JP4399929B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は直流―直流変換スイッチング電源装置に関し、特に放電灯点灯用スイッチング電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶プロジェクター等の映像投射装置が普及してきている。特にパーソナルコンピューターの表示端末機器としての成長が著しく、より小型、携帯化が求められている。その光源として放電灯が使用されており、点灯用電源として小型化、高効率化の観点よりスイッチング電源装置が普及している。
【0003】
図15に従来の放電灯用点灯電源の一例を示す。同図において、1は直流―直流変換部、8は直流電源、9は高電圧発生用イグナイター、10は放電灯である。直流電源8の電圧を直流―直流変換部1のスイッチ1a、チョーク1b、出力コンデンサ1c、ダイオード1d、スイッチドライブ回路1eにより放電灯に必要な電圧に変換する。直流―直流変換部1は降圧型コンバータの例を示しており、この場合、出力電圧は直流電源8の電圧より低く出力される。直流―直流変換部1は昇圧型、昇降圧型のコンバータが使用される場合もある。放電灯10は放電開始前インピーダンスが無限大であり、直流―直流変換部1は無負荷状態となる。この時、直流―直流変換部1は出力電圧検出回路2の抵抗2a、2bにより分圧された電圧信号と出力電流検出回路3の出力電圧を入力として制御回路4により出力電圧が高くなるように出力制御される。出力電圧が高くなることで、高電圧発生用イグナイター9から発生した高電圧が放電灯10に印加される。高電圧印加により放電灯10は内部の希ガスが絶縁破壊して電流が流れ始める。この時、放電灯10はインピーダンス極小となり、直流―直流変換部1は出力短絡状態となる。スイッチ電流過電流保護回路7内スイッチ電流ピーク値制限回路5の設定値にスイッチ電流検出回路11の抵抗11a、11b、11cにより出力されたパルス電圧の波高値が達すると、スイッチ1aを流れる電流がそれ以上大きくならないように瞬時にスイッチドライブ回路1e出力パルスを制限する。この瞬時のスイッチ電流制限動作によりチョーク1bの飽和、スイッチ1aの破壊を防止している。放電灯10に電流が流れ続けることで放電灯10の内部インピーダンスが上昇し制御回路4により設定された電圧、電流、電力に安定する。設定された電力が放電灯10に印加され続くことで放電灯10より所定の光束が発光される。
【0004】
前記従来例図15は直流用放電灯点灯電源の一例を述べているが、交流用放電灯点灯電源の場合も図15において直流―直流変換部1の出力と高電圧発生用イグナイター9、放電灯10の間に直流―交流変換回路が接続されることのみが異なるだけで同様の動作を行う。
【0005】
なお、出力電流、出力電力が大きい場合、スイッチ電流検出回路として前記従来例図15に示したような抵抗による検出回路を用いると、スイッチ電流も大きいため、抵抗での損失が二乗関数で増大する。その対策として、図16に示すようなカレントトランスを用いた回路や他の方法もスイッチ電流検出回路として用いられている。
【0006】
なお、従来例図17に示すように前記従来例図15のスイッチ電流過電流保護回路7を備えない例もあるが、この場合はスイッチ1aの破壊が生じないようにスイッチ1aの耐電流値アップやチョーク1bの直流重畳値アップが必要でありチョーク1bが大きくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来例図15に示すように、放電灯点灯用電源の小型化には放電灯が点灯する瞬間の短絡状態による急激な出力電流の増大により、チョークが飽和してスイッチが破壊することを防止するためにスイッチ電流のピーク値を制限する過電流保護回路が必要である。しかし、この回路は放電灯が点灯する瞬間のみに動作すればよく、それ以外は不必要である。逆に従来例図15に示すようにスイッチ電流検出を抵抗にて行う場合、常時損失が発生し電源効率が低下する。スイッチ電流検出回路をカレントトランス等にて構成する場合は、ほとんど損失発生はないが部品点数の増加、コストの増加を伴う。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑み、損失または部品点数、コストの増加をほとんど伴わずに、放電灯の点灯の瞬間におけるスイッチ電流ピーク値を制限する過電流保護回路を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決するため、本発明のスイッチング電源装置は、
直流電源からの入力電圧をスイッチのオンオフにより他の直流電圧に変換して負荷へ出力する直流―直流変換部を備えたスイッチング電源装置において、
前記直流―直流変換部の出力電圧を検出する出力電圧検出回路と、
前記直流―直流変換部の出力電流または前記スイッチのオンオフ周波数のリップルを含む直流電流となる前記直流―直流変換部の内部電流を検出する出力電流検出回路と、
前記出力電圧検出回路の出力と、前記出力電流検出回路の出力の双方を入力として前記直流―直流変換部の出力電力の制御を行う制御回路と、
前記出力電流検出回路からのリップルを含んだ直流出力を前記スイッチのオンオフ周波数と同期したパルスを用いて前記出力電流検出回路からのリップルを含んだ直流出力と相似するリップル部分を含むパルス出力に変換するパルス変換回路と、
前記パルス変換回路からのパルス出力電圧波高値により前記スイッチに流れるスイッチ電流のピーク値を制限するスイッチ電流ピーク値制限回路と、
を具備している。
【0010】
この本発明によれば、損失または部品点数、コストの増加をほとんど伴わずに、放電灯の点灯の瞬間におけるスイッチ電流ピーク値を制限する過電流保護回路を構成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わるスイッチング電源装置の実施例について図1から図14を参照しつつ説明する。
【0012】
《参考例1》
図1は本発明に係る参考例1のスイッチング電源装置の回路図である。図1に示すように、参考例1のスイッチング電源装置は、直流―直流変換部1と直流―直流変換部1の出力電圧を検出する出力電圧検出回路2と出力電流または出力電流とほぼ同等な直流―直流変換部1内部の電流を検出する検出回路3とこの双方の信号を入力として出力制御を行うように直流―直流変換部1を制御する制御回路4と前記出力電流または同等電流検出回路3およびスイッチ電流ピーク値制限回路5からなるスイッチ電流過電流保護回路7とで構成される。前記従来例のスイッチング電源装置におけるものと同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その説明は省略する。図2はスイッチ1aおよびチョーク1bの電流および出力電流検出回路3の抵抗両端電圧を表わしている。
【0013】
図1において、出力電流検出回路3は出力同等電流としてチョーク1bを流れる電流を検出している。本参考例において直流―直流変換部1は降圧型コンバータの例を示している。この場合、チョーク1bを流れる電流の平均値が出力電流と同一となる。従って、出力電流検出回路3の抵抗両端電圧は出力電流を検出した場合とほぼ同一の電圧値となり、この信号を用いることにより出力電流検出時と同様に出力制御を行うことが出来る。また、チョーク電流はチョーク1bに印加される電圧で発生する励磁電流分の発振周波数成分リップルを含んでいるため、図2に示すように出力電流検出回路3の抵抗両端電圧も同様に発振周波数成分のリップル電圧が重畳されている。また、この電圧の波高値の位相はスイッチ1a電流のオフ時と同一位相である。スイッチ電流検出回路11の抵抗11b、11cで分圧された信号を受けたスイッチ電流ピーク値制限回路5は、信号電圧の波高値が所定の設定電圧に達すると、スイッチ1aを流れる電流がそれ以上大きくならないように瞬時にスイッチドライブ回路1eの出力パルスを制限する。なお、本参考例では抵抗11b、11cで分圧を行っているが、直接入力信号としても問題はない。スイッチ電流ピーク値制限回路5としては例えば図3に示すような回路が使用できる。なお、図3はスイッチ電流ピーク値制限回路5の一例であり、種々の回路にて構成できこの限りではない。前記信号と基準電圧5dを入力とする比較器5aと単安定マルチバイブレータ5bとORゲート5cにより構成される。信号電圧の波高値が基準電圧5dに達すると、ORゲート5cから図4に示すような信号が発生し、スイッチドライブ回路1eに伝達される。この動作によりスイッチドライブ回路1eの出力パルス幅がそれ以上に拡がらないように瞬時に制限され、スイッチ1aを流れるスイッチ電流ピーク値を制限しスイッチ1aの破壊を防止する。
【0014】
以上説明したように、参考例1のスイッチング電源装置は従来例図15のように急激な負荷短絡に対してのスイッチ電流過電流保護装置専用のスイッチ電流検出回路を必要とせず、出力制御のための出力同等電流検出回路を共用することができる。
【0015】
したがって、スイッチ電流検出回路が省略できるため損失または部品点数、コストの増加をほとんど伴わずに、スイッチ電流ピーク値を制限する過電流保護回路が構成できる。
【0016】
なお、以上の説明では直流―直流変換部が非絶縁タイプの降圧型コンバータの場合にて説明を行ったが、他コンバータ方式においても、またパルス幅制御方式、周波数制御方式等の制御方式に拘わらずに実施可能である。
【0017】
また、本参考例では直流用放電灯点灯電源の一例を述べているが、交流用放電灯点灯電源の場合においても従来例と同様に直流―直流変換部1の出力と高電圧発生用イグナイター9、放電灯10の間に直流―交流変換回路が接続されることのみが異なるだけで実施可能である。
【0018】
《参考例2》
次に、本発明に係る参考例2のスイッチング電源装置について図5を参照しつつ説明する。図5は本発明に係る参考例2のスイッチング電源装置の回路図である。本参考例は前記参考例1のスイッチング電源装置と出力電流検出回路3の接続位置のみ異なる。それ以外は全て参考例1と同一構成、機能であるためその部分に同じ符号を付しその説明は省略し、出力電流検出回路3の部分についてのみ説明する。図6はスイッチ1a電流、出力コンデンサ1cの両端電圧、出力電流および出力電流検出回路3の抵抗両端電圧を表わしている。
【0019】
放電灯点灯電源の場合、前記従来例にて説明したように放電灯10が点灯前は無負荷状態であり、直流―直流変換部1の出力は高くなる。点灯時瞬間は点灯前に出力コンデンサ1cに蓄積されたコンデンサ電荷が放電灯電極を通じて短絡状態にて放電される。このとき、一般のスイッチング電源装置と同等の出力コンデンサ容量が接続されていると、その膨大な電荷量にて電極に大電流が長時間流れ続くことになり瞬時に電極が溶けて破壊する。そのため、放電灯点灯電源の出力コンデンサ容量は極端に少なく、その両端電圧、つまり出力電圧は図6に示すように直流―直流変換部1の発振周波数成分リップル電圧をかなり含む。そのため、放電灯を流れる出力電流も発振周波数成分リップルが多く重畳されるため、出力電流検出回路3の抵抗両端電圧も発振周波数成分リップルが多く重畳されている。したがって、この検出信号を用いることにより参考例1でチョーク1bの電流を検出した場合と同様に、スイッチ電流とほぼ同一値となり、検出回路が不必要になる。
【0020】
したがって、参考例1と同様の効果がある。
【0021】
《実施例1》
次に、本発明に係る実施例1のスイッチング電源装置について図7を参照しつつ説明する。図7は本発明に係る実施例1のスイッチング電源装置の回路図である。本実施例は前記参考例1のスイッチング電源装置のスイッチ電流過電流保護回路7においてパルス変換回路6を追加したことのみが異なる。それ以外は全て参考例1と同一構成、機能であるためその部分に同じ符号を付しその説明は省略し、パルス変換回路6の部分についてのみ説明する。
【0022】
参考例1および2においては、出力電流または同等電流検出回路3の出力をそのままスイッチ電流ピーク値制限回路5の入力として使用している。出力電流または同等電流検出回路3の出力電圧は、参考例1の図2、参考例2の図6に示すように直流電圧値に直流―直流変換部1の発振周波数成分リップルが重畳された信号である。この電圧信号の波高値がスイッチ電流ピーク値制限回路5の設定値に達することにより、瞬時にスイッチ電流が増加しないように信号を出力しスイッチ電流ピーク値を一定に制限する。ほとんどの場合は、参考例1および2の構成にて問題なく実施可能である。
【0023】
しかしながら、例えば、放電灯の点光源化のため電極間距離が短縮されたことによる放電灯電圧の低下等の条件によっては下記に説明するような問題が発生する。
【0024】
参考例1の場合においては出力電流の同等電流としてチョーク1bの電流を検出しているが、チョーク1bに流れる発振周波数成分電流は条件により小さくなる場合があり、この時、スイッチ電流ピーク値制限回路5は入力信号の波高値を正確に検出できず動作が不安定になり、誤動作を引き起こすことがある。参考例1の場合、チョーク1bに流れる発振周波数成分電流は
(Vin−Vo)×Ton/L
または
Vo×Toff/L
ここで、
Vin :直流―直流変換部1の入力電圧
Vo :直流―直流変換部1の出力電圧
Ton :スイッチ1aのオンしている時間
Toff:スイッチ1aのオフしている時間
L :チョーク1bのインダクタンス
で表わされる。
【0025】
つまりチョーク1bのインダクタンスが大きい、または出力電圧が低い、またはオン時間、オフ時間が短い、または入力電圧と出力電圧の差が小さい、またはそれらの条件が重なった場合に、チョーク1bに流れる発振周波数成分電流は小さくなる。図8は誤動作時の一例のスイッチ1a電流、チョーク1b電流、出力電流検出回路3の抵抗両端電圧、スイッチ電流ピーク値制限回路5の出力信号を示す波形である。検出信号の波高値が初めてスイッチ電流ピーク値制限回路5の設定値に達すると、スイッチ電流ピーク値制限回路5の出力信号はスイッチ1aのオン時間を拡がらないように動作する。しかし、重畳されている発振周波数成分電流によるリップルが小さいため何時までも設定値として検出し続け、次のオンパルス発生時間になっても検出状態のためオンパルスを発生出来ない。そのため、出力電圧および出力電流も低下しチョーク1bの電流が低下することになり、スイッチ電流ピーク値制限回路5への入力信号が低下する。オフ入力信号として検出可能な電圧まで低下した時点でスイッチ電流ピーク値制限回路5の出力信号はリセットされスイッチ1aは再びオンする。以降、この動作を繰り返す。この誤動作により、実質的に発振周波数が低下したことになり出力電圧、出力電流が低下する。放電灯点灯に際し、点灯開始直後の安定な電流供給は安定点灯への移行にとって重要であり、出力電流の低下や不安定動作は光のちらつきや点灯失敗を引き起こす。
【0026】
本実施例のパルス変換回路6は、前記参考例1および2にて、ある条件下で発生する前記課題を解決するために、出力電流および出力電流検出回路3とスイッチ電流ピーク値制限回路5の間に接続された回路である。
【0027】
本実施例においては、パルス変換回路6がスイッチドライブ回路1eからの出力制御用パルスを入力信号として用いて構成される場合の一例を示している。パルス変換回路6としては例えば図9に示すような回路が使用できる。なお、図9はパルス変換回路6の一例であり、種々の回路にて構成できこの限りではない。インバータ6aおよびスイッチ素子6bより構成される。図10はパルス変換回路6の入力信号、出力信号、スイッチ素子6bの状態、スイッチ1a電流、出力電流検出回路3の抵抗両端電圧を表わしている。出力電流検出回路3の抵抗両端電圧の抵抗11b,11cによる分圧信号を、スイッチドライブ回路1eからの出力制御用パルスがオフのときスイッチ素子6bがオンになり引き込むことで、スイッチ電流ピーク値制限回路5の入力信号電圧は図10に示すように波高値はそのままにしてスイッチ1a電流に同期しほぼ近似したパルス電圧に変換される。この変換により発振周波数成分電流が小さい場合においても、スイッチ電流ピーク値制限回路5の入力信号電圧は波高値を過ぎると急激に低下するため、波高値が設定値に達し検出される毎に確実にリセットされる。したがって、設定値に達した各波高値に対して誤動作なく確実に、スイッチ1a電流が増加しないように制限できる。
【0028】
以上説明したように、本実施例1のスイッチング電源装置は従来例図15のように急激な負荷短絡に対してのスイッチ電流過電流保護装置専用のスイッチ電流検出回路を必要とせず、出力制御のための出力同等電流検出回路を共用することができる。しかも、参考例1および2にてある条件下で発生した誤動作も確実に回避可能である。
【0029】
したがって、スイッチ電流検出回路が省略できるため損失または部品点数、コストの増加をほとんど伴わずに、スイッチ電流ピーク値を制限する過電流保護回路が構成できる。
【0030】
なお、以上の説明では、スイッチ電流ピーク値制限回路5の出力信号電圧をスイッチ1a電流と同期したパルスにするための信号として、出力制御用パルスを用いているが、スイッチ1a電流周波数を含む信号であれば、使用可能である。
【0031】
《実施例2》
次に、本発明に係る実施例2のスイッチング電源装置について図11を参照しつつ説明する。図11は本発明に係る実施例2のスイッチング電源装置の回路図である。本実施例は前記実施例1のスイッチング電源装置のスイッチ電流過電流保護回路7においてパルス変換回路6がダイオード1dの電圧を入力信号として用いて構成されることのみが異なる。それ以外は全て実施例1と同一構成、機能であるためその部分に同じ符号を付しその説明は省略し、パルス変換回路6の部分についてのみ説明する。パルス変換回路6としては例えば図11に示すような回路が使用できるが、図11はパルス変換回路6の一例であり、種々の回路にて構成できこの限りではない。
【0032】
本実施例において、パルス変換回路6はダイオード6cと抵抗6dにて構成される。図12はパルス変換回路6の入力信号であるダイオード1dの電圧、出力信号、ダイオード6cの状態、スイッチ1a電流、出力電流検出回路3の抵抗両端電圧を表わしている。実施例3においては出力制御用パルスを入力信号としているが、スイッチ1a電流はドライブ回路の遅れ時間、スイッチ1aの遅れ時間等のため、出力制御用パルスより位相が遅れる。そのため、図10に示されるようにスイッチ1a電流と同期はしているが位相がずれており、スイッチ電流ピーク値制限回路5の設定値と制限されるスイッチ1a電流ピーク値とは若干のずれがあった。本実施例では出力電流検出回路3の抵抗両端電圧の抵抗11b,11cによる分圧信号を、スイッチ1aオフ、ダイオード1dがオンのときダイオード6cがオンになり引き込むことで、スイッチ電流ピーク値制限回路5の入力信号電圧は図12に示すように波高値はそのままにしてスイッチ1a電流に同期し位相も合致したパルス電圧に変換される。そのため、スイッチ電流ピーク値制限回路5の設定値と制限されるスイッチ1a電流ピーク値とのずれが発生しない。実施例1と同様に、この変換により発振周波数成分電流が小さい場合においても、スイッチ電流ピーク値制限回路5の入力信号電圧は波高値を過ぎると急激に低下するため、波高値が設定値に達し検出される毎に確実にリセットされる。したがって、設定値に達した各波高値に対して誤動作なく確実に、スイッチ1a電流が増加しないように制限できる。
【0033】
以上説明したように、実施例2のスイッチング電源装置は従来例図15のように急激な負荷短絡に対してのスイッチ電流過電流保護装置専用のスイッチ電流検出回路を必要とせず、出力制御のための出力同等電流検出回路を共用することができる。しかも、参考例1および2にて、ある条件下で発生した誤動作も確実に回避でき、実施例1のような過電流設定値と制限されるスイッチ1a電流ピーク値とのずれも発生しない。
【0034】
したがって、スイッチ電流検出回路が省略できるため損失または部品点数、コストの増加をほとんど伴わずに、スイッチ電流ピーク値を制限する過電流保護回路が構成できる。
【0035】
なお、以上の説明では、スイッチ電流ピーク値制限回路5の出力信号電圧をスイッチ1a電流と同期し、位相が同一のパルスにするための信号として、ダイオード1dの電圧を用いているが、スイッチ1a電流と同一の周波数、同一の位相を含む信号であれば、使用可能である。
【0036】
《実施例3》
次に、本発明に係る実施例3のスイッチング電源装置について図13を参照しつつ説明する。図13は本発明に係る実施例3のスイッチング電源装置の回路図である。本実施例は前記実施例2のスイッチング電源装置の直流―直流変換部1をトランス1fを用いたフィードフォワードコンバータの構成とし、スイッチ電流過電流保護回路7においてパルス変換回路6がトランス1fの二次巻線の電圧を入力信号として用いて構成されることのみが異なる。それ以外は全て実施例2と同一構成、機能であるためその部分に同じ符号を付しその説明は省略し、直流―直流変換部1のフィードフォワードコンバータとパルス変換回路6の部分についてのみ説明する。パルス変換回路6としては例えば図13に示すような回路が使用できるが、図13はパルス変換回路6の一例であり、種々の回路にて構成できこの限りではない。
【0037】
本実施例で直流―直流変換部1に用いたフィードフォワードコンバータは、降圧型コンバータがスイッチ1aのオン、オフ時間比が入出力電圧比のみで決定されるのに対して、トランス1fの一次、二次巻線比と入出力電圧比の両方で決定される。したがって、入力電圧が高く、出力電圧が低い条件では、降圧型コンバータはオン、オフ時間比が小さくなり、効率が悪く、また発振周波数も高く出来ない。これに対してフィードフォワードコンバータはトランス1fの一次、二次巻線比が調整できるため、スイッチ1aのオン、オフ時間比を大きくすることができ、効率がよい、また発振周波数も高く出来る。なお、トランス1fの一次巻線と二次巻線の絶縁、非絶縁は本実施例の動作には関係せず、どちらでもよい。
【0038】
パルス変換回路6はダイオード6cおよびダイオード6eと抵抗6cにて構成される。図14はパルス変換回路6の入力信号であるトランス1fの二次巻線電圧、出力信号、ダイオード6c、6eの状態、スイッチ1a電流、出力電流検出回路3の抵抗両端電圧を表わしている。動作は実施例2と同一である。出力電流検出回路3の抵抗両端電圧の抵抗11b,11cによる分圧信号を、スイッチ1aオフ、ダイオード1gオフ、ダイオード1dがオンのときダイオード6cおよびダイオード6eがオンになり引き込むことで、スイッチ電流ピーク値制限回路5の入力信号電圧は図14に示すように波高値はそのままにしてスイッチ1a電流に同期し位相も合致したパルス電圧に変換される。ダイオード6eはスイッチ電流ピーク値制限回路5の入力信号電圧を負方向にダイオードの順方向電圧でクランプするためであり、耐圧に問題がなければ、なくてもよい。このときは、トランス1fの二次巻線電圧を抵抗6d、抵抗11cで分圧した値になる。
【0039】
以上説明したように、実施例3のスイッチング電源装置は実施例2と同様に、急激な負荷短絡に対してのスイッチ電流過電流保護装置専用のスイッチ電流検出回路を必要とせず、出力制御のための出力同等電流検出回路を共用することができる。しかも、参考例1および2にてある条件下で発生した誤動作も確実に回避でき、実施例1のような過電流設定値と制限されるスイッチ1a電流ピーク値とのずれも発生しない。
【0040】
したがって、スイッチ電流検出回路が省略できるため損失または部品点数、コストの増加をほとんど伴わずに、スイッチ電流ピーク値を制限する過電流保護回路が構成できる。
【0041】
なお、直流―直流変換部1はトランス1fを用いたフィードフォワードコンバータの構成を示したが、トランスを用いる他のコンバータ方式にても、パルス幅制御方式、周波数制御方式等の制御方式に拘わらずに実施可能である。
【0042】
また、以上の説明では、スイッチ電流ピーク値制限回路5の出力信号電圧をスイッチ1a電流と同期し、位相が同一のパルスにするための信号として、トランス1fの二次巻線電圧を用いているが、スイッチ1a電流と同一の周波数、同一の位相を含む信号であれば、使用可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上、実施例で詳しく説明したように、本発明に係るスイッチング電源装置は以下の効果を有している。
【0044】
本発明のスイッチング電源装置によれば、放電灯点灯時における急激な負荷短絡状態に対してのスイッチ電流過電流保護回路専用のスイッチ電流検出回路を必要とせず、出力制御のための出力同等電流検出回路を共用することができる。
【0045】
したがって、スイッチ電流検出回路が削除できるため、損失または部品点数、コストの増加をほとんど伴わずに、スイッチ電流のピーク値を制限する過電流保護回路が構成できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1のスイッチング電源装置の回路図
【図2】 本発明の参考例1のスイッチング電源装置におけるスイッチ1a、チョーク1bの電流、出力電流および出力電流検出回路3の抵抗両端電圧波形を示す図
【図3】 本発明の参考例1のスイッチング電源装置におけるスイッチ電流ピーク値制限回路5の構成例を示す図
【図4】 本発明の参考例1のスイッチング電源装置におけるスイッチ電流ピーク値制限回路5の構成例である(図3)の入力、出力信号波形を示す図
