JP4403003B2 - 低溶解度薬剤の溶解供給方法及び装置 - Google Patents

低溶解度薬剤の溶解供給方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば浄水場など水処理設備で使用される水質調整用薬剤などの溶解度が低い固体を溶解して、被処理物中に供給する方法及び装置に関する。特に、本発明は、水道水の水質を調整する水処理設備などで使用されている溶解度の低い固体薬剤の溶解供給方法及び装置として最適である。
上水道の水質を調整する浄水場等水処理設備において、被処理水にアルカリ剤などの水質調整用薬剤が注入されている。浄水場等では、アルカリ剤として苛性ソーダ、ソーダ石灰、消石灰などが用いられて、水のpHを調整する試みがなされている。このうち、消石灰は、pH調整ばかりでなく、含有されているカルシウムの作用で水のカルシウム硬度及びランゲリア指数(水の腐食性の指標)を改善することができ、その上、安価であることから、特に有望視されている。
しかし、消石灰は、溶解時に薬剤飛散の問題があることや、水に対する溶解度が非常に低い(約0.2%)ことから、スラリー形態で用いられることが多い。このため、上水道のpH調整のための後アルカリ剤として水に注入すると、浄水池の底部に消石灰やその他の沈殿物が生じるなどの問題があり、現状では、他のアルカリ剤に比べて採用例が少ない。
そこで、沈殿物の形成を解消するために、例えば、上昇水流による接触溶解方式や、撹拌機による撹拌接触方式など、消石灰を飽和溶液として注入する方法が提案されている。
上昇水流による接触溶解方式は、溶解槽中の溶解水の上昇流速により消石灰スラリー層を槽内の一定レベルに維持し、この層を通過する溶解水と消石灰スラリーとを接触させることによって、消石灰の飽和溶液を作り出すものである。この方式の装置は、スラッジブランケットタイプの高速沈殿池の一種であり、消石灰スラリー層がスラッジブランケットを形成する。このタイプの代表例を図1及び図2に示す。
図1は、小容量型の装置で、溶解槽12中の溶液にスラリー供給管13より消石灰スラリーを供給し、給水管14からは溶解水を給水する。溶解槽12中では、供給された消石灰スラリーが、給水管14から供給される溶解水と混合して、消石灰の一部は溶解水中に溶解して溶液を形成するが、大部分の消石灰スラリーは中間にブランケット層17を形成する。消石灰が一部溶解している溶液及び溶解水は、ブランケット層17を通過しながら、消石灰スラリー中の消石灰を取り込んで溶解させ、消石灰の飽和溶液を形成しながら、溶解槽12内を上昇する。上昇した飽和溶液は、溶液流出管15に流出する。一方、未溶解の消石灰や不溶解物は、溶解槽底部に沈降して、ドレイン弁16を介して排出される。
図2は、大容量型の装置で、主たる構成は図2に示す小容量型の装置と同じである。ただし、スラリー供給管13が溶解槽12頂部に設けられ、溶解水がスラリーの供給位置に供給されるように給水管14が溶解槽12の中心軸位置にて上昇管として設けられており、さらにこの上昇管の周囲にスラリーと溶解水とを混和させる領域を画定する隔壁を設けて、この隔壁の外周にブランケット層17が形成されるようになされている。未溶解の消石灰を含むスラッジは、溶解槽12底部に沈降せずに、ブランケット層17の底部に設けられたスラッジ引抜き管18からすぐに抜き出されて、再生できるように構成されている。
これら上昇水流方式は、消石灰スラリー層を一定レベルに維持するために、消石灰スラリーと溶解水との供給の制御及び消石灰スラリーを上昇させる水流速度の制御が必要になり、運転管理を難しくし、注入制御範囲が狭いという欠点がある。
