JP4405243B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、アノード電極に供給される水素含有ガスとカソード電極に供給される酸素含有ガスとを反応させることで電気エネルギを生成する燃料電池と、前記燃料電池に対する前記水素含有ガスおよび前記酸素含有ガスの供給を調整する供給調整部と、前記燃料電池からの排気ガスの排出を調整する排出調整部とを備える燃料電池システムに関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜(陽イオン交換膜)からなる電解質膜の両側にそれぞれアノード電極およびカソード電極を配置した電解質膜(電解質)・電極構造体を、セパレータによって挟持することにより構成されている。この種の燃料電池は、通常、電解質膜・電極構造体およびセパレータを所定数だけ積層することにより、燃料電池スタックとして使用されている。
燃料電池において、アノード電極に供給された燃料ガス、例えば、水素含有ガスは、電極触媒上で水素イオン化され、適度に加湿された電解質膜を介してカソード電極側へと移動し、その移動の間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。カソード電極には、酸化剤ガス、例えば、エア等の酸素含有ガスが供給されているために、このカソード電極において、水素イオン、電子および酸素ガスが反応して水が生成される。
ところで、このような燃料電池では、起動直後における温度が十分に上昇しておらず、あるいは、発電状態が長時間継続されることで不純物が蓄積したり、アノード電極面を水が覆い、反応ガスが十分に供給されないことにより、発電電圧の低下する事態が生じる。従って、燃料電池の寿命を維持しつつ、効率的な発電状態を維持するため、燃料ガスや酸化剤ガスの流量および圧力を適切に制御して供給するとともに、水を含む排気ガスを適切なタイミングで外部に排出する必要がある。
そこで、特許文献1に開示された従来技術では、燃料電池による発電電圧を検出し、この発電電圧が基準電圧以下になったとき、アノード電極から水や排気ガスを外部に排出する制御を行っている。
特開2002−93438号公報(段落[0025]〜[0027])
しかしながら、発電電圧の低下が検出されたときには、水や不純物の蓄積により、既に燃料電池の発電能力が低下しているため、このままの状態で発電を継続すると、燃料電池の寿命が縮まり、あるいは、電圧の回復遅延に伴い、取り出せる電流が制限されるといった事態の生じるおそれがある。
一方、発電電圧を速やかに回復させるため、排気ガス等を迅速に排出させたり、燃料ガスや酸化剤ガスの供給量を増大させることが考えられる。
しかしながら、排気ガス等の排出量を増大させると、排出に伴って濃度の高い水素ガスが外部に排出されるおそれがあり、また、燃料ガスや酸化剤ガスの供給量を増大させると、燃費が低下してしまうおそれがある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、燃料電池の長寿命化を図ることができるとともに、燃費を向上させ、安定した運転状態を維持することのできる燃料電池システムを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明では、カソード電極に酸素含有ガスとしてエアを供給するエア供給手段と、該エア供給手段によるエアのカソード電極への供給圧力との圧力比に基づいて、アノード電極に供給する水素含有ガスの供給圧力を調整するレギュレータとを有し、さらに、基準電流以上の発電電流が基準時間以上継続して出力されているか否かを監視して作動状態を判定し、該作動状態に基づいて安定モードと不安定モードとを切り替えて、そのモードに応じて制御パラメータを設定し、燃料電池に対する供給ガスの供給制御および/または排気ガスの排出制御を行うことにより、発電電圧の低下を惹起することなく、最適な運転状態で燃料電池の動作を継続させることができる。
請求項2記載の発明では、さらに、前記作動状態判定部は、前記不安定モード中に、前記基準電流より大きな第1基準電流以上の前記発電電流が前記基準時間より短い第1基準時間以上継続し且つ最低セル電圧が基準電圧よりも大きい場合、安定状態と判定して前記安定モードに切り替える一方、前記不安定モード中に、前記第1基準電流以下の前記発電電流の出力状態であるか、または前記第1基準電流以上の前記発電電流の出力状態が前記第1基準時間以上継続していない場合に不安定状態と判定して前記不安定モードを維持設定し、前記第1制御パラメータに基づいて前記供給制御部および/または前記排出制御部を制御する一方、前記不安定モードに設定されたとき、前記発電電流に応じた不安定時に対する第2制御パラメータを設定し、前記第2制御パラメータに基づいて前記供給制御部および前記排出制御部を制御することにより、燃料電池を速やかに安定状態に移行させる。
また、請求項3記載の発明では、燃料電池の発電電流および前記安定モードおよび前記不安定モードの設定状況に基づき水素含有ガスの流量である制御パラメータを算出し、この制御パラメータに従って供給調整部が水素含有ガスを調整してアノード電極に供給することにより、所望の状態で燃料電池を動作させることができる。
また、請求項4記載の本発明では、水素含有ガスの流量を制御する供給調整部を、アノード電極のガス供給口とガス排気口とを連結する循環ループに配設し、ガス排気口から排出された水素含有ガスを所望の流量に調整してガス供給口に供給すると共に、前記不安定モード時には、前記循環ループにおける前記水素含有ガスの流量を前記安定モード時よりも増量することにより、燃料電池の作動状態が最適化される。
また、請求項5記載の発明では、発電電流と前記安定モードおよび前記不安定モードの設定状況とから、排気ガスの外部への排出および外部への排出禁止を制御するパージパラメータを算出し、このパージパラメータに基づいて排気ガスの排出制御を行うことにより、排出される排気ガス中の水素ガス濃度を制御しつつ、所望の状態で燃料電池を動作させることができる。
