JP3062036B2 - 水道水改質用消石灰溶液の製造装置および方法 - Google Patents

水道水改質用消石灰溶液の製造装置および方法

Info

Publication number
JP3062036B2
JP3062036B2 JP7077395A JP7739595A JP3062036B2 JP 3062036 B2 JP3062036 B2 JP 3062036B2 JP 7077395 A JP7077395 A JP 7077395A JP 7739595 A JP7739595 A JP 7739595A JP 3062036 B2 JP3062036 B2 JP 3062036B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slaked lime
tank
water
solution
undissolved
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP7077395A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08243570A (ja
Inventor
勲 舟橋
究 山本
喜夫 島田
Original Assignee
呉羽化学工業株式会社
呉羽テクノエンジ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 呉羽化学工業株式会社, 呉羽テクノエンジ株式会社 filed Critical 呉羽化学工業株式会社
Priority to JP7077395A priority Critical patent/JP3062036B2/ja
Publication of JPH08243570A publication Critical patent/JPH08243570A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3062036B2 publication Critical patent/JP3062036B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mixers Of The Rotary Stirring Type (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水道水の改質に用いる
消石灰溶液の製造装置および製造方法に関する。詳しく
は消石灰溶液を製造するに際し、消石灰粒子による作業
環境を汚すことなく、かつ、消石灰を有効に利用する消
石灰溶液の製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水道水の赤水発生防止のために種
々の方法が行われて来た。例えば苛性ソーダ注入法、ソ
ーダ灰注入法、消石灰注入法等が知られているが、最近
消石灰注入法が注目されている。消石灰は単に水のpH
を上げるだけでなく主成分のカルシウムが健康上も良い
と言われていること、さらには消石灰を飛散し易い粉体
としてではなく水溶液として注入する技術が開発された
ことなどから浄水場で多く採用されてきているほか、水
道水を受け入れているビルなどでも採用されるようにな
って来ている。
【0003】消石灰溶液を連続的に製造する装置として
は例えば特公昭63−2890号公報に記載されている
装置が知られている。この公知装置は、筒型の溶解槽の
底部に給水管および不溶解物排出口、該給水管のすぐ上
の位置には水平に回転する撹拌翼がもうけられ、槽上部
に消石灰溶液取り出し管を有する構成となっている。こ
の公知装置では、消石灰は溶解槽内の水層にコンテナバ
ッグから吸引ファン等により所定量供給される。消石灰
溶液の製造は下部より給水して開始され、製造される消
石灰溶液の濃度が低下してくると給水を止め、未溶解物
を取り出し、改めて運転が再開される。しかし、この方
法では、例えば消石灰の供給をコンテナバッグから吸引
ファン等により行うので粉末飛散の問題などがある。
