JP4405320B2 - 赤外線加熱単結晶製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高融点の金属や酸化物などの単結晶をフローティングゾーン法(以下FZ法という)で成長させる赤外線加熱単結晶製造装置に関するものである。
従来の赤外線加熱単結晶製造装置は、一般的に原料棒を取り付ける上軸と、単結晶を取り付ける下軸と、原料棒と単結晶とが接合する部分である被加熱部を加熱するための赤外線ランプと回転楕円面鏡で構成された光源ユニットとを備えており、光源ユニットの回転楕円面鏡は2台または4台が被加熱部を取り囲むように設置されている。
回転楕円面鏡は、水冷式の金属筐体内面に作製されており、通常、赤外線の反射率が大きく、耐酸化性の大きい金メッキが施されている。
赤外線ランプから赤外線が放射されると、回転楕円面鏡で被加熱部に集光され、被加熱部に浮遊溶融帯が形成されるので、原料棒を取り付けている上軸と単結晶を保持している下軸とを逆方向に回転させながら共に所定速度で下降させることで単結晶を成長させる。
浮遊溶融帯を形成し、それを保持するための制御は、主として赤外線ランプの出力調整および上軸と下軸の回転速度調整で行うが、効果が大きいのは赤外線ランプの出力調整である。浮遊溶融帯は、融液の表面張力によって原料棒と単結晶との間に保持されるため、加熱面積を小さく、融液量が可能な限り少なくなるように赤外線ランプの出力を調整し融液の脱落を防止する。
赤外線ランプには、ハロゲンランプとキセノンショートアークランプなどがあるが、ハロゲンランプを使用し条件を整えれば集光部は2000℃近くまで、またキセノンショートアークランプを使用すれば3500℃まで温度を上げることが可能である。
なお、FZ法の加熱方式には、赤外線加熱以外に高周波加熱、フィラメント抵抗加熱などもあるが、電気抵抗率および融点が高い物質に対しては赤外線加熱が最適であり、温度制御も容易である。
近年、光通信網の整備によって国内外で光ファイバーケーブルを利用した高速通信が可能となり、あらゆる情報が即座に入手できるようになった。光ファイバーケーブルの接続部には、光ファイバー端面での反射戻り光を除去するため光アイソレーターと呼ばれる偏光子、検光子およびファラデー結晶からなる部品を挿入することでノイズの低減が図られている。
例えば、波長1.3〜1.55μmの赤外線通信対応の光アイソレーターに使用される偏光子および検光子には、複屈折率が大きな酸化チタンのルチル単結晶が最適とされている。
ルチル単結晶の製造方法には、ベルヌーイ法と呼ばれる、酸素−水素バーナー中に酸化チタン粉末を少量ずつ投入し、溶融した融液を種結晶上に堆積させながら単結晶を成長させる方法がある。
この方法は、比較的安価な設備で速い成長速度が得られる反面、単結晶の形状が一定でなく、さらにサブグレインが多く入る欠点がある。
この欠点を解決するためにも赤外線加熱式のFZ法が用いられている。FZ法によれば、長さ方向にほぼ一定の直径を有する円柱状結晶が得られ、サブグレインも非常に少ない良質の単結晶が得られるが、成長速度がベルヌーイ法と比較して遅く、さらに単結晶の直径も小さいという欠点があるため、製造コストはベルヌーイ法より高くなるという問題があった。
FZ法で成長させる単結晶の製造コストを低減するためには、成長速度を速めるか、または単結晶の直径を大きくしなければならないが、成長速度を速めるとサブグレインや気泡が入り易くなり品質低下を引き起こすため、大きな成長速度向上は望めない。従って、単結晶の直径を大きくすることが有効な手段と考えられている。
単結晶の直径を大きくするためには、被加熱部の中心部まで溶融できるような強力な集光熱を供給しなければならないが、そのために高出力ハロゲンランプを採用することが必要である。
しかし、高出力ハロゲンランプは、フィラメントが太く、長いため、発光部が広くなり、その光を回転楕円面鏡で集光したとき、焦点が大きくなる欠点がある。焦点が大きくなると加熱面積が拡大し融液量が増加するため、浮遊溶融帯の形成、保持が困難になる。