さらに、請求項6記載の発明では、目標発電電流と前記安定モードおよび前記不安定モードの設定状況とから、目標流量および目標圧力を算出して供給ガスを燃料電池に供給することにより、発電電圧を低下させることなく、所望の発電電流を得ることができる。
さらにまた、請求項7記載の発明では、発電電流または目標発電電流に加えて燃料電池の温度を検出し、発電電流または目標発電電流と燃料電池の温度とに基づいて制御パラメータを算出し、燃料電池を動作させることにより、燃料電池をより適切な状態で動作させることができる。
また、請求項8記載の発明では、燃料電池の温度を検出し、その温度に応じて基準電流および基準時間を設定することにより、燃料電池の作動状態を一層正確に判定することができる。
さらに、請求項9記載の発明では、燃料電池の温度を検出し、その温度に応じて制御パラメータと基準電流と基準時間とを設定し、これらに基づいて燃料電池の作動状態を判定することにより、判定精度をさらに向上させることができる。
本発明によれば、燃料電池の作動状態を発電電流によって判定し、その判定結果に基づいて運転条件の設定を行うことにより、燃料電池の発電効率の低下を事前に回避して長寿命化を図ることができる。また、作動状態を高精度に判定して燃料電池に供給ガスを適切に供給するとともに、排気ガスを適切に排出するため、燃費を向上させることができる一方、水素ガスの濃度を所定濃度以下に抑制して外部に排出することができる。
なお、燃料電池の温度を検出し、その温度に基づいて作動状態を判定することにより、判定精度をさらに向上させ、それによって燃料電池を一層効率的に動作させることができる。
図1は、本実施形態の燃料電池システム10を示す。なお、図1において、二重線で示すラインは、ガスの流通路を表し、一重線で示すラインは、電気的な信号線を表すものとする。
燃料電池システム10は、燃料ガス(アノードガス)である水素ガスH2と酸化剤ガス(カソードガス)であるエアとが供給されることで電気エネルギを生成する燃料電池スタック12(燃料電池)と、燃料電池スタック12に供給する燃料ガス、酸化剤ガスの制御を行うとともに、燃料電池スタック12から排出される水を含む排気ガスの制御を行う制御装置14(制御部)とから基本的に構成される。
燃料電池スタック12は、水素ガスH2が供給されるアノード電極と、エアが供給されるカソード電極とを電解質膜を介して結合してなる多数のセル16を直列に接続して構成される。この場合、燃料電池スタック12には、冷却水を循環供給することで発電による発熱温度の上昇を抑制し、燃料電池スタック12を最適な温度範囲に保持するための冷却部17が接続される。
燃料電池スタック12に供給される冷却水の温度θWは、冷却部17に接続された冷却水温度検出部19によって検出される。また、アノード電極に供給される水素ガスH2の温度θAは、アノードガス温度検出部21によって検出される。さらに、カソード電極に供給されるエアーの温度θCは、カソードガス温度検出部23によって検出される。
燃料電池スタック12のアノード電極のガス供給口には、水素タンク18からの水素ガスH2がレギュレータ20により所定圧力に調整されて供給される。また、燃料電池スタック12のカソード電極のガス供給口には、エアがコンプレッサ22により圧縮されて供給される。この場合、コンプレッサ22から出力されるエアは、レギュレータ20に供給されており、このエアの圧力によって水素ガスH2との圧力比が調整される。コンプレッサ22の上流には、カソード電極に供給するエアの流量を検出する流量検出部24が接続される。
燃料電池スタック12のアノード電極のガス排出口には、パージバルブ26を介して水素希釈ボックス28が接続される。このガス排出口からは、燃料電池スタック12において発電に寄与しなかった水素ガスH2、発電によって生成されカソード電極から電解質膜を介して浸透した水、エア中に含まれ電解質膜を介して浸透した窒素ガス等が排気ガスとして排出される。パージバルブ26は、オン/オフバルブによって構成され、前記排気ガスを必要に応じて水素希釈ボックス28に排出する。
なお、アノード電極のガス排出口は、ポンプ29を介してガス供給口に接続されており、発電に寄与しないで排出された水素ガスH2を再度燃料電池スタック12に供給する循環ループを構成する。
燃料電池スタック12のカソード電極のガス排出口には、圧力制御バルブ30を介して水素希釈ボックス28が接続される。このガス排出口からは、発電によって生成された水が排出されるとともに、ガス供給口から供給されたエアの一部が排気ガスとして排出される。圧力制御バルブ30は、排気ガスの圧力を調整することにより、燃料電池スタック12に供給されるエアの圧力を制御する。
水素希釈ボックス28は、パージバルブ26を介してアノード電極から排出される水素ガスH2を含む排気ガスを、圧力制御バルブ30を介してカソード電極から排出されるエアを含む排気ガスにより希釈して外部に排出する。
制御装置14は、燃料電池スタック12による目標発電電流を設定する目標発電電流設定部32と、目標発電電流を得るための目標エア流量(目標流量)を算出する目標エア流量算出部34(目標値算出部)と、目標発電電流を得るための最適な目標エア圧力(目標圧力)を算出する目標エア圧力算出部36(目標値算出部)と、燃料電池スタック12を構成する各セル16によって生成される電流および電圧を検出する発電電流/電圧検出部44と、ポンプ29による水素ガスH2の流量を算出するポンプ流量算出部50(水素含有ガス流量算出部)と、パージバルブ26による水素ガスH2の排出制御を行うためのパージパラメータを算出するパージパラメータ算出部46と、燃料電池スタック12の作動状態が安定モードであるか不安定モードであるかを判定し、切り替えを行うモード判定切替部45(作動状態判定部)とを備える。
