JP4398560B2 - 光走査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザプリンタ、デジタル複写機またはレーザファクシミリ装置などの画像形成装置に用いられる光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光走査装置として、所定方向へ回転されるポリゴンミラーと、複数の半導体レーザからの光ビームを前記ポリゴンミラーに発射させる複数の発射光学系と、前記ポリゴンミラーにより偏向される前記光ビームを被走査面に結像して光スポットとして等速走査する走査結像光学系と、この走査結像光学系による光ビームの光走査の開始タイミングを得るために前記走査結像光学系からの光ビームを受ける同期センサとを有するものが知られている。
この種の光走査装置(マルチビーム光走査装置)として、部品個数の低減を図るため、1つの同期センサを有し、この1つの同期センサで複数の光ビームの同期検出を行うものがある。このような光走査装置においては、複数の発射光学系の各光ビームのポリゴンミラーへの入射角を主走査断面内で異ならせることにより、各光ビームが分離して同期センサ上を走査して各光ビームの同期検出を確実に行うことができる。
一方、発射光学系の半導体レーザから発射された光ビームはカップリングレンズにより、平行光束にコリメートされることが多い。しかし、光学設計の自由度を拡大するため、以降の光学系の特性に応じ光ビームが弱い収束性または発散性にカップリングされることもある。このように弱い収束性または発散性にカップリングされた光ビームを用いる光走査装置においては、各光ビームの走査線の長さ(走査幅)に偏差が発生するという問題がある。
この問題が発生する理由を次に説明する。まず、発射光学系の半導体レーザから発射された光ビームが、カップリングレンズにより、平行光束にカップリングされている場合について説明する。
半導体レーザから発射される光ビームが平行光束にカップリングされている場合には、各光ビームの走査線の長さ(走査幅)に偏差が発生しないが、これについて図3に基づいて説明する。図3は、2つの光ビームを走査する光学系の模式図である。
たとえば、半導体レーザからの光ビームLD1の画角ωが画角ω=0[deg]であるときに、2つの半導体レーザからの光ビームLD1とLD2がポリゴンミラー上の同一の点にて反射しているとする。書込開始側(走査開始側)へ向かう画角の等しい2つの光ビームLD1、LD2は、互いに平行な光線となる。ただしポリゴンミラーでのサグの影響により反射点が異なるため、2つの光ビームLD1、LD2は重なり合ってはいない。
走査結像光学系は,平行光束を被走査面上に結像する作用を有するので、互いに平行な(すなわち画角の等しい)2つの光ビームLD1、LD2は被走査面上で同一の像高に到達する。走査画角(画素クロックパルス数)は光ビームLD1と光ビームLD2とで共通であるから、書込終端側(走査終了側)へ向かう2つの光ビームLD1、LD2の画角も等しくなる(2つの光ビームLD1、LD2が互いに平行な光線となる)。書込開始側と同様に書込終端側でも、2つの光ビームは被走査面上で同一の像高に達するため、書込幅の差は発生しない。
【0003】
次に、発射光学系の半導体レーザから発射された光ビームが、カップリングレンズにより、弱い発散光束または収束光束にカップリングされている場合について図4に基づいて説明する。図4は、2つの光ビームを走査する光学系の模式図である。
走査結像光学系は、発散光束を被走査面上に結像する作用を有するので、画角が等しい(互いに平行な)2つの光ビームLD1、LD2は、被走査面より手前側(半導体レーザに近い側)で交差する。従って、2つの光ビームLD1、LD2は被走査面上では異なる像高に到達する(図4におけるe1が像高差を示す)。走査画角(画素クロックパルス数)は光ビームLD1と光ビームLD2とで共通であるから、書込終端側(走査終了側)へ向かう2つの光ビームLD1、LD2の画角も等しくなる(2つの光ビームLD1、LD2が互いに平行な光線となる)。
書込開始側と書込終了側ではポリゴンミラー上での反射点のずれ量が異なるため、被走査面上に到達する2つの光ビームLD1、LD2の像高も異なり(図4におけるe2が像高差を示す)、その結果として走査幅の偏差が発生する。書込開始の画角を異ならせて書込開始像高を同一にしても、走査幅の偏差は残存する。
前述のように、半導体レーザからの光ビームが発散光束または収束光束(非平行光束)にカップリングされた場合には、複数の光ビームの走査幅の偏差が発生する。これを補正する第1の従来の光走査装置として、走査結像光学系がレンズ系により構成されている場合には、複数の光ビームの光源(半導体レーザ)の発振波長を互いに異ならせることにより、走査結像光学系(レンズ系)の屈折率を異ならせて走査幅の偏差を低減するものが提案されている。
また、第2の従来の光走査装置として、特開平10−186253号公報に記載されているものが知られている。この特開平10−186253号公報に記載された第2の従来の光走査装置は、光源から出た同期検出光がコリメータレンズを通過して平行光となった後、ポリゴンミラーによって偏向され、続いて集光レンズによって屈折され同期検出センサ上に集光し、これにより画像書込みの同期をとる構成である。これにより、第2の従来の光走査装置においては、ポリゴンミラーの回転軸とミラー面との距離が各ミラー面ごとにばらついたとしても、同期検出光がポリゴンミラーに入射するときは平行であるので、同期検出のタイミングはばらつかず、ジッタは小さくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1の従来の光走査装置においては、光走査装置または光源を組み立てる前に半導体レーザの発振波長を把握しておく必要があり、また、非平行光束にカップリングされた場合には同期センサが複数の光ビームの主走査方向の結像点付近に配置されているから、走査幅の偏差が発生するのと同様に同期検知から書込開始までの長さが異なることになるので、書込開始像高がずれることにより縦線揺らぎが発生するおそれがあるという問題がある。
また、第2の従来の光走査装置においては、複数の光ビームの主走査方向におけるドット位置ずれを補正することはできないという問題がある。
本発明の課題は、前記問題を解決することにある。すなわち、本発明の目的は、複数の光ビームの走査線の長さの偏差を低減することができる光走査装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、画素クロックの周波数を共通とする光ビームを発射させる複数の発射光学系と、これらの発射光学系から発射される光ビームを受けて所定方向へ回転されるポリゴンミラーと、このポリゴンミラーにより偏向される前記光ビームを被走査面に結像して光スポットとして等速走査する走査結像光学系とを有するマルチビーム走査装置であって、前記発射光学系は、半導体レーザと、この半導体レーザからの光ビームを弱い発散性または集束性にカップリングするカップリングレンズとを有し、前記複数の発射光学系が、前記カップリングした光ビームを、主走査断面内で前記ポリゴンミラーに異なる入射角で入射するように発射するものであり、前記走査結像光学系は、主走査方向および副走査方向において所定の曲率を有する凹面の走査結像ミラーを有し、かつ、各光ビームの走査線の長さの偏差を低減するように、前記被走査面における前記複数の光ビームの各走査線の間隔が0となる場合を基準として、前記走査結像ミラーに対する前記複数の光ビームの副走査方向の入射位置を、走査線のより長い光ビームは、曲率がより大きくなる向きへずらして設定し、走査線のより短い光ビームは、曲率がより小さくなる向きへずらして設定することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のマルチビーム走査装置において、前記走査結像光学系による光ビームの光走査の開始タイミングを得るために前記走査結像光学系からの光ビームを受ける同期センサをさらに備え、前記同期センサは、前記走査結像ミラーからの前記各光ビームが主光線の主走査断面内において交差する交差点に配置されていることを特徴とするマルチビーム走査装置。
【0006】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載のマルチビーム走査装置において、前記走査結像光学系による光ビームの光走査の開始タイミングを得るために前記走査結像光学系からの光ビームを受ける同期センサをさらに備え、前記同期センサは、前記走査結像ミラーからの前記各光ビームが主光線の主走査断面内において交差する交差点からずらして配置され、かつ、前記同期センサによる前記各光ビームの検出時点から前記走査結像光学系による書込開始時点までの前記各光ビームの画素クロックパルス数を調整することにより、前記同期センサを前記交差点からずらして配置したことに起因する各光ビームの書込開始位置のずれを補正することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1に記載のマルチビーム走査装置を備えたことを特徴とする画像形成装置にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の1つの実施の形態に係る光走査装置を示す略斜視図である。図1に示すように、この光走査装置は、光ビームを発射する複数の発射光学系100、200、300、400と、これらの発射光学系100、200、300、400からの光ビームを受けて所定方向へ回転されるポリゴンミラー21と、このポリゴンミラー21により偏向された光ビームを感光体24の被走査面に結像して光スポットとして等速走査する走査結像ミラー22および面倒れ補正レンズ23からなる走査結像光学系と、この走査結像光学系による光ビームの光走査の開始タイミングを得るために走査結像光学系からの光ビームを受ける同期センサ26とを有している。
発射光学系100は、光源である半導体レーザ101と、この半導体レーザ101から発射される光ビームをカップリングするカップリングレンズ102と、このカップリングレンズ102からの光ビームを絞るアパーチャ103とで構成されている。発射光学系200は、光源である半導体レーザ201と、この半導体レーザ201から発射される光ビームをカップリングするカップリングレンズ202と、このカップリングレンズ202からの光ビームを絞るアパーチャ203とで構成されている。発射光学系300は、光源である半導体レーザ301と、この半導体レーザ301から発射される光ビームをカップリングするカップリングレンズ302と、このカップリングレンズ302からの光ビームを絞るアパーチャ303とで構成されている。発射光学系400は、光源である半導体レーザ401と、この半導体レーザ401から発射される光ビームをカップリングするカップリングレンズ402と、このカップリングレンズ402からの光ビームを絞るアパーチャ403とで構成されている。
発射光学系100、200、300、400とポリゴンミラー21との間には、ビーム合成プリズム11、12、13が配置されている。ビーム合成プリズム11は、発射光学系100と発射光学系200からの光ビームを合成する。ビーム合成プリズム12は、ビーム合成プリズム11と発射光学系300からの光ビームを合成する。ビーム合成プリズム13は、ビーム合成プリズム12と発射光学系400からの光ビームを合成する。ビーム合成プリズム13とポリゴンミラー21との間には、シリンドリカルレンズ20が配置されている。シリンドリカルレンズ20は、ビーム合成プリズム13からの光ビームをポリゴンミラー21に入射させる。ビーム合成プリズム11、12、13により合成された発射光学系100、200、300、400からの光ビームは、主走査断面におけるポリゴンミラー21への入射角度が異なっているが、ポリゴンミラー21に近傍で交差している。
【0008】
本実施の形態の場合、走査結像ミラー22に近い方から順に発射光学系100、200、300、400の光ビームLD1、LD2、LD3、LD4が配置されている。図2は、図1の光走査装置の一部を示す略平面図である。光ビームLD1とLD4の光路のなす角度は、0.5[deg] とする。光ビームLD2とLD3は、光ビームLD1とLD4の間を等間隔に分割した位置に配置されている。また像高H=0に至る光ビームLD1の入射光束と反射光束のなす角度は60[deg] である。
ポリゴンミラー21は時計方向(矢印方向)に回転しており、各光ビームLD1、LD2、LD3、LD4は光スポットとして感光体24の被走査面上を(−)像高側から(+)像高側へ向かって(矢印A方向へ)等速走査する。同期センサ26は、書込開始タイミングを得るために書込開始側のみに設けられている。走査結像ミラー22の書込開始側に近傍に同期ミラー25が配置されている。この同期ミラー25は、走査結像ミラー22の書込開始側から反射された光ビームを反射して同期センサ26に与える。同期ミラー25および同期センサ26は、同期光学系27を構成している。
【0009】
本光走査装置の光学系の光学素子の主要諸元及び配置を次の表1に示す。
【表1】
ここで、Rmは主走査方向曲率半径[mm]を示し、Rsは副走査方向曲率半径[mm]を示し、ΔX は面間距離[mm]を示し、Nは屈折率を示している。なお、(注1)は波面収差補正のため非球面係数が付加されること示し、(注2)は走査結像性能補正のため非球面係数が付加されること示し、(注3)は入射光束と反射光束の分離のため副走査断面内の平行移動及び回転があることを示している。
一般に、カップリングレンズ102、202、302、402の光軸に対して半導体レーザ101、201、301、401の副走査方向の相対位置をずらすことにより、書込密度に応じて感光体24の被走査面上での各走査線間のピッチを得ることが行われる。いま被走査面での各走査線が重なり合う( ピッチが0) 、すなわちカップリングレンズ102、202、302、402の光軸に対する半導体レーザ101、201、301、401の相対位置ずれが0である場合を考える。
この場合には、前述の通りに、被走査面での4つの光ビームLD1、LD2、LD3、LD4の走査幅に差異が生じる。次の表2に示すように光ビームLD1と光ビームLD4との走査幅の偏差が8.7[μm]となる。
【表2】
【0010】
次に、本光走査装置の書込密度を、1200dpi とし、被走査面における各走査線間のピッチ(21.3 μm)を得るため、カップリングレンズ102、202、302、402の光軸に対する半導体レーザ101、201、301、401からの光ビームLD1、LD2、LD3、LD4の副走査方向の相対位置を光ビームLD1と-0.0034[mm] とし、光ビームLD2を-0.0011[mm] とし、光ビームLD3を+0.0011[mm] とし、かつ、光ビームLD4を+0.0034[mm] とした場合を考える。このように半導体レーザ101、201、301、401を移動することにより、各光ビームLD1、LD2、LD3、LD4が走査結像ミラー22に入射する副走査方向の位置(像高)が変化する。この例では、像高H=0[mm]に至る各光ビームLD1、LD2、LD3、LD4の走査結像ミラーへの入射高さZ1,Z2,Z3,Z4は、Z1=-0.09612[mm]、Z2=-0.03204[mm] 、Z3=+0.03204[mm] 、Z4=+0.09611[mm] となっている。ただし、前述の被走査面での走査線間ピッチが0の場合における像高H=0[mm]に至る光ビームの走査結像ミラー22への入射高さを、z=0[mm] とした。
走査結像ミラー22は主走査方向および副走査方向に所定の曲率を有しているから、副走査方向の位置(入射高さ)を異ならせることにより、主走査方向の曲率も変化させることができる。これにより、各光ビームLD1、LD2、LD3、LD4に対する曲率(屈折力)も変化し、走査幅を変化させることができる。この例では次の表3に示す通り、走査幅の偏差を拡大させる方向に、半導体レーザ101、201、301、401の相対位置を移動していることになる。
【表3】
【0011】
上の例とは逆方向にカップリングレンズ102、202、302、402の光軸に対する半導体レーザ101、201、301、401の相対位置ずれを与えて、被走査面での書込密度1200dpi(21.3μm)を得る場合は、光ビームLD1を+0.0034[mm] とし、光ビームLD2を+0.0011[mm] とし、光ビームLD3を-0.0011[mm] とし、かつ、光ビームLD4を-0.0034[mm] とする。各光ビームLD1、LD2、LD3、LD4が走査結像ミラー22に入射する高さは、Z1=-0.09611[mm]、Z2=-0.03204[mm] 、 Z3=+0.03204[mm] 、Z4=+0.09612[mm] となる。このため各光ビームLD1、LD2、LD3、LD4に及ぼす走査結像ミラー22の影響も上の例とは逆向きなり、その結果として、次の表4に示すように、走査幅の偏差を低減することが可能となる。
【表4】
前記実施の形態で示した光学系における同期光学系27は、走査結像ミラー22を反射した各光ビームLD1、LD2、LD3、LD4を直接に同期センサ26に導く( 面倒れ補正レンズ23を通過しない) 光学系である。同期光学系27に向かう光ビームLD1、LD2、LD3、LD4の画角は、走査開始側の画角( ω1=-42.9004[deg])よりΔω= −6.0[deg]だけ外側(すなわちω0=−36.9004[deg])である。同期センサ26は主走査方向の結像点の近傍に位置するように、走査結像ミラー22から光ビームLD1、LD2、LD3、LD4の光路に沿って、201.6[mm]の距離に配置した。
【0012】
本実施の形態のようにカップリングレンズ102、202、302、402の出射光束が弱い発散性の場合には、光ビームLD1、LD2、LD3、LD4の同期センサ26に至る同期光束の画角が等しい(光ビームLD1、LD2、LD3、LD4互いに平行である) とき、同期センサ上で4つの光ビームLD1、LD2、LD3、LD4の同期光束は主光線の主走査断面内において交差しないで、より走査結像ミラー22に近い位置で交差することになる。その理由は、従来の技術において説明した通りに、同期光学系27は弱い発散光束を同期センサ26上に集光する作用があるため、互いに平行な4つの光ビームLD1、LD2、LD3、LD4の主光線は同期センサ26より走査結像ミラー22に近い位置にて交差することになる。これにより、同期センサ26上では光ビームLD1と光ビームLD4の間隔が 8.5[ μm]となり、同期検出時点から書込開始時点までの画素クロックパルス数が光ビームLD1、LD2、LD3、LD4に対し共通である場合には、書込開始像高が 8.5[μm]ずれることになる。
それに対し、同期センサ26を光路に沿って走査結像ミラー22に 51.6[mm]近づけることにより、同期センサ26上で4つの光ビームLD1、LD2、LD3、LD4の主光線を主走査断面内で交差させることができる。このようにして、同期検出時点から書込開始時点までの画素クロックパルス数が4つの光ビームLD1、LD2、LD3、LD4に対し共通である場合でも、書込開始像高の偏差の発生を効果的に抑制することができる。
【0013】
前記光走査装置において、同期センサ26を光路に沿って移動することにより、同期センサ26上での主走査方向の集光性が劣化する恐れがある場合もある。この場合には、同期センサ26を光ビームLD1、LD2、LD3、LD4の主光線が主走査断面内で交差する交差点の近傍に配置し、同期検出時点から書込開始時点までの画素クロックパルス数を4つの光ビームLD1、LD2、LD3、LD4に対し異ならることにより、同期センサ26上で4つの光ビームLD1、LD2、LD3、LD4の主光線が主走査断面内で交差していない状態でも書込開始像高を同一にすることが可能である。同期センサ26上での4つの光ビームLD1、LD2、LD3、LD4のずれ量を予め算出しておくことにより、各光ビームLD1、LD2、LD3、LD4ごとに同期検出時点から書込開始時点までの画素クロックパルス数を調整すればよい。
また、前記光走査装置において、部品のばらつきおよび組み付けばらつき等により、同期センサ26における4つの光ビームLD1、LD2、LD3、LD4のずれ量の算出値に誤差が生じた場合でも、書込開始像高の偏差の発生を効果的に抑制することができる。すなわち、走査結像ミラー22からの各光ビームLD1、LD2、LD3、LD4が主光線の主走査断面内における交差する交差点を算出した交差点算出値と、走査結像ミラー22からの各光ビームLD1、LD2、LD3、LD4が主光線の主走査断面内における交差する交差点とにずれが生じた場合に、このずれに対応して同期センサ26による各光ビームLD1、LD2、LD3、LD4の検出時点から前記走査結像光学系による書込開始時点までの各光ビームLD1、LD2、LD3、LD4の画素クロックパルス数を調整することにより、書込開始像高の偏差の発生を効果的に抑制することができる。
また、前記光走査装置において、前記走査結像光学系による各光ビームLD1、LD2、LD3、LD4の感光体24の前記被走査面への書込開始位置を検出する書込開始位置検出手段を有し、この書込開始位置検出手段の検出値に基づいて前記各光ビームの前記被走査面への書込開始位置が同じになるように同期センサ26の位置を調整してもよい。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明は、前記走査結像光学系は、主走査方向および副走査方向において所定の曲率を有する凹面の走査結像ミラーを有し、かつ、各光ビームの走査線の長さの偏差を低減するように、前記被走査面における前記複数の光ビームの各走査線の間隔が0となる場合を基準として、前記走査結像ミラーに対する前記複数の光ビームの副走査方向の入射位置を、走査線のより長い光ビームは、曲率がより大きくなる向きへずらして設定し、走査線のより短い光ビームは、曲率がより小さくなる向きへずらして設定するから、複数の光ビームの走査線の長さの偏差を低減することができる。
請求項2に記載の発明は、同期センサが、前記走査結像ミラーからの前記各光ビームが主光線の主走査断面内において交差する交差点に配置されているから、複数の光ビームの走査線の長さの偏差を低減することができ、かつ、新規部品を付加することなく複数の光ビームの書込開始タイミングを合致することができる。
請求項3に記載の発明は、前記同期センサが、前記走査結像ミラーからの前記各光ビームが主光線の主走査断面内において交差する交差点からずれて配置され、かつ、前記交差点と前記同期センサとの位置のずれに対応して前記同期センサによる前記各光ビームの検出時点から前記走査結像光学系による書込開始時点までの前記各光ビームの画素クロックパルス数を調整するから、複数の光ビームの走査線の長さの偏差を低減することができ、かつ、同期検知の精度の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態に係る光走査装置を示す略斜視図である。
【図2】図1の光走査装置の一部を示す略平面図である。
【図3】2つの光ビームを走査する光学系の模式図である。
【図4】2つの光ビームを走査する光学系の模式図である。
【符号の説明】
100、200、300、400 発射光学系、101、201、301、401 半導体レーザ、102、202、302、402 カップリングレンズ、103、203、303、403 アパーチャ、11、12、13 ビーム合成プリズム、20 シリンドリカルレンズ、21 ポリゴンミラー、22 走査結像ミラー、23 面倒れ補正レンズ、24 感光体、25 同期ミラー、26 同期センサ、27 同期光学系。
Claims (4)
- 画素クロックの周波数を共通とする光ビームを発射させる複数の発射光学系と、
これらの発射光学系から発射される光ビームを受けて所定方向へ回転されるポリゴンミラーと、
このポリゴンミラーにより偏向される前記光ビームを被走査面に結像して光スポットとして等速走査する走査結像光学系とを有するマルチビーム走査装置であって、
前記発射光学系は、半導体レーザと、この半導体レーザからの光ビームを弱い発散性または集束性にカップリングするカップリングレンズとを有し、
前記複数の発射光学系が、前記カップリングした光ビームを、主走査断面内で前記ポリゴンミラーに異なる入射角で入射するように発射するものであり、
前記走査結像光学系は、主走査方向および副走査方向において所定の曲率を有する凹面の走査結像ミラーを有し、かつ、各光ビームの走査線の長さの偏差を低減するように、前記被走査面における前記複数の光ビームの各走査線の間隔が0となる場合を基準として、前記走査結像ミラーに対する前記複数の光ビームの副走査方向の入射位置を、走査線のより長い光ビームは、曲率がより大きくなる向きへずらして設定し、走査線のより短い光ビームは、曲率がより小さくなる向きへずらして設定することを特徴とするマルチビーム走査装置。 - 請求項1記載のマルチビーム走査装置において、
前記走査結像光学系による光ビームの光走査の開始タイミングを得るために前記走査結像光学系からの光ビームを受ける同期センサをさらに備え、
前記同期センサは、前記走査結像ミラーからの前記各光ビームが主光線の主走査断面内において交差する交差点に配置されていることを特徴とするマルチビーム走査装置。 - 請求項1記載のマルチビーム走査装置において、
前記走査結像光学系による光ビームの光走査の開始タイミングを得るために前記走査結像光学系からの光ビームを受ける同期センサをさらに備え、
前記同期センサは、前記走査結像ミラーからの前記各光ビームが主光線の主走査断面内において交差する交差点からずらして配置され、かつ、前記同期センサによる前記各光ビームの検出時点から前記走査結像光学系による書込開始時点までの前記各光ビームの画素クロックパルス数を調整することにより、前記同期センサを前記交差点からずらして配置したことに起因する各光ビームの書込開始位置のずれを補正することを特徴とするマルチビーム走査装置。 - 請求項1〜3の何れか1に記載のマルチビーム走査装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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