また一方で、回転楕円面鏡を2台から4台にすることでハロゲンランプ一個当たりの定格出力を低下させる試みも行われている。低出力ハロゲンランプを使うことで発光部が狭くなるためそれぞれの回転楕円面鏡の焦点は小さくできるが、4台の回転楕円面鏡の焦点をすべて被加熱部に集中させるのが難しく、2台の回転楕円面鏡と高出力ハロゲンランプを組み合わせ使用した場合と同様に加熱面積が拡大して浮遊溶融帯の形成・保持が難しい。
そこで、加熱面積を狭める方法の一つとして被加熱部の単結晶側固液界面近傍に冷媒による冷却手段を備える遮光物の先端を配し、単結晶側固液界面近傍を囲繞するよう構成した赤外線加熱単結晶製造装置が提案されている(特許文献1参照)。
この赤外線加熱単結晶製造装置は、単結晶側の固液界面近傍に照射された赤外線の集光熱を遮光物で吸収することにより加熱面積が拡大しないように制御している。
しかし、この装置では集光熱の一部しか溶融に使われないため電力損失が非常に大きく、本装置を使用しても単結晶の直径を定常的に20mm以上にするのが難しかった。
また、高出力ハロゲンランプを使用する代わりに高輝度、低電力かつ長寿命のキセノンショートアークランプを使用することも可能である。キセノンショートアークランプは発光部が小さく、加熱面積を小さく絞り込むことができる。
しかし、放電ランプであるため出力調整が不可能で、工業用の単結晶の製造を目的とした用途では、良好な結果が得られていないのが現状である。
特許第2550344号明細書
以上のように、従来の赤外線加熱単結晶製造装置は、直径の大きな単結晶を成長させることができないため、単結晶の製造コストが高くなり、工業生産用に多用されていない。
本発明は、赤外線加熱単結晶製造装置における上記問題を解決するものであって、直径の大きな単結晶の成長を可能とすることで、単結晶の製造コストを低減し、工業生産用に適した赤外線加熱単結晶製造装置を提供することを目的とする。
本発明では、原料棒を取り付ける上軸と、単結晶を取り付ける下軸と、原料棒と単結晶とが接合する部分である被加熱部を集光した赤外線で加熱するための光源ユニットとを備え、被加熱部を加熱溶融することで浮遊溶融帯を形成し、単結晶を成長させる赤外線加熱単結晶製造装置において、光源ユニットを赤外線ランプと赤外線ランプから放射される赤外線を集光する回転楕円面鏡とで構成し、出射光の散乱を抑制するレンズを備えた光ファイバーの一方の端部を被加熱部の周囲に複数配置し、光ファイバーの他方の端部を光源ユニットの赤外線集光部に接続することにより、上記課題を解決している。
本発明において、上軸、下軸の機構、動作および赤外線ランプは、従来の赤外線加熱単結晶製造装置と同様である。
しかし、従来の赤外線加熱単結晶製造装置が被加熱部を取り囲むように回転楕円面鏡を設置して赤外線ランプから放射される赤外線を直接被加熱部に集光していたのに対し、本発明では出射光の散乱を抑制するレンズを備えた光ファイバーの一方の端部を被加熱部の周囲に複数配置し、光ファイバーの他方の端部を光源ユニットの赤外線集光部に接続している。これにより、赤外線ランプから放射される赤外線は、回転楕円面鏡で集光されて光ファイバーに入り、出射光の散乱を抑制するレンズから出射され、赤外線の照射面積を拡大することはない。
光ファイバーの端部が被加熱部の周囲でなく、例えば原料棒の周囲や単結晶の周囲などに配置されると、被加熱部は斜め方向から照射される赤外線によって加熱されるため、加熱面積が拡大し、浮遊溶融帯の形成、保持が難しくなる。
また、光ファイバーには出射光の散乱を抑制するレンズを設けないと、赤外線が広く散乱してしまうため加熱面積が拡大する。出射光の散乱を抑制するレンズによって光ファイバー内を伝播してくる赤外線は、光ファイバーの断面積とほぼ同程度の照射面積を有する平行光として被加熱部を照射することが可能となる。
レンズは、光ファイバー端部に任意に取り付けられるファイバーレンズが適当であるが、光ファイバーにレンズ加工を施してもよい。レンズの加工形状は、円筒レンズ(Cylindrical lens) あるいは球面レンズ(Spherical lens)などがあるが、出射光の散乱が抑制できればこれらに限定されない。
出射光の散乱を抑制するレンズを備えた光ファイバーの端部は、被加熱部の周囲複数箇所に配置しなければならない。浮遊溶融帯を形成、保持するには、被加熱部の外周表面が均一な温度となるように制御することが重要である。そのため上軸と下軸を回転させるが、出射光の散乱を抑制するレンズを備えた光ファイバーの端部が一箇所にしか配置されない場合は、上軸と下軸を回転させても被加熱部の加熱側とその反対側との温度差を縮めることが難しく、浮遊溶融帯の形成を困難にする。
さらに、光ファイバーを複数とすることで、各光ファイバーやレンズは赤外線によって受ける熱応力等の負荷も軽減される。
従って、浮遊溶融帯を形成、保持するためには、光ファイバーを2本以上配置する必要があり、直径の大きい単結晶を成長させるには4本以上配置するのが好ましい。出射光の散乱を抑制するレンズを備えた光ファイバーの端部の数は、対象物質の融点や比熱および目標とする直径に応じて任意に変更する。
光ファイバーの他方の端部は、回転楕円面鏡と赤外線ランプで構成した光源ユニットの赤外線集光部に接続する。光源ユニットは、従来の赤外線加熱単結晶製造装置でも使用されている水冷式の金属製筐体内面に作製された回転楕円面鏡に、赤外線ランプが取り付けられたものであり、回転楕円面鏡の焦点である赤外線集光部と光ファイバーの端部が一致するように金属製筐体と光ファイバーの端部とを接続する。
金属製筐体に光ファイバーの端部を接続する方法は、特に限定しないが、例えば光ファイバーの外装管に固定したコネクターを金属製筐体に螺子止めする方法などが適当である。
赤外線ランプに通電すると、発光部から放射された赤外線は回転楕円面鏡で集光され、集光した赤外線が光ファイバーを伝播し、出射光の散乱を抑制するレンズを通して平行光となって被加熱部を照射するため、加熱面積が小さく被加熱部のみを局所的に高温加熱できる。
従って、従来のような赤外線ランプの出力増加に伴う加熱面積拡大の影響を受けにくく、融液量の少ない安定した浮遊溶融帯が形成、保持でき、直径の大きな単結晶の製造が可能となる。
また、本発明では、原料棒を取り付ける上軸と、単結晶を取り付ける下軸と、原料棒と単結晶とが接合する部分である被加熱部を集光した赤外線で加熱するための光源ユニットとを備え、被加熱部を加熱溶融することで浮遊溶融帯を形成し、単結晶を成長させる赤外線加熱単結晶製造装置において、光源ユニットを赤外線ランプと赤外線ランプから放射される赤外線を集光する複合放物面反射型集光器とで構成し、出射光の散乱を抑制するレンズを備えた光ファイバーの一方の端部を被加熱部の周囲に複数配置し、光ファイバーの他方の端部を光源ユニットに設けた複合放物面反射型集光器の赤外線集光部に接続することで、さらに直径の大きな単結晶を製造することが可能となる。
この赤外線加熱単結晶製造装置においても、上軸、下軸の機構、動作および赤外線ランプは、従来の赤外線加熱単結晶製造装置と同様である。
しかし、従来の赤外線加熱単結晶製造装置が被加熱部を取り囲むように回転楕円面鏡を設置して赤外線ランプから放射される赤外線を直接被加熱部に集光していたのに対し、この赤外線加熱単結晶製造装置では出射光の散乱を抑制するレンズを備えた光ファイバーの一方の端部を被加熱部の周囲に複数配置し、光ファイバーの他方の端部を光源ユニットに設けた複合放物面反射型集光器の赤外線集光部に接続している。光ファイバーの構成は前述の通りである。
これにより、赤外線ランプから放射される赤外線は、複合放物面反射型集光器で集光されて光ファイバーに入り、出射光の散乱を抑制するレンズから出射され、赤外線の照射面積を拡大することはない。
光源ユニットは、水冷式の金属製筐体内面に作製された複合放物面反射型集光器と、それに向かい合うように取り付けられた赤外線ランプから構成されるものであり、複合放物面反射型集光器の焦点である赤外線集光部に光ファイバーの端部が接続される。
複合放物面反射型集光器は、シカゴ大学のウィンストン(Winston )によって提案された複合放物面集光器(Compound Parabolic Concentrator:CPC)と同一概念の集光器であり、入射した光が再照射により外に飛び出すのを抑制できる適度な大きさのキャビティを有する集光器である。入射した光が外に飛び出すのを防ぐためにはキャビティを小さくしなければならないが、小さすぎると入射光が減衰するので、キャビティの大きさをできるだけ小さくして、入射光は減衰させないように工夫した独特の放物面反射鏡を有し、入射角度が異なる赤外線も常に赤外線集光部に集光でき、熱損失が小さい特徴を有する。
例えば、赤外線ランプとして高出力ハロゲンランプを使用する場合、赤外線を一般的な回転楕円面鏡で光ファイバーに集光しようとしてもフィラメントが太く、かつ長くなるため焦点調整が難しく、かつ焦点が大きくなるため、赤外線の光ファイバーへの入射効率が低い。それに対し複合放物面反射型集光器ではフィラメントの形状、太さおよび長さのみならず赤外線ランプの位置に大きな影響を受けずに、赤外線を高効率で光ファイバーに集光することが可能である。
赤外線ランプに通電すると、発光部から放射された赤外線は複合放物面反射型集光器で集光され、集光した赤外線が光ファイバーを伝播し、出射光の散乱を抑制するレンズを通して平行光となって被加熱部を照射するため、加熱面積が小さく被加熱部のみを局所的に高温加熱できる。
従って、従来のような赤外線ランプの出力増加に伴う加熱面積拡大の影響を受けにくく、融液量の少ない安定した浮遊溶融帯が形成、保持でき、直径の大きな単結晶の製造が可能となる。
本発明の赤外線加熱単結晶製造装置を使用すれば、直径の大きな単結晶を成長させることが可能であり、それによって単結晶の製造コストが低減され、赤外線加熱単結晶製造装置が工業生産装置に適したものとなる。
図1は本発明の実施の一形態を示す赤外線加熱単結晶製造装置の構成図、図2は赤外線加熱単結晶製造装置の光源ユニットの構成図である。
この赤外線加熱単結晶製造装置は、原料棒Sを取り付ける上軸1と、単結晶Cを取り付ける下軸2と、出射光の散乱を抑制するレンズ12を設けた複数の光ファイバー4と、雰囲気制御するためのガスシールド3と、雰囲気制御とレンズ12からの赤外線を透過させるための石英管5と、光ファイバー4の出射光の散乱を抑制するレンズ12を設けた方の端部を被加熱部の周囲に支持する光ファイバー支持具6と、赤外線ランプ10と回転楕円面鏡9で構成され光ファイバー4の他方の端部が接続された光源ユニット20とを備えている。
ガスシールド3と石英管5の直径は、単結晶Cの融点と直径から任意に設定されるが、単結晶Cの直径が25mmであればこれに対して4〜5倍の100〜125mmが適当である。ただし、ガスシールド3および石英管5は、単結晶を成長させる時に雰囲気制御を必要としない場合には不要である。ガスシールド3の材質は、一般的には耐酸化性と強度の観点からステンレス鋼が適している。
光ファイバー4の端部は被加熱部の周囲に配置され、光ファイバー支持具6で固定されている。光ファイバー支持具6は、出射光の散乱を抑制するレンズ12から出射される赤外線L2が被加熱部に的確に照射できるようにするため、上下左右、任意の角度に可動性を持たせた機構としている。また、被加熱部から非常に高温の輻射熱を受けるため、ステンレス鋼などの素材を使用し、場合によっては光ファイバー支持具6の表面を金メッキし、さらには水冷ジャケット構造などにして冷却する。
光ファイバー4の端部は、光ファイバー支持具6のスペースが許す範囲で複数配置できる。出射光の散乱を抑制するレンズ12を設けた光ファイバー4の端部の数が多いほど、被加熱部の外周表面を均一に加熱でき、浮遊溶融帯Fは安定に保持される。
また、光ファイバー4の端部は、被加熱部の周囲に被加熱部を中心として等間隔の角度をもって配置するのがよい。例えば、光ファイバー4が2本の場合は、被加熱部を中心として180°毎に配置し、光ファイバー4が4本の場合は、被加熱部を中心として90°毎に配置するのが最適である。
光ファイバー4は、一本のファイバーでも多数のファイバーを束ねた物でも良く、集光した赤外線が効率的に伝播できればクラッド構造などに関しても種類を問わない。光ファイバー4の直径は、大きすぎると加熱面積が拡大するので、通常直径10mm以下にするのがよい。代表的な例として、屈曲性が得られるように100μmから200μmの石英ファイバーを束ねた光ファイバーが適している。光ファイバー4に屈曲性が得られれば、光ファイバー4を延長し、光源ユニット20は被加熱部周辺から離れた任意の場所に設置することが可能となる。
光ファイバー4は、通常、外装管に収納して使用する。本発明の装置では出射光の散乱を抑制するレンズ12を設けた光ファイバー4の端部が被加熱部から非常に高温の輻射熱を受けるため、外装管は耐酸化性を有するステンレス鋼などの外装管を使用し、場合によっては最低限、被加熱部から輻射熱を受ける部分のみ外装管表面を金メッキし、さらには水冷ジャケット構造などにして冷却する。ファイバーレンズ外装部も同様である。
光ファイバー4の他方の端部は光源ユニット20の赤外線集光部13に光ファイバーコネクター7を介して接続する。光源ユニット20の数には、制限を設けない。通常、光源ユニット20一台に対しては光ファイバー4を1本接続するが、複数本接続することも可能である。
水冷式の金属筐体8の内部に作られた回転楕円面鏡9は、通常厚さ10μm程度の金メッキが施される。なお、温度上昇が抑制できるなら、水冷式の金属筐体8は空冷式に変更しても構わない。
回転楕円面鏡9で集光する赤外線L1を光ファイバー4に効率的に入射するためには赤外線集光部13に反射防止フィルターを挿入することも可能である。
使用する赤外線ランプ10は、融点が2000℃までの物質の単結晶を成長させる場合、ハロゲンランプまたはハロゲンランプとキセノンショートアークランプを組み合わせ使用し、2000℃を超える物質についてはキセノンショートアークランプまたはハロゲンランプとキセノンショートアークランプを組み合わせ使用するのが良い。
ハロゲンランプは、フィラメントに印加する電圧を調整することにより加熱温度を微調整することができ赤外線加熱単結晶製造装置に最も適したランプであるが、電力消費量が大きく、大出力ハロゲンランプは発光部11が大きいので焦点が大きくなりやすい。
一方のキセノンショートアークランプは、ハロゲンランプと比較して発光部11が非常に小さいため焦点が小さく、極めて大きな集光熱を得ることが可能になる。ただし、放電ランプ特有の熱の揺らぎがあるため、温度が僅かに変動する。温度制御は、ハロゲンランプのようにフィラメントに印加する電圧を調整できないため、複数設けられたキセノンショートアークランプの一個から数個について点灯、消灯を行うことで制御する。
これらのことから、キセノンショートアークランプを使用する場合は、ハロゲンランプとキセノンショートアークランプを組み合わせ使用することが効果的である。キセノンショートアークランプを常時点灯することで、被加熱部を融点近傍の温度まで昇温し、ハロゲンランプで被加熱部を融点以上に加熱、さらに、印加電圧の調整で浮遊溶融帯Fの形成、保持を行う。
ハロゲンランプとキセノンショートアークランプを組み合わせ使用すると、ハロゲンランプは低出力のものでよく、その場合フィラメントが小さくなるため、得られる焦点が小さく浮遊溶融耐帯Fの形成、保持に効果的である。
集光する方法は、回転楕円面鏡9のみの使用でなく、回転楕円面鏡9と平面反射鏡を組み合わせ使用することも可能である。
以上は赤外線加熱単結晶製造装置の実施の一形態を示すものであり、上記内容にとらわれず、制御性がよく、直径の大きな単結晶が効率よく製造できる機構を採用することができる。
図1に示す赤外線加熱単結晶製造装置において、レンズ12としてファイバーレンズ、光ファイバー4として100μmのファイバーを束ね直径8mmとし、それをステンレス鋼の外装管でモジュール化したものを4本使用し、4本の光ファイバー4の端部を被加熱部の周囲に被加熱部を中心として90°の間隔で配置し、集光した赤外線L2が被加熱部の中心を照射するように光ファイバー支持具6を固定した。
また、図2に示す光源ユニット20を4台設置し、赤外線ランプ10として1.5kWのハロゲンランプを使用し、金属製筐体8は水冷式のものを使用した。4台の光源ユニット20には、それぞれ1本づつ光ファイバー4を接続した。
上軸1に原料棒Sとして酸化チタン粉末の焼結体(直径18mm)、下軸2に単結晶Cとしてルチル単結晶の種を取り付け、上軸1の回転速度30rpm、下軸2の回転速度38rpm、上軸1の下降速度4.5〜9.0mm/h、下軸2の平均下降速度4.5mm/hで適度にハロゲンランプ出力のバランスをとりながら単結晶を成長させ、被加熱部に浮遊溶融帯Fを形成、保持できた状態で被加熱部表面の結晶成長方向の温度分布を調べた。
結果は図3に示すように、被加熱部中心を凸とした温度変化の大きな温度分布を示し、被加熱部中心から上下に約7mmに固液界面を有する浮遊溶融帯Fが形成、保持できた。上軸1の下降速度は8.7mm/hでも安定した単結晶の成長が可能で、得られたルチル単結晶の直径は25mmであった。
[比較例1]
被加熱部を回転楕円面鏡を有する2組の水冷式の金属製筐体で覆い、それぞれの回転楕円面鏡に3.5kWのハロゲンランプを使用した従来の赤外線加熱単結晶製造装置を使用し、実施例1と同様に上軸に酸化チタン粉末の焼結体(直径18mm)、下軸にルチル単結晶の種を取り付け、上軸の回転速度30rpm、下軸の回転速度38rpm、上軸の下降速度4.5〜9.0mm/h、下軸の平均下降速度4.5mm/hで適度にハロゲンランプ出力のバランスをとりながら単結晶を成長させ、被加熱部に浮遊溶融帯Fを形成、保持できた状態で被加熱部表面の結晶成長方向の温度分布を調べた。
結果は図3に示すように、被加熱部中心を凸とした温度変化の小さな温度分布を示し、被加熱部中心から上下に約7mmに固液界面を有する浮遊溶融帯Fが形成、保持できた。上軸の下降速度は5.0mm/hまでの単結晶の成長が可能で、得られたルチル単結晶の直径は19mmであった。
図4は本発明の他の実施の形態を示す赤外線加熱単結晶製造装置の光源ユニットの構成図である。
この赤外線加熱単結晶製造装置では、光源ユニット40以外の部分は、原料棒Sを取り付ける上軸1、単結晶Cを取り付ける下軸2と、出射光の散乱を抑制するレンズ12を設けた複数の光ファイバー4と、雰囲気制御するためのガスシールド3と、雰囲気制御とレンズ12からの赤外線を透過させるための石英管5と、光ファイバー4の出射光の散乱を抑制するレンズ12を設けた方の端部を被加熱部の周囲に支持する光ファイバー支持具6とで構成されており、図1のものと同様であるので詳細な説明は省略する。
光ファイバー4の他方の端部は、赤外線ランプ10と複合放物面反射型集光器49を備えた光源ユニット40の赤外線集光部43に光ファイバーコネクター7を介して接続する。光源ユニット40の数には、制限を設けない。通常、光源ユニット40一台に対しては光ファイバー4を一本接続するが、複数本接続することも可能である。水冷式の金属製筐体48の内部には、複合放物面反射型集光器49を集光効率が最も向上するように一台から複数台作り、通常厚さ10μm 程度の金メッキが施される。なお、温度上昇が抑制できるなら、水冷式の金属製筐体48は空冷式に変更しても構わない。
複合放物面反射型集光器49で集光する赤外線L1を光ファイバー4に効率的に入射するためには、赤外線集光部43に球面レンズ42などを取り付け、球面レンズ42に光ファイバー細線41の端部を接続すると効果的である。なお、球面レンズ42には反射防止膜をコートしても良い。
使用する赤外線ランプ10は、融点が2000℃までの物質の単結晶を成長させる場合、ハロゲンランプまたはハロゲンランプとキセノンショートアークランプを組み合わせ使用し、2000℃を超える物質についてはキセノンショートアークランプまたはハロゲンランプとキセノンショートアークランプを組み合わせて使用するのが良い。
ハロゲンランプは、フィラメントに印加する電圧を調整することにより加熱温度を微調整することができ赤外線加熱単結晶製造装置に最も適したランプであるが、電力消費量が大きい欠点がある。ただし、従来の赤外線加熱単結晶製造装置で問題となっていたフィラメント由来の集光性の悪さは、複合放物面反射型集光器49を使用することで大きな改善がなされ、大きな集光熱を得ることが可能である。
一方のキセノンショートアークランプは、ハロゲンランプと比較して低電力消費量で、極めて大きな集光熱を得ることが可能になる。ただし、放電ランプ特有の熱の揺らぎがあるため、温度が僅かに変動する。温度制御は、ハロゲンランプのようにフィラメントに印加する電圧を調整できないため、複数設けられたキセノンショートアークランプの一個から数個について点灯、消灯を行うことで制御する。
これらのことから、キセノンショートアークランプを使用する場合は、ハロゲンランプとキセノンショートアークランプを組み合わせ使用することが効果的である。キセノンショートアークランプを常時点灯することで、被加熱部を融点近傍の温度まで昇温し、ハロゲンランプで被加熱部を融点以上に加熱、さらに印加電圧の調整で浮遊溶融帯Fの形成、保持を行うことができる。
図1に示す赤外線加熱単結晶製造装置において、レンズ12としてファイバーレンズ、光ファイバー4として100μm のファイバーを束ね直径8mmとし、それをステンレス鋼の外装管でモジュール化したものを4本使用し、4本の光ファイバー4の端部を被加熱部の周囲に被加熱部を中心として90°の間隔で配置し、集光した赤外線L2が被加熱部の中心を照射するように光ファイバー支持具6を固定した。
また、図4に示す光源ユニット40を4台設置し、赤外線ランプ10として1.5kW のハロゲンランプを使用し、金属製筐体48は水冷式のものを使用した。4台の光源ユニット40には、各々16台の複合放物面反射型集光器49が作られており、赤外線集光部43に球面レンズ42を設置し、集光された赤外線が光ファイバー細線41を介し光ファイバー4に入射するように接続した。
上軸1に原料棒Sとして酸化チタン粉末の焼結体(直径18mm)、下軸2に単結晶Cとしてルチル単結晶の種を取り付け、上軸1の回転速度30rpm、下軸2の回転速度38rpm、上軸1の下降速度4.5〜9.0mm/h、下軸2の平均下降速度4.5mm/hで適度にハロゲンランプ出力のバランスをとりながら単結晶を成長させ、被加熱部に浮遊溶融帯Fを形成、保持できた状態で被加熱部表面の結晶成長方向の温度分布を調べた。
結果は図5に示すように、被加熱部中心を凸とした温度変化の大きな温度分布を示し、被加熱部中心から上下に約7mmに固液界面を有する浮遊溶融帯F が形成、保持できた。上軸1の下降速度は8.7mm/hでも安定した単結晶の成長が可能で、得られたルチル単結晶の直径は、27.5mmであった。
本発明の実施の一形態を示す赤外線加熱単結晶製造装置の構成図である。 赤外線加熱単結晶製造装置の光源ユニットの構成図である。 被加熱部表面の結晶成長方向の温度分布を示した図である。 本発明の他の実施の形態を示す赤外線加熱単結晶製造装置の光源ユニットの構成図である。 被加熱部表面の結晶成長方向の温度分布を示した図である。
符号の説明
1 上軸
2 下軸
3 ガスシールド
4 光ファイバー
5 石英管
6 光ファイバー支持具
7 光ファイバーコネクター
8 金属製筐体
9 回転楕円面鏡
10 赤外線ランプ
11 発光部
12 レンズ
13 赤外線集光部
20 光源ユニット
40 光源ユニット
41 光ファイバー細線
42 球面レンズ
43 赤外線集光部
48 金属製筐体
49 複合放物面反射型集光器
C 単結晶
F 浮遊溶融帯
L1、L2 赤外線
S 原料棒

Claims (1)

  1. 原料棒を取り付ける上軸と、単結晶を取り付ける下軸と、原料棒と単結晶とが接合する部分である被加熱部を集光した赤外線で加熱するための光源ユニットとを備え、被加熱部を加熱溶融することで浮遊溶融帯を形成し、単結晶を成長させる赤外線加熱単結晶製造装置であって、
    光源ユニットを赤外線ランプと赤外線ランプから放射される赤外線を集光する複合放物面反射型集光器とで構成し、
    出射光の散乱を抑制するレンズを備えた光ファイバーの一方の端部を被加熱部の周囲に複数配置し、
    光ファイバーの他方の端部を光源ユニットに設けた複合放物面反射型集光器の赤外線集光部に接続したことを特徴とする赤外線加熱単結晶製造装置。
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