JP4397520B2 - 光記録方法及び光記録装置 - Google Patents

光記録方法及び光記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4397520B2
JP4397520B2 JP2000391586A JP2000391586A JP4397520B2 JP 4397520 B2 JP4397520 B2 JP 4397520B2 JP 2000391586 A JP2000391586 A JP 2000391586A JP 2000391586 A JP2000391586 A JP 2000391586A JP 4397520 B2 JP4397520 B2 JP 4397520B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
track
area
condition
test pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000391586A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002197658A (ja
Inventor
佳久 足立
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2000391586A priority Critical patent/JP4397520B2/ja
Publication of JP2002197658A publication Critical patent/JP2002197658A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4397520B2 publication Critical patent/JP4397520B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体に対して情報を記録する光記録方法及び光記録装置に関し、特に記録条件を安定に最適化することのできる光記録方法及び光記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光記録媒体の高密度化の研究がますます盛んである。しかしながら、光記録媒体として、例えば光ディスクの場合には、該光ディスクに照射する光ビームの記録光量、また、光磁気ディスクの場合には、該光磁気ディスクに印加する外部印加磁界の記録磁界強度などの記録条件が変化すると、記録マークの幅(トラックと直角な方向)が変動して一様な記録ができないため、高密度記録が困難であるという問題点が生じている。
【0003】
そこで、上記のような問題点を解消する技術が、特開平11−73700号公報(文献1)や特開平10−69639号公報(文献2)に開示されている。
【0004】
上記文献1には、記録光量および記録磁界強度の制御方法が開示されている。この方法では、光記録媒体の特定トラックに第1のテストパターンを記録した後、隣接するトラックに、第1のテストパターンを記録したときと同一の記録光量または記録磁界強度で第2のテストパターンを記録し、特定トラックを再生するようになっている。
【0005】
上記方法によれば、再生時の振幅レベルは、再生時におけるクロストークや、隣接するトラックからのクロスイレーズの影響を加味した振幅レベルとなるため、この再生信号の振幅レベルから最適な記録光量および記録磁界強度を設定できる。これにより、光記録媒体への情報の高密度記録化を実現している。
【0006】
また、上記文献2には、ランド・グルーブ記録を行う場合の記録方法が開示されている。この方法では、まず、光記録媒体の特定トラック及びそれに隣接するトラックの情報を消去する。次に、隣接トラックに記録パワーを変化させて所定の情報を記録する。続いて、上記特定トラックを再生して再生信号レベルを検出する。そして、検出した再生信号レベルと上記記録パワーとを関連付け、再生信号レベルが急激に増大する記録パワーを、上記特定トラックにおける最適な記録パワーに設定する。これにより、光記録媒体への情報の高密度記録化を実現している。
【0007】
なお、上記文献2に記載の第5の実施形態には、ランド・グルーブの両方で最適な記録パワーを求めることが記載されている。ここでは、例えば、ランドの記録パワーを求める際に、グルーブに対して信号を記録し、その後、ランドを再生して再生レベルが急激に増大する記録パワーをランドの最適な記録パワーとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の文献1に開示された制御方法では、特定トラックヘの最適な記録光量および記録磁界強度を設定するために、特定トラック(記録パワーの最適化を行うトラック)の再生時におけるクロストークを利用しているが、これは隣接するトラックでの記録動作により、特定トラックに与えられる影響を示しており、特定トラックでの記録動作が、隣接するトラックへ与える影響を示しているわけではない。
【0009】
よって、特定トラックと隣接するトラックに記録感度差が存在すれば、記録光量および記録磁界強度を最適に設定することができないという問題が生じる。
【0010】
また、上記の文献2に開示された記録方法では、上記の文献1と同様に、隣接するトラックでの記録動作により特定トラック(記録パワーの最適化を行うトラック)に与えられる影響を、特定トラックを再生することで検出し、これにより特定トラックでの最適な記録パワーを求めているにすぎない。
【0011】
それゆえ、特定トラックと隣接するトラックに記録感度差が存在すると、記録条件を示す記録光量および記録磁界強度を最適に設定することができないという問題が生じる。
【0012】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、隣接するトラック間に記録感度の相違が存在する場合にも、記録マークの幅を最適に制御し、信号再生時のトラック間のクロストークや、信号記録時のクロスイレーズを最小に抑え、トラックの高密度化を実現でき、かつ、処理時間を短縮して、隣接する2つのトラックの最適記録条件を設定することのできる光記録方法及び光記録装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の光記録方法は、上記の課題を解決するために、光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報の記録を行なう光記録方法において、上記光記録媒体の隣接する2つのトラックに対して、それぞれ隣接しない領域に複数の記録条件でテストパターンを記録し、少なくとも一方のトラックを再生して得られた信号に基づいて、上記2つのトラックの最適記録条件を設定し、各トラックに、それぞれの最適記録条件により情報を記録することを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、各トラックに対してテストパターンが記録された領域を再生すれば、テストパターンに応じてレベル変動している信号が得られ、テストパターンが記録されていない領域を再生すれば、レベル変動のほとんどない信号が得られる。しかしながら、各トラックにおいて、テストパターンが記録されていない領域では、記録条件によって、隣接するトラックのテストパターンの一部がはみ出して形成される虞がある。
【0015】
したがって、このテストパターンが記録されていない領域を読み出して得られる信号は、隣接するトラックの記録感度に影響されることを示している。つまり、特定トラックに隣接するトラックの記録感度が高ければ、特定トラックへの隣接トラックからのテストパターンのはみ出し部分が大きくなり、特定トラックのテストパターンが形成されていない領域を読み出して得られる信号のレベル変動は大きくなる。一方、隣接トラックの記録感度が低ければ、特定トラックのへの隣接トラックからのテストパターンのはみ出し部分が小さくなり、特定トラックのテストパターンが形成されていない領域を読み出して得られる信号のレベル変動は小さくなる。
【0016】
よって、特定トラックの記録感度は、テストパターンが記録された領域と、特定トラックに隣接するトラックにおいて、テストパターンが記録された領域に隣接する、テストパターンが記録されていない領域を読み出すことで検出できる。また、特定トラックに隣接するトラックの記録感度は、テストパターンが記録された領域と、隣接する特定トラックにおいて、テストパターンが記録された領域に隣接する、テストパターンが記録されていない領域を読み出すことで検出できる。
【0017】
特定トラックおよび隣接するトラックには、テストパターンが記録された領域と、テストパターンが記録された領域に隣接する、テストパターンが記録されていない領域が存在する。
【0018】
これにより、特定トラックおよび隣接トラックの少なくとも一方の再生信号によって、それぞれのトラック間に記録感度の差が生じていても、これら2つのトラックに対する最適記録条件を求めることができる。
【0019】
以上のようにして、各トラックの最適記録条件を求めれば、隣接するトラックがランド・グルーブのように記録感度が異なる場合であっても、各トラックにおける記録マーク幅を最適に制御することができるので、信号再生時のトラック間のクロストークや、信号記録時のクロスイレーズを最小に抑え、トラックの高密度化を実現できる。
【0020】
本発明の第2の光記録方法は、上記の課題を解決するために、光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報の記録を行なう光記録方法において、上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第1トラックを再生して、第1の領域から第1読出信号を検出するとともに、第4の領域から第4読出信号を検出し、上記第2トラックを再生して、第2の領域から第2読出信号を検出するとともに、第3の領域から第3読出信号を検出し、上記第1読出信号および第4読出信号とに基づいて、第1トラックに対する最適記録条件を決定し、上記第2読出信号と第3読出信号とに基づいて、第2トラックに対する最適記録条件を決定し、各トラックに、それぞれの最適記録条件により情報を記録することを特徴としている。
【0021】
上記の構成によれば、上記第1トラックの第1の領域の第1テストパターンの記録マークは、上記第2トラックの第3の領域に第3テストパターンが記録される前に記録されているので、該第1の領域から読み出される第1読出信号は、上記第3の領域に記録された第3テストパターンの記録マークの影響を受ける。
【0022】
これに対して、上記第1トラックの第4の領域の第4テストパターンの記録マークは、上記第2トラックの第2の領域に第2テストパターンが記録された後で記録されているので、該第4の領域から読み出される第4読出信号は、上記第4の領域に記録された第4テストパターンの記録マークの影響を示している。
【0023】
また、上記第2トラックの第2の領域の第2テストパターンは、上記第1トラックの第4の領域に第4テストパターンが記録される前に記録されているので、該第2の領域から読み出される第2読出信号は、上記第4の領域に記録された第4テストパターンの記録マークの影響を受ける。
【0024】
これに対して、上記第2トラックの第3の領域の第3テストパターンは、上記第1トラックの第1の領域の第1テストパターンが記録された後で記録されているので、該第3の領域から読み出される第3読出信号は、上記第3の領域に記録された第3テストパターンの記録マークの影響を示している。
【0025】
したがって、第1トラックに対する最適記録条件は、第2トラックの第3テストパターンの記録マークの影響を受けた第1読出信号と、第2トラックの第2テストパターンの記録マークの影響を受けない第4読出信号とに基づいて決定し、また、第2トラックに対する最適記録条件は、第1トラックの第4テストパターンの記録マークの影響を受けた第2読出信号と、第1トラックの第1テストパターンの記録マークの影響を受けない第3読出信号とに基づいて決定することは、第1トラックおよび第2トラックのそれぞれの再生信号(記録感度)を考慮して最適記録条件を決定していることになる。
【0026】
これにより、隣接するトラックがランド・グルーブのように各トラック間に、記録感度の相違が生じていても各トラック毎に最適な記録条件を求めることが可能となり、この最適な記録条件によって各トラックに情報を記録するようにすれば、信号再生時のトラック間のクロストークや、信号記録時のトラック間のクロスイレーズを最小に抑えることができるので、トラックの高密度化を実現できる。
【0027】
上記第1読出信号が所定の値となる第1記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークを形成する記録条件を求め、この記録条件を上記第2トラックに対する最適記録条件としてもよい。
【0028】
この場合、第1読出信号は、第2トラックの第3の領域に記録された第3テストパターンの記録マークの影響を受けた信号となっているので、第1読出信号が所定の値となる第1記録条件によって形成される記録マークは、第3テストパターンの記録マークの影響を受けたものとなる。
【0029】
したがって、この記録マークよりも小さな記録マークを形成する記録条件とは、第1読出信号が第3テストパターンの記録マークの影響をできるだけ小さくした場合の記録条件、すなわち第2トラックに対する最適記録条件となる。
【0030】
このように、第1トラックの第1読出信号により第2トラックの最適記録条件を求めるようにすれば、第1トラックの再生のみで最適記録条件を求めることができるので、処理にかかる時間を短縮することができる。
【0031】
そして、上記第1読出信号が所定の値に到達しないときには、上記第3読出信号が所定の値となる第3記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークを形成する記録条件を求めて、この記録条件を上記第2トラックに対する最適記録条件としてもよい。
【0032】
また、上記第2読出信号が所定の値となる第2記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークを形成する記録条件を求め、この記録条件を上記第1トラックに対する最適記録条件としてもよい。
【0033】
この場合、第2読出信号は、第1トラックの第4の領域に記録された第4テストパターンの記録マークの影響を受けた信号となっているので、第2読出信号が所定の値となる第2記録条件によって形成される記録マークは、第4テストパターンの記録マークの影響を受けたものとなる。
【0034】
したがって、この記録マークよりも小さな記録マークを形成する記録条件とは、第2読出信号が第4テストパターンの記録マークの影響をできるだけ小さくした場合の記録条件、すなわち第1トラックに対する最適記録条件となる。
【0035】
このように、第2トラックの第2読出信号により第1トラックの最適記録条件を求めるようにすれば、第2トラックの再生のみで最適記録条件を求めることができるので、処理にかかる時間を短縮することができる。
【0036】
そして、上記第2読出信号が所定の値に到達しないときには、上記第4読出信号が所定の値となる第4記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークを形成する記録条件を求めて、この記録条件を上記第1トラックに対する最適記録条件としてもよい。
【0037】
本発明の第3の光記録方法は、上記の課題を解決するために、光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報の記録を行なう光記録方法において、上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第1トラックを再生し、第1の領域から第1読出信号を検出するとともに、第4の領域から第4読出信号を検出し、上記第1読出信号が所定の値となる第1記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第2トラックにおける最適記録条件とし、上記第4読出信号が所定の値となる第4記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第1トラックにおける最適記録条件とし、上記光記録媒体の各トラックに、それぞれの最適記録条件により情報を記録することを特徴としている。
【0038】
上記の構成によれば、上記第1トラックの第1の領域の第1テストパターンの記録マークは、上記第2トラックの第3の領域に第3テストパターンが記録される前に記録されているので、該第1の領域から読み出される第1読出信号は、上記第3の領域に記録された第3テストパターンの記録マークの影響を受ける。
【0039】
これに対して、上記第1トラックの第4の領域の第4テストパターンの記録マークは、上記第2トラックの第2の領域に第2テストパターンが記録された後で記録されているので、該第4の領域から読み出される第4読出信号は、上記第4の領域に記録された第4テストパターンの記録マークの影響を示している。
【0040】
ここで、第1読出信号は、第2トラックの第3の領域に記録された第3テストパターンの記録マークの影響を受けた信号となっているので、第1読出信号が所定の値となる第1記録条件によって形成される記録マークは、第3テストパターンの記録マークの影響を受けたものとなる。
【0041】
したがって、第1読出信号が所定の値となる第1記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークを形成する記録条件とは、第1読出信号が第3テストパターンの記録マークの影響をできるだけ小さくした場合の記録条件、すなわち第2トラックに対する最適記録条件となる。
【0042】
また、第4読出信号は、第2トラックの第2の領域に記録された第2テストパターンの記録マークの影響は受けない。
【0043】
したがって、上記第4読出信号が所定の値となる第4記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークとなる記録条件とは、第1トラックにおける最適記録条件となる。
【0044】
このように、第1トラックを再生して第1読出信号および第4読出信号を検出するだけで、第1トラックと第2トラックに対するそれぞれの最適記録条件を求めることができるので、最適記録条件を決定するまでの処理に係る時間を短縮することができる。
