JP4404416B2 - 自動焦点調節装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォーカシングレンズ群の移動範囲を制御するフォーカスリミッタ機能を備えた自動焦点調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラボディに対して交換可能な超望遠レンズ等では、レンズ繰出し量が他の交換レンズよりも大きい。したがってフォーカシングレンズ群が常に全範囲にわたって移動自在であると、自動焦点調節動作において、フォーカシングレンズ群が追随できる範囲が大きすぎ、合焦状態を得るまでの時間が長くなりすぎる場合が生じる。そこでこのような交換レンズとして、フォーカシングレンズ群の移動範囲を制限する、いわゆるフォーカスリミッタを設けたものがある。
【0003】
従来のフォーカスリミッタは、交換レンズ内において、フォーカスリミッタスイッチを回すことによって、制限部材がフォーカシングレンズ群の支持部材に干渉可能な位置に突出し、フォーカシングレンズ群の移動範囲が制限されるように構成されている(例えば、実開昭63−70519号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のフォーカスリミッタは予め決められた範囲内でしかフォーカシングレンズ群の移動範囲を制限できず、また移動範囲を変更するには、制限部材を操作することによって、既に決められている移動範囲を解除しなければならない。
【0005】
本発明は、フォーカシングレンズ群の移動範囲を任意に設定でき、しかも移動範囲を容易に変更することができるレンズ移動制御装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の自動焦点調節装置は、被写体像に基づいてデフォーカス量を求めるデフォーカス演算手段と、デフォーカス量に従って、撮影レンズのフォーカシングレンズ群を光軸に沿って移動させるレンズ移動手段と、フォーカシングレンズ群の位置を検知する位置検知手段と、フォーカシングレンズ群が移動可能な範囲である複数のフォーカス領域を設定するフォーカス領域設定手段と、フォーカシングレンズ群が移動を開始するときの位置に応じて、複数のフォーカス領域から1つを選択するフォーカス領域選択手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】
フォーカス領域設定手段は、測距動作によって得られた被写体距離を用いてフォーカス領域を設定することが好ましい。
【0008】
フォーカシングレンズ群が移動を開始するときの位置が複数のフォーカス領域を定義する境界位置に一致しているとき、フォーカス領域選択手段は、被写体までの距離に応じて複数のフォーカス領域から1つを選択することが好ましい。
【0009】
フォーカス領域設定手段は、フォーカシングレンズ群の移動量に応じて生成されるパルス数と距離コードに基づいて、フォーカス領域を設定してもよい。この場合フォーカス領域設定手段は、パルス数と距離コードが一致しなくなったとき、パルス数を修正することが好ましい。
【0010】
フォーカス領域設定手段は、フォーカシングレンズ群がフォーカス領域を越えて移動することを許可するフォーカス領域解除手段を備えていてもよい。
【0011】
フォーカス領域設定手段は測光スイッチを有してもよい。この構成において、測光スイッチがオン状態である間にフォーカシングレンズ群が1つのフォーカス領域内を移動し、フォーカス領域の端点に達した状態で測光スイッチがオフ状態に切換えられた後にオン状態に切換えられることにより、フォーカシングレンズ群は1つのフォーカス領域に隣接したフォーカス領域に移動する。
【0012】
本発明に係る第2の自動焦点調節装置は、被写体像に基づいてデフォーカス量を求めるデフォーカス演算手段と、デフォーカス量に従って、撮影レンズのフォーカシングレンズ群を光軸に沿って移動させるレンズ移動手段と、フォーカシングレンズ群の位置を検知する位置検知手段と、フォーカシングレンズ群が移動可能な範囲の端点である無限遠端点と近距離端点の間を、相対的に無限遠端点に近い第1のリミット位置と相対的に近距離端点に近い第2のリミット位置とによって分割することにより、無限遠端点と第1のリミット位置の間である第1のフォーカス領域と、第1および第2のリミット位置の間である第2のフォーカス領域と、第2のリミット位置と近距離端点の間である第3のフォーカス領域とを定義するフォーカス領域設定手段と、フォーカシングレンズ群が移動を開始するときの位置に応じて、第1、第2および第3のフォーカス領域から1つを選択するフォーカス領域選択手段とを備えることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態である自動焦点調節装置を備えたカメラの電気的な構成を示している。
【0014】
このカメラは一眼レフカメラであって、カメラ本体100と、カメラ本体100に着脱可能な交換レンズ(撮影レンズ)200から構成される。カメラ本体100内において、クイックリターンミラー101の上方にはファインダ光学系の一部を構成するペンタプリズム102が配置されており、交換レンズ200内に設けられた複数のレンズ群201、202を通過した光線は、クイックリターンミラー101とペンタプリズム102を介してファインダ光学系の接眼レンズに導かれる他、測光センサ103に入射する。また、レンズ群201、202を通過した光線は、クイックリターンミラー101の下面に取付けられたサブミラー104において反射され、クイックリターンミラー101の下方に設けられた、焦点検出装置である焦点検出センサ300に導かれる。
【0015】
カメラ本体100内に設けられた各回路は、マイコンを備えたカメラ制御回路(CPU)110によって制御される。カメラ制御回路110は周辺回路120に接続されている。周辺回路120には測光センサ103の他、モータ駆動回路121、露光機構122、絞り機構123が接続されている。モータ駆動回路121は、クイックリターンミラー101の傾斜角を変化させるミラーモータ124を駆動するため、またフィルムを巻き上げる巻上モータ125を駆動するために設けられる。露光機構122は図示しないシャッタを駆動し、絞り機構123は図示しない絞りの開度を調整するものである。
【0016】
カメラ制御回路110にはモータ駆動回路130が接続されている。モータ駆動回路130はAFモータ131を駆動するものであり、AFモータ131にはギアブロック132が連結されている。ギアブロック132は図示しないジョイント機構を介して、交換レンズ200内に設けられたギアブロック203に結合されている。ギアブロック203によって、レンズ群201、202が光軸方向に移動可能であり、これにより被写体像の合焦状態が調節される。すなわち、これらのレンズ群201、202はフォーカシングレンズ群である。一方AFモータ131の出力軸にはエンコーダ133が接続され、エンコーダ133から出力されるパルス信号は、カメラ制御回路110に設けられたカウンタ111によって計数され、これによりレンズの移動量が求められる。
【0017】
周辺回路120にはD/A変換器126が設けられ、D/A変換器126を介して、焦点検出センサ300における出力レベルを決定するための電圧信号VAGC が焦点検出センサ300に入力される。焦点検出センサ300から出力されるビデオ信号(VIDEO)は、カメラ制御回路110のA/D変換器112に入力され、レンズ群201、202を駆動して焦点調節を行なうために用いられる。
【0018】
またカメラ制御回路110には、リミット一時解除スイッチ140、自動手動(AF/MF)切換えスイッチ141、レリーズスイッチ142、測光スイッチ143、メインスイッチ144、フォーカスリミットスイッチ(電気的切換えスイッチ)147が接続されている。自動手動(AF/MF)切換えスイッチ141は、焦点調節を手動と自動のいずれで行なうかを決めるために設けられている。レリーズスイッチ142はシャッターボタン139を全押しすることによってオン状態になり、これにより撮影動作が実行される。測光スイッチ143はシャッターボタンを半押しすることによってオン状態になり、これにより焦点調節動作が開始される。メインスイッチ144は、このカメラの動作を許可するためのスイッチである。フォーカスリミットスイッチ147はフォーカス領域を設けてレンズ群201、202が移動できる範囲を制御するために使用される。リミット一時解除スイッチ140は、レンズ群201、202の移動範囲すなわちフォーカス領域を解除するために操作される。
【0019】
カメラ制御回路110には、表示装置145と不揮発性メモリ(EEPROM)146が接続されている。表示装置145は、撮影モード、シャッタースピード等を表示するために設けられている。EEPROM146には、種々のデータが格納されている。
【0020】
交換レンズ200内には、自動焦点調節(AF)等の制御のために、交換レンズ固有の情報等をカメラ本体100との間において通信するレンズ制御回路(レンズCPU)204が設けられる。またレンズ制御回路204には、フォーカスリミットスイッチ(電気的切換スイッチ)211と距離スイッチ212とリミット一時解除スイッチ211bが接続されている。フォーカスリミットスイッチ211は、カメラ本体100内のフォーカスリミットスイッチ147と同様にフォーカス領域を選択するために設けられている。距離スイッチ212はレンズ群201、202の位置を検出するために設けられ、図3を参照して後述するブラシ252とコード板251の導電パターンによって構成される。リミット一時解除スイッチ211bは、リミット一時解除スイッチ140と同様にフォーカス領域を解除するために操作される。
【0021】
図2は交換レンズ200の構成を示している。
レンズ鏡筒は第1の支持筒221と第2の支持筒222を有し、これらの支持筒221、222はネジ223によって一体的に連結されている。これらの支持筒221、222の外周面にはマニュアル操作環224が回転自在に設けられ、マニュアル操作環224は、第2の支持筒222の内周面に回転自在に支持された回転筒225に、一体的に連結されている。すなわちマニュアル操作環224と回転筒225は、光軸Xの周りに、支持筒221、222に対して相対回転自在である。なお回転筒225はギアブロック203(図1参照)に連結されている。したがってAFモータ131が回転すると、ギアブロック203を介して回転筒225が回転する。
【0022】
第1の支持筒221の内周面にはヘリコイド226が形成され、ヘリコイド226には、カム環227の外周面に形成されたヘリコイド228に噛合している。カム環227には係合ピン229が固定され、係合ピン229は回転筒225に形成された案内溝230に係合している。案内溝230は光軸Xに平行に、直線的に延びている。
【0023】
したがってAFモータ131あるいはマニュアル操作環224を回転させると、回転筒225が回転するので、係合ピン229が案内溝230の側面に押され、これによりカム環227が光軸周りに回転する。また、カム環227と第1の支持筒221がヘリコイド226、228を介して連結されているので、カム環227は光軸Xに沿って変位する。すなわちAFモータ131またはマニュアル操作環224の回転により、カム環227は光軸周りに回転しつつ、光軸に沿って変位する。
【0024】
第1のレンズ保持筒231は、交換レンズ200の略全長にわたって延びている。第1のレンズ保持筒231の内側には、第1 レンズ群の保持部232が形成され、保持部232には第1のレンズ群201が取付けられている。第1のレンズ保持筒231の後部の外周面には光軸Xに平行に延びる直進案内溝233が形成されている。一方、第2の支持筒222の後端には環状壁234が設けられ、環状壁234の内周縁に形成された突起235は、第1のレンズ保持筒231の直進案内溝233に係合している。したがって第1のレンズ保持筒231は、光軸周りに回転せず、光軸Xに沿って直線的に移動する。
【0025】
第1のレンズ保持筒231はカム環227の内側に挿入されている。カム環227は第1のレンズ保持筒231の外周面に摺接し、光軸周りに相対回転可能であり、また第1のレンズ保持筒231とカム環227は、光軸方向に一体的に移動する。したがってAFモータ131またはマニュアル操作環224を回転させると、カム環227が光軸周りに回転しつつ光軸Xに沿って移動し、また第1のレンズ群201が光軸方向に変位する。
【0026】
第1のレンズ保持筒231の内側には第2のレンズ保持筒236が設けられ、第2のレンズ保持筒236には、第2レンズ群202が取付けられている。また第2のレンズ保持筒236にはピン237が固定され、ピン237の外周面にはカムフォロア238が設けられている。一方カム環227に形成された周方向カム穴241と、第1のレンズ保持筒231に形成された軸方向カム穴242とは、重合しており、ピン237はこれらのカム穴241、242に係合している。周方向カム穴241はカム環227の円周方向に対して傾斜しており、軸方向カム穴242は光軸Xに平行に延びている。
【0027】
したがってAFモータ131またはマニュアル操作環221を回転させると、カム環227が回転しつつ光軸方向に移動することによって、第1のレンズ群201が光軸Xに沿って移動するのと同時に、カムフォロア238、第2のレンズ保持筒231および第2のレンズ群202も光軸Xに沿って変位する。これにより焦点調節が行なわれる。
【0028】
環状壁234には、レンズ群201、202の光軸方向の位置に関する信号を生成するためのコード板251が設けられている。コード板251は環状壁234と同様に光軸Xの周りに環状に延びており、その表面には、回転筒225に取付けられたブラシ252が摺接する。
【0029】
環状壁234の後側には、この交換レンズ200をカメラ本体100に取付けるためのマウント253が設けられている。マウント253には端子部材254が設けられ、端子部材254とコード板251はフレキシブルプリント配線板255によって接続されている。また、マウント253には接点ピン256が設けられ、接点ピン256は端子部材254に接触している。接点ピン256は、カメラ本体100のマウント(図示せず)に設けられた接点ピン(図示せず)に接触可能であり、これにより、交換レンズ200とカメラ本体100の間において通信が行なわれる。
【0030】
図3はコード板251と端子部材254とフレキシブルプリント配線板255を示す図である。コード板251の表面には4つの円周に沿って導電パターン261〜264が形成されている。最外周に形成され、約270度にわたって延びる導電パターン261はグランドに接続されている。その内側の導電パターン262は最下位ビットの信号に対応し、さらに内側の導電パターン263は2ビット目の信号に対応する。最も内側の導電パターン264は3ビット目の信号に対応する。
【0031】
ブラシ252が導電パターンに接触しているとき、その導電パターンに対応したビットの信号は「0」になり、接触していないとき、そのビットの信号は「1」になる。例えば符号Aで示す位置にブラシ252が位置しているとき、「010」の信号がコード板251によって生成される。
【0032】
コード板251には、レンズ制御回路204が取付けられている。レンズ制御回路204には、開放F値、最小F値、焦点距離等、レンズ100に固有の情報が格納されている。
【0033】
次の表1は、レンズ群201、202の現在位置に対応した距離情報Dv'と距離コードとの関係を示している。
(表1)
Figure 0004404416
【0034】
距離コードは、ブラシ252とコード板251の導電パターン261〜264(図3参照)とによって構成される距離スイッチ212(図1参照)のオンオフ状態によって表される。距離スイッチ212は第1〜第3のスイッチSW1、SW2、SW3から構成される。第1のスイッチSW1は最外周から2番目の導電パターン262とブラシ252によって、第2のスイッチSW2は最外周から3番目の導電パターン263とブラシ252によって、第3のスイッチSW3は最内周の導電パターン264とブラシ252によって構成される。導電パターン262〜264とブラシ252が接触しているとき、スイッチSW1、SW2、SW3はオン状態となって「0」の信号が発生し、接触していないときはオフ状態となって「1」の信号が発生する。第1のスイッチSW1は最下位ビットの信号、第2のスイッチSW2は2ビット目の信号、第3のスイッチSW3は3ビット目の信号に対応する。
【0035】
図4は、このカメラの動作を制御するメインルーチンのフローチャートである。メインルーチンはカメラ制御回路110によって実行され、メインスイッチ144(図1)をオン状態に定めることによって起動される。
【0036】
ステップS101ではシステムイニシャライズが実行され、このカメラの動作制御に関する種々のパラメータを初期値に定める等の初期化が行なわれる。ステップS102ではパワーダウン処理が実行され、バッテリの電力消費を抑えるために必要な処理が行なわれる。ステップS103では測光スイッチ143(図1)がオン状態に切換えられているか否かが判定される。測光スイッチ143がオン状態でないときステップS102へ戻るが、測光スイッチ143がオン状態であるときステップS104へ進み、カメラ本体100(図1)および交換レンズ200(図1)内の各回路等に電力が供給される。すなわち、測光スイッチ143がオン状態に切換えられたことによって、各回路が動作可能な状態となる。
【0037】
次に、ステップS105〜S117によって構成されるVDDループが実行される。ステップS105では、ループ時間を計測するためのタイマがスタートする。ループ時間は、AF(自動焦点調節)処理を継続すべき時間の長さであり、後述するステップS111においてチェックされる。
【0038】
ステップS106では各スイッチの切換え状態がチェックされる。ステップS107ではレンズ通信が行なわれ、交換レンズ200との間において所定のデータの送受信が行なわれる。ステップS108ではAE(自動露出)演算処理が行なわれ、シャッタスピード、絞り値等が求められる。ステップS109では表示処理が行なわれ、表示装置145によってシャッタスピード、絞り値等が表示される。
【0039】
ステップS110ではAF処理のサブルーチン(図6〜図8)が実行され、自動焦点調節が行なわれる。ステップS111では、ステップS105においてタイマがスタートしてからループ時間が経過したか否かが判定される。ループ時間が経過していないとき、ステップS110が再び実行される。これに対し、ループ時間が経過しているとき、ステップS112において測光スイッチ143がオン状態であるか否かが判定される。測光スイッチ143がオン状態を維持しているとき、ステップS118においてパワーホールドフラグが0にクリアされた後、ステップS105へ戻り、上述した処理が再び実行される。すなわち、ループ時間が経過するまではAF処理が継続的に実行されるが、ループ時間が経過すると、測光スイッチ143がオン状態であれば新たに測光をやり直し、シャッタスピードと絞り値が変更される。
【0040】
ステップS112において測光スイッチ143がオン状態ではないと判定されたとき、すなわちシャッタボタンが解放されたとき、ステップS113以下が実行される。
【0041】
ステップS113ではパワーホールドフラグが1であるか否かが判定される。パワーホールドフラグの初期値はステップS101において0に定められている。したがって、初めてステップS113が実行されるとき、ステップS114へ移り、パワーホールドタイマがスタートするとともに、ステップS115においてパワーホールドフラグが1に設定される。
【0042】
ステップS116ではパワーホールド時間が経過したか否か、すなわちステップS114においてパワーホールドタイマがスタートしてから一定時間が経過したか否かが判定される。初めてステップS116が実行されるとき、パワーホールド時間は経過していないので、ステップS105へ戻る。そしてステップS105〜S112が実行され、測光スイッチ143がオフ状態であるとき、ステップS112からステップS113へ移る。この場合、ステップS113ではパワーホールドフラグが1であると判定されるので、ステップS114、S115はスキップされ、ステップS116が実行される。このような処理の間にパワーホールド時間が経過すると、ステップS117においてパワーホールドフラグが0にリセットされた後、ステップS102へ戻る。
【0043】
このように、測光スイッチ143がオフ状態に切換えられてから一定時間が経過すると、パワーダウン処理が実行され、バッテリの電力消費が抑えられる。
【0044】
図5は、自動焦点調節動作においてレンズ群201、202が移動できる範囲すなわちフォーカス領域を示す図である。フォーカス領域は、無限遠端点(∞端)と遠側リミット位置と近側リミット位置と近距離端点(近端)とによって定義される。
【0045】
レンズ群201、202はフォーカシングレンズを構成し、交換レンズ200の軸方向長さによって定まる制限により、無限遠端点から近距離端点の間で移動可能である。遠側リミット位置と近側リミット位置は、後述するようにフォーカスリミットスイッチ147または211(図1)を操作することによって設定され、無限遠端点と近距離端点の間において任意の位置に設定可能である。図5に示される例において、遠側リミット位置は、無限遠端点からレンズ群201、202が移動を開始したときにエンコーダ133から出力されるパルス数が500である位置であり、この位置において、コード板251(図2、図3)を介して得られる距離情報Dv’は「4」である。また、近側リミット位置は、無限遠端点からレンズ群201、202が移動を開始したときにエンコーダ133から出力されるパルス数が1000である位置であり、この位置において距離情報Dv’は「1」である。なお無限遠端点はパルス数0に対応し、距離情報Dv’「7」に対応する。近距離端点はパルス数1500に対応し、距離情報Dv’「0」に対応する。すなわち、このパルス数は無限遠端点からの絶対位置情報である(以下、位置パルス数という)。位置パルス数と距離情報Dv’は、常時カメラ制御回路110によってモニタ(管理)されている。
【0046】
本実施形態は、自動焦点調節が開始されるときにおけるレンズ群201、202の位置(スタート位置)に応じて、レンズ群201、202が移動できる範囲が決定されるように構成されている。例えばレンズ群201、202のスタート位置が第1のフォーカス領域(a)内すなわち無限遠端点と遠側リミット位置の間にあるとき、レンズ群201、202は第1のフォーカス領域内のみにおいて移動する。同様に、レンズ群201、202は、スタート位置が第2のフォーカス領域(b)内すなわち遠側リミット位置と近側リミット位置の間にあるとき、第2のフォーカス領域内のみにおいて移動し、スタート位置が第3のフォーカス領域(c)内すなわち近側リミット位置と近距離端点の間にあるとき、第3のフォーカス領域内のみにおいて移動する。
【0047】
一方、スタート位置がちょうど遠側リミット位置にあるとき、被写体が無限遠端点側にあれば、レンズ群201、202は第1のフォーカス領域(a)内のみにおいて移動し、被写体が近距離端点側にあれば、レンズ群201、202は第2のフォーカス領域(b)内のみにおいて移動する。これに対し、スタート位置がちょうど近側リミット位置にあるとき、被写体が無限遠端点側にあれば、レンズ群201、202は第2のフォーカス領域(b)内のみにおいて移動し、被写体が近距離端点側にあれば、レンズ群201、202は第3のフォーカス領域(c)内のみにおいて移動する。
【0048】
次に、図6〜図8および図1を参照して、図4のステップS110において実行されるAF処理ルーチンについて説明する。
ステップS201では測光スイッチ143がオン状態であるか否かが判定される。AF処理ルーチンが実行されるとき、通常、測光スイッチ143はオン状態に定められているが、もしオフ状態であればステップS202が実行される。すなわち、このルーチンにおいて用いられる、AFロックフラグとAFNGフラグと駆動方向反転フラグとリミット初期化フラグがそれぞれ0にリセットされて、このルーチンは終了する。
【0049】
ステップS201において測光スイッチ143がオン状態であると判定されたとき、ステップS203が実行され、AFロックフラグが1であるか否かが判定される。AFロックフラグは、撮影レンズが合焦状態に定められたとき、ステップS210において1に設定されており、この場合、このルーチンは終了する。これに対してAFロックフラグが1でないとき、焦点調節動作を行なうべくステップS204以下が実行される。
【0050】
ステップS204では、図9および図10に示されるリミット入力チェック処理ルーチンが実行され、リミット位置の入力モード時、レンズ群201、202が初期位置として無限遠端点(∞端)に位置決めされる。ステップS205では、レンズ群201、202が移動を開始するときの位置(スタート位置)、すなわちコード板251(図2、図3)から得られた距離コード情報に対応する距離情報Dv’が、カメラ制御回路110のRAMに格納される。
【0051】
ステップS206では、焦点検出センサ300において電荷信号の蓄積(積分)が行なわれ、これにより生成されたビデオ信号が、カメラ制御回路110に入力される。そして、このビデオ信号に基いて、デフォーカス演算が行なわれ、レンズの駆動方向も含めてデフォーカス量が求められる。すなわちステップS206では測距動作が実行される。ステップS207では、ステップS206において行なわれた演算の結果が有効であるか否か、すなわち撮影レンズの合焦位置が求められたか否かが判定される。演算結果が有効であるとき、ステップS208以下が実行され、焦点調節動作が行なわれる。
【0052】
ステップS208では、ステップS206において演算により得られたデフォーカス量と所定の範囲とが比較される。ステップS209では、デフォーカス量が所定の範囲内であるか否かが判定され、所定の範囲内であるとき、レンズ群201、202は合焦位置にあると見做され、ステップS210においてAFロックフラグが1に定められる。ステップS211では、図9および図10に示されるリミット入力チェック処理ルーチンが実行される。すなわち、リミット位置の入力モード時、無限遠端点からのパルスの数とコード板251から得られる距離情報とが、そのときのレンズ群201、202の位置を示すデータとして、カメラ制御回路110のRAMに格納され、AF処理ルーチンは終了する。これに対してステップS209においてデフォーカス量が所定の範囲内にないと判定されたとき、ステップS221へ進む。
【0053】
ステップS221ではレンズ群201、202を移動させるギアブロック203のギアの回転方向が前回と逆方向であるか否かが判定される。前回と逆方向であるとき、ギアブロック203のギアが逆転するときに生じるバックラッシュ分の誤差を除去すべく、ステップS222、S223が実行される。ステップS222ではバックラッシュ計算が行なわれ、バックラッシュ量すなわちバックラッシュの除去に必要なギアの回転量が求められる。ステップS223では、ステップS222において求められたバックラッシュ量だけギアが回転駆動される。
【0054】
これに対し、ステップS221においてギアの回転方向が前回と同方向であると判定されたとき、ステップS224が実行され、AFNGフラグが1であるか否かが判定される。AFNGフラグは、焦点調節動作が正常に行なわれずにレンズ群201、202が移動可能な範囲の限界位置に達したとき、ステップS235において1に設定される。この場合、焦点調節動作は不可能であるので、このルーチンは直ちに終了する。これに対してAFNGフラグが0であるとき、ステップS222、S223はスキップされる。
【0055】
ステップS223またはS224の後、ステップS225では駆動パルス計算が行なわれる。すなわち、ステップS206において求められたデフォーカス量の分だけレンズ群201、202を移動させて合焦させるのに必要な駆動パルス数が求められる。ステップS226ではAFモータ131が駆動され、レンズ群(フォーカシングレンズ)201、202の駆動が開始する。
【0056】
ステップS227ではオーバーラップ積分が行なわれる。すなわち、レンズ群201、202が駆動されている間に、焦点検出センサ300において電荷信号の蓄積が行なわれ、これにより生成されたビデオ信号に基いて、ステップS204と同様にデフォーカス演算が行なわれ、デフォーカス量が求められる。ステップS228では、ステップS205と同様にして、ステップS227の演算結果が有効であるか否かが判定される。演算結果が有効であるとき、ステップS229において、ステップS225と同様に駆動パルス計算が行なわれるが、演算結果が有効でないときステップS229はスキップされる。この演算結果が有効ではない状況は、例えば被写体のコントラストが急になくなったときなどに生じる。
【0057】
次いでステップS230では、図12および図13に示されるフォーカスリミット処理ルーチンが実行されてフォーカスリミットチェックが行なわれる。すなわちレンズ群201、202が移動可能な範囲の限界位置(例えば遠側リミット位置)にあるか否かが判定される。レンズ群201、202が限界位置にあるとき、フォーカスリミットフラグが1に設定され、限界位置にないとき、フォーカスリミットフラグは0に設定される。フォーカスリミット処理ルーチンでは、さらに他の処理が行なわれ、これについては後述する。
【0058】
ステップS231では、フォーカスリミットフラグが1であるか否かが判定される。フォーカスリミットフラグが0であるとき、ステップS232において、レンズ群201、202が無限遠端点または近距離端点に位置しているか否かが判定される。この端点の検出はエンコーダ133からパルス信号が出力されているか否かを判定することによって行なわれ、パルス信号が出力されなくなったとき、レンズ群201、202は無限遠端点または近距離端点に位置していると見做される。
【0059】
ステップS231およびS232において、フォーカスリミットフラグが0であり、またレンズ群201、202が無限遠端点あるいは近距離端点にないと判定されたとき、ステップS233が実行され、レンズ群201、202の駆動が終了したか否かが判定される。これはステップS229において求められたパルス数分だけレンズ群201、202が駆動されたか否かを検出することによって行なわれる。レンズ群201、202の駆動が終了していないとき、ステップS227へ戻り、上述した処理が再び実行され、駆動が終了しているとき、このルーチンは終了する。
【0060】
ステップS231またはS232において、フォーカスリミットフラグが1であるか、あるいはレンズ群201、202が無限遠端点または近距離端点に位置している、と判定されたとき、ステップS234へ移り、AFモータ131の駆動を停止してレンズ群201、202の移動が停止される。ステップS235では、焦点調節動作が不可能であることを示すAFNGフラグが1に設定される。そしてステップS236ではリミット入力チェックルーチンが実行され、リミット位置の入力モード時、無限遠端点または近距離端点のときは無限遠端点からのパルス数(最小値または最大値)とコード板251から得られる距離情報とが、そのときのレンズ群201、202の位置を示すデータとして、カメラ制御回路110のRAMに格納され、このルーチンは終了する。
【0061】
一方ステップS207において演算結果が有効でないと判定された場合、ステップS241以下が実行され、レンズ群201、202が駆動されて、合焦位置が求められる。まずステップS241では、AFNGフラグが1であるか否かが判定される。AFNGフラグが1であるとき、このルーチンは終了するが、AFNGフラグが0であるとき、ステップS242においてレンズ駆動(サーチ駆動)が開始される。すなわち、レンズ群201、202が現在位置から近距離端点へ向って移動せしめられる。
【0062】
ステップS243ではサーチ積分が行なわれ、その内容はステップS227と同様である。すなわち、レンズ群201、202が駆動されている間に、焦点検出センサ300によってビデオ信号が生成され、ステップS206と同様にして、デフォーカス演算が行なわれてデフォーカス量が求められる。ステップS244では、ステップS243の演算結果が有効であるか否かが判定される。演算結果が有効であるとき、ステップS229へ移る。
【0063】
ステップS244において演算結果が有効でないと判定されたとき、ステップS245が実行され、ステップS230と同様にフォーカスリミットチェックが行なわれる。ステップS246においてフォーカスリミットフラグが1ではないと判定され、かつステップS247においてレンズ群201、202が端点に位置していないと判定されたときステップS243へ戻る。すなわちレンズ群201、202が移動可能な範囲にある限り、サーチ積分が繰り返し実行される。
【0064】
サーチ積分の間に、フォーカスリミットフラグが1であると判定されるか、またはレンズ群201、202が端点に達していると判定されたとき、ステップS248へ進み、駆動方向反転フラグが1であるか否かが判定される。駆動方向反転フラグは、レンズ群201、202の移動方向が反転されたとき1に設定される。初めてステップS248が実行されるとき、駆動方向反転フラグは0であるので、ステップS249が実行され、駆動方向反転フラグが1に設定されるとともに、ステップS250が実行されてレンズ群201、202の駆動方向が反転される。すなわち、レンズ群201、202は無限遠端点へ向って移動し始め、ステップS243が再び実行される。
【0065】
ステップS243〜S250から成るループが実行される間に、ステップS244において演算結果が有効であると判定されると、ステップS229へ移る。またステップS246またはS247からステップS248へ移った場合、駆動方向反転フラグは1であると判定されるので、ステップS234へ進み、レンズ駆動停止の処理が実行される。そして、ステップS235においてAFNGフラグが1に設定され、またステップS236においてリミット入力チェックルーチンが実行され、このルーチンは終了する。
【0066】
このようにサーチ駆動では、レンズ群201、202は移動可能な範囲内を1往復し、この間に合焦位置の検出が行なわれる。なおレンズ群(フォーカシングレンズ)201、202が移動可能な範囲については後述する。
【0067】
図9および図10は、図6のステップS204、S211および図8のステップS236において実行されるリミット入力チェック処理ルーチンのフローチャートである。
【0068】
ステップS301では、リミット入力モードが設定されているか否かが判定される。リミット入力モードが設定されていないとき、このルーチンは実質的に何も実行せずに終了する。リミット入力モードが設定されているとき、ステップS302以下が実行される。
【0069】
リミット入力モードはフォーカスリミットスイッチ147または211(図1)を操作することによって設定される。図11は、交換レンズ200に設けられるフォーカスリミットスイッチ211を示している。フォーカスリミットスイッチ211は、回動自在に設けられた回転操作部211aと、回転操作部211aの中心部に位置し、軸心方向に変位自在に設けられたリミット一時解除スイッチ211bとを備えている。交換レンズ200の表面には、レンズ群201、202の移動範囲を制限するフォーカスリミット許可モードを示すマークM1と、移動範囲の遠側リミット位置を入力する遠側入力モードを示すマークM2と、移動範囲の近側リミット位置を入力する近側入力モードを示すマークM3と、レンズ群201、202の移動範囲を制限しないフルモードを示すマークM4とが形成されている。回転操作部211aを回転させ、その表面に設けられた指標211cをマークM2またはM3に合わせることにより、リミット入力モードが設定される。なおリミット一時解除スイッチ211bを押下することによってフォーカスリミット許可モードが解除される。
【0070】
ステップS302ではレンズ通信が行なわれる。すなわち、カメラ制御回路110と交換レンズ200のレンズ制御回路204との間においてデータ通信が行なわれ、レンズ群201、202の現在の位置を示す距離コードが、コード板251とブラシ252を介してカメラ制御回路110に入力される。
【0071】
ステップS303では、AFロックフラグが1であるか否か、すなわち合焦状態が得られているか否かが判定される。AFロックフラグは、合焦状態が得られたとき、図6のステップS210において1に設定される。AFロックフラグが1であるとき、ステップS304以下が実行され、AFロックフラグが1でないとき、ステップS311以下が実行される。
【0072】
ステップS304では、遠側入力モードが設定されているか否かが判定される。遠側入力モードはフォーカスリミットスイッチの指標211cをマークM2に合わせることによって設定される。遠側入力モードが設定されているとき、ステップS305において、無限遠端点からのパルス数(現在のレンズ位置)、すなわちレンズ群201、201が無限遠端点から現在位置まで移動したときにエンコーダ133から出力されたパルス数が、遠側リミットパルス数としてカメラ制御回路110のRAMに格納される。すなわちAF動作が実行され、任意の被写体距離にフォーカシングレンズが合焦して、このときの撮影レンズ位置(パルス数)が遠距離側リミット位置としてメモリ(RAM)に格納される。次いでステップS306では、レンズ群201、202の現在の位置を示す距離情報Dv’が遠側リミット位置として、カメラ制御回路110のRAMに格納され、このルーチンは終了する。このように遠側リミット位置は、図6のステップS206の測距動作によって得られた被写体距離に基づいて決定される。
【0073】
これに対し、フォーカスリミットスイッチの指標211cがマークM3に合わせられることによって近側入力モードが設定されているとき、ステップS304からステップS307へ進み、無限遠端点からのパルス数が近側リミットパルス数としてカメラ制御回路110のRAMに格納される。すなわちAF動作が実行され、任意の被写体距離にてフォーカシングレンズが合焦状態に定められ、その際のレンズ位置(パルス数)を近距離側リミット位置としてメモリ(RAM)に格納される。次いでステップS308では、レンズ群201、202の現在の位置を示す距離情報Dv’が近側リミット位置として、カメラ制御回路110のRAMに格納され、このルーチンは終了する。すなわち近側リミット位置も遠側リミット位置と同様に、測距動作によって得られた被写体距離に基づいて決定される。
【0074】
ステップS303においてAFロックフラグが0であると判定されたとき、ステップS311が実行され、AFNGフラグが1であるか否かが判定される。AFNGフラグは焦点調節動作が順調に実行されなかったとき、図8のステップS235において1に設定される。
【0075】
ステップS311においてAFNGフラグが0であると判定されたとき、すなわち合焦状態は得られていないが、焦点調節動作が順調に行なわれているとき、ステップS311からステップS312へ進む。ステップS312では、リミット初期化フラグが1であるか否かが判定される。リミット初期化フラグは、測光スイッチ143がオフ状態であるとき図6のステップS202において0に定められる。リミット初期化フラグが1であるとき、このルーチンは終了するが、リミット初期化フラグが0であるとき、ステップS313、S314が実行される。ステップS313ではレンズ群201、202が無限遠端点へ移動せしめられ、ステップS314ではリミット初期化フラグが1に設定されて、このルーチンは終了する。すなわちレンズ群201、202は、リミット位置の入力モード時に最初に測光スイッチがオンしたときのみ、無限遠端点からのパルス数を初期化するために無限遠端点へ移動する。
【0076】
ステップS311においてAFNGフラグが1であると判定されたとき、すなわち合焦状態が得られておらず、かつ焦点調節動作が順調に行なわれなかったとき、ステップS311からステップS315へ進む。ステップS315では、遠側入力モードが設定されているか否かが判定される。
【0077】
遠側入力モードが設定されているとき、ステップS316においてレンズ群201、202が無限遠端点に位置しているか否かが判定される。レンズ群201、202が無限遠端点に位置していないとき、このルーチンは終了するが、無限遠端点に位置しているとき、ステップS317において、遠側リミットパルス数として(0)がカメラ制御回路110のRAMに格納される。次いでステップS318では、レンズ群201、202の無限遠位置を示す距離情報Dv’が、カメラ制御回路110のRAMに格納され、このルーチンは終了する。
【0078】
これに対し、ステップS315において近側入力モードが設定されていると判定されたとき、ステップS319が実行され、レンズ群201、202が近距離端点に位置しているか否かが判定される。レンズ群201、202が近距離端点に位置していないとき、このルーチンは終了するが、近距離端点に位置しているとき、近側リミットパルス数として16進数の最大値(FFFFh)がカメラ制御回路110のRAMに格納される。次いでステップS321では、レンズ群201、202の近距離位置を示す距離情報Dv’が、カメラ制御回路110のRAMに格納され、このルーチンは終了する。
【0079】
したがって、図6のステップS204においてリミット入力チェックルーチンが実行されるとき、ステップS301〜S303、S311〜S314が実行される。ステップS211においてリミット入力チェックルーチンが実行されるとき、ステップS301〜S304が実行された後、ステップS305、S306またはS307、S308が実行される。ステップS236においてリミット入力チェックルーチンが実行されるとき、ステップS301〜S303、ステップS311、S315の順に実行され、条件に応じてステップS316〜S318またはS319〜S321が実行される。
【0080】
図12および図13は、図7のステップS230および図8のステップS245において実行されるフォーカスリミットチェック処理ルーチンのフローチャートである。図5〜図8、図12および図13を参照してフォーカスリミット処理を説明する。
【0081】
ステップS401では、フォーカスリミットフラグが0に設定される。ステップS402ではレンズ群201、202が駆動中であるか否かが判定される。レンズ群201、202が駆動中ではないとき、すなわち静止しているとき、このルーチンは直ちに終了する。これに対し、レンズ群201、202が駆動中であるとき、ステップS403以下が実行される。
【0082】
ステップS403ではレンズ通信が行なわれる。すなわちカメラ制御回路110と交換レンズ200のレンズ制御回路204との間においてデータ通信が行なわれ、レンズ群201、202の現在の位置を示す距離コードが、コード板251とブラシ252を介してカメラ制御回路110に入力され、距離情報(Dv’)に変換されてメモリに格納される。またフォーカスリミットスイッチ211を操作することによって設定されたフォーカスリミット許可モードを示す指令信号等がカメラ制御回路110に入力される。
【0083】
ステップS404では、フォーカスリミット許可モードが設定されているか否かが判定される。フォーカスリミット許可モードが設定されていないとき、このルーチンは直ちに終了する。
【0084】
したがって図7のステップS231では、フォーカスリミットフラグが0であると判定されてステップS232へ進む。すなわち、レンズ群201、202が無限遠端点または近距離端点に位置していればステップS234〜S236が実行され、無限遠端点または近距離端点に位置していなければステップS233が実行される。ステップS233においてレンズ群201、202の駆動が終了していないと判定されたとき、ステップS227へ戻り、焦点調節動作が継続される。このように、フォーカスリミット許可モードが設定されていないとき、ステップS231からステップS232へ進むため、レンズ群201、202は無限遠端点と近距離端点の間において移動可能となり、フォーカス領域を越えて移動することが可能となる。
【0085】
なお、図8のステップS246においてフォーカスリミットフラグが0であると判定されてステップS247へ進む点は、ステップS231の場合と同様であり、以下の説明では、ステップS246における動作は省略する。
【0086】
これに対し、ステップS404においてフォーカスリミット許可モードが設定されていると判定されたとき、ステップS405が実行される。すなわちリミット一時解除スイッチ211bがオン状態であるか否かが判定され、リミット一時解除スイッチ211bがオン状態であるとき、フォーカスリミット処理ルーチンは終了する。
【0087】
したがってこの場合、図7のステップS231では、フォーカスリミットフラグが0であると判定されてステップS232へ進み、ステップS404においてフォーカスリミット許可モードが設定されていないと判定されたときと同様の処理が行なわれる。
【0088】
さて、ステップS405においてリミット一時解除スイッチ211bがオフ状態であると判定されたとき、ステップS406以下が実行され、レンズ群201、202の移動範囲を制限するフォーカスリミット処理が行なわれる。
【0089】
ステップS406では、レンズ群201、202が移動を開始するときの位置(スタート位置)、すなわちコード板251(図2、図3)を介して得られた距離情報が遠側リミット位置よりも遠距離端点側であるか否かが判定される。スタート位置が遠側リミット位置よりも遠距離端点側であるとき、ステップS407へ進み、スタート位置が遠側リミット位置ではないとき、ステップS412へ進む。なおこのフォーカスリミット処理ルーチンは、図5に示す距離情報Dv’の値(すなわちコード板による位置情報の値で、無限遠端点で7、近距離端点で0)に基づいて処理が行なわれる。
【0090】
ステップS407〜S411では、レンズ群201、202が第1のフォーカス領域(a)に位置しているときの処理が行なわれる。ステップS407ではレンズ群201、202が遠距離端点から近距離端点へ向かう方向(矢印A1)へ駆動されているか否かが判定される。レンズ群201、202が近距離端点から遠距離端点へ向かう方向(矢印A2)へ駆動されているとき、このルーチンは終了する。したがって図7のステップS231では、フォーカスリミットフラグが0であると判定され、ステップS232へ進む。
【0091】
これに対し、ステップS407においてレンズ群201、202が遠距離端点から近距離端点へ向かう方向(矢印A1)へ駆動されていると判定されたとき、ステップS408が実行され、無限遠端点から計数された位置パルス数が遠側リミットパルス数(500)以上であるか否かが判定される。無限遠端点からのパルス数が遠側リミットパルス数よりも小さいとき、すなわちレンズ群201、202がフォーカス領域(a)内にあるとき、このルーチンは終了する。
【0092】
したがって図7のステップS231では、フォーカスリミットフラグが0であると判定されてステップS232へ進み、前述と同様に、レンズ群201、202が無限遠端点または近距離端点に位置しておらず、かつレンズ群201、202の駆動が終了していなければ、ステップS227〜ステップS233から成るループが実行され、焦点調節動作が継続される。このループの実行の間に、ステップS233において、レンズ群201、202がステップS229において計算された分だけ移動したと判定されるとAF処理ルーチンは終了する。
【0093】
一方、ステップS408において無限遠端点からの位置パルス数が遠側リミットパルス数以上であると判定されたとき、レンズ群201、202は遠側リミット位置を越えて第2のフォーカス領域(b)に進入した可能性がある。したがってステップS409では、コード板251から得られた距離情報(Dv’)が遠側リミット位置(4)以下であるか否かが判定され、距離情報が遠側リミット位置以下であれば、すなわち距離情報が第2のフォーカス領域(b)端に達していると判断されて、ステップS411においてフォーカスリミットフラグが1に設定され、このルーチンは終了する。
【0094】
したがって図7のステップS231では、フォーカスリミットフラグが1であると判定されるので、図8のステップS234へ進み、レンズ群(フォーカシングレンズ)201、202は強制的に停止せしめられる。
【0095】
これに対し、ステップS409において距離情報が遠側リミット位置よりも大きいと判定されたとき、すなわち無限遠端点からのパルス数が第2のフォーカス領域(b)を示しているが、距離情報が第1のフォーカス領域(a)を示しているとき、パルス数に誤差が累積されていると見做され、ステップS410では、無限遠端点からのパルス数(例えば550)が遠側リミットパルス数(500)に修正されてこのルーチンは終了する。この結果、フォーカスリミットフラグは0を維持するので、レンズ群201、202はさらに遠側リミット位置まで移動可能となる。
【0096】
ステップS406においてスタート位置が遠側リミット位置よりも遠距離端点側ではないと判定されたとき、ステップS412へ進み、スタート位置が近側リミット位置よりも遠距離端点側であるか否かが判定される。スタート位置が遠距離端点側でないとき(領域C内)ステップS421へ進み、スタート位置が遠距離端点側であるとき、すなわちスタート位置が遠側リミット位置と近側リミット位置の間にあるとき(領域B内)、ステップS425へ進む。
【0097】
ステップS421〜S423では、レンズ群201、202が第1のフォーカス領域(c)に位置しているときの処理が行なわれる。ステップS421ではレンズ群201、202が遠距離端点から近距離端点へ向かう方向(矢印A3)へ駆動されているか否かが判定される。レンズ群201、202が遠距離端点から近距離端点へ向かう方向(矢印A3)へ駆動されているとき、このルーチンは終了する。したがって図7のステップS231では、フォーカスリミットフラグが0であると判定されてステップS232へ進み、ステップS227〜S233から成るループが実行される。
【0098】
これに対し、ステップS421においてレンズ群201、202が近距離端点から遠距離端点へ向かう方向(矢印A4)へ駆動されていると判定されたとき、ステップS422が実行され、無限遠端点から計数されたパルス数が近側リミットパルス数(1000)以下であるか否かが判定される。無限遠端点からのパルス数が近側リミットパルス数よりも大きいとき、すなわちレンズ群201、202がフォーカス領域(c)内にあるとき、このルーチンは終了する。したがって図7のステップS231では、フォーカスリミットフラグが0であると判定されてステップS232へ進み、ステップS227〜S233から成るループが実行される。
【0099】
一方、ステップS422において無限遠端点からのパルス数が近側リミットパルス数以下であると判定されたとき、レンズ群201、202は近側リミット位置を越えて第2のフォーカス領域(b)に進入した可能性がある。したがってステップS423では、コード板251から得られた距離情報(Dv’)が近側リミット位置(1)以上であるか否かが判定され、距離情報が近側リミット位置以上であれば、すなわち距離情報が第2のフォーカス領域(b)に一致していれば、レンズ群201、202は第2のフォーカス領域(b)内にあると判断される。そしてステップS411においてフォーカスリミットフラグが1に設定され、このルーチンは終了する。
【0100】
したがって図7のステップS231では、フォーカスリミットフラグが1であると判定されるので、図8のステップS234へ進み、レンズ群201、202は停止せしめられる。
【0101】
これに対し、ステップS423において距離情報が近側リミット位置よりも小さいと判定されたとき、すなわち無限遠端点からのパルス数が第2のフォーカス領域(b)を示しているが、距離情報が第3のフォーカス領域(c)を示しているとき、パルス数に誤差が累積されていると見做され、ステップS424では、無限遠端点からのパルス数(例えば950)が近側リミットパルス数(1000)に置き換えられてこのルーチンは終了する。この結果、フォーカスリミットフラグは0に維持されるので、レンズ群201、202はさらに近側リミット位置まで移動可能となる。
【0102】
ステップS412においてスタート位置が近側リミット位置よりも遠距離端点側であると判定されたとき、すなわちスタート位置が第2のフォーカス領域(b)内であると判定されたとき、ステップS425へ進む。ステップS425では、レンズ群201、202が無限遠端点から近距離端点へ向かう方向(矢印A5方向)へ移動しているか否かが判定される。
【0103】
レンズ群201、202が矢印A5方向へ移動しているとき、ステップS426において、スタート位置が近側リミット位置であるか否かが判定される。スタート位置が近側リミット位置であると判定されたとき、このルーチンは終了する。
【0104】
したがって図7のステップS231では、フォーカスリミットフラグが0であると判定されてステップS232へ進み、ステップS227〜S233から成るループが実行される。すなわちこの場合、レンズ群201、202が矢印A5方向に移動しているので被写体が近距離端点側にあり、またスタート位置は近側リミット位置であるため、レンズ群201、202は第3のフォーカス領域(c)内において焦点調節動作を行なう。
【0105】
ステップS426においてスタート位置が近側リミット位置でないと判定されたとき、すなわちスタート位置が遠側リミット位置または第2のフォーカス領域(b)内であると判定されたとき、ステップS427において無限遠端点からのパルス数が近側リミットパルス数(1000)以上であるか否かが判定される。無限遠端点からのパルス数が近側リミットパルス数よりも小さいとき、このルーチンは終了する。したがって図7のステップS231では、フォーカスリミットフラグが0であると判定されてステップS232へ進み、ステップS227〜S233から成るループが実行される。
【0106】
この実行の間にレンズ群201、202が近側リミット位置に達すると、フォーカスリミット処理ルーチンではステップS426、S427、S428の順に実行され、距離情報(Dv’)が近側リミット位置(1)に達していれば、ステップS411においてフォーカスリミットフラグが1に設定されて終了する。したがってA処理ルーチンでは、ステップS231からステップS234へ進む。すなわちこの場合、レンズ群201、202は第2のフォーカス領域(b)内において焦点調節動作を行なう。
【0107】
ステップS427において無限遠端点からのパルス数が近側リミットパルス数以上であると判定されたとき、レンズ群201、202は近側リミット位置を越えて第3のフォーカス領域(c)に進入した可能性がある。この場合ステップS428において、コード板251から得られた距離情報(Dv’)が近側リミット位置(1)以下であると判定されれば、レンズ群201、202は第3のフォーカス領域(c)内にあると判断され、ステップS411においてフォーカスリミットフラグが1に設定されて、このルーチンは終了する。
【0108】
したがって図7のステップS231では、フォーカスリミットフラグが1であると判定されるので、図8のステップS234へ進み、レンズ群201、202は停止せしめられる。
【0109】
これに対し、ステップS428において距離情報が近側リミット位置よりも大きいと判定されたとき、すなわち無限遠端点からのパルス数が第3のフォーカス領域(c)を示しているが、距離情報が第2のフォーカス領域(b)を示しているとき、パルス数に誤差が累積されていると見做され、ステップS424において、無限遠端点からのパルス数(例えば1050)が近側リミットパルス数(1000)に置き換えられてこのルーチンは終了する。この結果、フォーカスリミットフラグは0に維持されるので、レンズ群201、202はさらに近側リミット位置まで移動可能となる。
【0110】
一方、ステップS425においてレンズ群201、202が近距離端点から無限遠端点へ向かう方向(矢印A6方向)へ移動していると判定されたとき、ステップS414が実行され、スタート位置が遠側リミット位置であるか否かが判定される。スタート位置が遠側リミット位置であるとき、このルーチンは終了する。
【0111】
したがって図7のステップS231では、フォーカスリミットフラグが0であると判定され、ステップS232へ進み、ステップS227〜S233から成るループが実行される。すなわちこの場合、レンズ群201、202が矢印A6方向に移動しているので被写体は無限遠端点側にあり、またスタート位置は遠側リミット位置であるため、レンズ群201、202は第1のフォーカス領域(a)において焦点調節動作を行なう。
【0112】
ステップS414においてスタート位置が遠側リミット位置でないと判定されたとき、すなわちスタート位置が近側リミット位置または第2のフォーカス領域(b)内であると判定されたとき、ステップS415において無限遠端点からのパルス数が遠側リミットパルス数(500)以下であるか否かが判定される。無限遠端点からのパルス数が遠側リミットパルス数よりも大きいとき、すなわちレンズ群201、202がフォーカス領域(b)内にあるとき、このルーチンは終了する。したがって図7のステップS231では、フォーカスリミットフラグが0であると判定されてステップS232へ進む。
【0113】
これに対し、ステップS415において無限遠端点からのパルス数が遠側リミットパルス数以下であると判定されたとき、レンズ群201、202は遠側リミット位置を越えて第1のフォーカス領域(a)に進入した可能性がある。この場合ステップS416が実行され、コード板251から得られた距離情報(Dv’)が遠側リミット位置(4)以上であるか否かが判定される。距離情報が遠側リミット位置以上であれば、レンズ群201、202は第1のフォーカス領域(a)内にあると判断され、ステップS411においてフォーカスリミットフラグが1に設定されて、このルーチンは終了する。
【0114】
したがって図7のステップS231では、フォーカスリミットフラグが1であると判定されるので、図8のステップS234へ進み、レンズ群201、202は停止せしめられる。
【0115】
レンズ群201、202のスタート位置が近側リミット位置または第2のフォーカス領域(b)内にあって、被写体が遠距離端点側にあるとき、レンズ群201、202が第2のフォーカス領域(b)内にある間、フォーカスリミット処理ルーチンはステップS425、S414、S415の順に実行されて終了する。したがってAF処理ルーチンではステップS227〜S233から成るループが実行される。
【0116】
この実行の間にレンズ群201、202が遠側リミット位置に達すると、フォーカスリミット処理ルーチンではステップS425、S414、S415、S416の順に実行され、距離情報が遠側リミット位置(4)以上であれば、ステップS411においてフォーカスリミットフラグが1に設定されて終了する。したがってAF処理ルーチンでは、ステップS231からステップS234へ進む。すなわちこの場合、レンズ群201、202は第2のフォーカス領域(b)内において焦点調節動作を行なう。
【0117】
ステップS415において距離情報が近側リミット位置よりも小さいと判定されたとき、すなわち無限遠端点からのパルス数が第1のフォーカス領域(a)を示しているが、距離情報が第2のフォーカス領域(b)を示しているとき、パルス数に誤差が累積されていると見做され、ステップS410が実行されて無限遠端点からのパルス数(例えば450)が遠側リミットパルス数(500)に置き換えられてこのルーチンは終了する。この結果、レンズ群201、202はさらに遠側リミット位置まで移動可能となる。
【0118】
さて、ステップS411においてフォーカスリミットフラグが1に設定され、レンズ群201、202が停止し、ANFGフラグが1にセットされる(図8のステップS235)。したがって、測光スイッチがオン状態を維持していると、AF処理ルーチンはステップS201、S203〜S209、S221、S224の順に実行されて終了し、リミット入力処理ルーチンはステップS301〜S303、S311、S315、S319の順に実行されて終了する。また図4のメインルーチンでは、ステップS105〜S112から成るループが繰り返し実行され、レンズ群201、202は停止状態を維持する。ここで測光スイッチがオフされると、図6のステップS202においてAFNGフラグが0にクリアされ、次いで測光スイッチがオンされると、AF処理ルーチンでは、再びステップS204以降の処理が実行されてレンズ群201、202の駆動制御が行なわれる。この状態で、次にレンズ群201、202の駆動が開始されると、そのときレンズ群201、202は遠側リミット位置と近側リミット位置のいずれかに位置しているので、これらの位置とレンズ駆動方向に基づいて、レンズ群201、202が移動するフォーカス領域が決定される。
【0119】
例えば、レンズ群201、202が第1のフォーカス領域(a)にあり、被写体がカメラ側へ接近している場合を想定する。レンズ群201、202は遠側リミット位置側に移動し、遠側リミット位置において停止するので、ステップS401〜S409、S411が実行されてフォーカスリミットフラグは1に設定される。ここで使用者が測光スイッチを一度オフして再びオンすると、AF処理ルーチンのステップS202においてAFNGフラグが0にクリアされた後、AF処理ルーチンの次の処理において、ステップ241からステップ242へ進み、ステップS230においてフォーカスリミットチェック処理ルーチンが実行される。すなわち、フォーカスリミットフラグが0にクリアされ、再びフォーカスリミットチェック処理ルーチンが実行されると、ステップS401〜S406、S412、S425〜S427が実行されて終了する。したがって、フォーカスリミットフラグは0のままである。
【0120】
その後、再びフォーカスリミット処理ルーチンが実行されると、ステップS401〜S406、S412、S425〜S427の順に実行され、レンズ群201、202は第2のフォーカス領域(b)内で駆動される。そしてレンズ群201、202は、近側リミット位置に達してフォーカスリミットフラグが1に設定されない限り(この場合、ステップS427、S428、S411の順に実行される)、第2のフォーカス領域(b)内で駆動される。
【0121】
このように、レンズ群201、202が遠側リミット位置と近側リミット位置のいずれかに停止した状態で測光スイッチを一度オフして再びオンすると、レンズ群201、202が駆動されるフォーカス領域は、それまで駆動されていた領域に隣接する領域に変更される。すなわち、第2のフォーカス領域(b)内で駆動されていた場合、レンズ群201、202が無限遠端点の方向に移動しているときには第1のフォーカス領域(a)に変更され、近距離端点の方向に移動しているときには第3のフォーカス領域(c)に変更される。また、レンズ駆動中にリミット一時解除スイッチ221bが押されている間、レンズ群201、202は全領域で駆動可能になる。
【0122】
すなわち使用者は、AF動作によりフォーカシングレンズが合焦する方向に移動している際に、予め設定しておいたリミット位置に達してレンズが停止した場合であっても、一旦測光スイッチをオフした後、再びオンすることにより、フォーカシングレンズのフォーカス領域をその移動方向に応じて、隣接したフォーカス領域に容易に移動させることができる。これにより、被写体が設定されたフォーカス領域外の撮影範囲にあったとしても、測光スイッチの簡単な操作により、被写体の距離に対応して、適切なフォーカス領域に迅速に切換えることができ、シャッターチャンスを逃すことなく撮影が可能となる。
【0123】
なお測光スイッチの替わりに、例えばAF動作開始用スイッチを設けて、このスイッチによりフォーカス領域の切替を行なわせるように構成してもよい。これに対して測光スイッチは、そのオン動作により測光動作とAF動作の実行が開始されるように設計されていることが多く、カメラ使用時に最も頻繁に操作される部材である。すなわち本実施形態は、測光スイッチの操作に関連させて、フォーカス領域を切り換えるように構成されており、AF動作開始用スイッチ等の特別な操作部材を設ける必要はなく、また迅速に操作することができる。
【0124】
以上のように本実施形態によれば、フォーカスリミットの範囲を任意に設定することができ、状況に応じてリミット範囲を切換えることができる。
【0125】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、フォーカシングレンズ群の移動範囲を、任意に設定でき、しかもフォーカシングレンズ群の移動範囲を容易に変更することができるので、操作性のよいレンズ移動制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である自動焦点調節装置を備えたカメラの電気的な構成をブロック図である。
【図2】交換レンズの構成を示す断面図である。
【図3】コード板と端子部材とフレキシブルプリント配線板を示す平面図である。
【図4】カメラの動作を制御するメインルーチンのフローチャートである。
【図5】自動焦点調節動作においてレンズ群が移動できるフォーカス領域を示す図である。
【図6】AF処理ルーチンのフローチャートである。
【図7】AF処理ルーチンのフローチャートである。
【図8】AF処理ルーチンのフローチャートである。
【図9】リミット入力チェック処理ルーチンのフローチャートである。
【図10】リミット入力チェック処理ルーチンのフローチャートである。
【図11】交換レンズに設けられるフォーカスリミットスイッチを示す平面図である。
【図12】フォーカスリミット処理ルーチンのフローチャートである。
【図13】フォーカスリミット処理ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
100 カメラ本体
140、211b フォーカスリミット一時解除スイッチ
200 交換レンズ
201、202 レンズ群

Claims (8)

  1. 被写体像に基づいてデフォーカス量を求めるデフォーカス演算手段と、
    前記デフォーカス量に従って、撮影レンズのフォーカシングレンズ群を光軸に沿って移動させるレンズ移動手段と、
    前記フォーカシングレンズ群の位置を検知する位置検知手段と、
    前記フォーカシングレンズ群が移動可能な範囲である複数のフォーカス領域を設定するフォーカス領域設定手段とを備え
    前記レンズ移動手段は、前記フォーカシングレンズ群が移動を開始するときの位置に応じて、前記複数のフォーカス領域から選択された1つのフォーカス領域内において前記フォーカスレンズ群を移動させることを特徴とする自動焦点調節装置。
  2. 前記フォーカス領域設定手段が、測距動作によって得られた被写体距離を用いて前記フォーカス領域を設定することを特徴とする請求項1に記載の自動焦点調節装置。
  3. 前記フォーカシングレンズ群が移動を開始するときの位置が前記複数のフォーカス領域を定義する境界位置に一致しているとき、前記レンズ移動手段は、前記被写体までの距離に応じて前記複数のフォーカス領域から1つを選択することを特徴とする請求項1に記載の自動焦点調節装置。
  4. 前記フォーカス領域設定手段が、前記フォーカシングレンズ群の移動量に応じて生成されるパルス数と距離コードに基づいて、前記フォーカス領域を設定することを特徴とする請求項1に記載の自動焦点調節装置。
  5. 前記フォーカス領域設定手段が、前記パルス数と距離コードが一致しなくなったとき、前記パルス数を修正することを特徴とする請求項4に記載の自動焦点調節装置。
  6. 前記フォーカス領域設定手段が、前記フォーカシングレンズ群が前記フォーカス領域を越えて移動することを許可するフォーカス領域解除手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動焦点調節装置。
  7. 前記フォーカス領域設定手段が測光スイッチを有し、前記測光スイッチがオン状態である間に前記フォーカシングレンズ群が1つのフォーカス領域内を移動し、前記フォーカス領域の端点に達した状態で前記測光スイッチがオフ状態に切換えられた後にオン状態に切換えられることにより、前記フォーカシングレンズ群が前記1つのフォーカス領域に隣接したフォーカス領域に移動することを特徴とする請求項1に記載の自動焦点調節装置。
  8. 被写体像に基づいてデフォーカス量を求めるデフォーカス演算手段と、
    前記デフォーカス量に従って、撮影レンズのフォーカシングレンズ群を光軸に沿って移動させるレンズ移動手段と、
    前記フォーカシングレンズ群の位置を検知する位置検知手段と、
    前記フォーカシングレンズ群が移動可能な範囲の端点である無限遠端点と近距離端点の間を、相対的に無限遠端点に近い第1のリミット位置と相対的に近距離端点に近い第2のリミット位置とによって分割することにより、前記無限遠端点と第1のリミット位置の間である第1のフォーカス領域と、前記第1および第2のリミット位置の間である第2のフォーカス領域と、前記第2のリミット位置と近距離端点の間である第3のフォーカス領域とを定義するフォーカス領域設定手段とを備え
    前記レンズ移動手段は、前記フォーカシングレンズ群が移動を開始するときの位置に応じて、前記第1、第2および第3のフォーカス領域から選択された1つのフォーカス領域内において前記フォーカスレンズ群を移動させることを特徴とする自動焦点調節装置。
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