目標エア流量算出部34は、目標発電電流設定部32からの目標発電電流IFCOBと、冷却水温度検出部19によって検出された冷却水の温度θWと、モード判定切替部45からのモード切替信号とに基づいて目標エア流量QO2を算出する。算出された目標エア流量QO2は、エア流量調整部40に供給される。エア流量調整部40は、コンプレッサ22に接続されており、流量検出部24によって検出されたエア流量と、目標エア流量算出部34から供給される目標エア流量QO2とに従ってコンプレッサ22を調整する。
目標エア圧力算出部36は、目標発電電流設定部32からの目標発電電流IFCOBと、冷却水温度検出部19によって検出された冷却水の温度θWと、モード判定切替部45からのモード切替信号とに基づいて目標エア圧力PO2を算出する。算出された目標エア圧力PO2は、圧力制御バルブ調整部42に供給される。圧力制御バルブ調整部42は、圧力制御バルブ30に接続されており、目標エア圧力PO2に従って圧力制御バルブ30の調整を行うことにより、燃料電池スタック12に供給されるエアの圧力を調整する。
ポンプ流量算出部50は、冷却水温度検出部19によって検出された冷却水の温度θWと、発電電流/電圧検出部44によって検出された発電電流IFCと、モード判定切替部45からのモード切替信号とに基づいてポンプ流量QH2を算出する。算出されたポンプ流量QH2は、ポンプ流量調整部43に供給される。ポンプ流量調整部43は、ポンプ29を調整し、燃料電池スタック12の排出口から排出された水素ガスH2の流量を調整して燃料電池スタック12の供給口に供給する。
パージパラメータ算出部46は、冷却水温度検出部19によって検出された冷却水の温度θWと、発電電流/電圧検出部44によって検出された発電電流IFCと、モード判定切替部45からのモード切替信号とに基づき、パージバルブ26を開いている時間である排気ガスの排出時間(パージ時間)と、パージバルブ26を閉じている時間である排出禁止時間(パージインターバル時間)とを算出する。
モード判定切替部45は、冷却水温度検出部19によって検出された冷却水の温度θW、アノードガス温度検出部21によって検出された水素ガスH2の温度θAおよびカソードガス温度検出部23によって検出されたエアの温度θCと、発電電流/電圧検出部44によって検出された発電電流IFCおよび最低セル電圧Vcminとに基づき、燃料電池スタック12が安定状態で動作しているか(安定モード)、不安定状態で動作しているか(不安定モード)を判定し、その判定結果をモード切替信号としてポンプ流量調整部43、目標エア圧力算出部36、パージパラメータ算出部46およびポンプ流量算出部50に出力する。
なお、エア流量調整部40およびコンプレッサ22、圧力制御バルブ調整部42圧力制御バルブ30、ポンプ流量調整部43およびポンプ29は、燃料電池スタック12に対するエアおよび水素ガスH2の供給を調整する供給調整部を構成する。また、パージバルブ調整部48およびパージバルブ26は、燃料電池スタック12から排出される水を含む排気ガスの排出を調整する排出調整部を構成する。
本実施形態の燃料電池システム10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その動作について図2〜図4に示すフローチャートに従って説明する。
先ず、制御装置14では、燃料電池スタック12による発電動作の開始に先立ち、モード判定切替部45に対して、不安定モードが設定される(ステップS1)。すなわち、発電の開始当初においては、燃料電池スタック12の温度が最適な発電温度まで上昇しておらず、また、それ以前の状態が必ず運転停止状態であるため、その間に結露によって水がアノード系内に溜まったり、運転時は均等に分布していた水分が停止状態で特定の場所に集まったりすることにより、水が燃料電池スタック12の一部に集中し、発電が不安定となるため、デフォルトとして不安定モードが設定される。
次に、目標発電電流設定部32において目標発電電流IFCOBが設定され(ステップS2)、冷却水温度検出部19が冷却部17により制御される燃料電池スタック12の冷却水温度θWを検出する(ステップS3)。
目標エア流量算出部34は、モード判定切替部45からのモード切替信号と、冷却水温度検出部19によって検出された冷却水温度θWと、目標発電電流設定部32からの目標発電電流IFCOBとに基づき、図5に示す目標発電電流−目標エア流量マップを用いて、目標発電電流IFCOBを得ることのできる目標エア流量QO2を算出する(ステップS4)。
ここで、図5に示す目標発電電流−目標エア流量マップは、燃料電池スタック12の動作が安定モードにあるときには、実線で示すマップが参照され、不安定モードにあるときには、発電効率が低い状態にあると考えられるため、増量された目標エア流量QO2を供給して発電を積極的に行うことのできる点線で示すマップが参照される。なお、冷却水温度θWが高ければ、少ないエア供給量および水素供給量で効率的に発電することができるため、目標発電電流−目標エア流量マップは、冷却水温度θW1、θW2、θW3(θW1<θW2<θW3)に応じて参照される。
この場合、モード切替信号は、ステップS1において不安定モードに設定されており、図5において点線で示す目標発電電流−目標エア流量マップが参照されて目標エア流量QO2が算出される。
また、目標エア圧力算出部36は、モード判定切替部45からのモード切替信号と、冷却水温度検出部19によって検出された冷却水温度θWと、目標発電電流設定部32によって設定された目標発電電流IFCOBとに基づき、図6に示す目標発電電流−目標エア圧力マップを用いて、目標発電電流IFCOBを得ることのできる目標エア圧力PO2を算出する(ステップS5)。
