情報記録装置が、第1の実施の形態にかかる情報記録装置と異なる点は、記録信号の再生用のセンサとして静電容量方式の再生用プローブ43と静電容量変化検出装置(回路)51を備える点である。すなわち、本実施の形態にかかる情報記録装置は、図5に示すように、記録媒体10と、静電容量方式の再生用プローブ43と、静電容量変化検出装置(回路)51と、を備えて構成される。静電容量方式の再生用プローブ43は、電極針支持体44と、該電極針支持体44の一面に形成された再生用電極針45と、を備えて構成される。
このように、第1の実施の形態にかかる情報記録装置に、再生方式として静電容量方式を採用することにより、検出感度の高く良好な情報再生が可能な情報記録装置を安価に、且つ簡略な構成で実現することが可能である。
本実施の形態のように第1の実施の形態にかかる情報記録装置に静電容量方式再生を組み合わせる場合には、上記の第3の絶縁層16の構成材料を誘電率の低い材料により構成することが好ましい。これにより、検出感度を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、静電容量方式用としての再生用電極針45を個別に備える構成について説明したが、本発明においては記録消去用電極針と再生用電極針とを兼用する構成とすることも可能である。
また、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、上述した第1の実施の形態にかかる情報記録装置が有する、記録時と遜色のない電圧値により高速で効率的な消去を行うことが可能な、高密度、大容量で且つ記録保持時間の長い情報記録装置を安価に実現可能である、という効果を備えることはいうまでもない。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態では、本発明にかかる情報記録装置にFET(電界効果型トランジスタ)センサによる記録信号の再生を組み合わせた場合について説明する。図6は、本実施の形態にかかる情報記録装置の主要構成を説明するための図である。
本実施の形態にかかる情報記録装置は、上述した第1の実施の形態にかかる情報記録装置にFETセンサによる記録信号の再生を組み合わせたものであり、本実施の形態にかかる情報記録装置の基本的な構成は、第1の実施の形態にかかる情報記録装置と同じである。したがって、第1の実施の形態にかかる情報記録装置と同じ部材については図1−1と同じ符号を付し、第1の実施の形態における説明を参照することとし、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施の形態にかかる情報記録装置が、第1の実施の形態にかかる情報記録装置と異なる点は、記録信号の再生用のセンサとして従来公知のFETセンサを備える点である。すなわち、本実施の形態にかかる情報記録装置は、図6に示すように、記録媒体10と、FETセンサと、を備えて構成される。FETセンサは、ソース(n+領域)と、ドレイン(n+領域)と、P型シリコン層と、絶縁膜と、反転層と、を備えて構成される。
FETセンサを用いた記録信号の再生においては、記録媒体10の第2の絶縁層13に蓄積記録された電荷18による電界をFETセンサのソースとドレインとの間の電流の変化を検出することで直接読み出す。なお、図6においては、電極の記載を省略している。電界の変化により反転層の深さが変化するため、ソース−ドレイン間の電気抵抗が変化して上記の電流が変化する。
近年のFETプローブ技術を利用することで、ナノメータオーダーの超微小領域の電荷も検出できることが示されており、この効果により本実施の形態においても数十ナノメータ領域の超微小領域に記録された蓄積電荷を記録情報として、高感度・高SN比をもって早い応答速度で再生することが可能である。
また、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、上述した第1の実施の形態にかかる情報記録装置が有する、記録時と遜色のない電圧値により高速で効率的な消去を行うことが可能な、高密度、大容量で且つ記録保持時間の長い情報記録装置を安価に実現可能である、という効果を備えることはいうまでもない。
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態では、上述した第1の実施の形態にかかる記録媒体10をディスク状に形成した情報記録装置(ディスクメモリ)について説明する。図7−1は、本実施の形態にかかる情報記録装置の主要構成を説明するための斜視図である。本実施の形態にかかる情報記録装置は、図7−1に示すようにディスク状に形成されたディスク状記録媒体70と、記録再生用電極針42を備えた記録再生用プローブ40と、記録消去用制御装置(図示せず)と、を備えて構成される。
ここで、ディスク状記録媒体70は、図7−2に示すように、該ディスク状記録媒体70表面において、各記録ビット領域17が分離領域(第3の絶縁層16)により個々の記録ビット領域17に分離されて規則的に配列されている。なお、図7−2は、図7−1における領域Aを拡大して示す図である。