【0045】
本発明の第4の光記録方法は、上記の課題を解決するために、光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報の記録を行なう光記録方法において、上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第2トラックを再生し、第2の領域から第2読出信号を検出するとともに、第3の領域から第3読出信号を検出し、上記第2読出信号が所定の値となる第2記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第1トラックにおける最適記録条件とし、上記第3読出信号が所定の値となる第3記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第2トラックにおける最適記録条件とし、上記光記録媒体の各トラックに、それぞれの最適記録条件により情報を記録することを特徴としている。
【0046】
上記の構成によれば、上記第2トラックの第2の領域の第2テストパターンは、上記第1トラックの第4の領域に第4テストパターンが記録される前に記録されているので、該第2の領域から読み出される第2読出信号は、上記第4の領域に記録された第4テストパターンの記録マークの影響を受ける。
【0047】
これに対して、上記第2トラックの第3の領域の第3テストパターンは、上記第1トラックの第1の領域の第1テストパターンが記録された後で記録されているので、該第3の領域から読み出される第3読出信号は、上記第3の領域に記録された第3テストパターンの記録マークの影響を示している。
【0048】
ここで、第2読出信号は、第1トラックの第4の領域に記録された第4テストパターンの記録マークの影響を受けた信号となっているので、第2読出信号が所定の値となる第2記録条件によって形成される記録マークは、第4テストパターンの記録マークの影響を受けたものとなる。
【0049】
したがって、第2読出信号が所定の値となる第2記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークを形成する記録条件とは、第2読出信号が第4テストパターンの記録マークの影響をできるだけ小さくした場合の記録条件、すなわち第1トラックに対する最適記録条件となる。
【0050】
また、第3読出信号は、第1トラックの第1の領域に記録された第1テストパターンの記録マークの影響は受けない。
【0051】
したがって、上記第3読出信号が所定の値となる第3記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークとなる記録条件とは、第2トラックにおける最適記録条件となる。
【0052】
このように、第2トラックを再生して第2読出信号および第3読出信号を検出するだけで、第1トラックと第2トラックに対するそれぞれの最適記録条件を求めることができるので、最適記録条件を決定するまでの処理に係る時間を短縮することができる。
【0053】
上記読出信号の検出量として、信号振幅を用いてもよいし、ジッタを用いてもよいし、エラーを用いてもよい。
【0054】
上記信号振幅は、十分に記録されたマーク、隣接トラックからの滲み出しの影響を示す信号レベルの変化を検出するために使用する。
【0055】
また、上記ジッタおよびエラーは、何れも光ディスクのパワーマージンの規定になっていることが多く、十分に記録されたマーク、隣接トラックからの滲み出しの影響を、その光ディスクのマージン規定の閾値と合致する値で示すことができる。
【0056】
このように、読出信号の検出量として、信号振幅、ジッタ、エラーの何れを用いても、記録条件を設定したい特定トラックに実際に記録を行い、その特定トラックからの再生信号として十分な再生信号が得られる条件、および、隣接トラックからの再生信号によりクロストークの生じない条件を求めることができるため、隣接するトラック間に記録感度の相違が生じていたとしても適切な記録条件を求めることが可能となる。
【0057】
本発明の第1の光記録方法を実現する装置として、以下のような光記録装置が考えられる。
【0058】
本発明の第1の光記録装置は、例えば、光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報の記録を行なう光記録装置において、上記光記録媒体の隣接する2つのトラックに対して、それぞれ隣接しない領域に複数の記録条件でテストパターンを記録する記録手段と、上記記録手段によって記録されたテストパターンを含む各トラックを再生する再生手段と、上記2つのトラックの再生信号の、少なくとも一方の再生信号に基づいて、上記2つのトラックの最適記録条件を設定する最適記録条件設定手段とを備えていることを特徴としている。
【0059】
この光記録装置によっても、特定トラックおよび隣接トラックの少なくとも一方の再生信号によって、例えば隣接するトラックがランド・グルーブのように、それぞれのトラック間に記録感度の差が生じていても、これら2つのトラックに対する最適記録条件を求めることができるので、各トラックの最適記録条件を求めれば、各トラックにおける記録マーク幅を最適に制御することができ、この結果、信号再生時のトラック間のクロストークや、信号記録時のクロスイレーズを最小に抑え、トラックの高密度化を実現できる。
【0060】
また、本発明の第2の光記録方法を実現する装置として、以下のような光記録装置が考えられる。
【0061】
本発明の第2の光記録装置は、例えば、光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報を記録する光記録装置において、上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録する記録手段と、上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第1トラックを再生し、第1の領域から第1読出信号を検出するとともに、第4の領域から第4読出信号を検出し、上記第2トラックを再生し、第2の領域から第2読出信号を検出するとともに、第3の領域から第3読出信号を検出する信号検出手段と、上記第1読出信号および第4読出信号とに基づいて、第1トラックに対する最適記録条件を決定し、上記第2読出信号と第3読出信号とに基づいて、第2トラックに対する最適記録条件を決定する最適記録条件設定手段とを備えた光記録装置を使用してもよい。
【0062】
この光記録装置によっても、特定トラックおよび隣接トラックの少なくとも一方の再生信号によって、隣接するトラックがランド・グルーブのように各トラック間に、記録感度の差が生じていても、これら2つのトラックに対する最適記録条件を求めることができるので、各トラックの最適記録条件を求めれば、各トラックにおける記録マーク幅を最適に制御することができ、この結果、信号再生時のトラック間のクロストークや、信号記録時のクロスイレーズを最小に抑え、トラックの高密度化を実現できる。
【0063】
また、本発明の第3の光記録方法を実現する装置として、以下のような光記録装置が考えられる。
【0064】
本発明の第3の光記録装置は、例えば、光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報を記録する光記録装置において、上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録する記録手段と、上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第1トラックを再生し、第1の領域から第1読出信号を検出するとともに、第4の領域から第4読出信号を検出する信号検出手段と、上記第1読出信号が所定の値となる第1記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第2トラックにおける最適記録条件を決定し、上記第4読出信号が所定の値となる第4記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第1トラックにおける最適記録条件を決定する最適記録条件設定手段とを備えているものであってもよい。
【0065】
この光記録装置によっても、特定トラックおよび隣接トラックの少なくとも一方の再生信号によって、それぞれのトラック間に記録感度の差が生じていても、これら2つのトラックに対する最適記録条件を求めることができるので、各トラックの最適記録条件を求めれば、各トラックにおける記録マーク幅を最適に制御することができ、この結果、信号再生時のトラック間のクロストークや、信号記録時のクロスイレーズを最小に抑え、トラックの高密度化を実現できる。
【0066】
さらに、本発明の第4の光記録方法を実現する装置として、以下のような光記録装置が考えられる。
【0067】
本発明の第4の光記録装置は、例えば、光記録媒体に対して、最適記録条件によって、少なくともレーザ光を照射することにより情報を記録する光記録装置において、上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録する記録手段と、上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第2トラックを再生し、第2の領域から第2読出信号を検出するとともに、第3の領域から第3読出信号を検出する信号検出手段と、上記第2読出信号が所定の値となる第2記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第1トラックにおける最適記録条件を決定し、上記第3読出信号が所定の値となる第3記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第2トラックにおける最適記録条件を決定する最適記録条件設定手段とを備えていることを特徴としている。
【0068】
この光記録装置によっても、特定トラックおよび隣接トラックの少なくとも一方の再生信号によって、それぞれのトラック間に記録感度の差が生じていても、これら2つのトラックに対する最適記録条件を求めることができるので、各トラックの最適記録条件を求めれば、各トラックにおける記録マーク幅を最適に制御することができ、この結果、信号再生時のトラック間のクロストークや、信号記録時のクロスイレーズを最小に抑え、トラックの高密度化を実現できる。
【0069】
また、上記光記録方法および光記録装置において使用される光記録媒体としては、上記第1トラックが、ランドかグルーブのどちらか一方に形成されたトラックであり、上記第2トラックは、その他方に形成されたトラックである、ランド/グルーブの両方に情報を記録可能な光記録媒体であってもよい。
【0070】
この場合には、ランド/グルーブの両方を情報の記録トラックとして使用しているので、情報を高密度に記録することが可能となる。
【0071】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1ないし図19を用いて説明すれば、以下のようになる。なお、本実施の形態を説明する前に、本発明の光記録方法を適用した光記録装置を備えた光磁気記録再生装置について説明し、その後、各種の光記録方法について各実施の形態において説明する。
【0072】
本実施の形態に係る光磁気記録再生装置は、図18に示すように、光記録媒体としての光磁気ディスク100に対して情報の記録再生を行うためのピックアップ101を備えている。
【0073】
上記ピックアップ101は、光磁気ディスク100に対してレーザビームb1を照射する半導体レーザ102と、該光磁気ディスク100からの反射光b2を受光して電気信号に変換するフォトダイオード103と、該光磁気ディスク100に磁界を印加する磁気ヘッド104とで構成されている。
【0074】
上記半導体レーザ102には、レーザビームb1の照射強度を制御するための駆動電流fを該半導体レーザ102に供給する駆動回路105が接続され、上記フォトダイオード103には、該フォトダイオード103が受光した反射光b2に基づいて読出信号r1を増幅するための増幅器106が接続され、上記磁気ヘッド104には、光磁気ディスク100に対する情報の記録に必要な記録磁界を発生させるための駆動電流hを供給する駆動回路107が接続されている。
【0075】
上記駆動回路105には、スイッチ回路108が接続されており、このスイッチ回路108によって、再生光量設定回路109からの再生光量制御信号p1と、記録光量設定回路110からの記録光量制御信号p2とが切り換えられて入力されるようになっている。
【0076】
上記増幅器106は、フォトダイオード103からの読出信号r1を増幅した読出信号r2を、A/D変換器111とクロック抽出回路112とに出力するようになっている。
【0077】
上記クロック抽出回路112は、増幅器106からの読出信号r2に含まれるクロック信号を抽出し、外部クロックcを上記A/D変換器111に供給するようになっている。
【0078】
上記A/D変換器111は、 クロック抽出回路112から供給された外部クロックcに基づいて、増幅器106からの読出信号r2をデジタル値dに変換するようになっている。
【0079】
また、上記駆動回路107には、テストパターン発生回路113が接続されている。このテストパターン発生回路113は、磁気ヘッド104に対する記録パターン(正転パターン・反転パターン)に対応したテストパターンを発生し、このテストパターンを記録信号gとして駆動回路107に出力するようになっている。なお、テストパターン発生回路113におけるテストパターン発生についての詳細は後述する。
【0080】
さらに、上記ピックアップ101には、該ピックアップ101を光磁気ディスク100に対する情報の記録・再生位置に駆動させるピックアップ駆動装置114が接続されている。
【0081】
上記ピックアップ駆動装置114には、制御手段としてのCPU115からの制御信号c1が入力される。そして、ピックアップ駆動装置114は、この制御信号c1に基づいてピックアップ101の駆動制御を行うようになっている。
【0082】
また、上記CPU115は、上記ピックアップ駆動装置114の他に、上記スイッチ回路108にスイッチング制御のための制御信号c2を、上記記録光量設定回路110に記録光量制御のための制御信号c3を、上記テストパターン発生回路113にテストパターン発生制御のための制御信号c4を供給するようになっている。
【0083】
上記構成の光磁気記録再生装置では、磁気ヘッド104により光磁気ディスク100の記録対象位置の磁界を変調させ、該記録対象位置に半導体レーザ102によりレーザビームb1を照射することによって、上記光磁気ディスク100に対して情報を記録する、所謂磁界変調記録を行うようになっている。
【0084】
したがって、情報の記録の高密度化を図るには、上記半導体レーザ102のレーザビームの記録光量と、上記磁気ヘッド104の印加磁界の記録磁界強度との最適化を図る必要がある。
【0085】
そこで、以下の各実施の形態では、磁界変調記録における上記半導体レーザ102から照射されるレーザビームの記録光量と、上記磁気ヘッド104から印加される記録磁界強度との最適化について説明する。なお、記録光量の最適化の説明と記録磁界強度との最適化の説明は、ほぼ同じであるので、ここでは、主に記録光量の最適化の説明を行う。したがって、以後は記録磁界強度を一定とし、記録光量を変化させながら最適な記録光量を求める場合を例にとって説明する。
【0086】
本発明では、特定トラック上の記録マークの幅と、隣接トラックへ記録マークがどれだけ滲みだすかを読出信号(再生信号)で検出することにより、特定トラックおよび隣接トラックでの記録マークの幅を最適化し、それぞれのトラックにおける最適な記録光量を求める。そして、この最適記録光量に基づき特定トラックおよび隣接トラックに情報を記録する。
【0087】
(実施の形態1)
本発明の実施の一形態について図1ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態の記録光量の制御(最適記録条件を求める制御)は、図18に示す光磁気記録再生装置において行なわれるものとする。
【0088】
まず、本実施の形態における特徴部分である光磁気ディスク100に照射する記録光量の最適化の原理について以下に説明する。
【0089】
(第1ステップ)
まず、図1(a)に示すように、第1トラック(特定トラック)としてのトラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第1の領域11と、この第1の領域11に隣接していない第2トラック(隣接トラック)としてのトラックTr(n)、Tr(n+2)の第2の領域12を消去する。これにより、光ビームの光量は、消去する消去領域1および2の幅がトラック幅よりも大きくなるような高めに設定しておく。すなわち、第1トラックの第1の領域11に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録することになる。
【0090】
ここで、トラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第1の領域11を消去するとは、トラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第1の領域11に、第1テストパターンとしての消去パターンを記録すること、トラックTr(n)、Tr(n+2)の第2の領域12を消去するとは、トラックTr(n)、Tr(n+2)の第2の領域12に、第2テストパターンとしての消去パターンを記録することと同義である。
【0091】
なお、図1(a)(b)において、トラックTr(n)とTr(n+2)は、高密度トラックの方式として良く知られるランド・グルーブ記録においては例えばグルーブであり、トラックTr(n−1)とTr(n+1)は例えばランドである。
【0092】
(第2ステップ)
次に、図1(b)において、光量を変化させながら、トラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第1の領域11に隣接するトラックTr(n)、Tr(n+2)の第3の領域13に記録磁界を反転させて、所定パターンの記録マーク3を形成する。すなわち、第2トラックであるトラックTr(n)、Tr(n+2)の第3の領域13に、該トラックTr(n)、Tr(n+2)幅に対して大小様々な幅を有する記録マーク3からなる第3テストパターンが記録される。