図6に示す目標発電電流−目標エア圧力マップは、燃料電池スタック12の動作が安定モードにあるときには、実線で示すマップが参照され、不安定モードにあるときには、発電効率が低い状態にあると考えられるため、目標エア圧力PO2を高く設定することのできる点線で示すマップが参照される。なお、冷却水温度θWが高ければ、少ないエア供給量および少ない水素供給量で効率的に発電することができるため、目標発電電流−目標エア圧力マップは、冷却水温度θW1、θW2、θW3(θW1<θW2<θW3)に応じて参照される。
この場合、モード切替信号は、ステップS1において不安定モードに設定されており、図6において点線で示す目標発電電流−目標エア圧力マップが参照されて目標エア圧力PO2が算出される。
次に、エア流量調整部40は、目標エア流量算出部34から供給された目標エア流量QO2と、流量検出部24によって検出したエア流量とに従ってコンプレッサ22を制御し、また、圧力制御バルブ調整部42は、目標エア圧力算出部36から供給された目標エア圧力PO2に従って圧力制御バルブ30を制御する(ステップS6)。
コンプレッサ22が目標エア流量QO2に従って制御されることにより、所定量のエアが流量検出部24を介して燃料電池スタック12のカソード電極に供給される。また、圧力制御バルブ30が目標エア圧力PO2に従って制御されることにより、燃料電池スタック12に供給されるエアの圧力が調整される。
コンプレッサ22から出力されたエアの一部は、レギュレータ20に所定の圧力で供給される。従って、水素タンク18から出力された水素ガスH2は、エアとの圧力比がレギュレータ20により調整され、燃料電池スタック12のアノード電極に供給される。この結果、カソード電極に供給されたエアに含まれる酸素ガスと、アノード電極に供給された水素ガスH2とが反応し、電気エネルギが生成される(ステップS7)。
燃料電池スタック12による発電が開始されると、アノード電極からは、反応に寄与しなかった水素ガスH2が排出される。この水素ガスH2は、後述するように、ポンプ流量調整部43により流量が調整されたポンプ29によってアノード電極のガス供給口に循環されることで発電に再利用される。また、燃料電池スタック12のカソード電極からは、反応によって生成された水が排出されるとともに、エアに含まれる窒素ガスや反応に寄与しなかった酸素ガスが排出される。なお、カソード電極で生成された水や排出ガスの一部は、セル16を構成する電解質膜を透過してアノード電極のガス排出口からも排出される。
ここで、燃料電池システム10では、安定した発電状態を維持するため、燃料電池スタック12の温度である冷却水温度θW、アノード電極に供給される水素ガスH2の温度であるアノードガス温度θA、カソード電極に供給されるエアの温度であるカソードガス温度θC、発電電流IFC、セル16の最低セル電圧Vcminを監視し、供給するエアや水素ガスH2の流量および圧力を制御するとともに、生成された水や反応に寄与しない窒素ガス、余分なエア等を外部に排出する処理が行われる。
そこで、モード判定切替部45は、図3に示すフローチャートに従って燃料電池スタック12の発電状態が安定状態にあるか否かを判定し、その判定結果をモード切替信号として出力する(ステップS8)。
例えば、発電開始当初、燃料電池スタック12の発電状態は、ステップS1において不安定モードに設定されている(ステップS11)。モード判定切替部45は、冷却水温度検出部19によって検出された冷却水温度θWが基準温度θW0よりも低い場合(ステップS12)、または、アノードガス温度検出部21によって検出されたアノードガス温度θAが基準温度θA0よりも低い場合(ステップS13)、あるいは、カソードガス温度検出部23によって検出されたカソードガス温度θCが基準温度θC0よりも低い場合(ステップS14)、燃料電池スタック12の発電状態が不安定であると判断し、不安定モードを維持設定する(ステップS15)。
なお、冷却水温度θW、アノードガス温度θAおよびカソードガス温度θCが、一定時間以上、基準温度θW0、θA0またはθC0よりも低い状態が継続することを条件とすることで、ノイズの影響を受けることなく燃料電池スタック12の発電状態を高精度に判定することができる。
一方、燃料電池スタック12自体の発熱や環境温度の上昇により、θW≧θW0、θA≧θA0、且つ、θC≧θC0となったとき、モード判定切替部45は、発電電流/電圧検出部44によって検出された燃料電池スタック12の発電電流IFCが基準電流i1以上であるか否かを判定し(ステップS16)、基準電流i1以上の電流が出力されていない場合、基準時間TM1をタイマ時間tm1に設定する(ステップS17)。そして、燃料電池スタック12の発電状態として、不安定モードを維持設定する(ステップS15)。
発電電流/電圧検出部44によって検出された燃料電池スタック12の発電電流IFCが基準電流i1以上であると判定された場合には(ステップS16)、ステップS17で設定したタイマ時間tm1が0になっているか否かを判定する(ステップS18)。判定の結果、タイマ時間tm1が0になっていないとき、ステップS18での前回の判定時刻からステップS18での現在の判定時刻までの時間ΔT1をタイマ時間tm1から減算した後(ステップS19)、基準電流i1以上の発電電流IFCが基準時間TM1以上継続していないため、不安定モードを維持設定する(ステップS15)。
発電電流/電圧検出部44によって検出された燃料電池スタック12の発電電流IFCが基準電流i1以上であると判定され(ステップS16)、且つ、タイマ時間tm1=0になったとき(ステップS18)、基準電流i1(第1所定電流)以上の発電電流IFCが基準時間TM1(第1基準時間)以上継続していることになる。
そこで、モード判定切替部45は、発電電流/電圧検出部44によって検出された発電電流IFCに基づき、図7に示す発電電流−基準電圧マップを用いて基準電圧V1を算出する(ステップS20)。次いで、発電電流/電圧検出部44によって検出された各セル16の最低セル電圧Vcminが基準電圧V1よりも大きいか否かを判定し(ステップS21)、基準電圧V1以下の場合には不安定モードを維持設定する(ステップS15)。また、最低セル電圧Vcminが基準電圧V1よりも大きいと判定された場合には(ステップS21)、燃料電池スタック12の発電状態が安定状態に移行したものとして、安定モードを設定する(ステップS22)。
一方、燃料電池スタック12の発電状態が安定モードに移行している場合(ステップS11)、発電電流/電圧検出部44によって検出された発電電流IFCを基準電流i2(i1>i2)と比較し、発電電流IFCが基準電流i2よりも大きいとき(ステップS23)、基準時間TM2(TM1<TM2)をタイマ時間tm2に設定する(ステップS24)。
次に、モード判定切替部45は、発電電流/電圧検出部44によって検出された発電電流IFCに基づき、図7に示す発電電流−基準電圧マップを用いて基準電圧V2(V1>V2)を算出する(ステップS25)。次いで、発電電流/電圧検出部44によって検出された各セル16の最低セル電圧Vcminが基準電圧V2よりも大きいか否かを判定し(ステップS26)、基準電圧V2より大きい状態が所定時間以上継続している場合には安定モードを維持設定する(ステップS22)。また、最低セル電圧Vcminが基準電圧V2以となる時間が所定時間以上継続されている場合には(ステップS26)、燃料電池スタック12の発電状態が不安定状態に移行したものとして、不安定モードを設定する(ステップS27)。
発電電流/電圧検出部44によって検出された燃料電池スタック12の発電電流IFCが所定電流i2以下であると判定された場合には(ステップS23)、ステップS24で設定したタイマ時間tm2が0になっているか否かを判定する(ステップS28)。判定の結果、タイマ時間tm2が0になっていないとき、ステップS28の前回の判定時刻からステップS28の現在の判定時刻までの時間ΔT2をタイマ時間tm2から減算した後(ステップS29)、発電電流IFCに対応した基準電圧V2を算出して最低セル電圧Vcminと比較し(ステップS25、S26)、基準電圧V2以下の状態が所定時間以上継続していない場合には安定モードを維持設定し(ステップS22)、最低セル電圧Vcminが基準電圧V2以上となる時間が所定時間以上継続されている場合には、燃料電池スタック12の発電状態が不安定状態に移行したものとして、不安定モードを設定する(ステップS27)。
なお、発電状態を判定する基準電流i1、i2および基準時間TM1、TM2は、i1>i2およびTM1<TM2の関係に設定されている。すなわち、燃料電池スタック12が不安定モードに設定されている場合には、判定基準である下限の基準電流i1を高く設定する一方、基準電流i1よりも高い発電電流IFCが継続する下限の基準時間TM1を短く設定することにより、燃料電池スタック12を安定モードでの運転に切り替える判定基準を厳しくして、燃料電池スタック12の長寿命化を図ることができる。また、燃料電池スタック12が安定モードに設定されている場合には、下限の基準電流i2を低く設定する一方、基準電流i2よりも低い発電電流IFCが継続する下限の基準時間TM2を長く設定することにより、燃料電池スタック12を不安定モードでの運転に切り替える判定基準を緩くして、燃費を向上させるとともに、外部に排出される水素ガスH2の濃度の上昇の抑制を図ることができる。
次に、目標エア流量算出部34、目標エア圧力算出部36、パージパラメータ算出部46およびポンプ流量算出部50は、図4に示すフローチャートに従い、モード判定切替部45による判定の結果得られたモード切替信号に基づき、エア流量調整部40、圧力制御バルブ調整部42、パージバルブ調整部48およびポンプ流量調整部43の運転条件を設定する(ステップS9)。
先ず、燃料電池スタック12の発電状態が安定モードに設定されている場合について説明する(ステップS41)。
ポンプ流量算出部50は、発電電流/電圧検出部44によって検出された発電電流IFCと、冷却水温度検出部19によって検出された冷却部17による燃料電池スタック12の冷却水温度θWとに基づき、図8に示す発電電流−ポンプ流量マップを用いて、必要なポンプ流量QH2を算出し、ポンプ流量調整部43に供給する(ステップS42)。この場合、燃料電池スタック12の動作が安定モードであるため、実線で示す発電電流−ポンプ流量マップを用いてポンプ流量QH2(第1制御パラメータ)が算出される。
例えば、冷却水温度θWをθW1<θW2<θW3とした場合、冷却水温度θWが高ければ、発電効率が高いと考えられるため、少ないポンプ流量QH2がポンプ流量調整部43に設定される。また、冷却水温度θWが低い場合には、発電効率が低いと考えられるため、多めのポンプ流量QH2がポンプ流量調整部43に設定される。
また、パージパラメータ算出部46は、発電電流/電圧検出部44によって検出された発電電流IFCと、冷却水温度検出部19によって検出された冷却水温度θWとに基づき、図9に示す発電電流−パージ時間マップと、図10に示す発電電流−パージインターバル時間マップとを用いて、パージバルブ26を開放しているパージ時間TONと、パージバルブ26を閉塞しているパージインターバル時間TOFFとを算出し、パージバルブ調整部48に供給する(ステップS43、S44)。この場合、燃料電池スタック12の動作が安定モードであるため、実線で示す発電電流−パージ時間マップと、実線で示す発電電流−パージインターバル時間マップとを用いて、パージ時間TON(第1制御パラメータ)およびパージインターバル時間TOFF(第1制御パラメータ)が算出される。
例えば、冷却水温度θWをθW1<θW2<θW3とした場合、冷却水温度θWが高ければ、発電効率が高く、燃料電池スタック12に少ない量の供給ガスを供給して効率的に発電を行うことができ、排出される水を含む排気ガスの量も少ないと考えられるため、短いパージ時間TONおよび長いパージインターバル時間TOFFが設定される。また、冷却水温度θWが低い場合には、発電効率が低く、燃料電池スタック12に多量の供給ガスを供給する必要があり、従って、多量の水を含む排気ガスも排出されると考えられるため、長いパージ時間TONおよび短いパージインターバル時間TOFFが設定される。
さらに、目標エア流量算出部34および目標エア圧力算出部36は、ステップS4、S5の場合と同様に、発電電流/電圧検出部44によって検出された発電電流IFCと、冷却水温度検出部19によって検出された冷却水温度θWとに基づき、図5の実線で示す目標発電電流−目標エア流量マップと、図6の実線で示す目標発電電流−目標エア圧力マップとを用いて、目標エア流量QO2(第1制御パラメータ)および目標エア圧力PO2(第1制御パラメータ)を算出する(ステップS45、S46)。
次に、前回の運転条件の設定時と今回の運転条件の設定時とで、不安定モードから安定モードへの切り替えがあった場合(ステップS47)、ステップS45で算出した安定モードでの目標エア流量QO2STと、後述するステップS50で算出した不安定モードでの目標エア流量QO2UNと、エア流量切替時間Δtとを用いて、エア流量変化レートΔQ/Δtを、例えば、
ΔQ/Δt=F・(QO2ST−QO2UN)/Δt
として算出する(ステップS48)。なお、Fは、不安定モードから安定モードに切り替えられた場合にプラス(+)に設定され、安定モードから不安定モードに切り替えられた場合にマイナス(−)に設定されるものとする。
以上のようにして安定モードにおける各運転条件が設定された後、その運転条件に従って燃料電池スタック12による発電が継続される(ステップS10、S7)。
すなわち、エア流量調整部40は、コンプレッサ22を調整し、ステップS45で算出された目標エア流量QO2からなるエアを燃料電池スタック12のカソード電極に供給する。また、圧力制御バルブ調整部42は、圧力制御バルブ30を調整し、ステップS46で算出された目標エア圧力PO2からなるエアの排出制御を行う。このとき、レギュレータ20は、圧力制御バルブ30によって制御されたエアの圧力に従い、水素タンク18からの水素ガスH2を燃料電池スタック12のアノード電極に供給する。この結果、燃料電池スタック12において酸素ガスと水素ガスH2とが反応し、電気エネルギが生成される。
なお、前回の運転条件の設定時と今回の運転条件の設定時とで、不安定モードから安定モードへの切り替えがあった場合には、目標エア流量QO2が大きく変動する可能性がある。そこで、エア流量調整部40は、ステップS48で算出されたエア流量変化レートΔQ/Δtに従ってコンプレッサ22を駆動し、不安定モードでの目標エア流量QO2UNから安定モードでの目標エア流量QO2STへと徐々に流量の切り替えを行う(図11参照)。これにより、流量の急激な変動による違和感を抑制することができる。
燃料電池スタック12の動作に伴い、燃料電池スタック12のカソード電極からは、エアの一部および反応によって生成された水が排出される。また、アノード電極からは、反応に寄与しなかった水素ガスH2や、電解質膜を介してカソード側から浸透した水や窒素ガスが排出される。このうち、反応に寄与しなかった水素ガスH2は、循環ループを介してポンプ29により燃料電池スタック12に戻されることで再利用される。この場合、ポンプ流量調整部43は、ポンプ29を調整し、ステップS42で算出されポンプ流量算出部50から供給されるポンプ流量QH2によって水素ガスH2の供給制御を行う。
一方、パージバルブ調整部48は、ステップS43およびS44で算出されたパージ時間TONおよびパージインターバル時間TOFFに従ってパージバルブ26をON/OFF制御し、燃料電池スタック12から水素ガスH2を含む排気ガスを外部に排出する。
この場合、燃料電池スタック12のカソード電極から排出されたエアを主体とする排気ガスは、圧力制御バルブ30を介して水素希釈ボックス28に供給される。また、燃料電池スタック12のアノード電極から排出された水素ガスH2を含む排気ガスは、パージバルブ26が開放されているパージ時間TONの間、水素希釈ボックス28に供給され、カソード電極からの排気ガスによって水素ガスH2の濃度が希釈されて外部に排出される。パージ時間TONが経過後、パージバルブ26はパージインターバル時間TOFFだけ閉塞される。そして、アノード電極から排出された水素ガスH2を含む排気ガスがポンプ29によって供給側に戻され、発電が継続される。
次に、燃料電池スタック12の発電状態が不安定モードに設定された場合について説明する(ステップS41)。
ポンプ流量算出部50は、図8の点線で示す発電電流−ポンプ流量マップを用いて、必要なポンプ流量QH2を算出し(第2制御パラメータ)、ポンプ流量調整部43に供給する(ステップS49)。この場合、ポンプ流量QH2は、安定モードが設定されている場合よりも増量されるため、より多くの水素ガスH2が燃料電池スタック12に供給され、これによって発電電流の増大が期待され、発電電圧が低下する事態に至ることなく、燃料電池スタック12の動作が不安定状態から安定状態に移行することになる。
また、パージパラメータ算出部46は、図9および図10の点線で示す発電電流−パージ時間マップおよび発電電流−パージインターバル時間マップを用いて、必要なパージ時間TON(第2制御パラメータ)およびパージインターバル時間TOFF(第2制御パラメータ)を算出し、パージバルブ調整部48に供給する(ステップS50、S51)。例えば、図12に示すように、安定モードにおける発電電流IFCSTが、不安定モードにおいて発電電流IFCUN(IFCUN<IFCST)になると、燃料電池スタック12内に反応によって生成された水が大量に溜まっている可能性があり、それによって発電効率が低下し、発電電圧も低下するおそれがある。そこで、不安定モードにおけるパージバルブ26の開放時間であるパージ時間TONUNを安定モードでのパージ時間TONSTよりも長めに設定することにより、水をできるだけ外部に排出可能な状態とする。同様に、不安定モードにおけるパージバルブ26の閉塞時間であるパージインターバル時間TOFFUNは、安定モードでのパージインターバル時間TOFFSTよりも短めに設定する。これにより、発電電流の増大が期待され、燃料電池スタック12の動作が不安定状態から安定状態に移行することになる。
目標エア流量算出部34および目標エア圧力算出部36は、図5および図6の点線で示す目標発電電流−目標エア流量マップおよび目標発電電流−目標エア圧力マップを用いて、必要な目標エア流量QO2(第2制御パラメータ)および目標エア圧力PO2(第2制御パラメータ)を算出する(ステップS52、S53)。
さらに、安定モードから不安定モードへの切り替えがあった場合(ステップS47)、前述した場合と同様にしてエア流量変化レートΔQ/Δtを算出する(ステップS48)。
以上のようにして不安定モードにおける各運転条件が設定された後、その運転条件に従って燃料電池スタック12による発電が継続される(ステップS10、S7)。この場合、燃料電池スタック12に供給されるエアおよび水素ガスH2の流量が増大することで反応が促進され、発電電流が増大して燃料電池スタック12の動作が不安定状態から安定状態に移行することが期待される。
なお、安定モードから不安定モードへの切り替えがあった場合、エア流量調整部40は、ステップS48で算出されたエア流量変化レートΔQ/Δtに従ってコンプレッサ22を駆動し、安定モードでの目標エア流量QO2STから不安定モードでの目標エア流量QO2UNへと徐々に流量の切り替えを行う(図11参照)。これにより、流量の急激な変動によるノイズの発生を抑制することができる。
ところで、上述した実施形態では、基準電流i1および基準時間TM1を固定値として設定し、燃料電池スタック12の作動状態を判定しているが(ステップS16〜S19)、図13のフローチャートに示すように、これらのパラメータを冷却水温度θWに従って設定するようにしてもよい。
すなわち、燃料電池スタック12の発電状態が不安定モードに設定されている場合(ステップS11)、冷却水温度検出部19によって検出された冷却水温度θWに基づき、図14に示す冷却水温度−基準電流マップを用いて基準電流i1を算出する(ステップS61)。この場合、基準電流i1は、冷却水温度θWが高ければ、燃料電池スタック12が安定しているものと考えられるため、小さい値に設定されている。
また、冷却水温度検出部19によって検出された冷却水温度θWに基づき、図15に示す冷却水温度−基準電流マップを用いて基準時間TM1を算出する(ステップS62)。この場合、基準時間TM1は、冷却水温度θWが高ければ、燃料電池スタック12が安定しているものと考えられるため、短い時間に設定されている。
次いで、冷却水温度θWに応じて設定された基準電流i1および基準時間TM1と、発電電流/電圧検出部44によって検出された発電電流IFCとを用いて、図3に示すステップS16〜S19の処理を行うことにより、燃料電池スタック12の作動状態を判定し、不安定モードまたは安定モードの設定を行う(ステップS15、S22)。
この場合、モード判定のためのパラメータである基準電流i1および基準時間TM1を冷却水温度θWに応じて設定することができるため、モード判定精度をさらに向上させることができる。
一方、燃料電池スタック12の発電状態が安定モードに設定されている場合(ステップS11)、図3に示すステップS23〜S26、S28、S29の処理を行うことにより、燃料電池スタック12の作動状態を判定し、不安定モードまたは安定モードの設定を行う(ステップS22、S27)。
なお、上述した実施形態では、燃料電池スタック12の作動状態が安定状態であるか不安定状態であるかを、発電電流IFC、最低セル電圧Vcmin、冷却水温度θW、アノードガス温度θAおよびカソードガス温度θCに基づいて判定し、その判定結果に従って運転条件を設定するようにしているが、例えば、作動状態を安定状態、準安定状態、不安定状態等のように、3つ以上の状態に分けて判定し、それぞれの判定結果に従って運転条件の設定を行うようにしてもよい。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成ブロック図である。 図1に示す燃料電池システムにおける制御装置での処理フローチャートである。 図2に示すフローチャートにおけるモード判定切替処理のフローチャートである。 図2に示すフローチャートにおける運転条件設定処理のフローチャートである。 目標発電電流−目標エア流量マップの説明図である。 目標発電電流−目標エア圧力マップの説明図である。 発電電流−基準電圧マップの説明図である。 発電電流−ポンプ流量マップの説明図である。 発電電流−パージ時間マップの説明図である。 発電電流−パージインターバル時間マップの説明図である。 モード切替時におけるエア流量調整処理の説明図である。 発電電流とポンプ流量とパージバルブの開閉状態との関係説明図である。 他の実施形態におけるモード判定切替処理のフローチャートである。 冷却水温度−基準電流マップの説明図である。 冷却水温度−基準時間マップの説明図である。
符号の説明
10…燃料電池システム 12…燃料電池スタック
14…制御装置 17…冷却部
18…水素タンク 19…冷却水温度検出部
20…レギュレータ 21…アノードガス温度検出部
22…コンプレッサ 23…カソードガス温度検出部
24…流量検出部 26…パージバルブ
28…水素希釈ボックス 30…圧力制御バルブ
32…目標発電電流設定部 34…目標エア流量算出部
36…目標エア圧力算出部 40…エア流量調整部
42…圧力制御バルブ調整部 43…ポンプ流量調整部
44…発電電流/電圧検出部 45…モード判定切替部
46…パージパラメータ算出部 48…パージバルブ調整部
50…ポンプ流量算出部

Claims (9)

  1. アノード電極に供給される水素含有ガスとカソード電極に供給される酸素含有ガスとを反応させることで電気エネルギを生成する燃料電池と、前記燃料電池に対する前記水素含有ガスおよび前記酸素含有ガスの供給を調整する供給調整部と、前記燃料電池からの排気ガスの排出を調整する排出調整部とを備える燃料電池システムにおいて、
    前記カソード電極に前記酸素含有ガスとしてエアを供給するエア供給手段と、
    前記エア供給手段による前記エアの前記カソード電極への供給圧力との圧力比に基づいて、前記アノード電極に供給する水素含有ガスの供給圧力を調整するレギュレータと、
    前記燃料電池から出力される発電電流を検出する発電電流検出部と、
    基準電流以上の前記発電電流が基準時間以上継続して出力されているか否かによって前記燃料電池の作動状態を判定し、且つ、該作動状態に基づいて、安定モードと、該安定モードに対して少なくとも前記エア供給手段による前記エアの供給流量を多くする制御が実施される不安定モードとの切り替えを行う作動状態判定部と、
    前記作動状態判定部により設定された前記安定モードおよび前記不安定モードの設定状態に応じた制御パラメータを設定し、前記制御パラメータに基づいて前記供給調整部および/または前記排出調整部を制御する制御部と、
    を備え
    前記作動状態判定部は、前記安定モード中に、前記基準電流以下の前記発電電流の出力状態が基準時間以上継続した場合に不安定状態と判定し、前記不安定モードへの切り替えを実施することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1記載のシステムにおいて、
    さらに、前記作動状態判定部は、前記不安定モード中に、前記基準電流より大きな第1基準電流以上の前記発電電流が前記基準時間より短い第1基準時間以上継続し且つ最低セル電圧が基準電圧よりも大きい場合、安定状態と判定して前記安定モードに切り替える一方、前記不安定モード中に、前記第1基準電流以下の前記発電電流の出力状態であるか、または前記第1基準電流以上の前記発電電流の出力状態が前記第1基準時間以上継続していない場合に不安定状態と判定して前記不安定モードを維持設定し、
    前記制御部は、前記安定モードに設定されたとき、前記発電電流に応じた安定時に対する第1制御パラメータを設定し、前記第1制御パラメータに基づいて前記供給制御部および/または前記排出制御部を制御する一方、前記不安定モードに設定されたとき、前記発電電流に応じた不安定時に対する第2制御パラメータを設定し、前記第2制御パラメータに基づいて前記供給制御部および前記排出制御部を制御することを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1記載のシステムにおいて、
    前記制御部は、前記発電電流と、前記安定モードおよび前記不安定モードの設定状況とに応じて、前記制御パラメータである前記水素含有ガスの流量を算出する水素含有ガス流量算出部を有し、
    前記供給調整部は、算出された前記流量に基づき前記水素含有ガスの供給を調整することを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項3記載のシステムにおいて、
    前記供給調整部は、前記燃料電池におけるアノード電極のガス供給口とガス排気口とを連結する循環ループに配設され、前記水素含有ガス流量算出部によって算出された前記流量に基づき、前記ガス排気口から排出された前記水素含有ガスを前記ガス供給口に循環供給すると共に、
    前記不安定モード時には、前記循環ループにおける前記水素含有ガスの流量を前記安定モード時よりも増量することを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項1記載のシステムにおいて、
    前記制御部は、前記発電電流と、前記安定モードおよび前記不安定モードの設定状況とに応じて、前記排気ガスの排出を制御する前記制御パラメータであるパージパラメータを算出するパージパラメータ算出部を有し、
    前記排出調整部は、算出された前記パージパラメータに基づき、前記排気ガスの外部への排出および外部への排出禁止を制御することを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項1記載のシステムにおいて、
    前記制御部は、目標発電電流と、前記安定モードおよび前記不安定モードの設定状況とに応じて、前記制御パラメータである供給ガスの目標流量および目標圧力を算出する目標値算出部を有し、
    前記供給調整部は、算出された前記目標流量および前記目標圧力に基づき前記供給ガスの供給を制御することを特徴とする燃料電池システム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
    前記燃料電池の温度を検出する温度検出部を有し、
    前記制御部は、前記発電電流または目標発電電流と前記温度とに応じて前記制御パラメータを算出することを特徴とする燃料電池システム。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
    前記燃料電池の温度を検出する温度検出部を有し、
    前記作動状態判定部は、前記燃料電池の前記温度に応じて設定される前記基準電流および前記基準時間に従って前記燃料電池の作動状態を判定し、前記安定モードと前記不安定モードとの切り替えを行うことを特徴とする燃料電池システム。
  9. 請求項8記載のシステムにおいて、
    前記制御部は、前記発電電流または目標発電電流と前記温度とに応じて前記制御パラメータを算出することを特徴とする燃料電池システム。
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