JP4400028B2 - 鉛蓄電池の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛蓄電池の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉛蓄電池の負極活物質は、主にボールミル式あるいはバルトン式の鉛粉製造装置で製造される一酸化鉛と金属鉛との混合物である鉛粉、リグニンスルホン酸、カーボン、BaSO等をミキサーで混合した後、所定量の水を加えて混練後、さらに混練しながら所定量、所定比重の希硫酸を加えてペーストとしたものから構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
鉛蓄電池の負極活物質は、正極活物質に比べてその比表面積が約1/10と非常に小さいために、正極活物質に比べて性能が低下しやすいことが知られている。その性能低下を防止するため、鉛蓄電池用の負極活物質には、従来からBaSO、リグニンスルホン酸化合物、カーボン、グラファイトなどが添加されている。これらの添加剤のうちBaSOは、鉛蓄電池の放電時によって生成するPbSOの核となるべき役割を担っているため、BaSOの粒子はできるだけ細かいものがよいことが知られる。
【0004】
以下にBaSO粉末の製造工程の例を示す。
重晶石+コークス→混合、焼成→BaS(+水添加)→硫酸添加→硫酸性BaSO含有液→PH6〜9調整→水洗→乾燥→ろ過→粉砕→BaSO粉末
BaSOの粒子を細かくするための方法として、特開平7−169464号公報に記載のように、粉末のBaSOを硫酸や水に混ぜて負極活物質の混練時に添加する方法が提案されている。しかし、特開平7−169464号公報に記載の方法ではBaSO粉末を作るだけでも時間と労力を要するため、鉛蓄電池の製造コストを押し上げる要因の一つになっていた。特にBaSOの粉末は乾燥工程に長時間を要するだけでなく、細かくするための破砕工程にも長時間を要していた。
【0005】
また、特開2001−332252号公報に記載のように、あらかじめ作製したBaSを水溶液とし、硫酸と反応させてBaSO含有液として負極活物質に添加して負極活物質を混練する方法が提案されているが、特開2001−332252号公報に記載のようにあらかじめ比較的純度の高いBaSを製作することそのものがコスト上大きなロスである。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、BaSO製造工程を短縮することにより、従来に比べて安価なBaSOを得ることができ、ひいてはそのBaSOを使用した安価な蓄電池の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになした第1の発明は、少なくとも鉛粉と硫酸とBaSO4含有水とを用いて負極活物質ペーストを作製する工程を備えた鉛蓄電池の製造方法において、前記BaSO4含有水は下記(1)〜(5)の工程を経て得られたものであって、かつ前記(5)の工程は水洗されたBaSO4を乾燥する工程を有さないことを特徴とする、鉛蓄電池の製造方法である。
(1)重晶石とコークスとを混合、焼成してBa化合物を得る工程
(2)前記Ba化合物を水に溶解させてBa化合物水溶液を得る工程
(3)前記Ba化合物水溶液に硫酸を添加して硫酸性BaSO4 含有液を得る工程
(4)前記硫酸性BaSO4 含有液を水洗する工程
(5)前記水洗された硫酸性BaSO4 含有液と水とからBaSO4含有水を得る工程
【0008】
第2の発明は、前記BaSO含有水に、ビスフェノール類と亜硫酸塩とのホルムアルデヒド縮合物、あるいは、ビスフェノール類とアミノ酸とのホルムアルデヒド縮合物の少なくとも一方を添加したことを特徴とする、請求項1記載の鉛蓄電池の製造方法である。
【0009】
第3の発明は、前記BaSO含有水に、カーボンまたはグラファイトを添加したことを特徴とする、請求項1または2記載の鉛蓄電池の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本願発明の実施の形態を以下に述べる。
【0011】
重晶石とコークスとを600〜800℃の温度で反応させ、以下の反応式(1)にしたがってBaSを得る。なお、重晶石とはBaSOを多量に含む鉱石のことである。
BaSO+2C→BaS+2CO・・・・(1)
ここで得られたBaSを水に入れると、BaSは水溶性であるので、そのほとんどが溶解する。このBaS水溶液に、比重1.40(20℃)の希硫酸を徐々に滴下し、反応式(2)に従った硫酸性BaSO含有液を得る。
BaS+HSO→BaSO+HS・・・・(2)
この硫酸性BaSO含有液には、もともと重晶石に含まれていた不純物が多量に含まれているため、多量の水で水洗を繰り返す。水洗後に得たBaSO含有液を本発明の鉛蓄電池の製造方法に使用する。
【0012】
【実施例】
まず、従来のBaSO粉末の製法およびBaSO硫酸含有液、BaSO水洗後含有液の製法について説明する。
【0013】
BaSOを多量に含む鉱石である重晶石とコークスとを600〜800℃の温度で反応させ、上述の反応式(1)にしたがってBaSを得る。ここで得られたBaSを水に入れると、BaSは水溶性であるので、そのほとんどが溶解する。このBaS水溶液に、比重1.40(20℃)の希硫酸を徐々に滴下し、上述の反応式(2)に示す硫酸性BaSO含有液を得る。硫酸比重を1.40(20℃)に再調整したこのBaSO硫酸含有液をサンプルBとする。この硫酸性BaSO含有液には、もともと重晶石に含まれていた不純物が多量に含まれているため、多量の水で水洗を繰り返す。水洗後に得たBaSO含有液をサンプルC(本発明)とする。
【0014】
なお、サンプルCにビスフェノールスルホン酸ポリマー[4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとを混合したホルムアルデヒド縮合物:図1参照]をBaSO質量に対し1%添加したものを準備しサンプルC1とした。
【0015】
サンプルBを120℃で3日間乾燥し、粉砕したものが従来のBaSO粉末のサンプルAである。このサンプルの2次粒子径はSEM観察をおこなったところ平均約2〜3μmであった。
【0016】
これらの3種類のBaSOサンプルを用いて負極板を作成し、鉛蓄電池を構成した。
【0017】
従来の負極活物質A−1は、鉛粉100kgにカーボン200g、リグニンスルホン酸ナトリウム200gを添加し、5分間乾式混合した後、水10.9LにBaSO粉末(サンプルA)1000gを添加した水溶液を添加し5分間湿式混合し、その状態で比重1.40(20℃)の硫酸5.3Lを少量ずつ加えてさらに5分間混練したものである。
【0018】
硫酸性BaSO含有液(サンプルB、製造後3日目)を用いて製作した負極活物質B−1−1は、鉛粉100kgにカーボン200g、リグニンスルホン酸ナトリウム200gを添加し、5分間乾式混合した後、水を10.9L添加し5分間湿式混合し、その状態でBaSOを1000g含有している硫酸性BaSO含有液(サンプルB)5.3Lを少量ずつ加えてさらに5分間混練したものである。
【0019】
本発明のBaSO含有液(サンプルC、製造後3日目)を用いて製作した負極活物質C−1−1は、鉛粉100kgにカーボン200g、リグニンスルホン酸ナトリウム200gを添加し、5分間乾式混合した後、本発明のBaSOを1000g含む水溶液10.9Lを徐々に添加し5分間湿式混合し、その後比重1.40(20℃)の硫酸5.3Lを少量ずつ加えてさらに5分間混練したものである。
【0020】
なお、ビスフェノールスルホン酸ポリマー[4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとを混合したホルムアルデヒド縮合物:図1参照]をBaSO質量に対し1%添加した含有液(製造後3日目に使用)を用いた負極活物質(C−2−1)もあわせて製作した。
【0021】
また、BaSO含有液の安定性を評価するため、含有液製造から1週間後のもの、含有液製造から2週間後のものをそれぞれ添加した負極活物質(C−1−2,C−1−3)と含有液製造直後にビスフェノールスルホン酸ポリマーを加えた製造から1週間後のもの、製造から2週間後のものをそれぞれ添加した負極活物質(C−2−2,C−2−3)もあわせて製作した。
【0022】
上記負極活物質をそれぞれPb−0.07%Ca−1.0%Sn合金からなる自動車用の負極エキスパンド格子に充填し、通常の熟成、乾燥工程を経て負極板を製作した。正極板は通常の正極ペーストをPb−0.07%Ca−1.5%Sn合金からなる自動車用の正極エキスパンド格子に充填し、通常の熟成、乾燥工程を経て製作した。この正極板10枚と負極板11枚とを用いて、自動車用鉛蓄電池の単セルを組立て、所定の注液、化成工程を経て、60Ah−2Vの開放型自動車用鉛蓄電池を作製した。
【0023】
これらの電池を初期の放電性能およびサイクル寿命試験に供した。初期性能は、25℃での5hR放電容量および−15℃での5CA放電容量を調べた。また、サイクル寿命試験は、75℃にて、0.5CA電流で2分間放電し、0.5CA電流で2.4Vの定電流−定電圧充電を10分間おこなう試験を行って評価した。
【0024】
試験結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0004400028
【0026】
表1からわかるように、本発明のBaSO含有液を用いて製造した鉛蓄電池は、初期性能および寿命性能を損なうことは全くなかった。また、寿命性能についても従来のBaSO粉末を適用した場合に比べ低下するということも全くなかった。
【0027】
なお、ビスフェノールスルホン酸ポリマー[4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとを混合したホルムアルデヒド縮合物:図1参照]をBaSO含有液に添加したものは、寿命性能がやや向上する傾向が見られた。特にBaSO含有液は製造後の放置期間が長くなると、寿命性能が低下する傾向が見られたが、上記ポリマーを添加すると寿命性能の低下を低減できた。
【0028】
なお、硫酸性BaSO含有液を用いて製作した電池B−1は、早期に容量が低下した。これは、BaSO含有液の水洗工程を経ていないために不純物等が多く、自己放電等が増加したためではないかと思われる。
【0029】
硫酸性BaSO含有液を使用することによるコストダウン効果について説明する。BaSO粉末を得るための最終工程の乾燥、粉砕は、多大の時間およびエネルギーを要する。特にBaSOの粉末を得るには1質量%程度の水分量にまで下げる必要があること、粉砕した細かいBaSOの粒度をそろえるために、分級が必要であること、細かい粉末状態では再び吸湿してしまうので密封保管が必要であること、などさまざまな作業が必要になるため、乾燥以下の工程が省けると、非常に安価にBaSOを製作できることになる。
【0030】
また、鉛蓄電池負極活物質にはBaSO以外にも、カーボンやリグニンスルホン酸化合物を添加しているが、あらかじめこれらをBaSO含有液に添加しておけば、別途活物質に混合する必要がないので、負極活物質調製作業上も手間が省ける。本発明ではカーボンは、BaSO含有液にではなく、鉛粉に直接添加したが、あらかじめ、BaSO含有液に添加することも可能である。
【0031】
また、負極活物質に添加しているリグニンスルホン酸の替わりにビスフェノールスルホン酸ポリマー[4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとを混合したホルムアルデヒド縮合物:図1参照]に置き換えることも可能であるので、あらかじめBaSO含有液に負極活物質の性能維持のために必要量だけ上記ポリマーを添加しておき、リグニンスルホン酸を添加しないようにすることも可能である。
【0032】
本実施例で用いたビスフェノール類と亜硫酸塩とのホルムアルデヒド縮合物あるいはビスフェノール類とアミノ酸とのホルムアルデヒド縮合物の群から選ばれた少なくとも1種としては、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとを混合したホルムアルデヒド縮合物の例(図1)を示したが、本発明において用いられるビスフェノール類としては、種々のものを用いることができ、例えば、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、4,4'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酪酸およびこれらの異性体を用いることができる。さらにリグニンスルホン酸とビスフェノールスルホン酸ポリマーとを併用しても上記実施例と同様の効果が得られた。
【0033】
そして、本発明では図2で示されるビスフェノール類化合物、すなわち4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンを含むもの、例えば、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンが単独、または、前記ビスフェノール類中における4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン以外の化合物の少なくとも1種と4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンとが混合されたビスフェノール類を用いることもできる。なお、混合されたビスフェノール類が用いられる場合には、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンを全ビスフェノール類化合物に対して1モル%以上混合するのが良い。
【0034】
なお、図3で表されるビスフェノール類は4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、または2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンであるが、これらは1種以上を組み合わせて用いても良く、2種以上用いる場合には、図3で表されるビスフェノール類の合計の含有量が1モル%以上とするのが良い。
【0035】
本願発明において用いられる亜硫酸塩としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウム等が使用可能であり、特に、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等のナトリウム塩が好ましい。
【0036】
また、本願発明において用いられるアミノ酸としては、グルタミン酸、グリシン、アラニン、イミノ二酢酸、アスパラギン酸、セリン、アミノ酪酸、グルタチオン、6−アミノヘキサン酸、バリン、メチオニン、ロイシン等が使用可能であり、特に、グルタミン酸、グリシン、アラニン、イミノ二酢酸が好ましい。
【0037】
また、亜硫酸塩に変えて、アミノ酸であるグルタミン酸を用いたビスフェノールアミノ酸ポリマーにおいても、上記実施例と同様の効果が得られた。
【0038】
本願発明において用いられるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン等のホルムアルデヒド誘導体、アセトアルデヒド等が使用可能であり、特に、ホルムアルデヒド誘導体が好ましく、反応性やコストの点から、ホルムアルデヒドがより好ましい。
【0039】
本願発明において用いられる縮合物は、上記のような、ビスフェノール類と亜硫酸塩とアルデヒド類、または、ビスフェノール類とアミノ酸とアルデヒド類、または、ビスフェノール類と亜硫酸塩とアミノ酸とアルデヒド類等、との縮合物であるが、このような縮合物は、例えば、これらを水性条件下で混合し、常圧または加圧条件下で、50〜140℃で通常5〜50時間反応させることによって製造することができる。
【0040】
ただ、反応生成物水溶液のpHは、6〜14である必要があり、必要に応じて水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、水酸化アンモニウム等のアルカリを添加することがある。
【0041】
また、これらの原料を縮合する際には、ビスフェノール類:亜硫酸塩および/もしくはアミノ酸:アルデヒド類のモル比は1:0.5〜2.5:1.2〜6.0とするのが好ましい。このモル比をはずれると、縮合物の分子量が大きくなりすぎたり、高分子とならなくなったりすることがあるためである。さらに未反応成分が多量に残存する場合もある。
【0042】
なお、本発明で用いられる縮合物の重量平均分子量は、0.3〜3.0×10であるのが好ましい。これは、分子量が小さすぎると充電反応が阻害され、分子量が大きすぎると分散性が低下するためである。なお、重量平均分子量は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定が可能である。
【0043】
また、本実施例では開放型鉛蓄電池を適用したが、制御弁式鉛蓄電池でも本願発明の効果がかわるものではない。
【0044】
従来の技術では、BaSOを負極活物質中で細かくするために、前述のように、製造されたBaSO粉末を水あるいは溶液に添加するなどの工夫をして使用しているが、BaSO粉末の製造工程においては、その途中でBaSO含有液が生成される工程がある。従来、この含有液は活性が高すぎるために不安定であり、蓄電池の製造工程には使用されていなかったが、本発明により前記BaSO含有液は製造後1週間以内であれば、乾燥工程をおこなって得られたBaSO粉末と同程度の性能を有することがわかった。
【0045】
前述のように、従来のBaSO粉末製造工程における本発明による水洗後のBaSO含有液サンプル(C)生成の前に、BaSO硫酸含有液サンプル(B)が生成しているが、我々の試験では、この硫酸含有液サンプル(B)は不純物が非常に多いため、かならず溶液のpH調整および水洗が必要であった。よって、本製造プロセスにおいて特開2001−332252号公報と同様の製法で負極板を製作しようとすると、水洗後のBaSOサンプルに再度硫酸を添加して、硫酸溶液を作製するという手間が必要であり、コストメリットは全くなくなる。
【0046】
また、ビスフェノール類と亜硫酸塩との縮合物あるいはビスフェノール類とアミノ酸とのホルムアルデヒド縮合物のいずれか、あるいは両方を、該BaSO含有液に添加すれば、安定な期間が延長されることがわかった。
【0047】
このように、従来の製法の途中段階のものを、そのまま蓄電池に適用することによって、製造コストの大幅な削減が可能になるのである。
【0048】
【発明の効果】
本発明により、BaSO製造工程を短縮することにより、従来に比べて安価なBaSOを得ることができ、ひいてはそのBaSOを使用した安価な鉛蓄電池の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ビスフェノール類と亜硫酸塩とのホルムアルデヒド縮合物もしくはビスフェノール類とアミノ酸とのホルムアルデヒド縮合物の分子構造
【図2】 4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンの分子構造
【図3】 4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、または2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの分子構造

Claims (3)

  1. 少なくとも鉛粉と硫酸とBaSO4含有水とを用いて負極活物質ペーストを作製する工程を備えた鉛蓄電池の製造方法において、
    前記BaSO4含有水は下記(1)〜(5)の工程を経て得られたものであって、かつ前記(5)の工程は水洗されたBaSO4を乾燥する工程を有さないことを特徴とする、鉛蓄電池の製造方法。
    (1)重晶石とコークスとを混合、焼成してBa化合物を得る工程
    (2)前記Ba化合物を水に溶解させてBa化合物水溶液を得る工程
    (3)前記Ba化合物水溶液に硫酸を添加して硫酸性BaSO4 含有液を得る工程
    (4)前記硫酸性BaSO4 含有液を水洗する工程
    (5)前記水洗された硫酸性BaSO4 含有液と水とからBaSO4含有水を得る工程
  2. 前記BaSO4含有水に、ビスフェノール類と亜硫酸塩とのホルムアルデヒド縮合物、あるいは、ビスフェノール類とアミノ酸とのホルムアルデヒド縮合物の少なくとも一方を添加したことを特徴とする、請求項1記載の鉛蓄電池の製造方法。
  3. 前記BaSO4含有水に、カーボンまたはグラファイトを添加したことを特徴とする、請求項1または2記載の鉛蓄電池の製造方法。
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