JP5242307B2 - 射出成形装置及び射出成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、射出成形機を用いて成形品を成形する射出成形装置及び射出成形方法に関する。
従来から、射出成形機を用いて成形品を成形する場合、樹脂焼け対策として窒素ガス(N)等の非酸化性ガスをホッパから射出シリンダ内のスクリューに至る樹脂経路に供給し、酸素の混入に起因する樹脂焼けを防止する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
樹脂は石油製品であるため、熱を加えると劣化してやがては炭化する(例えば、射出シリンダ内に滞留した樹脂が熱劣化して炭化する)。また、高温の樹脂は空気に触れることによって酸化され、さらに劣化が進む。
すなわち、樹脂を加熱しすぎると樹脂が酸化し、樹脂が酸化すると粘度が低下するとともに、樹脂の表面が茶色に変色する。
特許第3282900号公報
しかしながら、特許文献1では、射出ユニット側での樹脂焼けは防止できても、金型側における酸化や成形装置の段取り時の残存酸素に起因する樹脂焼けには効果はなかった。
このため、射出ユニット側のみならず、金型側における酸化に起因する樹脂焼けを防止する技術が要望されていた。
本発明は斯かる課題を解決するためになされたもので、非酸化性ガスで置換された筐体内で成形を行うことにより樹脂焼けによる品質劣化のない射出成形品を得ることのできる射出成形装置及び射出成形方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
筐体内に射出成形機が配置された射出成形装置において、
前記筐体に設けられたガス導入孔及びガス排出孔と、
前記ガス導入孔から前記筐体内に非酸化性ガスを供給する非酸化性ガス供給手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の射出成形装置において、
前記筐体内で非酸化性ガスを循環させる通風ユニットを有することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の射出成形装置において、
前記筐体内を複数の気体槽に区画する隔壁を有することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の射出成形装置において、
前記隔壁は、前記射出成形機が配置されている気体槽が一方向からの送風状態となるように区画していることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の射出成形装置において、
前記筐体内の酸素濃度を計測する酸素濃度計測手段と、
前記酸素濃度計測手段の出力に基づき非酸化性ガスを前記筐体内に供給する量及び前記筐体から排出する量を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
請求項6に係る発明は、
筐体内に配置された射出成形機による射出成形方法において、
前記筐体内を非酸化性ガスで充満させる工程と、
前記筐体内を非酸化性ガスで充満させてから成形品を成形する工程と、を有することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の射出成形方法において、
前記成形する工程では、前記筐体内の酸素濃度を2%以下にして行うことを特徴とする。
本発明によれば、非酸化性ガスで置換された筐体内で成形を行うことにより樹脂焼けによる品質劣化のない射出成形品を得ることができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の射出成形装置10−1の断面正面図である。
この射出成形装置10−1は、筐体13内に配置された射出成形機12と、筐体13内に非酸化性ガス(例えば窒素ガス)を供給する非酸化性ガス供給手段としての非酸化性ガス発生装置14とを有している。筐体13は射出成形機12全体を囲っており、外部雰囲気に対して気密に形成されている。また、射出成形機12はベース11に支持されている。
射出成形機12は、射出成形用金型16と、射出ユニット18と、型締めユニット20とを備えている。射出成形用金型16は、射出充填された溶融樹脂を所望の形状に成形するものであり、型締めユニット20によって型開閉方向(X−X方向)に開閉される。射出ユニット18は樹脂を可塑化して移送、混練、溶融等を行って所定量を射出成形用金型16に射出するものである。
以上において、射出成形用金型16は、パーティングライン(PL)を挟んで対向配置された固定型24及び可動型26、固定型24を支持する固定側プラテン29、可動型26を支持する可動側プラテン33を有している。固定側プラテン29と可動側プラテン33はタイバー34によって一体的に連結固定されている。
また、可動側プラテン33は型締めユニット20によって型開閉方向(X−X方向)に移動可能である。そして、型締め状態において、固定型24と可動型26との間にはキャビティ74が形成されている。
射出ユニット18は、樹脂供給ユニットとしてのホッパ44と、混錬・射出駆動ユニット46と、溶融・混錬ユニット48とを有している。ホッパ44内には、粒状(ペレット状)の成形材料(例えばシクロオレフィンポリマー)が収容されている。溶融・混錬ユニット48には、スクリュー52が内蔵されている。また、スクリュー52の外周側には成形材料を加熱するヒータ54が内蔵されている。
非酸化性ガス発生装置14は、例えばガスボンベ等であり、非酸化性ガス(例えば窒素ガス)を筐体13内に供給する役目をなす。筐体13には、ガス導入孔としての給気管58、及びガス排出孔としての排気管60が設けられている。給気管58には給気バルブ59が設けられ、また排気管60には排気バルブ61が設けられている。
成形時には、非酸化性ガス発生装置14からの窒素ガス(Nガス)の供給により、筐体13内を窒素ガスで充満させてから成形品の成形を行う。この場合、筐体13内の酸素濃度を2%以下の状態で成形を行うようにする。
これは、実験によれば、シクロオレフィンポリマー(転移点136℃の樹脂)を用いて加熱温度260℃で異物の発生の有無を調べたところ、酸素濃度5%で樹脂に着色が生じ、酸素濃度3%で樹脂にわずかな着色が生じ、酸素濃度2%以下にすると樹脂に着色が生じなかったことによる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図1において、射出成形に先立ち、固定型24と可動型26とをパーティングライン(PL)を挟んで離間した型開き状態とする。この状態で、筐体13内を窒素ガスで置換する。このために、給気バルブ59と排気バルブ61を開放し、非酸化性ガス発生装置14から窒素ガスを筐体13内に送り込む。こうして、筐体13内の空気が窒素ガスで置換された時点で給気バルブ59と排気バルブ61を閉める。
次に、固定型24と可動型26とをパーティングライン(PL)を挟んで密接させて型締めを行う。このとき、固定型24と可動型26で形成されるキャビティ74内は窒素ガスで置換された状態になっている。こうして、溶融・混錬ユニット48内のスクリュー52を前進させて、スプルー75からキャビティ74内に成形材料を射出する。
このとき、キャビティ74内は窒素ガスで置換されているため、射出された成形材料が射出された瞬間においても酸化することはなく、このため樹脂焼けが防止される。
その後、所定の圧力でキャビティ74内の成形材料を保圧し、その後、冷却して所定温度に冷却される。さらに、固定型24と可動型26を開いて成形品73(図7参照)が離型される。
最後に、図示しない取出し装置により離型された成形品73(図7参照)を取出す。
なお、本実施形態において、例えば筐体13内に通風ユニットを配設し、この通風ユニットにより筐体13内の窒素ガスを循環させるようにしてもよい。こうすることで、均一な雰囲気を作ることができる。また、窒素ガス置換後も吸気バルブ59と排気バルブ61を閉めずに成形してもよい。こうすることで、酸素濃度の上昇を確実に抑制することができる。成形された成形品は、例えば筐体13内に配置された不図示の取出し装置により取出すことができる。
本実施形態によれば、筐体13に設けた給気管58から、窒素ガス等を供給する非酸化性ガス発生装置14を備えたことにより、筐体13内を窒素ガス等で充満させた状態で射出成形を行うので、型内に酸素が残留することはない。このため、成形材料としての樹脂が酸化されるのを防止することができる。これにより、クリーンで樹脂焼けのない成形品を得ることができる。
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態の射出成形装置10−2の断面正面図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
この射出成形装置10−2は、筐体13内を気体槽としての第1槽43と第2槽43に区画する隔壁22を有している。第1槽43には射出成形機12が配置されている。また、隔壁22には第1槽43と第2槽43を連通させる2つの通気口21,23が設けられている。さらに、通気口23には、第2槽43の窒素ガス(Nガス)を第1槽43に送風可能な送風ユニット76が設けられている。
これにより、第2槽43内の窒素ガスは、送風ユニット76により矢印A方向に第1槽43に向けて送風され、さらに、第1槽43内の窒素ガスは通気口21を通って矢印B方向に第2槽43に流れ込む。こうして、筐体13内は一方向からの送風状態となり、室内は均等な低酸素濃度の雰囲気が保たれる。
また、送風ユニット76は、埃を除去するフィルタ77と、離型時に発生する静電気を除去するためのイオンを発生させるイオナイザ78とを有している。なお、成形された成形品73は、例えば筐体13内に配置された不図示の取出し装置により取出すことができる。
本実施形態によれば、送風ユニット76によって筐体13内の窒素ガスを一方向に循環させることができる。これにより、筐体13内でのガス滞留部をなくすことができ、短時間で均一な窒素雰囲気を形成することができる。さらに、このような窒素雰囲気下で射出成形を行うことにより、クリーンで樹脂焼けのない成形品を得ることができる。
[第3の実施の形態]
図3は、第3の実施の形態の射出成形装置10−3の断面正面図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
本実施形態の射出成形装置10−3は、図2の射出成形装置10−2における排気管60に分岐管79を取付け、この分岐管79の端部に酸素濃度計測手段としての酸素濃度計80を取付けている。この酸素濃度計80により筐体13内の酸素濃度を計測することができる。
また、酸素濃度計80で検出された酸素濃度に基づき、給気バルブ59と排気バルブ61の絞りを調整可能な制御手段としての制御部82が取付けられている。この制御部82により、窒素ガス(Nガス)を筐体13内に供給する量と、筐体13から排出する量とを自動的に調整することができる。
こうして、酸素濃度が所定値よりも上昇したら給気バルブ59が開放されて筐体13内に所定量の窒素ガスが供給される。
なお、本実施形態において、酸素濃度計を用いたのは、樹脂焼けの直接の原因となる酸素の濃度を検出できるためである。また、成形された成形品73(図7参照)は、例えば筐体13内に配置された不図示の取出し装置により取出すことができる。
本実施形態によれば、給気バルブ59と排気バルブ61との間に酸素濃度計80及び制御部82を接続したことで、筐体13内の酸素濃度の上昇に応じて窒素ガスの供給量を調整することにより、少量の窒素ガスの供給量で筐体13内の酸素濃度を維持することができる。また、筐体13の内部の窒素ガスを循環させることにより、ガス滞留部をなくすことができ短時間で均一な窒素雰囲気にすることができる。これにより、クリーンで樹脂焼けのない成形品を得ることができる。
[第4の実施の形態]
図4〜図7は、取出し装置15を付加した第4の実施の形態の射出成形装置10−4の断面正面図である。なお、取出し装置15を除く他の構成は、前述した図3に示したものと同様である。また、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
図4は、射出成形装置10−4の型締め工程の断面正面図である。
この射出成形装置10−4における取出し装置15は、ガイドステー62を有し、型開き方向(X−X方向)及びこれと直交する方向(図4の表面から裏面の方向)に移動自在かつ回転自在な搬送ロボット63と、この搬送ロボット63に取付けられた取出しアーム66と、この取出しアーム66の先端に取付けられたチャック70と、を有している。
成形に先立ち、まず給気バルブ59と排気バルブ61を開放し、筐体13内の第1槽43と第2槽43に非酸化性ガス発生装置14から窒素ガスを送り込む。こうして、筐体13内を窒素ガスで置換する。このとき、送風ユニット76を駆動することで、筐体13内を早期かつ均等にガス置換を行うことができる。また、酸素濃度計80及び制御部82により、例えば筐体13内の酸素濃度が2%以下になるように設定する。
これは、前述したように、酸素濃度を2%以下とすると加熱下においても樹脂に着色が生じないためである。すなわち、筐体13内の酸素濃度が2%以下の状態から2%に近づいたら、筐体13内に窒素ガスが自動的に供給される。こうして、筐体13内の酸素濃度が2%を超えないように制御される。
このガス置換は固定型24と可動型26とを型開きした状態で行う。これは、キャビティ74内に酸素が残存しないようにガス置換するためである。
この状態で、型締めユニット20を駆動して、可動型26を固定型24に向けて移動させて両者を密接させる。こうして、可動型26と固定型24とをパーティングライン(PL)を挟んで型締めする。この状態では、キャビティ74内及びスプルー75内は窒素ガスで充満している。
次に、図5は射出工程の断面正面図である。
この工程では、溶融・混錬ユニット48内のスクリュー52を金型(24,26)側に前進させて、スプルー75からキャビティ74内に成形材料を射出する。このとき、キャビティ74内は窒素ガスで置換されているため、射出された成形材料は加熱下においても酸化することはない。こうして、成形材料の樹脂焼けが防止される。
その後、所定の圧力でキャビティ74内の成形材料を保圧し、その後、冷却して所定温度に冷却される。
なお、以上の工程において、筐体13内の酸素濃度は2%を超えないように制御される。すなわち、酸素濃度計80と制御部82により、自動的に給気バルブ59と排気バルブ61の絞りが制御される。
次に、図6は、計量・離型工程の断面正面図である。
この工程では、溶融・混錬ユニット48内のスクリュー52が混錬・射出駆動ユニット46側に後退する。こうして、貯留室84内に所定量の樹脂が貯留される。さらに、型締めユニット20により、可動型26を固定型24に対し型開き方向(X−Xの左方向)に移動させて成形品73を離型する。
次に、図7は、成形品73の取出し工程の断面正面図である。
この工程において、型開き状態では成形品73は可動型26に残っている(図6参照)。そこで、取出し装置15の取出しアーム66を移動させ、チャック70により成形品73を把持する。把持された成形品73は、不図示のパレット、又は、コンベア等に載置されて外部に搬出される。
本実施形態によれば、筐体13内に配置した取出し装置15により離型後の成形品73を取出すようにしたので、筐体13内の雰囲気を常に窒素ガス置換した状態に維持することができる。このような環境下で射出成形を行うことにより、クリーンで樹脂焼けのない成形品73を得ることができる。
[第5の実施の形態]
図8は、第5の実施の形態の射出成形装置10−5の断面正面図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
この射出成形装置10−5は、筐体13内が第1の隔壁22と第2の隔壁22によって3つに区分されている。すなわち、射出成形機12が配置された第1槽43と、第1の隔壁22に4個の通気口23〜23が設けられ各通気口23〜23の夫々に送風ユニット76が設けられた第2槽43と、第1槽43と通気可能な第2の隔壁22によって区画された第3槽43と、を有している。
なお、射出成形機12は、第1槽43内において弾性板88により支持されている。また、第2の隔壁22には多数の通気孔25が形成されている。
さらに、筐体13内の側方において、上下に延設された隔壁86により、第2槽43と第3槽43とを上下方向に連通する還流路87が形成されている。この還流路87は、射出成形機12が配置された第1槽43とは区画されている。
この還流路87により、第2槽43内の窒素ガスは送風ユニット76により第1槽43内に送られ、また、第1槽43内の窒素ガスは第3槽43に送られる。さらに、第3槽43の窒素ガスは、還流路87を通って第2槽43に還流される。
このように、本実施形態によれば、筐体13内を3槽構造とし、射出成形機12が配置されている第1槽43に一方向からのみの窒素ガスの流れを形成し、窒素ガスの滞留部の発生を防止することができる。
また、本実施形態では、第1の隔壁22に送風ユニット76を配設したことで、第1槽43〜第3槽43を均一な窒素雰囲気の流れにすることができる。しかも、少ない風量で筐体13内の酸素濃度を所定値以下に抑制することができる。また、均一な窒素雰囲気の流れとしたことで、射出成形機12に当る風量が減り、射出成形機12の冷却時の金型の温度分布を少なくすることができる。
さらに、本実施形態では、均一な窒素雰囲気下で成形を行うことから、射出成形用金型16内に酸素が残留することはない。このため、成形材料としての樹脂の酸化を防止することができ、クリーンで樹脂焼けのない成形品を得ることができる。
[第6の実施の形態]
図9は、第6の実施の形態の射出成形装置10−6の断面正面図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
本実施形態の射出成形装置10−6は、第1の実施の形態の射出成形装置10−1に、酸素濃度計90と制御部92とを接続したものである。
すなわち、本実施形態では、窒素ガス(Nガス)の排気管60に分岐管91を設け、この分岐管91の端部に酸素濃度計90を取付けている。こうすることで、酸素濃度計90により筐体13内の酸素濃度を計測することができる。また、酸素濃度計90によって検出された酸素濃度に基づき、給気バルブ59と排気バルブ61の絞りを調整することで、窒素ガスを筐体13内に供給する量と、筐体13から排出する量とを自動的に調整することができる。
本実施形態によれば、筐体13内に送風ユニットを設けることなく、酸素濃度の上昇に応じて窒素ガスの供給量を調整することにより、少量の窒素供給量で筐体13内を低酸素濃度雰囲気に維持することができる。
[第7の実施の形態]
図10は、第7の実施の形態の射出成形装置10−7の断面正面図、図11はその平面図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
本実施形態では、射出成形装置10−7は、射出成形機12の近傍に取出し装置15を有し、この取出し装置15は、チャック70の代わりに吸着部材94を有している点に特徴を有している。
すなわち、この取出し装置15は、ガイドステー62と、型開き方向(X−X方向)及びこれと直交する方向(図10の表面から裏面への方向)に移動自在かつ回転自在な搬送ロボット63と、この搬送ロボット63に取付けられた取出しアーム66と、この取出しアーム66の先端に取付けられた吸着部材94と、を有している。
また、筐体13の底部に敷設されたレール71には、成形品73(図7参照)を載置するパレット72が配置されている。なお、その他の構成は、図4で示した射出成形装置10−4の構成と同一である。
本実施形態において、離型された成形品73は、図6で示したように可動型26に残るが、この成形品を吸着部材94により真空吸着して取り出すものである。また、取出された成形品は、パレット72に載置され、レール71に沿って外部に搬送される。
本実施形態によれば、取出し装置15が吸着部材94を有し、この吸着部材94により成形品を真空吸着して取出すようにしたので、チャック70のような厳格な位置決め精度も必要とせず、安全かつ確実に取出すことができる。
しかも、本実施形態では、取出し装置15を筐体13内に配置したので、筐体13内の雰囲気を常に窒素ガス置換した状態に維持することができる。このような環境下で成形することにより、クリーンで樹脂焼けのない成形品を得ることができる
第1の実施の形態の射出成形装置の断面正面図である。 第2の実施の形態の射出成形装置の断面正面図である。 第3の実施の形態の射出成形装置の断面正面図である。 第4の実施の形態の射出成形装置の断面正面図である。 第4の実施の形態の射出成形装置の断面正面図である。 第4の実施の形態の射出成形装置の断面正面図である。 第4の実施の形態の射出成形装置の断面正面図である。 第5の実施の形態の射出成形装置の断面正面図である。 第6の実施の形態の射出成形装置の断面正面図である。 第7の実施の形態の射出成形装置の断面正面図である。 同上の平面図である。
符号の説明
10−1 射出成形装置
10−2 射出成形装置
10−3 射出成形装置
10−4 射出成形装置
10−5 射出成形装置
10−6 射出成形装置
10−7 射出成形装置
11 ベース
12 射出成形機
13 筐体
14 非酸化性ガス発生装置
15 取出し装置
16 射出成形用金型
18 射出ユニット
20 型締めユニット
21 通気口
22 隔壁
22 第1の隔壁
22 第2の隔壁
23 通気口
24 固定型
25 通気孔
26 可動型
28 固定側ブロック部材
29 固定側プラテン
33 可動側プラテン
34 タイバー
43 第1槽
43 第2槽
43 第3槽
44 ホッパ
46 混錬・射出駆動ユニット
48 溶融・混錬ユニット
52 スクリュー
54 ヒータ
58 給気管
59 給気バルブ
60 排気管
61 排気バルブ
66 取出しアーム
70 チャック
71 レール
72 パレット
73 成形品
74 キャビティ
75 スプルー
76 送風ユニット
77 フィルタ
78 イオナイザ
79 分岐管
80 酸素濃度計
82 制御部
84 貯留室
86 隔壁
87 還流路
88 弾性板
90 酸素濃度計
91 分岐管
92 制御部
94 吸着部材

Claims (7)

  1. 筐体内に射出成形機が配置された射出成形装置において、
    前記筐体に設けられたガス導入孔及びガス排出孔と、
    前記ガス導入孔から前記筐体内に非酸化性ガスを供給する非酸化性ガス供給手段と、を備える
    ことを特徴とする射出成形装置。
  2. 前記筐体内で非酸化性ガスを循環させる通風ユニットを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形装置。
  3. 前記筐体内を複数の気体槽に区画する隔壁を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形装置。
  4. 前記隔壁は、前記射出成形機が配置されている気体槽が一方向からの送風状態となるように区画している
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の射出成形装置。
  5. 前記筐体内の酸素濃度を計測する酸素濃度計測手段と、
    前記酸素濃度計測手段の出力に基づき非酸化性ガスを前記筐体内に供給する量及び前記筐体から排出する量を制御する制御手段と、を有する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の射出成形装置。
  6. 筐体内に配置された射出成形機による射出成形方法において、
    前記筐体内を非酸化性ガスで充満させる工程と、
    前記筐体内を非酸化性ガスで充満させてから成形品を成形する工程と、を有する
    ことを特徴とする射出成形方法。
  7. 前記成形する工程では、前記筐体内の酸素濃度を2%以下にして行う
    ことを特徴とする請求項6に記載の射出成形方法。
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