撹拌機による撹拌接触方式は、溶解槽中で撹拌機による機械的エネルギーを利用して消石灰を溶解させ、飽和溶液を上昇流を用いて溶解槽上部に上昇させて溶解槽上部から溢流させるものである。代表的な装置構成を図3に示す。図3において、消石灰を投入口21を介してバッチ式に溶解槽19に投入・貯留し、所要の消石灰飽和溶液を形成するに要する量の水を給水管20を介して供給する。溶解槽19内で、供給された消石灰及び水を撹拌機23により撹拌して消石灰スラリー層25を形成させる。溶解槽19に、さらに水井を供給して、低速で溶解液を上昇させ、飽和溶液を溶解槽19の上部より溢流させて、溶液流出管22より取り出す。未溶解の消石灰や不溶解物は、溶解槽19底部に沈降して、ドレイン弁24を介して排出される。
撹拌機による撹拌接触方式において、消石灰の供給はバッチ式で行われるため、溶解水の供給量のみを制御すればよく、消石灰の供給制御を要しないので運転管理は容易である。しかし、未溶解状態の消石灰を含む液体を溢流させないために、上昇水流方式と比較して上昇流速を低く(1/10程度)抑える必要があり、溶解槽の単位面積当たりの溶解能力が少ない。上昇水流方式と同程度の溶解能力を得るためには、溶解槽設置面積を10倍にする必要があり、設備がさらに大型化するという欠点を有する。さらに、この方式では、バッチ間に、溶解槽への水の供給を停止して、前のバッチでの未溶解物を沈殿させる沈殿工程が必要となるので、溶解槽とは別個の貯留槽を設ける必要があり、結果として、機器点数の増加、装置占有面積の増大、維持管理の負担を招く。
さらに、消石灰を飽和溶液として供給する従来の方式では、消石灰を保管する間に、空気中の二酸化炭素と消石灰とが反応して難溶解性の炭酸カルシウムを形成し、消石灰の溶解速度を低下させてしまう、という問題もある。
特開平5−169049号公報 特公昭63−2890号公報
そこで、本発明の目的は、水質調整薬剤などの溶解度が低い固体薬剤を水などの被処理対象に供給するに際し、溶解槽内の上昇流速に影響されず、未溶解物を除去して、簡易に薬剤溶液を形成し、薬剤溶液のみを被処理対象に供給することができる低溶解度固体薬剤の溶解供給方法及び装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、水質調整剤などの固体薬剤溶解供給装置における機器点数の増加、装置占有面積の増大、維持管理の負担などの従来技術の問題点を解決する小型の低溶解度固体薬剤の溶解供給装置を提供することにある。
本発明によれば、水質調整剤などの溶解度が低い固体薬剤を液体である被処理対象に供給するに際し、該固体薬剤を連続的に所定量計量する薬剤計量工程と、計量された固体薬剤と溶解水及び供給水とをエジェクターに供給して薬剤の少なくとも一部を溶解させて薬剤含有液を形成する薬剤含有液形成工程と、薬剤含有液から未溶解固体を遠心分離除去して薬剤溶液を形成する固液分離工程と、該薬剤溶液を被処理対象に供給する薬剤溶液供給工程と、を含む薬剤溶解供給方法が提供される。
本発明により適切に処理することができる被処理対象としては、ユーザーもしくは消費者が使用する際には、固体を含まない形態であることが望ましい液体を挙げることができ、特に上水、水道水などの形態で提供される水を好ましく挙げることができる。
本発明により被処理対象に供給される薬剤としては、被処理対象に対する溶解度が低く常温で固体形態を有する薬剤を挙げることができ、固体形態としては粉体、粉末、顆粒などの形態のいずれでもよい。例えば、水道水などの水を被処理対象とする場合には、pH調整剤としての消石灰などの難溶性のアルカリ薬剤などを好ましく挙げることができる。
薬剤計量工程において、薬剤の所定量の計量は、固体薬剤の供給量が溶解水及び供給水に対する溶解度以下となるようにすることが好ましい。例えば、固体薬剤として消石灰を用い、溶解水及び供給水として水を用いる場合には、水に対する飽和溶解度以下、好ましくは飽和溶解度の90%以下、より好ましくは飽和溶解度の80%以下となるように計量する。具体的には、常温の水に対しては消石灰を好ましくは1500mg/L以下、より好ましくは1300mg/L以下となるように計量する。消石灰を水に溶解させる場合に、飽和溶解度の90%以下の量の消石灰を供給すると、30分間以下程度の短時間の混合で水に溶解するので、連続的且つ大量の水処理に適する。