この情報記録装置においては、ディスク状記録媒体70を回転させることにより該ディスク状記録媒体70を記録再生用電極針42に対して相対的に運動させてトラック方向の記録ビット領域17の列72に従って情報の記録・消去・再生を行うことを特徴する。このように第1の実施の形態にかかる情報記録装置の記録媒体10をディスク状の形状に形成することにより、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、より大容量且つ高速での記録・再生・消去が可能である。
なお、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、上述した第1の実施の形態にかかる情報記録装置が有する、記録時と遜色のない電圧値により高速で効率的な消去を行うことが可能な、高密度、大容量で且つ記録保持時間の長い情報記録装置を安価に実現可能である、という効果を備えることはいうまでもない。
また、本実施の形態においては、上述した第1の実施の形態にかかる情報記録装置の記録媒体10をディスク状の形状に形成して情報記録装置を構成した場合について説明したが、第2の実施の形態および第3の実施の形態にかかる情報記録装置の記録媒体20および記録媒体30をディスク状の形状に形成して情報記録装置を構成することも可能である。
(第7の実施の形態)
第7の実施の形態では、上述した第1の実施の形態にかかる記録媒体10に対して、複数の記録再生用プローブを配列した2次元プローブ・アレーを備えた情報記録装置(マルチプローブメモリ)について説明する。図8−1は、本実施の形態にかかる情報記録装置の主要構成を説明するための斜視図である。本実施の形態にかかる情報記録装置は、図8−1に示すように記録媒体10と、複数の記録再生用プローブ40を備えた2次元プローブ・アレー81と、マルチプレクサ・ドライバ82と、記録消去用制御装置(図示せず)と、を備えて構成される。
ここで、2次元プローブ・アレー81の各記録再生用プローブ40は、図8−2に示すように、所定の領域(たとえば図8−2に示す領域C)に含まれる複数の記録ビット領域17に対して記録・消去・再生を行うことを特徴する。なお、図8−2は、図8−1における領域Bを拡大して示す図である。
この情報記録装置においては、上記のように記録再生用電極針(記録再生用プローブ40)を複数設けて、これらの記録再生用電極針をパラレル動作させることにより記録媒体10に対して多チャンネルの記録または消去を行うことを特徴とする。以上のような本実施の形態にかかる情報記録装置においては、より小型な装置において、より高密度での記録・消去が可能である。
なお、本実施の形態にかかる情報記録装置においては、上述した第1の実施の形態にかかる情報記録装置が有する、記録時と遜色のない電圧値により高速で効率的な消去を行うことが可能な、高密度、大容量で且つ記録保持時間の長い情報記録装置を安価に実現可能である、という効果を備えることはいうまでもない。
また、本実施の形態においては、上述した第1の実施の形態にかかる情報記録装置の記録媒体10を用いて情報記録装置を構成した場合について説明したが、第2の実施の形態および第3の実施の形態にかかる情報記録装置の記録媒体20および記録媒体30を用いて上記と同様の情報記録装置を構成することも可能である。
以上のように、本発明にかかる情報記録装置は、小型で大容量・高速、且つ安価な記録装置に有用であり、特に、携帯機器等に適している。
本発明の第1の実施の形態にかかる情報記録装置の主要構成を説明するための図である。 図1−1に示した記録媒体10を上から見た要部上面図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる情報記録装置における消去メカニズムを説明する断面図である。 従来の情報記録装置における消去メカニズムを説明する断面図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる情報記録装置の主要構成を説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる情報記録装置の主要構成を説明するための図である。 本発明の第4の実施の形態にかかる情報記録装置の主要構成を説明するための図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる情報記録装置の主要構成を説明するための図である。 本発明の第6の実施の形態にかかる情報記録装置の主要構成を説明するための斜視図である。 図7−1における領域Aを拡大して示す図である。 本発明の第7の実施の形態にかかる情報記録装置の主要構成を説明するための斜視図である。 図8−1における領域Bを拡大して示す図である。
符号の説明
10 記録媒体
11 半導体基板
12 絶縁層
13 絶縁層
14 媒体保護層
15 電極層
16 絶縁層
17 記録ビット領域
18 電荷
19 空乏層
20 記録媒体
21 絶縁層
30 記録媒体
31 溝部
32 記録用電極針
40 記録再生用プローブ
41 電極針支持体
42 記録再生用電極針
43 再生用プローブ
44 電極針支持体
45 再生用電極針
70 ディスク状記録媒体
81 2次元プローブ・アレー
82 マルチプレクサ・ドライバ
111 半導体基板
112 絶縁層
113 絶縁層
119 空乏層
142 記録再生用電極針