【0004】また、未溶解物の処理については、特公昭
62−23634号公報には、消石灰溶解槽での流出液
のpHが12を下回らない程度にまで溶解させ、残存す
る未溶解物を別の槽に移し、水を供給しつつ溶解させて
pH10以下の消石灰溶液として、消石灰溶解槽から得
られる消石灰溶液とともに着水井に供給する方法が開示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
方法では、製造する消石灰溶液への消石灰粒子の混入が
避けがたく、これを避けようとすれば自ずから槽内の水
の上昇速度がかなり小さい速度に制限され、また撹拌速
度が低速に制限される。このため、槽底部特に槽壁部近
くに消石灰が沈積し、水と充分接触されず未溶解のまま
残存する消石灰の量が多くなっている。また、溶解槽へ
の原料消石灰の供給時の粉末飛散の問題、回分投入によ
る運転の終点の検出法、未溶解物の処理など、改善の要
望が多く残っている。本発明者等は、これらの問題点を
解決すべく、装置に改良を加えまた運転方法を種々工夫
することにより、消石灰を有効に利用するとともに、消
石灰溶液を効率的に製造する本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、溶解装置
については溶解槽内に設けた撹拌翼と槽壁および槽底と
の間のクリアランスを特定することにより、消石灰スラ
リー流動層の過度の膨張を招くことなく槽底側壁部にお
ける消石灰の沈積を防止し、また消石灰の供給において
はその飛散を防止する工夫を行った。
【0007】すなわち、本発明は、少なくとも上部が筒
型の溶解槽の下部に給水および未溶解物取り出し共用管
を有し、槽上部には消石灰溶液取り出し管が接続され
消石灰溶液製造装置において、槽内底部に槽底との間に
5〜150mm、槽壁との間に槽底部直径または辺長の
1〜5%のクリアランスをもって攪拌翼を設け、未溶解
物は前記共用管を経て取り出し、前記共用管の溶解槽へ
の取り付け部の管内は消石灰溶液製造運転中は溶解槽へ
の供給水で洗われるように構成した水道水改質用消石灰
溶液製造装置、およびこの装置を用いて水道水の水質改
善用の消石灰溶液を製造する方法である。
【0008】以下、本発明を詳しく説明する。図1は、
本発明装置の基本的構造を示すものであって、公知の特
公昭63−2890号公報に記載されている装置と同
様、少なくとも上部が筒型の溶解槽1の下部に、給水量
調節弁2dを有する給水管2aおよび未溶解物取り出し
管2bが給水および未溶解物取り出し管2を介して接続
され、また、槽上部に消石灰溶液取り出し管3が接続さ
れ、槽内底部には撹拌翼4が設けられている。尚、溶解
槽の下部は上部と同じ筒型であってもよく、また逆截頭
錐型であってもよい。
【0009】本発明ではこの撹拌翼4が槽底1aとの間
に10〜150mm、槽壁1bとの間に槽底部直径また
は辺長の1〜5%のクリアランスをもって撹拌翼を設け
てなる。撹拌翼4と槽底1aおよび槽壁1bとの間のク
リアランスは、溶解槽底部に消石灰粒子を沈積させない
ためには極めて大きな意味を有する。即ち、撹拌翼と槽
底および槽壁との間隔が大きすぎると投入した消石灰が
槽底、特に槽壁部に沿って沈積して溶解させることが困
難になり、これら沈積した消石灰を溶解させるためには
強い撹拌力が必要となる。しかし強く撹拌すると消石灰
の流動層が高くなり、未溶解粒子の上部より流出する量
が多くなり好ましくない。消石灰の流動層をあまり高く
しない撹拌力で投入消石灰の水との接触を良くし、沈降
堆積を防ぎながら多量の未溶解粒子を消石灰溶液中に流
出させないためには、撹拌翼と槽底とのクリアランスは
5〜150mm、槽壁とのクリアランスは槽底部直径ま
たは辺長の1〜5%に設定することが必要となる。
【0010】本発明で用いる溶解槽1には、さらに撹拌
翼の上側に流動層の膨張を抑制するための装置を設ける
ことにより、撹拌力を大きくしたり水の上昇速度を大き
くしても槽上部より流出する溶液に未溶解粒子を含ませ
ることなく略飽和の消石灰溶液を得ることが可能にな
る。このような装置としては、例えば図4〜9に示すよ
うな高さが槽径または辺長の5〜20%程度の格子状板
や案内翼から成る整流装置8あるいは特開平5−689
82号公報に記載されるような傾斜板群からなる流動層
高抑制装置9があり、それらのいずれか或いは両方を設
けることが好ましい。図2に、本発明の溶解槽に上述の
整流装置および流動層高抑制装置を装着した場合の一例
の縦断面図を示す。
【0011】このような整流装置8を消石灰スラリーの
流動層内に設けることにより、撹拌による乱流を抑える
働きをして、撹拌力を大きくしたときの流動層の膨張を
抑制し、その結果底部周辺への消石灰の沈積、付着がな
く、かつ、流動層の過度の膨張をおこさせない撹拌力範
囲を広くすることができる。また流動層高抑制装置9を
流動層と上澄層との界面を含む位置に設けることによ
り、流動層から上澄水の分離を助ける働きをして、水の
上昇速度を大きくしたときの流動層の膨張を抑え、その
結果消石灰溶解槽への水の供給速度を大きくすることが
できる。このように整流装置8および流動層高抑制装置
9を設ける場合には溶解槽内の水の上昇速度を1.2〜
1.5mm/sに大きくしても未溶解消石灰粒子が多量
に流出することがない運転が可能になる。未溶解消石灰
粒子の流出量は1000ppm以下に抑えることが好ま
しい。
【0012】消石灰溶液の製造に当たっては、まず消石
灰を水が50〜95%程度まで張られた溶解槽にバケッ
ト・コンベヤー、フライトコンベヤー、またはエヤーベ
ヤーなどの手段により投入されるが、このとき溶解槽上
面に消石灰粉末が飛散し、作業環境を悪くするばかりで
なく、溶解槽からの湿気の上昇により溶解槽への投入部
は投入部に消石灰が付着塊状化し、消石灰投入管を閉塞
してしまい、粉末移送ができなくなるトラブルが発生す
る。従って、本発明では消石灰の投入は、溶解槽の上蓋
部に、底部にロータリーバルブ5bを有するホッパー5
a、ロータリーバルブ出口管5c内を正圧に維持する乾
燥空気送入管5d、ロータリーバルブ出口管開口部に密
閉ダンパー5eを有してなる消石灰供給装置を用いる。
また、集塵排気ファンまたは内部に網状体6aおよびそ
の上方にスプレーノズル6bを備えた粉末飛散防止管6
を設ける。このような構造の消石灰供給装置を設け、ロ
ータリーバルブ出口管内圧を乾燥空気を送入して正圧に
維持することによって、消石灰投入部の管壁を乾いた状
態に保つことができるので粉末の付着は低減され、一方
上蓋部の別の部分に粉末飛散防止管を設けて装置外への
消石灰粉末の飛散を防止する。集塵排気ファンを用いる
場合は着脱式であることがメンテナンス上好ましい。図
3に集塵排気ファン6cを取り付けた場合の一例を示
し、消石灰供給装置を取り付けなくても簡易な方法で消
石灰粉末の飛散を防止できる。即ち、消石灰粉末を投入
時にベントに取り付けた集塵排気ファン6cで吸引し、
消石灰投入口より空気を吸い込み粉末の飛散を防止す
る。
【0013】消石灰溶液の製造は、投入した消石灰の沈
降をまって、特公昭63−2890号公報に記載される
方法に準じて行うことができる。消石灰溶解槽に投入し
た消石灰の使用満了を正確にかつ容易に知ることが望ま
れる。回分式消石灰溶解槽から流出する溶液の消石灰濃
度は、平均約1,600ppm程度の略一定の濃度であるが、投
入消石灰がある程度溶解消費されると急激な濃度の低下
が起こる。この濃度の低下は、投入消石灰の約85%が
溶解した頃に起こり、pHの測定により、あるいは溶解
槽への給水量または得られる消石灰溶液量を積算計2c
により積算して行うこともできるが、本発明者等は消石
灰濃度に溶液の導電率が略比例して検出されることを見
だしたことに基づき、より厳密に得られる溶液の濃度を
一定に維持するために、導電率計3aを消石灰溶液取り
出し管3に設置して導電率を検出した。この検出信号を
有線または無線で連絡することにより迅速な対応が可能
になる。
【0014】得られる消石灰溶液の濃度低下の信号検出
により溶解槽への給水を停止して運転は停止される。溶
解槽底に残存する未溶解物は、主として表面が溶解度の
小さい炭酸カルシウムで被覆された消石灰粒子である。
この未溶解物は未溶解物槽7に取り出し、次の運転のた
めの新たな消石灰が投入される。
【0015】未溶解物の取り出しに際しては、溶解槽へ
の給水停止後、好ましくは撹拌を30〜90分停止して
浮遊している消石灰粒子を沈降させて後、さらに撹拌翼
を1〜5回転させて沈降した粒子を流動させて、槽下部
の給水および未溶解物取り出し共用管を経て約3%のス
ラリーとして未溶解物槽7に送られる。給水停止後、撹
拌を停止して浮遊している消石灰粒子を沈降させる
拌翼と槽底および槽壁とのクリアランスが上記のように
設定されることにより、沈降した未溶解物の流動化が撹
拌翼を1〜5回転させることで短時間で行える。未溶解
物は3%程度のスラリーとして取り出すことが管2の
塞を防止し、かつ過大の液量を抜き出さないため好まし
い。図1に示すように未溶解物取り出し管2bは給水管
一部を共用するので、未溶解物取り出し管を、給水管
は別個に槽に取り付けた場合に起こる管の閉塞を防止
できる。すなわち、未溶解物取り出し用の管内は製造運
転中常に溶解槽供給水で洗われているように保たれる。
この未溶解物の取り出しに利用した共用管2に圧力水供
給管2fが取り付けられ未溶解物取り出し後、この管系
を強制洗浄して管が閉塞するのを防止することが望まし
い。圧力水の圧力は3〜6kg/cm2 が好ましい。
【0016】未溶解物槽に取り出した未溶解物は、未溶
解物溶解装置で水質改善を必要とするランゲリア指数−
4.5〜−0.7の水または炭酸含有水と接触させて残
存する可溶性成分を溶解し、水道水に混合されて水質改
善のために使用される。未溶解物溶解装置で未溶解消石
灰を溶解させるためにはランゲリア指数−4.5〜−
0.7の水または炭酸含有水を用いるが、さらには未溶
解物溶解装置に炭酸ガスを注入して炭酸水素カルシウム
として溶解させることができる。炭酸ガスを注入するこ
とにより溶解速度が大きくなり、水との接触時間が短く
て済み、水のみで溶解させようとする場合に比べ、未溶
解物の溶解装置が小型で済むことになり好ましい。未溶
解物を炭酸の存在下に炭酸水素カルシウムとして溶解さ
せた液は、浄水工程の着水井より後沈澱池以前の1また
は2以上の箇所に注入し水道水の改善に用いる。さらに
残存未溶解固形分を除去すれば濾過池以降の浄水工程に
注入することもできる。炭酸水素カルシウムを含む溶液
は、pHをあまり高くすることなくカルシウム含有量を
大きくできランゲリア指数の改善に有用である。
【0017】上記のようにして製造される消石灰溶液
は、水道水に注入され水道水のpHを適正範囲に維持す
るために用いられるほか、炭酸ガスと共に水道水に注入
され水道水のpHを適正範囲に維持するだけでなく、ラ
ンゲリア指数を改善するために用いられる。以下、実施
例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0018】
【実施例1】本実施例で用いる消石灰製造装置は図1に
示す構造を有する。即ち、溶解槽1は高さ220cm、
直径100cmの円筒形の槽であり、上蓋部にホッパー
5aが設けられ、該ホッパーの底部にはロータリーバル
ブ5bを有し、ロータリーバルブ出口管内を正圧に維持
する乾燥空気送入管5d、ロータリーバルブ出口管5c
開口部に密閉ダンパー5eを有してなる消石灰供給装
置、および内部に網状体6aおよびその上方にスプレー
ノズル6bを備えた粉末飛散防止管6を設けられてい
る。溶解槽の上部側壁には消石灰溶液取り出し管3が水
面に浮遊する固形物を混入しないように取り付けられ、
溶解槽内には巾50mmの撹拌翼4aが溶解槽側壁と2
5mm、槽底と20mmのクリアランスをもって取り付
けられている。さらに槽下部には、給水および未溶解物
取り出し共用管2があり、槽外で給水管2aと未溶解物
取り出し管2bとに分岐し、給水管2aには給水量調節
弁2d、給水量積算計2cがある。
【0019】この消石灰溶解槽1に水を張り、消石灰6
0kg(これは濃度1600ppmの消石灰溶液37.
5m3 に相当する量であり、ランゲリア指数−2の水略
2300トンをランゲリア指数0に改善できる量に相当
する。)を供給し、3.3rpm(周速度0.2m/
s)で撹拌しながら上澄み液の清澄をまって、槽内上昇
速度が0.14mm/sになる量の水を供給して、消石
灰溶液取り出し管3より、濃度1500〜1700pp
mの消石灰溶液を連続的に得た。この間得られた溶液の
導電率を測定し、導電率が急に低下し始め、その値が
8.3mS/cmとなった時点で給水および撹拌を停止
した。このときの消石灰溶液の濃度は1470ppmで
あった。また、運転開始から停止までの延べ時間は約8
0時間であり、このとき積算計は31.9m3 の溶液を
製造したことを示した。なお、消石灰供給時に粉塵の溶
解槽外への飛散はなく、またホッパー下のロータリーバ
ルブ出口管5cへの付着もなかった。運転停止後、未溶
解物を取り出すため、一旦撹拌を停止し60分後に撹拌
翼を1回転させてから略3%のスラリー状で未溶解物取
り出し管2、2bを経て未溶解物槽7に取卸した。未溶
解物の量は、消石灰溶解槽に投入した消石灰の約15%
であった。
【0020】
【比較例1】撹拌翼の槽底と槽壁とのクリアランスをそ
れぞれ200mm、250mmとした以外は実施例1と
同じ装置を用いて撹拌を8rpm(周速度0.2m/
s)とした以外は実施例1と同じ条件で運転したとこ
ろ、消石灰溶液の濃度低下は20時間早くなり、未溶解
物の残存量は35%と多かった。
【0021】
【比較例2】比較例1で用いたのと同じ装置を用いて、
60kgの消石灰を投入した後、38rpm(周速度1
m/s)で撹拌したところ、槽内液全体が約4%のスラ
リーとなり、上澄み層ができないため、槽上部の消石灰
溶液取り出し管より流出する液中に消石灰粒子の混入な
しに消石灰溶液を得ることができなかった。
【0022】
【比較例3】実施例1の装置において、粉末飛散防止管
の網状体およびスプレーを取り外して消石灰を投入した
ところ、このベント管から消石灰粉末が飛散して周囲を
白く汚染した。なお、ベント管を設けず密閉蓋をしたと
ころ、蓋部の隙間から消石灰粉末が少しずつ吹き出し、
運転回数を経るに従って周囲を白く汚染した。
【0023】
【比較例4】実施例1の装置において、消石灰供給装置
のロータリーバルブ出口管に密閉ダンパーを備えない場
合は、約6ヶ月の運転の後ホッパー内に消石灰が残り、
溶解槽に所定量の消石灰の投入ができなくなった。解体
点検したところ、ロータリーバルブ出口管内に湿った消
石灰粉末が付着して殆ど閉塞状態であった。
【0024】
【比較例5】実施例1の装置において、溶解槽蓋部の消
石灰供給装置および排気処理装置がなく、400mm×
240mmの消石灰投入口のみをもつ設備において、消
石灰を20kg詰め袋から投入するとき、注意深く少し
づつ投入しても消石灰粉末の飛散があり作業環境を悪く
するだけでなく周囲を白く汚染した。
【0025】
【実施例2】比較例5の装置において、溶解槽蓋部の消
石灰投入口と離れた所にベント管を設け集塵排気ファン
を接続した。消石灰投入時、紙袋の口を投入口に挿入し
て少しずつ傾けて投入すると粉末の飛散は全くなく作業
環境の悪化および周囲を白く汚染することはなかった。
なお、集塵排気ファンのフィルターに補捉された消石
灰粉末は投入量60kg当たり20g以内で僅少であっ
た。
【0026】
【実施例3】実施例1で未溶解物槽に抜き出した未溶解
物スラリーをランゲリア指数−2の水で800倍に希釈
し、ラインミキサーで混合溶解しながら48時間かけて
連続的に1.2m3(1m×2m×(高さ)0.6m)の
沈降槽に送り、その上澄み液を消石灰溶解槽より得られ
る消石灰溶液とともに浄水工程の消石灰溶液注入部に供
給し、水道水質の改善に用いた。沈降槽で除去された固
形分の量は初めの消石灰量の約1%であった。これによ
り消石灰溶解槽のみでは85%であった消石灰の利用率
を99%に上げることができ、かつ、投棄すべき廃棄物
の量を大幅に減らすことができた。
【0027】
【発明の効果】本発明の装置を用いて消石灰溶液を製造
する場合には、先ず溶解槽への消石灰投入が環境を汚す
ことなく、また供給管をつまらせることなくスムースに
行いえる。また、消石灰溶解槽での未溶解消石灰の量を
減少させ得、製造される消石灰溶液中への未溶解粒子の
混入を最小限に抑えることができる。さらには得られる
消石灰溶液の濃度が低下したあとに残存する未溶解物中
のカルシウム分を廃棄することなく利用することができ
る。また、導電率計や積算計を取り付けることにより、
回分運転の終期が的確に検知され、低濃度の消石灰溶液
を流出させることなく運転の切り替えが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一例を示す構成図である。
【図2】本発明装置の溶解槽に整流装置および流動層高
抑制装置を設置した場合の縦断面図である。
【図3】本発明装置の一例を示す構成図である。
【図4】整流装置の平面図である。
【図5】図4におけるI−I断面図である。
【図6】整流装置の他の平面図である。
【図7】図6におけるII−II断面図である。
【図8】整流装置の他の平面図である。
【図9】図8におけるIII −III 断面図である。
【符号の説明】
1. 消石灰溶解槽 1a. 消石灰溶解槽底 1b. 消石灰溶解槽壁 2. 給水および未溶解物取り出し共用管 2a. 給水管 2b. 未溶解物取り出し管 2c. 給水量積算計 2d. 給水量調節弁 2e. 未溶解物取り出し弁 2f. 圧力水供給管 3. 消石灰溶液取り出し管 3a. 導電率計 4. 撹拌翼 5a. 消石灰ホッパー 5b. ロータリーバルブ 5c. ロータリーバルブ出口管 5d. 乾燥空気送入管 5e. 密閉ダンパー 6. 粉末飛散防止管 6a. 網状体 6b. スプレーノズル 6c. 集塵排気ファン 7. 未溶解物槽 8. 整流装置 9. 流動層高抑制装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 1/68 530 C02F 1/68 530A (72)発明者 島田 喜夫 福島県いわき市泉町黒須野字早稲田173 −13 (56)参考文献 特開 平6−277483(JP,A) 実開 昭60−89186(JP,U) 特公 昭63−2890(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/66,1/68 B01F 1/00,15/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも上部が筒型の溶解槽の下部に
    給水および未溶解物取り出し共用管を有し、槽上部には
    消石灰溶液取り出し管が接続された消石灰溶液製造装置
    において、槽内底部に槽底との間に5〜150mm、槽
    壁との間に槽底部直径または辺長の1〜5%のクリアラ
    ンスをもって攪拌翼を設け、未溶解物は前記共用管を経
    て取り出し、前記共用管の管内は消石灰溶液製造運転中
    は溶解槽への供給水で洗われるように構成した水道水改
    質用消石灰溶液製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置を用いて、消石灰
    溶液製造後の未溶解物取り出しを、溶解槽への給水およ
    び攪拌を停止し、浮遊している消石灰粒子を沈降させた
    後、攪拌翼を1〜5回回転させて溶解槽下部のスラリー
    層を攪拌して未溶解物槽に取り出すことによって行う、
    水道水改質用消石灰溶液の製造方法。
JP7077395A 1995-03-08 1995-03-08 水道水改質用消石灰溶液の製造装置および方法 Expired - Lifetime JP3062036B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7077395A JP3062036B2 (ja) 1995-03-08 1995-03-08 水道水改質用消石灰溶液の製造装置および方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7077395A JP3062036B2 (ja) 1995-03-08 1995-03-08 水道水改質用消石灰溶液の製造装置および方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08243570A JPH08243570A (ja) 1996-09-24
JP3062036B2 true JP3062036B2 (ja) 2000-07-10

Family

ID=13632711

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7077395A Expired - Lifetime JP3062036B2 (ja) 1995-03-08 1995-03-08 水道水改質用消石灰溶液の製造装置および方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3062036B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010137224A (ja) * 2010-02-12 2010-06-24 Kureha Engineering Co Ltd 浄水処理方法
CN105060449B (zh) * 2015-08-08 2017-04-12 永春县一都财华山羊养殖专业合作社 一种ph调节槽
CN110894142B (zh) * 2019-10-21 2024-02-13 西安西矿环保科技有限公司 一种高效石灰消化除渣装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5241957A (en) * 1975-09-30 1977-03-31 Konishiroku Photo Ind Co Ltd Process for charging a dust int a liquid
JPS55130819A (en) * 1979-03-28 1980-10-11 Kureha Chem Ind Co Ltd Producing aqueous slaked lime solution and equipment therefor
JPS59162993A (ja) * 1983-03-08 1984-09-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ライムサチユレ−タ
JPS6089186U (ja) * 1983-11-22 1985-06-19 石川島播磨重工業株式会社 スラリ−塔槽のドレン抜装置
JPS62298494A (ja) * 1986-06-17 1987-12-25 Kureha Chem Ind Co Ltd 消石灰溶解注入装置
JPS6316833U (ja) * 1986-07-15 1988-02-04
JPH0394936U (ja) * 1990-01-12 1991-09-27
JP2565613B2 (ja) * 1991-04-26 1996-12-18 呉羽化学工業株式会社 消石灰水溶液の製造方法および装置
JP3105309B2 (ja) * 1991-10-09 2000-10-30 呉羽化学工業株式会社 水道水の改善方法および装置
JPH06254572A (ja) * 1992-10-01 1994-09-13 Kureha Chem Ind Co Ltd 水道配管の腐食防止方法
JP3197666B2 (ja) * 1993-03-23 2001-08-13 日本碍子株式会社 攪拌装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08243570A (ja) 1996-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4892212B2 (ja) 反応晶析処理装置
US4999115A (en) Method and apparatus for use in separating solids from liquids
CN205061649U (zh) 一种石灰乳自动投加装置
KR950004654B1 (ko) 소석회 수용액을 제조하는 방법 및 장치
CA1195320A (en) Polyelectrolyte wetting apparatus
AU2006236872B2 (en) Method and apparatus for treating lime slurry for grit removal
JP2008264741A (ja) 塗料廃液分離装置及び塗料廃液分離方法
JP3062036B2 (ja) 水道水改質用消石灰溶液の製造装置および方法
JP2666207B2 (ja) 消石灰水溶液製造装置
JP2666206B2 (ja) 消石灰水溶液製造装置
US3730887A (en) Granulating method and apparatus
CN216426942U (zh) 一种废水处理专用脱硫设备
CN215440050U (zh) 一种便于进一步浓缩含盐料液的稠厚器
JP3681073B2 (ja) 造粒脱リン装置
JP3035250B2 (ja) 粉体混合装置およびこれを備えた粉体反応槽
WO2004030839A1 (ja) カルシウム含有粉体の処理方法及び装置
JP2007244994A (ja) 消化汚泥の処理方法及び処理設備
JP2661668B2 (ja) 摩砕粉砕装置
JP3679903B2 (ja) 粉体の溶解懸濁装置
JP3184122B2 (ja) 微粒子懸濁水の処理装置
JP3060425B2 (ja) 粉体定量供給装置
JP3163204B2 (ja) 石灰水溶液製造装置
JP3135218B2 (ja) 粉体供給装置
JP2606716Y2 (ja) 泥土と固化材の混合装置
JPS6135206Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120428

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428

Year of fee payment: 13

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428

Year of fee payment: 13

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 14

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term