薬剤含有液形成工程において、計量された固体薬剤と溶解水及び供給水との混合及び溶解は、計量された固体薬剤を少量の溶解水と混合させた後、多量の供給水をエジェクターに供給して、エジェクター内で混合させて、薬剤含有液を形成することにより行う。ここで、エジェクターに供給する溶解水及び供給水の量は、エジェクターにて形成される薬剤含有液中の薬剤濃度が10%以下となるような量であることが好ましい。また、溶解水と供給水との供給比率は、溶解水量1に対して供給水量9となるような量であるこことが好ましい。
また、溶解水及び供給水をエジェクターに供給する前に、溶解水及び供給水から固体薬剤の溶解度を低下させる成分又は不純物を予め除去しておくことが好ましい。例えば、溶解水及び供給水中に炭酸イオン及び/又は遊離炭酸が存在していると、消石灰などのアルカリ薬剤中のアルカリと炭酸イオンとが反応して難溶性の炭酸塩、例えば難溶性の炭酸カルシウムが形成され、水酸化カルシウム溶液の形成が阻害されるおそれが大きい。よって、固体薬剤として消石灰を用いる場合には、溶解水及び供給水をエジェクターに供給する前に、炭酸イオン及び/又は遊離炭酸の除去処理を行うことが好ましい。溶解水及び供給水からの炭酸イオン及び/又は遊離炭酸の除去は、溶解水及び供給水の加熱もしくは窒素パージなどにより行うことができる。
同様に、薬剤含有液形成工程において、エジェクターに吸引される気体から、固体薬剤の溶解度を低下させる成分を予め除去しておくことが好ましい。例えば、固体薬剤として消石灰を用いる場合に、気体中に二酸化炭素が存在していると、消石灰と二酸化炭素との反応により、難溶性の炭酸カルシウムが形成され、水酸化カルシウム溶液の形成が阻害されるおそれが大きい。また、このとき、炭酸カルシウムは消石灰の粒子の表面を覆うように形成されるため、消石灰粒子の溶解も阻害され、固体のまま残留してしまう。よって、エジェクターに吸引される気体が空気である場合には、窒素パージなどして二酸化炭素を除去しておくことが好ましい。また、エジェクターに予め二酸化炭素を除去した気体が吸引される場合には、固体薬剤定量供給装置及びエジェクターの一部又は全部を密閉して、密閉空間を作り、この密閉空間内に二酸化炭素を除去した気体を導入することが好ましい。
薬剤含有液は固液分離工程に送られる前に、エジェクターにて形成された薬剤含有液中の未溶解固形分をさらに十分に溶解させることが好ましく、撹拌装置を具備する溶解槽に送られるか、一時貯留槽に送られることが好ましい。溶解槽に送られる場合には、撹拌装置により強制的に薬剤を十分に撹拌混合して溶解させるので、短時間で溶解度程度までの薬剤の溶解が行われる。一時貯留槽に送られる場合には、溶解槽を用いる場合に比べて溶解の程度が低くなるが、一時貯留槽は溶解槽より容積が小さいので省スペースとなるという利点がある。
エジェクター、及び好ましくはその後の溶解槽又は一時貯留槽にて形成された薬剤含有液は、次いで、固液分離工程に送られ、溶液中に含まれている不溶解性物質が除去されて、薬剤溶液を形成する。不溶解性物質としては、例えば、固体薬剤として消石灰を用いる場合に含まれている二酸化珪素を主成分とする不溶解性物質や、薬剤溶液調整及び薬剤貯蔵中に二酸化炭素と反応して形成された炭酸カルシウムや、未溶解の薬剤成分などがある。固液分離は、遠心力を利用する固液分離槽、例えば液体サイクロンなどを好適に用いて行うことができる。固液分離によって分離された固体分は、溶解混合工程に戻して再度利用してもよいし、あるいは系外に排出して処分してもよい。
薬剤溶液供給工程において、固液分離工程において分離された薬剤溶液は、被処理対象物に供給される。
本発明の方法によれば、溶解度が低い固体薬剤を溶解度以下の所定量で連続して溶解水及び供給水と混合させるので、溶解濃度を簡易に制御して、溶解速度を向上させることができ、所望の濃度の薬剤溶液を短時間で得て、被処理対象に供給することができる。従来方法では、固体薬剤を溶解水及び供給水中に十分に溶解させるために貯留槽又は溶解槽内に長時間滞留させることが必要で、貯留槽又は溶解槽の大容量化を招いていた点を考慮すれば、本発明の方法では、滞留時間を短縮でき、貯留槽又は溶解槽を小型化することができる、という利点が得られる。
また、本発明の方法によれば、被処理対象に供給する前に未溶解物固体を遠心力を利用して固液分離し、その後、薬剤溶液として被処理対象に供給されるので、被処理対象の薬剤処理を非常に効率的に行うことができる。
さらに、本発明の方法によれば、混合溶解工程において、エジェクターにて混合溶解する際に吸引される気体から二酸化炭素などの固体薬剤の溶解度を低下させる成分を予め除去し、エジェクターに供給する溶解水及び供給水から固体薬剤の溶解度を低下させる成分又は不純物を予め除去するので、薬剤溶液中での不溶物の形成を抑制することができる。
本発明の別の側面によれば、本発明の低溶解度固体薬剤の溶解供給方法を実施するために、複数個の計量室を有する回転テーブルを具備する固体薬剤定量供給装置と、計量された固体薬剤と溶解水及び供給水とを定量混合して薬剤含有液を形成するエジェクターと、未溶解の固体薬剤を薬剤含有液から分離して薬剤溶液を形成する固液分離槽と、固液分離槽にて分離された薬剤溶液を被処理対象に供給する薬剤溶液供給装置と、を具備する低溶解度固体薬剤の溶解供給装置が提供される。
好ましい実施形態の説明
以下、図4及び5を参照しながら、本発明の低溶解度固体薬剤の溶解供給装置を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図4は、本発明の薬剤溶解供給装置の全体を示す概略説明図である。本発明の低溶解度固体薬剤の溶解供給装置100は、複数個の計量室を有する回転テーブルを具備する固体薬剤定量供給装置110と、計量された固体薬剤と溶解水及び供給水とを定量混合して薬剤含有液を形成するエジェクター120と、エジェクター120で形成された薬剤含有液から未溶解の固体薬剤を分離して薬剤溶液を形成する固液分離槽130と、固液分離槽130にて分離された薬剤溶液を被処理対象に供給する薬剤溶液供給部140と、を具備する。図示した実施形態においては、エジェクター120と固液分離装置130との間に、溶解槽150が設けられている。また、固体薬剤定量供給装置110とエジェクター120とは、囲包体170で密封されている。
固体薬剤定量供給装置110は、公知の粉体定量供給装置であり、図4に示すように、固体薬剤を貯蔵する固体薬剤貯蔵槽111と、固体薬剤の所定量を計量できる複数個の計量室112と、複数個の計量室が載置されている回転テーブル113と、各計量室112から計量後の固体薬剤を排出する排出管115と、を具備する。
エジェクター120は、固体薬剤貯蔵槽111の排出管115から排出される所定量の固体薬剤及び溶解水を受け入れる定量固体薬剤受口121と、供給水を受け入れる供給水受口122と、薬剤含有液を排出する排出口124と、を具備する。
固液分離槽130は、公知の遠心力を利用する固液分離装置であり、例えば液体サイクロンでよいが、固液分離槽頂部から薬剤溶液を被処理対象に供給する薬剤溶液供給口131と、固液分離底部に沈降した未溶解物を排出する未溶解物排出口132と、を具備する。薬剤溶液供給部140は、注入点にて薬剤溶液を滴下ないし混入させる配管構造を有する。
図4に示した実施形態においては、エジェクター120と固液分離槽130との間に、撹拌装置151を具備する溶解槽150が設けられている。溶解槽150には、エジェクター120で形成された薬剤含有液を導入するための第1の導入ラインL1と、溶解槽150内で撹拌により溶解度が向上した薬剤含有液を固液分離装置130に供給するための第2の導入ラインL2と、が接続されている。第2の導入ラインL2には、固液分離装置130に薬剤含有液を揚水するための供給ポンプPが設けられている。溶解槽150は、当該分野で通常用いられる形態の撹拌装置を具備する溶解槽でよいが、その容積は大幅に小型化することができる。
