JP4401086B2 - 照光スイッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明スイッチと有機エレクトロルミネッセンス素子とを備えた照光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話を含む家電製品や各種計測機器などの電気製品には、これらの電気製品を作動させるため、あるいはこれらの電気製品に必要な情報を入力するためのスイッチが備えられている。近年の電気製品の小型化にともない、このような小型の電気製品のスイッチは、より薄型であることが望まれている。また、スイッチを押したことを夜間あるいは薄暗い室内でも容易に確認できるように、スイッチに照明が付設される場合がある。一般に、照明が付設されたスイッチは、照光スイッチと呼ばれている。
【0003】
特許文献1には、透明タッチパネルスイッチと、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイが積層された構成の情報端末装置について記載されている。透明タッチパネルスイッチは、一方の面に透明導電膜が形成された二枚の透明導電膜付基板が、透明導電膜側を内側にして、透明導電膜が互いに接触しないようにスペーサを介して接合された構成を有している。そして有機エレクトロルミネッセンスディスプレイは、基板の表面に複数個の有機エレクトロルミネッセンス素子が整列配置された構成を有している。
【0004】
透明タッチパネルスイッチは、その表面を押すと、押された位置の透明導電膜が互いに接触する。透明タッチパネルスイッチは、互いに接触した透明導電膜間を流れる電流の大きさから、前記の接触位置を検出する。有機エレクトロルミネッセンスディスプレイには、検出された接触位置に応じた情報が表示される。通常、透明導電膜は、スパッタ法により形成される。
【0005】
特許文献2には、スパッタ法により形成された透明導電膜を用いたタッチパネルスイッチは、透明導電膜をスパッタ装置を用いたバッチ処理により形成する必要があること、さらに形成された透明導電膜のパターニングが必要となることなどから、生産効率が低く、そして製造コストが高いと記載されている。特許文献2においては、透明タッチパネルの生産効率を高め、そして製造コストを低くするために、透明導電膜を印刷法により形成することが提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−91342号公報
【特許文献2】
特開平8−287775号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、特許文献1のタッチパネルスイッチを小型にして透明スイッチを構成し、その一方の面に有機エレクトロルミネッセンス素子を付設することにより、薄型の照光スイッチが実現できると考えて、まず透明スイッチの作製について検討した。しかしながら、前記のようにスイッチの透明導電膜をスパッタ法により形成すると、スイッチの生産効率が低下し、製造コストも高くなるという問題がある。
【0008】
本発明者は、透明導電膜を印刷法(塗布法)により形成することを考え、透明基板の表面に印刷法により形成された透明導電膜が形成された透明導電膜付基板の二枚を、透明導電膜側を内側にして、透明導電膜が互いに接触しないようにスペーサを介して接合することにより透明スイッチを試作した。そして、各々の透明導電膜には、外部回路と接続するため金属膜端子を付設した。
【0009】
ところが、試作した透明スイッチは、その作動(一対の透明導電膜が互いに接触したこと)を検出できない場合があることが判明した。本発明者は、この原因が、印刷法により形成された透明導電膜の抵抗値が高いために、透明スイッチを押す位置によって、スイッチの抵抗値(スイッチの透明導電膜が互いに接触したときの金属膜端子間の抵抗値)が変動することにあることを見出した。なお、タッチパネルスイッチにおいては、スイッチを押す位置による抵抗値の変動を積極的に利用して接触位置を検出する、すなわち、スイッチを押す位置により定まる抵抗値に対応する透明導電膜間を流れる電流の大きさから接触位置を検出するため、このような抵抗値の変動は問題とはならない。
【0010】
透明スイッチの作動は、例えば、スイッチの一対の金属膜端子間に電圧を印加し、透明スイッチが作動した場合に、この電圧が低下することから検出することができる。すなわち、スイッチに印加した電圧がある一定値(以下、しきい値電圧という)以下となった場合に、スイッチが作動したと判断する。
【0011】
透明スイッチを押す位置によってスイッチの抵抗値が変動すると、スイッチを押しても、スイッチに印加した電圧がしきい値電圧まで低下しない場合がある。このような場合に、スイッチの作動が検出できないという問題を生ずる。また、スイッチを押す位置によってスイッチの抵抗値が変動すると、スイッチの形状によって個別にしきい値電圧の値を設定する必要があるなどの問題も生じる。このような透明スイッチを備えた照光スイッチは、その動作が不安定となる。
【0012】
本発明の目的は、簡単に製造することができ、そしてスイッチを押す場所によらずに安定した動作を示す薄型の照光スイッチを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、印刷法により形成する透明導電膜の材料の選定や、透明導電膜の形成条件を調節することにより透明導電膜の抵抗値を小さくすること(即ち、スイッチを押す位置により定まるスイッチの抵抗値の変動を小さくすること)について検討したが、良好な結果を得ることができなかった。このため本発明者は研究を進め、その結果、透明導電膜の抵抗値を小さくするのではなく、透明導電膜の周縁に沿って枠状の金属膜を付設することにより、スイッチの抵抗値が、これを押す位置によらずに極めて安定した値を示すことを見出した。
【0014】
本発明は、各々、透明基板、この透明基板の表面に印刷法により形成された透明導電膜、この透明導電膜の縁部にて電気的に接続しながら透明導電膜の周縁に沿って延びる枠状金属膜、および枠状金属膜に電気的に接続され、前記基板表面の透明導電膜の外側に配設された金属膜端子からなる二枚の透明導電膜付基板を、透明導電膜側を内側にして、透明導電膜が互いに接触しないようにスペーサを介して接合してなる透明スイッチ、透明スイッチの一方の面に付設された有機エレクトロルミネッセンス素子、そして前記透明スイッチの透明導電膜が互いに接触したことを検出して、有機エレクトロルミネッセンス素子に電気的エネルギを供給する駆動回路からなる照光スイッチにある。
【0015】
本発明の照光スイッチの好ましい態様は、下記の通りである。
(1)枠状金属膜が、透明導電膜の周縁の全体に付設されている。
(2)透明導電膜が、印刷法により形成された透明導電膜の多層膜である。
【0016】
本発明はまた、各々、透明基板、この透明基板の表面に印刷法により形成された透明導電膜、この透明導電膜の縁部にて電気的に接続しながら透明導電膜の周縁に沿って延びる枠状金属膜、および枠状金属膜に電気的に接続され、前記基板表面の透明導電膜の外側に配設された金属膜端子からなる二枚の透明導電膜付基板を、透明導電膜側を内側にして、透明導電膜が互いに接触しないようにスペーサを介して接合してなる透明スイッチにもある。
【0017】
本発明の透明スイッチの好ましい態様は、下記の通りである。
(1)枠状金属膜が、透明導電膜の周縁の全体に付設されている。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の照光スイッチを、添付の図面を用いて説明する。図1は、本発明に従う照光スイッチの一例の構成を示す斜視図である。そして図2は、図1の照光スイッチが備える透明スイッチの分解斜視図である。照光スイッチは、透明スイッチ、この透明スイッチの一方の面に付設された有機エレクトロルミネッセンス素子12、そして前記の透明スイッチの透明導電膜が互いに接触したことを検出して、有機エレクトロルミネッセンス素子に電気的エネルギを供給する駆動回路(図示は略する)から構成されている。
【0019】
まず、本発明の照光スイッチの特徴である透明スイッチについて説明する。図1と図2に示すように、透明スイッチは、一方の面に透明導電膜を備えた二枚の透明導電膜付基板18a及び18bが、透明導電膜15a及び15bの側を内側にして、透明導電膜が互いに接触しないようにスペーサ19を介して接合された構成を有している。
【0020】
透明導電膜付基板18aは、透明基板14a、透明基板14aの表面に印刷法により形成された透明導電膜15a、透明導電膜15aの縁部にて電気的に接続しながら透明導電膜の周縁に沿って延びる枠状金属膜16a、および枠状金属膜16aに電気的に接続され、前記基板表面の透明導電膜15aの外側に配設された金属膜端子17aから構成されている。透明導電膜付基板18bの構成は、透明導電膜18aと同様である。
【0021】
次に、図2の透明スイッチの製造法について説明する。図3は、図2の透明スイッチの製造工程を示す断面図である。図3に示す断面は、図2に記入した切断線I−I線に沿って切断した透明スイッチの断面に対応している。
【0022】
先ず、図3(a)に示すように、透明基板14bの表面に、枠状金属膜16bを形成する。透明基板14bの材料の例としては、ガラス、および透明樹脂が挙げられる。透明基板14bとしては、透明樹脂フイルムを用いること好ましい。透明樹脂フイルムの例としては、ポリエステルフイルム(特に、ポリエチレンテレフタレートフイルム)が挙げられる。
【0023】
枠状金属膜16bの材料の例としては、銀および銅が挙げられる。枠状金属膜膜は、透明スイッチの生産効率を高め、その製造コストを抑えるために、印刷法により形成することが好ましい。印刷法の例としては、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、凹版印刷法などが挙げられる。枠状金属膜は、前記金属材料(銀および銅など)の粉末、バインダ樹脂、および溶剤などを混合して得られるペースト状の材料を印刷し、加熱により溶剤を除去することにより形成することができる。枠状金属膜の印刷には、形成後の膜の導電性が高いことから、銀ペーストを用いることが好ましい。
【0024】
次に、透明スイッチの耐久性を高くするために、図3(b)に示すように、枠状金属膜16bの表面に保護膜31bを付設する。保護膜31bは、カーボンペーストなどを印刷することにより形成することができる。例えば、枠状金属膜が銀から形成されている場合、保護膜を付設することにより、温泉地などでスイッチが使用された場合の銀の硫化が防止され、スイッチの耐久性を高めることができる。なお、透明スイッチに長期の耐久性が必要とされない場合には、保護膜を付設する必要はない。
【0025】
次に、図3(c)に示すように、枠状金属膜16bの内側に、印刷法により透明導電膜15bを形成する。枠状金属膜16bは、カーボンペーストから形成された保護膜31bを介して透明導電膜15bと電気的に接続されている。透明導電膜の印刷法の例は、枠状金属膜の場合と同様である。透明導電膜は、市販されているペースト状の透明導電性材料(例、ITO:錫ドープ酸化インジウム)を印刷することにより形成される。透明導電膜を印刷により形成する詳しい方法については、前記の特許文献2に記載されている。なお、透明スイッチの枠状金属膜と透明導電膜とは、いずれを先に基板上に形成してもよい。
【0026】
また、保護膜31b(保護膜を付設しない場合には枠状金属膜16b)の露出部を覆うようにして、印刷法によりレジスト膜を形成することにより、前記の保護膜と同様にスイッチの耐久性を高めることができる。このようにして、透明導電膜付基板18bを作製することができる。そして、透明導電膜付基板18bと同様にして、透明導電膜付基板18aを作製する。なお、透明導電膜付基板18aに用いる透明基板14aとしては、スイッチを押した場合に基板が柔軟に変形する必要があることから、透明樹脂フイルムを用いることが好ましい。
【0027】
上記のように、印刷法によって透明導電膜を形成することにより、透明導電膜のパターニングを不要とすることができ、そして透明導電膜の形成にスパッタ装置を用いる必要もないため、透明スイッチの生産効率が高められ、その製造コストを抑えることができる。
【0028】
そして、図3(d)に示すように、作製した透明導電膜付基板18aと、透明導電膜付基板18bとを、透明導電膜側を内側にして、透明導電膜が互いに接触しないようにスペーサ19を介して接合することにより、透明スイッチを作製することができる。スペーサとしては、例えば、前記の透明導電膜と対応する位置に孔が形成され、両面に粘着剤が塗布された樹脂フイルムが用いられる。
【0029】
次に、枠状金属膜を付設することにより、スイッチを押す位置によらずに、スイッチの抵抗値(スイッチの透明導電膜が互いに接触したときの金属膜端子間の抵抗値)が安定する理由について説明する。
【0030】
図4は、枠状金属膜を有しない透明スイッチの抵抗値について説明する図である。図4には、スイッチの抵抗値の説明を容易とするため、透明スイッチの透明導電膜45a及び45b、そして金属膜端子48a及び48bのみを記載した。
【0031】
この透明スイッチの図4に記入したA1 の位置を押すと、位置A1 にて、透明導電膜45aと45bとが互いに接触する。この場合に金属膜端子48a及び48bの間を流れる電流の流れる経路の一例を、図4に破線の矢印42aで示す。同様に、透明スイッチのA2 の位置を押した場合に、金属膜端子間を流れる電流の流れる経路の一例を、図4に破線の矢印42bで示す。
【0032】
図4に示すように、スイッチの位置A2 を押したときの電流の流れる経路42bは、位置A1 を押したときの電流の流れる経路42aよりも長くなる。すなわち、位置A2 を押したときのスイッチの抵抗値は、位置A1 を押したときの抵抗値よりも大きい。従って、スイッチを押す位置によって、スイッチの抵抗値に変動が生じる。
【0033】
図5は、枠状金属膜を有する透明スイッチの抵抗値の安定性について説明する図である。図4の場合と同様に、図5には、透明スイッチの透明導電膜55a及び55b、枠状金属膜56a及び56b、そして金属膜端子58a及び58bのみを記載した。
【0034】
このような枠状金属膜が付設されたスイッチの位置A1 を押した場合には、電流は、枠状金属膜の内縁全体から位置A1 に向かって流れる。すなわち、電流は、透明導電膜の全体を流れる。同様に、スイッチの位置A2 を押した場合にも、電流は、透明導電膜の全体を流れる。従って、このような枠状金属膜を有する透明スイッチの抵抗値は、スイッチを押す位置に殆ど影響されずに安定した値を示すと推測される。
【0035】
図6は、枠状金属膜の形状の例を示す平面図である。図2の透明スイッチの枠状金属膜16a及び16bは、各々透明導電膜の周縁に沿った四角い形状とされている。このような枠状金属膜の例を、図6の(a1 )から(a7 )に示す。スイッチの透明導電膜は、スイッチが付設される電気製品のデザインによって様々な形状とされる。枠状金属膜は、スイッチの透明導電膜の形状と対応させて、例えば、図6の(a1 )から(a7 )に示すような様々な形状とすることが可能である。
【0036】
枠状金属膜には、透明導電膜の周縁に沿った枠状の形状であれば、図6の(b1 及び(b4 )に示すように、枠の一部分が切断された形状のものも含まれる。枠状金属膜は、透明導電膜の周縁の全体に沿って付設されていることが最も好ましい。また、枠状金属膜は、透明導電膜の周縁の内側近傍に沿って付設されていてもよい。すなわち、透明導電膜が、枠状金属膜の外側にまで広がって形成されていてもよい。
【0037】
また、透明スイッチの透明導電膜の抵抗値を低くして、透明導電膜における電力の損失を小さくすることが好ましい。このためには、透明導電膜の厚みを大きくして、その抵抗値を低くすればよい。ところが、厚い透明導電膜を一回の印刷で形成すると、ペースト状の透明導電性材料に含まれる溶媒の乾燥が不十分となる場合がある。溶媒の乾燥が不充分であると、透明導電膜の機械的な強度が低くなり、スイッチの耐久性が低下するなどの問題を生じる。このような問題を生じないように、透明導電膜を、ペースト状の透明導電性材料の印刷、そして溶媒の乾燥を繰り返すことにより多層膜として形成して、その厚みを大きくすることが好ましい。
【0038】
透明スイッチの透明基板14b側の面に、有機エレクトロルミネッセンス素子を付設することにより、図1の照光スイッチを作製することができる。図1の有機エレクトロルミネッセンス素子12は、一方の面に、透明な第一電極層、有機発光材料層、そして第二電極層がこの順に積層された構成の発光性積層体が付設された透明基板12aと、この発光性積層体の吸湿を抑えるための封止用基板12bとが、各々の周縁部にて非透湿性の接着剤を介して接合された構成を有している。有機エレクトロルミネッセンス素子12の有機発光材料層にて発生した光は、透明基板12a、そして透明スイッチを通り、透明スイッチの透明基板14aの側から取り出される。
【0039】
また、図1の照光スイッチの透明基板14a側の面のうち、透明導電膜と対応する部位の外側からは、有機エレクトロルミネッセンス素子が発した光を取り出す必要はない。従って、照光スイッチの透明基板側14a側の面のうち、透明導電膜と対応する部位の外側には、不透明な印刷を施すことができる。また、照光スイッチの透明導電膜と対応する部位に孔が形成された不透明な樹脂シートなどを、透明基板14a側の面に付設することもできる。また、照光スイッチを、その透明導電膜と対応する部位に孔が形成された電気製品の操作パネルの裏側に配置して使用することもできる。
【0040】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、その一方の電極層から正孔を、そして他方の電極層から電子を有機発光材料層の内部に注入し、有機発光材料層の内部にて正孔と電子とを再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、この励起子が失活する際の光の放出(蛍光、燐光)により発光する素子である。
【0041】
有機発光材料層の内部にて再結合させる正孔と電子とのそれぞれを、有機発光材料層の内部に効率良く注入して、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率を高くするために、有機発光材料層の一方の電極層側の面に正孔輸送層を付設することが知られている。同様に有機発光材料層の他方の電極層側の面に電子輸送層を付設することも知られている。
【0042】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、公知の文献の記載に準じて作製することができる。有機エレクトロルミネッセンス素子については、「有機LED素子の残された研究課題と実用化戦略」(ぶんしん出版、1999年)、及び「光・電子機能有機材料ハンドブック」(朝倉書店、1997年)などに詳しい記載がある。
【0043】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板上に、電極層、有機発光材料層などの薄膜を形成して構成することができるため、その厚みが非常に薄い。このような有機エレクトロルミネッセンス素子は、携帯電話のディスプレイなどに用いられる薄型のディスプレイとしての応用が期待されている。このような有機エレクトロルミネッセンス素子を、前記の透明スイッチの一方の面に付設することにより、薄型の照光スイッチを構成することができる。
【0044】
図7は、本発明の照光スイッチの動作の一例を説明するための電気回路図である。図7に示すように、照光スイッチは、透明スイッチ71、有機エレクトロルミネッセンス素子72、そして駆動回路73から構成されている。駆動回路73は、透明スイッチ71の金属膜端子間に電圧を印加する。駆動回路73は、透明スイッチ71が押されて、その透明導電膜が互いに接触したときに前記電圧値が低下することを検出して、スイッチが押されたことを判断する。そして駆動回路73は、スイッチが押された場合に、有機エレクトロルミネッセンス素子72に電気的エネルギーを供給する。電気的エネルギーが供給されると、有機エレクトロルミネッセンス素子が発光して、スイッチが押されたことを光により確認することができる。同時に、駆動回路は73、照光スイッチが付設される電気製品に、スイッチが押されたことを示す電気信号を伝達する。
【0045】
駆動回路73によって、有機エレクトロルミネッセンス素子を、スイッチの透明導電膜が互いに接触しているときのみ発光させてもよいし、透明導電膜が互いに接触してから所定時間発光させてもよいし、あるいは透明導電膜が互いに接触してから、次に接触するまで発光させてもよい。
【0046】
【実施例】
[比較例1]
透明基板として、厚さ100μmの透明ポリエステルフイルムを用意した。次に、この基板上に、銀ペーストをスクリーン印刷することにより金属膜端子を形成した。次いで、前記の金属膜と電気的に接続するようにして、ペースト状の透明導電性インキ(S−100、住友大阪セメント(株)製)をスクリーン印刷することにより、ITO(錫ドープ酸化インジウム)からなる厚さ10μmの透明導電膜を形成した。このようにして、透明導電膜付基板を二枚作製した。
【0047】
作製した二枚の透明導電膜付基板を、透明導電側を内側にして、透明導電膜が互いに接触しないように、スペーサを介して貼り合わせて透明スイッチを作製した。前記のスペーサとしては、透明導電膜と対応する位置に孔が形成され、両面に粘着剤が塗布された厚さ100μmのポリエステルフイルムを用いた。
【0048】
ガラス基板の表面に、ITO電極層、下記式(1)で表される正孔輸送性材料であるNPD、そして有機発光材料であるAlq3 (トリス−(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム)からなる有機発光材料層、そしてMgAg電極層を形成した。このガラス基板の周縁部と、封止用のガラス板の周縁部とを、接着剤により互いに貼り合わせて有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
【0049】
【化1】
Figure 0004401086
【0050】
作製した透明スイッチと、有機エレクトロルミネッセンス素子とを透明な接着剤により互いに貼り合わせて、照光スイッチを作製した。
【0051】
