JP4401435B1 - 吸引式濾過濃縮装置 - Google Patents

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Abstract

濾過濃縮槽12と、複数の濾過板14を有し、各濾過板14は、網目状の支持板50と、該支持板を収容する袋状の濾布18とを有し、さらに、前記濾布18を吸引する吸引手段16と、膨出させる膨出手段20と、複数の濾過板14のそれぞれの周囲に亘って配置され、各濾過板14に対して常時張力を付加する張力付加手段とを有する、吸引式濾過濃縮装置10において、前記濾過板14の外周には、前記濾過板14を囲む濾過枠48が設けられ、前記濾過枠48の下辺と前記濾過板14の下辺との間に設けられる前記張力付加手段は、上下方向に延びる弾性部材54であり、前記濾過枠48の上辺と前記濾過板14の上辺との間に、前記濾過板14を横方向へ可動するスライド機構100が設けられ、該スライド機構100は、前記濾過板14の上下方向への移動を制限する上下移動制限手段を有する、ことを特徴とする吸引式濾過濃縮装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸引式濾過濃縮装置に関し、より詳細には、濾布の健全性を確保しつつ、濾布の下部に弛みを生じせないようにすることが可能な吸引式濾過濃縮装置に関する。
従来から、たとえば浄水場において発生する凝集汚泥を濃縮するのに、吸引式濾過濃縮装置が用いられている。吸引式濾過濃縮装置の一例が、特許文献1に開示されている。
この吸引式濾過濃縮装置は、濾過濃縮対象である汚泥を収容する汚泥槽と、それぞれ汚泥槽の上下方向に延び、汚泥槽内で互いに隣接して整列する複数の濾過板とを有する。各濾過板は、支持板と、支持板に対して一体的に縫合され、支持板を収容し、内部に濾過室を形成する袋状の濾布とを有し、各濾過板の周囲を囲むように固定枠が設けられている。この濾過室には、濾液排出管が連通して設けられ、濾液排出管を通じて濾液を排出するようにしている。さらに、濾過室を通じて濾布を吸引する吸引部と、濾過室を通じて濾布を膨出させる膨出部とが設けられるとともに、複数の濾過板のそれぞれに対して常時張力を付加するコイルスプリングが、各濾過板の周囲に亘って、各濾過板と対応する固定枠との間に配置されている。
このような構成によれば、濾過の際、汚泥槽内の汚泥は、吸引されて濾布により濾過され、濾布の外表面に濃縮された汚泥が付着するとともに、濾布を通過し、濾過室に導かれた濾液は、濾液排出管を通じて、汚泥槽の外部に回収することが可能である。
一方、濃縮汚泥の回収の際、濾過室を通じて濾布の内表面に向かって圧搾空気を供給することにより、濾布が膨出し、それにより濾布の外表面に付着した濃縮汚泥を剥離させ、汚泥槽の底に溜まった濃縮汚泥を排出し、別途機械脱水処理を行うことにより、ケーキとして焼却あるいは埋立処分することが可能である。このような汚泥の濾過濃縮処理により、加圧あるいは真空等による機械脱水処理におけるエネルギー負荷を軽減することが可能である。
このような濾過の際、および濾布の膨出の際、各濾過板には、その周囲に設けられたコイルスプリングにより常時張力が加えられ、各濾過板は不動静止状態に維持されるので、濾過の際の吸引力により、あるいは濾布の膨出の際に濾過室内に送り込まれる空気により、各濾過板がばたついたり、あるいは揺動したりして、隣接する濾過板に接触して、実質的に濾過面積の低減を引き起こしたり、あるいは濾布の外表面に付着した濃縮汚泥が自然剥離したりする技術的問題を回避することができる。
しかしながら、このような従来の吸引式濾過濃縮装置を大型化するに伴って、以下のような技術的問題が引き起こされる。
すなわち、濾布の下部の弛みを防止しようとすると、濾布の健全性が損なわれる点である。
より詳細には、上記吸引式濾過濃縮装置において、濾過板の上部と下部にはそれぞれ、コイルスプリングが設置され、濾過板に対して常時上下方向に張力を付加し、濾布の弛みを防止するようにしている。
しかしながら、濃縮汚泥が濾布の表面に付着することに伴い、その重みで上部コイルスプリングが伸長する一方、下部コイルスプリングが収縮する。これにより、下部コイルスプリングの張力は低下し、濾布の下部に弛みが生じ、場合により隣接する濾過板の表面に接触し、濾過面積を実質的に減少したり、あるいは濃縮汚泥の形成を阻害したりする。
これを防止するために、濾過板の上部に、上部コイルスプリングの代わりに、連結部材を用いて濾過板を固定することが考えられる。より具体的には、コイルスプリングとは異なり上下方向の伸縮が実質的に生じない連結部材の上端を固定枠の上辺に固定する一方、連結部材の下端を濾過板の上辺に固定する。これによれば、連結部材自体が濾過板の上下方向への移動を制限することから、濾布に付着した濃縮汚泥の重みにより、濾布の下部に弛みが生じるのを防止することが可能となる。
しかしながら、濃縮汚泥を濾布から剥離させるために濾布を膨出させる際、濾布が支持板に対して一体的に縫合されていることにより、濾布の膨出に伴って、支持板が横方向に収縮し各濾過板は横方向に移動しようとする。一方、濾布を汚泥に長期間浸漬させることに伴い濾布が膨潤する際、濾布が支持板に対して一体的に縫合されていることにより、濾布の膨潤に伴って、支持板が横方向に伸長し各濾過板は横方向に移動しようとする。
このような各濾過板の横方向への移動に伴ない、連結部材による濾布の固定位置に応力が集中して、濾布の破断を引き起こすことがある。
このような濾布の破断を防止するのに、連結部材の代わりに、吊金具であるシャックルを採用することも考えられる。より具体的には、シャックルの上端を固定枠の上辺に横方向に揺動自在に吊り下げ、一方シャックルの下端を濾過板の上辺に固定する。これによれば、濾布の膨出、あるいは浸漬に伴う濾過板の横方向への移動の際、シャックルがその上端を中心にして揺動可能であることから、濾布の固定位置に応力が集中するのを回避し、以て濾布の破断を防止することが可能である。
しかしながら、このようなシャックルでは、吸引式濾過濃縮装置の大型化に対して、対処するのが困難である。より詳細には、吸引式濾過濃縮装置の大型により濾過板の面積を大きくすると、それに応じて濾布の膨出、あるいは浸漬に伴う濾過板の横方向への移動量は必然的に大きくなる。それに対して、シャックルによる濾過板の横方向への移動の吸収は、シャックルの長さと、シャックルの揺動角度とにより決定されるため、自ずと限界があり、この限界を越えると、上述の連結部材の場合と同様に、濾布の固定位置に応力が集中する。この場合、シャックルの長さを長くすることも考えられるが、限られた汚泥槽の内部スペースにおいて、その分濾過面積の低減を余儀なくされ、濾過効率の低下が引き起こされる。
特公平03−23203号公報
以上の技術的問題に鑑み、本発明の目的は、吸引式濾過濃縮装置を大型化するに際し、濾布の健全性を確保しつつ、濾布に加わる上下方向の張力を略一定に維持することにより、濾布の下部に弛みを生じせないようにすることが可能な吸引式濾過濃縮装置を提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明に係る吸引式濾過濃縮装置は、
濾過濃縮対象である汚泥を収容する汚泥槽と、それぞれ平面部が上下方向に延び、該汚泥槽内で互いに隣接して整列する複数の濾過板とを有し、各濾過板は、網目状の支持板と、支持板に対して一体的に縫合され、該支持板を収容する袋状の濾布とを有し、それにより濾布の内部には濾過室が形成され、さらに、該濾過室を通じて前記濾布を吸引する吸引手段と、該濾過室を通じて前記濾布を膨出させる膨出手段と、複数の濾過板のそれぞれの周囲に亘って配置され、各濾過板に対して常時張力を付加する張力付加手段とを有する、吸引式濾過濃縮装置において、
前記濾過板の外周には、前記濾過板を囲む濾過枠が設けられ、
前記濾過枠の下辺と前記濾過板の下辺との間に設けられる前記張力付加手段は、上下方向に延びる弾性部材であり、
前記濾過枠の上辺と前記濾過板の上辺との間に、前記濾過板を横方向へ可動とするスライド機構が設けられ、
該スライド機構は、前記濾過板の上下方向への移動を制限する上下移動制限手段を有する、構成としている。
以上の構成を有する吸引式濾過濃縮装置によれば、汚泥槽内に収容された汚泥を濾布を通じて吸引濾過することにより、汚泥中の水分が濾布を通過して、濾過室に案内される一方、脱水された汚泥が濾布の外表面に付着することを通じて、汚泥を濾過濃縮することが可能である。その際、複数の濾過板は各々、その周囲から張力付加手段により常時張力が付加されていることから、各濾過板は、不動静止状態に維持され、たとえば吸引の際に、濾過板がばたつくことにより、付着した濃縮汚泥が自然剥離したり、あるいは隣接する濾過板に接触して、濃縮汚泥の形成が阻害されたり、あるいは有効な濾過面積が減少したりすることを防止することが可能である。
濃縮汚泥を濾布から剥離させるために濾布を膨出させる際、濾布が支持板に対して一体的に縫合されていることにより、濾布の膨出に伴って、支持板が横方向に収縮し各濾過板は横方向に移動しようとするが、濾過枠の上辺と濾過板の上辺との間に、濾過板を横方向へ可動とするスライド機構が設けられていることから、濾過板の横方向への移動が制限されることに起因して、濾布の固定位置に応力が集中して、濾布の破断を引き起こすような事態を防止することが可能である。
一方、濾布を汚泥に長期間浸漬させることに伴い濾布が膨潤する際、濾布が支持板に対して一体的に縫合されていることにより、濾布の膨潤に伴って、支持板が横方向に伸長し各濾過板は横方向に移動しようとするが、濾過枠の上辺と濾過板の上辺との間に、濾過板を横方向へ可動とするスライド機構が設けられていることから、濾過板の横方向への移動が制限されることに起因して、濾布の固定位置に応力が集中して、濾布の破断を引き起こすような事態を防止することが可能である。
このような濾布の膨出あるいは濾布の膨潤に伴う濾過板の横方向への移動量は、吸引式濾過濃縮装置の大型化に伴って、必然的に大きくなる。
また、濃縮汚泥が濾布に付着することに伴い、濾過枠の下辺と濾過板の下辺との間に設けられている、上下方向に延びる弾性部材が、付着した濃縮汚泥の重さで収縮し、濾布に作用する下向きの張力が低下しようとするが、スライド機構が備える上下移動制限手段により、濾過板の上下方向への移動が制限されることから、濾過板の下部に設けた弾性部材の収縮に伴い、濾布の弛みが引き起こされ、隣接する濾過板に接触するような事態を防止することが可能である。このような濃縮汚泥の濾布への付着に伴う弾性部材の収縮量は、吸引式濾過濃縮装置の大型化に伴って濃縮汚泥の付着量が多くなることから、必然的に大きくなる。
以上のように、本発明に係る吸引式濾過濃縮装置によれば、吸引式濾過濃縮装置を大型化するに際し、濾布の健全性を確保しつつ、濾布に加わる上下方向の張力を略一定に維持することにより、濾布の下部に弛みを生じさせないようにすることが可能である。
また、前記スライド機構は、前記濾過枠の上辺に設けられ、前記濾過枠の横方向に延びる案内部材と、前記濾過板の上辺に設けられ、該案内部材に対して横方向に摺動自在に係合する被案内部材とを有し、
前記上下移動制限手段は、前記被案内部材が前記案内部材に対して係合することにより、形成されるのがよい。

さらに、前記案内部材は、レールであり、前記被案内部材は、上下方向に延び、下端が前記濾過板に固定され、上端に該レールに係合する係合部を有するのがよい。
さらにまた、前記被案内部材は、前記濾過板の横方向に互いに所定間隔を隔てて、複数設けられるのがよい。
加えて、前記係合部は、前記レールが挿通可能なリングでもよい。
また、前記係合部は、前記レールに対してフック可能な断面コの字状のフックでもよい。
さらに、前記スライド機構は、前記濾過枠の上辺に固定され、該濾過枠から下方に延びる案内部材と、前記濾過板の上辺に設けられ、前記案内部材に対して横方向に摺動自在に係合する被案内部材とを有し、
前記上下移動制限手段は、前記被案内部材が前記案内部材に対して係合することにより、形成されるのがよい。
さらにまた、前記被案内部材は、前記濾布に設けられた横長の鳩目であり、前記案内部材の下端には、該鳩目に係合する係合部が設けられているのがよい。
加えて、前記係合部は、前記鳩目に対して係合可能なリングでもよい。
さらに、前記係合部は、前記鳩目に対してフック可能な断面コの字状のフックでもよい。
さらにまた、前記濾過枠の下辺と前記濾過板の下辺との間に、前記濾過板を横方向へ可動とするスライド機構がさらに設けられ、
該スライド機構は、前記濾過枠の下辺に設けられ、前記濾過枠の横方向に延びる案内部材と、前記濾過板の下辺に設けられ、該案内部材に対して横方向に摺動自在に係合する被案内部材とを有し、
該被案内部材が、前記弾性部材を構成するのがよい。
さらに、前記案内部材は、レールであり、前記被案内部材は、上下方向に延び、上端が前記濾過板に固定され、下端に該レールに係合する係合部を有するのがよい。
さらにまた、前記係合部は、前記レールが挿通可能なリングでもよい。
また、前記係合部は、前記レールに対してフック可能な断面コの字状のフックでもよい。
加えて、前記弾性部材は、SUS製コイルスプリングでもよい。
さらに、前記濾布の下部には、おもり部材がさらに取り付けられ、その重さにより前記濾布に対して下方に張力が加えられるのでもよい。
上記課題を達成するために、本発明に係る吸引式濾過濃縮装置は、
濾過濃縮対象物を含有する処理液を収容する濾過濃縮槽と、それぞれ平面部が上下方向に延び、該濾過濃縮槽内で互いに隣接して整列する複数の濾過板とを有し、各濾過板は、網目状の支持板と、支持板に対して一体的に縫合され、該支持板を収容する袋状の濾布とを有し、それにより濾布の内部には濾過室が形成され、さらに、該濾過室を通じて前記濾布を吸引する吸引手段と、該濾過室を通じて前記濾布を膨出させる膨出手段と、複数の濾過板のそれぞれの周囲に亘って配置され、各濾過板に対して常時張力を付加する張力付加手段とを有する、吸引式濾過濃縮装置において、
前記濾過板の外周には、前記濾過板を囲む濾過枠が設けられ、
前記濾過枠の下辺と前記濾過板の下辺との間に設けられる前記張力付加手段は、上下方向に延びる弾性部材であり、
前記濾過枠の上辺と前記濾過板の上辺との間に、前記濾過板を横方向へ可動とするスライド機構が設けられ、
該スライド機構は、前記濾過板の上下方向への移動を制限する上下移動制限手段を有する、構成としている。
本発明に係る吸引式濾過濃縮装置によれば、濾過濃縮物を濾布から剥離させるために濾布を膨出させる際、あるいは濾布を汚泥に長期間浸漬させることに伴い濾布が膨潤する際、濾布が支持板に対して一体的に縫合されていることにより、濾布の膨出あるいは浸漬に伴って、支持板が横方向に収縮し各濾過板は横方向に移動しようとするが、濾過枠の上辺と濾過板の上辺との間に、濾過板を横方向へ可動とするスライド機構が設けられていることから、濾過板の横方向への移動が制限されることに起因して、濾布の固定位置に応力が集中して、濾布の破断を引き起こすような事態を防止することが可能であり、一方濾過濃縮物が濾布に付着することに伴い、濾過枠の下辺と濾過板の下辺との間に設けられている、上下方向に延びる弾性部材が、付着した濾過濃縮物の重さで収縮し、濾布に作用する下向きの張力が低下しようとするが、スライド機構が備える上下移動制限手段により、濾過板の上下方向への移動が制限されることから、濾過板の下部に設けた弾性部材の収縮に伴い、濾布の弛みが引き起こされ、隣接する濾過板に接触するような事態を防止することが可能であり、以上から、吸引式濾過濃縮装置を大型化するに際し、濾布の健全性を確保しつつ、濾布に加わる上下方向の張力を略一定に維持することにより、濾布の下部に弛みを生じさせないようにすることが可能となる。
下水場あるいは浄水場において発生する汚泥を濾過濃縮対象とした場合を例として、本発明に係る吸引式濾過濃縮装置10の第1実施形態を図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置の概略構成図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置において、複数の濾過板が隣接して配置されている状態を示す概略斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置における濾過板を示す概略側面図である。図4は、本発明の第1実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置において、複数の濾過板が汚泥槽により懸架支持されている状態を示す部分平面図である。図5は、本発明の第1実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置において、図5(A)は、隣合う濾過板の濾布が膨出している状況を示し、図5(B)は、隣合う濾過板の濾布により濾過が行われている状況を示す概念図である。図6は、本発明の第1実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置において、濾過板まわりを示す概略図である。
図1に示すように、吸引式濾過濃縮装置10は、濾過濃縮対象である汚泥を収容する汚泥槽12と、汚泥槽12内に配置された複数の濾過板14と、汚泥を吸引する吸引部16と、複数の濾過板14それぞれに設けられた濾布18を膨出させる膨出部20とから概略構成されている。
汚泥槽12は、有底の矩形断面の容器であり、後に説明する複数の濾過板14を内部に設置可能な容積を有する。汚泥槽12の側壁22には、汚泥槽12内に汚泥を供給する汚泥供給/排出管24の一端が連通し、汚泥供給/排出管24の途中に設けられた汚泥供給/排出弁26を介して、正逆作動可能な汚泥供給/排出ポンプ28が接続されている。これにより、汚泥供給/排出弁26を開き、汚泥供給/排出ポンプ28を作動することにより、汚泥を汚泥槽12内に供給する一方、汚泥供給/排出ポンプ28を逆に作動することにより、汚泥槽12内の未濃縮の汚泥を汚泥槽12から排出することが可能なようにしている。また、汚泥槽12の底部には、汚泥槽12の底に溜まった濃縮汚泥を排出する濃縮汚泥排出管30の一端が連通し、濃縮汚泥排出管30の途中には、濃縮汚泥排出弁32が設けられている。濃縮汚泥排出弁32を開くことにより、汚泥槽12の底に溜まった濃縮汚泥が重力落下により、濃縮汚泥排出管30を通じて外部に排出されるようにしている。
図2に示すように、複数の濾過板14(14Aないし14E)は、汚泥槽12内において、平面部13が上下方向に延びる状態で、所定の間隔Dを隔てて互いに隣接して整列配置されている。隣り合う濾過板14同士の間隔Dを小さくするほど、汚泥槽12内に設置可能な濾過板14の枚数を増やし、それにより総濾過面積を増大することが可能である。しかしながら、後に説明するように、濾過板14の濾布18に付着した濃縮汚泥を剥離するために濾布18を膨出する必要があり、この濾布18の膨出により、濾布18が隣りの濾過板14に向かって張り出すことから、濾布18が隣りの濾過板14に接触し、濾過面積として有効に利用できなく恐れがある。このように、隣合う濾過板14が接触しないようにしつつ、濾過面積を最大限に確保する観点から、隣合う濾過板14同士の間隔を定めるのがよい。
複数の濾過板14はそれぞれ、その上部において分配管34を介して、汚泥槽12の外部に設置された濾液貯留槽36に接続され、この濾液貯留槽36には、濾液排出管38の一端が連通して接続され、濾液排出管38は、鉛直下方に延び、途中に濾液排出弁40が設けられている。
濾液貯留槽36を通じて各分配管34と濾液排出管38とが、逆U字状に接続されており、サイフォンの原理を利用して、汚泥槽12内で濾過された濾液を汚泥槽12外に排出するようにしてある。さらに、分配管34には、吸引管31が分岐して接続され、吸引管31には、途中に設けられた吸引弁33を介して真空ポンプ35が接続している。これにより、吸引弁33を開いた状態で、真空ポンプ35を作動することにより、汚泥槽12内の処理すべき液を分配管34内に吸引し、サイフォンの原理を利用して、濾液排出管38を通じて、濾液を外部に排出する準備を行うことができるようにしている。
一方、濾液貯留槽36には、空気流入管42の一端が連通して接続され、その途中に設けられた空気流入弁44を介してコンプレッサー46に接続されている。これにより、空気流入弁44を開いた状態で、コンプレッサー46を作動することにより、圧搾空気が空気流入管42、濾液貯留槽36、および各分配管34を通じて、各濾過板14の濾過室76に供給され、後に説明する濃縮汚泥を濾布18から剥離する際、濾布18を膨出させるようにしている。
なお、分配管34の一端は、濾過板14の上部に設けられた水平管15に接続され、この水平管15の下部には、後に説明する隣合う縫い目74により区画される、濾布18の区分ごとに、排出孔(図示せず)が設けられている。これにより、濾布18の区分ごとに、対応する排出孔を通じて、コンプレッサー46により圧搾空気を供給したり、あるいは真空ポンプ35によりサイフォン式の吸引を行うようにしている。
複数の濾過板14のそれぞれの構成は、同様であるので、濾過板14の1つについてその構成を以下に説明する。
図3に示すように、濾過板14は、濾過枠48と、濾過枠48の内部に配置された支持板50と、支持板50を内部に収容するように袋状とした濾布18と、濾過枠48と支持板50との間に設けられた複数のコイルスプリング54とから概略構成されている。濾過枠48は、中空の矩形形状をなし、上辺56、下辺58および上下辺との間の両側辺60、62を有する。濾過板14は、上辺56の両端部により汚泥槽12の内側面68より懸架支持されている。より詳細には、図4に示すように、上辺56の両端部にはそれぞれ、延長部64が設けられる一方、汚泥槽12の内側面68には、内部に向かって突出する一対のガイド板70,72が設けられ、延長部64の端部を一対のガイド板70,72の間に配置して、延長部64の上面に固定された係合板66が、一対のガイド板70,72の上面に載置されるようにしてある。これにより、各濾過板14は、汚泥槽12から懸架支持されるようにしている。濾過板4を懸架支持する一対のガイド板の選択により、隣合う濾過板14同士の間隔が決定されるが、たとえば、濃縮汚泥の濾布18への付着量、吸引による負圧の大きさ、後に説明する濾布18の横方向の区分長さ等に応じて、濾過板14を懸架支持する一対のガイド板を選択することにより、隣合う濾過板14の間隔を適宜変えるようにしてもよい。
支持板50は、ネットあるいはメッシュ網等からなり、矩形形状とされ、無数の小開口が支持板50に設けられている。支持板50の表面には、その上下方向に延びる凹凸部(図示せず)が設けられ、それにより、支持板50の凹部と濾布18の内面との間には、支持板50の上下方向に延びる濾液の流路が複数形成されるようにしている。支持板50は、樹脂製であるが、後に説明するように、濾布18を汚泥に浸漬することに伴う支持板50の平面内の伸長あるいは支持板50の平面性をくずすような変形が実質的に生じず、かつ濾布18を膨出させることに伴う支持板50の平面内の収縮あるいは支持板50の平面性をくずすような変形が実質的に生じないような硬質の材質であるのがよい。具体的には、たとえばポリエチレン製あるいはEVA樹脂製がよい。このような材質を採用することにより、濾布18を汚泥に長時間浸漬したり、濾布18を膨出させたりする場合に、後に説明するコイルスプリング54により濾過板14に作用する張力が常時略一定となるようにすることが可能となる。
濾布18は、化学繊維製が好ましく、とくにナイロン製がよい。濾布18は、たとえば、一対の矩形状の布体を重ね合わせて周縁部どうしを縫ったり、あるいは一枚の矩形状の布体を対向する縁どうしが重なり合うように折り曲げて、周縁部どうしを縫ったりすることにより袋状に形成するのがよい。濾布18の周囲には、複数の鳩目78が設けられ、後に説明するコイルスプリング54の一端が、鳩目78にフックされるようにしている。
濾布18には、汚泥槽12の上下方向に延びる縫い目74が複数設けられ、各縫い目74により、濾布18はその内部に収容される支持板50と一体的に縫合されている。それにより濾布18は、横方向(汚泥槽12の上下方向にほぼ直交する方向)に沿って区分され、区分ごとに、濾布18の内面と支持板50との間に濾過室76が形成されるようにしている(図5参照)。隣合う縫い目74の間隔は、均等である必要はないが、隣接する濾過板14同士が接触する危険がない範囲で濾過板14同士を極力近接して配置することにより、濾過板14全体としての総濾過面積を最大限に確保する観点から、設定すればよい。
より詳細には、図5(A)に示すように、表面に濃縮汚泥が付着した濾布18から濃縮汚泥を剥離するために、コンプレッサー46により濾過室76に圧搾空気を送り込むことにより、濾布18を膨出させる際、濾布18は隣接する濾過板14に向かって張り出すことになるが、濾布18を横方向に沿って区分し、各区分ごとに濾布18が膨出することにより、この張り出し量Pを小さくし、以て隣接する濾過板14同士の間隔Dを狭めることが可能となる。
さらに、濾布18の隣合う縫い目74で区分される各区分ごとに、濾布18の横方向の長さが、その上下方向全体に亘って、この区分に対応する支持板50の横方向の長さより長く設定されており、それにより区分ごとに、濾布18を膨出させる際の膨出余裕しろが設けられている。これにより、図5(B)に示すように、濾過時には、濾布18の区分ごとに、濾過室76を通じて濾布18が吸引されることにより、濾布18の大部分は、支持板50に密着する一方、支持板50に密着しないしわ状の非密着部分71がその上下方向に形成される。一方、濾布18を膨出させる際、濾布18が過度に張ることなしに、濾布18の細孔が拡げられて正常な濾過機能を喪失したり、あるいは濾布18がやぶけたりするのを未然に防止することが可能である。
図3に示すように、複数のコイルスプリング54は、濾過枠48の側辺60と濾布18の側辺61との間、濾過枠48の側辺62と濾布18の側辺63との間、および濾過枠48の下辺58と濾布18の下辺59との間に配置されている。濾過枠48の両側辺部および下辺部それぞれに設置される隣り合うコイルスプリング54同士の間隔は、濾布18の大きさ、付着する濃縮汚泥量等に応じて、適宜設定すればよい。より詳細には、各コイルスプリング54は、その一端部が濾布18の鳩目78にフックされる一方、その他端部が濾過枠48の側辺60、62あるいは下辺58に固定されている。複数のコイルスプリング54は、耐蝕性の観点から、SUS製が好ましく、濾過板14の周囲に亘って数十本配置し、濾過板14の枚数がたとえば、数十枚に及ぶことから、特注品ではなく標準品を採用するのがよい。
これに対して、図3および図6に示すように、各濾過板14において、濾過枠48の上辺56と濾布18の上辺57との間には、濾過板14を横方向へ可動とするスライド機構100が設けられ、このスライド機構100は、濾過板14の上下方向への移動を制限する上下移動制限手段を有する。スライド機構100は、濾過枠48の上辺56に設けられ、濾過枠48の横方向に延びる案内部材104と、濾過板14の上辺57に設けられ、案内部材104に対して横方向に摺動自在に係合する被案内部材106とを有し、上下方向移動制限手段は、被案内部材106が案内部材104に対して係合することにより形成される。案内部材104は、単一のレールからなる。レールの長さは、濾布18の横方向の長さよりも若干長く設定される。レールの断面形状は、被案内部材106を介して濾過板14を横方向に可動とすることが可能である限り、多角形、円形等任意である。
被案内部材106は、上下方向に延び、下端108が濾布18に固定され、上端110にレールに係合する係合部112を有する。被案内部材106は、コイルスプリングと異なり、実質的に上下方向に伸縮を生じない材質、たとえば金属製であり、濾過板14の横方向に互いに所定間隔を隔てて複数設けられている。隣り合う被案内部材106の所定間隔は、濾過板14の大きさ、濾布18に付着する濃縮汚泥の量等に応じて、適宜定めればよい。この場合、濾布18の各区分ごとに被案内部材106を設けてもよい。汚泥槽12内の限られたスペースにおいて、濾過板14により濾過面積を最大限に確保する観点から、被案内部材106の上下方向の長さは、短いほど好ましい。係合部112は、レールが挿通可能なリングから構成され、リングの大きさは、レールが挿通可能な範囲で小さいのが好ましい。変形例として、係合部112は、レールに対してフック可能な断面コの字状のフックであってもよい。リングの場合に比べ、フックの場合には、濾過板14の隣接する濾過板14に向う動きによりフックの開放部を通じてフックが外れる恐れがある反面、濾過板14をレールに装着したり、脱着するのが容易であるという利点を有する。
以上の構成を有する吸引式濾過濃縮装置10について、運転方法を含めその作用を以下に説明する。
まず、汚泥槽12内に汚泥を供給する。より詳細には、汚泥排出弁32を閉じた状態で、汚泥供給/排出弁26を開き、汚泥供給/排出ポンプ28を作動することにより、汚泥供給/排出管24を通じて濾過濃縮対象である汚泥を、濾過板14の頂部のレベルまで汚泥槽12内に供給する。
次いで、汚泥槽12内の汚泥をサイフォン式により濾過濃縮する準備を行う。より詳細には、吸引弁33を開き、真空ポンプ35を作動することにより、濾布18内の液体が、分配管34を通じて濾液貯留槽36内に吸引される。分配管34の濾過板14側の端部と、濾液貯留槽36とのレベル差に応じて、サイフォン作用により、濾過室76内に導かれた濾液を汚泥排出管38を通じて外部に排出することが可能となる。
次いで、汚泥槽12内の汚泥を濾過濃縮する。より詳細には、汚泥槽12内の汚泥は、サイフォンの原理により、濾布18の外表面に向かって吸引され、その際、汚泥中の水分は、濾布18を通過して、濾液として濾布18内の濾過室76に導かれ、汚泥が脱水され、脱水され濃縮された汚泥は、濾布18の外表面に付着する。その際、濾布18の各区分ごとに、膨出余裕しろが設けられていることから、濾布18が吸引されることにより、各区分中の濾布18の大部分は、支持板50に密着した状態となるが、支持板50に密着しない非密着部71が、濾布18の上下方向に延びるしわ状に形成される。このしわ状の非密着部71は、濾過のたびごとに、区分ごとに新たに形成されるので、濾布の健全性に悪影響を与える傾向は小さいが、濾布18を長時間使用することにより、濾布18に一種のくせがつき、濾過のたびに、同じ位置に非密着部71が形成されることもある。このような場合には、たとえば、濾過室76内に生じる負圧を調整することにより、非密着部71の生成に起因する濾布18に対する悪影響を防止することが可能である。
各濾過板14には、その周囲からコイルスプリング54によって常時張力が付加されているので、不動静止状態に維持される。それにより、濾布18の外表面に付着した濃縮汚泥が、濾過板14がばたついたり、ぐらついたりすることにより、濾布18の外表面から剥離するような事態を防止することが可能である。
濃縮汚泥が濾布18の外表面に付着することに伴い、濾過枠48の下辺58と濾過板14の下辺59との間に設けられている、上下方向に延びるコイルスプリング54が、付着した濃縮汚泥の重さで収縮し、濾布18に作用する下向きの張力が低下しようとするが、スライド機構100が備える被案内部材106により、濾過板14の上下方向への移動が制限される。すなわち、濾過板14の下方への移動は、レールが挿通するリングの上端がレールの上面に係止することにより、制限される。これにより、濾過板14の下部に設けたコイルスプリング54の収縮に伴い、濾布18の弛みが引き起こされ、隣接する濾過板14に接触するような事態を防止することが可能である。
次いで、汚泥槽12内の未濃縮の汚泥を汚泥槽12外部に排出する。より詳細には、汚泥供給/排出弁26を開き、汚泥供給/排出ポンプ28を汚泥の供給の際と逆に作動することにより、汚泥供給/排出管24を通じて汚泥槽12内の未濃縮の汚泥を汚泥槽12外部に排出する。
次いで、濾布18を膨出させることにより、濾布18に付着した濃縮汚泥を剥離させる。より詳細には、空気流入弁44を開き、コンプレッサー46より空気流入管42、濾液貯留槽36、各分配管34および各水平管15を通じて、圧搾空気を各濾過板14の濾過室76内に供給する。それにより、濃縮汚泥により無数の細孔が閉塞された濾布18は、支持板50から離れる向きに膨出する。その際、濾布18が支持板50に対して一体的に縫合されていることにより、濾布18の膨出に伴って、支持板50が横方向に収縮し各濾過板14は横方向に移動しようとするが、濾過枠48の上辺56と濾過板14の上辺57との間に、濾過板14を横方向へ可動とするスライド機構100が設けられており、濾過板14が横方向へ移動する際、下端108が濾過板14に固定された各々の被案内部材106は、濾過板14と一体で横方向へ移動しようとするが(図6において左右方向)、その際、被案内部材106の各々の上端110に設けられたリングが、案内部材104であるレールに案内される形態で、レール上を摺動することから、濾過板14は制約なしに横方向へ移動することが可能である。このことから、濾過板14の横方向への移動が制限されることに起因して、濾布18の固定位置に応力が集中して、濾布18の破断を引き起こすような事態を防止することが可能である。
また、濾布18には、各区分ごとに、膨出余裕しろが設けられているので、濾布18が過度に張って、細孔が拡がったりあるいは濾布18がやぶけたりするのを防止することが可能である。さらに、濾布18の膨出に伴い、濾布18に対して一体に縫合された支持板50は圧縮力を受け、支持板50の横方向に縮もうとするが、硬質の支持板50を採用することにより、支持板50の横方向の長さはほぼ一定に維持され、それにより、支持板50の側方から作用するコイルスプリング54による張力をほぼ一定に維持することが可能である。
次いで、剥離した濃縮汚泥を汚泥槽12の外部に排出する。より詳細には、汚泥排出弁32を開き、濾布18から剥離されることにより汚泥槽12の底に溜まった濃縮汚泥を重力作用により濃縮汚泥排出管30を通じて、汚泥槽12の外部に排出する。
以上で、汚泥の濾過濃縮作業が完了する。
濾布18は、長時間汚泥中に浸漬され、それにより膨潤し、それにより支持板50も横方向に伸長しようとする(図6において左右方向)。その際、濾布18が支持板50に対して一体的に縫合されていることにより、濾布18の膨潤に伴って、支持板50が横方向に伸長し各濾過板14は横方向に移動しようとするが、濾過枠48の上辺56と濾過板14の上辺57との間に、濾過板14を横方向へ可動とするスライド機構100が設けられていることから、濾過板14が横方向へ移動する際、下端108が濾過板14に固定された各々の被案内部材106は、濾過板14と一体で横方向へ移動しようとするが、その際、被案内部材106の各々の上端110に設けられたリングが、案内部材104であるレールに案内される形態で、レール上を摺動することから、濾過板14は制約なしに横方向へ移動することが可能である。このことから、前述の濾布18の膨出の場合と同様に、過濾過板14の横方向への移動が制限されることに起因して、濾布18の固定位置に応力が集中して、濾布18の破断を引き起こすような事態を防止することが可能である。
一方、硬質の支持板50であることから、支持板50の横方向の長さはほぼ一定に維持され、それにより、支持板50の側方から作用するコイルスプリング54による張力をほぼ一定に維持することが可能である。
汚泥槽12の外部に排出された濃縮汚泥は、別途脱水機によりさらに濃縮されて、ケーキ状に形成され、焼却あるいは埋立処分に付される。
以上の構成を有する吸引式濾過濃縮装置10によれば、汚泥槽12内に収容された汚泥を濾布を通じて吸引濾過することにより、汚泥中の水分が濾布を通過して、濾過室76に案内される一方、脱水された汚泥が濾布18の外表面に付着することを通じて、汚泥を濾過濃縮することが可能である。その際、複数の濾過板14は各々、その周囲から張力付加手段により常時張力が付加されていることから、各濾過板14は、不動静止状態に維持され、たとえば吸引の際に、濾過板14がばたつくことにより、付着した濃縮汚泥が自然剥離したり、あるいは隣接する濾過板14に接触して、濃縮汚泥の形成が阻害されたり、あるいは有効な濾過面積が減少したりすることを防止することが可能である。
濃縮汚泥を濾布から剥離させるために濾布18を膨出させる際、濾布18が支持板50に対して一体的に縫合されていることにより、濾布18の膨出に伴って、支持板50が横方向に収縮し各濾過板14は横方向に移動しようとするが、濾過枠48の上辺56と濾過板14の上辺57との間に、濾過板14を横方向へ可動とするスライド機構100が設けられていることから、濾過板14の横方向への移動が制限されることに起因して、濾布18の固定位置に応力が集中して、濾布18の破断を引き起こすような事態を防止することが可能である。
一方、濾布18を汚泥に長期間浸漬させることに伴い濾布18が膨潤する際、濾布18が支持板50に対して一体的に縫合されていることにより、濾布18の膨潤に伴って、支持板50が横方向に伸長し各濾過板14は横方向に移動しようとするが、濾過枠48の上辺56と濾過板14の上辺57との間に、濾過板14を横方向へ可動とするスライド機構100が設けられていることから、濾過板14の横方向への移動が制限されることに起因して、濾布18の固定位置に応力が集中して、濾布18の破断を引き起こすような事態を防止することが可能である。
このような濾布18の膨出あるいは濾布18の膨潤に伴う濾過板14の横方向への移動量は(図6におけるS)、吸引式濾過濃縮装置の大型化に伴って、必然的に大きくなる。
また、濃縮汚泥が濾布18に付着することに伴い、濾過枠48の下辺と濾過板14の下辺との間に設けられている、上下方向に延びるコイルスプリング54が、付着した濃縮汚泥の重さで収縮し、濾布18に作用する下向きの張力が低下しようとするが、スライド機構100が備える上下移動制限手段102により、濾過板14の上下方向への移動が制限されることから、濾過板14の下部に設けたコイルスプリング54の収縮に伴い、濾布18の弛みが引き起こされ、隣接する濾過板14に接触するような事態を防止することが可能である。このような濃縮汚泥の濾布18への付着に伴うコイルスプリング54の収縮量は、吸引式濾過濃縮装置の大型化に伴って濃縮汚泥の付着量が多くなることから、必然的に大きくなる。
以上のように、本発明に係る吸引式濾過濃縮装置10によれば、吸引式濾過濃縮装置を大型化するに際し、濾布18の健全性を確保しつつ、濾布18に加わる上下方向の張力を略一定に維持することにより、濾布18の下部に弛みを生じさせないようにすることが可能である。また、被案内部材106の上下方向長さを極力短くする一方、案内部材104であるレールの設置位置を極力濾過枠48の上辺56に極力近い位置にすることにより、濾布18の上方へ延びる長さを確保し、以て濾過面積を確保することが可能となる。
以下に、本発明の第2実施形態を説明する。以下の説明では、第1実施形態と同様な要素には、同様な参照番号を付すことによりその説明は省略し、本実施形態の特徴部分について詳細に説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置における、図3と同様な図である。
図7(A)に示すように、本実施形態の特徴は、各濾過板14において、濾過板14の下部におもり部材80を設置した点にある。より詳細には、所定重量の横長の角柱状のおもり部材80が、複数の吊り金具82を介して、濾過板14の下部より垂下している。複数の吊り金具82のそれぞれは、図7(B)に示すように、互いに並行な一対の延出部84を備えたU字型の本体86と、一対の延出部84それぞれの先端を連結する連結棒88とを有し、おもり部材80は、コイルスプリング90を介して本体から垂下するようにしている。複数の吊り金具82は、一対の延出部84の間に濾過枠48が介在するように配置され、濾布18の鳩目78に連結棒88を通すことにより濾布18に連結される。
このような構成によれば、第1実施形態と同様に、濾過板14は、濾布18の膨出あるいは浸漬に伴って、スライド機構100により制約を受けることなしに横方向へ可動であり、それにより濾布18の固定部に応力が集中し、濾布18が破断する事態を防止することが可能である。さらに、濾過板14の下部にコイルスプリングを設置するとすれば、濾過の際、濾布18の表面に徐々に付着する濃縮汚泥の重さによってコイルスプリングが過度に押し縮められるところ、おもり部材80により濾布18を常時下方に引っ張ることが可能となるので、濃縮汚泥の付着に伴う濾布18の弛みを防止することが可能である。さらに、濾過枠48が一対の延出部84の間に介在するように配置されているので、濾過板14が一対の延出部84に当たることにより、濾過板14の隣接する濾過板14に向う過度な揺動を防止することも可能となる。
以下に、本発明の第3実施形態を説明する。以下の説明では、第1実施形態と同様な要素には、同様な参照番号を付すことによりその説明は省略し、本実施形態の特徴部分について詳細に説明する。図8は、本発明の第3実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置における、図6と同様な図である。
本実施形態の特徴部分は、図8に示すように、第1実施形態あるいは第2実施形態とは異なるスライド機構100を採用した点にある。すなわち、本実施形態においては、各濾過板14において、スライド機構100は、濾過枠48の上辺56に固定され、濾過枠48から下方に延びる複数の案内部材202と、濾布18の上辺57に設けられ、案内部材202に対して横方向に摺動自在に係合する被案内部材204とを有し、上下移動制限手段は、被案内部材204が案内部材202に対して係合することにより、形成される。
案内部材202は、コイルスプリングと異なり、実質的に上下方向に伸縮を生じない材質、たとえば金属製であり、濾過板14の横方向に互いに所定間隔を隔てて複数設けられている。隣り合う案内部材202の所定間隔は、濾過板14の大きさ、濾布18に付着する濃縮汚泥の量等に応じて、適宜定めればよい。この場合、濾布18の各区分ごとに案内部材202を設けてもよい。汚泥槽12内の限られたスペースにおいて、濾過板14の濾過面積を最大限に確保する観点から、案内部材202の上下方向の長さは、極力短いのが望ましい。
被案内部材204は、濾布18の上部に設けられた複数の横長の鳩目であり、案内部材202の下端206には、この鳩目に係合する係合部208が設けられている。各鳩目の横方向の長さは、濾布18の膨出あるいは浸漬の際の濾過板14の横方向の移動量より少なくも長く設定される。この場合、濾布18の膨出の際の濾過板14の横方向の移動の向きと、濾布18の浸漬の際の濾過板14の横方向の移動の向きとは、逆方向であるから、両移動に対して濾過板14が制約なく移動可能なように、係合部208は、対応する鳩目の横方向ほぼ中央部に配置されるのがよい。
係合部208は、鳩目に対して係合可能なリングが好ましいが、鳩目に対してフック可能な断面コの字状のフックでもよい。
このような構成によれば、濃縮汚泥を濾布から剥離させるために濾布18を膨出させる際、濾布18が支持板50に対して一体的に縫合されていることにより、濾布18の膨出に伴って、支持板50が横方向に収縮し各濾過板14は横方向に移動しようとするが、濾過枠48の上辺56と濾過板14の上辺57との間に、濾過板14を横方向へ可動とするスライド機構100が設けられていることから、横長の鳩目が対応する係合部208に係合しながら横方向に移動可能であり、それにより濾過板14の横方向への移動が制限されることに起因して、濾布18の固定位置に応力が集中して、濾布18の破断を引き起こすような事態を防止することが可能である。
一方、濾布18を汚泥に長期間浸漬させることに伴い濾布18が膨潤する際、濾布18が支持板50に対して一体的に縫合されていることにより、濾布18の膨潤に伴って、支持板50が横方向に伸長し各濾過板14は横方向に移動しようとするが、濾布18の膨出の場合と同様に、濾過板14の横方向への移動が制限されることに起因して、濾布18の固定位置に応力が集中して、濾布18の破断を引き起こすような事態を防止することが可能である。
また、濃縮汚泥が濾布18に付着することに伴い、濾過枠48の下辺58と濾過板14の下辺59との間に設けられている、上下方向に延びるコイルスプリング54が、付着した濃縮汚泥の重さで収縮し、濾布18に作用する下向きの張力が低下しようとするが、濾過板14の下方への移動が案内部材202により制限されることから、濾過板14の下部に設けたコイルスプリング54の収縮に伴い、濾布18の弛みが引き起こされ、隣接する濾過板14に接触するような事態を防止することが可能である。
以下に、本発明の第4実施形態を説明する。以下の説明では、第1実施形態と同様な要素には、同様な参照番号を付すことによりその説明は省略し、本実施形態の特徴部分について詳細に説明する。図9は、本発明の第4実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置における、図6と同様な図である。
本実施形態の特徴部分は、図9に示すように、各濾過板14において、濾過板14の横方向への移動を可動とするスライド機構100Bを濾過枠48の下辺58と濾布18の下辺59との間に設けるとともに、濾過板14の上下方向への移動を可動とするスライド機構100C,Dを、濾過枠48の左側辺60と濾布18の左側辺61との間、および濾過枠48の右側辺62と濾布18の右側辺63との間に設けた点にある。
より詳細には、スライド機構100Bについては、第1実施形態において濾過枠48の上辺56と濾過板14の上辺57との間に設けたスライド機構100Aと略同様であり、濾過枠48の横方向に延びる案内部材104と、濾布18の下辺59に設けられ、案内部材104に対して横方向に摺動自在に係合する被案内部材106とを有する。案内部材104は、単一のレールからなる。レールの長さは、濾布18の横方向の長さよりも若干長く設定される。レールの断面形状は、被案内部材106を介して濾過板14を横方向に可動とすることが可能である限り、多角形、円形等任意である。被案内部材106は、上下方向に延び、上端が濾布18に固定され、下端にレールに係合する係合部112を有する。被案内部材106は、コイルスプリングであり、濾過板14の横方向に互いに所定間隔を隔てて複数設けられている。隣り合う被案内部材106の所定間隔は、濾過板14の大きさ、濾布18に付着する濃縮汚泥の量等に応じて、適宜定めればよい。この場合、濾布18の各区分ごとに被案内部材106を設けてもよい。汚泥槽12内の限られたスペースにおいて、濾過板14により濾過面積を最大限に確保する観点から、被案内部材106の上下方向の長さは、短いほど好ましい。係合部112は、レールが挿通可能なリングから構成され、リングの大きさは、レールが挿通可能な範囲で小さいのが好ましい。変形例として、係合部112は、レールに対してフック可能な断面コの字状のフックであってもよい。リングの場合に比べ、フックの場合には、濾過板14の隣接する濾過板14に向う動きによりフックの開放部を通じてフックが外れる恐れがある反面、濾過板14をレールに装着したり、脱着するのが容易であるという利点を有する。
次に、スライド機構100Cについて説明すれば、濾過枠48の左側辺60に、上下方向に延びる案内部材104が設けられ、一方濾布18の左側辺61には、一端が濾過板14に固定され、他端にレールに挿通可能なリングを有する被案内部材106が設けられ、濾過板114が上下方向に移動する際、被案内部材106の先端に設けられたリングを介して案内部材104であるレールにより摺動可能に案内されながら、円滑に移動できるようにしている。被案内部材106は、スライド機構100Bの場合と同様に、コイルスプリング54である。
右側辺に設けたスライド機構100Dについても、同様であるので、その説明は省略する。
このような構成によれば、濾布18の膨出あるいは濾布18の膨潤に伴って濾過板14が横方向へ移動しようとする際、濾過板14の上下に設けられたスライド機構100A、Bにより、濾過板14は円滑に横方向に移動することが可能となる。また、濃縮汚泥が濾布の表面に付着して、その重さで濾過板14が下方に移動しようとするとき、濾過板14の両側方に設けた各コイルスプリング54が下方斜めに引き延ばされるのを防止しつつ、濾過板14自体が円滑に下方に移動することが可能となる。
なお、変形例として、濾過板14の片側にのみスライド機構を設けたり、濾過板14の側辺において、その一部にスライド機構を設けたりしてもよい。
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば種々の修正あるいは変形が可能である。たとえば、第1実施形態においては、濾過濃縮の対象が汚泥の場合を説明したが、それに限定されることなく、たとえば濾過濃縮の対象としては、アルカリ溶液中に含有した焼却灰、牛乳、ジュース等飲料液中に含有した異物、濁質水中の濁質物等があり、濾過濃縮の対象に応じて、濾布の種類、細孔径の大きさ、吸引力等の条件を適切に設定する限り、本発明に係る吸引式濾過濃縮装置は、これらに対して適用可能である。
また、第1実施形態においては、各濾過板14において、上下方向に延びる縫い目を複数設けることにより、濾布18が横方向に沿って区分され、各区分ごとに膨出余裕しろを設けている場合を説明したが、それに限定されることなく、濾布18を区分せず支持板50の各側に単一の濾過室76を設けるのでもよい。
さらに、第1実施形態においては、支持板50について、濾布18を汚泥に浸漬することに伴う支持板50の平面内の伸長あるいは支持板50の平面性をくずすような変形が実質的に生じず、かつ濾布18を膨出させることに伴う支持板50の平面内の収縮あるいは支持板50の平面性をくずすような変形が実質的に生じないような硬質の樹脂製材質である場合を説明したが、それに限定されることなく、本発明に係る吸引式濾過濃縮装置は、このような伸縮あるいは変形が生じるような軟質の樹脂製材質にも適用可能である。
さらにまた、第1実施形態においては、サイフォン式の吸引式濾過濃縮装置10を説明したが、それに限定されることなく、濾布18に対する影響を考慮して負圧値を設定する限り、吸引ポンプを利用した吸引式の吸引式濾過濃縮装置10でもよい。また、第1実施形態においては、弾性部材として、コイルスプリング54を採用したが、これに限定されることなく、所望の張力を奏することが可能である限り、ゴム板等でもよい。
本発明に係る吸引式濾過濃縮装置は、上水、中水および下水を含めた水処理系技術分野に限らず、食品系分野、化学工業系分野等広範囲の技術分野に対して適用可能であり、そのなかでも、浄水場や下水処理場等の水処理工程において発生する汚泥の濃縮工程において適用される吸引式濾過濃縮装置を大型化する場合に特に有用である。
本発明の第1実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置の概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置において、複数の濾過板が隣接して配置されている状態を示す概略斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置における濾過板を示す概略側面図である。 本発明の第1実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置において、複数の濾過板が汚泥槽により懸架支持されている状態を示す部分平面図である。 本発明の第1実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置において、図5(A)は、隣合う濾過板の濾布が膨出している状況を示し、図5(B)は、隣合う濾過板の濾布により濾過が行われている状況を示す概念図である。 本発明の第1実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置において、濾過板まわりを示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置における、図3と同様な図である。 本発明の第3実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置における、図6と同様な図である。 本発明の第4実施形態に係る吸引式濾過濃縮装置における、図6と同様な図である。
符号の説明
P 張り出し量
D 間隔
S 移動量
10 吸引式濾過濃縮装置
12 汚泥槽
14 濾過板
15 水平管
16 吸引部
18 濾布
20 膨出部
22 側壁
24 汚泥供給/排出管
26 汚泥供給/排出弁
30 濃縮汚泥排出管
32 濃縮汚泥排出弁
34 分配管
35 真空ポンプ
36 濾液貯留槽
42 空気流入管
44 空気流入弁
46 コンプレッサー
50 支持板
54 コイルスプリング
56 上辺
58 下辺
60、62 側辺
71 非密着部
74 縫い目
76 濾過室
78 鳩目
80 おもり部材
82 吊り金具
84 延出部
86 本体
88 連結棒
90 スプリング
100 スライド機構
104 案内部材
106 被案内部材
108 下端
110 上端
112 係合部
202 案内部材
204 被案内部材
206 下端
208 係合部

Claims (17)

  1. 濾過濃縮対象である汚泥を収容する汚泥槽と、それぞれ平面部が上下方向に延び、該汚泥槽内で互いに隣接して整列する複数の濾過板とを有し、各濾過板は、網目状の支持板と、支持板に対して一体的に縫合され、該支持板を収容する袋状の濾布とを有し、それにより濾布の内部には濾過室が形成され、さらに、該濾過室を通じて前記濾布を吸引する吸引手段と、該濾過室を通じて前記濾布を膨出させる膨出手段と、複数の濾過板のそれぞれの周囲に亘って配置され、各濾過板に対して常時張力を付加する張力付加手段とを有する、吸引式濾過濃縮装置において、
    前記濾過板の外周には、前記濾過板を囲む濾過枠が設けられ、
    前記濾過枠の下辺と前記濾過板の下辺との間に設けられる前記張力付加手段は、上下方向に延びる弾性部材であり、
    前記濾過枠の上辺と前記濾過板の上辺との間に、前記濾過板を横方向へ可動とするスライド機構が設けられ、
    該スライド機構は、前記濾過板の上下方向への移動を制限する上下移動制限手段を有する、
    ことを特徴とする吸引式濾過濃縮装置。
  2. 前記スライド機構は、前記濾過枠の上辺に設けられ、前記濾過枠の横方向に延びる案内部材と、前記濾過板の上辺に設けられ、該案内部材に対して横方向に摺動自在に係合する被案内部材とを有し、
    前記上下移動制限手段は、前記被案内部材が前記案内部材に対して係合することにより、形成される、請求項1に記載の吸引式濾過濃縮装置。
  3. 前記案内部材は、レールであり、前記被案内部材は、上下方向に延び、下端が前記濾過板に固定され、上端に該レールに係合する係合部を有する、請求項2に記載の吸引式濾過濃縮装置。
  4. 前記被案内部材は、前記濾過板の横方向に互いに所定間隔を隔てて、複数設けられる、請求項2または3に記載の吸引式濾過濃縮装置。
  5. 前記係合部は、前記レールが挿通可能なリングである、請求項3に記載の吸引式濾過濃縮装置。
  6. 前記係合部は、前記レールに対してフック可能な断面コの字状のフックである、請求項3に記載の吸引式濾過濃縮装置。
  7. 前記スライド機構は、前記濾過枠の上辺に固定され、該濾過枠から下方に延びる案内部材と、前記濾過板の上辺に設けられ、前記案内部材に対して横方向に摺動自在に係合する被案内部材とを有し、
    前記上下移動制限手段は、前記被案内部材が前記案内部材に対して係合することにより、形成される、請求項1に記載の吸引式濾過濃縮装置。
  8. 前記被案内部材は、前記濾布に設けられた横長の鳩目であり、前記案内部材の下端には、該鳩目に係合する係合部が設けられている、請求項7に記載の吸引式濾過濃縮装置。
  9. 前記係合部は、前記鳩目に対して係合可能なリングである、請求項8に記載の吸引式濾過濃縮装置。
  10. 前記係合部は、前記鳩目に対してフック可能な断面コの字状のフックである、請求項8に記載の吸引式濾過濃縮装置。
  11. さらに、前記濾過枠の下辺と前記濾過板の下辺との間に、前記濾過板を横方向へ可動とするスライド機構が設けられ、
    該スライド機構は、前記濾過枠の下辺に設けられ、前記濾過枠の横方向に延びる案内部材と、前記濾過板の下辺に設けられ、該案内部材に対して横方向に摺動自在に係合する被案内部材とを有し、
    該被案内部材が、前記弾性部材を構成する、請求項1に記載の吸引式濾過濃縮装置。
  12. 前記案内部材は、レールであり、前記被案内部材は、上下方向に延び、上端が前記濾過板に固定され、下端に該レールに係合する係合部を有する、請求項11に記載の吸引式濾過濃縮装置。
  13. 前記係合部は、前記レールが挿通可能なリングである、請求項12に記載の吸引式濾過濃縮装置。
  14. 前記係合部は、前記レールに対してフック可能な断面コの字状のフックである、請求項12に記載の吸引式濾過濃縮装置。
  15. 前記弾性部材は、SUS製コイルスプリングである、請求項1に記載の吸引式濾過濃縮装置。
  16. 前記濾布の下部には、おもり部材がさらに取り付けられ、その重さにより前記濾布に対して下方に張力が加えられる、請求項1に記載の吸引式濾過濃縮装置。
  17. 濾過濃縮対象物を含有する処理液を収容する濾過濃縮槽と、それぞれ平面部が上下方向に延び、該濾過濃縮槽内で互いに隣接して整列する複数の濾過板とを有し、各濾過板は、網目状の支持板と、支持板に対して一体的に縫合され、該支持板を収容する袋状の濾布とを有し、それにより濾布の内部には濾過室が形成され、さらに、該濾過室を通じて前記濾布を吸引する吸引手段と、該濾過室を通じて前記濾布を膨出させる膨出手段と、複数の濾過板のそれぞれの周囲に亘って配置され、各濾過板に対して常時張力を付加する張力付加手段とを有する、吸引式濾過濃縮装置において、
    前記濾過板の外周には、前記濾過板を囲む濾過枠が設けられ、
    前記濾過枠の下辺と前記濾過板の下辺との間に設けられる前記張力付加手段は、上下方向に延びる弾性部材であり、
    前記濾過枠の上辺と前記濾過板の上辺との間に、前記濾過板を横方向へ可動とするスライド機構が設けられ、
    該スライド機構は、前記濾過板の上下方向への移動を制限する上下移動制限手段を有する、
    ことを特徴とする吸引式濾過濃縮装置。
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