JP4396876B2 - 転造加工方法 - Google Patents
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Description
本発明は、転造平ダイスによるインボリュートスプラインの高速転造加工方法に関する。
【0001】
【従来の技術】
従来、転造平ダイスは対置された一対の転造平ダイスの間にワークを食い付かせ相対回転させることによりワーク外周にインボリュートスプラインを形成するものである。転造平ダイスはワークが食い付くようにされ、さらに歯を整形するように徐々に歯丈が漸増する食い付き部と、ほぼ歯丈が一定の仕上げ部と、ワークがダイスより容易に逃げられるようにされた逃げ部とが順次長手方向に設けられている。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
かかる転造平ダイスを用いて転造加工をする場合、平ダイスの速度(平ダイスが取付られ移動する転造盤に対する速度又はワーク回転速度)は油性クーラントを用いて、1〜2のモジュールのものでは5〜10m/minで、1以下のモジュールでは10〜20m/min程度であった。生産性の向上のためには転造速度を増すことが要求されるが15〜20m/minを超えると平ダイスの食い付き部でダイスとワークとの間にすべりが発生し、ワークの加工精度が悪くなる傾向があり、高速化が困難であった。また、食い付きし易いように、食い付き部にサンドブラスト処理を行ったり、食い付き部の勾配をきつくしたりすることも効果があるが、依然としてワークのすべりは大きいものであり、高速化は困難であった。本発明の課題はかかる問題点に鑑みて、すべりがなく、ワークの加工精度のよい高速転造加工を提供することである。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は研究の結果、転造ダイスの高速化にあたって、食い付き部で確実にワークを食い付かせることにより、その後高速化しても精度への影響が少ないことを知得した。この知得により本発明においては、食い付き歯部、仕上げ歯部、逃げ歯部からなる転造平ダイスを用い、油性クーラントまたはセミドライ方式で、1〜2のモジュールのインボリュートスプラインを転造加工する転造加工方法において、前記平ダイスにワークが食い付く時の平ダイスの速度をV1とし、前記平ダイスに前記ワークが接触してから前記ワークが少なくとも1/2回転した後、転造加工が完了するまでの間の前記平ダイスの速度をV2とすると、V1を10m/min以下とし、V2を15m/min以上かつ50m/min以下とし、単に高速化する場合より前記ワークの累積ピッチ誤差を良くする転造加工方法を提供することにより上記課題を解決した。
【0004】
即ち、V1を10m/min以下、より好ましくは6m/min以下にすることにより、ワークの食い付きが確実になり、また、ワークの回転が1/2回転以上であれば、ワークはダイスに確実に食い付くことができ、引き続いての転造速度を確実に上げることができる。また、V2は15m/min以上に高速化できるが、生産性からみてより好ましくは20m/min以上の高速化するのがよい。上限を50m/minとしたのは、50m/minを超えると振動等の発生や転造盤側の大型化が必要で実用的でない。なお、転造速度の変更は数値制御(NC制御)により容易に行える。
【0005】
【実施例】
本発明の実施例について、本発明及び従来のインボリュートスプライン加工を行った結果について説明する。転造されるワークのインボリュートスプラインの諸元は、モジュール1.058、歯数23枚、圧力角30°、スプライン外径φ25.4mm、歯幅20mmである。転造ダイス及びワークは同じ諸元であり、クーラント方式及び転造速度を異ならせて加工した。図1はクーラント条件及び転造速度と累積ピッチ誤差との実験結果を示すグラフである。図1の左側の3例に示すように、油性クーラント状態でそれぞれ食い付き速度を含め、転造速度を15m/min、18m/min、28m/minで加工した場合は、累積ピッチ誤差37μm〜45μmとなり速度の影響が少なく、また、精度はそれほどよくない。また、図1の右側から2番目はセミドライ(ミスト)状態で28m/minの一定速度で加工したものであるが累積ピッチ誤差は42〜43μmであり、油性クーラントのものとほぼ同様な精度である。クーラント条件より速度条件の差の方が累積ピッチ誤差に影響しているものと思われる。
【0006】
これに対して、左側から4、5番目に示す本発明においては、油性クーラント状態でそれぞれワーク食い付き時1/2回転までを6m/minとし、その後それぞれ15m/min、28m/minの高速転造を行った場合の累積ピッチ誤差であり、それぞれ27〜35μm、26〜28μmであった。また、図1の右端に示す本発明においては、セミドライ状態でワーク食い付き時1/2回転までを6m/minとし、その後28m/minの高速転造を行った場合で累積ピッチ誤差は20〜28μmであった。このように、本発明においては、累積ピッチ誤差が良くなることが分かる。その他の加工条件の影響もあり、試験結果のばらつきを考慮しても、本発明の食い付き時1/2回転まで転造速度を低速とし、その後高速化することにより従来のものを単に高速化する場合より精度が改善されることが実証された。
【0007】
なお、クーラント条件は、油性クーラントの場合は、油剤の量は0.9lit/min、不水溶性切削剤(JIS2種5号相当)、セミドライ方式では、植物油を10cc/hour(ノズル1本あたり)、エアー圧力0.5MPa、ノズル径φ3mmを用い、ノズルは一対の転造平ダイスに各1ヶ所、計2本を設置した。
【0008】
【発明の効果】
本発明においては、食い付き1/2回転までの転造速度V1を10m/min以下とし、以降の転造速度を15m/min以上50m/min以下にすることにより、平ダイスの食い付き部での速度を下げることで、食い付き性が良くなり、より安定して良好な加工精度が得られ、すべりや熱変形がなく、ワークの加工精度のよい高速転造加工方法を提供するものとなった。また、単に転造速度を高速化しても得られなかった加工精度を得るものとなり、高速転造加工を提供し、生産性を向上させるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び従来の転造方法で加工したクーラント条件及び転造速度と累積ピッチ誤差との実験結果を示すグラフである。
Claims (1)
- 食い付き歯部、仕上げ歯部、逃げ歯部からなる転造平ダイスを用い、油性クーラントまたはセミドライ方式で、1〜2のモジュールのインボリュートスプラインを転造加工する転造加工方法において、前記平ダイスにワークが食い付く時の平ダイスの速度をV1とし、前記平ダイスに前記ワークが接触してから前記ワークが少なくとも1/2回転した後、転造加工が完了するまでの間の前記平ダイスの速度をV2とすると、V1が10m/min以下で、V2が15m/min以上かつ50m/min以下とし、単に高速化する場合より前記ワークの累積ピッチ誤差を良くすることを特徴とする転造加工方法。
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