JP4396711B2 - 電圧駆動形スイッチング素子のゲート駆動回路 - Google Patents

電圧駆動形スイッチング素子のゲート駆動回路 Download PDF

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Description

本発明は、FETやIGBT等の電圧駆動形スイッチング素子のゲート駆動回路に関する。
図9に、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いた電圧形インバータの一般的な回路構成を示す。上下直列の3つのアームを構成するIGBTを交互にオン,オフさせることにより、直流電源Eから負荷のモータに交流電力を供給するものである。同図においてLsは主回路配線の浮遊インダクタンスであるが、近年インバータの実装技術が進歩し、従来1μH近くにあったLsを150nH以下に小さくすることが可能になってきている。その結果、浮遊インダクタンスLsに蓄積されるエネルギが小さくなるので、スイッチング時の跳ね上がり電圧を抑制するためのスナバ回路(例えば図10)が不要となり、主回路のシンプル化が実現できるようになってきている。
しかしながら、主回路配線の遊遊インダクタンスLsはターンオン時のdi/dtの抑制,スナバ回路(例えば図10)はターンオフ時のdv/dtの抑制の役割も果たしていたので、主回路のシンプル化によりIGBTのスイッチング時に高di/dt,高dv/dtが発生するという新たな問題が発生するようになってきている。
特開平1−183214号公報 特開平3−93457号公報 特開平6−291631号公報 特開平8−322240号公報 特開平10−150764号公報
インバータ回路のスイッチング動作の高di/dt化,高dv/dt化は、周辺装置の誤動作の要因となるばかりでなく、負荷のモータにも悪影響を及ぼす。例えば、車両用のインバータでは負荷のモータがインバータから離れたところに設置される場合が多い。モータ配線の中にはインダクタンスLs′のほか、図9に破線で示すように浮遊容量Cs′が含まれている。このためインバータのdv/dtが大きくなるにしたがって、負荷のモータのインピーダンスが大きく見えるようになるので、Ls′とCs′による共振が発生する。このためモータにはインバータの出力電圧の2倍に近い電圧が印加されるようになり、モータの絶縁破壊等の故障原因となる場合がある。このようなことからIGBTのスイッチング時のdi/dt,dv/dtの抑制が重要な課題となっている。
電圧駆動形スイッチング素子であるIGBTのターンオン,ターンオフのスイッチング速度はそのゲート駆動方法、例えばゲート抵抗を大きくして、IGBTのゲート容量の充電時定数を長くすることにより抑制できることが知られている。しかしこの方法だけではスイッチング時間が長くなること、IGBTでの損失が大きくなり過ぎること等からIGBTのスイッチングのタイミングに応じて、ゲート駆動回路のゲート抵抗を切換える改良が提案されている(特開平1−183214号公報,特開平3−93457号公報,特開平6−291631 号公報,特開平8−322240号公報,特開平10−150764 号公報等)。しかしながら、ゲート抵抗を切換える方法でdi/dt,dv/dtの可変範囲を広くしようとすると、抵抗とそれを切換えるためのスイッチが沢山必要となり、その切換えの制御も複雑化してくる。
本発明の課題は、IGBT等の電圧駆動形スイッチング素子のスイッチング時間または損失の増加を抑えながら、スイッチング時のdi/dt,dv/dtを抑制することである。
本発明においては、電圧駆動形スイッチング素子のターンオン時においては、電圧駆動形スイッチング素子のスイッチング動作を制御する信号を増幅する駆動手段と、電圧駆動形スイッチング素子の動作状態(主電圧又は主電流又はゲート電圧)を検出する手段と、駆動手段のターンオン時の出力電力を時間経過に伴って徐々に降下させる電力下降手段と、出力電力を徐々に上昇させる電力上昇手段とを設け、電圧駆動形スイッチング素子の動作状態の検出値に応じて電力下降手段から電力上昇手段への切換えを行うことにより、電圧駆動形スイッチング素子のターンオン時のdi/dtの抑制量を可変できるようにしている。
また本発明においては、電圧駆動形スイッチング素子のターンオフ時においては、電圧駆動形スイッチング素子のスイッチング動作を制御する信号を増幅する駆動手段と、電圧駆動形スイッチング素子の動作状態(主電圧又は主電流又はゲート電圧)を検出する手段と、駆動手段のターンオフ時の出力電力を時間経過に伴って徐々に上昇させる電力上昇手段と、出力電力を徐々に降下させる電力降下手段を設け、電圧駆動形スイッチング素子の動作状態の検出値に応じて電力下降手段から電力上昇手段への切換えを行うことにより、電圧駆動形スイッチング素子のターンオフ時のdi/dt,dv/dtの抑制量を可変できるようにしている。
また本発明では、電圧駆動形スイッチング素子のスイッチング動作を制御する信号を増幅する駆動手段と、電圧駆動形スイッチング素子の動作状態(主電圧又は主電流又はゲート電圧)を検出する手段と、駆動手段のターンオン又はターンオフ時の出力電力を時間経過に伴って徐々に降下又は上昇させる手段と、電圧駆動形スイッチング素子の温度を検出する検出手段と、温度検出量を電圧に変換する手段とを設け、電圧駆動形スイッチング素子の動作状態(主電圧又は主電流又はゲート電圧)の検出値と電圧駆動形スイッチング素子の温度検出量に応じて、駆動手段の電力下降手段から電力上昇手段、又は電力上昇手段から電力降下手段への切換えのタイミングを変えることにより、電圧駆動形スイッチング素子のターンオン又はターンオフ時のdi/dt,dv/dtの抑制量を可変できるようにしている。
さらに本発明では、電力上昇手段及び電力下降手段を、抵抗とコンデンサ及びスイッチング素子の並列又は直並列という簡単な構成で実現している。
以上の説明から分かるように、本発明は電圧駆動形スイッチングデバイスを用いたインバータの回路動作の高di/dt化,高dv/dt化からくる、周辺装置の誤動作の要因ばかりでなく、負荷のモータの絶縁破壊等の問題を解消することができるという効果がある。
図1は本発明の実施例を示すIGBTのゲート駆動回路101の機能構成図である。ゲート駆動回路101が接続されているIGBTモジュール102は、例えば図9に示すような電力変換器を構成する1素子である。IGBTのオン,オフを制御する信号を増幅する駆動手段107の出力がIGBTのゲートとエミッタ間に接続され、その出力電力を過渡的に可変する電力上昇手段105と電力下降手段106が駆動手段107と直列に接続されている。電力下降手段から電力上昇手段への切換えは、IGBTの動作状態(コレクタ電圧又はコレクタ電流又はゲート電圧)によって行うが、この場合は基準電圧設定手段108によって設定されたゲート電圧の基準電圧を超えるところで行っている。以下、
IGBTの動作波形を用いながら本ゲート駆動回路101の動作を具体的に説明する。図において103は比較回路、104はゲート電圧検出器である。
図2はIGBTのターンオン、図3はターンオフの動作波形例を示すものである。図2(A),図3(A)は本発明による電力上昇手段,電力下降手段を用いた場合、図2(B),図3(B)が単にゲート抵抗を大きくしてdi/dt,dv/dtを抑制した従来例である。制御装置からの信号により、駆動手段の出力電圧が負から正、または正から負に転じることによりIGBTのスイッチング動作が行われるが、ここではターンオン動作の図2(A)を中心に説明する。また、図中にはゲート駆動手段の出力能力という名称の波形を示しているが、これは以下の理由からである。
図8(A)〜(D)に、IGBTのゲート駆動回路101と動作波形例を示す。R1はオン用のゲート電流の制限抵抗、R2はオフ用のゲート電流の制限抵抗である。ターンオン時はQ1がオン,Q2がオフ状態で、E1がR1,Q1を介してIGBTのゲートとエミッタ間に印加される。ターンオフ時はQ1がオフ,Q2がオン状態で、E2がR2,Q2を介してIGBTのゲートとエミッタ間に印加される。電圧形駆動素子のゲート駆動手段の負荷は、図8(A)に破線で示すようにコレクタ帰還容量Cgc,ゲート容量Cgeを有する容量負荷である。このため、IGBTのゲートとエミッタを接続した状態で本発明のゲート駆動手段を説明すると、表現方法で混乱しやすいと思われるところがある。例えば、図8(C)はオン用のゲート抵抗R1が一定の場合、図8(D)はゲート抵抗R1を時間的に可変した場合である。両者のゲート電流Ioutとゲート電圧Voutからは、ゲート駆動手段の条件がどのように変わっているかが分かりづらい。例えば、ゲート駆動手段の出力電力が一定のところであってもゲート電流Ioutが連続的に減少している期間がある。これは、ゲート駆動手段に容量負荷が接続されているためである。そこで、図8
(B)に示すように負荷抵抗Rを接続し、負荷抵抗Rに加わる電圧をゲート駆動手段の出力電力(出力能力)と表現することにする。この場合の負荷抵抗Rの電圧は、オン用の抵抗R1又はオフ用の抵抗R2との比率で決まる。従って負荷抵抗Rの値は限定されないが、R1又はR2と同等の値を選ぶことにより、ゲート駆動手段の能力変化がより分かりやすいものとなる。
図2(B)の従来例の場合は、正の一定電圧が出力されているのに対して、図2(A)の本発明の場合は、一旦正の電圧が出力された後出力電圧が時間と共に徐々に降下し、再び上昇している点が異なっている。IGBTのターンオン時のdi/dtは、ゲート電圧の上昇速度に依存することが知られており、図2(B)の場合はゲート抵抗を大きくしてゲート電圧の上昇速度を遅くした場合に相当している。この場合、コレクタ電流の上昇が抑えられる反面、ターンオン時間(T1)が長く、ターンオン後のAの部分のコレクタ電圧の下がりが遅くなるため、IGBTのスイッチング損失が大きくなるという欠点がある。本発明の図2(A)の場合は、ターンオンの最初に正の大きな電圧を出力し、時間と共に徐々に電圧を降下させ、T2後再び時間と共に電圧を上昇させ、T3後に最初の電圧に戻している。最初の大きな出力電圧はIGBTのゲート電圧の上昇速度を速め、ターンオン時間
(T1)の短縮の役割を果たしている。IGBTのゲート電圧がしきい値になる頃には、出力電圧が低下し、図2(B)の場合と同様にdi/dtが抑制される。さらに、IGBTのゲート電圧がしきい値を超えた後、再び出力電圧を大きくすることによりゲート電圧の上昇を速め、図2(A)のAの部分のコレクタ電圧の下がりを速くして、スイッチング損失の低減を図っている。
以上のように本発明の第1の特徴は、ターンオンの最初は正の大きな電圧を出力して時間と共に徐々に電圧を低下させること、IGBTの動作状態(この場合はゲート電圧)に応じて再び電圧を上昇させることにより、スイッチング時間の短縮とターンオン損失の低減をはかりながら、IGBTのスイッチング速度のソフト化を実現している点にあるが、従来技術に対して次のような特徴を有している。
IGBTのスイッチング速度をソフト化した場合のターンオン,ターンオフ時間の短縮,スイッチング損失の低減方法として、ゲート抵抗を切換える方法(特開平1−183214 号公報,特開平3−93457号公報,特開平6−291631 号公報等)が提案されている。ゲート抵抗を切換えた場合の駆動手段の出力電圧は図2(A),図3(A)に破線で示すようになり、本発明と一部同様な効果が得られるところもあるが、以下の理由により制御のしやすさや効果,構成に大きな差異が生じることになる。
IGBTのスイッチング速度のソフト化は、本質的にはスイッチング損失の増加を招くので、不要なスイッチング速度のソフト化はできるだけ避けたい。特開平6−291631 号公報,特開平8−322240号公報,特開平10−150764 号公報等に記載のように、IGBTの
di/dt,dv/dtの通電時の電源電圧や温度等によっても変わるが、ゲート抵抗を切換える方法で制御するdi/dt,dv/dtを変えようとすると、多くのゲート抵抗とその切換え装置が必要となる。また、ゲート抵抗を切換える方法では、IGBTのdi/dt,dv/dtを抑制した後、本発明の電圧上昇期間T3(図2(A),図3(A)参照)の期間に小さなゲート抵抗に切換えることになるが、そのタイミングが早いとdi/dt,dv/dtが途中から急に大きくなり、タイミングが遅すぎるとスイッチング損失が大きくなるので、ゲート抵抗の切換えのタイミングの難しさがある。
本発明では、ターンオンの最初に正の大きな電圧を出力し、時間と共に変化する電力下降手段と電力上昇手段を設けている。電圧を徐々に下降させる電力下降手段は、ゲート抵抗を切換える方法に例えると、ゲート抵抗を連続的に大きな抵抗に切換えていることに相当している。また、電力下降手段の動作期間T2の後に再び時間とともに電圧を上昇させる電力上昇手段は、ゲート抵抗を連続的に小さな抵抗に切換えていることに相当している。すなわち、電力下降手段の動作期間T2を短く、電力上昇手段の動作期間T3を長くすることはゲート抵抗を小さくすることに相当し、動作期間T2を長く、電力上昇手段の動作期間T3を短くすることはゲート抵抗を大きくすることに相当する。このように等価的にゲート抵抗を連続的に可変する機能を持たせることにより、電力下降手段から電力上昇手段へ切換えるタイミングの制御により、急激なdi/dt,dv/dtの変化を抑制できる。
例えば、今回我々が実験に用いた3.3kV−1200A のIGBTの場合は、主回路のインダクタンス約100nHで電源電圧2kVからターンオンさせると、ゲート駆動手段の出力からIGBTの主電流が流れ始めるまでのターンオン遅れ時間Tdが約1.5μs、主電流の立ち上がりdi/dtが約6000A/μsであった。この場合、主電流1200Aに立ち上がるまでの動作期間Tは
T=定格電流(1200A)/抑制di/dt(6000A/μs)
=0.2μs
である(T1=約1.7μs)。このような場合、電力上昇手段の上昇期間T3を0.2
μsより大きくしておくと、電力下降手段の下降期間T2=Td+T=1.5μs+0.2μsから、T2=Td+T−T3の範囲でdi/dtの抑制が可能であることが分かる。ただし、T3=Td+TはT2=0となり、電力下降手段が動作しないことになるので、除かれる。実際にはゲート駆動手段の出力からIGBTの主電流が流れ始めるまでのターンオン遅れ時間Tdに対して主電流の立ち上がり時間Tが短いのでT2>T3の関係で抑制するのが有効である。以上のように、本発明は連続的に下降する上記の電力下降手段と連続的に上昇する上記の電力上昇手段を組み合わせて下降から上昇への動作点T2を変えることによりdi/dtを変えることを可能としている。このことはまた、切り換え動作点T2のわずかなずれによってはdi/dtの抑制量が急激に変化しない効果も有することを意味している。
以上のように本発明の最大の特徴は、前記電力下降手段と前記電力上昇手段で等価的にゲート抵抗を連続可変しているように機能させていることであるが、例えば電力下降手段の部分(T2)を従来のゲート抵抗を切換える方法にして、本発明の電力上昇手段(T3)を組み合わせた場合においても、両者間の切換えのタイミング(期間T2に対応)が僅かにずれてもdi/dt,dv/dtが急激に変化しないというメリットが得られる。また、電力上昇手段の動作点を変えることによりdi/dt,dv/dtの制御が可能なので、通電条件(電源電圧,コレクタ電流,温度等)が変わった場合等のdi/dt,dv/dtの制御に活用できるという特徴がある。
以上、本発明の実施の形態をIGBTのターンオン動作に代表して説明してきたが、図3(A)に示されるようにターンオフ動作についてもターンオン動作と同様に制御することができる。電圧駆動形素子の場合はそのゲートしきい値を境にしてオン,オフ動作が行われ、ゲート電圧が正の方向で制御されるが、負の方向で制御されるかの違いである。ターンオフ動作の詳細説明は省略するが、ターンオン動作で説明しなかった本発明のもう一つの特徴をターンオフ動作で説明する。
図3(A)は本発明の実施例、図3(B)は従来のゲート抵抗を大きくしてdv/dtを抑制した時のIGBTの動作波形例である。両者のコレクタ電圧波形を比較してみると、図3(A)の本発明の実施例では電圧が上昇する傾きがほぼ一定であるのに対して、図3(B)の場合は最初の傾きが緩やかで徐々に急峻になっていることが分かる。これは図8(A)に破線で接続しているIGBT内部の帰還容量Cgcの影響である。帰還容量Cgcを介する電流は、ターンオフ時はコレクタ電圧の上昇と共にゲートからエミッタ側に流れてゲート電流の一部を打ち消すのでターンオフ動作を遅らせるように働く。また、ターンオン時はコレクタ電圧の下降と共にゲート電流の一部をコレクタ側に流してターンオンを遅らせるように働く。帰還容量Cgcは、コレクタ電圧が低いときに大きく、高くなるに従って2桁以上も小さくなることが知られている。IGBTを大きなゲート電流で動作させているときには帰還容量を介す電流の割合が小さいが、dv/dtを抑制するためにゲート電流を小さくした場合には帰還容量を介する電流の割合が大きくなる。このため図3
(B)の場合はコレクタ電圧の低いところでの電圧上昇が緩やかになっている。
一方本発明の図3(A)の場合は、これまで述べてきたように前記電力下降手段により駆動能力を連続的に可変しており、コレクタ電圧の低いところでは高いところより大きなゲート電流が供給されるので、コレクタ電圧の上昇がほぼ均等化される。
図4は、本発明の他の実施例の形態を示すIGBTのゲート駆動回路の機能構成図である。図1とは温度を検出するセンサ402が追加されている点、センサの出力を電圧変換手段401により電圧変換して基準電圧の制御に用いている点が異なっている。前述したようにIGBTモジュール102のIGBTのスイッチング時のdi/dt,dv/dtは通電時の電源電圧,電流及び温度等によって変わる。例えばIGBTの動作温度によっては、ターンオフ時のdv/dtが図11のように変わる。温度に大きく依存しているので、温度の低いところでゲート条件を設定すると、温度の高いところではdv/dtが必要以上に抑制され、ターンオン損失の増加を招くことになる。
本実施例では、温度センサの出力で基準電圧を制御することにより、電力降下手段106の動作期間T5から電力上昇手段105の動作期間T6への切換えのタイミングを変えている。すなわち、温度が低いときは電力降下手段の動作期間T5を長くし、温度が高くなるにしたがってその動作期間T5を短くしている。動作温度が高くなった時のターンオフ損失の低減を、ターンオフ時のdv/dtを均等化することにより実現している。なお、ここではdi/dt,dv/dtの温度依存性を利用した例の実施例を示したが、di/dt,dv/dtが依存する物理量(例えば電源電圧,コレクタ電流)であれば同様の手法で制御が可能である。
図5は、本発明の他の実施例を示すIGBTのゲート駆動回路101の実施例である。IGBTを含む電圧駆動形スイッチング素子のスイッチング動作を制御する信号を増幅するコンプリメンタル接続されたQ1,Q2とゲート抵抗R1,R2が直列に接続され、さらに2組の電圧上昇,下降手段501,502がそれに直列に接続されている。電力上昇,下降手段501,502はそれぞれコンデンサ(C1,C2)と抵抗(R3,R4)及びスイッチ(Q3,Q4)の並列接続で構成されている。スイッチ(Q3,Q4)のゲートはゲート電圧検出手段503の比較器1及び2の出力に接続されており、比較器1及び2の動作は、それぞれ基準電圧設定手段108−1,108−2からの基準電圧とゲート電圧の比較によって制御されるようになっている。ターンオン動作は次のように行われる。Q1,Q3がオフ状態,Q2,Q4がオン状態において、Q1,Q3がオフ状態,Q1がオン状態に変わると、電源E1−(C1,R3)−R1−Q1−IGBTのゲート−エミッタの経路でゲート電流が流れる。このときゲート電流はC1とR3に並列に流れるが、最初はIGBTのゲート容量がほぼ電源E2に逆充電されているので、電源E1と電源E2及びR1で決まる大きなゲート電流がC1に流れる。やがてコンデンサC1の充電さが進み電源E1とR1,R3で決まる電流に絞られ、本発明の電力降下手段の役割を果たす。
次に、ゲート電圧が上昇し、比較器1の基準電圧を超えるとQ3がオンする。Q3がオンするとゲート電流の経路は、電源E1−Q3−R1−Q1−IGBTのゲート−エミッタに変わるので、ゲート電流を増大してゲート電圧を急上昇させるように働く。しかし、Q3がオンする直前のC1は図5に示す極性に充電されており、Q3がオンした直後は
C1に蓄積されていた電荷の放電が行われる。この場合の放電はC1の容量とQ3のオン抵抗の時定数によって行われ、コンデンサC1の放電にともなって本発明の電力上昇手段の役割を果たす。ターンオフ時はターンオン時と反対であり説明は省略するが、Q4,
R4,C2がターンオフ時の電力下降及び上昇手段の役割を果たし、本発明を簡単な回路構成で実現している。
なお、コンデンサC1,C2はスイッチング時間(T1,T4)の短縮の目的もかねている。ターンオン前はIGBTのゲート容量CgeはマイナスE2に充電されているので、これをIGBTのゲートしきい値電圧Vthまで充電する電荷は、
Qon=Cge×(E2+Vth) …(1)
であり、ターンオフ時はE1からゲートしきい値電圧Vthまでの放電電荷は
Qoff=Cge×(E1−Vth) …(2)
である。オン時の電力下降期間(T2),オフ時の電力下降期間(T5)にはC1,C2に蓄積される電荷がこのQon,Qoffの電荷とほとんど同等になるようにすると、スイッチング時間は大幅に短縮される。しかし、ゲート電圧の下降又は上昇がゆるやかになり、IGBTのスイッチング時のdi/dt,dv/dtの抑制範囲が狭くなる。前述(1),(2)式に示すように、Qon,Qoff自体がゲート回路の電圧によって変わるが、我々が実験に用いたIGBTの標準的と思われるゲート回路条件(E1=15V,E2=10V)では、C1,C2の容量をIGBTのゲート容量Cgeの1〜5倍程度にすると、スイッチング時間短縮とdi/dt,dv/dt抑制の両者に大きな効果が得られている。
図6は、本発明の実施の形態を示すIGBTのゲート駆動回路の他の実施例である。図5の電力上昇,下降手段501,502と図6の電力上昇,下降手段501,502の違いは、スイッチ(Q3,Q4)と直列に抵抗(R5,R6)を設けている点である。スイッチ(Q3,Q4)のオン抵抗は、そのベース入力によって可変することも可能であるが、この場合は抵抗(R5,R6)を追加してC1の放電時定数を大きくして電力上昇期間(T3)を変えた例である。
図13は、本発明の実施例の形態を示すIGBTのゲート回路の他の実施例である。図6との違いは、R3,C1に直列にR51が、R4とC2に直列にR61が設けられている点である。スイッチ(Q3,Q4)がオンした状態でのゲート抵抗は両者ともオン用がR1+R5、オフ用がR2+R6である。R5,R6を大きくする時はその分R1,R2を小さくするが、図6の場合はR1,R2を小さくすると、R3とC1及びR4とC2に流れる電流が連鎖的に変わるので回路設計が複雑となる。図13の実施例では、R5及びR6と等価な抵抗(R51,R61)をR3,C1及びR4,C2に直列に接続して、
R3とC1及びR4とC2に流れる電流が変わらないようにしている。
図12は、本発明の実施の形態を示すIGBTのゲート駆動回路の他の実施例である。図6の電力上昇手段及び電力下降手段との違いは、スイッチ(Q3,Q4)のベース電流の変化を利用している点である。スイッチQ1がターンオンすると、電源電圧E1がR3−R1−IGBTのゲートの経路で印加される。するとR3に印加される電圧により、
Q3のエミッタからベース、さらにはC3−R5の経路でQ3のベース電流ib1が流れQ3がオンする。しかしQ3がオンするとQ3に印加されていた電圧が低下してベース電流ib1が流れなくなるので、結局はC3の充電電流とQ3のhfeで決まる電流が流れて、電力下降手段の役割を果たす。次にR7を介してベース電流が流れQ3がオンすると、C3を電源としてib2が流れるので、その間はR1に流れる電流が低減し電力上昇手段の役割を果たす。この場合の電力下降期間T2及び電力上昇期間T3はC3,R5によって変えられることは明白である。また、図5で示したようにQ3に並列にコンデンサ
C1を設けることを併用することも可能である。
図7は、本発明の実施例を示すIGBTのゲート駆動回路の他の実施例の機能構成図である。図1の実施例では電力上昇手段105及び電力下降手段106が駆動手段107と直列に接続されているが、この実施例では電力上昇,下降手段501,502が駆動手段107に並列に接続する。電力上昇,下降手段501,502で駆動手段からの出力をバイパスすることにより、出力電力の下降及び上昇を実現している。動作は図1の場合と同様であり、説明は省略する。
以上、本発明はIGBTやFET等の電圧駆動形スイッチング素子のスイッチング時のdi/dt,dv/dtの抑制という観点から説明してきたが、本発明のゲート駆動回路は電力変換器の負荷短絡やアーム短絡などで発生する過電流からの保護にも有効である。すなわちセンサの出力で基準電圧を制御する機能を持たせており、温度センサと過電流センサを並列にして、基準電圧の増加減を制御することが容易にできるからである。例えば、ターンオン時に過電流を検知した場合は、比較器の基準電圧を上昇させ、ゲート電圧の下降手段から上昇手段への切換えをさせないようにして、電力変換器の負荷短絡やアーム短絡などで発生する過電流をそれ以上大きくさせないようにすることへの応用が可能である。
本発明の一実施例を示す電圧駆動素子のゲート駆動回路の機能構成図である。 本発明の実施例の動作を説明するためのターンオン動作波形である。 本発明の実施例の動作を説明するためのターンオフ動作波形である。 本発明の他の実施例を示す電圧駆動素子のゲート駆動回路の機能構成図である。 図1の実施例の具体的回路構成図である。 図5の具体的回路の変形例である。 本発明の他の実施例を示す電圧駆動素子のゲート駆動回路の機能構成図である。 電圧駆動素子のゲート駆動回路の出力能力を説明するための回路及び動作波形である。 本発明対象であるIGBTを用いた電圧形インバータの一般的な回路図である。 跳ね上がり電圧を抑制するスナバ回路例である。 IGBTのdv/dtの温度依存。 図5の実施例の変形例である。 図6に示す具体的回路の変形例である。
符号の説明
101…ゲート駆動回路、102…IGBTモジュール、103…比較回路、104…ゲート電圧検出、105…電力上昇手段、106…電力下降手段、107…駆動手段、
108…基準電圧設定手段。

Claims (7)

  1. 電圧駆動形スイッチング素子のスイッチング動作を制御する信号を増幅する駆動手段と、
    前記電圧駆動形スイッチング素子のコレクタ電圧,コレクタ電流又はゲート電圧を検出する動作状態検出手段と、
    ターンオフ時の前記駆動手段の出力端子と接地との間に抵抗を接続した際の前記駆動手段の出力端子の電圧を時間経過に伴って連続的に上昇させる電力下降手段と、
    前記上昇させた電圧を時間経過に伴って連続的に下降させる電力上昇手段とを備え、
    ターンオフ時に前記駆動手段の出力端子は負の電圧を出力し、その後、時間と共に連続的に電圧を上昇させ、前記動作状態検出手段が検出する前記電圧駆動形スイッチング素子の電圧,コレクタ電流又はゲート電圧が所定の値に達したら、時間経過に伴って連続的に前記駆動手段の出力端子の電圧を低下させることを特徴とする電圧駆動形スイッチング素子のゲート駆動回路。
  2. 請求項1において、
    前記電力下降手段の電圧上昇動作時間が前記電力上昇手段の電圧下降動作時間より長いことを特徴とする電圧駆動形スイッチング素子のゲート駆動回路。
  3. 請求項1から請求項2のいずれか1項において、
    前記電圧駆動形スイッチング素子の温度を検出する手段と、前記検出量を電圧に変換する手段とを有し、前記電力下降手段から、前記電力上昇手段への切換えを、前記温度検出量に応じて行うことを特徴とする電圧駆動形スイッチング素子のゲート駆動回路。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項において、
    前記電力下降手段,前記電力上昇手段の何れか又は両者が、コンデンサとスイッチングデバイスの並列によって構成されていることを特徴とする電圧駆動形スイッチング素子のゲート駆動回路。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項において、
    前記電力下降手段,前記電力上昇手段の何れか又は両者が、抵抗とコンデンサ、及びスイッチングデバイスの並列又は直並列によって構成されていることを特徴とする電圧駆動形スイッチング素子のゲート駆動回路。
  6. 請求項4又は請求項5において、
    前記電力下降手段又は前記電力上昇手段に用いるコンデンサ容量が、電圧駆動形スイッチング素子のゲート容量の1〜5倍であることを特徴とする電圧駆動形スイッチング素子のゲート駆動回路。
  7. 請求項1に記載されるゲート駆動回路により駆動される電圧駆動形スイッチング素子を複数個用いて構成されることを特徴とするインバータ。


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