JP4397487B2 - グラフィカルユーザインタフェースを備えたコンピュータによりデータベースに新規案件を登録する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、データベースにデータを登録する方法およびシステムに関し、より具体的には、あるデータベースに予め蓄積されている案件レコードについての情報をグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を通じて登録作業者に提示してそのレコードの分布を視覚的に認知させ、その分布を参考として新たな案件について直感的に評価させ、その直感的な評価をGUIを通じてデータベースに登録させる方法およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、大量の情報を一元的に整理し管理する手段として、情報の集合であるデータベースが一般的に使用されており、特に、複数の表・行・列により構成された情報の集合であるリレーショナルデータベースが多用されている。ここでいう表とは、相互に関連性のある情報を行・列からなる表に関係づけたものであり、各行は、特定の人・事象等に関するひとまとまりの情報であるレコードを示し、各列は、このレコードを、その特徴を表す属性項目に区分するものである。このようなデータベースとのやりとりを確立する手段として、各種のデータベースアプリケーションや、データベースサーバと連動するとともにインターネットを介して外部のコンピュータと通信するWWWサーバ等がある。
データベースを予め作成しておくことにより、データベースアプリケーション等を使用して、ある目的に沿ってデータベースを検索したり、そこに蓄積された情報を抽出して、適切な形式で出力・表示させたりすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
適切な検索・抽出作業を可能とするためには、まず、多数のレコードに関する情報を収集して、データベースを構築しておく必要がある。
例えば、ある学級の生徒それぞれの身体測定結果を蓄積したデータベースを構築する場合、「身長」、「体重」や「視力」等の属性項目についてのデータは、具体的な数値(各属性項目についての属性値)として表されているので、それぞれの属性値を適宜な手法でもってデータベースの表に登録していけばよい。
ところが、例えば、画家の描く作品の画風に関する情報をデータベースに多数蓄積して、各画家の画風を比較できるようなデータベースシステムを構築する場合を想定する。このような比較作業を可能とするためには、各画家の画風が写実的なのかアニメチックなのか、あるいは精密なのか否かといった、感性や感覚に関わる抽象的な概念に関する属性項目についても、その特徴を数値化して、属性値としてデータベースに蓄積しておく必要がある。このような感性的な特徴を各画家の作品それぞれについて逐一評価し、具体的な属性値として数値化してデータベースに登録することは、登録作業者にとって多大な労力および時間を要する作業である。
複数の属性項目にわたって数値化やデータ登録をおこなう場合、上記の作業を繰り返し実施しなければならないので、ことさら面倒である。
【0004】
また、このような抽象的な特徴を単独で評価するのは事実上不可能である。もし「身長」や「体重」についてのデータを蓄積するのであれば、ある特定の対象について単独で測定をおこなって、その測定結果を属性値としてデータ登録すればよいが、例えば、モネの作品の写実性の度合を評価する場合、そのような度合を表す属性値を単独で決定することは事実上不可能であり、「ピカソの作品よりは相当写実的だけど、マネの作品と比べると少し抽象的だ」というように、相対的に評価して属性値を決定する必要がある。また、このように相対的に比較する際に、「ピカソの作品よりは相当写実的で、ゴッホの作品よりは比較的写実的である」というような画風の微妙なニュアンスは、直感的には認知・評価できるが、これを属性値として数値化するとなるとかなり困難である。
【0005】
この発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、データベースに登録する対象が感性や感覚に関わる抽象的で数値化しにくい特徴であっても、登録作業者の直感的な評価のみによってそのような特徴について具体的な数値としてデータベースに登録できるような方法およびシステムを提供することを目的とする。
【0006】
またこの発明は、複数の属性項目にわたるデータ登録を簡単におこなうことのできる方法およびシステムを提供することを他の目的とする。
【0007】
またこの発明は、あるデータベースに既に登録された案件レコードどうしの相対的な関係をグラフィカルに提示して、登録作業者に視覚的に認知させその案件レコードの分布を参考にさせることにより、新たな案件に関する情報を直感的に評価させることができ、またこのような直感的な評価をデータベースに登録できるような方法およびシステムを提供することを更なる目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る方法は、便宜的に分説すると、つぎの事項(1)〜(12)により特定されるものである。
(1)グラフィカルユーザインタフェースを備えたコンピュータによりデータベースに新規案件を登録する方法であること
(2)データベースは、関係データベースと、詳細データベースを含むこと
(3)関係データベースは、複数の案件レコードを集約すること
(4)案件レコードは、ID番号と、名称と、複数の数値属性項目を対応付けすること
(5)各数値属性項目は、それぞれに項目名が設定されていること
(6)詳細データベースは、ID番号と、詳細情報を対応付けすること
(7)コンピュータは、案件レコードの各数値属性項目の項目名を列挙表示し、利用者に2つの項目名を選択させること
(8)コンピュータは、利用者が選択した2つの項目名AとBを縦軸および横軸とする二次元座標を画面に表示し、関係データベースから複数の案件レコードを読み出し、各案件レコードの名称と案件マークを対応付けして二次元座標画面上に付加表示すること
(9)二次元座標画面上の案件マークの位置は、該当する案件レコードにおける項目名Aの属性値に基づいて縦軸上の座標値が設定されるとともに、項目名Bの属性値に基づいて横軸上の座標値が設定されること
(10)コンピュータは、利用者が二次元座標画面上の1つの案件マークを指定した際、当該案件マークに対応するID番号に基づいて詳細データベースから該当する詳細情報を読み出してポップアップウインドウにて表示すること
(11)コンピュータは、利用者が二次元座標画面上にポインティングした際、当該ポイントに新規案件マークを表示し、当該ポイントの縦軸の座標値に基づいて項目名Aの属性値Cを決定するとともに、当該ポイントの横軸の座標値に基づいて項目名Bの属性値Dを決定すること
(12)コンピュータは、決定した属性値CとDをそれぞれ項目名AとBの属性値とする新規の案件レコードを生成し、利用者が入力するその他の情報とともに関係データベースと詳細データベースに新規案件を登録すること
【0009】
上記のように特定される発明において、望ましくは、つぎの特定事項(13)(14)に係る構成を備えることとする。
(13)コンピュータは、二次元座標画面上に表示されている案件マークの位置を変更する利用者入力を受け付け可能とすること
(14)コンピュータは、案件マークXの位置を変更する利用者入力を受け付けた際、変更後の位置に基づいて項目名AとBのあらたな属性値EとFを決定し、案件マークXに該当する案件レコードの項目名AとBの属性値をEとFに変更すること
【0011】
【発明の実施の形態】
===システム構成の概要===
この発明のシステムは、基本的に、適宜なコンピュータ記憶資源に構築されたデータベースと、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を通じて、データベースに蓄積された案件レコードに関する情報を表示すること、および新たなデータ要素をデータベースに登録することを可能とする手段(データベースアプリケーション部)とにより構成される。
【0012】
===データベースの構成===
例えば図1に示すような、互いに関連するデータ要素を表形式に表したデータベースを、新しい情報を評価する際の参考用のデータベースとして用いる。
ある特定の事象を1単位の案件と称し、その案件についてのひとまとまりの情報であって、複数の属性項目に区分されたデータ要素の集合のことを案件レコードと称する。そして、ある目的にそって集められた複数の案件それぞれについての案件レコードがデータベースに予め含まれている。これらの案件レコードを案件レコードと称し、これら案件レコードもまた、それぞれ複数の属性項目に区分されたデータ要素の集合である。図中、先頭行は各案件の特徴を表す属性項目名を示し、2行目以降の各行は案件レコードを、また各列は属性項目を示す。このうち、数値表現することのできる属性項目のことを数値属性項目と称し、数値化されたデータ要素のことを属性値と称する。
【0013】
===登録する情報===
上記の案件レコードと同じ目的にそって集められる案件を新規案件と称する。この新規案件は複数の性質を有し、その性質のいくつかは、案件レコードの数値属性項目に該当しうるものであり、その性質の度合は、その項目の属性値として数値化できるものである。このような、数値表現可能な新規案件の性質についてデータベースに登録する。
新規案件の上記性質は本発明により数値化されて、新規案件の案件レコードのデータ要素の1つ、つまり、その新規案件の該当項目の属性値としてデータベースに蓄積される。
【0014】
===実施例===
この発明のひとつの実施例として、データベースアプリケーション部とデータベースとからなる本発明のシステムを単一のコンピュータに搭載する構成について説明する。ここでは、新しい情報を登録する際の参考用のデータベースと、新規案件についての属性値を登録するデータベースとが、同一のデータベースである例について記載する。
なお、この実施例では、データベースにまだ登録されていない新規なイラストレータの画風の特徴を登録作業者に評価させ、その情報をデータベースに新たに登録する作業をおこなう。
【0015】
[データベース]
新しい情報を登録する際の参考用のデータベースを図1に示す。この表には、複数のイラストレータに関する情報が案件レコードとして予め複数蓄積されている。各案件レコードは、そのイラストレータの氏名等を記入した属性項目のほかに、そのイラストレータの画風に関する複数の情報をそれぞれ百点満点制で記入した数値属性項目に区分されている。また、各案件レコードにはキーとなるID番号が付されていて、このキーにより、各イラストレータの代表作品のデジタル化画像等の詳細な情報を蓄積した別の表(図示せず)との関連づけがなされている。
【0016】
ここで用いられる数値属性項目について簡単に説明する。「キャラクター性」とは、そのイラストレータの描く絵が写実的なのか、それともアニメチックなのかを示す指標である。この数値が低い場合、当該イラストレータの絵が写実的なものであることを示し、数値が高ければアニメ風であることを示す。「発想の面白さ」とは、そのイラストレータの描く絵がとてもユニークなのか、あるいは凡庸なのかを示す指標である。この数値が低ければ、当該イラストレータの絵が凡庸であることを示し、逆に数値が高ければユニークであると考える。「絵の立体性」「絵の精密さ」も百点満点制で評価されており、数値が高ければ、それだけその性質が顕著であることを示す。なお、数値表現されない属性項目として「氏名」項目があるが、ここには、該当するイラストレータの姓名をテキストデータとして入力する。
【0017】
[GUI]
本実施例のデータベースアプリケーション部のGUIの表示画面1を図2に示す。この表示画面1は、基本的に、評価軸設定エリア2と、評価画面表示エリア3と、登録指示エリア4とから構成される。
【0018】
評価軸設定エリア2は、新しい情報を登録する際の参考として用いるデータベース中の数値属性項目のうち一つを横方向の評価軸として選択させる横評価軸選択フィールド5と、上記数値属性項目のうち一つを縦方向の評価軸として選択させる縦評価軸選択フィールド6と、評価軸が選択された後、上記データベースへのアクセスを指示するとともに、2次元座標系の設定および既登録のイラストレータ(つまりデータベースに既登録の案件レコード)それぞれの存在を示す案件マークの位置設定を開始する設定ボタン7とを備える。本実施例では、評価軸選択フィールド5、6には、数値属性項目を一覧表示することのできるドロップダウンリストを採用する。
【0019】
評価画面表示エリア3には、基本的に、横評価軸8および縦評価軸9により構成される2次元の座標系と、各案件レコードの存在を視覚的に示すべくこの座標系上に配される案件マーク(図中の○印)とを表示する。また各評価軸8、9の近傍には、選択された数値属性項目名を表示する。なお、この評価画面表示エリア3の座標系上に、データベースにまだ登録されていない新規なイラストレータの画風の特徴(つまり新規案件)の存在を示す新規案件マークが登録作業者によってプロットされる。
【0020】
登録指示エリア4は、新規案件の存在を示す新規案件マーク(図中の☆印)を評価画面表示エリア3上にプロットする作業を開始したいという登録作業者の意思を受付けるプロット開始ボタン10と、プロットされた新規案件マークの座標に基づいて新規なイラストレータの画風の特徴を数値化するとともに、その数値を選択された数値属性項目の属性値としてデータベースに登録する作業の開始を登録作業者に指示させる登録開始ボタン11を備える。
【0021】
[データベースアプリケーション部の動作プロセス]
データベースにまだ登録されていない新規なイラストレータの作品の画風を登録作業者に評価させ、その情報をデータベースに新たに登録するプロセスについて以下詳述する。ここでは、まず、登録作業者が新規なイラストレータの画風の「キャラクター性」および「発想の面白さ」について評価する場面を想定する。
【0022】
▲1▼ 数値属性項目の提示と選択プロセス→→データベースに予め蓄積されているイラストレータの画風に関する情報(案件レコード)の数値属性項目を、表示画面1の横評価軸選択フィールド5および縦評価軸選択フィールド6にドロップダウンリスト形式で一覧表示する。
ここでは、表示画面1の横評価軸選択フィールド5において、一覧表示された数値属性項目のうち、そのイラストレータの描く絵が写実的なのかそれともアニメチックなのかを評価する指標となる「キャラクター性」が選択され、一方、縦評価軸選択フィールド6では、「発想の面白さ」が選択される。フィールド5、6はドロップダウンリストなので、登録作業者は、外部のポインティングデバイスと連動するマウスポインタ(図示せず)を使用することにより適宜操作することができる。
【0023】
▲2▼ 評価画面の作成と提示プロセス→→評価軸設定エリア2の設定ボタン7がクリックされると、「キャラクター性」を横評価軸、「発想の面白さ」を縦評価軸とする座標系を評価画面表示エリア3全体に表示するように設定するとともに、データベースにアクセスして、案件レコードの「キャラクター性」に該当する属性値がX座標、「発想の面白さ」の属性値がY座標となるように、各既登録のイラストレータの存在を上記座標系上に指示する案件マークの座標を設定する。そして、「キャラクター性」を横評価軸、「発想の面白さ」を縦評価軸とする座標系上に各案件マーク(図中の○印)を配置した、図2に示すような図案を評価画面表示エリア3に表示する。各評価軸の近傍に、選択された数値属性項目名をそれぞれ表示するとともに、各案件マークの近傍に、該当する案件レコードの「氏名」項目に記入されている各イラストレータの氏名をテキスト表示する。また、マウスポインタが1つの案件マークの上に載置されると、対応するイラストレータの作品のデジタル化画像を別個のポップアップウィンドウにおいて表示する構成とする。
【0024】
各案件マークの近傍には各既登録のイラストレータの氏名が表示されているので、登録作業者がそのイラストレータの画風を知っていれば、登録作業者は、この座標系上に配された案件マークの分布から案件レコードどうしの相対的な関係を視覚的に認知できるので、データベースにまだ登録されていない新規なイラストレータの作品の画風が、他のイラストレータの画風と比べてどの程度の「キャラクター性」および「発想の面白さ」をもっていて、それが座標系上のどの辺りに位置するかを直感的に評価できる。
また、登録作業者が既登録の各イラストレータの画風を知らない場合、案件マークを1つ選択することにより対応する既登録のイラストレータの作品のデジタル化画像を参照できるように構成されているので、登録作業者は、その画像を参考にして新規案件の座標系上の位置を直感的に評価できる。
【0025】
▲3▼ 新規案件マークのプロットプロセス→→登録指示エリア4のプロット開始ボタン10がクリックされると、新規案件の存在を示す新規案件マーク(☆印)を入力できるようになる。これにより、登録作業者は、上記の通り評価した新規案件の位置に☆印をプロットすることが可能となる。この作業は、マウスポインタを適宜操作することによりおこなわれる。
【0026】
▲4▼ 新規案件の属性値決定プロセス→→評価画面表示エリア3の座標系上に新規案件マークがプロットされた後に、登録指示エリア4の登録開始ボタン11がクリックされると、プロットされた新規案件マークの座標を基に、「キャラクター性」という数値属性項目についての属性値と、「発想の面白さ」という数値属性項目についての属性値とを同時に決定する。新規案件マークの座標から各数値属性項目の属性値への変換は、適宜な変換式を用いておこなう。
【0027】
▲5▼ 新規案件の属性値登録プロセス→→データベースにアクセスし、図3に示すように、案件レコードの最終行の直下の行の、「キャラクター性」および「発想の面白さ」と題された列に、新規案件の案件レコードのデータ要素の1つとして上記の通り決定した属性値をデータベースに登録する。
【0028】
▲6▼ 数値属性項目の変更→→「キャラクター性」および「発想の面白さ」の数値属性項目についての属性値の登録が完了したら、横評価軸選択フィールド5および縦評価軸選択フィールド6において、例えば「絵の立体性」や「絵の精密さ」といった別の数値属性項目を改めて選択させて、この項目についての属性値登録をおこなう。
【0029】
▲7▼ 新規案件レコードの属性項目の記入→→登録した新規案件の案件レコードの「氏名」の項目に、該当する新規イラストレータの氏名をテキスト入力させる構成を設ける。例えば、登録開始ボタン11のクリックを受けて、氏名入力用フォームが自動的にポップアップするようにしてもよい。また、新規案件のデジタル化画像がある場合、これもデータベースに登録できるようにしてもよい。
【0030】
▲8▼ オプション→→案件マークを評価画面表示エリア3に表示する際に、該当するイラストレータの氏名の他に、経歴等に関する情報も併せて表示してもよい。また、マークとして○印ではなく、イラストレータの作品のデジタル化画像をアイコン状に縮小したものを表示してもよい。このような機能により、登録作業者は、既存案件レコードの特徴をより詳細に理解できるので、新規案件を簡単に評価・登録できる。
【0031】
一方、登録作業者が新規案件マークをプロットする際に、その新規案件マークの座標に対応する属性値が、上記百点満点制の範囲を超えてしまうようなときに(つまり、該当する数値属性項目の属性値が100点を超えたり、0点未満となるときに)、新規案件を含む案件レコードどうしの相対的な分布を変えることなく、全ての案件レコードの該当属性値を百点満点制の範囲内に収めるべく、全体の比率を変更したり、座標系の原点の位置を変更したりする機能を設けてもよい。
【0032】
なお、当然、属性値を決定する際に百点満点制を採用する必要はなく、各案件レコード固有の性質や、案件レコードどうしの相対関係を表すことのできる数値が付されていればよい。
【0033】
また、評価画面表示エリア3の座標系に表示した案件マークが多すぎて、新規案件マークをプロットさせる際の妨げとなる場合、マウスポインタのドラッグ操作によって範囲指定可能な選択ボックス等により、座標系の一部の領域にある案件マークのみを選択させて、その領域を拡大表示する機能を設けてもよい。これにより、登録作業者は、新規案件マークをプロットする際により詳細な比較・評価をおこなうことができる。
さらに、新規案件の評価をおこなっている際に、案件マークの位置を変更した方がよいと判断された場合、その案件マークをマウスポインタのドラッグ操作により移動させることにより、対応する案件レコードの該当属性値を変更できる機能を備えてもよい。これにより、より正確で詳細なデータベースを構築することができる。
【0034】
上記構成では、登録開始ボタン11がクリックされることにより、新規案件マークの座標に基づく属性値の決定とデータベースへの登録とを開始するようにしたが、新規案件マークが座標系上に設置されると同時に、その座標および属性値を決定してデータベースに登録するようにしてもよい。
【0035】
===他の実施例===
上記の実施例においては、評価画面表示エリア3の座標系として、2次元の座標系を採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3つの数値属性項目について評価をおこなうことのできる3次元座標系を採用してもよい。また、1つの数値属性項目について評価をおこなう線状の座標系(例えばスライダースクロールバーのようなものであってもよい。
また、上記の実施例では、新規案件についての属性値を、案件レコードが蓄積されているデータベースと同一のデータベースに登録したが、新規案件の比較・登録作業は評価画面表示エリア3の座標系上でおこなうが新規案件のレコードを別の表に登録するという構成にしてもよい。これにより、新規案件のみについてのデータベースを新たに構築することができる。
また、上記の実施例では、データベースとデータベースアプリケーション部とを単一のコンピュータに搭載する構成について説明したが、本発明のシステムの構成はこれに限定されるものではなく、データベースアプリケーション部をWWWサーバに搭載したWWWデータベースシステムのようなものであってもよい。
【0036】
【発明の効果】
この発明では、まず、あるデータベースに予め蓄積されている案件レコードについての情報を、グラフィカルなインターフェースを通じて、案件マークとして座標系上に配して登録作業者に提示するので、登録作業者は、登録作業者は、データベースに既に登録されている案件レコードの性質を視覚的に認知した上で、新しく登録しようとしている案件の性質を相対的に比較評価することができて、感性や感覚に関わる抽象的で数値化しにくい性質についても、その性質の度合がどの程度のものなのかを直感的に把握することができる。
例えば、イラストレータの画風を登録する実施例においては、各既登録のイラストレータの氏名が各案件マークの近傍に表示されているので、登録作業者は、そのイラストレータの画風を知っていれば、その案件マークの座標系上の分布を見るだけで、データベースにまだ登録されていない新規なイラストレータの作品の画風が座標系上のどの辺りに位置するかを直感的に評価することができる。 同実施例において、案件マークを1つ選択することにより対応する既登録のイラストレータの作品を参照できる構成としたので、登録作業者は、各既登録のイラストレータの画風を知らなくても、新規案件の位置を容易に評価することができる。
【0037】
一方、登録作業者は、案件レコードについての情報が表示されたのと同じ座標系上に、新しく登録しようとしている案件の性質を示す新規案件マークをプロットするだけで、その性質を具体的な数値としてデータベースに登録することができる。つまり、登録作業者の直感的で感覚的な評価を、ポインティングデバイス等による操作だけで適切に数値化できるので、感性や感覚に関わる抽象的で数値化しにくい性質についても簡単にデータベース化できる。
【0038】
また、多次元座標系上に新規案件マークをプロットする構成とすれば、複数の数値属性項目についての属性値を同時に決定することができるので、登録作業者の労力や、作業時間を大幅に軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるデータベースの構成図である。
【図2】本発明のシステムの一実施例による表示画面の構成図である。
【図3】本発明のシステムの一実施例による表示画面を通じてデータを登録したデータベースの概念図である。
【符号の説明】
1 表示画面
2 評価軸設定エリア
3 評価画面表示エリア
4 登録指示エリア
5 横評価軸選択フィールド
6 縦評価軸選択フィールド
10 プロット開始ボタン
11 登録開始ボタン
Claims (2)
- グラフィカルユーザインタフェースを備えたコンピュータによりデータベースに新規案件を登録する方法であって、
データベースは、関係データベースと、詳細データベースを含み、
関係データベースは、複数の案件レコードを集約し、
案件レコードは、ID番号と、名称と、複数の数値属性項目を対応付けし、
各数値属性項目は、それぞれに項目名が設定されており、
詳細データベースは、ID番号と、詳細情報を対応付けし、
コンピュータは、案件レコードの各数値属性項目の項目名を列挙表示し、利用者に2つの項目名を選択させ、
コンピュータは、利用者が選択した2つの項目名AとBを縦軸および横軸とする二次元座標を画面に表示し、関係データベースから複数の案件レコードを読み出し、各案件レコードの名称と案件マークを対応付けして二次元座標画面上に付加表示し、
二次元座標画面上の案件マークの位置は、該当する案件レコードにおける項目名Aの属性値に基づいて縦軸上の座標値が設定されるとともに、項目名Bの属性値に基づいて横軸上の座標値が設定され、
コンピュータは、利用者が二次元座標画面上の1つの案件マークを指定した際、当該案件マークに対応するID番号に基づいて詳細データベースから該当する詳細情報を読み出してポップアップウインドウにて表示し、
コンピュータは、利用者が二次元座標画面上にポインティングした際、当該ポイントに新規案件マークを表示し、当該ポイントの縦軸の座標値に基づいて項目名Aの属性値Cを決定するとともに、当該ポイントの横軸の座標値に基づいて項目名Bの属性値Dを決定し、
コンピュータは、決定した属性値CとDをそれぞれ項目名AとBの属性値とする新規の案件レコードを生成し、利用者が入力するその他の情報とともに関係データベースと詳細データベースに新規案件を登録する
方法。 - コンピュータは、二次元座標画面上に表示されている案件マークの位置を変更する利用者入力を受け付け可能とし、
コンピュータは、案件マークXの位置を変更する利用者入力を受け付けた際、変更後の位置に基づいて項目名AとBのあらたな属性値EとFを決定し、案件マークXに該当する案件レコードの項目名AとBの属性値をEとFに変更する
請求項1に記載の方法。
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