JP4401255B2 - 加工装置と処理方法と成形加工方法 - Google Patents
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Description
この種の成形機において成形品の成形精度や品質が向上すると、成形品に塵埃等の微細な異物の混入が問題とされるようになり、成形機自体をクリーンルームに設置したり、成形機の設置箇所の天井にクリーンエア供給装置を設けて成形機の設置場所回りの空気のクリーン化を図るなどの対策がなされている。
また、前記特許文献1に開示されている射出成形機は、成形品に異物が入るというコンタミネーションをコントロールするために、射出成形機の金型を開閉するための駆動部が移動するための必要な空間部を確保できるように隔壁を設けて金型の主要部を隔壁で外界から隔離し、隔壁で覆った部分の空気をクリーンエアで置換する構成を採用している。
なお、これらの問題を解消するために加熱装置をクリーンルームに設置したのでは、設備が大掛かりとなり、設備コストの面で著しく不利になる問題がある。
また、本発明は、繰り返し加工を行う成形機や加熱装置などを用いて加工するか処理する方法において、クリーンルームへの設置などのように設備コストを大幅に向上させることがなく、成型物や膜に異物が混入することを防止することができる加工方法と処理方法の提供を目的とする。
クリーンエアを基台部側からの上昇気流に応じて発熱部に供給することで、クリーンエアを上から下向きに吹き付ける場合に比較し、発熱部周りでの空気の乱流発生を抑制することができ、発熱部におけるクリーン度の低下を抑制でき、発熱部における成形作業の支障となる異物の混入を抑制できる。
クリーンエアを上昇気流に応じて発熱部に供給することで、クリーンエアを上から下向きに吹き付ける場合に比較し、発熱部周りでの空気の乱流発生を抑制することができ、発熱部におけるクリーン度の低下を抑制でき、発熱部における成形作業の支障となる異物の混入を抑制できる。
開口部からのクリーンエアの上昇気流に加えて吹出口からのクリーンエアの上昇気流を発熱部周りに供給することで、発熱部を含めたその周囲のより広い範囲をクリーンエアで覆うことができ、発熱部における異物の混入をより確実に抑制できる。
本発明の成形加工方法は、樹脂を注入して成形するための金型を発熱部として有し、前記金型に樹脂を注入するための注入機構を基台部に備えた成形機を用い、該金型にその周囲からクリーンエアを供給して該金型及びその周囲をクリーンエアで覆いながら前記注入機構により金型に樹脂を注入して成形加工することを特徴とする。
前記の方法において、クリーンエアを上昇気流に応じて発熱部の被処理物周りに供給することで、クリーンエアを上から下向きに吹き付ける場合に比較し、被処理物周りでの空気の乱流発生を抑制することができ、発熱部におけるクリーン度の低下を抑制でき、発熱部における処理の支障となる異物の混入を抑制できる。
図1は、本発明を適用した射出成形装置の一実施形態を示す図であり、図2と図3はその射出成形装置の作動状態と射出成形装置要部での空気の流れを示すものである。
本実施の形態に係る(射出)成形装置Cは、図1に示すように、横長の基台部(架台部)1と、その基台部1の中央上部側に設置される金型本体部2と、該金型本体部2の左側に設置されて金型本体部2を動作させる金型開閉機構部3と、前記金型本体部2の右側に設置されて金型本体部2に樹脂材料を供給するための材料射出供給部(注入機構)5を主体として構成されている。
前記金型本体部2は、型開き自在な構成とされた金属ブロックから成る金型本体(発熱部)6を取付ベース7の側部側に備えたものであり、この図に示す例では金型本体6の周囲に案内ロッド8、8が設けられていて、これらの案内ロッド8、8に沿って移動自在に設けられた取付ベース7とともに金型本体6も左右に移動できるように構成されている。
先の取付ベース7は、その左側に設けられている油圧プレス機構9を主体とする金型開閉機構部3によって左右に移動自在に支持されたものであり、この形態の構造では図2に示すように取付ベース7はベース盤7A、7Bの2つに分離可能とされ、一方のベース盤7Aに2つ割り可能な金型本体6の一方の型6Aが取り付けられ、他方のベース盤7Bに金型本体6の他方の型6Bが取り付けられ、ベース盤7Aが案内ロッド8、8によって移動自在に支持され、更にベース盤7Bが他の案内ロッド4によって移動自在に支持され、ベース盤7A、7Bを移動してそれらの位置を変えることにより型6A、6Bを合わせてそれらの間に成形キャビティを形成したり、型6A、6Bを分離して金型本体6を離型することができるように構成されている。
なお、天井板11は金型開閉機構部3の上方側に位置し、金型開閉機構部3の上部側のみを覆っていて、金型本体部2の上方側空間は開放されている。
また、基台部1の内部空間は側壁1A、1Aと天井部1Bと底壁1Dとが区画する空気の流通路1Fとされており、基台部1の内部側であって、金型本体部2と金型開閉機構部3との境界部分の下側には、流通路1Fの途中部分を閉じるようにHEPAフィルタなどのエアーフィルタを備えたクリーンモジュール(クリーンエア供給部)21が設置され、更に先の取付盤14の下方に位置して流通路1Fを閉じる形の隔壁1Gが形成されていて、基台部1の流通路1Fを通過する空気をクリーンモジュール21に通すことで清浄化したクリーンエア(清浄空気)を基台部1の開口部1Eから金型本体6に向けて上向きに噴出することができるように構成されている。
ここで用いるクリーンモジュール21は、クリーンモジュール21に空気を通過させることで例えば0.5μm以上の粒径の異物が通過後の空気中に100個以下存在する程度の高清浄化した空気にすることができる能力を有するエアーフィルタを有する構成とすることが好ましい。勿論、本発明ではこのようなクラス100対応のエアーフィルタに限らず、更に高清浄度対応のクラス10対応レベルのエアーフィルタを用いても良い。
また、射出成形が終了したならば、ベース盤7Aを移動させてベース盤7Aをベース盤7Bから離し、型6A、6Bを離型する。この状態において型6Aと型6Bを分離してそれらの間の空間部に成形品を露出させることができるので型から成形品を取り出すことができる。この成形品を取り出すには、ベース盤7A、7Bに内蔵化した図示略のイジェクターピンなどを利用して成形品を突き出すことなどの操作により容易に取り出すことができる。
前記開口部1Eから上向きに噴出したクリーンエアは、金型本体6及びその周囲のベース盤7A、7Bと案内ロッド4、8に吹き当たりながら上方に、かつ、金型本体6の両側に位置している側壁12、12の間の空間部を上方に移動する。従って金型本体6とその周囲の部分はクリーンエアに囲まれた状態で清浄な異物のない雰囲気を保つことができ、この環境で成形工程を行うことができる。従って金型本体6を用いて製造した成形品に対して成形時に塵埃等の異物を混入させてしまうおそれを少なくすることができる。
先のクリーンエアを流す際の風速は、低すぎると型6A、6Bをクリーンエアで囲むという効果が少なく、高すぎると金型の表面温度を低下させて成形不良を引き起こしたり、逆に異物の混入確率を高くするおそれがあるので、適度な範囲とすることが好ましい。
選択可能な望ましい風速の範囲としては、0.4m/秒以上、1m/秒以下の範囲、より好ましい範囲として0.6〜0.7m/秒程度の範囲を例示することができる。
図8は、側板10、10の上部開口側からの空気の吸入を抑制する目的で一部を改良した第4実施形態の構成を示すもので、この形態の(射出)成形装置Fでは側板10、10の上端部に、金型本体6側に向かって水平に延出される形の板状のカバー部材29、29を設けている。
このカバー部材29は金型本体6の上部側まで延出させてしまうと金型本体6の周囲を通過するクリーンエアの流れに影響を与えるか、クリーンエアの流れを部分的に阻止してしまうおそれがあるので、カバー部材29の先端部がその下側の吹出口26の真上位置よりも若干金型本体側に位置するような長さ程度とすることが好ましい。
これら各ゾーンにおける焼成処理において、各ゾーンに塵埃等の微細な異物などが存在していると、焼成中の膜に付着し、膜質を劣化させるか、次工程において欠陥発生の原因となる。
また、焼成炉本体30の各ゾーン36、34、35においてクリーンエアは熱対流によって生じる上向きの排気流に沿って上向きに流動し、排気部38から自然に排気されるので、必然的に焼成炉本体31の内部は負圧となり、この焼成炉30においても先の金型本体6の場合と同様にクリーンエアを各ゾーンの上昇気流に乗せて供給することができるので、各ゾーン内での乱流の発生を抑制することができ、乱流による異物巻き込みを防止することができ、被処理物41に異物を付着させるおそれを少なくすることができる。
この成型装置の金型本体の両側に位置する側板の間隔は150cm、取付ベース(プラテン)と金型開閉機構部の端部の間隔は20cmとした構成の成形装置を用いてクリーン度を測定する試験を行った。また、基台部の内部は縦60cm、横120cmの矩形状の流通路を形成し、金型開閉機構部の金型本体側の端部下方に流通路を閉じるようにHEPAフィルタ(松下精工株式会社製、BV−100CRF−T)を配置し、HEPAフィルタの部分を介して流通路に0.4〜0.5m/秒の風速でクリーンエアを流入させて、状態に応じたクリーン度を浮遊粒子密度計測装置を用いて測定した。なお、クリーンエアの流れを生じさせる以前の状態で金型本体中央上部のクリーン度を測定した結果は10046であった。
図3に示すように型を閉じた状態で測定したクリーン度は3622〜5300を示し、型の開閉によりクリーン度が著しく低下していることが明らかとなったが、クリーンエアを供給する前の状態のクリーン度よりは各段に向上している。
図4に示すように成形機において基台部の側壁を傾斜させて基台部の天井部の両側部に流通路に通じる吹出口(幅10cm、長さ50cm)を設けた構造として図4に示すように型を閉じた状態で測定したクリーン度は368となり、先の例よりもクリーン度を著しく改善することができた。
図10に示す如く、クリーン度10000を示す従来装置では200ショット(200回繰り返し成形)で不良が発生するようになった。これに対して本発明に係る成形装置を用いてクリーン度を300とした成形装置では4000ショットまで不良が発生せず、クリーン度を100とした成形装置では10000ショットまで不良が発生しなかった。
このことからも金型本体周りのクリーン度を向上させることで異物固着による欠陥不良を引き起こすことなく繰り返し射出成形ができることが判明した。
Claims (7)
- 基台部と、該基台部の上側に設けられた成形機とが具備され、該成形機が、金型を有して発熱がなされる発熱部と、前記金型に樹脂を注入するための注入機構とが具備され、前記発熱部の下側の基台部内に該発熱部に対してクリーンエアを供給するためのクリーンエア供給部が設けられたことを特徴とする加工装置。
- 前記発熱部の下側の基台部に前記クリーンエア供給部からのクリーンエアを通過させるための流通路が設けられ、該流通路の前記発熱部側の開口部からの上昇気流を利用して前記クリーンエアを前記発熱部回りに供給自在とされてなることを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
- 前記発熱部の下側の基台部に前記クリーンエア供給部からのクリーンエアを通過させるための流通路が形成され、該流通路の前記発熱部側の部分に、該発熱部の下側に位置して該発熱部にクリーンエアを噴出させるための開口部と、前記発熱部の側方に位置して該発熱部の側方側にクリーンエアを吹き付けるための吹出口が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
- 発熱部としての金型と、該金型に樹脂を注入するための注入機構を具備してなる装置を用い、該発熱部としての金型の発熱時に発生する上昇気流を利用して前記発熱部としての金型にクリーンエアを供給し、前記発熱部としての金型及びその周囲をクリーンエアで覆いながら前記金型に樹脂の注入処理することを特徴とする処理方法。
- 樹脂を注入して成形するための金型を発熱部として有し、前記金型に樹脂を注入するための注入機構を基台部に備えた成形機を用い、該金型にその周囲からクリーンエアを供給して該金型及びその周囲をクリーンエアで覆いながら前記注入機構により金型に樹脂を注入して成形加工することを特徴とする成形加工方法。
- 前記発熱部の下側に基台部を設け、該基台部にクリーンエア供給部からのクリーンエアを通過させるための流通路を設け、該流通路の前記発熱部側の開口部からの上昇気流を利用して前記クリーンエアを前記発熱部回りに供給しながら成形加工することを特徴とする請求項5に記載の成形加工方法。
- 前記発熱部の下側に基台部を設け、該基台部にクリーンエア供給部からのクリーンエアを通過させるための流通路を設け、該流通路の前記発熱部側の開口部からの上昇気流を利用して前記クリーンエアを前記発熱部回りに供給しながら、前記発熱部の側方に位置して該発熱部の側方側からクリーンエアを吹き付けつつ成形加工することを特徴とする請求項5に記載の成形加工方法。
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