JP4398594B2 - コンピュータシステム及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キーの誤入力防止機能を備えたコンピュータシステム及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯型のパーソナルコンピュータにおいては、一般にキーボードの他に例えば電源スイッチやモードスイッチなど各種の入力スイッチを備えている。キーボードは、蓋を閉じると操作できないようになっているが、その他のスイッチ類は蓋を閉じた状態でも操作可能となっている場合が多い。このためパーソナルコンピュータを鞄などに入れて持ち運ぶ場合に、誤ってスイッチを押してしまう可能性が高い。
【0003】
上記のようなキーの誤入力を防止する方法としては、従来、入力スイッチにメカニカルなロック機構を設け、物理的にスイッチを押せなくする方法が考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の誤入力防止方法では、スイッチが1つしかない場合は対応可能であるが、スイッチが多数ある場合やスイッチが狭い場所に配置されている場合などでは、ロック機構を取り付けられないという問題がある。
【0005】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、スイッチが多数ある場合やスイッチが狭い場所に配置されている場合などにおいても、キーの誤入力を確実に防止し得るコンピュータシステム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係るコンピュータシステムは、コンピュータ本体に設けられ、複数のコンソールスイッチを備えたコンソールパネルと、前記コンソールパネルに設けられたキーロック用スイッチと、前記コンピュータ本体に対する電源のオン/オフ状態を監視し、電源がオフされている状態で前記キーロック用スイッチがオンされた場合に前記コンソールスイッチの入力を禁止/許可する制御手段とを具備したことを特徴とする。
上記の構成によれば、コンピュータ本体に対する電源がオフされている状態で、キーロック用スイッチをオンすると、コンソールスイッチの入力が禁止あるいは許可される。従って、コンソールスイッチの入力を禁止状態にしておけば、誤ってコンソールスイッチが押された場合でも、キーの誤入力を確実に防止することができる。また、コンソールスイッチが多数ある場合やスイッチが狭い場所に配置されている場合などにおいても、キーの誤入力を防止することができる。
【0007】
第2の発明に係るコンピュータシステムは、コンピュータ本体に設けられ、複数のコンソールスイッチを備えたコンソールパネルと、前記コンソールパネルに設けられたキーロック用スイッチと、前記コンソールパネルに設けられ、コンピュータの動作状態を表示する表示装置と、前記コンピュータ本体に対する電源のオン/オフ状態を監視し、電源がオフされている状態で前記キーロック用スイッチがオンされた場合に前記コンソールスイッチの入力を禁止/許可する制御手段と、前記コンソールスイッチ及びキーロック用スイッチの状態を前記表示装置に表示する表示制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、コンピュータ本体に対する電源がオフされている状態で、キーロック用スイッチを操作してコンソールスイッチの入力を禁止状態に保持することにより、キーの誤入力を確実に防止することができる。また、キーロック用スイッチの状態は、コンソールパネルに設けられた表示装置に表示される。例えばコンソールスイッチの入力を禁止した場合には、表示装置に「誤動作防止中」等のメッセージが表示される。従って、ユーザは、表示装置に表示されたメッセージによりスイッチ入力が禁止されていることを確認でき、キー入力できない状態を異常が発生したものと誤認するようなことがなくなる。このためコンソールパネルの操作性を著しく向上することができる。
【0009】
また、第3の発明は、前記第1又は第2の発明に係るコンピュータシステムにおいて、キーロック用スイッチを可倒式スイッチにより構成し、該可倒式スイッチが一方側に一定時間以上連続して操作された場合にコンソールスイッチの入力を禁止し、他方側に一定時間以上連続して操作された場合にコンソールスイッチの入力を許可することを特徴とする。
【0010】