【図5】 本発明の参考例2のスイッチング電源装置の回路図
【図6】 本発明の参考例2のスイッチング電源装置におけるスイッチ1a電流、出力コンデンサ1cの両端電圧、出力電流および出力電流検出回路3の抵抗両端電圧波形を示す図
【図7】 本発明の実施例1のスイッチング電源装置の回路図
【図8】 本発明の参考例1のスイッチング電源装置における、誤動作時の一例でのスイッチ1a電流、チョーク1b電流、出力電流検出回路3の抵抗両端電圧、スイッチ電流ピーク値制限回路5の出力信号を示す波形を示す図
【図9】 本発明の実施例1のスイッチング電源装置におけるパルス変換回路6の構成例を示す図
【図10】 本発明の実施例1のスイッチング電源装置におけるパルス変換回路6の入力信号、出力信号、スイッチ素子6bの状態、スイッチ1a電流、出力電流検出回路3の抵抗両端電圧波形を示す図
【図11】 本発明の実施例2のスイッチング電源装置の回路図
【図12】 本発明の実施例2のスイッチング電源装置におけるパルス変換回路6の入力信号であるダイオード1dの電圧、出力信号、ダイオード6cの状態、スイッチ1a電流、出力電流検出回路3の抵抗両端電圧波形を示す図
【図13】 本発明の実施例3のスイッチング電源装置の回路図
【図14】 本発明の実施例3のスイッチング電源装置におけるパルス変換回路6の入力信号であるトランス1fの二次巻線電圧、出力信号、ダイオード6c、6eの状態、スイッチ1a電流、出力電流検出回路3の抵抗両端電圧波形を示す図
【図15】 従来のスイッチング電源装置の回路図
【図16】 従来のスイッチング電源装置におけるカレントトランスを用いたスイッチ電流検出回路11の構成例を示す図
【図17】 他の従来のスイッチング電源装置の回路図
【符号の説明】
1 直流―直流変換部
1a スイッチ
1b チョーク
1c コンデンサ
1d,1g ダイオード
1e スイッチドライブ回路
1f トランス
2 出力電圧検出回路
2a,2b 抵抗
3 出力電流または同等電流検出回路
4 制御回路
5 スイッチ電流ピーク値制限回路
5a 比較器
5b 単安定マルチバイブレータ
5c ORゲート
5d 基準電圧
6 パルス変換回路
6a インバータ
6b スイッチ素子
6c,6e ダイオード
6d 抵抗
7 スイッチ電流過電流保護回路
8 直流電源
9 高電圧発生用イグナイター
10 放電灯
11 スイッチ電流検出回路
11a,11b,11c 抵抗
11d トランス
11e ダイオード
Claims (4)
- 直流電源からの入力電圧をスイッチのオンオフにより他の直流電圧に変換して負荷へ出力する直流―直流変換部を備えたスイッチング電源装置において、
前記直流―直流変換部の出力電圧を検出する出力電圧検出回路と、
前記直流―直流変換部の出力電流または前記スイッチのオンオフ周波数のリップルを含む直流電流となる前記直流―直流変換部の内部電流を検出する出力電流検出回路と、
前記出力電圧検出回路の出力と、前記出力電流検出回路の出力の双方を入力として前記直流―直流変換部の出力電力の制御を行う制御回路と、
前記出力電流検出回路からのリップルを含んだ直流出力を前記スイッチのオンオフ周波数と同期したパルスを用いて前記出力電流検出回路からのリップルを含んだ直流出力と相似するリップル部分を含むパルス出力に変換するパルス変換回路と、
前記パルス変換回路からのパルス出力電圧波高値により前記スイッチに流れるスイッチ電流のピーク値を制限するスイッチ電流ピーク値制限回路と、
を具備することを特徴とするスイッチング電源装置。 - 前記パルス変換回路がスイッチ素子を含むことを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
- 前記パルス変換回路がダイオードを含むことを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
- 負荷が放電灯であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のスイッチング電源装置。
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