固体薬剤定量供給装置110とエジェクター120とを密封する囲包体170は、固体薬剤貯蔵槽111及び定量固体薬剤受口121から二酸化炭素(CO2)を含んだ外気が定量固体薬剤受口121内部に混入することを防止するように構成されており、窒素ガスを囲包体170内部に供給する窒素ガスボンベ及び窒素ガスボンベからの窒素ガス供給ラインが接続されている。
図5に示した実施形態は、溶解槽150の代わりに一時貯留槽160を設けている点において、図4に示した実施形態と異なる。一時貯留槽160は、エジェクターで形成された薬剤含有液を貯留し、供給ポンプPが固液分離槽130に揚水する液量を安定化させることができる。
図4及び5に示した固体薬剤溶解供給装置を用いて、本発明の固体薬剤溶解供給方法を実施することができる。ここでは、固体薬剤として消石灰を用い、溶解水及び供給水として炭酸イオン及び/又は遊離炭酸を予め除去した水を用い、エジェクターに吸引される気体として二酸化炭素を予め除去した空気を用いる例について、説明する。
固体薬剤定量供給装置110において、各計量室112に所定量の消石灰を供給して計量する。各計量室112で計量された消石灰をエジェクター120の定量固体薬剤受口121に供給する。定量固体薬剤受口121に供給する消石灰量は、溶解水量の10%以下程度とするのが好ましい。
エジェクター120の定量固体薬剤受口121を介して、窒素パージなどで予め炭酸イオン及び遊離炭酸イオンを除去した溶解水を供給する。エジェクター120の供給水受口122を介して、同様に予め炭酸イオン及び遊離炭酸を除去した供給水を供給する。このとき、消石灰含有水中の消石灰濃度が0.11〜0.16%程度となるように、溶解水及び供給水の量を調整して供給する。好ましくは定量固体薬剤受口121に供給する溶解水と、供給水受口122に供給する供給水との比率は、溶解水量:供給水量が1:9となる量である。
エジェクター120には、定量固体薬剤受口121を介して、窒素パージなどにより予め二酸化炭素を除去した空気が吸引される。エジェクター120に供給水が流入することに伴い、溶解水と消石灰粉体と、予め二酸化炭素が除去された気体が、エジェクター120に流入し、エジェクター120内部で消石灰が混合溶解され、消石灰含有水(薬剤含有水)が形成される。
得られた消石灰含有水(薬剤含有液)をエジェクター120の排出口124から第1の導入ラインL1を介して、溶解槽150に送る。ここで得られる消石灰含有水は、固体として供給された消石灰の少なくとも一部、好ましくはほとんど全部が水に溶解して水酸化カルシウム水溶液となったものであるが、不溶性物質や不純物及び一部未溶解の消石灰を含む。
溶解槽150に送られた消石灰含有水は、撹拌装置151により十分に撹拌混合され、未溶解の消石灰を十分に溶解させるが不溶性物質や不純物を含む水酸化カルシウム水溶液(薬剤含有液)を形成する。
次いで、不溶性物質や不純物を含む水酸化カルシウム水溶液(薬剤含有液)を第2の導入ラインL2を介して固液分離槽130に送り、遠心分離により、上層に水酸化カルシウム溶液(薬剤溶液)が、固液分離槽底部に未溶解物固体が存在するように分離させる。水酸化カルシウム溶液は、薬剤溶液供給口131を介して薬剤溶液供給部140に送液され、固液分離槽底部に沈降した未溶解物固体は未溶解物排出口132を介して排出される。
薬剤溶液供給部140では、所定の溶解度を有するように調製された消石灰溶液(水酸化カルシウム水溶液)が、注入点から被処理対象に供給される。
本発明の装置によれば、固体薬剤定量供給装置により低溶解度の固体薬剤を定量的に連続して供給し、エジェクターにより薬剤含有液を定量的に連続して供給し、未溶解物を含む薬剤溶液を遠心力を利用して固液分離して薬剤溶液と未溶解物固体とを分離することができるので、固体分を含まない薬剤溶液を被処理対象に連続的に供給することができる。
本発明の装置によれば、固液分離を遠心力により行うので、従来の上昇水流接触溶解方式において問題であった上昇流速の影響を受けずに、撹拌装置を利用する場合にも高速で撹拌可能となり、溶解速度及び溶解効率が向上する。よって、従来のように溶解槽又は一時貯留槽に長時間貯留する必要がなく、溶解槽又は一時貯留槽の容積も小型化できる。
また、本発明の装置によれば、計量室を載置する回転テーブルを具備する固体薬剤定量供給装置及び定量的に供給される固体薬剤と溶解水及び供給水とを混合するエジェクターを具備し、固体薬剤含有液を定量的に連続して供給することができる。よって、従来のバッチ式消石灰注入装置において必要とされていた運転停止時の薬液の貯留槽を必要とせず、装置設置面積を低減できる上に装置維持管理も簡略化される。
以下、本発明の好ましい実施形態を示す添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
図4に示す薬剤溶解供給装置100を用いて、飽和溶解度の約90%の溶解度の消石灰溶解液を調製した。
固体薬剤定量供給装置110からエジェクター120の定量固体薬剤受口121に、消石灰を25300kg/dとなるように定量して供給すると同時に、溶解水1760m/dを供給した。エジェクター120の供給水受口122から供給水15840m/dを供給し、エジェクター120内部で消石灰と溶解水及び供給水とを撹拌混合させて、消石灰の少なくとも一部を溶解させ、消石灰含有水(薬剤含有液)を形成させた。消石灰含有水をエジェクター120から撹拌装置を具備する溶解槽150に送り出し、溶解槽150内で約30分間撹拌して、未溶解の消石灰を溶解させた。次いで、供給ポンプPを作動させて、溶解度が高められた消石灰含有水を溶解槽150から遠心固液分離装置130に送り込み、遠心固液分離装置130内で、消石灰含有水中に含まれている不純物などの未溶解固形分と溶液とに分離し、消石灰溶液(薬剤溶液)15840m/dを薬剤溶液供給140に送り、被処理対象に注入した。このとき、消石灰溶液中の消石灰濃度は約1500mg/Lで、飽和溶解度の約90%であった。
図4に示す薬剤溶解供給装置100の占有面積は、図3に示す従来の装置の占有面積の約7%であった。
図5に示す薬剤溶解供給装置200を用いて、飽和溶解度の約70%の溶解度の消石灰溶液を調製した。
固体薬剤定量供給装置110からエジェクター120の定量固体薬剤受口121に、消石灰を20000kg/dとなるように定量して供給すると同時に、溶解水1760m/dを供給した。エジェクター120の供給水受口122から供給水15840m/dを供給し、エジェクター120内部で消石灰と溶解水及び供給水とを撹拌混合させて、消石灰の少なくとも一部を溶解させ、消石灰含有水(薬剤含有液)を形成させた。消石灰含有水をエジェクター120から一時貯留槽160に送り出し、一時貯留槽160内で約10分間以下貯留して、未溶解の消石灰を溶解させると共に、遠心固液分離装置130に送るべき消石灰含有水の所定液量を蓄積させた。次いで、供給ポンプを作動させて、溶解度が高められた消石灰含有水を一時貯留槽160から遠心固液分離装置130に送り込み、遠心固液分離装置130内で、消石灰含有水中に含まれている不純物などの未溶解固形分と溶液とに分離し、消石灰溶液(薬剤溶液)15840m/dを薬剤溶液供給140に送り、被処理対象に注入した。このとき、消石灰溶液中の消石灰濃度は約1200mg/Lで、飽和溶解度の約70%であった。
図5に示す薬剤溶解供給装置200の占有面積は、図3に示す従来の装置の占有面積の約5%であった。
図1は、従来の上昇水流による接触溶解方式に用いられる装置(小容量型)の代表例を示す概略断面図である。 図2は、従来の上昇水流による接触溶解方式に用いられる装置(大容量型)の代表例を示す概略断面図である。 図3は、従来の撹拌機による撹拌接触方式に用いられる装置の代表例を示す概略断面図である。 図4は、本発明の固体薬剤溶解供給装置の全体を示す概略説明図である。 図5は、本発明の固体薬剤溶解供給装置の別の実施形態の全体を示す概略説明図である。
符号の説明
100:低溶解度固体薬剤の溶解供給装置
110:固体薬剤定量供給装置
120:エジェクター
130:遠心固液分離装置
140:薬剤溶液供給
150:溶解槽
160:一時貯留槽
170:囲包体

Claims (8)

  1. 溶解度が低い水質調整用固体薬剤を液体被処理対象に供給する方法であって、
    該固体薬剤を連続的に所定量計量する薬剤計量工程と、
    エジェクターに駆動流体としても作用する供給水を供給して、該固体薬剤並びに溶解水及び気体を該エジェクターに吸引させ、該エジェクター内にて該固体薬剤を該溶解水及び該供給水に溶解させて薬剤含有液を形成させる薬剤含有液形成工程と、
    次いで、該エジェクターから該薬剤含有液を溶解槽又は一時貯留槽に送り、薬剤含有液中の未溶解固体をさらに溶解させる溶解工程と、
    該溶解槽又は一時貯留槽にて未溶解固体がさらに溶解した薬剤含有液を固液分離槽に送り、該薬剤含有液中に残存する未溶解固体を遠心分離除去して薬剤溶液を形成する固液分離工程と、
    薬剤溶液を液体被処理対象に供給する薬剤溶液供給工程と、
    を含む低溶解度固体薬剤の供給方法。
  2. 前記溶解度が低い水質調整用固体薬剤は、消石灰である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記供給水及び溶解水は、予め炭酸イオン及び遊離炭酸が除去された水である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記気体は、予め二酸化炭素が除去された気体又は二酸化炭素を含まない気体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記薬剤計量工程において、前記溶解度が低い水質調整用固体薬剤は、前記供給水及び溶解水の総量に対して飽和溶解度以下の量となるように計量され、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記薬剤計量工程において、前記溶解度が低い水質調整用固体薬剤は、前記供給水及び溶解水の総量に対して飽和溶解度の90%以下の量となるように計量され、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. 複数個の計量室を有する回転テーブルを具備する固体薬剤定量供給装置と、
    該固体薬剤定量供給装置において計量された固体薬剤と、該固体薬剤及び溶解水を受け入れる定量固体薬剤受口、駆動流体としても作用する供給水が供給される供給水受口、該固体薬剤並びに該溶解水及び該供給水を混合させる本体部、及び該本体部にて形成された薬剤含有液を排出する排出口を具備するエジェクターと、
    該エジェクターから排出される薬剤含有液を受け入れ、該薬剤含有液中の未溶解固体をさらに溶解させる溶解槽又は一時貯留槽と、
    該溶解槽又は一時貯留槽にて未溶解固体がさらに溶解した薬剤含有液から、残存する未溶解固体を遠心分離除去して薬剤溶液を形成する固液分離槽と、
    該固液分離槽にて形成された該薬剤溶液を液体被処理対象に供給する薬剤溶液供給装置と、
    を具備する低溶解度固体薬剤の供給装置。
  8. 前記固体薬剤定量供給装置と前記エジェクターとを密封する囲包体をさらに具備し、二酸化炭素を含む外気が混入することを防止するように構成されている、請求項に記載の装置。
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