【0093】
続いて、光量を変化させながら、トラックTr(n)、Tr(n+2)の第2の領域12に隣接するトラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第4の領域14に記録磁界を反転させて、所定パターンの記録マーク4を形成する。すなわち、第1トラックであるトラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第4の領域14に、該トラックTr(n−1)、Tr(n+1)幅に対して大小様々な幅を有する記録マーク4からなる第4テストパターンが記録される。
【0094】
なお、図1(b)では、段階的に光量を変化させた例を示してる。それゆえ、第3および第4テストパターンにおいて、各記録マークの幅は順次変化したものとなっている。
【0095】
(第3ステップ)
次に、トラックTr(n)を読み出して、図1(c)に示すように、第3の領域13での読出信号(第3読出信号)5と第2の領域12での読出信号(第2読出信号)6を検出する。これらの読出信号の振幅は、図1(c)に示すようになる。
【0096】
ここでは、段階的に光量を変化させていくことで、記録マーク3の幅が徐々に広くなっていくため、信号振幅V(n)は徐々に大きくなっていく。そして、トラックTr(n−1)、Tr(n+1)への記録マーク4のトラックTr(n)への滲み出しがないため、読出信号6の信号振幅V(n)は0となる。さらに、読出信号6の信号振幅V(n)は、徐々に記録マーク4の幅が大きくなることによるトラックTr(n)への滲み出しの影響で、徐々に大きくなっていく。
【0097】
(第4ステップ)
次に、トラックTr(n+1)を読み出して、図1(c)に示すように、第1の領域11での読出信号(第1読出信号)7と第4の領域14での読出信号(第4読出信号)8を検出する。これらの読出信号の振幅は、図1(c)に示すようになる。
【0098】
ここでは、トラックTr(n)、Tr(n+2)への記録マーク3のトラックTr(n+1)への滲み出しがないため、読出信号7の信号振幅V(n+1)は0となる。さらに、読出信号7の信号振幅V(n+1)は、段階的に光量を変化させていくことで、徐々に記録マーク3の幅が大きくなり、トラックTr(n+1)への滲み出しの影響で、徐々に大きくなっていく。そして、トラックTr(n+1)の第4の領域への記録マーク4の幅が徐々に広くなっていくため、読出信号8の信号振幅V(n+1)は徐々に大きくなっていく。
【0099】
(第5ステップ)
次に、上記したトラックTr(n)、Tr(n+1)からの読出信号(具体的には信号振幅V(n)、V(n+1))と記録光量とを関連付ける。
【0100】
ここで、記録光量と信号振幅との関係について図2(a)(b)を参照しながら以下に説明する。
【0101】
なお、図2(a)は、トラックTr(n)の第3の領域13での読出信号5の信号振幅V(n)の変化V1と、隣接するトラックTr(n+1)の第1の領域11の読出信号7の信号振幅V(n+1)の変化V2を、記録光量の増加に対して、プロットしたものである。
【0102】
また、図2(b)は、トラックTr(n)の第2の領域12の読出信号6の信号振幅V(n)の変化V3と、隣接するトラックTr(n+1)の第4の領域14の読出信号8の信号振幅V(n+1)の変化V4を、記録光量の増加に対して、プロットしたものである。
【0103】
図2(a)に示すグラフから、記録光量が低いときは信号振幅の変化V1、V2はともに小さく、記録光量の増加にともなって次第に記録マークの幅が広くなり、まず、信号振幅の変化V1が、そして、次に、信号振幅の変化V2が増加していることが分かる。
【0104】
ここで、信号振幅の変化V1が大きいことは、トラックTr(n)への記録マークの幅が広いことを意味しており、信号振幅の変化V2が大きいことは、トラックTr(n)への記録マークの幅が広くなりすぎ、隣接トラックTr(n+1)への記録マークの滲み出しが大きいことを意味している。
【0105】
したがって、信号振幅の変化V1が大きい条件(例えば、略最大値、最大値から所定割合以上、所定値以上などの条件)、及び、信号振幅の変化V2が小さい条件(例えば、略0、最大値から所定割合以下、所定値以下などの条件)を満たす記録光量をトラックTr(n)における最適記録光量とすれば、適正な記録光量を得ることができることが分かる。なお、上記最適記録光量を、本発明における最適記録条件の一つと考え、以下の説明および以下の実施の形態においては、最適記録光量を最適記録条件とする。
【0106】
また、図2(b)に示すグラフから、記録光量が低いときは信号振幅の変化V3、V4はともに小さく、記録光量の増加にともなって次第に記録マークの幅が広くなり、まず、信号振幅の変化V4が、そして、次に、信号振幅の変化V3が増加していることが分かる。
【0107】
ここで、信号振幅の変化V4が大きいことは、トラックTr(n+1)への記録マークの幅が広いことを意味しており、信号振幅の変化V3が大きいことは、トラックTr(n+1)への記録マークの幅が広くなりすぎ、隣接トラックTr(n)への記録マークの滲み出しが大きいことを意味している。
【0108】
したがって、信号振幅の変化V4が大きい条件(例えば、略最大値、最大値から所定割合以上、所定値以上などの条件)、及び、信号振幅の変化V3が小さい条件(例えば、略0、最大値から所定割合以下、所定値以下などの条件)を満たす記録光量をトラックTr(n+1)における最適記録光量とすれば、適正な記録光量を得ることができることが分かる。
【0109】
なお、上記条件を満たす記録光量に範囲がある場合は、さまざまな誤差の影響に対して最も余裕をもつことができるよう、範囲の中心の記録光量を最適記録光量とすることが望ましい。
【0110】
続いて、図1(a)〜(c)に示した記録条件設定方法の具体的動作について、図3に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0111】
まず、光磁気ディスク100のトラックの第1の領域11と第2の領域12を高い記録光量で消去する(ステップS1)。具体的には、光磁気ディスク100のトラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第1の領域11とトラックTr(n)、Tr(n+2)の第2の領域12とに照射することによって、高い記録光量により消去パターンを記録する。
【0112】
次に、光磁気ディスク100のトラックの第3の領域13と第4の領域14に記録光量を変化させながら第3および第4テストパターンを記録する(ステップS2)。具体的には、光磁気ディスク100のトラックTr(n)、Tr(n+2)の第3の領域13とトラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第4の領域14とに、記録光量を変化させながら第3および第4テストパターンを記録する。
【0113】
次に、所定の再生光量にセットする(ステップS3)。
【0114】
次いで、トラックTr(n)を読み出し、第3の領域13と第2の領域12の信号振幅を検出する(ステップS4)。
【0115】
そして、ステップS4において信号振幅を検出したときの、記録光量と該信号振幅を関連付けて記憶する(ステップS5)。
【0116】
続いて、トラックTr(n+1)を読み出し、第1の領域11と第4の領域14の信号振幅を検出する(ステップS6)。
【0117】
そして、ステップS6において信号振幅を検出したときの、記録光量と該信号振幅を関連付けて記憶する(ステップS7)。
【0118】
次に、ステップS5とS7で記憶した信号振幅の中からトラックTr(n)、Tr(n+1)それぞれに対して所望条件を満たす記録光量の範囲を探す(ステップS8)。
【0119】
そして、ステップS8において求められた記録光量のそれぞれの範囲の中心の記録光量をトラックTr(n)、Tr(n+1)の最適記録光量に決定する(ステップS9)。
【0120】
上述した記録光量の制御は、図18に示す光磁気記録再生装置において、半導体レーザ102から光磁気ディスク100に照射するレーザビームb1の光量を制御することであり、CPU115からの各制御信号に基づいて行なわれるものである。
【0121】
このように、本実施の形態によれば、トラックTr(n)及びTr(n+1)の記録光量を最適に制御することができる。また、磁界変調記録において記録光量が変化しても記録マークの長さは変化しないため、読出信号の変化を検出することにより記録マークの幅のみを最適化することができる。
【0122】
以上説明したように、本実施の形態では、トラックTr(n)とTr(n+1)の記録条件を設定するのに、信号振幅V(n)と信号振幅V(n+1)を検知することで、ランド・グルーブ記録のような隣接するトラックTr(n)とトラックTr(n+1)の記録感度が異なる場合にも正確に記録条件を得ることができる。なお、本実施の形態では、トラックTr(n−1)、Tr(n+2)にテストパターン(消去パターンを含む)を記録しているが、必ずしも必要ではない。
【0123】
しかしながら、トラックTr(n−1)、Tr(n+2)にテストパターンを記録しておけば、読出信号の信号振幅V(n)、V(n+1)を増大させることができるという効果を奏する。
【0124】
ここで、記録感度から異なるトラックにおいて正確に記録条件を得る他の方法について説明する。
【0125】
この方法は、特定トラック(記録条件の最適化を行うトラック)に複数の記録条件でテストパターンを記録し、その特定トラックからの再生信号及び隣接トラックからの再生信号に基づいて、特定トラックの最適記録条件を求める方法である。
【0126】
この方法によれば、信号再生時のトラック間のクロストークや、信号記録時の隣接トラックヘのクロスイレーズを最小に抑えて、隣接するトラック間に記録感度の相違が生じていたとしても適切な記録条件を求めることが可能となる。
【0127】
ところで、上記の方法は、ランドとグルーブのうち、一方のトラックに対する最適記録条件の設定のための方法である。
【0128】
ここで、図19(a)〜(c)を参照しながら、上記の方法における記録光量の最適化の原理を説明する。なお、図19(a)(b)において、トラックTr(n)とTr(n+2)は、高密度トラックの方式として良く知られるランド・グルーブ記録においては例えばグルーブであり、トラックTr(n−1)とTr(n+1)は例えばランドである。
【0129】
まず、図19(a)に示すように、トラックTr(n−1)、Tr(n+1)に、トラック幅よりも大きくなるような高めの光量で第1テストパターンとしての消去パターン181を記録する。
【0130】
次に、図19(b)において、記録光量を徐々に変化させながら、トラックTr(n)、Tr(n+2)に第2テストパターンの記録マーク182を形成する。
【0131】
そして、トラックTr(n)を読み出して読出信号183を検出する(図19(c))。続いて、トラックTr(n)に隣接するトラックTr(n+1)を読み出して読出信号184を検出する(図19(c))。
【0132】
これにより、図19(c)に示すトラックTr(n)の読出信号183の信号振幅V(n)は、図19(b)に示すように、記録光量の増加にともなって次第に記録マーク幅が広くなるので、増加する。一方、図19(c)に示すトラックTr(n+1)の信号振幅V(n+1)は、図19(b)に示すように、トラックTr(n)への記録マークの幅が広くなりすぎ、トラックTr(n+1)への記録マークの滲み出しが大きくなるので、増加する。
【0133】
したがって、信号振幅V(n)が大きい条件、及び、信号振幅V(n+1)が小さい条件を満たす記録光量をトラックTr(n)(ここではグルーブ)における最適記録光量とする。
【0134】
なお、トラックTr(n−1)、Tr(n+2)にテストパターン(消去パターンを含む)を記録しているが、必ずしも必要ではない。しかしながら、トラックTr(n−1)、Tr(n+2)にテストパターンを記録しておけば、読出信号の信号振幅V(n)、V(n+1)を増大させることができる。
【0135】
上記の方法では、トラックTr(n−1)、Tr(n+2)にテストパターンを記録する処理のディスク2回転分を除いても、トラックTr(n)、つまり、グルーブの最適記録光量の設定のためには、ディスク4回転分の処理が必要となる。
【0136】
そのため、他方のトラックであるランドに対する最適記録条件の設定のためには、同じだけの時間、つまり、ディスク4回転分の処理が必要となる。したがって、ランドとグルーブの両方の最適記録条件を求めるのにディスク8回転分の時間がかかる。その間、装置はユーザの指示の下で行うべき記録や再生の動作を一定時間中断することになる。このような中断が頻繁に起きればデータ転送レートの低下、即ち装置の性能低下が生じるという問題を招来する。
【0137】
しかしながら、本実施の形態における光記録方法によれば、上述したように、トラックTr(n−1)、Tr(n+2)にテストパターンを記録する処理のディスク2回転分を含まないとした場合、隣接する2つのトラック、トラックTr(n)及びトラックTr(n+1)の最適記録光量の設定が、光磁気ディスク100の6回転分の処理で済み、処理時間を短縮することができる。
【0138】
すなわち、第1トラックとしてのトラックTr(n)に第1テストパターンを記録する処理と、第2トラックとしてのトラックTr(n+1)に第2テストパターンを記録する処理と、第2トラックに第3テストパターンを記録する処理と、第1トラックに第4テストパターンを記録する処理と、第1トラックを再生して第1読出信号と第4読出信号とを検出する処理と、第2トラックを再生して第2読出信号と第3読出信号とを検出する処理とを実行するために、光ディスクを6回転すればよいだけであり、最適記録条件の設定に必要な処理時間を大幅に短縮することができる。
【0139】
なお、本実施の形態の記録光量の最適化方法(制御方法)は、上記のものに限るものではなく、様々な変形が可能である。例えば、トラックTr(n)、トラックTr(n+1)からの読出信号振幅の検出及びその振幅の記録光量との関連付けのステップは、当然ながら入れ替わっても構わない。
【0140】
ここで、記録光量の最適化は、情報の記録動作を行うたびに実行することが望ましいが、これに限るものではなく、例えば、記録媒体を装置内に装填した際に実行してもよい。なお、最適光量設定後の記録動作は一般に知られた動作と同様であるため、本実施の形態では省略する。
【0141】
なお、ここでは、光磁気記録媒体の複数のトラックTrのうちのトラックTr(n)、Tr(n+1)での最適な記録光量を求める場合について説明したが、勿論、他のトラックについても同様に求めることができる。記録光量の設定は各トラックにおいて少なくとも1回行うことが望ましいが、例えば、ランド・グルーブ記録の場合には、ランドとグルーブそれぞれにおいて少なくとも1回記録光量の設定を行えば、必ずしもすべてのトラックで行う必要はなく、複数トラック毎であってもよい。
【0142】
また、本実施の形態では、記録光量の最適化(設定)について述べたが、記録磁界強度を最適化するときは、まず、記録光量を一定にしておき、記録磁界強度を徐々に増加しながら、上記の動作を行うことにより、読出信号の振幅の変化によって、記録マークの幅を最適に制御することができる。
【0143】
ところで、上述した光記録方法では、トラックTr(n)の信号振幅の変化と隣接トラックTr(n+1)の信号振幅の変化を検出し、それらに基づいて最適な光量を求めるようにしているが、最適記録光量の設定が行なえない場合がある。
【0144】
ここで、図4(a)(b)に、トラックTr(n)、Tr(n+2)の第3の領域13と、トラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第4の領域14とにテストパターンを記録後、トラックTr(n)の読出信号の信号振幅V(n)の変化V1、V3と隣接トラックTr(n+1)の読出信号の信号振幅V(n+1)の変化V2、V4を、記録光量の増加に対してプロットしたグラフを示す。
【0145】
図4(a)のグラフから、トラックTr(n)の第3の領域13への記録光量が大きくなると、記録マークの幅が大きくなるため、まずは、トラックTr(n)第3の領域13の信号振幅V(n)が増加していき、続いて、隣接トラックTr(n+1)の第1の領域11の信号振幅V(n+1)も、記録マークの滲み出しの影響を受けて増加しているのが分かる。
【0146】
しかしながら、トラックTr(n)の第3の領域13の記録マークによる滲み出しの影響を受けていることを判定するための閾値として、所定の信号振幅A0を設けているとき、レーザビームの記録光量の最大値に制限がある場合や、光記録媒体の記録感度にばらつきがある場合には、記録光量を最大としても、隣接トラックTr(n+1)の第1の領域11における信号振幅が信号振幅A0まで増加しないことがある。
【0147】
そこで、上述のような場合に、トラックTr(n)の信号振幅の変化V1のみを用いてトラックTr(n)の最適な光量を求める。
【0148】
まず、図4(a)のグラフにおいて、信号振幅の変化V1で信号振幅が最大となる記録光量では、トラックTr(n)の幅よりも大きなマークを記録する可能性があるため、ここでは、信号振幅の最大値よりも少し小さい信号振幅A1を与える記録光量Px1を検出する。そして、その記録光量Px1に記録マークが隣接トラックへ滲み出さない程度の所定の記録光量Py1を加算することにより、トラックTr(n)への最適記録光量Pz1(=Px1+Py1)を求める。
【0149】
なお、ここでは、記録光量Px1に所定値(Py1)を加算することにより最適記録光量Pz1を求めたが、例えば所定係数を乗算する等の他の所定の演算を行うことにより求めてもよい。
【0150】
同様に、図4(b)のグラフにおいて、トラックTr(n+1)の第4の領域14からの記録マークの滲み出しの影響を受けていることを判定するための閾値として、所定の信号振幅A2を設けて、トラックTr(n)の第2の領域12における信号振幅が信号振幅A2まで増加しないときは、トラックTr(n+1)の信号振幅の最大値よりも少し小さい信号振幅A3を与える記録光量Px2を検出し、その記録光量に演算を加えること(例えば、所定の記録光量Py2を加算する、所定係数を乗算するなど)により、トラックTr(n)にマークの滲み出しの影響を与えないトラックTr(n+1)への最適記録光量Pz2を決定することができる。