作製した照光スイッチが備える透明スイッチの透明導電膜と金属膜端子の構成は、図4の場合と同じである。図4に示すように、透明スイッチの金属膜端子48a及び48bに電気抵抗測定器41を接続し、透明スイッチの表面を、図4に示すA1 、A2 、そしてA3 の位置にて押し、それぞれの位置で透明導電膜45a及び45bが互いに接触した状態における金属膜端子間の抵抗値を測定した。位置A1 と金属膜端子の縁部との距離d1 は10mmであり、同様にd2 は20mmであり、d3 は30mmである。測定された抵抗値は、位置A1 、A2 、そしてA3 において、それぞれ5kΩ、8kΩ、そして13kΩであった。透明導電膜の幅Dは、10mmである。
【0052】
[実施例1]
金属膜端子を形成するときに、透明導電膜の周縁にて電気的に接続するように枠状の金属膜を同時に形成すること以外は比較例1と同様にして、照光スイッチを作製した。なお、枠状金属膜の幅Wは、2mmとした。
【0053】
作製した照光スイッチが備える透明スイッチの透明導電膜、枠状金属膜、そして金属膜端子の構成は、図5の場合と同じである。図5に示すように、透明スイッチの表面を、図5に示すA1 、A2 、そしてA3 の位置(比較例1と同じ位置)にて押し、それぞれの位置で透明導電膜55a及び55bが互いに接触した状態における金属膜端子間の抵抗値を測定したところ、スイッチを押す位置によらずに抵抗値は約5kΩであった。
【0054】
【発明の効果】
本発明の照光スイッチは、その透明スイッチの抵抗値が、スイッチを押す位置によらずに非常に安定した値を示す。従って、本発明の照光スイッチは、スイッを押す位置によらずに安定した動作を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う照光スイッチの一例の構成を示す斜視図である。
【図2】図1の照光スイッチが備える透明スイッチの分解斜視図である。
【図3】図2の透明スイッチの製造方法を説明する断面図である。
【図4】枠状金属膜を有しない透明スイッチの抵抗値について説明する図である。
【図5】枠状金属膜を有する透明スイッチの抵抗値について説明する図である。
【図6】枠状金属膜の形状の例を示す平面図である。
【図7】本発明の照光スイッチの動作の一例を説明するための電気回路図である。
【符号の説明】
12 有機エレクトロルミネッセンス素子
12a ガラス基板
12b 封止用ガラス板
14a、14b 透明基板
15a、15b 透明導電膜
16a、16b 枠状金属膜
17a、17b 金属膜端子
18a、18b 透明導電膜付基板
19 スペーサ
31a、31b カーボン保護膜
41 電気抵抗測定器
45a、45b 透明導電膜
48a、48b 金属膜端子
55a、55b 透明導電膜
56a、56b 枠状金属膜
58a、58b 金属膜端子
71 透明スイッチ
72 有機エレクトロルミネッセンス素子
73 駆動回路

Claims (5)

  1. 各々、透明基板、該透明基板の表面に印刷法により形成された透明導電膜、該透明導電膜の縁部にて電気的に接続しながら当該透明導電膜の周縁に沿って延びる枠状金属膜、および該枠状金属膜に電気的に接続され、前記基板表面の透明導電膜の外側に配設された金属膜端子からなる二枚の透明導電膜付基板を、透明導電膜側を内側にして、透明導電膜が互いに接触しないようにスペーサを介して接合してなる透明スイッチ、該透明スイッチの一方の面に付設された有機エレクトロルミネッセンス素子、そして前記透明スイッチの透明導電膜が互いに接触したことを検出して、該有機エレクトロルミネッセンス素子に電気的エネルギを供給する駆動回路からなる照光スイッチ。
  2. 枠状金属膜が、透明導電膜の周縁の全体に付設されている請求項1に記載の照光スイッチ。
  3. 透明導電膜が、印刷法により形成された透明導電膜の多層膜である請求項1に記載の照光スイッチ。
  4. 各々、透明基板、該透明基板の表面に印刷法により形成された透明導電膜、該透明導電膜の縁部にて電気的に接続しながら当該透明導電膜の周縁に沿って延びる枠状金属膜、および該枠状金属膜に電気的に接続され、前記基板表面の透明導電膜の外側に配設された金属膜端子からなる二枚の透明導電膜付基板を、透明導電膜側を内側にして、透明導電膜が互いに接触しないようにスペーサを介して接合してなる透明スイッチ。
  5. 枠状金属膜が、透明導電膜の周縁の全体に付設されている請求項4に記載の透明スイッチ。
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