Claims (8)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板の一面上に形成された第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層上に形成された電荷蓄積機能を有する第2の絶縁層と、
    前記半導体基板の他面上に形成された電極層と、
    前記第1、第2の絶縁層を貫通し、前記半導体基板中にその底部が配置される絶縁領域と、
    を備えてなる記録媒体と、
    前記記録媒体に対して浮上または接触した状態で該記録媒体に対して電圧を印加するための電極と、
    を備え、
    前記半導体基板と前記第1の絶縁層との界面から前記絶縁領域の底部までの深さが、
    Figure 0004405451
    で表される空乏層の最大深さWmaxよりも深いこと
    を特徴とする情報記録装置。
  2. 前記絶縁領域が、前記半導体基板に設けられた溝部であること
    を特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
  3. 前記絶縁領域が、前記溝部に絶縁材料が埋設されてなる第3の絶縁層であること
    を特徴とする請求項2に記載の情報記録装置。
  4. 前記絶縁領域の誘電率が、前記第1の絶縁層および第2の絶縁層の誘電率よりも低いこと
    を特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
  5. 前記電極が、情報の記録・消去用の電極、および情報の再生用の電極として兼用可能であり、該電極を用いて情報の再生が可能であること
    を特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
  6. 電界効果型トランジスタ電極を用いて前記第2の絶縁層に蓄積された記録電荷による電界を検出することにより情報を再生すること
    を特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
  7. 前記記録媒体が、ディスク状に形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
  8. 前記電極を複数備え、前記複数の記録領域に対して同時に情報の多チャンネル記録または消去または再生を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
JP2005256466A 2005-09-05 2005-09-05 情報記録装置 Expired - Fee Related JP4405451B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005256466A JP4405451B2 (ja) 2005-09-05 2005-09-05 情報記録装置
US11/515,397 US7602693B2 (en) 2005-09-05 2006-09-05 Data recording apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005256466A JP4405451B2 (ja) 2005-09-05 2005-09-05 情報記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007073095A JP2007073095A (ja) 2007-03-22
JP4405451B2 true JP4405451B2 (ja) 2010-01-27

Family

ID=37829830

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005256466A Expired - Fee Related JP4405451B2 (ja) 2005-09-05 2005-09-05 情報記録装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7602693B2 (ja)
JP (1) JP4405451B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4309438B2 (ja) * 2007-03-20 2009-08-05 株式会社東芝 情報記録再生装置
KR20090119462A (ko) * 2008-05-16 2009-11-19 삼성전자주식회사 전계 재생/기록 헤드, 전계 재생/기록 헤드의 제조방법 및전계 재생/기록 헤드를 포함하는 정보저장장치

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5938655B2 (ja) 1979-05-14 1984-09-18 日本放送協会 半導体デイスクメモリ装置
US5385865A (en) * 1990-04-26 1995-01-31 Max-Planck-Gesellschaft Zur Forderung Der Wissenschaften Method of generating active semiconductor structures by means of starting structures which have a 2D charge carrier layer parallel to the surface
US5751683A (en) * 1995-07-24 1998-05-12 General Nanotechnology, L.L.C. Nanometer scale data storage device and associated positioning system
JP3716467B2 (ja) * 1995-07-19 2005-11-16 ソニー株式会社 記録媒体並びに情報再生装置、情報記録装置及び情報記録再生装置
JP3477024B2 (ja) * 1997-02-25 2003-12-10 株式会社東芝 記録媒体、記録方法、消去方法、再生方法、記録・再生方法、再生装置および記録・再生装置
JP3688530B2 (ja) * 1999-09-29 2005-08-31 株式会社東芝 記録媒体、記録装置および記録方法
US6614960B2 (en) * 1999-12-23 2003-09-02 Speotalis Corp. Optical waveguide structures
JP2001281796A (ja) * 2000-03-31 2001-10-10 Toshiba Corp 有機光記録媒体および光記録再生装置
AU2002251690A1 (en) * 2000-12-13 2002-08-12 Rochester Institute Of Technology A method and system for electrostatic bonding
TW544670B (en) * 2000-12-22 2003-08-01 Energy Conversion Devices Inc Method of recording memory
US6975575B2 (en) * 2001-10-31 2005-12-13 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Data storage media and methods utilizing a layer adjacent the storage layer
WO2003023423A2 (en) * 2001-09-10 2003-03-20 Pioneer Corporation Dielectric constant measuring apparatus and dielectric constant measuring method
KR100537498B1 (ko) * 2001-09-20 2005-12-19 삼성전자주식회사 전자 방출을 이용한 고밀도 정보 저장 장치 및 이를이용한 정보의 쓰기, 읽기 및 소거 방법
KR100499127B1 (ko) * 2002-07-05 2005-07-04 삼성전자주식회사 고밀도 정보저장매체 및 그 제조방법 및 정보저장장치 및이를 이용한 정보 기록 및 재생 및 소거방법
TWI266305B (en) * 2003-06-26 2006-11-11 Ind Tech Res Inst An optical head which can provide a sub-wavelength-scale light beam
JP4360544B2 (ja) * 2004-06-16 2009-11-11 パイオニア株式会社 プローブ、並びに記録装置、再生装置及び記録再生装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007073095A (ja) 2007-03-22
US7602693B2 (en) 2009-10-13
US20070053101A1 (en) 2007-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4192146B2 (ja) 抵抗性チップを具備する半導体プローブ及びその製造方法、それを具備する情報記録装置、情報再生装置及び情報測定装置。
JP4564038B2 (ja) ウェッジ形状の抵抗性チップを備えた半導体探針及びその製造方法
JP2994505B2 (ja) 情報再生装置
JP4405451B2 (ja) 情報記録装置
WO1996011472A2 (en) A memory device
US20090285082A1 (en) Electric field read/write head, method of manufacturing the electric field read/write head, and information storage device including the electric field read/write head
CN100583245C (zh) 电场读/写头及其制造方法、数据读/写装置
JP2009032389A (ja) 電場センサーのセンシング感度向上方法、電場センサーを採用した記憶装置、及びその情報再生方法
US7911928B2 (en) High density data storage device and data recording or reproduction method using the same
US7885169B2 (en) Electric field sensor having vertical structure, fabrication method thereof, and storage unit using the same
US8432001B2 (en) Electric field information reading head, electric field information writing/reading head and fabrication methods thereof and information storage device using the same
KR101260903B1 (ko) 전계기록재생헤드, 이를 채용한 전계기록재생장치 및전계기록재생헤드의 제조방법
US8064324B2 (en) Electric field effect read/write head, method of manufacturing the same, and electric field effect storage apparatus having the same
US8304808B2 (en) Electric field read/write head
KR19990069113A (ko) 다이아몬드 팁을 이용한 고밀도 데이터 저장 장치 및 그 작동방법
EP2026347B1 (en) Electric field read/write head, method of manufacturing the same, and information storage device comprising electric field read/write head
KR100707204B1 (ko) 저단면비의 저항성 팁을 구비한 반도체 탐침 및 그제조방법
KR20090035873A (ko) 전계 재생/기록 헤드 및 그를 포함한 정보 저장 장치
JP2000228039A (ja) 記録装置及び記録媒体
KR20100000688A (ko) 기록재생헤드, 이를 채용한 기록재생장치 및기록재생헤드의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091006

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091104

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees