JP4403727B2 - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法およびプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
ある画像出力装置向けに作成された画像データを再利用する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、製版工程においては、デジタル化された印刷原稿のデータを使用し,印刷用の刷版をデジタル製版装置により直接作製する、CTP(ComputerTo Plate)と呼ばれる方法が採られている。CTPにより印刷用の刷版を作成する場合、例えばPostScriptなどのページ記述言語で記述された多値画像データを、RIP(Raster Image Processing)処理により網点成分を有する2値画像データに変換し、この2値画像データから刷版を作成する。従来、CTPにより刷版を作成した場合、原稿の校正を行う際には、RIP処理により生成された2値画像データを、DDCP(Direct Digital Color Proof)と呼ばれる色校正システムに出力することにより、校正刷りを得ることが一般的であった。これに対して、近年、RIP処理により生成された2値画像データをカラープリンタに出力することにより、DDCPのような高額な機器を用いることなく、校正刷りを得る方法・装置も提案されている。
【0003】
ところで、RIP処理により生成される2値画像データには、その2値画像データに応じた画像を出力させる画像出力装置に固有な情報(例えば、網点成分など)が含まれている。このため、原稿を複数種の画像出力装置に出力させる必要がある場合には、その画像出力装置毎にRIP処理を行って2値画像データを生成する必要がある。一般にRIP処理には長い処理時間を要するため、画像出力装置毎にRIP処理を行わねばならないことは、甚だ不便である。このような不便さを解消するために、RIP処理によって生成された2値画像データをデータベースなどに記憶させておき、再利用することが提案されている。また、このようにデータベースに格納されている2値画像データを再利用する際に、テキストの追加や他の画像との合成などの編集処理を加えることができるようにすることも提案されている。このような技術の一例としては、特許文献1に開示されている技術が挙げられる。特許文献1に開示されている技術では、線画などの2値画像と写真などの多値画像とを合成して合成画像を生成する画像処理装置に、高解像度の2値画像データを記憶させておくとともに、この2値画像データと合成する低解像度の多値画像データを記憶させておく。そして、この画像処理装置は、合成画像内の領域毎に上記2値画像データと上記多値画像データとのどちらを割り当てるかをユーザに選択させ、その選択結果に基づいて合成画像を生成する。これにより、2値画像と多値画像のいずれの画像品質も劣化させることなく、容易に合成処理を行うことが可能になり利便性が向上する。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−75852号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、ユーザは合成画像内の各領域について2値画像データと多値画像データとのどちら一方のみを排他的に選択することしかできない。このため、ある領域について、多値画像データで表される画像に2値画像データに透過処理を施して得られる画像を重ね合わせるような合成処理を行うことはできない。つまり、特許文献1に開示されている技術では、柔軟な編集処理を行うことができないといった問題点がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、ある画像に対応する2値画像データに対して編集処理を行う際の利便性を維持しつつ、柔軟な編集処理を行うことを可能にする技術を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、画像を一意に識別する識別子に対応付けて、複数の各画像に対応する予め生成された画像データとして多値画像データおよび2値画像データを記憶している記憶装置に記憶された該多値画像データに対して、ユーザにより為された処理の内容を表す処理内容データと、前記記憶装置において該多値画像データに対応付けられた前記識別子とを内包したジョブリクエストを、通信網経由で受信する受信手段と、前記受信手段により受信されたジョブリクエストに内包されている前記識別子に対応付けられた2値画像データを、前記記憶装置から取得する取得手段と、前記受信手段により受信されたジョブリクエストに内包されている処理内容データに基づいて、前記取得手段により取得された2値画像データに対して施すべき処理の内容を特定し、特定した処理を該2値画像データへ施す処理実行手段とを有する画像処理装置を提供する。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明は、クライアント装置が、複数の各画像に対応する予め生成された画像データとして多値画像データおよび2値画像データを記憶している記憶装置から該多値画像データを通信網経由で取得する第1のステップと、前記クライアント装置が、前記第1のステップにて取得した多値画像データに対してユーザにより為された処理の内容を表す処理内容データと、前記記憶装置において該多値画像データに対応付けられた前記識別子とを内包したジョブリクエストを生成し前記通信網経由で画像処理装置へ送信する第2のステップと、前記画像処理装置が、前記クライアント装置から受信したジョブリクエストに内包されている識別子に対応付けて前記記憶装置に記憶されている2値画像データを、前記記憶装置から取得するとともに、該ジョブリクエストに内包されている処理内容データに基づいて、該2値画像データに対して施すべき処理の内容を特定する第3のステップと、前記画像処理装置が、前記第3のステップにて取得した2値画像データに対して前記第3のステップにて特定した内容の処理を施す第4のステップを有する画像処理方法を提供する。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明は、コンピュータに、画像を一意に識別する識別子に対応付けて、複数の各画像に対応する予め生成された画像データとして多値画像データおよび2値画像データを記憶している記憶装置に記憶された該多値画像データに対して、ユーザにより為された処理の内容を表す処理内容データと、前記記憶装置において該多値画像データに対応付けられた前記識別子とを内包したジョブリクエストを、通信網経由で受信する受信機能と、前記受信機能により受信されたジョブリクエストに内包されている前記識別子に対応付けられた2値画像データを、前記記憶装置から取得する取得機能と、前記受信機能により受信されたジョブリクエストに内包されている処理内容データに基づいて、前記取得機能により取得された2値画像データに対して施すべき処理の内容を特定し、特定した処理を該2値画像データへ施す処理実行機能とを実現させるためのプログラムを提供する。
【0010】
このような画像処理装置、画像処理方法およびプログラムによれば、ある多値画像データに対してクライアント装置においてユーザにより為された処理に基づいて、該多値画像データに対応付けて上記記憶装置に記憶されている2値画像データに対して施すべき処理の内容が上記画像処理装置によって特定され、該2値画像データに対してその処理が施される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0012】
(A:第1実施形態)
(1:画像処理システムの構成)
図1は本発明に係る画像処理方法を行う画像処理システムの第1の実施形態を示す図である。通信網10は、例えばLAN(Local Area Network)であり、当該通信網10に接続されている装置間のデータ授受を仲介するためのものである。図1に示されるように、この通信網10には、データベース(以下、「DB」と表記する)サーバ装置20とクライアント装置30と画像処理装置40とプリンタ50とが接続されている。また、画像処理装置40には、前述したCTP60とDDCP70とが接続されている。さらに、CTP60には、このCTP60から引渡された2値画像データに対応する画像を出力する印刷機80が接続されている。
【0013】
DBサーバ装置20は、一般的なコンピュータ装置と同一のハードウェア構成を有するものであり、図2に示す画像DBを備えている。図2に示されるように、画像DBには、ある画像を一意に識別する識別子(以下、「画像識別子」)に対応付けて、その画像に対応する多値画像データおよび2値画像データを格納している。そして、このDBサーバ装置20は、例えば、上記画像識別子を含んだ送信要求をクライアント装置30から受け取った場合に、その画像識別子に対応付けて画像DBに格納されている多値画像データをそのクライアント装置30へ送信することができる。また、DBサーバ装置20は、画像DBに格納されている上記2値画像データを画像処理装置40からの要求に応じてその画像処理装置40へ送信することや、画像処理装置40からの要求に応じて、画像DBに格納されている2値画像データを上書きすることもできる。
【0014】
クライアント装置30は、例えばパーソナルコンピュータ装置であり、TCP/IPなどの通信プロトコルにしたがって、DBサーバ装置20や画像処理装置40とデータ通信することができる。このクライアント装置30は、DBサーバ装置20から取得した多値画像データに応じた画像を表示するとともに、この多値画像データに対して、テキストの追加や他の画像データの貼り付け、透過、半透明化、反転など様々な編集処理をユーザに行わせることができる。そして、このような編集処理が為されると、クライアント装置30は、その編集処理の内容を表わすジョブリクエストを生成し、生成したジョブリクエストを通信網10を介して画像処理装置40へ送信する。このジョブリクエストには、編集対象の画像を一意に識別するための画像識別子やその編集内容を表わす処理内容データなどが含まれている。
【0015】
画像処理装置40は、前述したRIP処理機能、すなわち、ある画像に対応する多値画像データを2値画像データへ変換する機能を備えている。加えて、この画像処理装置40は、通信網10を介してクライアント装置30から送信されてくるジョブリクエストに基づいて、そのジョブリクエストに内包されている画像識別子で一意に識別される2値画像データに対して、そのジョブリクエストに内包されている処理内容データで表わされる編集処理を施すことができる。
【0016】
プリンタ50は、通信網10を介して受信した多値画像データに応じた画像を印刷機80と同程度の高解像度でカラー出力可能な印刷装置である。また、画像処理装置40と接続され、通信網10を介さずに、出力可能な印刷装置である。
【0017】
図1に示される画像処理システムにおいては、DBサーバ装置20の画像DBに格納されている2値画像データに対して編集処理を行うことをユーザが所望する場合には、まず、その2値画像データに対応付けて画像DBに格納されている多値画像データをクライアント装置30に取得させる。そして、クライアント装置30は、この多値画像データに対応する画像に対してユーザによって為された処理の内容を表わすジョブリクエストを生成し画像処理装置40へ送信する。このジョブリクエストの内容に基づいて上記2値画像データに対して施すべき処理の内容を画像処理装置40に特定させ実行させることにより、上記2値画像データに対して様々な編集処理を行うことができる。
【0018】
(2:画像処理装置の構成)
次いで、図3を参照しつつ画像処理装置40の構成について説明する。図3に示されるように、画像処理装置40は、制御部100と、通信インターフェイス(以下、「IF」と表記する)110と、記憶部120と、これら構成要素間のデータ授受を仲介するバス130とを備えている。
【0019】
制御部100は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部120に格納されている各種ソフトウェアを実行することにより、画像処理装置40の各部を制御するものである。通信IF部110は、通信網10、CTP60、DDCP70およびプリンタ50等に接続されており、制御部100から引渡されたデータを通信網10やCTP60やDDCP70やプリンタ50等へ引渡すとともに、通信網10から引渡されたデータを制御部100へ引渡すものである。
【0020】
記憶部120は、揮発性記憶部121と不揮発性記憶部122とを含んでいる。揮発性記憶部121は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、ソフトウェアを実行中の制御部100によりワークエリアとして利用される。不揮発性記憶部122は、例えばハードディスクであり、各種ソフトウェアを格納している。不揮発性記憶部122に格納されているソフトウェアの一例としては、制御部100にオペレーティングシステム(以下、「OS」と表記する)を実現させるためのOSソフトウェアや、クライアント装置30から送信されてきたジョブリクエストを解釈し実行するためのジョブ実行ソフトウェアが挙げられる。以下では、これらのソフトウェアを実行することにより制御部100に付与される機能について説明する。
【0021】
制御部100は、電源(図示省略)を投入されると、まず、OSソフトウェアを不揮発性記憶部122から読み出し実行する。このOSソフトウェアにしたがって作動している制御部100には、画像処理装置40の各部を制御する機能や他のソフトウェアを不揮発性記憶部122から読み出し実行する機能が付与される。本実施形態では、OSソフトウェアの実行を完了しOSを実現している状態の制御部100は、上記ジョブ実行ソフトウェアを即座に不揮発性記憶部122から読み出し実行する。このジョブ実行ソフトウェアにしたがって作動している制御部100には、本発明に係る画像処理装置に特徴的な機能が付与される。具体的には、ジョブ実行ソフトウェアにしたがって作動している制御部100は、図4に示されるジョブ実行処理を実行する。図4に示されるように、制御部100は、クライアント装置30から送信されてくるジョブリクエストを通信IF部110を介して受信し、受信したジョブリクエストの内容に基づいて、処理すべき2値画像データを取得するとともに、この2値画像データに対して施すべき処理の内容を特定し、その処理を実行する。つまり、上記ジョブ実行ソフトウェアにしたがって作動している制御部100には、以下に述べる3つの機能が付与される。第1に、クライアント装置30から送信されてくるジョブリクエストを受信する受信機能である。第2に、そのジョブリクエストを解釈し処理対象の2値画像データをDBサーバ装置20から取得する取得機能である。そして、第3に、そのジョブリクエストに内包されている処理対象データに基づいてその2値画像データに対して施すべき処理を特定し、その処理を実行する処理実行機能である。
【0022】
以上に説明したように、本実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成は、一般的なコンピュータ装置のハードウェア構成と同一であり、記憶部120に格納されている各種ソフトウェアを実行することにより、制御部100には、本発明に係る画像処理装置に特有な3つの機能が付与される。
【0023】
(3:動作)
次いで、本発明に係る画像処理装置の動作を顕著に示す動作について図面を参照しつつ説明する。具体的には、DBサーバ装置20の画像DBには、図2に示されるように画像識別子Aで特定される画像Aと画像識別子Bで特定される画像Bの各々に対応する多値画像データと2値画像データとが格納されているものとする。以下では、画像Aに対応する2値画像データを「2値画像データA」と称し、画像Aに対応する多値画像データを「多値画像データA」と称する。また、画像Bに対応する2値画像データを「2値画像データB」と称し、画像Bに対応する多値画像データを「多値画像データB」と称する。本実施形態においては、図5に示されるように、画像Aは濃度10%の背景画像であり、画像Bは濃度100%の文字画像であるとする。以下では、これら画像Aと画像Bとを合成する場合の動作について説明する。なお、以下に説明する動作例では、画像処理装置40の制御部100は、既に、上述したジョブ実行ソフトウェアにしたがって作動しているものとする。
【0024】
ユーザは、まず、クライアント装置30の操作部(図示省略)を操作し、画像Aおよび画像Bに対応する多値画像データを取得する旨の指示を入力する。この指示を入力されると、クライアント装置30は、上記2つの多値画像データの送信を要求する旨の通信メッセージ(以下、「画像送信リクエスト」)600を生成し、この画像送信リクエスト600をDBサーバ装置20へ宛てて送信する(図6参照)。この画像送信リクエスト600には、ユーザにより取得を所望されている画像の画像識別子(すなわち、画像識別子AとB)が書き込まれている。
【0025】
クライアント装置30から送信された画像送信リクエスト600は、通信網10を介してDBサーバ装置20へ到達する。この画像送信リクエスト600を受信したDBサーバ装置20は、まず、この画像送信リクエスト600を解析し、この画像送信リクエスト600に内包されている画像識別子を読み出す。そして、DBサーバ装置20は、上記画像識別子に対応付けて画像DBに格納されている多値画像データを読み出し、この多値画像データを内包した通信メッセージ(以下、「画像送信レスポンス」)610をクライアント装置30へ宛てて送信する(図6参照)。上述したように、画像送信リクエスト600には、画像識別子AとBとが内包されているため、DBサーバ装置20は、多値画像データAと多値画像データBとを画像DBから読み出し、これら多値画像データを内包した画像送信レスポンス610をクライアント装置30へ宛てて送信する。
【0026】
DBサーバ装置20から送信された画像送信レスポンス610は、通信網10を介してクライアント装置30へ到達する。この画像送信レスポンス610を受信したクライアント装置30は、受信した画像送信レスポンス610を解析し、この画像送信レスポンス610に内包されている多値画像データを取得する。そして、クライアント装置30は、その表示部(図示省略)に、取得した多値画像データに対応する画像を表示させる。すなわち、クライアント装置30の表示部には、図5に示す画像Aと画像Bとが表示される。この画像Aと画像Bとを視認したユーザは、クライアント装置30の操作部を操作し、画像Aに対応する多値画像データAや画像Bに対応する多値画像データBに対して種々の編集操作を行うことができる。本動作例では、図7に示されるように、画像Aに対して画像Bを貼り付ける旨の編集操作が為され、さらにその編集結果である画像を印刷機80に出力させる旨の指示が入力されたものとする。
【0027】
次いで、クライアント装置30は、上記多値画像データAおよび多値画像データBに対してユーザにより為された処理の内容を表す処理内容データと、画像識別子Aと画像識別子Bとを内包したジョブリクエスト620を生成し、このジョブリクエスト620を画像処理装置40へ宛てて送信する(図6参照)。なお、本動作例では、2つの画像を合成する処理がクライアント装置30においてユーザにより為された場合について説明するが、クライアント装置30においてユーザにより為される処理は、画像Aに対する透過処理や半透明化処理であっても良いことは勿論である。例えば、ユーザによって為された処理が画像Aに対する半透明化処理である場合には、クライアント装置30から送信されるジョブリクエストには、画像識別子Aと画像Aに対して半透明化処理を施すべきことを示す処理内容データとが内包されることになる。
【0028】
このようにしてクライアント装置30から送信されたジョブリクエスト620は通信網10を介して画像処理装置40へ到達する。以下、このジョブリクエスト620を受信した場合に、画像処理装置40の制御部100が行う動作について図4に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0029】
図4は、画像処理装置40の制御部100が行うジョブ実行動作の流れを示すフローチャートである。図4に示されるように、画像処理装置40の制御部100は、通信IF部110を介してジョブリクエスト620を受信(ステップSA1)すると、このジョブリクエスト620を解析し、このジョブリクエスト620に内包されている画像識別子と処理内容データとを取得する(ステップSA2)。
【0030】
次に、制御部100は、処理対象の2値画像データを取得する(ステップSA3)。具体的には、制御部100は、ステップSA2にて取得した画像識別子で特定される2値画像データの送信を要求する旨の通信メッセージ(以下、「2値画像送信リクエスト」)630をDBサーバ装置20へ送信する。この2値画像送信リクエスト630を受信すると、DBサーバ装置20は、この2値画像送信リクエスト630に内包されている画像識別子に対応付けて画像DBに格納されている2値画像データを読み出し、この2値画像データを内包した通信メッセージ(以下、「2値画像送信レスポンス」)640を画像処理装置40へ宛てて送信する。そして、画像処理装置40の制御部100は、このようにしてDBサーバ装置20から送信されてくる2値画像送信レスポンス640を受信し、この2値画像送信レスポンス640に内包されている2値画像データを読み出し取得する。なお、本動作例では、クライアント装置30から送信されてくるジョブリクエスト620に処理対象の2値画像データを一意に特定する画像識別子が内包されている場合について説明した。しかしながら、上記ジョブリクエストに、処理対象の画像に対応する多値画像データを内包させてクライアント装置30から画像処理装置40へ送信し、このジョブリクエストに内包されている多値画像データに対してRIP処理を施すことにより、処理対象の画像に対応する2値画像データを取得するとしても良いことは勿論である。要は、画像処理装置40の制御部100が処理対象の画像に対応する2値画像データを取得可能な態様であれば、いずれであっても良い。
【0031】
次に、制御部100は、ステップSA2にて取得した処理内容データに基づいて、ステップSA3にて取得した2値画像データに対して為すべき処理の内容を特定し、特定した内容の処理をステップSA2にて取得した2値画像データに対して実行する(ステップSA4)。例えば、本動作例では、クライアント装置30から受信したジョブリクエストには、図8に示すような合成処理を行うべきことを示す処理内容データが内包されている。図8は、画像Aに対応する2値画像データAと画像Bに対応する2値画像データBとの配置を表す図である。なお、図8においては、図面が繁雑になることを避けるため、2値画像データBを構成する画素を省略しているが、2値画像データAと同様に2値画像データBも所定の大きさの画素で構成されている。図8の左側には、2値画像データBを2値画像データAの対応する位置に配置した模式図が示されており、そのX−X´切片を表す図が右側に示されている。なお、図8の左側に示されている2値画像データAにおいて、ハッチングで示されている部分は濃度10%の網点を表している。制御部100は、図8に示されるような合成処理を2値画像データAと2値画像データBとに施し、その結果、図9に示されるような2値画像データを生成する。図9は、合成処理後の2値画像データを示す図であり、図8のX―X´切片に相当するY−Y´切片(図9右側参照)からわかるように、2値画像データAを構成するビットの一部が2値画像データBを構成するビットで置き換えられている。上記ステップSA4における制御部100の動作をより詳細に説明すると、制御部100は、まず、ステップSA2にて取得した2値画像データAと2値画像データBとの間で合成すべきビットの対応関係をステップSA2に取得した処理内容データに基づいて特定する。次に制御部100は、2値画像データAと2値画像データBの各々対応するビット毎に、以下に述べるようなビット演算のうち、いずれのビット演算を為すべきかを特定し特定したビット演算を施す。すなわち、合成処理の出力結果であるビット値をYとし、2値画像データAと2値画像データBとの間で対応するビットをそれぞれAおよびBとした場合に、Y=A OR B、Y=A AND B、Y=A EXOR B、Y=A、Y=B、Y=!AおよびY=!B等やそれらの組み合わせのビット演算のうち、いずれのビット演算を行うべきかを特定し特定したビット演算を施す。なお、上記ビット演算において、"!"はビットの反転を表している。
【0032】
以上に説明した動作の結果、図7に示される画像に対応する2値画像データがCTP60を介して印刷機80へ送られ、この2値画像データに対応する画像が印刷機80から出力される。このように、本実施形態によれば、DBサーバ装置20の画像DBに格納されている2値画像データに対して、所望の編集処理をユーザに自由に行わせることが可能になるといった効果を奏する。加えて、このような編集処理を行う際には、ユーザは、その処理対象の2値画像データに対応する多値画像データをクライアント装置30に表示させ、その編集内容を視認することが可能であるため、このような編集処理を行う際の利便性が向上するといった効果を奏する。
【0033】
(B:第2実施形態)
図10は本発明にかかる画像処理方法を実行する画像処理システムの第2実施形態を示す図である。図10に示される画像処理システムが図1に示される画像処理システムと異なっている点は、プリンタ50を制御するためのプリンタサーバ装置51が、前述した画像処理装置40の機能を担っている点のみである。このプリンタサーバ装置51の構成および動作については、前述した画像処理装置40の構成および動作と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0034】
(C:変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で様々な変形が可能である。なお、変形例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
【0035】
(1−1:変形例1)
上述した実施形態では、2つの2値画像データを画像処理装置40に合成させ、その合成結果である2値画像データをCTP60へ送信し印刷機80へ出力させる場合について説明した。しかしながら、係る合成結果の出力先は、CTP60に限定されるものではなく、プリンタ50であって良い。そして、このような場合には、その出力先の画像出力装置の出力特性に応じた色補正や諧調補正を施した後に、上記合成結果に対応する2値画像データをその画像出力装置へ出力させるとしても勿論良い。このようにすると、画像出力装置毎に最適な2値画像データを生成することができるといった効果を奏する。また、その合成結果である画像に対応する多値画像データと2値画像データとを対応付けてDBサーバ装置20の画像DBに格納させるとしても良い。このように、画像処理装置40における合成処理結果である2値画像データを画像DBに格納させると、この合成処理結果である2値画像データも本発明に係る技術により再利用することができるといった効果を奏する。
【0036】
(1−2:変形例2)
上述した本実施形態では、ある画像に対応する多値画像データとその画像に対応する2値画像データとを対応付けて画像DBに格納させておく場合について説明した。しかしながら、上記多値画像データに替えて、その画像のサムネイル画像に対応する多値画像データや画像プロファイルなどを上記2値画像データに対応付けて画像DBに格納しておくとしても勿論良い。要は、ある画像に対応する2値画像データに対応付けて画像DBに格納される画像データは、その画像を表し、かつ、クライアント装置30で表示および編集可能な画像データであればいずれであっても良い。なお、2値画像データに対応付けて画像DBに格納させておく画像データとして、サムネイル画像に対応する画像データやその2値画像データよりも解像度の低い多値画像データを対応付けておけば、クライアント装置30とDBサーバ装置20との間の通信トラヒックが削減されことに加え、そのような多値画像データをユーザに編集させる際にクライアント装置30にかかる負荷が軽減されるといった効果を奏する。
【0037】
(1−3:変形例3)
上述した第1実施形態では、DBサーバ装置20の画像DBに格納されている多値画像データをクライアント装置30に直接的に取得させる場合について説明した。しかしながら、画像処理装置40を介して上記多値画像データをクライアント装置30に取得させるとしても良いことは勿論である。
【0038】
(1−4:変形例4)
上述した第1実施形態では、本発明に係る画像処理方法を実行するクライアント装置30とDBサーバ装置20と画像処理装置40とが、LANに接続されている場合について説明した。しかしながら、これらの各装置を接続するための通信手段はLANに限定されるものではなく、インターネットであっても、汎用専用を問わず直接接続であっても、また一部はLAN、一部が直接接続といった組み合わせでも良い。
【0039】
(1−5:変形例5)
上述した第1実施形態では、本発明に係る画像処理装置に特有な機能を実現させるためのソフトウェアを予め画像処理装置40の不揮発性記憶部122に格納させておく場合について説明した。しかしながら、係るソフトウェアを一般的なコンピュータ装置にインストールすることにより、このようなコンピュータ装置に本発明に係る画像処理装置と同一の機能を付与することができる。
【0040】
このようなことは、以下のようにして実現される。すなわち、CD−ROM(Compact Disck−Read Only Memory)などのコンピュータ装置読み取り可能な記録媒体に上記ソフトウェアを記録させておく。そして、このような記録媒体に記録されているソフトウェアを一般的なコンピュータ装置に読み取らせ記憶させることにより、係るコンピュータ装置に本発明に係る画像処理装置と同一の機能を付与することができる。したがって、このような記録媒体を用いることにより、既存のRIPサーバ装置に本発明に係る画像処理装置と同一の機能を追加することが可能になるといった効果を奏する。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、ある画像に対応する2値画像データに対して編集処理を行う際に、その画像に対応する多値画像データを用いてその編集態様をクライアント装置で確認しつつ編集処理を行うことが可能になるため、利便性が維持されるといった効果を奏する。
【0042】
また、本発明によれば、データベースに格納されている2値画像データに対して任意の編集処理を実行することができるため、柔軟な編集処理を行うことが可能になるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像処理方法を行う画像処理システムの第1実施形態を示す図である。
【図2】 同DBサーバ装置20の有する画像DBの一例を示す図である。
【図3】 同画像処理装置40の構成例を示す図である。
【図4】 同画像処理装置40の制御部100が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】 同画像処理システムにて合成される画像Aおよび画像Bの一例を示す図である。
【図6】 同画像処理システムにて行われる通信の通信シーケンスの一例を示す図である。
【図7】 同クライアント装置30にて為された処理の内容を表わす模式図である。
【図8】 同画像処理装置40が2値画像データAと2値画像データBとに対して施すべき合成処理の内容を表す模式図である。
【図9】 同画像処理装置40が2値画像データAと2値画像データBとに対して施した合成処理の結果を表す模式図である。
【図10】 本発明に係る画像処理方法を行う画像処理システムの第2実施形態を示す図である。
【符号の説明】
10…通信網、20…DBサーバ装置、30…クライアント装置、40…画像処理装置、50…プリンタ、51…プリンタサーバ装置、60…CTP、70…DDCP、80…印刷機、100…制御部、110…通信IF部、120…記憶部、121…揮発性記憶部、122…不揮発性記憶部。

Claims (7)

  1. 画像を一意に識別する識別子に対応付けて、複数の各画像に対応する予め生成された画像データとして多値画像データおよび2値画像データを記憶している記憶装置に記憶された該多値画像データに対して、ユーザにより為された処理の内容を表す処理内容データと、前記記憶装置において該多値画像データに対応付けられた前記識別子とを内包したジョブリクエストを、通信網経由で受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信されたジョブリクエストに内包されている前記識別子に対応付けられた2値画像データを、前記記憶装置から取得する取得手段と、
    前記受信手段により受信されたジョブリクエストに内包されている処理内容データに基づいて、前記取得手段により取得された2値画像データに対して施すべき処理の内容を特定し、特定した処理を該2値画像データへ施す処理実行手段と
    を有する画像処理装置。
  2. 前記ジョブリクエストに内包されている処理内容データは、前記ジョブリクエストに内包されている識別子に対応付けて前記記憶装置に記憶されている2値画像データの解像度よりも、低い解像度の多値画像データに対してユーザにより為された処理の内容を表すデータである
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記ジョブリクエストに内包されている処理内容データに、該処理内容データで表される処理内容を施した2値画像データを前記記憶装置へ記憶させるべきことが書き込まれている場合には、前記処理実行手段は、前記処理内容データに基づいて処理を施した2値画像データを前記記憶装置へ送り、該2値画像データを記憶することを前記記憶装置へ要求する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記ジョブリクエストに内包されている処理内容データに、該処理内容データで表わされる処理内容を施した2値画像データを出力させるべき画像出力装置を一意に特定する出力先識別子が内包されている場合には、前記処理実行手段は、前記処理内容データに基づいて処理を施した2値画像データに対して、さらに、前記出力先識別子で特定される画像出力装置に固有な処理を施してから該画像出力装置へ送信し、該2値画像データに応じた画像を出力することを該画像出力装置へ要求する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記ジョブリクエストに内包されている処理内容データが該ジョブリクエストに内包されている識別子で特定される画像と他の画像とを合成すべきことを示している場合には、前記処理実行手段は、該他の画像に対応する2値画像データを取得し、前記取得手段により取得された2値画像データと該処理内容データで表される態様で合成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  6. クライアント装置が、複数の各画像に対応する予め生成された画像データとして多値画像データおよび2値画像データを記憶している記憶装置から該多値画像データを通信網経由で取得する第1のステップと、
    前記クライアント装置が、前記第1のステップにて取得した多値画像データに対してユーザにより為された処理の内容を表す処理内容データと、前記記憶装置において該多値画像データに対応付けられた前記識別子とを内包したジョブリクエストを生成し前記通信網経由で画像処理装置へ送信する第2のステップと、
    前記画像処理装置が、前記クライアント装置から受信したジョブリクエストに内包されている識別子に対応付けて前記記憶装置に記憶されている2値画像データを、前記記憶装置から取得するとともに、該ジョブリクエストに内包されている処理内容データに基づいて、該2値画像データに対して施すべき処理の内容を特定する第3のステップと、
    前記画像処理装置が、前記第3のステップにて取得した2値画像データに対して前記第3のステップにて特定した内容の処理を施す第4のステップと
    を有する画像処理方法。
  7. コンピュータに、
    画像を一意に識別する識別子に対応付けて、複数の各画像に対応する予め生成された画像データとして多値画像データおよび2値画像データを記憶している記憶装置に記憶された該多値画像データに対して、ユーザにより為された処理の内容を表す処理内容データと、前記記憶装置において該多値画像データに対応付けられた前記識別子とを内包したジョブリクエストを、通信網経由で受信する受信機能と、
    前記受信機能により受信されたジョブリクエストに内包されている前記識別子に対応付けられた2値画像データを、前記記憶装置から取得する取得機能と、
    前記受信機能により受信されたジョブリクエストに内包されている処理内容データに基づいて、前記取得機能により取得された2値画像データに対して施すべき処理の内容を特定し、特定した処理を該2値画像データへ施す処理実行機能と
    を実現させるためのプログラム。
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