【0151】
上記の記録条件設定方法の動作について、図5に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。なお、本記録条件設定方法は、前述の図3のフローチャートのステップS1からS7までは同じで、ステップS8以降の処理が異なるので、図5では、異なる処理を示すステップS10〜ステップS19について記載している。
【0152】
図3に示すフローチャートのステップS7に続いて、ステップS7にて記憶された、テスト範囲内での最大記録光量における第1の領域11での信号振幅が所望条件に到達しているかどうか(所定の信号振幅A0より大きいかどうか)を判断する(ステップS10)。
【0153】
ステップS10にて、所望条件に到達していないと判断された場合は、図3に示すフローチャートのステップS5にて記憶された記録光量と信号振幅の中から、第3の領域13において所望条件を満たす(信号振幅A1を与える)記録光量の範囲を検出する(ステップS11)。
【0154】
ステップS11にて検出された記録光量の範囲に所定の演算を加えて(所定の記録光量を加算して)、トラックTr(n)における最適記録光量を決定する(ステップS12)。
【0155】
一方、ステップS10にて、所望条件に到達していると判断された場合は、図3に示すフローチャートのステップS8と同様、ステップS5とS7で記憶した信号振幅の中から所望条件を満たす記録光量の範囲を探す(ステップS13)。
【0156】
ステップS13で探した範囲の中心の記録光量をトラックTr(n)における最適記録光量に決定する(ステップS14)。
【0157】
続いて、図3に示すフローチャートのステップS5にて記憶された、テスト範囲内での最大記録光量における第2の領域12での信号振幅が所望条件に到達しているかどうかを判断し(ステップS15)、所望条件に到達していないと判断された場合は、図3に示すフローチャートのステップS7にて記憶された記録光量と信号振幅の中から、第4の領域の信号振幅が所望条件を満たす記録光量の範囲を検出し(ステップS16)、検出された記録光量の範囲に所定の演算を加えて、トラックTr(n+1)における最適記録光量を決定する(ステップS17)。
【0158】
一方、ステップS15にて、所望条件に到達している場合は、図3に示すフローチャートのステップS8と同様、ステップS5とS7で記憶した信号振幅の中から所望条件を満たす記録光量の範囲を探す(ステップS18)。
【0159】
そして、ステップS18で探し出された範囲の中心の記録光量をトラックTr(n+1)における最適記録光量に決定する(ステップS19)。
【0160】
上述の記録条件設定方法によれば、レーザビームの記録光量の最大値に制限がある場合や、光記録媒体の記録感度にばらつきがある場合にも最適な記録条件を求めることができる。
【0161】
なお、本実施の形態では、記録を行ったトラックの隣接トラックの信号振幅から記録光量の上限が求まらないときに、記録を行ったトラックの信号振幅のみから最適記録光量を求めたが、はじめから記録を行ったトラックの信号振幅が所望値となったときの記録光量に対して所定の演算を加えることで最適な記録光量を求めてもよい。この場合、記録条件の設定時間を短縮できる。
【0162】
また、記録条件の設定時間を短縮するという観点からすれば、記録を行ったトラックの隣接トラックの信号振幅が所望値となったときの記録光量に対して所定の演算(所定値の減算、所定係数の乗算など)を加えることで最適な記録光量を求めることも可能である。なお、記録磁界強度を最適化するときは、まず記録光量を一定にしておき、記録磁界強度を徐々に増加しながら、上記の動作を行うことにより、読出信号の振幅の変化によって、記録マークの幅を最適に制御することができる。
【0163】
(実施の形態2)
本発明の他の実施の形態について、図6ないし図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態の記録光量の制御は、図18に示す光磁気記録再生装置において行なわれるものとする。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1と同様の部分については、その説明を省略または簡略化する。
【0164】
前記実施の形態1で示した記録方法では、特定トラック上の記録マークの幅と、隣接トラックへ記録マークがどれだけ滲みだすかを読出信号で検出することにより、特定トラックおよび隣接トラックでの記録マークの幅を最適化している。
【0165】
本実施の形態では、特定トラック上の消去マークによる消し残りと、隣接トラックへどれだけクロスイレーズするかを読出信号(再生信号)を検出することにより、特定トラックおよび隣接トラックでの消去マークの幅を最適化する方法について説明する。すなわち、それぞれの最適な記録(消去)光量を求める。そして、その最適記録光量に基づき特定トラックおよび隣接トラックに情報を記録する。
【0166】
まず、本実施の形態における特徴部分である記録光量の最適化の原理について図6(a)〜(c)を参照しながら以下に説明する。
【0167】
(第1ステップ)
まず、図6(a)に示すように、トラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第1の領域11とトラックTr(n)、Tr(n+2)の第2の領域12にテストパターン(第1および第2テストパターン)を記録する。光ビームは、それにより記録する記録マーク20および21の幅がトラック幅よりも大きくなるような高めの光量に設定しておく。
【0168】
(第2ステップ)
次に、図6(b)において、光量を変化させながら、トラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第1の領域11に隣接する、トラックTr(n)、Tr(n+2)の第3の領域13に第3テストパターンの記録マークとしての消去マーク22を形成する。次に、光量を変化させながら、トラックTr(n)、Tr(n+2)の第2の領域12に隣接するトラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第4の領域に第4テストパターンの記録マークとしての消去マーク23を形成する。この結果、消去マークの幅は順次変化する。なお、図6(b)では、段階的に光量を変化させた例が示されている。
【0169】
(第3ステップ)
次に、トラックTr(n)を読み出して、第3の領域13での読出信号(第3読出信号)24と第2の領域12での読出信号(第2読出信号)25を検出し、このときの各読出信号の信号振幅を図6(c)に示す。
【0170】
図6(c)では、段階的に光量を変化させていくことで、消去マーク22の幅が徐々に広くなっていくため、信号振幅V(n)は徐々に小さくなり、トラックTr(n−1)、Tr(n+1)への消去マーク23のトラックTr(n)への滲み出しがないため、読出信号25の信号振幅V(n)は大きくなり、そして、徐々に消去マーク23の幅が大きくなり、トラックTr(n)への滲み出しの影響で、信号振幅V(n)は徐々に小さくなっていることが分かる。
【0171】
(第4ステップ)
次に、トラックTr(n+1)を読み出して、第1の領域11での読出信号(第1読出信号)26と第4の領域14での読出信号(第4読出信号)27を検出し、このときの各読出信号の信号振幅を図6(c)に示す。
【0172】
図6(c)では、トラックTr(n)、Tr(n+2)への消去マーク22のトラックTr(n+1)への滲み出しがないため、読出信号26の信号振幅V(n+1)は大きく、段階的に光量を変化させていくことで、徐々に消去マーク22の幅が大きくなり、トラックTr(n+1)への滲み出しの影響で、信号振幅V(n+1)は徐々に小さくなり、そして、消去マーク23の幅が徐々に広くなっていくため、読出信号27の信号振幅V(n+1)は徐々に小さくなっていくことが分かる。
【0173】
(第5ステップ)
次に、上記したトラックTr(n)、Tr(n+1)からの読出信号(具体的には信号振幅V(n)、V(n+1))と記録(消去)光量とを関連付ける。
【0174】
ここで、記録光量と信号振幅との関係について図7(a)(b)を参照しながら以下に説明する。
【0175】
図7(a)は、トラックTr(n)の第3の領域13での読出信号24の信号振幅V(n)の変化V11と、隣接するトラックTr(n+1)の第1の領域11の読出信号26の信号振幅V(n+1)の変化V12を、記録光量の増加に対して、プロットしたものである。
【0176】
また、図7(b)は、トラックTr(n)の第2の領域12の読出信号25の信号振幅V(n)の変化V13と、隣接するトラックTr(n+1)の第4の領域14の読出信号27の信号振幅V(n+1)の変化V14を、記録光量の増加に対して、プロットしたものである。
【0177】
図7(a)に示すグラフから、記録光量が低いときは信号振幅の変化V11、V12はともに大きく、記録光量の増加にともなって次第に記録マークの幅が広くなり、まず、信号振幅の変化V11が、そして、次に、信号振幅の変化V12が減少していることが分かる。
【0178】
ここで、信号振幅の変化V11が小さいことは、トラックTr(n)への記録マークの幅が広いことを意味しており、信号振幅の変化V12が小さいことは、トラックTr(n)への記録マークの幅が広くなりすぎ、隣接トラックTr(n+1)への記録マークの滲み出しが大きいことを意味している。
【0179】
したがって、信号振幅の変化V11が小さい条件(例えば、略0、最大値から所定割合以下、所定値以下などの条件)、及び、信号振幅の変化V12が大きい条件(例えば、略最大値、最大値から所定割合以上、所定値以上などの条件)を満たす記録光量をトラックTr(n)における最適記録光量とすれば、適正な記録光量を得ることができる。
【0180】
一方、図7(b)に示すグラフから、記録光量が低いときは信号振幅の変化V13、V14はともに大きく、記録光量の増加にともなって次第に記録マークの幅が広くなり、まず、信号振幅の変化V14が、そして、次に、信号振幅の変化V13が減少していることが分かる。
【0181】
ここで、信号振幅の変化V14が小さいことは、トラックTr(n+1)への記録マークの幅が広いことを意味しており、信号振幅の変化V13が小さいことは、トラックTr(n+1)への記録マ一クの幅が広くなりすぎ、隣接トラックTr(n)への記録マークの滲み出しが大きいことを意味している。
【0182】
したがって、信号振幅の変化V14が小さい条件(例えば、略0、最大値から所定割合以下、所定値以下などの条件)、及び、信号振幅の変化V13が大きい条件(例えば、略最大値、最大値から所定割合以上、所定値以上などの条件)を満たす記録光量をトラックTr(n+1)における最適記録光量とすれば、適正な記録光量を得ることができる。
【0183】
上記条件を満たす記録光量に範囲がある場合は、さまざまな誤差の影響に対して最も余裕をもつことができるよう、範囲の中心の記録光量を最適記録光量とすることが望ましい。
【0184】
このように、本実施の形態によれば、トラックTr(n)及びTr(n+1)の記録光量を最適に制御することができる。
【0185】
続いて、図6(a)〜(c)に示した記録条件設定方法の具体的動作について、図8に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0186】
まず、トラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第1の領域11とトラックTr(n)、Tr(n+2)の第2の領域12とに、高い記録光量によりテストパターンを記録する(ステップS21)。
【0187】
次に、トラックTr(n)、Tr(n+2)の第3の領域13とトラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第4の領域14とに、記録光量を変化させながら消去パターンを記録する(ステップS22)。
【0188】
以後の処理は、前記実施の形態1の図3に示すフローチャートのステップS3以降と全く同じであるので、省略する。そして、上記の処理により、最適記録光量が決定される。
【0189】
なお、本実施の形態では、トラックTr(n−1)、Tr(n+2)にテストパターン(消去パターンも含む)を記録しているが、必ずしも必要ではない。しかしながら、トラックTr(n−1)、Tr(n+2)にテストパターン(消去パターンも含む)を記録しておけば、読出信号の信号振幅V(n)、V(n+1)を増大させることができる。
【0190】
以上説明したように、本実施の形態では、トラックTr(n)とTr(n+1)の記録条件を、信号振幅V(n)と信号振幅V(n+1)を検知することで、ランド・グルーブ記録のようなトラックTr(n)とトラックTr(n+1)の記録感度が異なる場合にも正確に得ることができる。
【0191】
また、ここでは記録光量の最適化(設定)について述べたが、記録磁界強度を最適化するときは、まず記録光量を一定にしておき、記録磁界強度を徐々に増加しながら、上記の動作を行うことにより、読出信号の信号振幅の変化によって、記録マークの幅を最適に制御することができる。
【0192】
(実施の形態3)
本発明のさらに他の実施の形態について、図9ないし図12に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態の記録光量の制御は、図18に示す光磁気記録再生装置において行なわれるものとする。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1および2と同様の部分については、その説明を省略または簡略化する。
【0193】
前記実施の形態1および2で述べた方法は、特定トラックの信号振幅の変化と、隣接トラックヘの滲み出しを読み出した読出信号の信号振幅の変化によって、簡便に記録マークの幅を制御する方法である。しかしながら、図2、図4、図7に示したグラフから、信号振幅の変化が小さいため、検出感度が低い。
【0194】
そこで、本実施の形態では、この信号振幅を大きく変化させ、高感度に最適記録光量を検出する方法について説明する。
【0195】
上記検出方法について、図9(a)ないし(c)を参照しながら以下に説明する。
【0196】
(第1ステップ)
まず、図9(a)に示すように、トラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第1の領域11と第1の領域11に隣接していないトラックTr(n)、Tr(n+2)の第2の領域12に、記録領域の幅がトラック幅よりも大きくなるような高めの光量により幅の広い記録マーク30および31を有するテストパターンを記録する。
【0197】
このテストパターンの記録は、後述する外部クロック方式の記録クロックに基づいて行われる。この記録マーク30、31の記録パターンは、後述するトラックTr(n)、Tr(n+2)の第3の領域13および、トラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第4の領域14に記録するパターンを反転したものである。以後、第1の領域11および第2の領域12に記録するパターンを反転パターン(第1、2テストパターン)、第3の領域13および第4の領域14に記録するパターンを正転パターン(第3、4テストパターン)と称する。
【0198】
(第2ステップ)
次に、図9(b)において、光量を変化させながら、トラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第1の領域11に隣接するトラックTr(n)、Tr(n+2)の第3の領域13に記録磁界を反転させて、正転パターンの記録マーク32を記録する。次いで、光量を変化させながら、トラックTr(n)とTr(n+2)の第2の領域12に隣接するトラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第4の領域14に記録磁界を反転させて、正転パターンの記録マーク33を記録する。
【0199】
この結果、記録マークの幅は順次変化する。なお、図9(b)では、段階的に光量を変化させた例が示されている。このとき、後述する外部クロック方式の記録クロックに基づいて正転パターンが記録されるため、隣接トラックの反転パターンに同期して記録が行われる。
【0200】
(第3ステップ)
次に、トラックTr(n)を読み出して、第3の領域13での読出信号(第3読出信号)34と第2の領域12での読出信号(第2読出信号)35を検出し、このときの各読出信号の信号振幅を図9(c)に示す。
【0201】
図9(c)に示すグラフから、隣接トラックTr(n−1)、Tr(n+1)の記録マーク30の幅が広いときは、記録マーク32の記録時にその端部が削られ、記録マーク32の幅が狭くなり、第3の領域13での読出信号34の信号振幅V(n)は小さくなっていることが分かる。
【0202】
さらに、隣接トラックには反転パターンが記録されているため、再生時のクロストークにより、記録マーク32の信号成分が打ち消され、信号振幅V(n)はいっそう小さくなり、記録マーク32の幅が徐々に広くなっていくと、信号振幅V(n)は徐々に大きくなっていくことが分かる。
【0203】
また、第2の領域12での読出信号35は、隣接トラックTr(n−1)、Tr(n+1)の記録マーク33の幅が狭いとき、トラックTr(n)への滲み出しがないため、信号振幅V(n)は大きく、記録マーク33の幅が徐々に広くなっていくと、記録マーク31が徐々に削られて狭くなっていくことが分かる。
【0204】
さらに、再生時のクロストークにより、記録マーク31の信号成分が打ち消され、信号振幅V(n)はいっそう小さくなるのが分かる。
【0205】
(第4ステップ)
次に、トラックTr(n+1)を読み出して、第1の領域11での読出信号(第1読出信号)36と第4の領域14での読出信号(第4読出信号)37を検出し、このときの各読出信号の信号振幅を図9(c)に示す。
【0206】
図9(c)では、トラックTr(n)、Tr(n+2)の記録マーク32の幅が狭いとき、トラックTr(n+1)への滲み出しがないため、読出信号36の信号振幅V(n+1)は大きく、徐々に記録マーク32の幅が大きくなり、トラックTr(n+1)への滲み出しの影響と、さらに再生時のクロストークにより、信号振幅V(n+1)は徐々に小さくなっていくのが分かる。
【0207】
また、第4の領域14での読出信号37は、記録マーク33の幅が狭いとき、信号振幅V(n+1)は小さく、さらに、隣接トラックには反転パターンが記録されているため、再生時のクロストークにより、記録マーク33の信号成分が打ち消され、信号振幅V(n+1)はいっそう小さくなり、記録マーク33の幅が徐々に広くなっていくと、信号振幅V(n+1)は徐々に大きくなっていくことが分かる。
【0208】
(第5ステップ)
次に、上記したトラックTr(n)、Tr(n+1)からの読出信号(具体的には信号振幅V(n)、V(n+1))と記録光量とを関連付ける。
【0209】
ここで、記録光量と信号振幅との関係について図10(a)(b)を参照しながら以下に説明する。
【0210】
図10(a)は、トラックTr(n)の第3の領域13での読出信号34の信号振幅V(n)の変化V21と、隣接するトラックTr(n+1)の第1の領域11の読出信号36の信号振幅V(n+1)の変化V22を、記録光量の増加に対して、プロットしたものである。
【0211】
また、図10(b)は、トラックTr(n)の第2の領域12の読出信号35の信号振幅V(n)の変化V23と、隣接するトラックTr(n+1)の第4の領域14の読出信号37の信号振幅V(n+1)の変化V24を、記録光量の増加に対して、プロットしたものである。
【0212】
図10(a)、(b)において、記録光量が低いときの信号振幅の変化V21、V24をa1、a2、実施の形態1における信号振幅の変化V1、V4をa3、a4とすると、a1はa3よりも、また、a2はa4よりもはるかに小さいことが分かる。これは、正転パターンの記録マークの成分が隣接トラックの反転パターンからのクロストークによって打ち消されたためである。
【0213】
このとき、隣接トラックの反転パターンの信号振幅の変化V22、V23は、大きい。そして、記録光量を上げるにしたがって記録マークの幅が広くなり、さらにクロストークも減少する。
【0214】
これにより、信号振幅の変化V21、V24は、次第に増加し、さらに、記録光量を上げると、次第に反転パターンの記録マークの端部が削られ、信号振幅の変化V22、V23は大きく減少する。
【0215】
信号振幅の変化V21が大きく、かつ、信号振幅の変化V22も大きくなる記録光量では、トラックTr(n)の記録マークの幅は広く、さらに隣接トラックからのクロストークも小さい。よって、この条件を満たす記録光量をトラックTr(n)の最適記録光量とすればよい。
【0216】
具体的には、信号振幅の変化V21が、例えば、略最大値、最大値から所定割合以上、所定値以上などの条件を満たし、かつ、信号振幅の変化V22が、例えば、略最大値、最大値から所定割合以上、所定値以上などの条件を満たす記録光量を最適記録光量とすればよい。
【0217】
ここで、上記条件を満たす記録光量の範囲の中心を最適記録光量とすれば、マージンを大きく取ることができ、望ましい。
【0218】
同様に、信号振幅の変化V24が大きい条件(例えば、略最大値、最大値から所定割合以上、所定値以上などの条件)、及び、信号振幅の変化V23が大きい条件(例えば、略最大値、最大値からら所定割合以上、所定値以上などの条件)を満たす記録光量をトラックTr(n+1)における最適記録光量とすれば、適正な記録光量を得ることができる。
【0219】
以上のように、隣接トラックに反転パターンを記録することにより、実施の形態1および2 に比べて信号振幅の変化量が大きくなり、高感度で最適記録光量を検出することが可能となる。
【0220】
また、記録マークの滲み出しの影響を受けていることを判定するための閾値として、所定の信号振幅を設けているとき、レーザビームの記録光量の最大値に制限がある場合や、光記録媒体の記録感度にばらつきがある場合には、記録光量を最大としても、第1の領域11、第4の領域14における信号振幅が閾値である所定の信号振幅まで減少しないことがある。このときには、第3の領域13、第2の領域12における信号振幅の変化のみを用いて、トラックTr(n)、Tr(n+1)の最適記録光量を決定する。
【0221】
なお、ここでは、第1の領域11、第4の領域14における信号振幅が閾値である所定の信号振幅まで減少しない場合に、第3の領域13、第2の領域12における信号振幅の変化から最適記録光量を求めるとしているが、はじめから第3の領域13、第2の領域12における信号振幅の変化により求めるようにしてもよい。
【0222】
以上のように、本実施の形態では、トラックTr(n−1)、Tr(n+2)にテストパターンを記録しているが、必ずしも必要ではない。しかしながら、トラックTr(n−1)、Tr(n+2)にテストパターンを記録しておけば、読出信号の信号振幅V(n)、V(n+1)を増大させることができる。
【0223】
本実施の形態に係る記録光量の制御は、例えば図18で示した光磁記録再生装置で行なう。以下に、図18に示す光磁気記録再生装置を使用した記録光量の制御について説明する。
【0224】
まず、テストパターン記録時は、CPU115(最適記録条件設定手段)から制御命令を含む制御信号c3が記録光量設定回路110に送られ、該記録光量設定回路110から記録光量制御信号p2が出力される。
【0225】
上記記録光量制御信号p2は、CPU115からのスイッチ命令を含む制御信号c2に基づいてスイッチ回路108を介して駆動回路105に送られ、該駆動回路105から駆動電流fが半導体レーザ102に供給される。
【0226】
半導体レーザ102は、この駆動電流fにより強いレーザビームb1を光磁気ディスク100に照射する。
【0227】
同時に、CPU115から制御命令を含む制御信号c4がテストパターン発生回路113に送られ、図9(b)に示した正転パターンと反転パターンの記録信号gが発生され、この記録信号gが駆動回路107に供給される。
【0228】
上記駆動回路107は、上記記録信号gに基づいて駆動電流hを生成し、この駆動電流hを磁気ヘッド104に供給することによって、該磁気ヘッド104(記録条件設定手段)から記録磁界が光磁気ディスク100に向かって発生され、該光磁気ディスク100に正転パターンと反転パターンとが記録される。
【0229】
なお、この装置においてCPU115、記録光量設定回路110、テストパターン発生回路113、駆動回路105、107、半導体レーザ102、磁気ヘッド104は、光記録媒体である光磁気ディスク100に情報を記録するための記録手段を構成している。
【0230】
次に、読出信号の振幅検出について説明する。
【0231】
再生光量設定回路109は、CPU115からのスイッチ命令を含む制御信号c2により制御されたスイッチ回路108を介して再生光量制御信号p1を駆動回路105に供給する。
【0232】
そして、駆動回路105は、再生光量制御信号p1に基づいて駆動電流fを生成し、半導体レーザ102に供給する。このときの半導体レーザ102からは、前記の記録時よりも弱いレーザビームb1が光磁気ディスク100に照射される。
【0233】
光磁気ディスク100にて反射された反射光b2は、フォトダイオード103へ導かれる。光磁気ディスク100から読み出された読出信号r1は増幅器106によって増幅され、読出信号r2がA/D変換器111とクロック抽出回路112とに入力される。
【0234】
上記クロック抽出回路112は、再生信号である読出信号r2から後述する外部クロックcを生成し、テストパターン発生回路113に送る。これにより、正転パターンと隣接トラックの反転パターンとが同期して記録される。
【0235】
また、クロック抽出回路112からの外部クロックcは、A/D変換器111にも送られ、該A/D変換器111にて読出信号r2がデジタル値dに変換される。このデジタル値dは、CPU115に送られ、該CPU115にて読出信号r2の振幅の検出に使用される。
【0236】
なお、この装置において、CPU115、フォトダイオード103、増幅器106、A/D変換器111は、光磁気ディスク100に記録された情報を読み出すための読出手段を構成している。
【0237】
また、上記フォトダイオード103、半導体レーザ102、および、磁気ヘッド104は、上述したように、破線で囲まれたピックアップ101に備えられている。したがって、CPU115から、制御命令を含む制御信号c1がピックアップ駆動装置114に送られると、図9(b)に示したトラックTr(n)、Tr(n+2)、隣接トラックTr(n−1)、Tr(n+1)にレーザビームb1を移動させて照射できるように、ピックアップ101を駆動する。
【0238】
上記CPU115は、制御命令を含む制御信号c3によって記録光量を順次増加させ、制御命令を含む制御信号c1によって所定のトラックに光ビームを移動しながら、制御命令を含む制御信号c4によって正転パターンを記録させる。
【0239】
また、CPU115は、制御命令を含む制御信号c2によってレーザビームb1を再生光量に設定し、入力されるデジタル値dに基づいて読出信号r2の信号振幅を検出する。
【0240】
そして、CPU115は、記録光量毎の信号振幅を順次記憶し、所望条件を満たす記録光量を最適な記録光量に決定する。
【0241】
ここで、上記クロック抽出回路112の詳細について、図11(a)ないし(c)を参照しながら以下に説明する。
【0242】
図11(a)は、図18におけるクロック抽出回路112を説明する図である。クロック抽出回路112内には、差動増幅器112a、ヒステリシスコンパレータ112b、PLL回路112cが直列に接続されている。
【0243】
すなわち、上記クロック抽出回路112において、光磁気ディスク100からの反射光b2は、フォトダイオード103内の2分割フォトディテクタ103aに入力される。この2分割フォトディテクタ103aからの2つの出力信号r2a、r2bは、クロック抽出回路112における差動増幅器112aに入力されることにより、所謂プッシュプル方式のトラックエラー信号jを得る。このトラックエラー信号jには、後述する基準マーク58(図11(b))からの読出信号が含まれている。
【0244】
上記基準マーク58を検出するために、ヒステリシスコンパレータ112bは、トラックエラー信号jと接地レベルとを比較し、基準マーク検出信号kを生成する。ヒステリシスコンパレータ112bは、得られた基準マーク検出信号kをPLL回路112cに入力することにより、基準マーク58に同期した外部クロックcが、PLL回路112cから出力される。
【0245】
図11(b)および(c)は、図11(a)におけるクロック抽出回路112の動作を説明する波形図である。
【0246】
図11(b)において、トラックへの記録パターンである正転パターン、反転パターンは、ランド59、グルーブ60のそれぞれのトラックに記録される。ここでは、説明の便宣上、トラックTr(n)をグルーブ60、トラックTr(n+1)をランド59とし、トラックTr(n−1)、Tr(n+2)は省略する。
【0247】
トラックに沿った方向には、基準マーク58とテストパターン記録領域57とが交互に繰り返し配置され、テストパターン記録領域57には、正転パターンや反転パターンの記録マーク56が記録される。
【0248】
すなわち、光磁気ディスクには、ランド59とグルーブ60とに挟まれた側壁62を周期的に蛇行させることにより、該光磁気ディスクの物理的な基準位置を示すための消去不可能な基準マーク58が外設されている。ここでは、ランド59とグルーブ60とに挟まれた側壁62のみ蛇行させ、反対の側壁63と64とを蛇行させないことにより、トラックの直角方向に隣接する基準マーク(図示せず)とのクロストークが低減される。
【0249】
テストパターン記録領域57は、この基準マーク58によって区切られた領域を単位として設けられている。例えば、グルーブ60を光スポット61でトラッキングすると、図11(c)に示すように、トラックエラー信号jには、基準マーク58からの読出信号が含まれる。これを2値化すると、基準マーク検出信号kが得られる。この基準マーク検出信号kを、上記PLL回路112cに入力することにより、基準マーク58に同期した外部クロックcが得られる。
【0250】
なお、ここで示した装置は、本発明におけるすべての実施の形態の記録条件設定方法において使用できる。また、ここでは、外部クロックcを用いた装置について述べたが、これに限らず、他の手段により生成されたクロックを用いても、同様に実施することが可能である。
【0251】
次に、本実施の形態に係る具体的な記録条件設定方法について、図12に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0252】
まず、予めトラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第1の領域11とトラックTr(n)、Tr(n+2)の第2の領域12とに、高い記録光量により、反転パターンを記録する(ステップS31)。
【0253】
次に、トラックTr(n)、Tr(n+2)の第3の領域13とトラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第4の領域14とに、記録光量を変化させながら正転パターンを記録する(ステップS32)。
【0254】
以後の処理は、前記実施の形態1の図3に示すステップS3以降と同じであり、図3に示すフローチャートのステップS7以降は、前記実施の形態1の図5に示すフローチャートのステップS10以降と同じであり、これによってトラックTr(n)とTr(n+1)の最適記録光量が決定される。
【0255】
(実施の形態4)
本発明のさらに他の実施の形態について、図13ないし図15に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態の記録光量の制御は、図18に示す光磁気記録再生装置において行なわれるものとする。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1ないし3と同様の部分については、その説明を省略または簡略化する。
【0256】
前記実施の形態3では、隣接トラックに予め反転パターンを記録することにより、信号振幅の変化を高感度で検出する方法および装置について説明した。
【0257】
これに対して、本実施の形態では、さらに感度を上げて信号振幅の変化を検出する方法について説明する。
【0258】
上記検出方法について、図13(a)ないし(c)を参照しながら以下に説明する。
【0259】
図13(a)において、まず、事前にトラックTr(n)の第3の領域13とトラックTr(n+1)の第4の領域14に高い光量の光ビームより、幅の広い記録マーク70、71を記録する。なお、このときの記録光量は、後述する消し残りが発生しさえすればよいので、過度に低い光量以外であればよいが、さらに望ましくは、通常よりも高めの光量を用いて、上述のようにトラックTr(n)、Tr(n+1)の幅よりも広い記録マークを記録した方がよい。ただし、この記録マーク70、71の記録パターンは、反転パターンである。
【0260】
図13(b)以降は、前記実施の形態3の図9(b)以降と同様の処理を施す。
【0261】
つまり、図13(b)において、トラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第1の領域11とトラックTr(n)、Tr(n+2)の第2の領域12とに高い記録光量の光ビームにより、幅の広い記録マーク30、31を記録する。この記録マーク30、31の記録パターンは反転パターンである。これにより、トラックTr(n)の第3の領域13とTr(n+1)の第4の領域14に予め記録されていた幅の広い記録マーク70、71は、その端部が削られ、幅の狭い記録マーク72、73となる。
【0262】
次に、図13(c)において、トラックTr(n)、Tr(n+2)の第3の領域13とトラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第4の領域14に記録光量を変化させながら、正転パターンの記録マーク32、33を記録する。このとき、トラックTr(n)の第3の領域13に着目すると、図13(b)の反転パターンである記録マーク72上に、正転パターンである記録マーク32をオーバーライトしている。同様に、トラックTr(n+1)の第4の領域14の反転パターンである記録マーク73上に、正転パターンである記録マーク33をオーバーライトしている。
【0263】
図13(c)において、記録光量が低い場合は、反転パターンの消し残りが発生しやすく、残った成分により正転パターンの信号振幅は低下する。この低下量は、記録光量が低く、消し残りが大きいほど大きく、そして消し残りのパターンが反転パターンに近いほど大きくなる。
【0264】
ここで、図14を用いて、信号振幅の低下について説明する。
【0265】
図14に示すグラフから、トラックTr(n)の第3の領域13とトラックTr(n+1)の第4の領域14に事前に反転パターンが記録されてない場合(実施の形態3)の信号振幅は、実線a5で示すように、記録光量を上げるに従って次第に増加しているのが分かる。これに対して、本実施の形態のように、事前に反転パターンが記録されている場合には、記録光量が低いとき、図14に示すグラフの破線a6で示すように、反転パターンの消し残りによって信号量がさらに減少していることが分かる。これは、記録光量が低ければ低いほど、消し残りが大きくなり、信号振幅は大幅に減少することを示している。
【0266】
したがって、本実施の形態の方法では、トラックTr(n)の第3の領域13とトラックTr(n+1)の第4の領域14に事前に反転パターンが記録されていない場合に比べて、信号振幅の変化量が大きくなり、さらに高い感度によって最適値を検出することができる。
【0267】
なお、トラックTr(n−1)、Tr(n+1)の第1の領域11、トラックTr(n)、Tr(n+2)の第2の領域12に反転パターンを記録せず、トラックTr(n)の第3の領域13、トラックTr(n+1)の第4の領域14にのみ予め高い記録光量で反転パターンを記録しても、同じように信号振幅の変化量が大きくなるという効果が得られる。
【0268】
ここで、図13(a)〜(c)に示した記録条件制御の動作について、図15に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0269】
まず、事前にトラックTr(n)の第3の領域13、トラックTr(n+1)の第4の領域14に高い記録光量により、反転パターンを記録する(ステップS41)。以後の処理は、前記実施の形態3の図12に示すフローチャートのステップS31以降と全く同様であり、これによって、最適記録光量が決定される。
【0270】
(実施の形態5)
本発明のさらに他の実施の形態について、図16および図17に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態の記録光量の制御は、図18に示す光磁気記録再生装置において行なわれるものとする。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1ないし4と同様の部分については、その説明を省略または簡略化する。
【0271】
前記実施の形態1ないし4では、トラックTr(n)、Tr(n+1)の信号振幅の両方を検出する方法について説明した。
【0272】
本実施の形態では、処理の高速化のため、トラックTr(n)、Tr(n+1)の最適記録条件を求めるのにトラックTr(n)、Tr(n+1)のいずれかの信号振幅の変化のみを検出する方法について説明する。なお、本実施の形態において、各トラックに記録されるテストパターンは、前記実施の形態4と同じテストパターンとする。
【0273】
トラックTr(n)を再生し、まず、第3の領域13の信号振幅の変化より、トラックTr(n)の第3の領域13に記録された正転パターンのマークの幅を知ることができる。そして、第2の領域12の信号振幅の変化より、隣接トラックTr(n+1)の第4の領域14に記録された正転パターンのマークの滲み出しの影響を知ることができる。
【0274】
図16(a)において、第3の領域13の信号振幅の変化V31の最大値よりも少し小さい信号振幅A4を与える記録光量Px3を検出する。そして、その記録光量Px3に記録マークが隣接トラックへ滲み出さない程度の所定の記録光量Py3を加算することにより、トラックTr(n)への最適記録光量Pz3(=Px3+Py3)を求める。
【0275】
図16(b)において、第2の領域12の信号振幅の変化V32より、記録光量(例えば信号振幅の変化V32が所定の信号振幅A5以下となった光量)を検出し、その記録光量Px4に演算を加えること(例えば、所定の記録光量Py4を減算する(Px4−Py4)、所定係数を乗算するなど)により、トラックTr(n)にマークの滲み出しの影響を与えないトラックTr(n+1)への最適記録光量Pz4を決定することができる。
【0276】
以上の方法では、トラックTr(n)の再生信号振幅より、トラックTr(n)に記録したパターンの幅と、隣接トラックTr(n+1)への記録によるトラックTr(n)へ滲み出しの影響を求めるため、トラックTr(n)とTr(n+1)とに記録感度の相違がある場合でも、トラックTr(n)、Tr(n+1)の記録条件を正確に、処理時間を短縮して求めることができる。
【0277】
なお、上ではトラックTr(n)を再生する方法について述べたが、トラックTr(n+1)の第1の領域11と第4の領域14の信号振幅の変化からも、図17(a)(b)のように、隣接トラックTr(n)の第3の領域13に記録された正転パターンの滲み出しの影響と、トラックTr(n+1)の第4の領域14に記録された正転パターンのマークの幅を知ることができるため、トラックTr(n)とTr(n+1)とに記録感度の相違がある場合でも、トラックTr(n)、Tr(n+1)の記録条件を正確に、処理時間を短縮して求めることができる。
【0278】
以上、各実施の形態において、本発明について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、例えば、記録磁界強度の最適化にも適用できる。また、磁界変調記録を例に挙げて説明したが、光変調記録においても同様に記録マークの幅の変化を信号振幅によって検出できるため、高感度で記録光量の最適値を求めることができる。
【0279】
また、読出信号の検出量として、信号振幅を例に挙げて説明したが、ジッタやエラーを用いても、記録条件を設定したい特定トラックに実際に記録を行い、その特定トラックからの再生信号として十分な再生信号が得られる条件、および、隣接トラックからの再生信号によりクロストークの生じない条件を求めることができるため、隣接するトラック間に記録感度の相違が生じていたとしても適切な記録条件を求めることが可能となる。
【0280】
また、セクタ毎に記録条件を変化させ、最適記録光量を求めることができる。また、1セクタ内に複数の記録条件を与えることにより、最適記録光量を求めることができる。
【0281】
なお、以上の実施の形態では、外部クロック抽出のための基準マークとして、ランドとグルーブとに挟まれた側壁を用いているが、基準マークとして事前に光記録媒体に記録された形態であればよい。
【0282】
また、以上の実施の形態では、外部クロック抽出にプッシュプル信号を用いているが、タンジェンシャルプッシュプル信号やRF和信号等、基準マークを検出できる信号であれば、いずれでもよい。
【0283】
さらに、以上のすべての実施の形態の説明は、光磁気記録を対象としていたが、これに限らず、相変化記録等の他の光記録媒体においても同様に実施することが可能である。
【0284】
また、本発明の光記録方法は、光記録媒体に情報を記録する光記録方法において、大きな記録マークを形成できる予め決められた記録条件で、光記録媒体の第1トラックにおける第1の領域に第1テストパターンを記録し、大きな記録マークを形成できる予め決められた記録条件で、第1トラックと隣接する第2トラックにおける第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に第2テストパターンを記録し、第1テストパターンの記録後に、第2トラックにおける第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、第2テストパターンの記録後に、第1トラックにおける第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録し、前記複数の記録条件それぞれに対応して、第1トラックを再生して、第1の領域から第1読出信号を、第4の領域から第4読出信号を検出し、第2トラックを再生して、第3の領域から第3読出信号を、第2の領域から第2読出信号を検出し、前記複数の記録条件と、第1読出信号及び第3読出信号と、に基づき、第2トラックにおける最適記録条件を決定し、前記複数の記録条件と、第2読出信号及び第4読出信号と、に基づき、第1トラックにおける最適記録条件を決定し、該最適記録条件で、第1トラック及び第2トラックに情報を記録することを特徴とする。
【0285】
また、本発明の他の光記録方法は、光記録媒体に情報を記録する光記録方法において、大きな記録マークを形成できる予め決められた記録条件で、光記録媒体の第1トラックの第1の領域に第1テストパターンを記録し、大きな記録マークを形成できる予め決められた記録条件で、第1トラックと隣接する第2トラックにおける第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に第2テストパターンを記録し、第1テストパターンの記録後に、第2トラックにおける第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、第2テストパターンの記録後に、第1トラックにおける第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録し、前記複数の記録条件それぞれに対応して、第1トラックを再生して、第1の領域から第1読出信号を、第4の領域から第4読出信号を検出し、第1読出信号が所望状態となる記録条件である第1記録条件を求め、その第1記録条件に対して演算を加えることで、第1記録条件よりも小さな記録マークが形成できる記録条件を求めて、第2トラックにおける最適記録条件とし、第4読出信号が所望状態となる記録条件である第4記録条件を求め、その第4記録条件に対して演算を加えることで、第4記録条件よりも大きな記録マークが形成できる記録条件を求めて、第1トラックにおける最適記録条件とし、該最適記録条件で、第1トラック及び第2トラックに情報を記録することを特徴とする。
【0286】
本発明のさらに他の光記録方法は、光記録媒体に情報を記録する光記録方法において、大きな記録マークを形成できる予め決められた記録条件で、光記録媒体の第1トラックの第1の領域に第1テストパターンを記録し、大きな記録マークを形成できる予め決められた記録条件で、第1トラックと隣接する第2トラックにおける第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に第2テストパターンを記録し、第1テストパターンの記録後に、第2トラックにおける第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、第2テストパターンの記録後に、第1トラックにおける第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録し、前記複数の記録条件それぞれに対応して、第2トラックを再生して、第3の領域から第3読出信号を検出し、第2の領域から第2読出信号を検出し、第3読出信号が所望状態となる記録条件である第3記録条件を求め、その第3記録条件に対して演算を加えることで、第3記録条件よりも大きな記録マークが形成できる記録条件を求めて、第2トラックにおける最適記録条件とし、第2読出信号が所望状態となる記録条件である第2記録条件を求め、その第2記録条件に対して演算を加えることで、第2記録条件よりも小さな記録マークが形成できる記録条件を求めて、第1トラックにおける最適記録条件とし、該最適記録条件で、第1トラック及び第2トラックに情報を記録することを特徴とする。
【0287】
本発明のさらに他の光記録方法は、第1読出信号が所望状態に到達しないときには、第3読出信号が所望状態となる記録条件である第3記録条件を求め、その第3記録条件に対して演算を加えることで、第3記録条件よりも大きな記録マークが形成できる記録条件を求めて、第2トラックにおける最適記録条件とすることを特徴とする。
【0288】
本発明のさらに他の光記録方法は、第2読出信号が所望状態に到達しないときには、第4読出信号が所望状態となる記録条件である第4記録条件を求め、その第4記録条件に対して演算を加えることで、第4記録条件よりも大きな記録マークが形成できる記録条件を求めて、第1トラックにおける最適記録条件とすることを特徴とする。
【0289】
本発明のさらに他の光記録方法は、第1読出信号が所望状態となる記録条件である第1記録条件を求め、その第1記録条件に対して演算を加えることで、第1記録条件よりも小さな記録マークが形成できる記録条件を求めて、第2トラックにおける最適記録条件とすることを特徴とする。
【0290】
本発明のさらに他の光記録方法は、第2読出信号が所望状態となる記録条件である第2記録条件を求め、その第2記録条件に対して演算を加えることで、第2記録条件よりも小さな記録マークが形成できる記録条件を求めて、第1トラックにおける最適記録条件とすることを特徴とする。
【0291】
本発明の光記録装置は、光記録媒体に、少なくとも光ビームを照射して、情報を記録する光記録装置において、大きな記録マークを形成できる予め決められた記録条件で、光記録媒体の第1トラックの第1の領域に第1テストパターンを記録し、大きな記録マークを形成できる予め決められた記録条件で、第1トラックと隣接する第2トラックにおける第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に第2テストパターンを記録し、第1テストパターンの記録後に、第2トラックにおける第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、第2テストパターンの記録後に、第1トラックにおける第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録する記録手段と、前記複数の記録条件それぞれに対応して、第1トラックを再生して、第1の領域から第1読出信号を検出し、第4の領域から第4読出信号を検出し、第2トラックを再生して、第3の領域から第3読出信号を検出し、第2の領域から第2読出信号を検出する読み出し手段と、前記複数の記録条件と、第1読出信号及び第3読出信号と、に基づき、第2トラックにおける最適記録条件を決定し、前記複数の記録条件と、第2読出信号及び第4読出信号と、に基づき、第1トラックにおける最適記録条件を決定する最適記録条件設定手段と、を具備することを特徴とする。
【0292】
本発明の他の光記録装置は、光記録媒体に、少なくとも光ビームを照射して、情報を記録する光記録装置において、大きな記録マークを形成できる予め決められた記録条件で、光記録媒体の第1トラックの第1の領域に第1テストパターンを記録し、大きな記録マークを形成できる予め決められた記録条件で、第1トラックと隣接する第2トラックにおける第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に第2テストパターンを記録し、第1テストパターンの記録後に、第2トラックにおける第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、第2テストパターンの記録後に、第1トラックにおける第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録する記録手段と、前記複数の記録条件それぞれに対応して、第1トラックを再生して、第1の領域から第1読出信号を検出し、第4の領域から第4読出信号を検出する読み出し手段と、第1読出信号が所望状態となる記録条件である第1記録条件を求め、その第1記録条件に対して演算を加えることで、第1記録条件よりも小さな記録マークが形成できる記録条件を求めて、第2トラックにおける最適記録条件を決定し、第4読出信号が所望状態となる記録条件である第4記録条件を求め、その第4記録条件に対して演算を加えることで、第4記録条件よりも大きな記録マークが形成できる記録条件を求めて、第1トラックにおける最適記録条件を決定する最適記録条件設定手段と、を具備することを特徴とする。
【0293】
本発明のさらに他の光記録装置は、光記録媒体に、少なくとも光ビームを照射して、情報を記録する光記録装置において、大きな記録マークを形成できる予め決められた記録条件で、光記録媒体の第1トラックの第1の領域に第1テストパターンを記録し、大きな記録マークを形成できる予め決められた記録条件で、第1トラックと隣接する第2トラックにおける第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に第2テストパターンを記録し、第1テストパターンの記録後に、第2トラックにおける第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、第2テストパターンの記録後に、第1トラックにおける第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録する記録手段と、前記複数の記録条件それぞれに対応して、第2トラックを再生して、第3の領域から第3読出信号を検出し、第2の領域から第2読出信号を検出する読み出し手段と、第3読出信号が所望状態となる記録条件である第3記録条件を求め、その第3記録条件に対して演算を加えることで、第3記録条件よりも大きな記録マークが形成できる記録条件を求めて、第2トラックにおける最適記録条件を決定し、第2読出信号が所望状態となる記録条件である第2記録条件を求め、その第2記録条件に対して演算を加えることで、第2記録条件よりも小さな記録マークが形成できる記録条件を求めて、第1トラックにおける最適記録条件を決定する最適記録条件設定手段と、を具備することを特徴とする。
【0294】
本発明のさらに他の光記録装置は、第11の発明の光記録装置において、第1読出信号が所望状態に到達しないときには、第3読出信号が所望状態となる記録条件である第3記録条件を求め、その第3記録条件に対して演算を加えることで、第3記録条件よりも大きな記録マークが形成できる記録条件を求めて、第2トラックにおける最適記録条件を決定する最適記録条件設定手段と、を具備することを特徴とする。
【0295】
上記第2読出信号が所望状態に到達しないときには、第4読出信号が所望状態となる記録条件である第4記録条件を求め、その第4記録条件に対して演算を加えることで、第4記録条件よりも大きな記録マークが形成できる記録条件を求めて、第1トラックにおける最適記録条件を決定する最適記録条件設定手段と、を具備することを特徴とする。
【0296】
上記第1読出信号が所望状態となる記録条件である第1記録条件を求め、その第1記録条件に対して演算を加えることで、第1記録条件よりも小さな記録マークが形成できる記録条件を求めて、第2トラックにおける最適記録条件を決定する最適記録条件設定手段と、を具備することを特徴とする。
【0297】
上記第2読出信号が所望状態となる記録条件である第2記録条件を求め、その第2記録条件に対して演算を加えることで、第2記録条件よりも小さな記録マークが形成できる記録条件を求めて、第1トラックにおける最適記録条件を決定する最適記録条件設定手段と、を具備することを特徴とする。
【0298】
以上の光記録方法および光記録装置においても、隣接するトラックがランド・グルーブのように、それぞれのトラック間に記録感度の差が生じていても、これら2つのトラックに対する最適記録条件を求めることができる。それゆえ、各トラックの最適記録条件を求めれば、各トラックにおける記録マーク幅を最適に制御することができるので、信号再生時のトラック間のクロストークや、信号記録時のクロスイレーズを最小に抑え、トラックの高密度化を実現できる。
【0299】
【発明の効果】
本発明の第1の光記録方法は、以上のように、光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報の記録を行なう光記録方法において、上記光記録媒体の隣接する2つのトラックに対して、それぞれ隣接しない領域に複数の記録条件でテストパターンを記録し、少なくとも一方のトラックを再生して得られた信号に基づいて、上記2つのトラックの最適記録条件を設定し、各トラックに、それぞれの最適記録条件により情報を記録する構成である。
【0300】
それゆえ、2つのトラックのうち、特定トラックの記録感度は、テストパターンが記録された領域と、特定トラックに隣接するトラックにおいて、テストパターンが記録された領域に隣接する、テストパターンが記録されていない領域を読み出すことで検出できる。また、特定トラックに隣接するトラックの記録感度は、テストパターンが記録された領域と、隣接する特定トラックにおいて、テストパターンが記録された領域に隣接する、テストパターンが記録されていない領域を読み出すことで検出できる。
【0301】
これにより、特定トラックおよび隣接トラックの少なくとも一方の再生信号によって、例えば隣接するトラックがランド・グルーブのように、それぞれのトラック間に記録感度の差が生じていても、これら2つのトラックに対する最適記録条件を求めることができる。
【0302】
以上のようにして、各トラックの最適記録条件を求めれば、各トラックにおける記録マーク幅を最適に制御することができるので、信号再生時のトラック間のクロストークや、信号記録時のクロスイレーズを最小に抑え、トラックの高密度化を実現できるという効果を奏する。
【0303】
本発明の第2の光記録方法は、以上のように、光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報の記録を行なう光記録方法において、上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第1トラックを再生して、第1の領域から第1読出信号を検出するとともに、第4の領域から第4読出信号を検出し、上記第2トラックを再生して、第2の領域から第2読出信号を検出するとともに、第3の領域から第3読出信号を検出し、上記第1読出信号および第4読出信号とに基づいて、第1トラックに対する最適記録条件を決定し、上記第2読出信号と第3読出信号とに基づいて、第2トラックに対する最適記録条件を決定し、各トラックに、それぞれの最適記録条件により情報を記録する構成である。
【0304】
それゆえ、隣接するトラック間に記録感度の相違が生じていても各トラック毎に最適な記録条件を求めることが可能となり、この最適な記録条件によって各トラックに情報を記録するようにすれば、信号再生時のトラック間のクロストークや、信号記録時のトラック間のクロスイレーズを最小に抑えることができるので、トラックの高密度化を実現できるという効果を奏する。
【0305】
上記第1読出信号が所定の値となる第1記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークを形成する記録条件を求め、この記録条件を上記第2トラックに対する最適記録条件としてもよい。
【0306】
この場合、第1読出信号は、第2トラックの第3の領域に記録された第3テストパターンの記録マークの影響を受けた信号となっているので、第1読出信号が所定の値となる第1記録条件によって形成される記録マークは、第3テストパターンの記録マークの影響を受けたものとなる。
【0307】
したがって、この記録マークよりも小さな記録マークを形成する記録条件とは、第1読出信号が第3テストパターンの記録マークの影響をできるだけ小さくした場合の記録条件、すなわち第2トラックに対する最適記録条件となる。
【0308】
このように、第1トラックの第1読出信号により第2トラックの最適記録条件を求めるようにすれば、第1トラックの再生のみで最適記録条件を求めることができるので、処理にかかる時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0309】
そして、上記第1読出信号が所定の値に到達しないときには、上記第3読出信号が所定の値となる第3記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークを形成する記録条件を求めて、この記録条件を上記第2トラックに対する最適記録条件としてもよい。
【0310】
また、上記第2読出信号が所定の値となる第2記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークを形成する記録条件を求め、この記録条件を上記第1トラックに対する最適記録条件としてもよい。
【0311】
この場合、第2読出信号は、第1トラックの第4の領域に記録された第4テストパターンの記録マークの影響を受けた信号となっているので、第2読出信号が所定の値となる第2記録条件によって形成される記録マークは、第4テストパターンの記録マークの影響を受けたものとなる。
【0312】
したがって、この記録マークよりも小さな記録マークを形成する記録条件とは、第2読出信号が第4テストパターンの記録マークの影響をできるだけ小さくした場合の記録条件、すなわち第1トラックに対する最適記録条件となる。
【0313】
このように、第2トラックの第2読出信号により第1トラックの最適記録条件を求めるようにすれば、第2トラックの再生のみで最適記録条件を求めることができるので、処理にかかる時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0314】
そして、上記第2読出信号が所定の値に到達しないときには、上記第4読出信号が所定の値となる第4記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークを形成する記録条件を求めて、この記録条件を上記第1トラックに対する最適記録条件としてもよい。
【0315】
本発明の第3の光記録方法は、以上のように、光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報の記録を行なう光記録方法において、上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第1トラックを再生し、第1の領域から第1読出信号を検出するとともに、第4の領域から第4読出信号を検出し、上記第1読出信号が所定の値となる第1記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第2トラックにおける最適記録条件とし、上記第4読出信号が所定の値となる第4記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第1トラックにおける最適記録条件とし、上記光記録媒体の各トラックに、それぞれの最適記録条件により情報を記録する構成である。
【0316】
それゆえ、第1トラックを再生して第1読出信号および第4読出信号を検出するだけで、第1トラックと第2トラックに対するそれぞれの最適記録条件を求めることができるので、最適記録条件を決定するまでの処理に係る時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0317】
本発明の第4の光記録方法は、以上のように、光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報の記録を行なう光記録方法において、上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第2トラックを再生し、第2の領域から第2読出信号を検出するとともに、第3の領域から第3読出信号を検出し、上記第2読出信号が所定の値となる第2記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第1トラックにおける最適記録条件とし、上記第3読出信号が所定の値となる第3記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第2トラックにおける最適記録条件とし、上記光記録媒体の各トラックに、それぞれの最適記録条件により情報を記録する構成である。
【0318】
それゆえ、第2トラックを再生して第2読出信号および第3読出信号を検出するだけで、第1トラックと第2トラックに対するそれぞれの最適記録条件を求めることができるので、最適記録条件を決定するまでの処理に係る時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0319】
上記読出信号の検出量として、信号振幅を用いてもよいし、ジッタを用いてもよいし、エラーを用いてもよい。
【0320】
この場合、読出信号の検出量として、何れのものを用いても、記録条件を設定したい特定トラックに実際に記録を行い、その特定トラックからの再生信号として十分な再生信号が得られる条件、および、隣接トラックからの再生信号によりクロストークの生じない条件を求めることができるため、隣接するトラック間に記録感度の相違が生じていたとしても適切な記録条件を求めることができるという効果を奏する。
【0321】
本発明の第1の光記録方法を実現する本発明の第1の光記録装置として、例えば、光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報の記録を行なう光記録装置において、上記光記録媒体の隣接する2つのトラックに対して、それぞれ隣接しない領域に複数の記録条件でテストパターンを記録する記録手段と、上記記録手段によって記録されたテストパターンを含む各トラックを再生する再生手段と、上記2つのトラックの再生信号の、少なくとも一方の再生信号に基づいて、上記2つのトラックの最適記録条件を設定する最適記録条件設定手段とを備えている構成のものが考えられる。
【0322】
この光記録装置によっても、特定トラックおよび隣接トラックの少なくとも一方の再生信号によって、それぞれのトラック間に記録感度の差が生じていても、これら2つのトラックに対する最適記録条件を求めることができるので、各トラックの最適記録条件を求めれば、各トラックにおける記録マーク幅を最適に制御することができ、この結果、信号再生時のトラック間のクロストークや、信号記録時のクロスイレーズを最小に抑え、トラックの高密度化を実現できるという効果を奏する。
【0323】
また、本発明の第2の光記録方法を実現する本発明の第2の光記録装置として、例えば、光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報を記録する光記録装置において、上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録する記録手段と、上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第1トラックを再生し、第1の領域から第1読出信号を検出するとともに、第4の領域から第4読出信号を検出し、上記第2トラックを再生し、第2の領域から第2読出信号を検出するとともに、第3の領域から第3読出信号を検出する信号検出手段と、上記第1読出信号および第4読出信号とに基づいて、第1トラックに対する最適記録条件を決定し、上記第2読出信号と第3読出信号とに基づいて、第2トラックに対する最適記録条件を決定する最適記録条件設定手段とを備えたものが考えられる。
【0324】
この光記録装置によっても、特定トラックおよび隣接トラックの少なくとも一方の再生信号によって、それぞれのトラック間に記録感度の差が生じていても、これら2つのトラックに対する最適記録条件を求めることができるので、各トラックの最適記録条件を求めれば、各トラックにおける記録マーク幅を最適に制御することができ、この結果、信号再生時のトラック間のクロストークや、信号記録時のクロスイレーズを最小に抑え、トラックの高密度化を実現できるという効果を奏する。
【0325】
また、本発明の第3の光記録方法を実現する本発明の第3の光記録装置装置として、例えば、光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報を記録する光記録装置において、上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録する記録手段と、上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第1トラックを再生し、第1の領域から第1読出信号を検出するとともに、第4の領域から第4読出信号を検出する信号検出手段と、上記第1読出信号が所定の値となる第1記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第2トラックにおける最適記録条件を決定し、上記第4読出信号が所定の値となる第4記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第1トラックにおける最適記録条件を決定する最適記録条件設定手段とを備えたものが考えられる。
【0326】
この光記録装置によっても、特定トラックおよび隣接トラックの少なくとも一方の再生信号によって、それぞれのトラック間に記録感度の差が生じていても、これら2つのトラックに対する最適記録条件を求めることができるので、各トラックの最適記録条件を求めれば、各トラックにおける記録マーク幅を最適に制御することができ、この結果、信号再生時のトラック間のクロストークや、信号記録時のクロスイレーズを最小に抑え、トラックの高密度化を実現できるという効果を奏する。
【0327】
さらに、本発明の第4の光記録方法を実現する本発明の第4の光記録装置として、例えば、光記録媒体に対して、最適記録条件によって、少なくともレーザ光を照射することにより情報を記録する光記録装置において、上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録する記録手段と、上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第2トラックを再生し、第2の領域から第2読出信号を検出するとともに、第3の領域から第3読出信号を検出する信号検出手段と、上記第2読出信号が所定の値となる第2記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第1トラックにおける最適記録条件を決定し、上記第3読出信号が所定の値となる第3記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第2トラックにおける最適記録条件を決定する最適記録条件設定手段とを備えているものが考えられる。
【0328】
この光記録装置によっても、特定トラックおよび隣接トラックの少なくとも一方の再生信号によって、それぞれのトラック間に記録感度の差が生じていても、これら2つのトラックに対する最適記録条件を求めることができるので、各トラックの最適記録条件を求めれば、各トラックにおける記録マーク幅を最適に制御することができ、この結果、信号再生時のトラック間のクロストークや、信号記録時のクロスイレーズを最小に抑え、トラックの高密度化を実現できるという効果を奏する。
【0329】
また、上記光記録方法および光記録装置において使用される光記録媒体としては、上記第1トラックが、ランドかグルーブのどちらか一方に形成されたトラックであり、上記第2トラックは、その他方に形成されたトラックである、ランド/グルーブの両方に情報を記録可能な光記録媒体であってもよい。
【0330】
この場合には、ランド/グルーブの両方を情報の記録トラックとして使用しているので、情報を高密度に記録することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の実施の一形態に係る光記録方法における記録条件の制御を示す説明図である。
【図2】(a)(b)は、図1に示す光記録方法により光記録媒体の各トラックに記録されたテストパターンを読み出した読出信号の振幅の変化を示すグラフである。
【図3】図1に示す光記録方法による記録条件の制御の流れを示すフローチャートである。
【図4】(a)(b)は、本発明の他の実施の形態に係る光記録方法により光記録媒体の各トラックに記録されたテストパターンを読み出した読出信号の振幅の変化を示すグラフである。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る光記録方法による記録条件の制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】(a)〜(c)は、本発明のさらに他の実施の形態に係る光記録方法における記録条件の制御を示す説明図である。
【図7】(a)(b)は、図6に示す光記録方法により光記録媒体の各トラックに記録されたテストパターンを読み出した読出信号の振幅の変化を示すグラフである。
【図8】図6に示す光記録方法による記録条件の制御の流れを示すフローチャートである。
【図9】(a)〜(c)は、本発明のさらに他の実施の形態に係る光記録方法における記録条件の制御を示す説明図である。
【図10】(a)(b)は、図9に示す光記録方法により光記録媒体の各トラックに記録されたテストパターンを読み出した読出信号の振幅の変化を示すグラフである。
【図11】(a)〜(c)は、本発明の光記録装置に備えられたクロック抽出回路の動作を示す説明図である。
【図12】図9に示す光記録方法による記録条件の制御の流れを示すフローチャートである。
【図13】(a)〜(c)は、本発明のさらに他の実施の形態に係る光記録方法による記録条件の制御を示す説明図である。
【図14】図13に示す光記録方法により光記録媒体の各トラックに記録されたテストパターンを読み出した読出信号の振幅の変化を示すグラフである。
【図15】図13に示す光記録方法による記録条件の制御の流れを示すフローチャートである。
【図16】(a)(b)は、図13に示す光記録方法により光記録媒体のトラックTr(n)に記録されたテストパターンを読み出した読出信号の振幅を示すグラフである。
【図17】(a)(b)は、図13に示す光記録方法により光記録媒体のトラックTr(n+1)に記録されたテストパターンを読み出した読出信号の振幅を示すグラフである。
【図18】本発明の光記録装置の概略構成ブロック図である。
【図19】(a)〜(c)は、本発明の光記録方法における記録条件の制御の原理を示す説明図である。
【符号の説明】
1 消去領域(記録マーク)
2 消去領域(記録マーク)
3 記録マーク
4 記録マーク
5 読出信号(第3読出信号)
6 読出信号(第2読出信号)
7 読出信号(第1読出信号)
8 読出信号(第4読出信号)
11 第1の領域
12 第2の領域
13 第3の領域
14 第4の領域
20 記録マーク
21 記録マーク
22 消去マーク(記録マーク)
23 消去マーク(記録マーク)
24 読出信号(第3読出信号)
25 読出信号(第2読出信号)
26 読出信号(第1読出信号)
27 読出信号(第4読出信号)
30 記録マーク
31 記録マーク
32 記録マーク
33 記録マーク
34 読出信号(第3読出信号)
35 読出信号(第2読出信号)
36 読出信号(第1読出信号)
37 読出信号(第4読出信号)
70 記録マーク
71 記録マーク
100 光磁気ディスク(光記録媒体)
102 半導体レーザ(光源)
103 フォトダイオード
104 磁気ヘッド
105 駆動回路
106 増幅器
107 駆動回路
110 記録光量設定回路
111 A/D変換器
113 テストパターン発生回路
115 CPU(最適記録条件設定手段)
Tr トラック(第1トラック、第2トラック)

Claims (16)

  1. 光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報の記録を行なう光記録方法において、
    上記光記録媒体の隣接する2つのトラックに対して、それぞれ隣接しない領域に複数の記録条件でテストパターンを記録し、少なくとも一方のトラックを再生して得られた信号に基づいて、上記2つのトラックの最適記録条件を設定し、各トラックに、それぞれの最適記録条件により情報を記録することを特徴とする光記録方法。
  2. 光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報の記録を行なう光記録方法において、
    上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、
    上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、
    上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、
    上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録し、
    上記の総てのテストパターンを記録した後、
    上記第1トラックを再生して、第1の領域から第1読出信号を検出するとともに、第4の領域から第4読出信号を検出し、上記第2トラックを再生して、第2の領域から第2読出信号を検出するとともに、第3の領域から第3読出信号を検出し、
    上記第1読出信号および第4読出信号とに基づいて、第1トラックに対する最適記録条件を決定し、上記第2読出信号と第3読出信号とに基づいて、第2トラックに対する最適記録条件を決定し、各トラックに、それぞれの最適記録条件により情報を記録することを特徴とする光記録方法。
  3. 上記第1読出信号が所定の値となる第1記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークを形成する記録条件を求め、この記録条件を上記第2トラックに対する最適記録条件とすることを特徴とする請求項2記載の光記録方法。
  4. 上記第1読出信号が所定の値に到達しないときには、上記第3読出信号が所定の値となる第3記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークを形成する記録条件を求めて、この記録条件を上記第2トラックに対する最適記録条件とすることを特徴とする請求項3記載の光記録方法。
  5. 上記第2読出信号が所定の値となる第2記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークを形成する記録条件を求め、この記録条件を上記第1トラックに対する最適記録条件とすることを特徴とする請求項2または3記載の光記録方法。
  6. 上記第2読出信号が所定の値に到達しないときには、上記第4読出信号が所定の値となる第4記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークを形成する記録条件を求めて、この記録条件を上記第1トラックに対する最適記録条件とすることを特徴とする請求項5記載の光記録方法。
  7. 光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報の記録を行なう光記録方法において、
    上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、
    上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、
    上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件でで記録し、
    上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録し、
    上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第1トラックを再生し、第1の領域から第1読出信号を検出するとともに、第4の領域から第4読出信号を検出し、
    上記第1読出信号が所定の値となる第1記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第2トラックにおける最適記録条件とし、
    上記第4読出信号が所定の値となる第4記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第1トラックにおける最適記録条件とし、
    上記光記録媒体の各トラックに、それぞれの最適記録条件により情報を記録することを特徴とする光記録方法。
  8. 光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報の記録を行なう光記録方法において、
    上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、
    上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、
    上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、
    上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録し、
    上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第2トラックを再生し、第2の領域から第2読出信号を検出するとともに、第3の領域から第3読出信号を検出し、
    上記第2読出信号が所定の値となる第2記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第1トラックにおける最適記録条件とし、
    上記第3読出信号が所定の値となる第3記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第2トラックにおける最適記録条件とし、
    上記光記録媒体の各トラックに、それぞれの最適記録条件により情報を記録することを特徴とする光記録方法。
  9. 上記読出信号の検出量として、信号振幅を用いることを特徴とする請求項2ないし8の何れかに記載の光記録方法。
  10. 上記読出信号の検出量として、ジッタを用いることを特徴とする請求項2ないし8の何れかに記載の光記録方法。
  11. 上記読出信号の検出量として、エラーを用いることを特徴とする請求項2ないし8の何れかに記載の光記録方法。
  12. 光記録媒体に対して、少なくともレーザ光を照射することにより情報の記録を行なう光記録装置において、
    上記光記録媒体の隣接する2つのトラックに対して、それぞれ隣接しない領域に複数の記録条件でテストパターンを記録する記録手段と、
    上記記録手段によって記録されたテストパターンを含む各トラックを再生する再生手段と、
    上記2つのトラックの再生信号の、少なくとも一方の再生信号に基づいて、上記2つのトラックの最適記録条件を設定する最適記録条件設定手段とを備えていることを特徴とする光記録装置。
  13. 光記録媒体に対して、最適記録条件によって、少なくともレーザ光を照射することにより情報を記録する光記録装置において、
    上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、
    上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、
    上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、
    上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録する記録手段と、
    上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第1トラックを再生し、第1の領域から第1読出信号を検出するとともに、第4の領域から第4読出信号を検出し、上記第2トラックを再生し、第2の領域から第2読出信号を検出するとともに、第3の領域から第3読出信号を検出する信号検出手段と、
    上記第1読出信号および第4読出信号とに基づいて、第1トラックに対する最適記録条件を決定し、上記第2読出信号と第3読出信号とに基づいて、第2トラックに対する最適記録条件を決定する最適記録条件設定手段とを備えていることを特徴とする光記録装置。
  14. 光記録媒体に対して、最適記録条件によって、少なくともレーザ光を照射することにより情報を記録する光記録装置において、
    上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、
    上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、
    上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、
    上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録する記録手段と、
    上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第1トラックを再生し、第1の領域から第1読出信号を検出するとともに、第4の領域から第4読出信号を検出する信号検出手段と、
    上記第1読出信号が所定の値となる第1記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第2トラックにおける最適記録条件を決定し、
    上記第4読出信号が所定の値となる第4記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第1トラックにおける最適記録条件を決定する最適記録条件設定手段とを備えていることを特徴とする光記録装置。
  15. 光記録媒体に対して、最適記録条件によって、少なくともレーザ光を照射することにより情報を記録する光記録装置において、
    上記光記録媒体の第1トラックの第1の領域に、該第1トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第1テストパターンを記録し、
    上記第1トラックに隣接する第2トラックの、該第1トラックの第1の領域に隣接する領域以外の第2の領域に、該第2トラックのトラック幅よりも大きな幅の記録マークからなる第2テストパターンを記録し、
    上記第1テストパターンの記録後に、上記第2トラックの、上記第1トラックの第1の領域に隣接する第3の領域に、第3テストパターンを複数の記録条件で記録し、
    上記第2テストパターンの記録後に、上記第1トラックの、上記第2トラックの第2の領域に隣接する第4の領域に、第4テストパターンを複数の記録条件で記録する記録手段と、
    上記の総てのテストパターンを記録した後、上記第2トラックを再生し、第2の領域から第2読出信号を検出するとともに、第3の領域から第3読出信号を検出する信号検出手段と、
    上記第2読出信号が所定の値となる第2記録条件によって形成される記録マークよりも小さな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第1トラックにおける最適記録条件を決定し、
    上記第3読出信号が所定の値となる第3記録条件によって形成される記録マークよりも大きな記録マークとなる記録条件を求めて、この記録条件を第2トラックにおける最適記録条件を決定する最適記録条件設定手段とを備えていることを特徴とする光記録装置。
  16. 上記第1トラックは、ランドかグルーブのどちらか一方に形成されたトラックであり、上記第2トラックは、その他方に形成されたトラックであることを特徴とする請求項12ないし15の何れかに記載の光記録装置。
JP2000391586A 2000-12-22 2000-12-22 光記録方法及び光記録装置 Expired - Fee Related JP4397520B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000391586A JP4397520B2 (ja) 2000-12-22 2000-12-22 光記録方法及び光記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000391586A JP4397520B2 (ja) 2000-12-22 2000-12-22 光記録方法及び光記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002197658A JP2002197658A (ja) 2002-07-12
JP4397520B2 true JP4397520B2 (ja) 2010-01-13

Family

ID=18857700

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000391586A Expired - Fee Related JP4397520B2 (ja) 2000-12-22 2000-12-22 光記録方法及び光記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4397520B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007280589A (ja) * 2006-03-16 2007-10-25 Ricoh Co Ltd 光記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002197658A (ja) 2002-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100327923B1 (ko) 광기억장치에서의기록조건제어방법,기록조건제어장치및광기록매체
JP3915320B2 (ja) 情報記録装置及び情報記録方法
JP2004152473A (ja) 光書込み媒体の自動書込み最適化方法及びそれを遂行する光書込み/再生装置
KR100322826B1 (ko) 광자기정보기록재생장치및방법
JP3836313B2 (ja) 光記録方法及び光記録装置
JP2004046955A (ja) 光ディスク装置
JP3660114B2 (ja) 光記憶装置における記録条件制御方法
KR100435820B1 (ko) 광자기 기록 매체 및 광자기 기록 재생 장치
JP4397520B2 (ja) 光記録方法及び光記録装置
JPH11273078A (ja) 光ディスクのジッタ量計測装置および光ディスク記録再生装置
WO1997006530A1 (fr) Dispositif de disque optique
JP3311679B2 (ja) 光記憶装置における記録条件制御方法および記録条件制御装置
US7075881B2 (en) Signal recording/playback apparatus, and recording compensation method and playback method used therefor
JP3430608B2 (ja) 光ディスク記録再生装置
US20090135692A1 (en) Apparatus and method for determining write strategy, and apparatus and method for recording data
TW200402697A (en) Linking gap detecting device and method of optical recording medium
JP4387366B2 (ja) 光記録装置および光記録方法、光記録装置の制御プログラムならびにそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2003196832A (ja) 情報記録装置及び方法
KR100587266B1 (ko) 광 기록매체의 기록재생 방법
JPH11126338A (ja) 光記憶装置における記録再生条件制御方法および記録再生条件制御装置
JP2005011406A (ja) 光記録条件設定方法、光記録再生装置、制御プログラム、及び記録媒体
JPH11259861A (ja) 最適記録パワーの見積もり方法
JPWO2005034109A1 (ja) 情報記録媒体、情報記録装置及び方法、情報記録再生装置及び方法並びにコンピュータプログラム
KR19990059524A (ko) 동시 기록/재생 장치 및 방법
JP2003196830A (ja) 光学式ピックアップ及び光学式ディスク記録再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080924

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20081120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091020

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091021

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131030

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees