JP4401508B2 - 生物膜担体用複合網状組織体およびそれを用いる方法 - Google Patents

生物膜担体用複合網状組織体およびそれを用いる方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は上下水、河川、池、ダム、湖沼、海などの水浄化および魚介類の棲みかとしての藻場形成に適する生物膜担体用複合網状組織体に関するものである。また、該組織体を主組織体とする生物膜担体を用いて水を浄化する方法並びに藻場の形成に関するものである。より詳しくは、炭素含有量が85重量%以上を有する炭素繊維束または/および炭素質繊維束を含む特定の網状組織体に関する。また、該組織体を主組織体とする生物膜担体を接触濾材として用いて水を浄化する方法に関する。さらに、本発明は該組織体を主組織体とする生物膜担体を用いた魚類の棲み易い藻場を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、上下水、河川、池、沼などを浄化するための水浄化装置には、バクテリアなどの微生物あるいは微小生物を吸着する担体が生物膜からなる濾過材として使用されており、該水浄化装置に排水などの汚染水を、いわゆる接触酸化法により接触させて、水中の生物を吸着し、水を浄化することは行われていた。この接触酸化法に用いられる生物膜担体には、従来、ナイロン、ポリ塩化ビニリデンなどの有機合成樹脂のフィルムや繊維が各種の形態に加工されて使用されていた。
【0003】
また、近年、特開平8−266184号公報、特開平8−290191号公報、特開平11ー90472号公報に示されるように、人工藻場や水浄化装置に使用される生物膜用担体として炭素含有量が85重量%以上である炭素質繊維や炭素含有量が90重量%以上である炭素繊維が有効であり、これらの炭素繊維を単独または織物や編み物により特殊な形態に加工して水中に配置することによって炭素繊維上に微生物が固着し増殖して水中のBOD、COD、SSなどを減少させて水を浄化できることや、炭素繊維を水中に適度に配置することによって藻場を形成し、該藻場に増殖した微生物を餌とする小動物が棲みつき人工藻場、すなわち、魚礁が出来ることが公知となっている。なお、以降の記載では前記炭素質繊維および炭素繊維を炭素繊維と定義する。
【0004】
前記公報によれば、アクリル繊維、ピッチおよびメゾフェースピッチ、フェノール系繊維、セルロース繊維などの出発原料から得られる炭素繊維は合成樹脂からつくらるフィルムや繊維に比べて微生物がより速く、より多く固着するのでかなり有効な生物膜担体の素材であると記載されている。
【0005】
一般に、炭素繊維は直径が数ミクロンメートルの単繊維が数百本乃至数万本からなる束状である。この炭素繊維束は水浄化用及び藻場形成用に使う場合、炭素繊維束を縦糸とし、該炭素繊維束または有機繊維を横糸とする織状組織体、炭素繊維束を一旦組み紐にした後これを網状にした組織体などの形態に加工して用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの炭素繊維束の織状組織体や網状組織体などを水浄化や藻場形成のために水中に生物膜担体として使用した場合、織状組織体では縦糸や横糸である炭素繊維束が滑って織り上がり時の位置から大きく移動した組織になり炭素繊維束が多く集まった箇所と大きく隙間があいた箇所ができるため、均一な浄化処理や藻場形成が困難である。また、組み紐とした後に網状組織体とした場合、炭素繊維束の周囲には微生物は固着するが、必ずしも該繊維束を構成する各単繊維に固着しない。このため、水浄化や藻場形成を効果的に行うためには炭素繊維束の組織体を多く使わなければならないという問題があった。これは該組織体をつくる際に炭素繊維束に撚りが入ったり、該繊維束中の単繊維が互いに絡まって拘束されるため、束の外周部分は絶えず流動する水と接触するが、該繊維束内部の単繊維間には外部からの水の出入りが不十分になり、単繊維周囲への微生物の固着が低下するためである。
【0007】
そこで本発明の目的は、前記従来の問題点を解決し、炭素繊維束を構成している単繊維への微生物固着性に優れた炭素繊維組織体を提供すること、炭素繊維組織体を生物膜担体に用いて生物の生息する水中に浸漬して生物を固着させて効率よく水を浄化する方法を提供すること、該生物膜担体を生物の生息する水中に浸漬して生物を固着させ、魚介類の棲かとして良好な藻場を形成する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の炭素含有量である炭素繊維束からなる適当な大きさの網み目を有する網状組織体または、有機または無機繊維の網状組織体に炭素繊維束を長さ方向に適当な間隔で該網状組織体に結束させた炭素繊維複合網状組織体であり、網目間及び結束点間にある該炭素繊維束の撚りが特定以下であるとともに、該繊維束が適当な自由度を有するように結束したものや、該網状組織体を揺動できるように水中に取り付けることによって優れた水浄化性や藻場形成性を示すことを発見し、これらの組織体を用いることによって前記問題点を解消できることを見い出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明は有機または無機繊維を用いた網状組織体に炭素含有量が85重量%以上を有する炭素繊維束を結束させ、結束点間が少なくとも10mm以上、結束点間にある該炭素繊維束が結束点間の直線距離に対して10〜20%長く、且つ結束点間の該繊維束の撚り数が0.5個/m以下である生物膜担体用複合網状組織体からなる。
【0010】
本発明の水を浄化する方法は前記複合網状組織体からなる生物膜担体を生物の生息する水中に浸漬して生物を固着させ、水を浄化することを特徴とする。
【0011】
本発明の藻場を形成する方法は前記複合網状組織体からなる生物膜担体を生物の生息する水中に浸漬して生物を固着させ、藻場を形成することを特徴とする。
【0012】
本発明の生物膜担体を形成する炭素繊維は、好ましくは取り扱い性や繊維加工性を考慮して水溶性のサイズ剤を付着した炭素繊維束である
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施について詳述する。
【0014】
本発明で使用される炭素繊維は、アクリル繊維、ピッチ、メゾフェースピッチ、を酸素などの酸化性ガス雰囲気中、加熱炉などの公知の炉を用いて酸化し得た酸化繊維およびフェノール樹脂繊維を800℃以上の不活性ガス中で炭素化して得られる炭素含有量85重量%以上を有する炭素質繊維および炭素含有量90重量%以上を有するアクリロニトリル系(PAN系)、ピッチ系、メゾフェース系、フェノール系の炭素繊維の直径が5〜10ミクロンメートル、引張強度が500MPa以上、引張弾性率が50GPa以上を有する公知の繊維であり、構成本数が1,000〜1,000,000本のフィラメントの束である。
【0015】
本発明で使用される炭素繊維束は網状組織体に加工するために、好ましくは、微生物の固着性を阻害しないサイズ剤が0.1〜2重量%付着される。好ましいサイズ組成物は、ポリエチレンオキシド・ポリプロピレンオキシドランダムアルキルモノエーテルまたは/およびポリオキシエチレンポリシロキサン、セルロース誘導体、水溶性熱可塑性樹脂などの公知の水溶性のものである。
【0016】
本発明で使用される無機繊維は、ガラス繊維、アルミナ繊維など公知の繊維であり、構成本数が10〜10,000本のフィラメントである。
【0017】
本発明で使用される有機繊維は、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニールなどの公知の合成樹脂からなる繊維であり、構成本数が1〜1,000本のフィラメントである。
【0018】
本発明で使用される網状組織体は構成する縦糸および横糸が交差して互いに拘束しあい移動が困難であり、且つ、隣り合う縦糸と横糸とで形成される空間を有するものである。
【0019】
本発明の炭素繊維束網状組織体は縦糸と横糸ともに炭素繊維束、どちらか一方が炭素繊維束であり、他方が前記無機繊維や前記有機繊維のものである。特に、網状組織体の隣り合う縦糸と横糸とで形成される空間、すなわち網目の辺の長さが10mm以上で網目を構成する該炭素繊維束の撚り数が0.5個/m以下であることが好ましい。
【0020】
該炭素繊維束網状組織体の網目の大きさが10mm以下の場合、生物膜担体として水の中に浸漬したときの該網状組織体を貫通する水の出入りが困難になり、微生物固着性に劣るので好ましくない。
【0021】
また、該炭素繊維束網状組織体の網目を構成する該炭素繊維束の撚り数が0.5個/m以上の場合、該炭素繊維束を構成する単繊維が水中で動きにくくなり微生物固着性が劣る傾向となるので好ましくない。特に、効果的に微生物を固着させて水浄化や藻場を形成するためには縦糸が該炭素繊維束で横糸が有機または無機繊維であることが好ましい。縦糸が炭素繊維束の場合、炭素繊維束は比較的まっすぐに網込めれるので、該炭素繊維束を構成する単繊維が水中で動きやすくなり微生物が効果的に固着し水浄化や藻場形成に優れまた、該網状組織体を水が容易に貫通できるため、優れた微生物固着性を示す。さらに、該炭素繊維束の幅が出来るだけ広くなるように網込むことにより該炭素繊維束を構成する単繊維に微生物がよく固着するのでさらに好ましい。
【0022】
本発明の炭素繊維束複合網状組織体は前記無機繊維または/および有機繊維を用いた数mm以上の網目を有する網状組織体(これを以下基材網状組織体という)に、該炭素繊維束を組み込ませたものである。該炭素繊維束を基材網状組織体の網目に、隣り合う網目毎または網目数個を飛ばすなどしてジグザグに通して縦糸または横糸との摩擦力で目止めし結束させるか、該炭素繊維束を縦糸と平行に配置して横糸で挟むか、絡めて目止めし結束させたものであり、結束点間が少なくとも10mm以上で且つ結束点間の該繊維束の撚り数が0.5個/m以下であることが好ましい。
【0023】
前記基材網状組織体の網目は食物連鎖における成魚や大きな魚介類による稚魚や幼魚が食餌とならない隠れ場提供や、網状組織体を水が貫通して水の浄化や藻場形成に補完的に貢献するので、これらを考慮して選択できるが、通常は5mm以上が好ましい。
【0024】
前記複合網状組織体における該炭素繊維束の結束点間が10mm以下の場合、生物膜担体として水中に浸漬したときの該炭素繊維束を構成する単繊維間に水の出入りが困難になり、単繊維への微生物固着性が低下するので好ましくない。
【0025】
該炭素繊維束の撚り数が0.5個/m以上の場合、該炭素繊維束を構成する単繊維が水中で動きにくくなり微生物固着性が劣る傾向となるので好ましくない。
【0026】
特に、結束点間にある炭素繊維束の長さが、結束点を結ぶ直線に対して10〜20%長くなるように、たるませた状態で一体化した炭素繊維束複合網状組織体は水浄化性又は藻場形成に優れているので特に好ましい。該炭素繊維束の長さが10%以下の場合は炭素繊維束を構成する単繊維の間に水の出入が難しくなる傾向となる。また、20%以上の場合は炭素繊維束を構成する単繊維が互いに絡み合い水の出入りが困難になり却って単繊維周りへの微生物固着性が低下したり、隣接する炭素繊維束同士が絡みあい微生物固着性低下や形成される藻場が小さくなる傾向になる。
【0027】
本発明の水を浄化する方法は、前記の炭素繊維束網状組織体または/および前記炭素繊維束複合網状組織体を任意の形状に、好ましくは四角形にしてその対向する両辺に合成樹脂製、金属製などの公知のパイプや棒など該網状組織体を水に沈めることの出来る重い物や、片辺に水に浮く合成樹脂製発泡体を取り付けて生物の生息する水中に該網状組織体の面を水面に対して垂直、平行、斜めに水の流れに対応して水底、水中、水面近くに沈めて生物膜担体として使用する水浄化方法である。池水、湖等の水条件によって異なるが、該網状組織体の炭素繊維束の単繊維が揺動するような角度、深さなどを調整して浸漬するのが好ましい。
【0028】
特に、対向する両辺にパイプや棒状などを取り付ける場合、該網状組織体の縦または横辺にタックを入れるなどして前記網状組織体の縦または横の長さに対して10〜30%短く固定した生物膜担体モジュールとし、これを生物の生息する水中に浸漬することが好ましい。10%以下の場合は該炭素繊維束を構成する単繊維間に微生物が固着しにくくなり、30%以上の場合は隣接させる該網状組織体との擦れ合いをさける必要ができ隣接間隔を余り狭くできなくなるため水処理水槽などに設置したときの該炭素繊維束の量を多くできなくなる。10〜30%の場合、該網状組織体の該炭素繊維束が容易に揺動して構成する単繊維間への水の出入りがより多くなり、微生物の固着による水浄化性、藻場形成能を高めることが出来る。
【0029】
また、片辺に重量の重いパイプ、棒類とし片端に発泡体を取り付けたものは、一方が下に、他方が浮上して、水の流れ、動きによって揺動し炭素繊維束を構成する単繊維への微生物固着を増進し、優れた水浄化性を達成できるので好ましい。
【0030】
本発明の藻場を形成する方法は、該網状組織体を生物の生息する水に沈めて微生物を固着さて藻場を形成する方法である。沈めた該網状組織体の形態は特に制約はないが、好ましくは、該組織体の上辺を浮体に、下辺を重りに固定し魚類が遊回できる面間隔で、池、沼、湖、ダム、海などの必要水域に設置する方法である。
【0031】
本発明の該網状組織体は生物膜担体として用いることにより水を効率よく浄化でき水環境を改善でき、また、藻場(魚礁も含む)形成に適用することにより魚介類にとって良好で自然のままの生物連鎖を形成できる効果がある。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り下記実施例に限定されるものではない。なお、特に指定しない限り%は重量%を意味する。
【0033】
比較例1
直径7.6cm、長さ28cmの紙製ボビンに巻いたPAN系炭素繊維束(東邦レーヨン(株)製商品名HTA−12K、炭素含有量95%、繊維直径7ミクロンm、構成本数12000本、引張強度3780MPa、引張弾性率238GPa、サイズ剤として分子量350のポリオキシエチレン45部とポリオキシプロピレン55部ブロックポリマーを1.2%付着)と直径1cmのボビンに巻いたポリ塩化ビニリデン繊維(直径20ミクロンメートルのモノフィラメント、引張強度350MPa、引張弾性率7GPa)をたて糸とし、横糸を縦糸と同じボビン巻きポリ塩化ビニリデン繊維とし、縦糸の該炭素繊維束はボビンから引き出す際に撚りが掛からないようにボビンの横から引き出し、その他の繊維はボビンの縦から引き出して製網機を用いて炭素繊維束を打ち込んだ網状組織体を作製した。
【0034】
縦糸と横糸は2cmに1本の割合で等間隔に打ち込み、また、縦糸の該炭素繊維束は4cmに1本の割合として、横幅120cm、網目の大きさ20mm、網目間にある該炭素繊維束の撚り数平均0.1個/mの横幅120cmの該網状組織体を作製した。なお、撚り数は次のようにして求めた。すなわち、該網状組織体の縦方向5mを切り出して緊張状態で両端を固定した後、該炭素繊維束と交差している横糸をはさみで切断し取り除いた後、該炭素繊維束の端に直径0.2mmのピンを差し込み、ついで差し込んだ状態を維持しながら他端まで該束を分割して他端に撚りを集めた後、それを0個になるように戻すときに撚りを数えて求めた。
【0035】
得られた網状組織体を横幅120cm、縦長さ1.5mに切り出し、ステンレス製パイプで作製した枠の全面に、該網状組織体の縦長さが上下に緊張状態になるように固定した。すなわち、該枠は直径1.2cmのステンレスパイプで出来たものであって、高さ2.5mの2本の柱を、柱の下から25cmと175cmの2カ所の位置に長さ960cmの2本のパイプを用いて四角形ができるようにつないだもの(四角形の長辺間距離150cm)である。
【0036】
このようにして作った枠の四角形部分の全面に該網状組織体を該炭素繊維が柱と平行になるように固定したものを作製した。これを1モジュールとして、幅2m、長さ10m、深さ2mの水槽に、横壁、長さ方向の壁にくっつかず且つ、互いの面の間隔が10cmとなるように15モジュール設置した。これに、BOD35mg/L、SS25mg/L、透視度計で測定される透視度が38cmの池水を60L/分の水量で連続的に水槽の長尺方向の上手からホースで流入させ、該網状組織体に接触させた後下手からオーバーフローさせて排水する方法で水処理した。30日間連続的に通水処理した後、水槽の流入原水と排水とを分析した結果を表1に示すように、該網状組織体で水を処理することにより大幅にBOD、SSが減少し、また透視度も向上しており、水が十分処理されていた。
【0037】
比較例2
比較例1に記載のモジュールを該網状組織体の面の間隔を5cmとした30モジュールを、湖の水深3mの水底に、水面に対して柱が垂直になるように固定した。100日間後には30モジュールの該炭素繊維束の単繊維に微生物がびっしり固着して良好な藻場が形成され、フナ、ブラックバス、ワカサギなどの魚の稚魚、幼魚、成魚が沢山、該網状組織体の周りに回遊しており、特に、稚魚、幼魚は該網状組織体の網目やモジュール間を自由に回遊していたが、成魚は通過できず、また、稚魚、幼魚は成魚が近付くと該網状組織体の藻場内に逃げ込み、成魚に食べられず成長する様子が認められた。また、該網状組織体の藻場には微生物だけでなくその周りにプランクトンが群がっており、各魚の食餌となっているなど良好な藻場を形成していた。
【0038】
参考例1
枠が直径1.2cmのステンレスパイプで出来たものであって、高さ2.5mの2本の柱と、柱の下から25cmと170cmの2カ所の位置に長さ960cmの2本のパイプとを用いて四角形ができるようにつないだ枠(四角形の長辺間距離140cm)に、横幅120cm、縦長さ1.5mに切り出した網状組織体を、網状組織体の縦糸である炭素繊維束を柱に平行で且つたるむように取り付けたものを1モジュールとする以外は実施例1と同様にして水槽に浸漬し水を通し処理した。30日間連続的処理した後、水槽の流入原水と排水とを分析した結果を表1に示すように、該網状組織体で水を処理することにより実施例1に比べてBOD、SSの減少、透視度の向上が顕著であり水処理が十分であることが認められた。また、該網状組織体の炭素繊維束に微生物が固着していたが、その固着量は実施例1に比べて視覚的に多く、これが水浄化によい影響を及ぼしたものと思われる。
【0039】
比較例3、実施例、比較例,比較例
直径1cmのボビンに巻いたポリ塩化ビニリデン繊維(直径20ミクロンメートルのモノフィラメント、引張強度350MPa、引張弾性率7GPa)をたて糸および横糸として、ボビンの縦から引き出して製網機を用いて、縦糸と横糸ともに前記フィラメントが2本合わせとなっていて1cmに1本の割合で等間隔に打ち込んだ横幅120cm、網目の大きさ10mmのポリ塩化ビニリデン製網状組織体を作製した。
【0040】
この網状組織体の横幅方向の網目4個毎で、網状組織体の縦方向に50cm毎の網目2個にジグザグにくぐらせることを繰り返して、網目をくぐっていない炭素繊維束の長さが50cmのものと55cmのものの2種の複合網状組織体を作製した。ここで用いた炭素繊維束は直径7.6cm、長さ28cmの紙製ボビンに巻いたPAN系炭素繊維束(東邦レーヨン(株)製商品名テルメックス12K、炭素含有量87%、繊維直径7.3ミクロンm、構成本数12000本、引張強度2580MPa、引張弾性率84GPa、サイズ剤としてポリオキシエチレン45部とポリオキシプロピレン55部ブロックポリマー分子量350を1.2%付着)であり、これをボビンの横から引き出して該網状組織体の網目にくぐらせて作製した。前記網目をくぐっていない炭素繊維束の長さが50cmのものおよび55cmの複合網状組織体は、比較例1に記載の方法で求めた撚り数を0.1個/mとした。
【0041】
これとは別に、撚り数が1個/mとして作製した比較例1と同じボビンに巻いた炭素繊維束を引き出して網目をくぐっていない炭素繊維束の長さが50cmで、撚り数が1個/mである複合網状組織体を作製した。該複合網状組織体で網目をくぐっていない炭素繊維束の長さが50cmで撚り数が0.1個/mのもの(比較)、網目をくぐっていない炭素繊維束の長さが55cmで撚り数が0.1個/mのもの(実施例)、網目をくぐっていない炭素繊維束の長さが50cmで撚り数が1個/mであるもの(比較例)、および該ポリ塩化ビニリデン製網状組織体(比較例)を比較例1と同様にしてモジュールを作製し水槽に配置して水処理した。その結果を表1にしめすが、ポリ塩化ビニリデンだけの網状組織体に比べて該炭素繊維を配置した網状組織体はBOD、SSを大幅に減らし、透視度を向上させたが、炭素繊維束に撚り数が多いポリ塩化ビニリデンだけの網状組織体に比べて効果はあるが、撚り数の少ない本発明の範囲のものに比べるとかなり効果が小さかった。
【0042】
【表1】
Figure 0004401508
【0043】
【発明の効果】
本発明の該網状組織体は生物膜担体として水に浸漬した場合該炭素繊維束の単繊維間に容易に水が出入りできるので、単繊維への微生物の固着が多くなり水を効率よく浄化でき、また該網状組織体は有機又は無機の繊維の網状組織体と一体化しているため炭素繊維の欠点である脆さを補うことができ、水中で使用して常に揺動しても損耗や切断が起きにくく長期に亘り生物膜担体として使用できる。また、該網状組織体を生物の棲む湖沼、池、海などの水中に生物膜担体として使用した場合、網目の大きさや設置を適当に選択することにより稚魚、幼魚、成魚などの棲み分けができるだけでなく該炭素繊維束の単繊維に微生物やプランクトンが集まり固着して魚介類の良好な食餌となるため自然のままの生物連鎖系を形成でき、水環境を改善できる効果がある。

Claims (6)

  1. 有機または無機繊維を用いた網状組織体に炭素含有量が85重量%以上を有する炭素繊維束を結束させ、結束点間が少なくとも10mm以上、結束点間にある該炭素繊維束が結束点間の直線距離に対して10〜20%長く、且つ結束点間の該炭素繊維束の撚り数が0.5個/m以下であることを特徴とする生物膜担体用複合網状組織体。
  2. 該網状組織体に使用される有機繊維が、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニール、のいずれか一つである請求項1に記載の生物膜担体用複合網状組織体。
  3. 該網状組織体に使用される有機繊維が、モノフィラメントである請求項2に記載の生物膜担体用複合網状組織体。
  4. 該炭素繊維束が、水溶性であるサイズ剤が付着したものである請求項1に記載の生物膜担体用複合網状組織体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の生物膜担体用複合網状組織体を生物の生息する水中に浸漬して生物を固着させ、水を浄化する方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項記載の生物膜担体用複合網状組織体を生物の生息する水中に浸漬して生物を固着させ、藻場を形成する方法。
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