上記の構成によれば、可倒式スイッチを一方側に一定時間以上連続して操作した場合コンソールスイッチの入力が禁止され、他方側に一定時間以上連続して操作した場合コンソールスイッチの入力が許可される。従って、コンソールスイッチの入力を禁止状態にすれば、コンピュータを鞄などに入れて持ち運ぶ場合にスイッチが押されたとしてもキー入力が受け付けられることはなく、キーの誤入力を確実に防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1及び図2は、本発明を携帯型のパーソナルコンピュータに実施した場合の構成例を示したもので、図1は蓋を開いた状態を示す外観斜視図、図2は蓋を閉じた状態を示す平面図である。
【0012】
図1及び図2において、10はパーソナルコンピュータ本体で、ケース本体11及び蓋体12からなり、この蓋体12の内側面にメインのディスプレイ例えば液晶ディスプレイ13が設けられている。上記蓋体12は、ケース本体11の後部にヒンジ14a、14bにより回動可能に保持されている。
【0013】
上記ケース本体11には、上面にキーボード15及び電源スイッチ16が設けられると共に、内部に回路基板等が設けられる。また、ケース本体11には、後端部側にコンソールパネル17が設けられると共に、その両側にスピーカ18a、18bが配設される。上記コンソールパネル17は、蓋体12を開いた場合に前面側から操作できると共に、蓋体12を閉じた場合でも外部から操作できるようになっている。例えば円筒状に形成したコンソールパネル17の両端にヒンジ14a、14bを設けて蓋体12を回動可能に保持し、蓋体12を開いた場合には図1に示すように蓋体12の内側にコンソールパネル17が位置し、蓋体12を閉じた場合には図2に示すようにコンソールパネル17が外部に露出するようにしている。
【0014】
上記コンソールパネル17には、例えば可倒式スイッチ(ジョグスイッチ)21、22、サブLCD(液晶表示装置)23、コンソールボタン24a〜24d等が設けられる。上記可倒式スイッチ21、22は、図3(a)に矢印aで示すように前後(または左右)に動かすことができると共に、中央位置で矢印bに示すように上下(下方向に押す)に動かすことができる。図3(b)は、可倒式スイッチ21、22を一方側に倒した状態を示している。上記可倒式スイッチ21、22は、操作した後に手を離すと、バネにより中央の位置に戻るようになっている。
【0015】
上記可倒式スイッチ21は、前後方向に動かすことによって例えばインターネット、電子メール、音楽再生等の各種アプリケーションを順次選択し、中央位置で下方向に押すことにより上記選択したアプリケーションを確定することができる。
【0016】
また、可倒式スイッチ22は、例えばサウンドボリュームの調整機能とキー入力のロック及びロック解除を行なうキーロック用スイッチとしての機能を持っている。すなわち、可倒式スイッチ22は、電源スイッチ16がオンしている状態ではサウンドボリュームの調整が可能となり、電源スイッチ16がオフしている状態ではキーのロック及び解除が可能となる。この場合、可倒式スイッチ22を手前側(ボリューム小)に一定時間、例えば数秒間押し続けるとキーがロックされ、反対側(ボリューム大)に数秒間押し続けるキーのロックが解除される。
【0017】
サブLCD23は、複数行の表示が可能であり、可倒式スイッチ21の操作により選択されたアプリケーション名を例えば「インターネット」、「電子メール」、「オーディオ」、「CD/DVD」のように表示すると共に、可倒式スイッチ22の操作によるキーロックの状態を表示する。例えばキーがロックされている場合には、「誤動作防止中」のメッセージを表示する。
【0018】
コンソールボタン24a〜24dは、音楽再生やインターネットの操作を行なうためのものであり、例えば音楽再生の場合には「早送り」、「巻戻し」、「再生」、「ポーズ」、「停止」等の操作ボタンとして設定される。
【0019】
次に上記パーソナルコンピュータ本体10の主要回路構成について図4を参照して説明する。
図4において、31はシステム全体の制御を行なうCPUで、このCPU31には、チップセット32を介してRAM33及び表示コントローラ34が接続される。上記チップセット32は、コンピュータの基本システムに必要となる機能をまとめたLSIであり、CPU31とRAM33及び拡張バスなどを相互に接続し、データの流れをコントロールする。上記RAM33は、CPU31による読み書き可能のメモリ装置であり、CPU31の制御動作に伴い、必要なデータを一時保存する。表示コントローラ34は、CPU31からの指示に基づき、液晶ディスプレイ13に対する表示制御を行なう。
【0020】
また、上記チップセット32には、LPC(Low Pin Count)バス35介してマイクロコンピュータ36が接続されると共に、その他の各種デバイス(図示せず)が接続される。上記マイクロコンピュータ36には、電源部37、キーボード15、可倒式スイッチ21、22及びコンソールボタン24a〜24dからなるコンソールスイッチ38、サブLCD23等が接続される。
【0021】
上記電源部37は、パソコン本体及びコンソールパネル17に電源を供給するためのもので、パソコン本体に対する電源の供給は電源スイッチ16によりオン/オフされ、コンソールパネル17に対しては常時電源が供給されている。マイクロコンピュータ36は、電源部37からパソコン本体に供給される電源のオン/オフ状態を監視しており、電源の状態に応じて可倒式スイッチ22の機能制御、キー入力のロック、及びロック解除等の制御を行なう。
【0022】
すなわち、マイクロコンピュータ36は、電源スイッチ16がオフされている状態では、可倒式スイッチ22をキーロック、ロック解除指定キーとして機能させ、キーロック操作が行なわれるとキーボード15及びコンソールスイッチ38の入力を禁止する。この場合、可倒式スイッチ22のロック解除入力については許可する。また、マイクロコンピュータ36は、電源スイッチ16がオンされている状態では、各スイッチの本来の機能を実行する。なお、マイクロコンピュータ36は、コンソールスイッチ38の入力が禁止されている場合であっても、電源スイッチ16がオンされると、ロック状態を解除してキー入力を許可する。
【0023】
次に上記実施形態におけるキーの誤入力防止動作について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。マイクロコンピュータ36は、可倒式スイッチ22が押された否かをチェックし(ステップA1)、可倒式スイッチ22が押されると電源がオン状態となっているかどうかを判断し(ステップA2)、電源がオン状態になっていればスイッチ本来の機能を実行する(ステップA3)。
【0024】
上記ステップA2で電源がオン状態になっていない、すなわちオフ状態であると判断された場合には、可倒式スイッチ22が一定時間以上例えば5秒以上押され続けているかどうかを判断し(ステップA4)、一定時間以上押されていなければステップA1に戻る。
【0025】
上記ステップA4で可倒式スイッチ22が一定時間以上押され続けていると判断された場合には、キーロック入力か否か、すなわち、可倒式スイッチ22がキーロック側に押されたか否かを判断し(ステップA5)、キーロック側に押されている場合にはコンソールスイッチ38の入力を禁止する(ステップA6)。なお、このコンソールスイッチ38の入力を禁止した場合においても、可倒式スイッチ22については入力を許可する。
【0026】
上記コンソールスイッチ38の入力を禁止した場合には、サブLCD23に例えば「誤動作防止中」等のメッセージを表示し、ユーザにキーがロック状態になっていることを知らせる。すなわち、キーのロックによって、異常が発生したものとユーザが誤認しないようにする。また、上記キーのようにキーがロックされている状態においても、電源スイッチ16がオンされた場合には、コンソールスイッチ38のロックを解除してキー入力を許可する。
【0027】
また、上記ステップA5で、キーロック入力ではない、すなわち、可倒式スイッチ22がロック解除側に押されたと判断された場合には、コンソールスイッチ38の入力を許可する(ステップA7)。
【0028】
上記のように可倒式スイッチ22が一定時間以上押され続けた場合にキー入力をロックことにより、誤ってスイッチが押されてもキー入力が受け付けられないので、キーの誤入力を確実に防止することができる。また、ロックを解除する場合も、可倒式スイッチ22を一定時間以上押し続けないとロックが解除されないので、誤って可倒式スイッチ22が押された場合でもロックが解除されることはない。
【0029】
また、可倒式スイッチ21により指定された機能及び可倒式スイッチ22によるキー入力のロック状態等をサブLCD23に常時表示することで、スイッチの操作性を著しく向上することができる。
【0030】
更に、可倒式スイッチ22をサウンドボリュームの機能とキーロックの機能とに共用することで、専用のキーロック用スイッチを設けることなく、初期の目的を達成することができる。
【0031】
なお、上記実施形態では、可倒式スイッチ22を手前方向に一定時間以上押した場合にキーをロックし、また、反対方向に一定時間以上押した場合にキーのロックを解除するようにしたが、可倒式スイッチ22を一定の方向、あるいは前後どちらの方向でも一定時間以上操作した場合にキーのロックと解除が交互に行なわれるようにしても良い。
【0032】
また、上記実施形態では、可倒式スイッチ22にサウンドボリュームの調整機能とキーのロック及びロック解除の機能を持たせた場合について説明したが、その他の機能とキーのロック及びロック解除の機能を組み合わせることも可能である。また、複数の機能を組み合わせずに、キーのロック及びロック解除を行なう専用のスイッチを設けても良い。
また、キーのロック及びロック解除を行なうスイッチは、可倒式スイッチに限らず、その他のスイッチを用いても良い。
【0033】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、コンソールスイッチを備えたコンピュータにおいて、上記コンソールスイッチの入力を禁止/許可するキーロック用スイッチを設け、電源がオフとなっている状態で上記キーロック用スイッチが一定時間以上連続して押された場合に入力を禁止または許可するようにしたので、スイッチが多数ある場合やスイッチが狭い場所に配置されている場合などにおいても、キーの誤入力を確実に防止することができる。また、上記キーロック用スイッチは、電源がオフとなっている状態で機能するので、他の機能を持つスイッチと組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパーソナルコンピュータの蓋を開いた状態を示す斜視図。
【図2】同実施形態におけるパーソナルコンピュータの蓋を閉じた状態を示す平面図。
【図3】同実施形態における可倒式スイッチの構成を説明するための図。
【図4】同実施形態における主要回路の構成を示すブロック図。
【図5】同実施形態におけるキーの誤入力防止動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…パーソナルコンピュータ本体
11…ケース本体
12…蓋体
13…液晶ディスプレイ
14a、14b…ヒンジ
15…キーボード
16…電源スイッチ
17…コンソールパネル
18a、18b…スピーカ
21、22…可倒式スイッチ(ジョグスイッチ)
23…サブLCD
24a〜24d…コンソールボタン
31…CPU
32…チップセット
33…RAM
34…表示コントローラ
35…LPC(Low Pin Count)バス
36…マイクロコンピュータ
37…電源部
38…コンソールスイッチ
Claims (7)
- コンピュータ本体に設けられ、複数のコンソールスイッチを備えたコンソールパネルと、
前記コンソールパネルに設けられたキーロック用スイッチと、
前記コンピュータ本体に対する電源のオン/オフ状態を監視し、電源がオフされている状態で前記キーロック用スイッチがオンされた場合に前記コンソールスイッチの入力を禁止/許可する制御手段と、
を具備したことを特徴とするコンピュータシステム。 - コンピュータ本体に設けられ、複数のコンソールスイッチを備えたコンソールパネルと、
前記コンソールパネルに設けられたキーロック用スイッチと、
前記コンソールパネルに設けられ、コンピュータの動作状態を表示する表示装置と、
前記コンピュータ本体に対する電源のオン/オフ状態を監視し、電源がオフされている状態で前記キーロック用スイッチがオンされた場合に前記コンソールスイッチの入力を禁止/許可する制御手段と、
前記コンソールスイッチ及びキーロック用スイッチの状態を前記表示装置に表示する表示制御手段と、
を具備したことを特徴とするコンピュータシステム。 - 前記キーロック用スイッチを電源がオンされている状態で動作する機能と共用させたことを特徴とする請求項1、又は2記載のコンピュータシステム。
- 前記キーロック用スイッチを可倒式スイッチにより構成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載のコンピュータシステム。
- 前記キーロック用スイッチを可倒式スイッチにより構成し、該可倒式スイッチが一方側に一定時間以上連続して操作された場合にコンソールスイッチの入力を禁止し、他方側に一定時間以上連続して操作された場合にコンソールスイッチの入力を許可することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のコンピュータシステム。
- コンピュータ本体にコンソールスイッチ及びキーロック用スイッチを備えたコンソールパネルを設け、前記コンピュータ本体に対する電源がオフされている状態で前記キーロック用スイッチが一定時間以上オンされた場合に前記コンソールスイッチの入力を禁止あるいは許可することを特徴とするコンピュータシステムの制御方法。
- コンピュータ本体にコンソールスイッチ及びキーロック用の可倒式スイッチを備えたコンソールパネルを設け、前記コンピュータ本体に対する電源がオフされている状態で前記可倒式スイッチが一方側に一定時間以上連続して操作された場合に前記コンソールスイッチの入力を禁止し、他方側に一定時間以上連続して操作された場合に前記コンソールスイッチの入力を許可することを特徴とするコンピュータシステムの制御方法。
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